JP2970323B2 - 磁界変調記録用光磁気記録媒体 - Google Patents

磁界変調記録用光磁気記録媒体

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JP2970323B2 JP17734393A JP17734393A JP2970323B2 JP 2970323 B2 JP2970323 B2 JP 2970323B2 JP 17734393 A JP17734393 A JP 17734393A JP 17734393 A JP17734393 A JP 17734393A JP 2970323 B2 JP2970323 B2 JP 2970323B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光等の光を照射
することにより情報の記録再生を行なう光磁気記録媒体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から情報を高密度に記録できて、且
つ再生及び消去が可能な記録媒体として光磁気記録媒体
が知られている。このような光磁気記録媒体は、垂直磁
化を有する磁性薄膜にレーザ等の光を照射してこれを加
熱すると同時に外部磁界を印加して記録を行なうもので
あり、その読み出しは垂直磁化膜の持つカー効果又はフ
ァラデー効果による反射光又は透過光の偏光面の変化を
検出して行なうものである。ここで用いられる磁性記録
膜としては、MnBiに代表される多結晶金属薄膜、G
IGに代表される化合物単結晶薄膜、GdCo,GdF
e,TbFe,DyFe,TbFeCo,GdFeCo
等の非晶質金属薄膜があるが、作成が比較的容易なこと
や記録再生特性の面からTbFeCo等のフェリ磁性体
が最も一般的に使用されている。しかしながら、Tbは
希土類元素の中では最も酸素に活性であることや、非常
に高価であることから信頼性及びコストの面で問題があ
るとして、近年その改良案がいくつか提案されている。
【0003】例えば、特開昭58−73746には、D
yFeCoを記録膜として使用し、その組成を次式、 DyX (Fe1ーY CoY1ーX 0.15 ≦ x ≦ 0.35 0 < Y < 0.50 とする光磁気記録媒体が開示されており、S/Nの改善
が図られている。
【0004】また、特開平2−273351には、同様
にDyFeCoを記録膜として使用し、その組成を次
式、 DyX (Fe1ーY CoY1ーX 0.22 ≦ x ≦ 0.25 0.10 ≦ Y ≦ 0.35 とする磁気光学記憶素子が開示されている。この磁気光
学記憶素子は、上記特開昭58−73764に開示され
た光磁気記録媒体に対し、その動特性即ち、記録に必要
なレーザ光のパワー、再生信号品質又は長期間、記録・
消去を繰り返した際の記録媒体の安定性等に改善が加え
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、この種の光磁気
記録媒体に対する記録方法としては、従来より、いわゆ
る光変調方式と磁界変調方式とが知られている。前者の
方式は、記録する方向に弱い直流の外部磁界をかけ、こ
れに信号の有無に応じてレーザ光をあてて熱を加える
と、保磁力が落ち、外部磁界の向きに磁化が反転するこ
とから、この磁区の向きによって”1”,”0”の情報
の記録がなされるものであり、後者の方式は、常に一定
の強さのレーザ光を照射し、信号の”1”,”0”に応
じて外部磁界を反転することによって情報の記録がなさ
れるものである。そして、前者の記録方式である光変調
方式は、すでに記録してあるところに再記録する際に、
既記録部分を一度消去した後に新たに記録するする必要
があり、通常の磁気ディスクのように、前に記録した情
報を一度消去することなく直接重ね書きするという、い
わゆるオーバライトができないという欠点がある。これ
に対して、後者の方式である磁界変調方式は、その記録
原理から、いわゆるオーバライトが可能であり、現在の
コンピュータ用磁気ディスク並の高速転送が可能である
という特長を有しているため、この磁界変調方式の記録
に適した光磁気記録媒体が求められている。
【0006】一般に、この磁界変調方式によって高密度
なオーバライト記録を行なう場合、磁界を高速で変調し
ようとすると、変調コイルのインダクタンスによって発
生磁界の強度が制約されることのなるため、記録膜の記
録磁界感度を向上させる必要がある。しかし、上述した
従来例に係る光磁気記録媒体又は磁気光学記憶素子は、
このような磁界変調方式における記録磁界感度という観
点からみたとき、その特性は充分なものでなく、特に変
調磁界強度が 100Oe程度又はそれ以下の低磁界強度で
は充分な記録が不可能であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑みなされたものであり、光変調方式の記録のみなら
ず、磁界変調方式の記録に優れた特性を有する光磁気記
録媒体を提供するものであって、請求項1に係る発明
は、「膜面と垂直な方向に磁化容易軸を持つ非晶質磁性
に65Oe乃至100Oeで磁界変調記録を行う光磁
気記録媒体であって、上記非晶質磁性膜が下記式 DyX(Fe1ーYCoY)1ーX 0.25 ≦ x≦ 0.29 0.19 ≦ Y≦ 0.39 を満足する組成を有する三元系合金薄膜である磁界変調
記録用光磁気記録媒体。」を提供するものであり、請求
項2に係る発明は、「膜面と垂直な方向に磁化容易軸を
持つ非晶質磁性膜に65Oe乃至100Oeで磁界変調
記録を行う光磁気記録媒体であって、上記非晶質磁性膜
が下記式 DyX(Fe1ーYCoY)1ーX 補償組成< X≦ 0.29 0.19 ≦ Y≦ 0.39 を満足する組成を有する三元系合金薄膜である磁界変調
記録用光磁気記録媒体。」を提供するものである。
【0008】
【実施例】図1に、本発明の第1の実施例である光磁気
記録媒体としての反射干渉型四層膜構造ディスクの概略
断面図を示す。同図において、符号1はその厚みが 1.2
mmのポリカーボネイト樹脂基板であり、その表面には
図示しない案内溝が形成されている。基板1上にはAl
Nからなる第1の誘電体エンハンス膜2が、例えば、膜
厚 900オンク゛ストロームに形成されている。第1の誘電体エン
ハンス膜2の上には、膜面に垂直な磁化容易軸を有する
非晶質磁性膜としてDyFeCo(ディスプロシウム・
鉄・コバルト)合金薄膜3が、例えば、膜厚 220オンク゛スト
ロームに形成される。尚、DyFeCo合金薄膜3の材料
であるDyX (Fe1ーY CoY1ーX中のDyの含有量 x
及びCoの含有量 Yは、前述の如く、0.25 ≦ x ≦ 0.2
9、0.19 ≦ Y ≦ 0.39の範囲に設定される。DyFeC
o合金薄膜3上には、AlNからなる第2の誘電体エン
ハンス膜4が、例えば、膜厚 300オンク゛ストロームに形成され
ている。また、第2の誘電体エンハンス膜4上には、A
l又はAl合金からなる反射膜5が、例えば、膜厚 300
オンク゛ストロームに形成され、この反射膜5上には、紫外線硬
化樹脂からなる保護膜6が、例えば、膜厚10μmに形成
されている。
【0009】ここで、上記第1及び第2の誘電体エンハ
ンス膜2,4はその屈折率が 2.0程度が好ましく、反射
膜5はその反射率が70%以上であることが望ましい。
尚、上記各膜の膜厚は、すべて一例であって、例えば、
光磁気ディスクとして必要な反射率、エンハンス効果、
保護効果、記録感度等に合わせて適切な値を選ぶことが
できるものである。また、上記第1の誘電体エンハンス
膜2、第2の誘電体エンハンス膜4、DyFeCo合金
薄膜3、反射膜5は、公知の真空スパッタリング法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法等を用いて成膜でき
るものであり、保護膜6はスピンコート法により成膜で
きるものである。更にまた、上記基板1には、エッチン
グ等により形成した案内溝付のガラス基板を、第1及び
第2の誘電体エンハンス膜2,4には、SiN,SiA
lN等を、保護膜6には、SiO2 等を用いることも可
能である。
【0010】次に、上記光磁気記録媒体のDyFeCo
合金膜3の組成範囲について、実験データを用いて説明
する。図2は、Dy組成の変化に対する光変調記録特性
の記録外部磁界依存性を示したものである。「○」でプ
ロットした曲線はDy,Fe,Co各組成がそれぞれ2
2.4atom%,63.3atom%,14.3atom%(試料1)、
「△」でプロットした曲線は同様に各組成がそれぞれ2
4.3atom%,61.4atom%,14.3atom%(試料2)、
「□」でプロットした曲線は同様に各組成がそれぞれ2
4.6atom%,61.1atom%,14.3atom%(試料3)、
「▽」でプロットした曲線は同様に各組成がそれぞれ2
6.7atom%,59.0atom%,14.3atom%(試料4)、
「●」でプロットした曲線は同様に各組成がそれぞれ2
7.5atom%,58.2atom%,14.3atom%(試料5)につい
て、ビット長 2.8μmでそれぞれ光変調記録をし、これ
を再生したときのキャリアレベルとノイズレベルをそれ
ぞれプロットしたものであり、外部磁界ゼロの縦軸に関
して略対称な形状でグラフ下方に存在する一群の曲線が
ノイズレベルを示し、外部磁界が正の領域で略飽和して
いる一群の曲線がキャリアレベルを示すものである。
【0011】同図から、室温に補償温度(Tcomp)を持
つ補償組成である試料3よりDyの組成が増加した領域
の試料4、試料5において低磁界強度の記録再生特性が
向上していることが分かる。これは、フェリ磁性体特有
の磁気特性の変化によるものであると考えられる。以
下、図3及び図4を参照してこれについて説明する。図
3は、Dy組成の変化に対する保磁力の温度依存性を示
すグラフであり、試料1、試料3、試料5についてプロ
ットしたものである。また、図4はDy組成の変化に対
する残留磁化の温度依存性を示すグラフであり、試料1
と試料5についてプロットしたものである。
【0012】図3においては、試料3は室温(25℃)で
その保磁力Hcが非常に大きな値を示す補償組成となっ
ていることが分かる。また、この補償組成である試料3
よりDyの組成が多い試料5では、補償温度(Tcomp)
が約50℃と室温より高い値を示しており、この逆に、D
yの組成が少ない試料1では、補償温度(Tcomp)が室
温より低いであろうことが読みとられる。
【0013】また、図4においては、Dy組成が多い試
料5とDy組成が少ない試料1とを比較した場合、室温
からキュリー温度(Tc)に至るほぼ全ての温度領域に
おいて、試料5の残留磁化(Mr)が小さいことが分か
る。そして、これらのことから、Dy組成を補償組成よ
り増加した領域において、残留磁化(Mr)が減少する
ため、低磁界記録による特性の改善が図られるものと考
えられる。
【0014】他方、Coの組成は、図2におけるノイズ
の上昇レベル(このノイズレベルは、磁界変調記録にお
けるゼロクロスノイズと対応して考えることができ
る。)、及びレーザ光の最適記録パワー即ちキュリー温
度(Tc)を可変するものであり、この点を考慮してそ
の組成を設定すればよい。尚、このCoの組成について
は更に後述する。現在市販されているCD又はMDの最
短ビット長である 0.83 μmで、試料5の光磁気記録媒
体に光変調記録した場合の光変調記録特性の記録外部磁
界依存性を図5に示す。同図から分かるように、この光
磁気記録媒体では外部記録磁界約80 Oeで飽和記録が
可能であり、その際のCN比は 48.6 dBが得られてい
る。同様に、ビット長 0.83 μmで試料5の光磁気記録
媒体に磁界変調記録した場合の磁界変調記録特性の変調
外部磁界依存性を図6に示す。同図から分かるように、
この光磁気記録媒体では変調磁界約 65 OeでCN比 4
5 dBを達成している。
【0015】次に、本発明の数値限定範囲について、図
7乃至図12を参照して更に説明する。図7は、Fe対
Coの組成比を本願発明の数値限定範囲内である 0.8
対 0.2と一定にしたとき、即ちDyX (Fe0.8 Co
0.21ーXで表される薄膜について、Dy組成に対する保
磁力Hcをプロットしたものである。同図から明らかな
ように、補償組成は、Dy組成が 24〜25atom% の近傍
に存在しており、Dy組成の数値限定範囲である 0.25
≦ x ≦ 0.29 は大略補償組成からDy−rich側で
保磁力Hcが約 4KOe 以上となる範囲に対応している。
【0016】図8は、Fe対Coの組成比を本願発明の
数値限定範囲内である 0.7 対 0.3と一定にしたとき、
即ちDyX (Fe0.7 Co0.31ーXで表される薄膜を用
いた反射干渉型四層膜構造ディスクでの記録外部磁界依
存性(光変調記録)をCN比により評価した結果であ
る。ここで用いた反射干渉型四層膜構造ディスクの断面
構造は、図1で説明したそれと大略同様であるが、Dy
FeCo合金薄膜3の膜厚が 200オンク゛ストロームとされ、反
射膜5の膜厚が 350オンク゛ストロームとされている点で異な
る。尚、図2においては、キャリアレベルとノイズレベ
ルとを個別にプロットしたが、本図においては、前者か
ら後者を差し引いた値をプロットしたものであり、
「○」でプロットした曲線はDy組成 x=0.285 の 膜を
有する試料6を、「△」でプロットした曲線はDy組成
x=0.275 の 膜を有する試料7を、「□」でプロットし
た曲線はDy組成 x=0.263 の 膜を有する試料8を、
「▽」でプロットした曲線はDy組成 x=0.247 の 膜を
有する試料9を、「●」でプロットした曲線はDy組成
x=0.225 の 膜を有する試料10をそれぞれ示す。これ
らの各曲線はビット長 0.83μmでそれぞれ光変調記録
をし、これを再生したときのCN比をそれぞれプロット
したものである。記録外部磁界が負の領域(消去方向に
磁界が印加される領域)において、CN比が立ち上がる
磁界をHthとし、記録外部磁界が正の領域(記録方向に
磁界が印加される領域)において、CN比が飽和する磁
界をHsaとすると、Hth、Hsaの絶対値がより小さいこ
とが、より低い記録外部磁界で良好な記録再生性能を得
るための必要条件となる。上記各試料についてのこれら
の値の絶対値及び飽和CN比を表1に示す。
【表1】 同表から明らかなように、Hthは、Dyの組成が増える
にしたがってその絶対値が低磁界側へシフトし、補償組
成(試料9)を越えDy組成が更に増加した試料8,
7,6においてHth≦100 Oeとなっている。他方、Hsa
は、Dy組成の増加に伴って減少してくるが、27〜28at
om%を境に再び増大する傾向にある。また、補償組成に
ある試料9はCN値が一度上昇した後、若干下降して飽
和状態に至っているが、これは、一旦減少したノイズレ
ベルが再び上昇することによるものと考えられる。
【0017】図8又は表1から明らかなように、試料6
乃至試料8はそのHthの絶対値が 100 Oe 以下の値とな
っており、本願発明の主要な目的の一つである、低磁界
によるオーバーライトに好適であることが分かる。中で
も、試料7は、Hth,Hsaがともに 100 Oe 以下の値を
示しており好適である。図9は、上記試料6乃至試料1
0と同様にCo量を Y=0.3 に固定した反射干渉型四層
膜構造ディスクについて、記録外部磁界 80 Oe を印加
して、ビット長0.83 μmで光変調記録した場合のDy
組成に対するCN比をプロットしたグラフである。同図
から明らかなように、本発明におけるDy組成の数値限
定範囲である 0.25 ≦ x ≦ 0.29 は、一般に必要とさ
れているCN比 45dB 以上の領域と大略一致しており、
この範囲において良好な記録再生特性が得られることが
分かる。以上、図7乃至図9の結果から、記録したビッ
トが室温で安定に存在し、かつ低い記録外部磁界(約 8
0〜100 Oe)で充分な記録再生特性が得られるDyの組
成範囲は 0.25 ≦ x ≦ 0.29 であるということができ
る。
【0018】次に、図7乃至図9で説明したの同様の構
成の反射干渉型四層膜構造ディスクについて、Dy組成
を X=0.27 に固定して、Co組成を変化させた場合の諸
特性について説明する。図10は、横軸にCo組成、縦
軸にキュリー温度(Tc)をとった場合のDyFeCo
合金薄膜の特性を示すグラフであり、Co組成の増加と
ともにキュリー温度がほぼ直線的に上昇していることが
分かる。一般に、本願発明がその対象としているような
光磁気記録媒体では、その使用環境の変化、再生時の媒
体の温度上昇等を考慮して、記録ビットが安定に存在す
るための必要条件として、媒体のキュリー温度は、 393
K 以上とすることが望ましい。この点について、同図を
参照すれば明らかなように、Coについての数値限定範
囲の下限であるCo組成 Y=0.19 において、そのキュリ
ー温度は約 400K となっており、上記必要条件を充分に
満たしていることが分かる。尚、媒体設計上のキュリー
温度(Tc)の上限は、後述するように、むしろ記録に
使用されるレーザ光のパワーによって制限されるもので
ある。
【0019】図11は、図10で測定したDyFeCo
合金薄膜を形成した反射干渉型四層膜構造ディスクにつ
いて、記録外部磁界 80 Oe を印加して、ビット長 0.83
μmで光変調記録した場合のCo組成に対するCN比
をプロットしたグラフである。 同図から明らかなよう
に、本発明におけるCo組成の数値限定範囲である 0.1
9 ≦ Y ≦ 0.39 は、一般に必要とされているCN比 45
dB 以上の領域と大略一致しており、この範囲において
良好な記録再生特性が得られることが分かる。中でも、
Co組成 Y=0.30 近傍においてCN比約 48dB を示して
おり、このあたりの組成において特に良好な記録再生特
性を示している。
【0020】図12は、Co組成に対する最適記録パワ
ーの変化を示している。同図中○印でプロットした曲線
は、線速 5.6m/s での光変調記録による最適記録パワー
の変化を示し、□印でプロットした曲線は、線速 1.2m/
s での磁界変調記録による最適記録パワーの変化を示し
ている。Co組成の増加によるキュリー温度の上昇に伴
って、いずれの記録パワーも上昇している。尚、ここ
で、光変調記録における最適記録パワーとは、 120 Oe
の外部磁界を印加して記録されたパルス信号のデューテ
ィー比が 50%となる記録パワーとし、磁界変調記録に
おける最適記録パワーとは、変調磁界 200 Oe でEFM
信号を記録した際、ブロックエラーレートが0.03 を越
える上限パワーと下限パワーとの中央値とした。ここ
で、半導体レーザの耐久性や、光磁気ピックアップとの
結合効率等を考慮すると、現状において実際に利用可能
な半導体レーザによって、書込みに際して、媒体に供給
できるパワーは、 8mW 程度が上限である。また、線速
1.2m/s でのEFM磁界変調記録の記録パワー(Pw)
の設定範囲は、 2.5mW ≦ Pw ≦5.0mW であることが
望ましい。同図を参照すれば明らかなように、このレー
ザパワーの点に関しても、本発明のCo組成範囲は好適
であることが分かる。以上、図10乃至図12の結果か
ら、Coの組成 Yの領域は 0.19 ≦ Y ≦ 0.39 が好適
である。
【0021】また、本発明は、第2の実施例として図1
3にその概略断面構造を示すいわゆる干渉膜構造又は2
層構造といわれるタイプの光磁気記録媒体にも適用可能
である。同図において、符号11はその厚みが 1.2mm
のポリカーボネイト樹脂基板であり、その表面には図示
しない案内溝が形成されている。基板1上にはAlNか
らなる誘電体エンハンス膜12が、例えば、膜厚 800オン
ク゛ストロームに形成されている。誘電体エンハンス膜12の
上には、膜面に垂直な磁化容易軸を有する非晶質磁性膜
としてDyFeCo合金薄膜13が、例えば、膜厚 800
オンク゛ストロームに形成される。DyFeCo合金薄膜13上
には、AlNからなる誘電体保護膜14が、例えば、膜
厚 800オンク゛ストロームに形成されている。また、誘電体保護
膜14上には、紫外線硬化樹脂からなる保護膜15が、
例えば、膜厚10μmに形成されている。 本実施例は、
第1実施例における反射膜5が省略されて、記録再生に
実質的に関与する膜が誘電体エンハンス膜12とDyF
eCo合金薄膜13の2層となっている点で第1実施例
と相違するものである。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、希
土類元素として比較的安価であるDyを使って、低記録
外部磁界による良好な記録再生特性を実現することがで
きるため、これにより磁界変調オーバライトが実質的に
可能で安価な磁界変調記録用光磁気記録媒体を提供する
ことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の第1の実施例を示す
概略断面図である。
【図2】Dy組成の変化に対する光変調記録特性の記録
外部磁界依存性を示す図である。
【図3】Dy組成の変化に対する保磁力の温度依存性を
示す図である。
【図4】Dy組成の変化に対する残留磁化の温度依存性
を示す図である。
【図5】本発明の一実施例である光磁気記録媒体の光変
調記録特性の記録外部磁界依存性を示す図である。
【図6】本発明の一実施例である光磁気記録媒体の磁界
変調記録特性の記録外部磁界依存性を示す図である。
【図7】DyX (Fe0.8 Co0.21ーXで表される薄膜
のDy組成と保磁力との関係を示す図である。
【図8】DyX (Fe0.7 Co0.31ーXで表される薄膜
を用いた反射干渉型四層膜構造ディスクにおけるDy組
成の変化に対する光変調記録特性の記録外部磁界依存性
を示す図である。
【図9】DyX (Fe0.7 Co0.31ーXで表される薄膜
を用いた反射干渉型四層膜構造ディスクにおけるDy組
成とCN比との関係を示す図である。
【図10】Dy0.27 (Fe1-Y CoY0.73で表される
薄膜のCo組成とキュリー温度との関係を示す図であ
る。
【図11】Dy0.27 (Fe1-Y CoY0.73で表される
薄膜を用いた反射干渉型四層膜構造ディスクにおけるC
o組成とCN比との関係を示す図である。
【図12】Dy0.27 (Fe1-Y CoY0.73で表される
薄膜を用いた反射干渉型四層膜構造ディスクにおけるC
o組成と最適記録パワーとの関係を示す図である。
【図13】本発明の光磁気記録媒体の第2の実施例を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1の誘電体エンハンス膜 3 DyFeCo合金膜 4 第二の誘電体エンハンス膜 5 反射膜 6 保護膜 11 基板 12 誘電体エンハンス膜 13 DyFeCo合金薄膜 14 誘電体保護膜 15 保護膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜面と垂直な方向に磁化容易軸を持つ非晶
    質磁性膜に65Oe乃至100Oeで磁界変調記録を行
    う光磁気記録媒体であって、 上記非晶質磁性膜が下記式 DyX (Fe1-Y CoY1-X 0.25 ≦ x≦ 0.29 0.19 ≦ Y≦ 0.39 を満足する組成を有する三元系合金薄膜であることを特
    徴とする磁界変調記録用光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】膜面と垂直な方向に磁化容易軸を持つ非晶
    質磁性膜に65Oe乃至100Oeで磁界変調記録を行
    う光磁気記録媒体であって、 上記非晶質磁性膜が下記式 DyX (Fe1-Y CoY1-X 補償組成< X≦ 0.29 0.19 ≦ Y≦ 0.39 を満足する組成を有する三元系合金薄膜であることを特
    徴とする磁界変調記録用光磁気記録媒体。
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