JPH0660420A - 波長多重記録材料 - Google Patents

波長多重記録材料

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JPH0660420A
JPH0660420A JP3243156A JP24315691A JPH0660420A JP H0660420 A JPH0660420 A JP H0660420A JP 3243156 A JP3243156 A JP 3243156A JP 24315691 A JP24315691 A JP 24315691A JP H0660420 A JPH0660420 A JP H0660420A
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JP
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JP3243156A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Maeda
至幸 前田
Kazuaki Sakota
和彰 迫田
Masao Iwamoto
昌夫 岩本
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ゲスト成分とホスト成分を主成分としてなる組
成物であって、ゲスト成分が、光照射により水素結合の
組替え可能な基を有するアントラキノン誘導体であり、
ホスト成分が、ゲスト成分と相溶し、ホスト成分を構成
する水素原子が重水素置換された有機ポリマであること
を特徴とする記録材料。 【化1】 【効果】本発明の記録材料は、従来のキニザリンを用い
た光記録材料に比べてホール半値幅が狭い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光化学ホールバーニン
グ現象を利用して、同一材料の同一場所に異なる波長の
光で多重に記録可能な光記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光化学ホールバーニング(PHB)現象
は、液体ヘリウム温度程度の極低温において光化学反応
を起こす材料に単色性の良い光を照射することにより、
その光を吸収するゲスト分子のみを選択的に励起し、光
化学変化を生じさせるものである。この光化学変化によ
り材料の吸収スペクトルに鋭いホールが形成できること
から、ホールの有無によりフォトンモードでの光記録が
可能である。しかも、照射する光の波長を変えて順次記
録することにより、同一材料の同一場所に波長多重記録
を行うことができる。このPHB現象を利用すると、従
来用いられてきた光学式デジタル記録媒体であるコンパ
クトデイスク(CD)やレーザーデイスク(LD)など
に比べて約1000倍の記録密度向上の可能性がある。
【0003】このようなPHB現象を用いる光記録材料
は、光反応性化合物であるゲスト分子と、それを分散す
るためのホストとから構成される。光記録に際して波長
多重度を大きくするためには、ゲストの分散状態に多様
性を持たせる意味から、ホストとして非晶質な媒体を用
いるのがよい。この目的から、従来ホストには有機ポリ
マやケイ酸ガラス等が用いられてきた。例えば、ゲスト
をテトラフェニルポルフィン、ホストをポリメチルメタ
クリレートとする材料(光学、14 (4) 263-269(1985))
や、ゲストをキニザリン、ホストをケイ酸ガラスとする
材料(Journalof Applied Physics、58 (9) 3559-3565
(1985))などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、キニザリン/ポリマ系で構成されるPHB材料に形
成されたホールの幅は、一つにはホストポリマを構成す
る元素で最も軽い水素のトンネリングによりホストポリ
マ中の2準位系(TLS)の緩和速度に伴い大きくなる
と考えられている。したがって、生成したホールの半値
幅が広いという欠点を持ち、PHB材料に期待される波
長多重度が減少する。
【0005】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し
ようとするものであり、ゲスト成分として骨格キノン構
造を含み、かつ、光照射により水素結合の組替え可能な
基を有する光反応性化合物を、ホスト成分としてゲスト
成分と相溶し、水素原子が重水素置換された有機ポリマ
を用いることによって、生成するホールの半値幅の小さ
い記録材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は下記の構成を有する。
【0007】「ゲスト成分とホスト成分を主成分として
なる組成物であって、ゲスト成分が、骨格キノン構造を
含み、かつ、光照射により水素結合の組替え可能な基を
有する光反応性化合物であり、一方、ホスト成分が、ゲ
スト成分と相溶し、かつ、ホスト成分を構成する水素原
子が重水素置換された有機ポリマであることを特徴とす
る波長多重記録材料。」すなわち、従来のキニザリンを
用いた記録材料と比べ、ホストに重水素置換したポリマ
を用いた材料では、水素原子の重水素化により水素のト
ンネリングが抑えられるために生成するホールの半値幅
を小さくできる。
【0008】本発明において、ゲスト成分である光反応
性化合物としては骨格にキノン構造を含み、かつ、光照
射により水素結合の組替え可能な基を有するものであれ
ばよいが、中でも式(I)に示される中で、キニザリン
(X=X=OH、R=R=R=R=R
=H)、パープリン(X=X=R=OH、R
=R=R=R=R=H)、キナリザリン(X
=X==R=R=OH、R=R=R=R
=H)、2,3-ジメチルキニザリン(X=X=O
H、R=R=CH3 、R=R=R=R
H)、1-アミノ−4-ヒドロキシアントラキノン(X
NH2 、X=OH、R=R=R=R=R
=H)、ヌークリアーファーストレッド(X=N
2 、X=R=OH、R=SO3 Na、R=R
=R=R=H)、カルミン酸(X=X=R
=R=OH、R=C6 115 、R=CH3 、R
=COOH、R=H)などが好ましく用いられる。
【0009】ゲスト成分である光反応性化合物の水素結
合の組替え可能な基としては、−OH、−NH2 、−N
H−から選ばれる少なくとも1つを有していることが好
ましい。水素結合組替えの機構ははっきり解っていない
が、光反応性化合物内での水素結合がホスト化合物との
間の水素結合に組み替えられているか、あるいは、光反
応性化合物同志で水素結合の組み替えが起きていると考
えられる。
【0010】本発明におけるホスト成分である有機ポリ
マとしては、ゲスト成分と相溶するものであればよい
が、クロロホルム、トルエンなどの有機溶媒に溶解する
ゲスト成分には、この様な有機溶媒に可溶なポリマが好
ましく、重水素置換されたモノマから重合された重水素
化ポリメタクリル酸アルキル、重水素化ポリスチレン、
重水素化ポリ酢酸ビニル、が好ましく用いられる。特
に、好ましくは重水素化ポリメタクリル酸メチルが用い
られる。これは、このポリマを用いた試料の透明度が良
く、取り扱いやすいからである。また、水や低級アルコ
ールの様な極性溶媒に可溶なゲスト成分には、重水素置
換されたモノマから重合された重水素化ポリエチレンオ
キシド、重水素化ポリビニルピリジン、重水素化ポリビ
ニルピロリドン、重水素化ポリヒドロキシメタクリレー
ト、重水素化ポリアクリル酸、重水素化ポリメタクリル
酸、重水素化ポリアクリルアミド、重水素化ポリメタク
リルアミド、重水素化ポリアリルアミン、重水素化ポリ
ビニルアミン、重水素化ポリビニルアルコールなどの水
溶性有機ポリマが好ましく用いられる。ゲスト成分が極
性溶媒に可溶であるので、これらのポリマへの分散が容
易だからである。特に好ましくは重水素化ポリビニルア
ルコールが用いられる。重水素化ポリビニルアルコール
は、側鎖にある水酸基の水素結合により記録状態が安定
に保たれるからである。
【0011】本発明の光記録材料中におけるゲスト成分
の濃度は、これが高すぎるとゲスト分子間でのエネルギ
移動によりホール生成特性が劣化し、また、低すぎると
記録読取時のS/Nが小さくなることから制限を受け
る。したがって、好ましいゲスト濃度はホストである有
機ポリマの体積を基準として10-1〜10-6mol/l
であり、特に、10-2〜10-4mol/lであることが
好ましい。
【0012】
【実施例】以下に、実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】実施例1 重水素化メチルメタクリレ−ト(MMA-d8 )(和光純
薬製)10gをメチルエチルケトン15mlに溶解し、
さらに、アゾビスイソブチルニトリル70mgを加えた
後、脱気して65℃、8時間重合した。重合体をメタノ
ール再沈で単離し、収量8.1gで重水素化ポリメチル
メタクリレ−ト(PMMA-d8 )を得た。
【0014】上記で得たPMMA-d8 1gをクロロホル
ム15mlに溶解後、キニザリン1.8mgを加え攪拌
混合した。この溶液をシャーレ中で乾燥させてゲスト濃
度8×10-3mol/l、厚さ0.2mmのフィルムを
得た。このフィルムに15Kの温度で波長514.5n
mのアルゴンレ−ザ光を照射してホール形成し、その半
値幅を分光器THR−1000(Jobin Yvon社
製)を用いて測定した。なお、図1に室温での実施例1
のフィルム試料の吸収スペクトルを示した。
【0015】比較例1 アイソタクティックポリメチルメタクリレ−ト(分子量
=40000 )10gをトルエン100mlに溶解させた
後、キニザリン24mgを加え攪拌した。この溶液をシ
ャーレ中で乾燥させてゲスト濃度1.1×10-2mol
/l、厚さ0.4mmのフィルムを得た。このフィルム
に15Kで波長514.5nmのアルゴンレ−ザ光を照
射してホール形成し、その半値幅を測定した。実施例1
と比較例1との15Kでのホール半値幅を比較すると実
施例1の方が狭い。
【0016】実施例2 実施例1で得たPMMA-d8 1gをクロロホルム15m
lに溶解後、1-アミノ−4-ヒドロキシアントラキノン
(式(I)で、X=NH2 、X=OH、R=R
=R=R=R=R=H)1.8mgを加え攪拌
混合した。この溶液をシャーレ中で乾燥させてゲスト濃
度8×10-3mol/l、厚さ0.2mmのフィルムを
得た。このフィルムに液体ヘリウム温度で波長575.
5nmの色素レ−ザ光を照射してホール形成し、その半
値幅を用いて測定した。
【0017】比較例2 アイソタクティックポリメチルメタクリレ−ト(分子量
=40000 )10gをトルエン100mlに溶解させた
後、1-アミノ−4-ヒドロキシアントラキノン23mgを
加え攪拌した。この溶液をシャーレ中で乾燥させてゲス
ト濃度1.1×10-2mol/l、厚さ0.4mmのフ
ィルムを得た。このフィルムに液体ヘリウム温度で波長
575.5nmの色素レ−ザ光を照射してホール形成
し、その半値幅を測定した。
【0018】実施例2と比較例2との液体ヘリウム温度
でのホール半値幅を比較すると実施例1の方が狭かっ
た。
【0019】実施例3 重水素化ポリビニルアルコール100mgを蒸留水1m
lに溶解させた後、ヌークリアーファーストレッド(式
(I)でX=NH2 、X=R=OH、R=SO
3 Na、R=R=R=R=H)3.5mgを加
え攪拌混和した。この溶液をシャーレ中で乾燥させて、
ゲスト濃度1×10-2mol/l、厚さ0.2mmのフ
ィルムを得た。このフィルムを用いて20Kで波長57
0nmの色素レ−ザ光を照射してホール形成し、その半
値幅を測定した。
【0020】比較例3 ポリビニルアルコール1gを蒸留水20mlに溶解させ
た後、ヌークリアーファーストレッド35mgを加え攪
拌した。この溶液をシャーレ中で乾燥させて、ゲスト濃
度1×10-2mol/l、厚さ0.2mmのフィルムを
得た。このフィルムを用いて20Kで波長570nmの
色素レ−ザ光を照射してホール形成し、その半値幅を測
定した。
【0021】実施例3と比較例3との20Kでのホール
半値幅を比較すると実施例3の方が比較例3よりも狭
い。
【0022】
【発明の効果】本発明の記録材料は、従来のキニザリン
を用いた光記録材料に比べてホール半値幅を狭くするこ
とができる。
【0023】
【画面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図面は実施例1で得られた材料の室温での吸収
スペクトルを示したものである。図面において、横軸は
波長(単位はnm)、縦軸は吸収強度を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光化学ホールバーニン
グ現象を利用して、同一材料の同一場所に異なる波長の
光で多重に記録可能な光記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光化学ホールバーニング(PHB)現象
は、液体ヘリウム温度程度の極低温において光化学反応
を起こす材料に単色性の良い光を照射することにより、
その光を吸収するゲスト分子のみを選択的に励起し、光
化学変化を生じさせるものである。この光化学変化によ
り材料の吸収スペクトルに鋭いホールが形成できること
から、ホールの有無によりフォトンモードでの光記録が
可能である。しかも、照射する光の波長を変えて順次記
録することにより、同一材料の同一場所に波長多重記録
を行うことができる。このPHB現象を利用すると、従
来用いられてきた光学式デジタル記録媒体であるコンパ
クトデイスク(CD)やレーザーデイスク(LD)など
に比べて約1000倍の記録密度向上の可能性がある。
【0003】このようなPHB現象を用いる光記録材料
は、光反応性化合物であるゲスト分子と、それを分散す
るためのホストとから構成される。光記録に際して波長
多重度を大きくするためには、ゲストの分散状態に多様
性を持たせる意味から、ホストとして非晶質な媒体を用
いるのがよい。この目的から、従来ホストには有機ポリ
マやケイ酸ガラス等が用いられてきた。例えば、ゲスト
をテトラフェニルポルフィン、ホストをポリメチルメタ
クリレートとする材料(光学、14 (4) 263-269(1985))
や、ゲストをキニザリン、ホストをケイ酸ガラスとする
材料(Journalof Applied Physics、58 (9) 3559-3565
(1985))などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、キニザリン/ポリマ系で構成されるPHB材料に形
成されたホールの幅は、一つにはホストポリマを構成す
る元素で最も軽い水素のトンネリングによりホストポリ
マ中の2準位系(TLS)の緩和速度に伴い大きくなる
と考えられている。したがって、生成したホールの半値
幅が広いという欠点を持ち、PHB材料に期待される波
長多重度が減少する。
【0005】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し
ようとするものであり、ゲスト成分として骨格キノン構
造を含み、かつ、光照射により水素結合の組替え可能な
基を有する光反応性化合物を、ホスト成分としてゲスト
成分と相溶し、水素原子が重水素置換された有機ポリマ
を用いることによって、生成するホールの半値幅の小さ
い記録材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は下記の構成を有する。
【0007】「ゲスト成分とホスト成分を主成分として
なる組成物であって、ゲスト成分が、骨格キノン構造を
含み、かつ、光照射により水素結合の組替え可能な基を
有する光反応性化合物であり、一方、ホスト成分が、ゲ
スト成分と相溶し、かつ、ホスト成分を構成する水素原
子が重水素置換された有機ポリマであることを特徴とす
る波長多重記録材料。」すなわち、従来のキニザリンを
用いた記録材料と比べ、ホストに重水素置換したポリマ
を用いた材料では、水素原子の重水素化により水素のト
ンネリングが抑えられるために生成するホールの半値幅
を小さくできる。
【0008】本発明において、ゲスト成分である光反応
性化合物としては骨格にキノン構造を含み、かつ、光照
射により水素結合の組替え可能な基を有するものであれ
ばよいが、中でも式(I)に示される中で、キニザリン
(X=X=OH、R=R=R=R=R
=H)、パープリン(X=X=R=OH、R
=R=R=R=R=H)、キナリザリン(X
=X==R=R=OH、R=R=R=R
=H)、2,3-ジメチルキニザリン(X=X=O
H、R=R=CH3 、R=R=R=R
H)、1-アミノ−4-ヒドロキシアントラキノン(X
NH2 、X=OH、R=R=R=R=R
=H)、ヌークリアーファーストレッド(X=N
2 、X=R=OH、R=SO3 Na、R=R
=R=R=H)、カルミン酸(X=X=R
=R=OH、R=C6 115 、R=CH3 、R
=COOH、R=H)などが好ましく用いられる。
【0009】ゲスト成分である光反応性化合物の水素結
合の組替え可能な基としては、−OH、−NH2 、−N
H−から選ばれる少なくとも1つを有していることが好
ましい。水素結合組替えの機構ははっきり解っていない
が、光反応性化合物内での水素結合がホスト化合物との
間の水素結合に組み替えられているか、あるいは、光反
応性化合物同志で水素結合の組み替えが起きていると考
えられる。
【0010】本発明におけるホスト成分である有機ポリ
マとしては、ゲスト成分と相溶するものであればよい
が、クロロホルム、トルエンなどの有機溶媒に溶解する
ゲスト成分には、この様な有機溶媒に可溶なポリマが好
ましく、重水素置換されたモノマから重合された重水素
化ポリメタクリル酸アルキル、重水素化ポリスチレン、
重水素化ポリ酢酸ビニル、が好ましく用いられる。特
に、好ましくは重水素化ポリメタクリル酸メチルが用い
られる。これは、このポリマを用いた試料の透明度が良
く、取り扱いやすいからである。また、水や低級アルコ
ールの様な極性溶媒に可溶なゲスト成分には、重水素置
換されたモノマから重合された重水素化ポリエチレンオ
キシド、重水素化ポリビニルピリジン、重水素化ポリビ
ニルピロリドン、重水素化ポリヒドロキシメタクリレー
ト、重水素化ポリアクリル酸、重水素化ポリメタクリル
酸、重水素化ポリアクリルアミド、重水素化ポリメタク
リルアミド、重水素化ポリアリルアミン、重水素化ポリ
ビニルアミン、重水素化ポリビニルアルコールなどの水
溶性有機ポリマが好ましく用いられる。ゲスト成分が極
性溶媒に可溶であるので、これらのポリマへの分散が容
易だからである。特に好ましくは重水素化ポリビニルア
ルコールが用いられる。重水素化ポリビニルアルコール
は、側鎖にある水酸基の水素結合により記録状態が安定
に保たれるからである。
【0011】本発明の光記録材料中におけるゲスト成分
の濃度は、これが高すぎるとゲスト分子間でのエネルギ
移動によりホール生成特性が劣化し、また、低すぎると
記録読取時のS/Nが小さくなることから制限を受け
る。したがって、好ましいゲスト濃度はホストである有
機ポリマの体積を基準として10-1〜10-6mol/l
であり、特に、10-2〜10-4mol/lであることが
好ましい。
【0012】
【実施例】以下に、実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】実施例1 重水素化メチルメタクリレ−ト(MMA-d8 )(和光純
薬製)10gをメチルエチルケトン15mlに溶解し、
さらに、アゾビスイソブチルニトリル70mgを加えた
後、脱気して65℃、8時間重合した。重合体をメタノ
ール再沈で単離し、収量8.1gで重水素化ポリメチル
メタクリレ−ト(PMMA-d8 )を得た。
【0014】上記で得たPMMA-d8 1gをクロロホル
ム15mlに溶解後、キニザリン1.8mgを加え攪拌
混合した。この溶液をシャーレ中で乾燥させてゲスト濃
度8×10-3mol/l、厚さ0.2mmのフィルムを
得た。このフィルムに15Kの温度で波長514.5n
mのアルゴンレ−ザ光を照射してホール形成し、その半
値幅を分光器THR−1000(Jobin Yvon社
製)を用いて測定した。なお、図1に室温での実施例1
のフィルム試料の吸収スペクトルを示した。
【0015】比較例1 アイソタクティックポリメチルメタクリレ−ト(分子量
=40000 )10gをトルエン100mlに溶解させた
後、キニザリン24mgを加え攪拌した。この溶液をシ
ャーレ中で乾燥させてゲスト濃度1.1×10-2mol
/l、厚さ0.4mmのフィルムを得た。このフィルム
に15Kで波長514.5nmのアルゴンレ−ザ光を照
射してホール形成し、その半値幅を測定した。実施例1
と比較例1との15Kでのホール半値幅を比較すると実
施例1の方が狭い。
【0016】実施例2 実施例1で得たPMMA-d8 1gをクロロホルム15m
lに溶解後、1-アミノ−4-ヒドロキシアントラキノン
(式(I)で、X=NH2 、X=OH、R=R
=R=R=R=R=H)1.8mgを加え攪拌
混合した。この溶液をシャーレ中で乾燥させてゲスト濃
度8×10-3mol/l、厚さ0.2mmのフィルムを
得た。このフィルムに液体ヘリウム温度で波長575.
5nmの色素レ−ザ光を照射してホール形成し、その半
値幅を用いて測定した。
【0017】比較例2 アイソタクティックポリメチルメタクリレ−ト(分子量
=40000 )10gをトルエン100mlに溶解させた
後、1-アミノ−4-ヒドロキシアントラキノン23mgを
加え攪拌した。この溶液をシャーレ中で乾燥させてゲス
ト濃度1.1×10-2mol/l、厚さ0.4mmのフ
ィルムを得た。このフィルムに液体ヘリウム温度で波長
575.5nmの色素レ−ザ光を照射してホール形成
し、その半値幅を測定した。
【0018】実施例2と比較例2との液体ヘリウム温度
でのホール半値幅を比較すると実施例1の方が狭かっ
た。
【0019】実施例3 重水素化ポリビニルアルコール100mgを蒸留水1m
lに溶解させた後、ヌークリアーファーストレッド(式
(I)でX=NH2 、X=R=OH、R=SO
3 Na、R=R=R=R=H)3.5mgを加
え攪拌混和した。この溶液をシャーレ中で乾燥させて、
ゲスト濃度1×10-2mol/l、厚さ0.2mmのフ
ィルムを得た。このフィルムを用いて20Kで波長57
0nmの色素レ−ザ光を照射してホール形成し、その半
値幅を測定した。
【0020】比較例3 ポリビニルアルコール1gを蒸留水20mlに溶解させ
た後、ヌークリアーファーストレッド35mgを加え攪
拌した。この溶液をシャーレ中で乾燥させて、ゲスト濃
度1×10-2mol/l、厚さ0.2mmのフィルムを
得た。このフィルムを用いて20Kで波長570nmの
色素レ−ザ光を照射してホール形成し、その半値幅を測
定した。
【0021】実施例3と比較例3との20Kでのホール
半値幅を比較すると実施例3の方が比較例3よりも狭
い。
【0022】
【発明の効果】本発明の記録材料は、従来のキニザリン
を用いた光記録材料に比べてホール半値幅を狭くするこ
とができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図面は実施例1で得られた材料の室温での吸収
スペクトルを示したものである。図面において、横軸は
波長(単位はnm)、縦軸は吸収強度を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲスト成分とホスト成分を主成分として
    なる組成物であって、ゲスト成分が、骨格キノン構造を
    含み、かつ、光照射により水素結合の組替え可能な基を
    有する光反応性化合物であり、一方、ホスト成分が、ゲ
    スト成分と相溶し、かつ、ホスト成分を構成する水素原
    子が重水素置換された有機ポリマであることを特徴とす
    る波長多重記録材料。
  2. 【請求項2】 ゲスト成分が、式(I) 【化1】 (式中、X、Xは、光照射により水素結合の組替え
    可能な基で、R〜Rは水素原子、アルキル基、ハロ
    ゲン基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン
    酸塩基、糖置換基のいずれかである。)で示されるアン
    トラキノン誘導体であり、ホスト成分が、式(I)のゲ
    スト成分と相溶し、ホスト成分を構成する水素原子が重
    水素置換された有機ポリマであることを特徴とする波長
    多重記録材料。
  3. 【請求項3】 ゲスト成分の光照射により水素結合の組
    替え可能な基が、−OH、−NH2 、−NH−から選ば
    れる少なくとも1つの基であることを特徴とする請求項
    1記載の波長多重記録材料。
  4. 【請求項4】 ホスト成分が重水素化ポリメチルメタア
    クリレ−ト、および、重水素化ポリビニルアルコールで
    あることを特徴とする請求項1記載の波長多重記録材
    料。
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