JPH06148792A - 架橋ポルフィン系phb記録材料 - Google Patents

架橋ポルフィン系phb記録材料

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JPH06148792A
JPH06148792A JP29492992A JP29492992A JPH06148792A JP H06148792 A JPH06148792 A JP H06148792A JP 29492992 A JP29492992 A JP 29492992A JP 29492992 A JP29492992 A JP 29492992A JP H06148792 A JPH06148792 A JP H06148792A
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porphine
bond
polymer
polyvinyl alcohol
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JP29492992A
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Yoshiyuki Maeda
至幸 前田
Kazuaki Sakota
和彰 迫田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポルフィン環を介してポリビニルアルコール共
重合体主鎖を架橋し、かつ該架橋の結合は、酸またはア
ルカリにより加水分解しないことを特徴とする架橋ポル
フィン系PHB記録材料。 【効果】本発明の架橋ポルフィン系PHB記録材料は、
従来の架橋型ポルフィン系記録材料やイオン性ポルフィ
ン誘導体を用いる記録材料に比べて、ホールの熱安定性
が増大し、昇温後のホール回復率が非常に高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光化学ホールバーニン
グ現象を利用して、同一材料の同一場所に異なる波長の
光で多重に記録可能な光記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光化学ホールバーニング(PHB)現象
は、液体ヘリウム温度程度の極低温において光化学反応
を起こす材料に単色性の良い光を照射することにより、
その光を吸収するゲスト分子のみを選択的に励起し、光
化学変化を生じさせるものである。この光化学変化によ
り材料の吸収スペクトルに鋭いホールが形成できること
から、ホールの有無によりフォトンモードでの光記録が
可能である。しかも、照射する光の波長を変えて順次記
録することにより、同一材料の同一場所に波長多重記録
を行うことができる。このPHB現象を利用すると、従
来用いられてきた光学式デジタル記録媒体であるコンパ
クトデイスク(CD)やレーザーデイスク(LD)など
に比べて、約1000倍の記録密度向上の可能性があ
る。
【0003】このようなPHB現象を用いる光記録材料
は、光反応性化合物であるゲスト成分分子と、それを分
散するためのホスト成分とから構成される。光記録に際
して波長多重度を大きくするためには、ゲスト成分の分
散状態に多様性を持たせる意味から、ホスト成分として
非晶性媒体を用いるのがよい。この目的から、従来ホス
ト成分には有機ポリマ等が用いられてきた。例えば、ゲ
スト成分をテトラフェニルポルフィン、ホスト成分をポ
リメチルメタクリレートとする材料(光学、14(4) 263-
269 (1985))や、ゲスト成分であるテトラフェニルポル
フィンをポリ(t−ブチルメタクリルアミド) にペンダン
ト型に結合した材料(特開昭60−188405号)などが知ら
れている。しかし、このような、単純分散型材料やペン
ダント型材料におけるPHB現象は、液体ヘリウム温度
よりも高温になると不安定になり、記録の書込み・保存
・読出しが不確実となる。これは、PHB材料中におい
て不可逆的な構造変化が熱的に起こり、各々のゲスト成
分分子周辺のミクロ構造が変化してしまうことに起因し
ている。このような熱的不安定性を改善するために、特
開平1-6949号においては、テトラフェニルポルフィンの
複数のフェニル基にオレフィン性二重結合を導入した誘
導体と、メタクリル酸エステルあるいはスチレンとを共
重合させることで、架橋点にポルフィンを有する架橋ポ
リマを合成し、不可逆的な構造変化を抑える試みがなさ
れた。この材料に形成したホールは、ゲスト成分をホス
ト成分に単純分散した材料よりも熱安定性がよく、温度
サイクル実験において液体窒素温度に昇温した後、ホー
ル形成した温度に戻すとホールは消失することなく観測
できた。また、ゲスト成分としてイオン性ポルフィン誘
導体を、ホスト成分にポリビニルアルコールを用いた材
料(特開平2−45号、USP 5,051,337)では、ホス
ト成分中に形成される水素結合により構造変化が効果的
に抑えられた結果、温度サイクル実験におけるホールの
安定性は、一層良好であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の知見から、水素
結合性ポリマをポルフィン誘導体で架橋することによ
り、極めて温度特性の優れたPHB材料が得られること
が期待できる。しかしながら、特開平1-6949号に示され
たポルフィン誘導体は、フェニル基とオレフィン結合と
が、酸やアルカリによって加水分解してしまうアミド結
合やエステル結合で結びつけられているため、ビニルエ
ステル等との共重合後の鹸化反応を経ると、架橋点であ
るポルフィン部分が共重合体から欠落してしまい、目的
とするポルフィン架橋ポリビニルアルコールが得られな
い。
【0005】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し
ようとするものであり、液体窒素温度以上でも熱的構造
変化が少なく、記録安定性のよいPHB記録材料を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は下記の構成を有する。
【0007】「ポルフィン環を介してポリビニルアルコ
ール共重合体主鎖を架橋し、かつ該架橋の結合は、酸ま
たはアルカリにより加水分解しないことを特徴とする架
橋ポルフィン系PHB記録材料。」本発明の架橋ポリビ
ニルアルコール共重合体は、ポルフィン環を介して架橋
されている。つまり、1つのポルフィン環上で、ポリビ
ニルアルコール共重合体主鎖との結合が少なくとも2つ
有するものである。勿論、3つ、4つの結合を有してい
てもよい。ポルフィン環上の結合位置としては、ピロー
ル環のβ位やメソ位があるが、好ましくはメソ位であ
る。また、本発明の効果が妨げられない限り、これらの
ほかに1つの結合しか有していない、つまり、架橋せず
主鎖にポルフィン環がペンダント状に結合しているもの
が若干含まれていても良いし、ポルフィン環を有しない
架橋構造が含まれていても良い。
【0008】さらに、ポルフィン環と主鎖との結合の間
には、合成の際用いる試薬によるポルフィン環の分解等
を防止するためや、有機電子論的干渉を防ぐのに、挿入
基があることが好ましい。挿入基としては、酸やアルカ
リによる加水分解反応に耐えられるものならば、特に限
定されるものではないが、例えば、フェニレン基、アル
キレン基、または、これらの混在したものが好ましい例
としてあげられる。1つの挿入基のフェニレン基の数
は、好ましくは1つ以下、アルキレン基は、好ましく
は、炭素数0〜3、より好ましくは0〜2である。ま
た、フェニレン基以外の芳香環として、例えば、ナフタ
レン等の縮合多環は、立体的に嵩高いので、主鎖間で、
間隙ができて、ポルフィン間の自由運動を許すことにな
るのであまり好ましくはない。この他、ベンジルエーテ
ル構造を除くアルキル性のエーテル結合や、シクロアル
キレンを介したものなどがあげられる。非共役性2重結
合や3重結合、またはイミンなどもあげられるが、これ
らは酸やアルカリにより化学反応が起こり、好ましくな
い官能基が生じたり、色が付くなどの問題を起こすこと
があるので、あまり好ましくない。ハロゲン原子を含ん
でいる場合も同様で好ましくない。
【0009】一方、架橋ポリビニルアルコール共重合体
のポリビニルアルコール部分は、水酸基がメチレン鎖1
つおきに存在する構造のほか、水酸基が隣あったものや
メチレン鎖が隣あったものなどを含むランダムな構造で
ある。
【0010】この様な構成からなる本発明の架橋ポリビ
ニルアルコール共重合体中では、架橋構造によりポルフ
ィン分子の回転や配向の変化が抑えられることに加え、
ポルフィン部分を取り囲むポリビニルアルコール部分に
よって形成される水素結合により熱的構造変化をいっそ
う抑えることが可能となる。したがって、形成されたホ
ールの熱安定性が向上する。
【0011】本発明の架橋ポリビニルアルコール共重合
体の合成法としては、まず、オレフィン性二重結合を2
個以上有するポルフィン誘導体と、ビニルエステルとを
共重合することにより、架橋点にポルフィンを有する共
重合体の合成を行う。このとき用いるポルフィン誘導体
のオレフィン性二重結合とポルフィン環とは、酸やアル
カリで加水分解されない結合で結び付いている。続い
て、この共重合体を酸またはアルカリの存在下で鹸化す
ることにより、架橋構造を損なうことなくエステル部を
水酸基へ変換し、目的とするポルフィン架橋ポリビニル
アルコールへとすることができる。
【0012】オレフィン性二重結合を2個以上有するポ
ルフィン誘導体としては、式(I)
【化2】 (式中、R、R、R、Rのうち少なくとも2個
は、オレフィン性二重結合を有する置換基である。)に
示されるポルフィン誘導体が好ましく用いられる。これ
は、フェニレン基を介することで、オレフィン性二重結
合の反応性を制御でき、このポルフィン誘導体の取扱い
が容易であるからである。このとき、二重結合とフェニ
レン基を結ぶ結合からフェニレン基までが、酸やアルカ
リで加水分解されない構造であり、最終的に得られる架
橋ポリマでは挿入基に当る。さらに、式(I)に示され
るポルフィン誘導体の中でも、オレフィン性二重結合基
が無置換のビニル基で、これが直接フェニル基に結合し
た形の下記式(II)
【化3】 で示されたものが特に好ましく用いられる。これは、無
置換のビニル基が最も構造がコンパクトであり、共重合
後のポルフィン部分とポリマとの間をできるだけ密にす
ることが可能となるので、熱的構造変化を効果的に抑制
することができるからである。
【0013】上記のオレフィン性二重結合を有するポル
フィン誘導体を得るには、相当するオレフィン性二重結
合を有する置換基をもつベンズアルデヒド誘導体とピロ
ールから合成すればよい。特に、式(II)で示される
ポルフィン誘導体は、クロロメチルスチレンから得られ
るビニル置換ベンズアルデヒド誘導体とピロールから合
成することができる。
【0014】共重合させるビニルエステルとしては、重
合性に富み、後の鹸化反応が問題無く進むものであれば
良いが、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、
トリフルオロ酢酸ビニルなどが好ましく用いられる。特
に好ましくは酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニルが用いられ
る。これらのビニルエステルは、取り扱いやすく、ま
た、得られる共重合体の鹸化物の透明度がよいからであ
る。
【0015】この共重合体中において、架橋構造体であ
るポルフィンの濃度は、モノマのモル比、つまり、ポル
フィン誘導体とビニルエステルのモル比で、1:20〜
1:200000が好ましい。これは、濃度が高すぎる
とゲスト成分分子間でのエネルギー移動によりホール生
成特性が劣化し、また、低すぎると記録読取時のS/N
が小さくなることから制限を受けるためである。
【0016】共重合体の鹸化は、共重合体をメタノー
ル、THFなどに溶解し、この溶液にアルカリ、もしく
は、酸を加えることで可能である。反応条件は特に限定
されるものではないが、例えば、酸による場合はPH1
または2以下、アルカリの場合はPH13または14以
上が好ましい例として例示できる。また、鹸化率は、7
0%以上が好ましく、特に、90%以上が好ましい。
【0017】鹸化後の共重合体の分子量としては、特に
限定されるものではないが、プルラン換算の数平均分子
量で3千以上、より好ましくは1万以上である。これ
は、数平均分子量が1万以下であると、試料としての強
度が弱くなり扱い難くなるからである。より好ましく
は、2万以上である。上限に関しては特に限定されるも
のではないが、取扱い易さや原料の入手の容易さなどを
考慮して、おおよその目安を示せば、20万以下、より
好ましくは9万以下である。
【0018】
【実施例】以下に、実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 クロロメチルスチレン (m-,p-混合物)(東京化成工業
製) 1.52g(10mmol)、ヘキサミン2.8g
(20mmol)、氷酢酸4ml、および蒸留水4ml
の混合物を2時間煮沸した後、濃塩酸3mlを加えてさ
らに15分間加熱し、冷却後エーテル抽出したものを蒸
留してホルミルスチレン(m-,p-混合物)を得た。収量
は0.7gで、収率は53%であった。
【0019】得られたホルミルスチレン(m-,p-混合
物)600mgとピロール300mgをメチレンクロラ
イド400mlに溶解し、これに三フッ化硼素ジエチル
エーテル錯体70mgを加えた後、室温で40分間攪拌
反応させた。次に、この反応溶液にクロラニル(東京化
成工業製) 370mgを加えた後、30分間加熱還流し
た。反応溶液を濃縮後、中性アルミナに吸着させてから
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離して、ビニ
ル基を4つ有するテトラフェニルポルフィン誘導体、テ
トラスチリルポルフィン(式(I)でR、R
、Rがビニル基)を収量330mg、収率41%
で得た。図1に上記で得た化合物の270Mz、 1H−
NMRのチャートを示した。 1H−NMRにおいて、
8.8ppmにポルフィン環のβ位のプロトンのピーク
が、8.2ppm付近と7.7ppm付近にフェニル基
のプロトンのピークがあり、7.0ppm,5.9pp
m,5.4ppm付近にそれぞれビニル基由来のピーク
があり、さらに、−2.8ppmにポルフィン環内のプ
ロトンのピークがあることから構造を確認した。
【0020】さらに、得られたテトラスチリルポルフィ
ン13mg(1.9×10-5mol)、酢酸ビニル17
g(1.9×10-1mol)、アゾビスイソブチルニト
リル20mgを酢酸エチル10mlに溶解し、脱気後6
5℃で、10時間重合した。得られた重合物を石油エー
テルにて再沈殿させて分離し、次に、メタノール−TH
F混合溶媒に溶解させた後、これに水酸化ナトリウム5
gを溶解したメタノール溶液を加えて鹸化することによ
り、ポルフィンを架橋点にもつポリビニルアルコール
(PVA)を収量6.8g、収率75%で得た。この重
合体において、架橋構造を有することは、高重合成分に
ポルフィン骨格が多く含まれていることから確認し、そ
のプルラン換算の数平均分子量は2万であった。また、
1H−NMRによる測定から、この重合体の鹸化率は、
90%以上であった。
【0021】得られた重合体1.2gを蒸留水に溶解
し、窒素雰囲気下で乾燥させてフィルム状試料を作製し
た。図2には重合体のフィルム試料の室温での可視紫外
吸収スペクトルを示した。このフィルム試料に、波長6
57nm、強度1mW/cm2のレーザー光を4.2K
で照射してホールを形成し、半値幅を測定した。次に、
試料を所定の温度に昇温し、15分間その温度に保った
後、再び4.2Kに戻して半値幅を測定した。
【0022】比較例1 ピロールとp-アセトアミノベンズアルデヒドからテトラ
(p-アセトアミノフェニル)ポルフィンを合成した。こ
れに濃塩酸を作用させて、テトラ(p-アミノフェニル)
ポルフィンとし、さらに、メタクリル酸クロライドを反
応させてテトラ(p-メタクリロイルアミノフェニル)ポ
ルフィンを得た。次に、このポルフィン誘導体5×10
-1molを含むTHF溶液、メタクリル酸メチル20g
(0.2mol)、アゾビスイソブチルニトリル100
mgおよびメチルエチルケトン20mlを混合、脱気後
60℃、15時間重合し、ポルフィンを架橋点にもつポ
リメチルメタクリレート(PMMA)を得た。この重合
体をフィルム状試料とした後、4.2Kまでフィルム試
料を冷却し、波長650nm、強度1mW/cm2のレ
ーザー光を照射してホールを形成し、半値幅を測定し
た。次に、試料を所定の温度まで昇温し、15分間その
温度に保った後、再び4.2Kに戻して半値幅を測定し
た。
【0023】比較例2 テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィン(東京化成
工業製) とクロロメチルスチレンを反応させて、テトラ
(4-(ビニルベンジルオキシカルボニル)フェニル)ポ
ルフィンを合成した。次に、このポルフィン誘導体66
mg(5.2×10-5mol)、スチレン40ml
(1.7×10-1mol)、アゾビスイソブチロニトリ
ル190mgおよびベンゼン80mlを混合、脱気後6
0℃で、20時間重合し、ポルフィンを架橋点にもつポ
リスチレンを得た。この重合体をフィルム状試料とした
後、4.2Kまで冷却し、波長651nm、強度1mW
/cm2 のレーザー光を照射してホールを形成し、半値
幅を測定した。次に、試料を所定の温度まで昇温し、1
5分間その温度に保った後、再び4.2Kに戻して半値
幅を測定した。図3は、レーザー光を照射した直後のホ
ールの半値幅(Γ0 )と昇温、再冷却後の半値幅(Γ)
との差を昇温温度に対して図示したものである。実施例
1の試料を用いた場合を●で、比較例1の試料を用いた
場合を×で、さらに比較例2の試料を用いた場合を○で
それぞれ示した。比較例1、比較例2と比較して、実施
例1の試料の方が昇温、再冷却後のホールの半値幅の増
分が小さく、熱安定性がよい。
【0024】実施例2 実施例1で得られたテトラスチリルポルフィン7.2m
g(1.0×10-5mol)、クロロ酢酸ビニル24g
(2.0×10-1mol)、過酸化ベンゾイル12mg
を酢酸エチル10mlに溶解し、脱気後70℃で、12
時間重合した。得られた重合物を石油エーテルにて再沈
殿させて分離し、次に、メタノール−THF混合溶媒に
溶解させた後、これに水酸化ナトリウム6gを溶解した
メタノール溶液を加えて鹸化することにより、ポルフィ
ンを架橋点にもつポリビニルアルコール(PVA)を収
量4.8g、収率54%で得た。この重合体において、
架橋構造を有することは、高重合成分にポルフィン骨格
が多く含まれていることから確認し、そのプルラン換算
の数平均分子量は13000であった。また、 1H−N
MRによる測定から、この重合体の鹸化率は、95%で
あった。
【0025】得られた重合体1.2gを蒸留水に溶解
し、窒素雰囲気下で乾燥させてフィルム状試料を作製し
た。このフィルム試料に、波長656.5nm、強度1
mW/cm2 のレーザー光を4.2Kで照射してホール
を形成し、半値幅を測定した。次に、試料を所定の温度
に昇温し、15分間その温度に保った後、再び4.2K
に戻して半値幅を測定した。
【0026】比較例3 テトラソディウム5,10,15,20−テトラ(4-スルフォナト
フェニル)ポルフィン(略称、TSPP(Na)、和光
純薬工業製)の12水和物10mgとポリビニルアルコ
ール(略称、PVA、ナカライテスク製、重合度=20
00,鹸化率=100%)2gを、それぞれ蒸留水に溶
解させた後、両者を混合攪拌した。この混合物をキャス
トし、窒素雰囲気下で乾燥させてTSPP(Na)/P
VAのフィルム状試料を作製した。ゲスト濃度は、5×
10-3molである。このフィルム試料に、波長65
6.5nm、強度1mW/cm2 のレーザー光を4.2
Kで照射してホールを形成し、半値幅を測定した。次
に、試料を所定の温度に昇温し、15分間その温度に保
った後、再び4.2Kに戻して半値幅を測定した。
【0027】図4は、レーザー光を照射した直後のホー
ルの半値幅(Γ0 )と昇温、再冷却後の半値幅(Γ)と
の差を昇温温度に対して図示したものである。実施例2
の試料を用いた場合を●で、比較例3の試料を用いた場
合を×で、それぞれ示した。比較例3と比較して、実施
例2の試料の方が昇温、再冷却後のホールの半値幅の増
分が小さく、熱安定性がよいことがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明の架橋ポルフィン系記録材料は、
重合体の架橋点に光異性化分子をもち、また、さらに、
重合体に水素結合を形成する水酸基を有することから、
従来の架橋型ポルフィン系記録材料やイオン性ポルフィ
ン誘導体を用いる記録材料に比べて、ホールの熱安定性
が増大し、昇温後のホール回復率が非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面は実施例1で得られたテトラスチリルポル
フィンの270Mz、 1H−NMRのチャートである。
図面において縦軸はスペクトル強度、横軸はケミカルシ
フトδ(単位はppm)を示す。
【図2】図面は実施例1で得られたポルフィンを架橋点
にもつポリビニルアルコール(PVA)のフィルムにつ
いての可視紫外吸収スペクトルである。図面において縦
軸は吸収強度、横軸は波長(単位はnm)を示す。
【図3】図面は実施例1、比較例1、比較例2につい
て、昇温、再冷却後のホールの半値幅の増加量を図示し
たものである。実施例1の結果を●で、比較例1の結果
を×で、さらに比較例2の結果を○でそれぞれ示した。
【図4】図面は実施例2と比較例3について、昇温、再
冷却後のホールの半値幅の増加量を図示したものであ
る。実施例2の結果を●で、比較例3の結果を×で示し
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポルフィン環を介してポリビニルアルコ
    ール共重合体主鎖を架橋し、かつ該架橋の結合は、酸ま
    たはアルカリにより加水分解しないことを特徴とする架
    橋ポルフィン系PHB記録材料。
  2. 【請求項2】 オレフィン性二重結合を2個以上有する
    ポルフィン誘導体と、ビニルエステルとを共重合した
    後、エステル部を鹸化して得られることを特徴とする請
    求項1記載の架橋ポルフィン系PHB記録材料。
  3. 【請求項3】 オレフィン性二重結合を2個以上有する
    ポルフィン誘導体が、下記一般式(I) 【化1】 (式中、R、R、R、Rのうち少なくとも2個
    は、オレフィン性二重結合を有する置換基である。)で
    表されることを特徴とする請求項2記載の架橋ポルフィ
    ン系PHB記録材料。
  4. 【請求項4】 ビニルエステルが、酢酸ビニル、あるい
    は、クロロ酢酸ビニルであることを特徴とする請求項2
    記載の架橋ポルフィン系PHB記録材料。
JP29492992A 1992-11-04 1992-11-04 架橋ポルフィン系phb記録材料 Pending JPH06148792A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008505894A (ja) * 2004-07-08 2008-02-28 ノース・キャロライナ・ステイト・ユニヴァーシティ 炭素鎖を介して電気活性表面に結合するように設計されたポルフィリンの合成

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008505894A (ja) * 2004-07-08 2008-02-28 ノース・キャロライナ・ステイト・ユニヴァーシティ 炭素鎖を介して電気活性表面に結合するように設計されたポルフィリンの合成

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