JP2979571B2 - 波長多重記録媒体 - Google Patents
波長多重記録媒体Info
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- JP2979571B2 JP2979571B2 JP2075927A JP7592790A JP2979571B2 JP 2979571 B2 JP2979571 B2 JP 2979571B2 JP 2075927 A JP2075927 A JP 2075927A JP 7592790 A JP7592790 A JP 7592790A JP 2979571 B2 JP2979571 B2 JP 2979571B2
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- light
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光化学ホールバーニング現象(PHB現象)
を利用した波長多重記録媒体に関するものであり、特に
段階的2光子励起により記録を行う波長多重記録媒体に
関するものである。
を利用した波長多重記録媒体に関するものであり、特に
段階的2光子励起により記録を行う波長多重記録媒体に
関するものである。
本発明は、段階的2光子励起により起こる電子移動反
応により記録が行われる波長多重記録媒体において、光
吸収色素と電子受容体あるいは電子供与体とを組み合わ
せることにより、電子移動反応の自由エネルギー変化を
最適化し、記録劣化のない良好な光化学ホールバーニン
グを可能とするものである。
応により記録が行われる波長多重記録媒体において、光
吸収色素と電子受容体あるいは電子供与体とを組み合わ
せることにより、電子移動反応の自由エネルギー変化を
最適化し、記録劣化のない良好な光化学ホールバーニン
グを可能とするものである。
光化学ホールバーニングを利用する波長多重記録は、
超高密度の記録が可能であり、次世代の光メモリ等への
応用を目的に研究開発が行われている。
超高密度の記録が可能であり、次世代の光メモリ等への
応用を目的に研究開発が行われている。
光化学ホールバーニングを利用した波長多重記録の原
理は、例えば特開昭53−99735号公報等に記載されるよ
うに、透明媒体に分散された光吸収色素が極低温におい
て示す一つの広い吸収帯(不均一吸収帯)の中に、狭帯
域のレーザ光を照射して鋭い窪み(ホール)を形成させ
るというものである。不均一吸収帯には、照射するレー
ザ光の波長を僅かずつ変化させることによって、多数の
ホールを形成することができる。理論的には、一つの不
均一吸収帯中に102〜103個のホールが形成可能であると
言われており、このホールの有無をビット記録に利用す
れば1スポット当たりの情報量を飛躍的に増大すること
ができるものと期待される。
理は、例えば特開昭53−99735号公報等に記載されるよ
うに、透明媒体に分散された光吸収色素が極低温におい
て示す一つの広い吸収帯(不均一吸収帯)の中に、狭帯
域のレーザ光を照射して鋭い窪み(ホール)を形成させ
るというものである。不均一吸収帯には、照射するレー
ザ光の波長を僅かずつ変化させることによって、多数の
ホールを形成することができる。理論的には、一つの不
均一吸収帯中に102〜103個のホールが形成可能であると
言われており、このホールの有無をビット記録に利用す
れば1スポット当たりの情報量を飛躍的に増大すること
ができるものと期待される。
ところで、従来多くの研究がなされてきた光化学ホー
ルバーニング材料は、1光子励起による光化学反応によ
って記録が行われるものであるため、記録にしきい値が
なく読み出し光により記録が破壊されるという本質的な
問題を抱えている。
ルバーニング材料は、1光子励起による光化学反応によ
って記録が行われるものであるため、記録にしきい値が
なく読み出し光により記録が破壊されるという本質的な
問題を抱えている。
これを解決するために、2波長の光を同時に照射して
生じる高い励起状態から起きる光化学反応を記録に用い
る段階的2光子励起方式(光ゲート型)の光化学ホール
バーニング材料が研究されている。段階的2光子励起方
式では、一方の波長の光のみでは記録が破壊されること
はなく、読み出し光により記録が劣化することはない。
生じる高い励起状態から起きる光化学反応を記録に用い
る段階的2光子励起方式(光ゲート型)の光化学ホール
バーニング材料が研究されている。段階的2光子励起方
式では、一方の波長の光のみでは記録が破壊されること
はなく、読み出し光により記録が劣化することはない。
前記段階的2光子励起方式の光化学ホールバーニング
材料としては、分子間の電子移動反応により記録が行わ
れる材料系が最も材料系選択の自由度があり記録特性を
向上する上で有望であると考えられているが、実際に光
化学ホールバーニングが生ずるのは特定の分子構造を有
するものに限られ、自由度があると言っても材料系を選
択するうえで大きく制約されている。
材料としては、分子間の電子移動反応により記録が行わ
れる材料系が最も材料系選択の自由度があり記録特性を
向上する上で有望であると考えられているが、実際に光
化学ホールバーニングが生ずるのは特定の分子構造を有
するものに限られ、自由度があると言っても材料系を選
択するうえで大きく制約されている。
また、特に段階的2光子励起方式の光化学ホールバー
ニング材料における電子移動反応を支配する自由エネル
ギー変化と光化学ホールバーニングの関係については全
く解明されていないのが実情である。
ニング材料における電子移動反応を支配する自由エネル
ギー変化と光化学ホールバーニングの関係については全
く解明されていないのが実情である。
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案
されたものであって、電子移動反応を支配する自由エネ
ルギー変化と光化学ホールバーニングの関係を解明し、
段階的2光子励起により劣化のない良好な記録再生を行
うことが可能な波長多重記録媒体を提供することを目的
とする。
されたものであって、電子移動反応を支配する自由エネ
ルギー変化と光化学ホールバーニングの関係を解明し、
段階的2光子励起により劣化のない良好な記録再生を行
うことが可能な波長多重記録媒体を提供することを目的
とする。
本発明者等は、上述の目的を達成せんものと長期に亘
り鋭意研究を重ねた結果、光吸収色素に電子受容体若し
くは電子供与体を添加し電子移動反応の自由エネルギー
変化を特定の範囲に制御したときに、段階的2光子励起
による光化学ホールバーニングが起きるとの知見を得る
に至った。
り鋭意研究を重ねた結果、光吸収色素に電子受容体若し
くは電子供与体を添加し電子移動反応の自由エネルギー
変化を特定の範囲に制御したときに、段階的2光子励起
による光化学ホールバーニングが起きるとの知見を得る
に至った。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであ
って、光吸収色素が支持物質に分散されてなり、段階的
2光子励起により記録が行われる波長多重記録媒体にお
いて、電子受容体または電子供与体が添加され、2光子
反応における下記式で表される電子移動反応の自由エネ
ルギー変化ΔGが−2.0eV以上とされていることを特徴
とするものである。
って、光吸収色素が支持物質に分散されてなり、段階的
2光子励起により記録が行われる波長多重記録媒体にお
いて、電子受容体または電子供与体が添加され、2光子
反応における下記式で表される電子移動反応の自由エネ
ルギー変化ΔGが−2.0eV以上とされていることを特徴
とするものである。
ここで、電子移動反応の自由エネルギー変化ΔGは、
次式 ΔG=Eox−Ered−Eex ・・・(1) Eox :電子供与体の1電子酸化ポテンシャル Ered:電子受容体の1電子還元ポテンシャル Eex :反応状態を生成するのに必要な光励起エネルギー で与えられる。
次式 ΔG=Eox−Ered−Eex ・・・(1) Eox :電子供与体の1電子酸化ポテンシャル Ered:電子受容体の1電子還元ポテンシャル Eex :反応状態を生成するのに必要な光励起エネルギー で与えられる。
したがって、光吸収色素が電子供与体である場合には
電子受容体を添加することで、逆に光吸収色素が電子受
容体である場合には電子供与体を添加することで、前記
ΔGの値が−2.0eV以上となるように設定する。
電子受容体を添加することで、逆に光吸収色素が電子受
容体である場合には電子供与体を添加することで、前記
ΔGの値が−2.0eV以上となるように設定する。
使用する光吸収色素(感光物質)や電子受容体,電子
供与体は、何ら制約されるものではないが、例えば光吸
収色素としてはテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体やテ
トラフェニルポルフィンマグネシウム錯体(いずれも電
子供与体)等が挙げられる。
供与体は、何ら制約されるものではないが、例えば光吸
収色素としてはテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体やテ
トラフェニルポルフィンマグネシウム錯体(いずれも電
子供与体)等が挙げられる。
一方、これら光吸収色素や電子受容体,電子供与体が
分散される支持物質(分散媒)としては、前記光吸収色
素の吸収領域に吸収のない光学的に透明な物質であっ
て、光吸収色素を均一に分散させることができ、且つ極
低温において割れを生じない物質であればいずれも使用
可能であるが、不均一吸収帯の幅を広くするためには非
晶質媒質を使用するのが良く、またホールの幅を小さく
するにはフォノンとの相互作用が小さくなるように光吸
収色素と支持物質の組み合わせや構造を設計することが
重要である。さらに、光吸収色素と支持物質との相互作
用が強い系ではサイドホールが発生して記録信号のSN比
を劣化させるため、できるだけ相互作用の弱い系を選択
する必要がある。
分散される支持物質(分散媒)としては、前記光吸収色
素の吸収領域に吸収のない光学的に透明な物質であっ
て、光吸収色素を均一に分散させることができ、且つ極
低温において割れを生じない物質であればいずれも使用
可能であるが、不均一吸収帯の幅を広くするためには非
晶質媒質を使用するのが良く、またホールの幅を小さく
するにはフォノンとの相互作用が小さくなるように光吸
収色素と支持物質の組み合わせや構造を設計することが
重要である。さらに、光吸収色素と支持物質との相互作
用が強い系ではサイドホールが発生して記録信号のSN比
を劣化させるため、できるだけ相互作用の弱い系を選択
する必要がある。
支持物質は、このような条件を考慮したうえで選択さ
れるものであり、エタノール−メタノール系、テトラヒ
ドロフラン、グリセロール等の有機ガラス系、n−アル
カンによる結晶系媒体(シュポルスキー・マトリク
ス)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコ
ール、ポリメチルメタクリレート等の高分子樹脂材料等
が使用可能である。
れるものであり、エタノール−メタノール系、テトラヒ
ドロフラン、グリセロール等の有機ガラス系、n−アル
カンによる結晶系媒体(シュポルスキー・マトリク
ス)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコ
ール、ポリメチルメタクリレート等の高分子樹脂材料等
が使用可能である。
これらの支持物質と光吸収色素や電子受容体,電子供
与体は、所定の比率で混合され波長多重記録材料とされ
るが、この場合の光吸収色素の濃度は、支持物質に分散
されたときに光吸収色素の分子−分子間の相互作用が無
視できるような割合に設定すればよく、使用する光吸収
色素及び支持物質の種類に応じて適宜選択できるもので
ある。通常は、光吸収色素は全体の10-6〜10-2モル%と
される。
与体は、所定の比率で混合され波長多重記録材料とされ
るが、この場合の光吸収色素の濃度は、支持物質に分散
されたときに光吸収色素の分子−分子間の相互作用が無
視できるような割合に設定すればよく、使用する光吸収
色素及び支持物質の種類に応じて適宜選択できるもので
ある。通常は、光吸収色素は全体の10-6〜10-2モル%と
される。
電子受容体や電子供与体は、前記光吸収色素よりも過
剰に存在すればよく、通常は支持物質と体積比で1:1程
度とされ光吸収色素に対して大過剰とされる。
剰に存在すればよく、通常は支持物質と体積比で1:1程
度とされ光吸収色素に対して大過剰とされる。
光吸収色素に電子受容体あるいは電子供与体を添加し
て電子移動反応の自由エネルギー変化ΔGを−2.0eV以
上とした波長多重記録媒体を極低温に冷却し、波長選択
光とゲート光とを同時に照射すると、段階的2光子励起
による光化学ホールバーニング現象により記録が行われ
る。
て電子移動反応の自由エネルギー変化ΔGを−2.0eV以
上とした波長多重記録媒体を極低温に冷却し、波長選択
光とゲート光とを同時に照射すると、段階的2光子励起
による光化学ホールバーニング現象により記録が行われ
る。
読み出しは、波長選択光のみを照射することにより行
われ、当該波長選択光のみの照射では光化学ホールバー
ニングは起きず、記録状態はそのまま維持される。
われ、当該波長選択光のみの照射では光化学ホールバー
ニングは起きず、記録状態はそのまま維持される。
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明す
る。
る。
本実施例では、光吸収色素としてテトラフェニルポル
フィン亜鉛錯体を用い、支持物質(分散媒物質)として
ポリメタクリル酸メチル(分子量9×104)を用いた。
このものに電子受容体として臭化エチルを加えたものを
試料とした。
フィン亜鉛錯体を用い、支持物質(分散媒物質)として
ポリメタクリル酸メチル(分子量9×104)を用いた。
このものに電子受容体として臭化エチルを加えたものを
試料とした。
なお、試料に含まれるテトラフェニルポルフィン亜鉛
錯体の割合は10-3モル%であり、電子受容体と支持物質
は容量比で1:1である。
錯体の割合は10-3モル%であり、電子受容体と支持物質
は容量比で1:1である。
第1図にテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体の吸収ス
ペクトル(図中実線で示す。)及び三重項状態の吸収ス
ペクトル(T−T吸収スペクトル。図中破線で示す。)
を示す。テトラフェニルポルフィン亜鉛錯体では、465n
mのアルゴンイオンレーザの発振線に対して、基底状態
の吸収は無いが、最低三重項状態から更に高い三重項状
態への電子遷移は、大きな吸収を持つことがわかる。
ペクトル(図中実線で示す。)及び三重項状態の吸収ス
ペクトル(T−T吸収スペクトル。図中破線で示す。)
を示す。テトラフェニルポルフィン亜鉛錯体では、465n
mのアルゴンイオンレーザの発振線に対して、基底状態
の吸収は無いが、最低三重項状態から更に高い三重項状
態への電子遷移は、大きな吸収を持つことがわかる。
テトラフェニルポルフィン亜鉛錯体は、波長選択光に
より光励起され、励起一重項状態を経て最低三重項状態
(励起エネルギー1.59eV)に遷移する。この状態でゲー
ト光(465nm)を照射することにより、ゲート光のエネ
ルギー(2.79eV)に対応した高い三重項状態への遷移が
起きる。
より光励起され、励起一重項状態を経て最低三重項状態
(励起エネルギー1.59eV)に遷移する。この状態でゲー
ト光(465nm)を照射することにより、ゲート光のエネ
ルギー(2.79eV)に対応した高い三重項状態への遷移が
起きる。
第2図は、この試料にレーザ光を照射した結果を示す
ものである。第2図中、16761.8cm-1の位置(図中矢印
Aで示す位置)で波長選択光のみを、16789.0cm-1の位
置(図中矢印Bで示す位置)で波長選択光とゲート光
(465nm)を同時に照射した。なお、波長選択光の強度
は450mW/cm2、ゲート光の強度は50mW/cm2であり、照射
時間はいずれも1分間である。
ものである。第2図中、16761.8cm-1の位置(図中矢印
Aで示す位置)で波長選択光のみを、16789.0cm-1の位
置(図中矢印Bで示す位置)で波長選択光とゲート光
(465nm)を同時に照射した。なお、波長選択光の強度
は450mW/cm2、ゲート光の強度は50mW/cm2であり、照射
時間はいずれも1分間である。
波長選択光のみを照射した場合には光化学ホールバー
ニングは起きず、ゲート光が同時に存在する場合にのみ
光化学ホールバーニングが起きている。
ニングは起きず、ゲート光が同時に存在する場合にのみ
光化学ホールバーニングが起きている。
このことは、高い三重項状態に励起されたテトラフェ
ニルポルフィン亜鉛錯体と臭化エチルの間の電子移動反
応によりホールが生成することを示している。なお、本
試料における電子移動反応の自由エネルギーの変化ΔG
は−1.57eVである。
ニルポルフィン亜鉛錯体と臭化エチルの間の電子移動反
応によりホールが生成することを示している。なお、本
試料における電子移動反応の自由エネルギーの変化ΔG
は−1.57eVである。
第3図はテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体単独の試
料に波長選択光のみ、あるいは波長選択光とゲート光を
同時に照射したときの結果を示す吸収スペクトルであ
る。
料に波長選択光のみ、あるいは波長選択光とゲート光を
同時に照射したときの結果を示す吸収スペクトルであ
る。
この第3図から明らかなように、テトラフェニルポル
フィン亜鉛錯体単独の試料では、波長選択光のみ照射し
たとき、あるいは波長選択光とゲート光を同時に照射し
たときのいずれの場合でも光化学ホールバーニングが起
きていない。
フィン亜鉛錯体単独の試料では、波長選択光のみ照射し
たとき、あるいは波長選択光とゲート光を同時に照射し
たときのいずれの場合でも光化学ホールバーニングが起
きていない。
一方、電子受容体にクロロホルム(1電子還元ポテン
シャル−1.67eV)を用いた場合では、第4図に示すよう
に、テトラフェニルポルフィン亜鉛錯体単独の試料と同
様、波長選択光のみ照射したとき、あるいは波長選択光
とゲート光を同時に照射したときのいずれの場合でも光
化学ホールバーニングが起きていない。電子受容体にク
ロロホルムを用いた場合の電子移動反応の自由エネルギ
ーの変化ΔGは−2.03eVである。
シャル−1.67eV)を用いた場合では、第4図に示すよう
に、テトラフェニルポルフィン亜鉛錯体単独の試料と同
様、波長選択光のみ照射したとき、あるいは波長選択光
とゲート光を同時に照射したときのいずれの場合でも光
化学ホールバーニングが起きていない。電子受容体にク
ロロホルムを用いた場合の電子移動反応の自由エネルギ
ーの変化ΔGは−2.03eVである。
そこで、電子受容体として各種の化合物を用い、その
ときの電子移動反応の自由エネルギーΔGと光ゲート型
光化学ホールバーニング反応性(PHB反応性)の有無に
ついて調べた。結果を次表に示す。なお、次表におい
て、1電子還元ポテンシャルEredの値は、飽和カロメル
電極に対する値である。
ときの電子移動反応の自由エネルギーΔGと光ゲート型
光化学ホールバーニング反応性(PHB反応性)の有無に
ついて調べた。結果を次表に示す。なお、次表におい
て、1電子還元ポテンシャルEredの値は、飽和カロメル
電極に対する値である。
以上の結果より、電子移動反応による光化学ホールバ
ーニングを起こすためには、2光反応における電子移動
反応の自由エネルギーΔGをΔG≧−2.0eVとする必要
があるとの結論に達した。
ーニングを起こすためには、2光反応における電子移動
反応の自由エネルギーΔGをΔG≧−2.0eVとする必要
があるとの結論に達した。
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、電子移動反応を支配する自由エネルギー変化と光化
学ホールバーニングの関係を解明し、光吸収色素に電子
受容体あるいは電子供与体を添加して電子移動反応に関
与する自由エネルギー変化を最適化しているので、段階
的2光子励起により劣化のない良好な記録再生を行うこ
とが可能な波長多重記録媒体を提供することが可能であ
る。また、必ずしも単独の化合物にとらわれる必要がな
いので、波長多重記録媒体における材料の選択の幅を広
げることができる。
は、電子移動反応を支配する自由エネルギー変化と光化
学ホールバーニングの関係を解明し、光吸収色素に電子
受容体あるいは電子供与体を添加して電子移動反応に関
与する自由エネルギー変化を最適化しているので、段階
的2光子励起により劣化のない良好な記録再生を行うこ
とが可能な波長多重記録媒体を提供することが可能であ
る。また、必ずしも単独の化合物にとらわれる必要がな
いので、波長多重記録媒体における材料の選択の幅を広
げることができる。
第1図はテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体の吸収スペ
クトル並びに三重項状態の吸収スペクトルを示す特性図
である。 第2図はテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体に電子受容
体として臭化エチルを添加した試料に波長選択光あるい
は波長選択光とゲート光を同時に照射したときの吸収ス
ペクトルであり、第3図はテトラフェニルポルフィン亜
鉛錯体を単独で用いた試料に波長選択光あるいは波長選
択光とゲート光を同時に照射したときの吸収スペクト
ル、第4図はテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体に電子
受容体としてクロロホルムを添加した試料に波長選択光
あるいは波長選択光とゲート光を同時に照射したときの
吸収スペクトルである。
クトル並びに三重項状態の吸収スペクトルを示す特性図
である。 第2図はテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体に電子受容
体として臭化エチルを添加した試料に波長選択光あるい
は波長選択光とゲート光を同時に照射したときの吸収ス
ペクトルであり、第3図はテトラフェニルポルフィン亜
鉛錯体を単独で用いた試料に波長選択光あるいは波長選
択光とゲート光を同時に照射したときの吸収スペクト
ル、第4図はテトラフェニルポルフィン亜鉛錯体に電子
受容体としてクロロホルムを添加した試料に波長選択光
あるいは波長選択光とゲート光を同時に照射したときの
吸収スペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 瀬戸 順悦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 J.Phys.Chem,1987,91, P.3998−4004 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/72
Claims (1)
- 【請求項1】光吸収色素が支持物質に分散されてなり、
段階的2光子励起により記録が行われる波長多重記録媒
体において、 電子受容体または電子供与体が添加され、2光子反応に
おける下記式で表される電子移動反応の自由エネルギー
変化ΔGが−2.0eV以上とされていることを特徴とする
波長多重記録媒体。 ΔG=Eox−Ered−Eex Eox :電子供与体の1電子酸化ポテンシャル Ered:電子受容体の1電子還元ポテンシャル Eex :反応状態を生成するのに必要な光励起エネルギー
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2075927A JP2979571B2 (ja) | 1990-03-26 | 1990-03-26 | 波長多重記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2075927A JP2979571B2 (ja) | 1990-03-26 | 1990-03-26 | 波長多重記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03274545A JPH03274545A (ja) | 1991-12-05 |
JP2979571B2 true JP2979571B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=13590407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2075927A Expired - Fee Related JP2979571B2 (ja) | 1990-03-26 | 1990-03-26 | 波長多重記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2979571B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7771915B2 (en) * | 2003-06-27 | 2010-08-10 | Fujifilm Corporation | Two-photon absorbing optical recording material and two-photon absorbing optical recording and reproducing method |
JP4253621B2 (ja) * | 2003-08-25 | 2009-04-15 | 富士フイルム株式会社 | フォトンモード記録方法および3次元光記録方法 |
-
1990
- 1990-03-26 JP JP2075927A patent/JP2979571B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Phys.Chem,1987,91,P.3998−4004 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03274545A (ja) | 1991-12-05 |
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