JPH0660256B2 - 難燃性スポンジ用シリコーンゴム組成物 - Google Patents

難燃性スポンジ用シリコーンゴム組成物

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JPH0660256B2
JPH0660256B2 JP1121038A JP12103889A JPH0660256B2 JP H0660256 B2 JPH0660256 B2 JP H0660256B2 JP 1121038 A JP1121038 A JP 1121038A JP 12103889 A JP12103889 A JP 12103889A JP H0660256 B2 JPH0660256 B2 JP H0660256B2
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萩原  淳
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【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、断熱材、クッション材として使用される難燃
スポンジ用シリコーンゴム組成物に係わり、特にはフェ
ライト粉末を含有してなり高周波誘電加熱による発泡硬
化が可能である難燃スポンジ用シリコーンゴム組成物に
関するものである。
[発明の技術的背景とその問題点] 従来から、給水、給湯、空調システムの断熱管の断熱材
として低発泡もしくは高発泡のポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのプラスチック発泡体にポリ塩化ビニル、ポ
リエチレンなどのプラスチックシースを施したものが汎
用されている。 このようなプラスチック発泡体を断熱
材として使用した断熱管においては容易に着火し、延焼
するため火災の原因となっていた。 そのため、実際の
配管においては、配管施工後、防火区画貫通部に防火お
よび延焼防止の処理を行う必要があった。
一方、現場施工断熱材料として無機系のグラスウール、
ロックウール、ケイ酸カルシウムなどのパイプカバーが
用いられている。 この無機系断熱材は、現場施工が中
心であり施工に多大の時間を要し、施工性、経済性の点
で好ましいものではなかった。
シリコーン生ゴムに無機質充填剤、アゾビスイソブチロ
ニトリルなどの有機発泡剤および有機過酸化物を配合
し、これを所定の形状に成形後加熱して発泡硬化させる
ことにってシリコーンゴムスポンジが得られることは公
知である。 またシリコーンゴムスポンジは耐熱性、耐
寒性、耐候性などに優れ難燃化も容易な材料であること
は一般に認められている。 しかし、このような方法で
高発泡倍率のシリコーンゴムスポンジを得ようとする
と、発泡剤の増量などによる破泡によってセルが大きく
なるなどの欠点があり、微細なセルを有する高発泡倍率
のシリコーンゴムスポンジを製造することが困難であっ
た。 また、上記、上記の方法には次のような不都合さ
が認められ大型乃至厚手の均質なシリコーンゴムスポン
ジを得ることができない。 即ち加熱によって発泡が行
われる際、加熱は外周面から行われ、発泡および硬化は
外周面部においてまず起こることになる。 かくして発
泡体の内部が熱の伝達によって発泡を起こす前に外周面
部では発泡現象が終了した状態となるため内部の発泡剤
などが分解しても発泡は極端に抑制される。 このた
め、均一セルのシリコーンゴムスポンジが得られ難くな
ると考えられる。
しかして、セル構造がこのように外周部と内部とで不均
一になることを解決する方法としては、有機ゴムでは高
周波誘電加熱による加工方法がもちいられておりシリコ
ーンゴムスポンジにおいてもこの方法(特公昭46−1863
4号公報)が提案されている。 しかしこの方法は沈澱
シリカを充填剤として用いてなるシリコーンゴムスポン
ジに限定される。
この他、高周波誘電加熱はカーボンブラックのようなフ
ィラーを配合することにより可能となることは公知であ
る。 シリコーンゴムスポンジでは加硫剤に有機過化物
を用いるのが一般的であるが、カーボンブラックを配合
すると有機過酸化物による加硫を阻害するため良好なシ
リコーンゴムスポンジを得ることができない。
高周波誘電加熱を用いずに均一なセル構造を有するシリ
コーンゴムスポンジを得る方法としては、たとえば特開
昭52−81378号公報では、オルガノハイドロジェンポリ
シロキサンと白金系触媒の存在下で有機発泡剤の分解温
度より低い温度でエージングした後に、有機発泡剤の分
解温度以上に加熱し、発泡硬化させる方法が提案されて
いる。 このような方法は、均一なセル構造のシリコー
ンゴムスポンジを得るという目的に対して有効である
が、もし、エージングの期間を必要とする不利があり、
工業的には必ずしも有利な方法ではない。
したがって、断熱性能を向上させるために発泡倍率であ
ることおよびセルが均一で独立気泡であることなどが要
求される給水、給湯、空調システムの断熱管などの断熱
材に好適とされる品質のすぐれた難燃シリコーンゴムス
ポンジの開発が強く望まれていた。
[発明の目的] 本発明はこの様な従来の問題点を解消しようとするもの
であり高周波誘電加熱を用いて厚みなどにとくに制約さ
れることなく、高発泡倍率で微細なセルを有し独立気泡
のシリコーンゴムスポンジが得られる難燃スポンジ用シ
リコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
[発明の構成] 本発明者らはこのような目的を達成すべく種々検討した
結果、末端がシラノール基で閉塞され、25℃における粘
度が500〜10,000cStであるポリジオルガノシロキサンを
配合することによって高発泡倍率で独立気泡のシリコー
ンゴムスポンジが得られ、またフェライト粉末が高周波
誘電加熱に有効であり、シリコーンゴムにフェライト粉
末を配合することによって高周波誘電加熱が可能となり
微細なセル構造のシリコーンゴムスポンジが得られるこ
とを見いだし、本発明をなすに至った。
即ち、本発明の難燃スポンジ用シリコーンゴム組成物
は、 (A)ポリオルガノシロキサン 100重量部 (B)補強性充填用シリカ 5〜100重量部 (C)末端がシラノール基で閉塞され、25℃における粘
度が500〜10,000cStであるポリジオルガノシロキサン
1〜10重量部 (D)フェライト粉末 10〜200重量部 (E)有機発泡剤 0.5〜10重量部 (F)有機過酸化物 0.1〜10重量部 および (G)白金化合物 白金原子の重量で1〜100ppmからな
ることを特徴としている。
本発明に使用する(A)成分のポリオルガノシロキサン
としては、 一般式: R(R 2SiO)nSiR 2 (式中、Rは1価の置換または非置換の炭化水素基
を、Rは1価の置換もしくは非置換の炭化水素基また
は水素基を表わし、かつRとR中の0.01〜1.0モル
%がアルケニル基であり、nは平均3,000〜10,000の数
を表わす)で示される実質的に直鎖状のポリマーが挙げ
られる。 ここでアルケニル基としてはビニル基、アリ
ル基などが例示される。 このポリマー中のアルケニル
基以外のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基のようなアルキル基;フェニル基、β−フェニ
ルエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等が例示さ
れる。 そして、アルケニル基が平均0.01モル%未満で
は、硬化が十分に行われず、平均1.0モル%を超えると
耐熱性が低下するからである。
(A)のポリオルガノシロキサンの平均重合度nは3,00
0未満では十分な機械的強度が得られず、10,000を超え
ると(B)の補強性充填用シリカの添加が困難になるか
らである。 この(A)成分の分子構造は実質的には直
鎖状が好ましいが、許容される範囲で分岐状であっても
かまわない。 また、(A)のポリオルガノシロキサン
は、1種または重合度および有機基などの異なる2種以
上をブレンドして用いても良い。
本発明で使用される(B)成分の補強性充填用シリカと
しては、煙霧質シリカが例示される。 この煙霧質シリ
カは高温下で四塩化ケイ素と酸素と水素を燃焼させて作
るものであり、シリコーンゴムにおおきな補強性を与え
るものである。 この補強性充填用シリカは表面が未処
理のものでも、またはオルガノクロロシラン、ポリジオ
ルガノシロキサン、ヘキサオルガノジシラザンなどの有
機ケイ素化合物であらかじめ表面処理されたもののいず
れでもよく、あるいは配合混練時に上記のような有機ケ
イ素化合物で表面処理してもさしつかえない。 この様
な(B)成分の配合量は、(A)成分100重合部に対し
て5〜100重量部、好ましくは20〜70重量部である。
配合量が5重量部より少ないと補強効果が不足して十分
な機械的強度が得られず、また100重量部より多く加え
るとシリコーン組成物が硬くなりスポンジが得られ難く
なるからである。
本発明で使用される(C)成分の末端がシラノール基で
閉塞されたポリジオルガノシロキサンは、高発泡倍率で
独立気泡のシリコーンゴムスポンジを得るという本発明
の目的達成のために必須とされるものであり、25℃にお
ける粘度が500〜10,000cStであることが必要である。
粘度が500cSt未満であるとシリコーン組成物の可塑度が
低下してセルが大きくなり、10,000cStをこえると独立
気泡のシリコーンゴムスポンジが得られない。 (C)
成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜10
重量部である。 配合量が1重量部より少なすぎると本
発明の目的とする効果が十分でなく、また10重量部より
多く加えるとシリコーン組成物が柔らくなりロール作業
性などに支障をきたす。
本発明で使用される(D)成分のフェライト粉末は、本
発明において重要な成分であり、(D)成分を配合する
ことにより、高周波誘電加熱が可能となるものである。
このような本発明の目的とする効果を付与する(D)
成分は、 一般式: M2+Fe3+ またはMO・Fe (式中、M:Mn,Zn,Ni,Cuなどの金属原子) で示されるもので、トランスやコイルのコア(磁心)な
どに使用されており比較的容易に入手可能なものであ
る。 その平均粒子径は1〜50μmが好ましい。 1μ
m未満だと入手が困難であり、50μmをこえると機械的
強度が得られないからである。 (D)成分の配合量は
(A)成分100重量部に対して10〜200重量部の範囲より
選択される。 この(D)成分の配合量が10重量部未満
では高周波による発熱が十分でなく、200重量部をこえ
るとシリコーンゴムの機械的強度が損なわれる。
本発明に使用される(E)成分の有機発泡剤は、従来シ
リコーンゴムスポンジの製造に当たって使用されている
ものであればいずれでもよく、これにはアゾビスイソブ
チロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジアゾアミノベ
ンゼンなどのアゾ系化合物、ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテ
レフタルアミドなどのニトロソ化合物が例示され、これ
らの化合物は分解温度以上の温度に加熱されると、分解
してNもしくはCOガスを発生する。
(E)成分の配合量は(A)成分100重量部に対して0.5
〜10重量部の範囲より選択される。
(E)成分の配合量が0.5重量部未満であるとスポンジ
が得られず、また10重量部をこえると得られるスポンジ
に変形がおこりやすくスポンジの品質が劣化するという
欠点を生じる。
本発明で使用される(F)成分は、通常この種のシリコ
ーンゴム組成物に用いられる有機過酸化物でよく、代表
的なものとして、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ビス(t-
ブチルパーオキシ)−2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ビス
(t-ブチルパーオキシ)−2,5-ジメチルヘキシン、ジ−
t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジ
カーボネートなどが例示される。 この様な(F)の配
合については、1種または2種以上を混合して使用して
も構わない。 一般にスポンジを製造するためにはスポ
ンジの泡の大きさ、または表面状態または発泡倍率を考
慮して、複数種のパーオキサイドを併用するばあいがあ
るのは当業者に知られている。 (F)成分の配合量は
(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲より
選択される。 (F)成分の配合量が0.1重量部未満で
あると加硫が困難になり、また10重量部をこえると耐熱
性などの特性の低下をきたす。
本発明で使用される(G)成分は、シリコーンゴムスポ
ンジに難燃性を与えるためのものであり、シリコーンゴ
ムスポンジ用組成物中に容易に分散し得る白金化合物の
形で用いられる。 例えば、HPtCl・nH
O、NaHPtCl・nHO、HPtCl
Oなどがあげられる。 また、これらの白金化合物
と脂肪族炭化水素、オクチルアルコール、ビニルシロキ
サン、トリフェニルホスファイトなどとの錯体も用いる
ことができる。 これらの白金化合物および白金化合物
錯体は、シリコーンゴム中に添加したときに均一に配合
されるように、イソプロパノール、エタノール、ベンゼ
ン、トルエンに溶解して用いることもできる。 (G)
成分の配合量は(A)成分100重量部に対して白金原子
の重量で1〜100ppmの範囲で選択される。 (G)成分
の配合量が1ppm未満であると難燃性が得られず、また1
00ppmをこえると耐熱性などの特性の低下をきたす。
本発明においては、難燃性をそこなわないかぎり、半補
強性充填剤ないし非補強性充填剤として、粉砕シリカ、
水酸化アルミニウム、酸化チタンなども併用することが
できる。 なお、シリコーンゴム中に従来から用いられ
ている耐熱添加剤、酸化防止剤、および加工助剤を本発
明の難燃スポンジ用シリコーンゴム組成物に存在させる
ことができるのはもちろんである。
[発明の効果] 本発明の難燃スポンジ用シリコーンゴム組成物は、フェ
ライト粉末によって高周波誘電加熱が可能となり、微細
で均一なシリコーンゴムスポンジが得られしかも難燃性
であるので安全性を重点に広い用途に用いられる。 か
くしてこのようにして得られた難燃スポンジは、例えば
広い温度範囲におけるガスケットやシール材、各種断熱
材やクッション材などとして極めて有用である。
[発明の実施例] 以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく
説明する。 なお、実施例および比較例中の部はいずれ
も重量部を表わす。
実施例 1 末端がジメチルビニル基で閉止され、メチルビニルシロ
キサン単位を0.2モル%含有するポリジメチルシロキサ
ン(平重合度6,000)100部をニーダーに仕込み、次に比
表面積200m2/gの煙霧質シリカ40部、加工助剤として
ジメチルジクロロシランを加水分解して得られた直鎖状
シロキサン5部および末端がシラノール基で閉塞された
ポリジメチルシロキサン(25℃における粘度が3,000cS
t)3部を添加し、均一になるまで混練した。 ここで
得られたコンパウンドは、さらに150℃で2時間加熱混
練し、次いで冷却して塩化白金酸の1%イソプロパノー
ル溶液0.5部を添加して均一になるまで混練してシリコ
ーンゴムベースコンパウンドを調製した。 次にこのシ
リコーンゴムベースコンパウンド148部に第1表に示す
量のフェライト粉末を配合して組成物11〜13および
比較例組成物1aを得た。
上記各組成物100部にアゾビスイソブチロニトリル(発
泡剤)2部および有機過酸化物を0.75部を2本ロールに
て配合したシリコーンゴムコンパウンドから30×30×10
mmのシートをまず用意した。 かくしてなるシリコーン
ゴムコンパウンドシートを電子レンジ内に収納し、周波
数2450MHz、出力600Wで2分間加熱したところシリ
コーンゴム難燃スポンジが得られた。 このシリコーン
ゴム難燃スポンジをほぼ中央で切断してその内部を観察
した結果は第1表のとおりである。
同表の結果から判るように、フェライト粉末を配合して
いないと高周波誘電加熱によってシリコーンゴム難燃ス
ポンジを得ることができない。
実施例 2 実施例1で用いたポリジメチルシロキサン(平均重合度
6,000のもの)100部、煙霧質シリカ40部、加工助剤とし
ての直鎖状シロキサン5部、塩化白金酸の1%イソプロ
パノール溶液0.5部、第2表に示す粘度の末端がシラノ
ール基で閉塞されたポリジメチルシロキサン3部および
フェライト粉末80部を用いて実施例1と同様の方法で調
製し、組成物21〜23および比較例組成物2a、2b
を得た。
上記各組成物100部にアゾビスイソブチロニトリル(発
泡剤)3部および有機過酸化物を0.75部を2本ロールに
て配合したシリコーンゴムコンパウンドを実施例1と同
様に電子レンジ内に収納し、周波数2450MHz、出力60
0Wで2分間加熱したところシリコーンゴム難燃スポン
ジが得られた。 発泡状態を観察した結果は第2表のと
おりである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 淳 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリコ ーン株式会社内 (72)発明者 根本 毅幸 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−175735(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオルガノシロキサン 100重量
    部 (B)補強性充填用シリカ 5〜100重量部 (C)末端がシラノール基で閉塞され、25℃における粘
    度が500〜10,000cStであるポリジオルガノシロキサン
    1〜10重量部 (D)フェライト粉末 10〜200重量部 (E)有機発泡剤 0.5〜10重量部 (F)有機過酸化物 0.1〜10重量部 (G)白金化合物 白金原子の重量で1〜100ppm からなることを特徴とする難燃スポンジ用シリコーンゴ
    ム組成物。
JP1121038A 1989-05-15 1989-05-15 難燃性スポンジ用シリコーンゴム組成物 Expired - Lifetime JPH0660256B2 (ja)

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