JPH0660136A - 図面編集装置 - Google Patents

図面編集装置

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JPH0660136A
JPH0660136A JP4214988A JP21498892A JPH0660136A JP H0660136 A JPH0660136 A JP H0660136A JP 4214988 A JP4214988 A JP 4214988A JP 21498892 A JP21498892 A JP 21498892A JP H0660136 A JPH0660136 A JP H0660136A
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JP
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editing
function
edit
data
cad
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Application number
JP4214988A
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Inventor
Tamotsu Hasegawa
保 長谷川
Osamu Hori
修 堀
Toshiaki Ishii
利明 石井
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Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】CAD機能や属性変更機能など異なる編集機能
を互いに切換えて一時的に使用可能とする編集作業を実
現した図面編集装置を提供する。 【構成】CRT11の表示画面上で図面の構成要素の追
加・削除・修正などを可能にしたものであって、操作部
5の指示による編集機能解析部7により表示画面上の図
面構成要素に対しある編集機能を実行している状態か
ら、操作部5で他の編集機能の一時起動を指示すると、
編集機能解析部7により編集機能一時起動部8が動作さ
れ、実行中の編集機能に代わって他の編集機能が一時的
に起動されるようになり、これら編集機能を互いに行き
来しながら編集作業を進めるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地図や施設管理図面な
どの既存図面を自動図面認識の技術を用いて計算機入力
するCAD/CAMシステムや地理情報管理システムに
おいて、図面上の図形データ等の構成要素を表示画面上
で効率的に編集することのできる図面編集装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】最近、地図や施設管理図面などの既存図
面を自動図面認識の技術を用いて計算機入力するシステ
ムとしてCAD/CAMシステムを利用した地理情報管
理システムなどが実用化されている。
【0003】ところで、このようなシステムにより得ら
れる既存図面は、線分・シンボル・文字といった各種図
面構成要素が入り込んで記載されていることが多く、個
々の要素を識別したり認識することが非常に難しかっ
た。
【0004】このことから、従来では、自動認識処理さ
れた図面情報に対し、図面編集装置を用いて各種構成要
素の追加、削除、修正などの編集処理を施すことが一般
的に行なわれている。
【0005】ここで、図面構成要素の編集手段として
は、新たな要素の追加のように図面上の幾何情報を編集
するためのCAD機能によるものや、認識結果の確認作
業のようにコード情報を編集するための属性編集機能に
よるものがあるが、従来では、これらの編集機能はそれ
ぞれが互いに独立した編集手段であり、相互に利用可能
なものでなかった。
【0006】一方、図面編集装置を用いて各種構成要素
の編集処理を行う場合、各種構成要素の誤り箇所などを
事前にチェックし、この上で追加、削除、修正などを行
う必要があるが、このような編集箇所を特定するための
図面の知識を持ったチェックについては、専ら人手によ
る方法が用いられているのが現状であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の図
面編集装置では、図面上の幾何情報を編集するためのC
AD機能とコード情報を編集する属性編集機能などを相
互に利用することができないために、編集モードを何回
も切り換えながら各機能にかかる作業を行わなければな
らず、編集作業そのものが面倒で能率の悪いものになる
という問題点があった。
【0008】また、従来では、図面の知識を持ったチェ
ック機能を専ら人手に頼るために、所定の知識を持つ専
門家が行なう必要があり、人件費など多額の費用がかか
ってしまい、さらに、チェックにともなう誤りの修正な
どによって、新たな誤りを生じる可能性があることか
ら、これらチェック作業は修正作業と合わせて動的に作
業を行なう必要があるなど作業自体も面倒で手間のかか
るものになるという問題点があった。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、幾何情報を編集するためのCAD機能やコード情報
を編集する属性変更機能などの異なる編集機能を互いに
切り換えて一時的に使用できるようにすることで、能率
のよい編集作業を実現できる図面編集装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】また、本発明は、図面の知識を持った誤り
チェックを自動的に行うことができるとともに、これら
のチェックを修正作業と合わせて作業を動的に進めるこ
とができ、能率のよい編集作業を実現できる図面編集装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、図面を表示画
面に表示し、この表示画面上で前記図面の構成要素の追
加・削除・修正などを行う図面編集装置であって、前記
図面構成要素に対して複数種類の編集機能を有する編集
手段と、この編集手段のうちの1つの編集機能の実行中
に他の編集機能を一時起動する編集機能一時起動手段と
を具備し、この編集機能一時起動手段により前記編集手
段の各編集機能を一時起動することで各編集機能を行き
来しながら編集作業を進めることを可能にしている。
【0012】また、本発明は、図面を表示画面に表示
し、この表示画面上で前記図面の構成要素を追加・削除
・修正などを行う図面編集装置であって、予め図面の構
成要素間の整合関係を記憶した整合関係記憶手段と、こ
の整合関係記憶手段に記憶された整合関係を用いて前記
表示画面に表示された図面の修正を要する箇所を検出す
る手段と、この手段で検出された修正箇所を前記表示画
面上に表示する手段と、前記表示画面上に表示された修
正箇所に適した編集環境を設定する手段とにより構成さ
れている。
【0013】
【作用】この結果、本発明によれば、複数種類の編集機
能として、例えば、幾何情報を編集するためのCAD機
能とコード情報を編集する属性変更機能を有するような
場合、これらの編集機能を自由に行き来しながら編集作
業が進められるようになる。これにより、これらCAD
機能と属性変更機能とを自由に行き来することで例え
ば、文字編集において、文字コードを属性変更機能で編
集しながら、CAD機能を起動して文字枠を編集するこ
とや、あるいはある図面範囲内の文字枠編集をCAD機
能を用いて行なった後、これらのコードを属性変更機能
によってまとめて修正、あるいは入力することなどが可
能となり、互いの長所を生かした効率的な編集環境を得
られるようになる。また、図面の構成要素によって、そ
れぞれに適した表示方法、編集方法を自由に切替えるこ
とにより、柔軟で能率的な編集環境の実現も可能にな
る。
【0014】また、本発明によれば、予め図面の構成要
素間の整合関係を記憶させておいて、編集に要する修正
箇所の自動検出を行ない、さらに線分、シンボル、文字
といった編集要素に応じた線分編集、シンボル編集、文
字編集等の編集環境を設定するようになっている。これ
により、入力図面についての詳しい知識を持たない人で
あっても容易にデータ入力の編集作業を行なうことがで
き、また、編集候補の検出を編集作業と合わせて動的に
行なうことにより、編集途中に生じる誤りの見落としを
防ぐこともできる。
【0015】
【実施例】
(第1実施例)図1は、第1実施例の装置全体の概略構
成を示すものである。
【0016】図において、1はプロセッサで、このプロ
セッサ1は装置全体の制御、データ処理等の各種計算を
行なうようにしている。そして、このプロセッサ1に、
BUS2を介して記憶部3、内部メモリ4、操作部5、
出力部6をそれぞれ接続している。
【0017】ここで、記憶部3は、図面画像データ、線
分・シンボル・文字等の図面構成要素のデータなどを格
納するものである。そして、これらのデータは、プロセ
ッサ1によりBUS2を介して内部メモリ4に格納さ
れ、あるいは内部メモリ4上の図面構成要素がBUS2
を介し記憶部3に格納される。この場合、内部メモリ4
には、編集実行時に図面構成要素が格納されていて、こ
れを対象として各種編集作業が実行されるようになって
いる。
【0018】その他、操作部5は、マウス、キーボード
などによって構成され、各種編集操作に代表されるユー
ザーからの入力をプロセッサ1に伝え、出力部6は主に
ディスプレイによって構成され、図面編集作業を行う為
に必要な各種情報を提示する、つまりプロセッサ1から
の各種計算結果、内部メモリ4の内容をユーザーに伝え
るようにしている。図2は、第1実施例の図面編集部の
概略構成を示したもので,図1と同一部分には同符号を
付している。
【0019】この場合、操作部5は、マウス51、キー
ボード52によって構成され、これらマウス51、キー
ボード52によるオペレータからの各種編集操作は編集
操作解析部7に送られる。編集操作解析部7は操作部5
より入力される編集操作内容を解析するもので、その出
力を制御部8および編集機能一時起動部9に与えるよう
にしている。
【0020】制御部8は、内部メモリ4にある図面デー
タの書き変え(編集)を行なうデータ編集部10、内部
メモリ4にある図面データや、その他編集上必要なもの
(例えばマウスカーソルなど)をCRT11上に表示さ
せる働きをする画面表示制御部12、記憶部15と内部
メモリ4間の図面データの転送を制御し記憶部3にある
図面データ(図面ファイル)の内部メモリ4への読み込
み(ロード)および内部メモリ4にある図面データの記
憶部3への書き込み(セーブ)を行なうファイル操作部
13をそれぞれ適宜呼び出すことによって編集を実行す
るようになっている。
【0021】例えばオペレータが図面データの読み込み
を指示した場合、ファイル操作部13によって記憶部3
にある図面データを内部メモリ4にロードし、このロー
ドされた図面データを画面表示制御部12によってCR
T11上に表示する。また、データの追加削除などを指
示する編集操作を行なった場合には、データ編集部10
によって内部メモリ4上のデータに新たなデータの追
加、あるいは既存のデータの削除を行い、さらに画面表
示制御部12によってCRT11上に表示している図面
の更新を行うようにしている。
【0022】また、編集機能一時起動部9は、編集機能
を一時的に起動するためのもので、この編集機能一時起
動部9からの出力は、制御部8に送られ、以下述べるよ
うな編集機能の一時起動が実行される。図3は、このよ
うな編集機能の一時起動を説明するためのものである。
【0023】この場合、編集機能として、図面上で幾何
情報を編集するためのCAD機能14とコード情報を編
集する属性変更機能15を有している。そして、これら
各機能14、15に対し編集機能一時起動部9からの一
時起動指示16により、CAD機能14から属性変更機
能15を一時使用する働き、または属性変更機能15か
らCAD機能14を一時使用する働きを得られるように
している。
【0024】ここで、CAD機能14は、スキャナ等に
より読み取られた編集対象となる図面イメージを画面上
に表示し、また、図面の各構成要素の認識結果を画面上
に表示された前記図面イメージに重ねて提示するように
している。この結果、個々の図面構成要素は図面上に描
かれていた箇所に同じ位置と向きで提示される(図
4)。オペレータは、この図面構成要素をマウス、キー
ボードなどの操作部を用いて直接操作することによりC
AD編集作業を行なう。編集内容としては、線分、シン
ボル、文字列などの各図面構成要素に対して、それぞれ
追加、削除、移動、回転、拡大、縮小、種別変更などの
編集操作を行なうことができる。
【0025】また、属性変更機能15は、図面上の各構
成要素のイメージと、その認識結果とをそれぞれ別々に
表の上に整理して提示し、オペレータが両者を容易に見
比べられるようにしたうえで、各種属性の編集を行なえ
るように工夫した編集機能であり、図5に示すような表
の上で各種編集作業を行なう編集機能である。編集内容
としては、認識結果の確認、各要素の削除、種別変更、
文字列に対してはとくに文字コードの修正、入力といっ
た編集操作を行うことができる。
【0026】この場合、前記属性変更機能で使用される
表はページ単位で管理され提示されるが、各ページの表
示を行なう際には、図面構成要素の図面上のイメージを
図面から切り出したものと、その認識結果とを左右に、
あるいは上下に対にして提示する。この際、イメージと
認識結果とは互いに近付けられ、間の隙間を詰めて提示
する。即ち左右に提示する場合には、図6に示すように
左に表示される要素を表示欄に右詰めに、右に表示され
る要素を表示欄に左詰めにそれぞれ表示し、また上下に
提示する場合には、図7に示すように上に表示される要
素を表示欄の下詰めに、下に表示される要素を表示欄の
上詰めにそれぞれ表示する。このことにより、両者を見
比べる際すなわち認識結果の確認作業を行なう際に視点
移動の距離を少なくすることができ、作業に費す労力を
少なくすることができる。しかして、このように構成し
た図形編集装置では、例えば、文字列編集とシンボル編
集において上述の編集機能を使用することができる。以
下に、その一例として、CAD機能から属性変更機能を
一時起動する場合について、図8に示すフローチャート
に従い説明する。
【0027】CAD機能から属性変更機能を一時起動す
るためには、まず属性変更を行なう対象の指定を行なう
(ステップS81)。ここで、編集対象の指定方法とし
ては、操作部5におけるマウス51を用いて領域を描画
し、この領域内にある全文字列を一括指定する方法を用
いる。また、領域の指定方法としては、長方形で領域を
指定する方法(図9)と、多角形によって指定する方法
(図10)がある。この際、各図形の辺の近傍にある要
素に対して、辺上に重なっているものを含める方法(図
11)と、これを含めない方法(図12)がある。さら
に領域による指定の他に、マウス等を用いて対象とした
い文字列を1つずつ個別に指定していく方法(図13)
もある。
【0028】また、これらを組み合わせた方法として、
領域指定の後で個別指定を行ない、要素の追加、削除を
行う方法も備えている。これらの各種指定方法はオペレ
ータの判断によって自由に選択することができる。
【0029】なお、指定の確定は、領域指定のみを用い
る場合にはこの指定が済み次第、自動的に指定が確定さ
れる。一方個別指定を行なう場合や、領域指定と個別指
定を組み合わせる場合には、指定が済んだ後で、オペレ
ータが明示的に確定を指示する方法を用いる。この場合
には、画面上に表示されたボタンをマウス等によって押
すことにより指示が行なわれる。また、マウスのボタン
の特別な操作によっても指示を行なうことができる。
【0030】編集対象の指定が確定されると、指定され
た構成要素をページ単位の表に整理する処理が行なわれ
る(ステップS83)。ここでの整理の仕方としては、
図面上の位置に応じて個々の文字列に一意に付けられた
番号を用い、この番号順に整理する方法の他、文字列が
複数の属性にわかれている場合には属性別の整理、また
文字列の長さによる整理など複数の方法が用意されてお
り、これらの整理方法はオペレータからの指示によって
自由に選択することができる。オペレータからの指示が
ない場合には、位置に応じた番号順の整理がデフォルト
として使用される。
【0031】ステップS82での表の整理が終了する
と、この表を用いた属性変更機能が起動される(ステッ
プS83)。すなわち、この表には指定された文字列の
みが表示される。
【0032】次に、起動された属性変更機能において編
集作業を行う(ステップS84)。本実施例の図面編集
装置においては、文字列に対して、文字コードおよび文
字種別の確認と修正、文字列の削除の各処理を行なうこ
とができる。
【0033】ステップS84の処理の完了をもって、直
ちに属性変更機能が終了する(ステップS85)。この
方法として、本実施例ではオペレータがマウスによって
終了ボタンを押すことで明示的に編集の終了を指示する
方法を用いている。また、キーボードを用いて結果的に
同様の処理を行なう方法も合わせて用意されている。他
の方法として、計算機が編集の終了を判断して、自動的
に属性変更機能を終了させる方法がある。この場合に
は、例えば、指定した全ての文字列に対して編集を行な
った段階で自動終了を行なう。この自動終了の方法はオ
ペレータが選択することで使用することができる。
【0034】ステップS85で属性変更機能が終了する
と、引続きCAD機能への復帰処理が実行される(ステ
ップS86)。ここでは主に編集内容に応じた画面の書
き変えなどが行なわれ、画面上には修正されたコードは
その修正されたコードが古い文字列に代わって表示され
る。また削除された文字列は画面から消去される。ステ
ップS86の処理の後は、CAD機能を元通りに使用で
きる。次に、属性変更機能からCAD機能を一時起動す
る機能について図14のフローチャートに従って説明す
る。
【0035】この場合、属性変更機能からCAD機能を
起動するには、まずCAD機能による編集を行なう対象
の指定を行なう(ステップS141)。対象の指定は1
つの文字列を指定することで行ない、この指定された文
字列に対しての通常編集が起動される。文字列の指定
は、マウス等を用いて対象となる文字列をピックするこ
と等によって行なう(図15)。
【0036】次に、画面に表示されている表(属性変更
機能のメインウインドウで、編集はこの上で行なわれ
る)を消去し、ステップS141で指定した文字列を画
面中央に提示する(ステップS142)。この時、表示
する画面の縮尺はこの文字列の大きさから判断し、最も
適当と思われる大きさの縮尺を選択する。具体的には、
文字列の大きさから求まる関数を用いて画面の縮尺を決
定する。
【0037】ステップS142での処理の後、CAD機
能を起動する(ステップS143)。ここではマウスの
画面上の状態を拾ってくる関数(イベント処理関数)
を、CAD機能のものに置き変えるなどの処理が行なわ
れる。なお、このステップS142においてCAD機能
を起動する際には、起動時に選択した文字列を既に編集
対象として選択した状態として起動している。このこと
によって、編集対象の文字列を再び指定する手間を省
き、作業の簡略化を図っている。
【0038】次に起動されたCAD機能による編集作業
を行う(ステップS144)。本実施例の図面編集装置
においては、文字列に対して、追加、削除、移動、回
転、拡大縮小などの処理を行なうことができる。その
後、ステップS144の完了をもって、直ちにCAD機
能が終了する(ステップS145)。
【0039】ここで、対象文字列に対する編集が終了し
た際にとる方法として、次の2つの方法がある。一つ
は、この文字列の編集終了をもってCAD機能を終了
し、属性変更機能への復帰処理を行なう方法である。こ
の場合CAD機能は指定した文字列に対する処理のみを
行なうために使用される。もう一つは、この文字列の編
集の終了後も、そのままCAD機能に留まる方法であ
る。この場合、CAD機能の終了はオペレータによって
明示的に指定されなければならない。
【0040】指示の方法としては、例えばCAD機能か
ら属性変更機能を起動する場合と同様にマウスなどの指
示手段を用いて、終了ボタンなどを指定する方法が用い
られる。本実施例の図面編集装置では、デフォルトで前
者の方法が使用されるが、オペレータの指示によって後
者の指定方法を選択することもできる。
【0041】ステップS145によってCAD機能が終
了すると、直ちに属性変更機能への復帰処理が実行され
る(ステップS146)。この際、CAD機能で編集さ
れた結果を受け、属性変更機能における画面上には、削
除された文字列が表から取り除かれ、また追加された文
字列は表に新たに加えられて表示される。また、移動、
回転、拡大縮小など文字枠を修正された文字列について
は、その図面上のイメージが新たな文字枠に基づいて表
示されるようになる。ステップS146の後は、属性変
更機能を元通りに使用できる。
【0042】以上、本実施例での図形編集装置における
CAD機能と属性変更機能との一時利用を行うためのア
ルゴリズムについて文字列編集の場合を例に説明した。
このような編集手順はシンボル編集や、その他の編集項
目についても同様に行なうことができる。
【0043】次に、他の編集機能を一時起動する例を示
す。始めにCAD機能から属性変更機能を一時使用する
例として、新たな文字列を追加編集する場合を図16の
フローチャートを用いて説明する。文字列の追加編集
は、CAD機能をメインに作業を進める。従ってまず初
めにCAD機能を起動する(ステップS161)。
【0044】次に、文字列の認識結果の確認作業によっ
て未抽出の文字列を探索し、新たに文字列を追加する位
置を決定する(ステップS162)。具体的には、表示
された背景をもとに文字列の部分を1つづつ目で確認
し、当該文字列部分に認識された文字列が表示されてい
るかを確認する。表示されていない場合は、当該文字列
は認識されなかった未抽出の文字列であることになる。
このような未抽出の文字列が見つかった場合、CAD機
能により検出箇所の上に文字列領域としての文字枠を作
成する(ステップS163)。
【0045】この方法として、本実施例の図面編集装置
では、文字列の左下、左上、右下の3点指示によって、
文字枠の作成を行う。この際、文字枠は長方形で表され
る。なお、この3点指定に当たっては、先の3点の他に
も、右下を起点として、右下、右上、左下の3点を使用
してもよい。もちろん右上、左上、いずれを起点として
も良い。いずれの場合においても、本実施例と同様の作
成手順となる。
【0046】文字枠作成の後、さらに未抽出の文字列を
探索するかを決定する(ステップS164)。さらに探
索を行なう場合は、ステップS162に戻って同様の作
業を継続して行なう。検索を終了する場合、CAD機能
より属性変更機能を一時使用するために起動する(ステ
ップS165)。
【0047】属性変更機能の起動方法は、先に説明した
ように、マウスなどの指示手段を用いて、範囲を指定す
る方法による。本実施例では、マウスを用いて、四角形
および多角形によってこの範囲を指定することができ
る。範囲が指定されると、その範囲に含まれる全文字列
を対象とする属性変更機能が起動される。
【0048】一時起動した属性変更機能では、CAD機
能において作成した文字枠だけの文字列に対して文字コ
ードを入力する(ステップS166)。この入力に当た
っては、属性変更機能において提示される表を見て、そ
の認識結果すなわち、文字コードが空欄となっているも
のを見つけ、これに対するコード入力を行なっていけば
よい。この際、文字コードがないものをよりわかりやす
くするために、単なる空欄にしておくのをやめ、文字コ
ードがない旨を表示し、これの発見を容易にする補助機
能をつけることや、あるいは、このような空欄を検出
し、その空欄を含むページを提示していく機能、また、
空欄のみをグループ分けして、このようなものだけを表
形式に提示する機能などを使うことによって、より作業
の効率を向上させることができる。
【0049】ステップS166によって、すべての文字
枠に対する文字コードの入力が終了後、終了ボタンを押
すなどの操作によって、属性変更機能を終了し、CAD
機能に復帰する(ステップS167)。CAD機能に戻
った際の画面上には、先ほど述べた通り、属性変更機能
によって入力した文字コードが空欄だった文字枠の中に
新たに表示される。
【0050】CAD機能に復帰した後、さらに追加編集
を行なうかを選択する(ステップS168)。追加編集
を継続する場合には、ステップS162に戻り、以下同
様の処理手順を実行する。また追加編集を継続しない場
合には、一連の追加編集を終了する。
【0051】したがって、このようにすれば、従来は同
時に行なっていた文字枠の作成と、文字コードの入力の
2つの処理を編集機能を変えて別々に行なうことによ
り、それぞれの処理を一括処理でき、とくに文字コード
を一括入力することによって、より処理効率を向上させ
ることができる。次に、属性変更機能からCAD機能を
一時起動する例として、シンボル編集の様子を図17の
フローチャートを用いて説明する。ここでは認識結果の
確認を行いつつ、シンボル種別誤りの修正、誤抽出シン
ボルの消去、シンボル位置の修正などを行う。
【0052】シンボル編集は、属性変更機能をメインに
作業を進める。従ってまず初めに属性変更機能を起動す
る(ステップS171)。起動方法は全図面を対象とす
る他、図面を適当な大きさに区分けしその1区分を対象
とする起動などがある。これはオペレータの判断によっ
て自由に選択すればよい。
【0053】次にシンボルの認識結果の確認作業を行な
う(ステップS172)。確認作業は、図面上にシンボ
ルが散在するCAD機能よりも、定型の表に整理される
属性変更機能の方が効率良く作業を行うことができる。
【0054】検出された認識誤りに対し、シンボル種別
の誤りの修正、シンボルでないものを誤って抽出したも
のの消去など、属性変更機能で容易に修正できるものは
直ちに修正編集を行なう(ステップS173)。
【0055】シンボル位置の誤りなど、CAD機能を用
いた方がより効率良い編集が行なえる幾何情報の編集を
行なう場合には、CAD機能を一時使用する。このため
にはまず編集を行なうシンボルを指定しCAD機能を起
動する(ステップS174)。
【0056】シンボルの指定は表の上の予め用意された
起動ボタンをマウスを用いて押すことによって行う。ま
た、キーボード操作によって同様の処理を行うこともで
きる。起動された通常編集モードでは、指定したシンボ
ルが既に編集の対象として指定され、このシンボルを中
心とした表示が行われる。この際、シンボルの大きさに
応じて、画面に表示される図面の縮尺も自動的に決定さ
れる。
【0057】オペレータは起動されたCAD機能におい
てシンボルの幾何情報の編集を行う(ステップS17
5)。編集が終了したならば、編集結果の確定(ステッ
プS175)をマウス操作によって実行する。例えばマ
ウスの中ボタンのクリックがこれに相当する。
【0058】ステップS175の後は自動的に属性変更
機能へ復帰する(ステップS176)。この際、CAD
機能によって修正されたシンボルの幾何情報が、復帰し
た属性変更機能で提示される表において正しく表示され
る。
【0059】属性変更機能に復帰した後、さらに編集を
行なうかを決定する(ステップS178)。編集を継続
する場合には、ステップS172に戻り、以下同様の処
理手順を実行する。また編集を継続しない場合には、一
連の編集作業を終了する。
【0060】したがって、このようにすれば属性変更機
能からCAD機能を一時使用することによって、属性変
更機能によって効率的な認識結果のチェック作業を行な
いつつ、シンボル位置の修正などの図面上の操作が必要
となる編集をも簡単に行なうことができ、従来の編集方
法と比べて一層の作業効率向上を達成することができ
る。
【0061】なお、互いに一時使用が可能な編集機能
は、CAD機能、属性変更機能の2つに限るものではな
ない。新たな編集機能をこれに加え、同時に3つ以上の
編集機能を使い分けることも可能である。
【0062】ここでは、図18に示すようにCAD機能
14、属性変更機能15の他に、新たな編集機能として
図面画像を編集する画像編集機能17を新たに加えるよ
うにしている。こうすれば、編集機能一時起動指示16
によりCAD機能14、属性変更機能15から画像編集
機能17を呼び出すこと、画像編集機能17からCAD
機能14、属性編集機能15を呼び出すことがそれぞれ
できるようになる。
【0063】また、編集対象とする図面構成要素は線分
・シンボル・文字といった個々の要素に限るものではな
く、これらを複数組み合わせた要素に対しても、同様の
編集装置を組むことができる。即ちシンボルと文字とを
同時に扱うことなどは容易に実施することが可能であ
る。また単なる組み合わせに限らず、これらの集合を1
つの図面構成要素として捉え、これを新たな処理対象と
することも当然可能である。
【0064】この他、領域範囲の指定等で用いる操作部
はマウス、キーボードに限ったものではない。マウス、
キーボード以外にもデジタイザ、ライトペン等、オペレ
ータからの指示が伝えられる指示デバイスでありさえす
ればよい。 (第2実施例)図19は、第2実施例の概略構成を示す
ものである。
【0065】同第2実施例では、ガイドを伴う編集機能
(以下、ガイド型編集機能と称する。)を有する図面編
集装置を示している。この場合、ガイド型編集機能は、
処理対象となる図面データ21、図面上の線分、シンボ
ル、文字等の構成要素間に定められた図面に特有のルー
ル(整合関係)を記述した整合関係記憶部22、前記整
合関係より前記図面データにおいて編集を必要とする箇
所を自動検出する編集候補検出部23、前記検出部にお
ける検出結果である編集候補検出データ24、前記検出
データを基に編集即ち図面データの書き変えを行なう図
面データ編集部25、その他、編集状況を随時CRT上
に提示し編集作業を助ける画面表示部26、これらの各
構成部を制御する制御部27によって構成している。
【0066】ここで、図面データ21は、処理対象とな
る図面をスキャナ等で読み込んだ画像データ、これを認
識処理した線分、シンボル、文字などの図面構成要素の
データからなるものである。
【0067】整合関係記憶部22は、処理対象となる図
面の線分、シンボル、文字などの構成要素が持っている
図面に特有のルール(整合関係)を記憶保存したもので
ある。例えば、これらの構成要素に複数の属性が定義さ
れている場合、ある種の線分どうしは接続できないと
か、ある種のシンボルとある種の線分とは必ず接続して
いなければならないといった類のものがこれに当たる。
これらの整合関係は、編集候補検出部23において、編
集候補箇所を検出する際に利用される。編集候補検出部
23は、整合関係記憶部21に蓄えてある整合情報を元
に、編集候補箇所、即ち誤り箇所の検出を行なう。図2
0は、このような編集候補検出部23の概略構成を示し
ている。
【0068】この場合、編集候補検出部23は、編集項
目別に分けられた編集候補検出ルーチン231と、これ
らを実行する検出ルーチン実行部232から構成され
る。検出ルーチン実行部232では、整合関係記憶部2
2にある図面構成要素間の整合関係を元に図面データの
誤り候補の検出を行うようになっている。編集候補検出
データ24は、編集候補検出部の検出結果であり、次の
図面データ編集部25において使用される。
【0069】図面データ編集部25は編集候補検出デー
タ24を元に、編集箇所の提示、編集環境の提案、及び
オペレータの確認を経てから提示した編集環境による図
面データの修正編集を行なうようにしている。図21
は、図面データ編集部25の概略構成を示している。
【0070】この場合、図面データ編集部25は、デー
タ操作部251、基本編集ライブラリ252、編集環境
選択テーブル253によって構成されている。データ操
作部251は、編集候補検出データ24より編集箇所の
データを読み込む働きと、編集によって図面データの更
新を行なう働きをするものである。基本編集ライブラリ
252は、図面データの更新の際に使用される各種編集
ルーチンで、修正作業を行なうために必要な基本的な編
集機能として各図面構成要素それぞれに追加、削除、移
動、回転などを行う関数群が用意されている。編集作業
は、基本編集ライブラリ252に用意された基本的な編
集機能の組み合わせによって実現される。編集環境選択
テーブル253は、編集候補検出データ24を元に編集
環境を選択決定するためのものである。
【0071】ところで、対話修正時の応答性を高めるの
は重要なことであり、このため編集候補の検出は対話編
集の前に一括して実行される。ところが、このようにす
ると、その後の編集の結果が周りのデータに影響を及ぼ
し、最初の検出結果と状況が異なってくる場合がある。
そこで、本願では、各編集操作の後に検出データへの影
響を調べ、影響がある場合に検出データの更新あるいは
再生成を自動的に行うようにしている。また、検出デー
タの再生成を行なうには、次のような効率化を行なって
いる。ここでは、既に編集対象となり、かつ編集操作を
行なわずに確認処理だけで済ました箇所が再び編集対象
として検出されることを防ぐために、既確認箇所では確
認処理の後に当該箇所の図面上の正確な位置及び編集対
象となった図面構成要素などを、確認箇所データとして
記録しておく。これにより、再検出の際に検出箇所と確
認箇所データとを照らし合わせることによって、既確認
箇所が再び検出されることを防いでいる。次に、図22
は画面表示部26の概略構成を示している。
【0072】この場合、画面表示部26は、表示メモリ
261、CRTコントローラ262、CRT263によ
り構成されている。そして、表示メモリ261上に揃え
られた画面データがCRTコントローラ262によって
CRT263上に表示される。また、表示メモリ261
の内容を適宜書換えることで画面表示を自由に操作する
ことができ、CRT263上には本ガイド型編集におけ
る各種編集作業に必要な情報が表示されている。
【0073】制御部27は、ガイド型編集機能の実行を
制御し、先に述べた各種構成部とオペレータの間にた
ち、ガイド型編集の実行制御、オペレータとのインター
フェイス制御、画面表示の制御などを行う。また、オペ
レータからの各種命令の解釈と実行の働きもあり、命令
には、検出実行命令、次候補命令、取消・再実行命令、
終了(中断)命令の各命令がある。ここで、検出実行命
令は、編集候補検出部23に対して、編集候補検出ルー
チン231の実行を命令するもので、本編集を行なう際
に最初に実行される命令である。次候補命令は、次の編
集候補を呼び出す命令である。また、検出を実行した
後、最初の検出箇所を呼び出す時、即ち編集を開始する
時にもこの命令が使われる。取消・再実行命令は、現在
の編集箇所を再実行する命令である。例えば、次候補命
令によって呼び出された検出箇所は、すぐにユーザーへ
の確認を経て編集されるので、これを取り消し、再実行
を行なう。即ち直前のUNDOに相当する。終了(中
断)命令は、選択されている編集項目を終了し、選択さ
れていない状態に戻す命令である。この際、これまでの
検出データは、確認箇所データを除いて全てクリアされ
る。確認箇所データは再び作業を行なう場合に、2度処
理を防ぐ意味で残す必要があるが、オペレータの都合で
始めから処理をやり直したい場合などはこれを消去すれ
ばよい。これはオペレータの判断、責任で実行すること
ができる。次に、このようなガイド型編集機能を図23
に示すフローチャートにより説明する。
【0074】始めに、記憶部にある画像データ及び図形
データを内部メモリ上にロードする(ステップS23
1)。図形データは、前記画像データを元に自動認識処
理を行なった結果得られたものであっても、特定の自動
認識処理に縛られるものではなく、図形データのデータ
構造が同じであるならばどのような処理を行なってもよ
い。即ち以下の処理は自動認識の結果にのみに影響さ
れ、その過程である自動認識の処理手段には全く影響さ
れない。もちろん最初から手入力された編集図形データ
に対しても適応できる。
【0075】ステップS231に続き、オペレータが予
め用意された各種の編集候補検出ルーチン231の中か
ら希望する一つのルーチンを選択する(ステップS23
2)。編集候補検出ルーチン231は、整合関係記憶部
22において処理対象となる図面の知識を持つことによ
り、誤り箇所を編集候補として自動検出するものであ
り、修正編集を行なう上で有効と思われる誤り項目ごと
に専用の検出ルーチンが用意されている。
【0076】本実施例においては、図面のかすれやノイ
ズなどを原因とする線分の切れや、線分の交差部が正し
く抽出されていない箇所、特定のシンボル図形が抽出出
来なかったもの、文字領域が誤って抽出されたものなど
の検出ルーチンが用意されている。
【0077】ところで、ステップS232における選択
処理では、オペレータが操作部を用いて選択指示を送る
際に、画面上に表示された各種編集候補検出ルーチン2
31の一覧表から希望のルーチンを自由に選択出来るよ
うになっている。この選択指示は制御部27に届けら
れ、制御部27では直ちに編集候補検出部23に対し指
示された編集候補検出ルーチン231を呼び出し、内部
メモリ上にこれをロードし、いつでも実行できる状態に
する。そして、ステップS232に続いて選択され、既
に内部メモリ上にロードされている編集候補検出ルーチ
ン231を実行する(ステップS233)。
【0078】実行された編集候補検出ルーチンは、誤り
の疑いがあり編集候補となる箇所の検出を行ない、検出
された編集候補箇所は編集候補検出データ24として、
誤りの種類とその図面上での正確な位置、編集対象とな
る図面構成要素などが出力される(ステップS23
4)。
【0079】編集候補検出データ24の各要素、即ちそ
れぞれの編集候補は,例えば検出された順番に一つづつ
選択され(ステップS235)、誤りを補正修正するた
めの編集が実行される。ステップS233によって選択
された編集候補は、オペレータが当該編集箇所を判断で
きるように出力される(ステップS236)。
【0080】例えば、当該箇所周辺部の拡大図をディス
プレイ上に表示し、さらに誤り部分を強調表示する等の
処理が行なわれる。本装置においては、当該箇所の編集
範囲がディスプレイ上の適当な範囲を占めるように、範
囲が広いものは縮小し、また範囲が小さいものは拡大し
てディスプレイの中心部に提示し、さらに編集対象とな
る図面構成要素を通常の色とは異なる色にして提示する
ようにしている。
【0081】ステップS236に続き、編集候補より認
識誤りを修正するために要すると思われる線分編集、シ
ンボル編集、文字編集などの編集環境がシステムによっ
て1つ、あるいは複数決定され(ステップS237)、
決定された編集環境は直ちにオペレータに提案される
(ステップS238)。ここで、提案の方法は、編集環
境が1つの場合には、その実行の有無を、複数の場合に
はどれか1つを選択するか、あるいはどれも選択しない
かをそれぞれ問う形で行なわれる。オペレータはこの提
案に対し、希望の編集環境を選択するか、あるいはいず
れも選択しないかを答える(ステップS239)。ここ
で選択した編集環境は直ちに起動され編集作業が行なわ
れる(ステップS2310)。
【0082】編集の結果は出力部を介してオペレータに
伝えられる(ステップS2311)。また、この編集し
た結果は直ちにディスプレイ上に表示される。オペレー
タはこの出力結果から編集結果を確定するか否かを判断
し、この結果を操作部を介してシステムに伝える(ステ
ップS2312)。このステップS2312の作業は先
のステップS239と同様にウインドウなどを用い、こ
れにマウスで応答するといった方法によって行なわれ
る。ステップS2312において編集結果の確定を拒否
した場合、直前に行なわれた編集が取り消され(ステッ
プS2313)、再びステップS238に戻る。
【0083】編集の取消は、編集されたデータのUND
Oを行なった後、その結果が表示画面に提示される。即
ち編集直前と同様の画面表示に戻る。またステップS2
312において編集結果を確定した場合、現在使用して
いる編集候補に対する処理を終了する。
【0084】編集結果の確定によって図面データは初期
の状態とは異なるものとなる。このため編集候補検出デ
ータの内容は、編集の進行に従って絶えずチェックする
必要がある。そこで編集実行の後、その編集が編集候補
検出データの内容に影響を与えたか、影響を与えた場合
にはその程度はどの程度なのかを調べる(ステップS2
314)。
【0085】ここでの影響の判定は、使用する編集ルー
チンと、その編集結果によって行なう。例えば線分の追
加編集を使用した場合、編集結果には、この線分に重な
る線分がある場合とない場合がある。前者では他の線分
に対して影響を与えないが、後者では他の線分に対し接
続関係などに明らかな影響を与えることが判定できる。
次に編集が影響を与える場合、その影響が、新たな誤り
は発生しないが既に検出された箇所の属性値などに変更
を与える程度のもの(狭い範囲の影響)なのか、それと
も新たな誤り箇所を発生させる恐れがあるもの(広い範
囲の影響)なのか判定する。先の線分追加の例では新た
な誤りを生じる可能性があると判定できる。
【0086】ステップS2314において影響ありと判
断された場合は、検出データの修正を行なう。このとき
狭い範囲の影響である場合には検出データの更新を行な
い(ステップS2315)、広い範囲の影響である場合
には検出のやり直し(再検出)を行ない(ステップS2
316)、検出データを作り直す。
【0087】ところで、編集候補の中にオペレータが編
集の必要なしと判断し編集を行なわずに済ませた箇所が
あった場合、即ちステップS239において編集の非実
行が指示された場合、再検出の時にこのような箇所が再
び検出されることがないようにしなければならない。そ
こでオペレータが編集の必要なしと判断した箇所は確認
データとして、当該箇所の図面上の正確な位置、対象と
なる図面構成要素などを保存する(ステップS231
7)。再検出の際には検出結果が全て確認データと照合
され、同一箇所の検出結果は編集候補検出データには出
力されず、再び編集候補として検出されることがないよ
うになっている。
【0088】その後、1つの編集項目に対する編集が終
了すると、ステップS239において編集の非実行が指
示され、ステップS2317で確認データへの保存が行
なわれ、一方、ステップS239において編集の実行が
指示され,その後ステップS2312で編集結果を確定
し、必要に応じてステップS2315あるいはステップ
S2316が行なわれた場合、次の編集候補が存在する
かを調べる(ステップS2318)。
【0089】ここで、編集候補が存在しない場合は全て
の編集候補についての編集が終了したことになり、編集
作業を終了する。編集候補が存在する場合は、次の編集
項目に処理を移して編集を継続するかをオペレータに尋
ねる(ステップS2319)。編集の継続が指示された
場合はステップS235に戻り新たな編集項目を対象と
して編集処理が継続される。編集終了が指示された場合
は、編集作業を終了することになる。
【0090】従って、ここでの編集候補の自動検出は、
編集作業によって検出結果が動的に変化するデータに対
し必要があれば更新し、あるいは再検出を行なうことに
よって対処するようになる。この際、一度編集候補とな
ったが、オペレータが編集の必要なしと判断し編集を行
なわずに済ませた箇所に対しては、再検出の際に再び検
出されることを防ぐために、編集を行なわずに済ませた
箇所は、当該箇所の図面上の正確な位置情報、及び編集
対象である図面構成要素をそれぞれ保持しておき、検出
結果をこれと照合することによって再検出を防ぐように
しているので、再検出を行う場合においても、一度確認
した箇所を再び処理するような不具合を防止することが
できる。次に、編集環境の決定について詳述する。
【0091】まず、誤り修正環境の決定は、使用した編
集候補検出ルーチンと検出した箇所の誤りを編集する環
境とを対応付けた図24に示すような編集環境選択テー
ブルを使用することによって行なわれる。この編集環境
選択テーブルには、検出項目241、編集環境242、
条件243の各欄があり、各検出ルーチンを使用した場
合に用いる編集環境と、その使用条件が定義されてい
る。ここでの使用条件は、専ら編集環境が複数ある場合
において、検出結果の状況に応じた適切な編集環境を選
択する為のものである。
【0092】このような決定方法は、例えば未抽出文字
領域の検出を行なった場合、プロセッサは始めに検出項
目241の欄から「未抽出文字領域検出」の項目を検索
する。次にこの項目における編集環境242とその条件
欄243を調べる。図24によると、編集環境は「表形
式編集による追加」であり、その適用条件は「なし」と
なっている。ここでの適用条件の「なし」とは、全ての
検出箇所について適用することを意味し、直ちに図25
に示す表形式の編集環境が決定される。
【0093】また、線分切れ検出を行なった場合は、は
じめに検出項目241から「線分切れ線分」の項目が検
出され、編集環境242として「CAD編集による追
加」「CAD編集による接続」「CAD編集によるマー
ジ」が指定される。これらの編集環境の適用条件243
は、それぞれ「切れの長さが閾値以内」「なし」「2線
分の並行性が閾値以上」となっていることから、これら
条件のチェックが行なわれる。ここでは切れの長さと2
線分の並行性がチェックに必要であるが、これらの値は
既に検出段階で求めてある。なお検出段階で求めていな
い値が必要となる場合には条件チェックの段階で計算さ
れる。条件チェックの結果、追加の条件は満たしたが、
マージの条件は満たさなかった場合には、「CAD編集
による追加」及び「CAD編集によるマージ」の2つの
編集が決定される。CAD編集の特徴的な画面表示を図
26に示す。その他、誤抽出シンボルの検出では図27
に示す様な表形式にシンボルを提示する編集モードによ
って削除編集を行なう編集環境を、誤抽出文字領域の検
出では、同じく表形式に文字列を提示し削除編集を行な
う編集環境をそれぞれ決定する。
【0094】このように編集環境の決定は、編集環境選
択テーブルを用い、該当する検出項目に定義された編集
環境において、適用条件がある場合にはこれを満たすも
のを、ない場合にはこれをそのまま選び出すことによっ
て行なわれる。
【0095】ところで提案される編集環境には、オペレ
ータの入力を必要とするものと必要としないものがあり
起動時の動作に若干の違いがある。前者では起動直後に
オペレータの入力待ち状態になり、後者では起動と同時
に編集が自動的に実行される。前者には未抽出文字列の
編集があり、図25で示した表形式の編集環境が起動さ
れオペレータからの入力待ち状態となる。後者には線分
切れの編集があり、複数の提案がオペレータに図28の
ように提示され、オペレータは希望の箇所をマウスでク
リックして選択する。この際は直ちに選択した編集環境
が起動され、編集が自動的に実行される。
【0096】次に、本実施例のガイド型編集の一実行例
として、線分とシンボルとの接続編集を示す。接続編集
は、図面が独自に持つ接続ルールに反するものをチェッ
クし、これを修正する編集である。もちろんこの接続ル
ールは整合関係記憶部に記憶保存されている。ここで
は、配電図面における配電線の管路を表す線分(以下単
に管路と表す)と、施設設備を表すシンボル(以下単に
シンボルと表す)との間の接続編集を説明する。
【0097】図29を処理図面とする。整合関係記憶部
に記憶保存されている前記接続ルールの1つに「管路の
両端は、必ず他の管路又はシンボルに接続する」という
ルールがある場合、図中の管路291に接続される管路
292と管路293が接続ルールに反するもの、即ち整
合しないものとして検出される。それぞれ図中A,Bに
本来そこに存在し接続しているべきシンボルが存在せ
ず、従って当該箇所へシンボルの追加と、前記シンボル
の管路への接続を行なう必要がある。この検出箇所と必
要な編集は検出データとして出力される。
【0098】さて、はじめに管路292が編集対象とな
る。この箇所では、管路292に対して、図中Aの箇所
にシンボルを追加と管路と接続する編集が起動される。
ここでは図30に示すように追加でき得るシンボル(こ
こではa,b,cの3つ)が画面上部に提示され、オペ
レータはどれか1つを選択する。ここでシンボルaを指
定したとすると画面上Aの位置にシンボルaが直ちに表
示され、オペレータの確認を経て図面データの書き換え
が行なわれる。
【0099】次に、編集結果が検出データに影響を与え
たかを調べる。ここで接続ルールの1つに「同じ管路に
接続している複数の管路がそれぞれシンボルと接続して
いる場合、これらのシンボルは全て同じ種類である」と
いうのがあるとすると、図面上Bの位置に追加するシン
ボルは、Aの位置に追加するシンボルと等しくなければ
ならず、このことは前記編集にBの位置における編集方
法が影響を受けることを意味している。即ち、前記編集
の前は必要な編集方法がシンボルa,b,cの追加であ
ったものが、前記編集後にはシンボルaの追加のみに変
化する。そこで、前記編集後直ちに管路293に対する
検出データ更新が行なわれる。
【0100】続いて管路293が編集対象となる。ここ
では図中Bの箇所にシンボルaを追加し、管路293と
接続する編集が起動される。ここでは図31に示すよう
に、画面上部に追加の実行に対する2つの選択肢(は
い)(いいえ)が提示され、(はい)を選択すると、直
ちにシンボルaが図中Bの箇所に追加され、図面データ
の更新が行なわれる。以上で全ての編集箇所についての
編集が終了し接続編集が終了する。
【0101】なお、上述の誤り候補検出ルーチンは、線
分の切れ及び交差部の誤り、特定シンボル図形の抽出洩
れ、また文字列領域の誤抽出に限るものではない。編集
候補検出ルーチンはこの他にも容易に追加可能であり、
新たに追加することによって編集機能を高めることがで
きる。また、複数の検出ルーチンをグループにまとめ、
あたかも1つの検出ルーチンのように使用することも可
能である。本実施例で言えば、線分関係の複数の検出ル
ーチンを1つにまとめ、一度に実行することが可能であ
る。この場合、検出ルーチンを順番に実行し、検出され
る検出データを1つに蓄えておくことで容易に実現する
ことができる。
【0102】また、オペレータが編集候補検出ルーチン
を選択する際には、上述した方法よりも、より使い勝手
の良いブラウジングツールを使用することが可能であ
る。例えば図32に示すように、ルーチン名ではなく、
処理内容を容易に類推できるアイコンを用い、これをマ
ウスで選択するといった手法を用いることができる。こ
のアイコン化は、編集方法の提案の際に用いることも可
能である。
【0103】その他、オペレータに対して複数の編集環
境を提案する方法としては、本実施例で述べたように一
度に提案する方法の他にも、図33に示すように一つず
つ順番に提案していく方法もいることができる。特に、
これらの編集方法の使用頻度に明らかな差がある場合に
は、頻度の高いものから順番に提示する方法が有効であ
ると考えられる。
【0104】
【発明の効果】本発明の図面編集装置によれば、複数種
類の編集機能として、例えば、幾何情報を編集するため
のCAD機能とコード情報を編集する属性変更機能を有
するような場合、これらの編集機能を自由に行き来しな
がら編集作業が進められるようにできる。つまり、従
来、別々の編集機能として個々に使用されていた幾何情
報を編集するためのCAD機能とコード情報を編集する
属性変更機能とをそれぞれが互いの編集機能を一時使用
できるようになるので、例えば、文字編集において、文
字コードを属性変更機能で編集しながら、CAD機能を
起動して文字枠を編集することや、あるいはある図面範
囲内の文字枠編集をCAD機能を用いて行なった後、こ
れらのコードを属性変更機能によってまとめて修正、あ
るいは入力することなどが可能になるなど、従来の編集
機能では対応できなかった複数の編集機能を何度も使用
するような編集作業を効率よく行えるようになり、さら
に加えて、それぞれの編集機能が持つ特徴を使い分ける
ことによって、きめの細かい編集作業を行うことができ
るなど、編集作業の幅を広げ、作業の効率を大幅に向上
させることができる。
【0105】また、本発明の図面編集装置によれば、予
め図面の構成要素間の整合関係を記憶させておいて、編
集に要する修正箇所の自動検出を行ない、さらに線分、
シンボル、文字といった編集要素に応じた線分編集、シ
ンボル編集、文字編集等の編集環境を設定するようにで
きる。つまり、図面に対する深い知識によって編集候補
を自動検出し編集環境を自動提案するようにできるの
で、入力図面についての詳しい知識を持たない人であっ
ても容易にデータ入力の編集作業を行なうことができ、
また編集候補の検出を編集作業と合わせて動的に行なう
ことによって、前記編集の途中に生じる誤りの見落とし
を防ぐことができ、さらに一度確認した箇所を再び処理
することがなくなるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成を示す図。
【図2】第1実施例の図面編集部の概略構成を示す図。
【図3】第1実施例の編集機能の一時起動を説明するた
めの図。
【図4】第1実施例のCAD機能における画面表示例を
示す図。
【図5】第1実施例の属性変更機能における画面表示例
を示す図。
【図6】第1実施例の属性変更機能における画面表示例
を示す図。
【図7】第1実施例の属性変更機能における画面表示例
を示す図。
【図8】第1実施例のCAD機能から属性変更機能を一
時使用する場合を説明するためのフローチャート。
【図9】第1実施例の編集対象を長方形で領域指定する
例を示す図。
【図10】第1実施例の編集対象を多角形で領域指定す
る例を示す図。
【図11】第1実施例の領域の境界にかかる要素を有効
とする例を示す図。
【図12】第1実施例の領域の境界にかかる要素を無効
とする例を示す図。
【図13】第1実施例の編集対象を個別指定する例を示
す図。
【図14】第1実施例の属性変更機能からCAD機能を
一時使用する場合を説明するためのフローチャート。
【図15】第1実施例の属性変更機能からCAD機能を
起動する際に編集対象を指定する例を示す図。
【図16】第1実施例の利用例(CAD機能から属性変
更機能を利用)を説明するための図。
【図17】第1実施例の利用例(属性変更機能からCA
D機能を利用)を説明するための図。
【図18】第1実施例の新たに画像編集機能を追加した
場合の編集機能の一時起動を説明するための図。
【図19】本発明の第2実施例の概略構成を示す図。
【図20】第2実施例の編集候補検出部の概略構成を示
す図。
【図21】第2実施例の図面データ編集部の概略構成を
示す図。
【図22】第2実施例の画面表示部の概略構成を示す
図。
【図23】第2実施例のガイド型編集機能の実行手順を
示す図。
【図24】第2実施例の編集環境の提案を行なうための
編集環境選択テーブル例を示す図。
【図25】第2実施例の表形式編集による文字列追加の
例を示す図。
【図26】第2実施例のCAD編集の例を示す図。
【図27】第2実施例の表形式編集によるシンボル削除
の例を示す図。
【図28】第2実施例の線分切れ編集における複数の提
案内容の提示例を示す図。
【図29】第2実施例の接続編集を行なう処理図面を示
す図。
【図30】第2実施例の複数候補の中から1つのシンボ
ルを追加するための編集環境例を示す図。
【図31】第2実施例の1つのシンボルを追加するため
の編集環境の例を示す図。
【図32】第2実施例のアイコンを用いた編集方法の提
案例を示す図。
【図33】第2実施例の複数の編集方法の提案を一つず
つ順番に提示する例を示す図。
【符号の説明】
1…プロセッサ、2…バス、3…記憶部、4…内部メモ
リ、5…操作部、6…出力部、51…マウス、52…キ
ーボード、7…編集操作解析部、8…編集機能一時起
動、9…制御部、10…データ編集部、11…CRT、
12…画面表示制御部、13…ファイル操作部、14…
CAD機能、15…属性変更機能、16…編集機能一時
起動指示、21…図面データ、22…整合関係記憶部、
23…編集候補検出部、24…編集候補検出データ、2
5…図面データ編集部、26…画面表示部、27…制御
部、231…編集候補検出ルーチン、232…検出ルー
チン実行部、251…データ操作部、252…基本編集
ライブラリ、253…編集環境選択テーブル、261…
表示メモリ、262…CRTコントローラ、263…C
RT。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 利明 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図面を表示画面に表示し、この表示画面
    上で前記図面の構成要素の追加・削除・修正などを行う
    図面編集装置において、 前記図面構成要素に対して複数種類の編集機能を有する
    編集手段と、 この編集手段のうちの1つの編集機能の実行中に他の編
    集機能を一時起動する編集機能一時起動手段とを具備
    し、 この編集機能一時起動手段により前記編集手段の各編集
    機能を一時起動することで各編集機能を行き来しながら
    編集作業を進めるようにしたことを特徴とする図面編集
    装置。
  2. 【請求項2】 図面を表示画面に表示し、この表示画面
    上で前記図面の構成要素を追加・削除・修正などを行う
    図面編集装置において、 予め図面の構成要素間の整合関係を記憶した整合関係記
    憶手段と、 この整合関係記憶手段に記憶された整合関係を用いて前
    記表示画面に表示された図面の修正を要する箇所を検出
    する手段と、 この手段で検出された修正箇所を前記表示画面上に表示
    する手段と、 前記表示画面上に表示された修正箇所に適した編集環境
    を設定する手段とを具備することを特徴とする図面編集
    装置。
JP4214988A 1992-08-12 1992-08-12 図面編集装置 Pending JPH0660136A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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