JPH0660118B2 - 4,4−ビス(4−ヒドロキシフエニル)−シクロヘキサノ−ル及びその製造方法 - Google Patents

4,4−ビス(4−ヒドロキシフエニル)−シクロヘキサノ−ル及びその製造方法

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JPH0660118B2
JPH0660118B2 JP18522186A JP18522186A JPH0660118B2 JP H0660118 B2 JPH0660118 B2 JP H0660118B2 JP 18522186 A JP18522186 A JP 18522186A JP 18522186 A JP18522186 A JP 18522186A JP H0660118 B2 JPH0660118 B2 JP H0660118B2
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徹 三浦
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三井東圧化学株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は式(I) で示される4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサノールおよびその製造方法に関する。
式(I)で示される本発明の化合物は、新規化合物であ
り、液晶用,耐熱性樹脂用のモノマー等として有用であ
る4,4′−ビフェノールの前駆物質として有用な化合
物である。
〔従来の技術〕
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキ
サン、または4−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−シクロヘキサン等のようなシクロヘキサ
ン環にアルキル基を持つ化合物は公知である。例えば、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキ
サンは融点184℃を有する結晶であり、4−メチル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキ
サンや3,5−ジメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−シクロヘキサンは、それぞれ融点180
℃または174℃を有する結晶である。〔メトーデン
デル オルガニイシェン ヒイミー(Methoden der orga
nishen Chemie,Vol6,No.2,1028)〕 〔目的及びこれを達成するための手段〕 4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキ
サノールについては、これまで全く知られていなかった
のであるが、本発明者等は、その合成に成功し、本発明
の目的はこの新規な化合物及びその製造方法を提供する
ことにある。
すなわち、本発明は、式(I) で示される4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサノール、および上記式(I)化合物を4−ヒ
ドロキシシクロヘキサノンとフェノールとを反応させる
ことにより得る製造方法に関する。
本発明の4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シ
クロヘキサノールを製造する方法は、4−ヒドロキシシ
クロヘキサノンとフェノールとを酸性触媒の存在下に反
応させることにより得られる。
また、4−ヒドロキシシクロヘキサノンは、ハイドロキ
ノンを担体に担持されたパラジウム触媒を用いて水中で
水素と反応させる(特開昭57−4932)。または、
シクロヘキサン−1,4−ジオールをクロム化合物を用
いて酸化する(特開昭59−88450)等の方法で得
ることができる。
4−ヒドロキシシクロヘキサノンとフェノールとの本発
明反応に使用する触媒としては、塩酸のほか、硫酸,リ
ン酸,トルエンスルフォン酸,BF3,ZnCl2,Al
Cl3,SnCl4及び移動酸性基を有する陽イオン交換
樹脂などが挙げられる。これらの触媒の使用量は4−ヒ
ドロキシシクロヘキサノン100重量部あたり0.1〜
30重量部の範囲である。また、助触媒の添加により反
応速度を高めることも可能であり、メチルメルカプタ
ン,エチルメルカプタン,n−プロピルメルカプタン,
イソプロピルメルカプタン,n−ブチルメルカプタン,
イソブチルメルカプタン,t−ブチルメルカプタンの如
きアルキルメルカプタン又は高分子量アルキルメルカプ
タンなどが活性な助触媒である。
また硫化水素,チオフェノール,チオアルコール,チオ
酸,重合体チオアセトン,ジアルキルスルフィドの如き
他のイオウ化合物やこれらと類似のセレン化合物もまた
用いることができる。
本発明反応においては、芳香族炭化水素,塩素化脂肪族
炭化水素,氷酢酸などのような反応に悪影響を及ぼさな
い溶媒を用いて行なうこともできる。しかしながら、生
成物の収率を高め、かつ副反応を最少にするには過剰量
のフェノールを溶媒とするのが望ましい。使用するフェ
ノールの量は、4−ヒドロキシシクロヘキサノン1重量
部あたり2重量部から10重量部が適当である。
また本発明における反応温度は30℃から100℃の範
囲、好ましくは40℃から70℃の範囲である。反応温
度が高いと副生物が増え、収率が低下するので好ましく
ない。
本反応によって生成した4,4−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−シクロヘキサノールは、例えばベンゼンな
どの本発明の化合物を溶解し難い溶媒に、反応マスを排
出し、冷却晶出させることによって取出すことができ
る。
この様にして取り出した4,4-ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−シクロヘキサノールは、その大半、若しくは全
部がフェノール付加物となっている。この4,4-ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサノールのフェノ
ール付加物は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、クメン、シメン、オクタン、デカン、ドデカ
ン等の本発明の化合物と反応せずかつ付加物を生成しな
い溶媒と共に加熱することにより、容易にフェノールを
解離することができる。またフェノール類のほか、イソ
プロピルアルコールの如きアルコール類、水などとも、
本発明の化合物は安定な付加物をつくり、フェノール付
加物のまま、4,4-ビフェノールの原料として使用するこ
とができる。勿論、フェノールを解離させたのち使用し
てもよい。
また過剰に使用したフェノールは、中和して晶出した塩
をろ別するか、あるいは減圧下で蒸留するなどの方法に
よって回収,再使用することができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
〔実施例〕
100m反応フラスコに4−ヒドロキシシクロヘキサ
ノン11.4g(0.10モル)、フェノール47.1
g(0.50モル)、36%塩酸6mを仕込み、60
℃で4時間撹拌して反応させた。反応終了後、反応マス
を300mのベンゼンに排出した。室温で2時間撹拌
したのち、結晶をろ別した。さらに、クメン中で30分間
加熱還留してフェノールを留去したのち、冷却し濾過す
る操作を2度繰り返した。酢酸エチル−ベンゼン中でス
ラッジングを行ない、ろ過,乾燥して白色結晶22.3
gを得た。この結晶をカラム分取して得た精結晶は1
−NMRとIRにより4,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−シクロヘキサノールと同定された。融点21
8℃であった。
粗結晶の純度98%、取り出し時の収率77%であっ
た。
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキ
サノールの1H−NMRデータを表−1に示す。又、こ
れの赤外スペクトルを第1図に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例で得られた4,4−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−シクロヘキサノールの赤外スペクトル。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) で示される4,4-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
    ヘキサノール。
  2. 【請求項2】4−ヒドロキシシクロヘキサノンとフェノ
    ールとを酸性触媒の存在下30〜100℃で反応させること
    を特徴とする4,4-ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シ
    クロヘキサノールの製造方法。
JP18522186A 1986-06-23 1986-08-08 4,4−ビス(4−ヒドロキシフエニル)−シクロヘキサノ−ル及びその製造方法 Expired - Fee Related JPH0660118B2 (ja)

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