JPH0659830A - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォントキャッシュの有効利用を図り、印字
速度を向上させることができる印刷装置を提供するこ
と、 【構成】 文字コード入力受付装置１で、印字すべき文
字が受付けられると、フォントキャッシュ制御装置５
は、該文字がフォントキャッシュ６に登録されているか
否かを判断する。登録されていなかった時には、文字パ
ターンデータ展開装置３にて、該文字をパターンデータ
に展開する。この時、展開時間を時間計測手段４で計測
する。そして、該文字パターンデータと展開時間を関連
させてフォントキャッシュ６に格納する。フォントキャ
ッシュ６が一杯になり空きがなくなった時には、フォン
トキャッシュ制御装置５は前記展開時間の短いものから
順次消去し、消去された領域に新たに展開したパターン
データをその展開時間と関連させて格納する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は文字を印字するための
印刷装置に関し、特に限られたフォントキャッシュ容量
を有効に活用し、印字処理の高速化を図ることができる
ようにした印刷装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、文字の輪郭データやベクトル
データから印字用の文字パターンデータを展開し、それ
を高速のメモリに格納することにより、同じ文字に対し
て再度展開する処理を省略するようにした印刷装置があ
る。

【０００３】この従来の印刷装置に使用されているフォ
ントキャッシュの制御方式を、図４のフローチャートを
参照して説明する。

【０００４】フォントキャッシュは、まず印字すべき文
字コードを受取り（ステップＳ１）、フォントキャッシ
ュ内に該文字コードの文字パターンデータが存在するか
否かの判断をする（ステップＳ２）。該フォントキャッ
シュ内に文字パターンデータが存在する場合には、ステ
ップＳ３に進んで該文字パターンデータは印刷装置へ送
出される。ステップＳ４では、最後の文字か否かの判断
がなされ、この判断が否定の時には、ステップＳ１に戻
って、次の印字すべき文字コードを受取る動作が行われ
る。

【０００５】前記ステップＳ２が否定の時には、ステッ
プＳ５に進んで前記文字コードに対応する文字パターン
データを展開する処理が実行される。展開後、該文字パ
ターンデータは印刷装置へ出力される（ステップＳ
６）。

【０００６】続いて、ステップＳ７では、フォントキャ
ッシュに空きがあるか否かの判断がなされ、空きがある
場合には、ステップＳ９に進んで前記パターンデータは
フォントキャッシュ内に格納される。

【０００７】一方、ステップＳ７の判断が否定の場合、
すなわちフォントキャッシュ内に空きがない場合には、
ステップＳ８に進んで、参照された時期が最も古い文字
パターンを消去する。この処理は、一般的にＬＲＵアル
ゴリズムと呼ばれるものである。ステップＳ８の処理に
より空き領域ができると、ステップＳ９に進んで、その
領域に展開した文字パターンデータを格納する動作が行
われる。

【０００８】しかしながら、前記のフォントキャッシュ
制御方式は、参照された時期が最も古い文字パターンを
消去する方式であるため、近い将来、再度使用されるか
も知れない文字パターンデータがフォントキャッシュか
ら消去されてしまい、再度同じ文字を展開する必要が生
じるという不具合があった。

【０００９】この問題に対処するために、幾つかの提案
がなされている。

【００１０】特開平２−４７０７８号公報、特開平２−
６３７５９号公報、特開平３−１１１８９０号公報、あ
るいは特開平３−１４９６１５号公報は、いずれもフォ
ントキャッシュに格納すべき文字の範囲をホスト側から
指定する方式を提案している。これらの提案によれば、
出力すべき文書に適合した制御が可能となる。

【００１１】しかしながら、これらの制御方式によれ
ば、ホスト側で出力すべき文書に合わせて格納すべき文
字の範囲を頻繁に更新する必要があるという問題、およ
び該更新を怠ると逆に文字がフォントキャッシュに格納
されないという問題が生じる。

【００１２】また、特開平３−１１２６６８号公報によ
れば、ホストデバイスから要求のあった文字フォントの
展開時間が長いか短いかを判断し、長い場合には展開デ
ータ（すなわち、ビットマップ情報）をフォントキャッ
シュに一旦格納した後、ページメモリに読込み、一方、
短い場合には展開データをフォントキャッシュに格納す
ることなくページメモリに直接読込み、その後プリンタ
へ転送するようにしている。

【００１３】なお、前記文字フォントの展開時間の長短
の判断は、書体、文字サイズ、画数等に基づいて行うよ
うにしている。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た先行技術（特開平３−１１２６６８号公報）において
は、フォントキャッシュに展開されない文字が頻繁に使
用されるような文書では、これらの文字を展開するの
に、短いとはいえフォントキャッシュから読出す時間に
比べると長い時間がかかるため、高速印刷ができないと
いう問題があった。

【００１５】この発明の目的は、前記した従来技術の問
題点を除去し、フォントキャッシュの有効利用を図り、
印字速度を向上させることができる印刷装置を提供する
ことにある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項１の発明は、文字をパターンデータに展開す
るに要した時間（展開時間）を計測する手段と、該展開
時間を文字パターンデータに関連させて、フォントキャ
ッシュに記憶させる手段と、前記フォントキャッシュに
空きがなくなった時に、前記展開時間の小さい文字パタ
ーンデータから削除する手段とを具備した点に特徴があ
る。

【００１７】また、請求項２の発明は、前記請求項１の
発明に加えて、前記フォントキャッシュに空きがなくな
った時に、消去候補リストの先頭エントリの消去候補回
数が規定値以上になったか否かを判断する手段と、前記
先頭エントリの消去候補回数が規定値以上の時には、該
先頭エントリの文字パターンデータを削除する手段とを
備えた点に特徴がある。

【００１８】

【作用】請求項１の発明によれば、フォントキャッシュ
に空きがなくなった時に、前記展開時間の小さい文字パ
ターンデータから削除され、この削除された領域に、新
たに展開された文字パターンデータが格納されるように
なる。このため、展開に長時間を要する文字を再度展開
する確率が低下するので、高速の印字が可能になる。

【００１９】また、請求項２の発明によれば、消去候補
リストの先頭エントリの消去候補回数が規定値以上にな
った時に、該先頭エントリの文字パターンデータが優先
的に削除されるので、使用されない文字パターンデータ
がいつまでもフォントキャッシュに残るという不具合が
なくなる。

【００２０】

【実施例】以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説
明する。図１は、本発明のハード構成の概要を示すブロ
ック図である。

【００２１】図において、１は例えばホスト装置から文
字コードを受信する文字コード入力受付け装置、２は展
開用文字データ記憶装置、３は文字パターン展開装置、
４は文字パターンの展開に要する時間を計測する時間計
測装置である。

【００２２】また、５はフォントキャッシュ制御装置、
６はフォントキャッシュ、７は文字出力用バッファ、８
は文字出力装置（プリンタ）である。

【００２３】次に、前記フォントキャッシュ６に格納さ
れる消去エントリ候補のリストと、各エントリの構造の
概念図を、図２に示す。

【００２４】各エントリは前記ＬＲＵアルゴリズムで管
理され、展開に要した時間を格納している展開時間格納
部１１、消去候補に上げられた回数を示す消去候補回数
格納部１２、展開された文字パターンデータを格納する
文字パターンデータ格納部１３から構成されている。

【００２５】消去エントリ候補のリストは、フォントキ
ャッシュ６に入っている文字が参照された時期が過去で
ある順序に繋げられており、最近参照された文字はリス
トの最後部に繋がれている。なお、図では、参照された
時期が過去の順に整列されたものが示されているが、必
ずしも整列する必要はない。

【００２６】次に、本発明の一実施例のフォントキャッ
シュ制御装置５の動作を、図３のフローチャートを参照
して説明する。

【００２７】まず、フォントキャッシュ制御装置５は、
印字すべき文字コードを文字コード入力受付け装置１か
ら取出す（ステップＳ１）。次いで、該文字コードに対
応する文字パターンデータがフォントキャッシュ６内に
あるかどうかの判断が行われる（ステップＳ２）。この
判断が肯定の場合には、ステップＳ１２に進んで、対応
する文字パターンデータを格納しているエントリを選択
し、消去候補リストから外す処理が行われる。続いて、
ステップＳ９に進んで、エントリを消去候補リストの最
後に接続し、処理対象の文字のパターンを文字出力用バ
ッファの所定の位置にコピーする動作が行われる。な
お、前記エントリを消去候補リストの最後に接続する動
作は、従来から採用されているＬＲＵアルゴリズムによ
って実行される。

【００２８】ステップＳ１０では、最後の文字か否かの
判断がなされ、この判断が否定の場合には、ステップＳ
１に戻って、次の文字コードの取出しが行われる。

【００２９】前記ステップＳ２の処理が否定の場合、す
なわち該文字コードに対応する文字パターンデータがフ
ォントキャッシュ６内にない場合には、ステップＳ３に
進んで、フォントキャッシュ６に空きがあるか否かの判
断がなされる。

【００３０】そして、空きがある場合（ステップＳ３が
肯定）には、ステップＳ１１に進んで、該空きのエント
リの選択が行われる。次いで、ステップＳ８に進んで、
文字を展開する指示が文字パターン展開装置３に送られ
る。そうすると、前記時間計測装置４は初期化され、該
文字パターン展開装置３によって展開される文字パター
ンの展開時間を計測する。展開された文字パターンのデ
ータと展開時間とは、前記空きのエントリに登録され
る。

【００３１】続いて、ステップＳ９に進んで、前記と同
様の動作、すなわちエントリを消去候補リストの最後に
接続し、処理対象の文字のパターンを文字出力用バッフ
ァの所定の位置にコピーする動作が行われる。

【００３２】一方、前記ステップＳ３で空きがないと判
定された時には、ステップＳ４に進んで、消去候補リス
トの先頭エントリを選択し、そのエントリの消去候補回
数を１増加させる動作が行われる。ステップＳ５では、
前記消去候補回数が規定値以上か否かの判断が行われ、
この判断が肯定の時には、ステップＳ７に進んで、選択
されたエントリをリストから外し、エントリを初期化
し、登録されている文字パターンデータを消去する処理
が行われる。

【００３３】この処理は、展開時間の要したエントリ
が、必要以上にフォントキャッシュ６に止まるのを防ぐ
ためである。

【００３４】一方、前記ステップＳ５の判断が否定の時
にはステップＳ６に進んで、消去候補リストの先頭エン
トリからｍ個（ただし、ｍは正の整数）のエントリに対
して、展開時間が最小のエントリを選択する動作が行わ
れる。続いて、ステップＳ７に進んで、選択されたエン
トリをリストから外し、エントリを初期化し、登録され
ている文字パターンデータを消去する処理が行われる。

【００３５】この処理により、フォントキャッシュの参
照頻度が同程度に低いエントリの集合、すなわちｍ個の
エントリの集合の中で、展開時間の短いものから消去さ
れていくことになる。前記ｍはシステムで提供されるフ
ォントキャッシュの容量を考慮して決められるが、エン
トリ全体の数％〜数十％の値が好適である。

【００３６】本実施例では、ステップＳ４〜Ｓ８を設け
たので、消去候補リストの先頭エントリの消去候補回数
が規定値以上の場合には、これが優先的に消去される。
しかしながら、前記消去候補リストの先頭エントリの消
去候補回数が規定値より小さい場合には、消去候補リス
トの先頭エントリからｍ個のエントリの中の、展開時間
が最小のエントリが選択され、消去される。

【００３７】したがって、本実施例によれば、展開に時
間がかかる文字がフォントキャッシュに残る可能性が高
くなり、該文字を繰返し展開する回数が低減するので、
印字速度を向上することができる。

【００３８】なお、図３に示した実施例は最も良いもの
の一つであり、本発明は図３からステップＳ４、Ｓ５を
除去しても本発明の趣旨から逸脱するものではない。

【００３９】また、前記実施例では、文字の展開時間を
時間計測装置４で測定し、該測定時間をフォントキャッ
シュのエントリに登録するようにしたが、本発明はこれ
に限定されず、展開時間の大小を相対的に求め、この相
対値を登録するようにしてもよい。

【００４０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１の発明によれば、印字すべき文字コードに対応する文
字パターンデータがフォントキャッシュになく、かつフ
ォントキャッシュに空きが無い場合に、展開時間の最小
の文字パターンデータをフォントキャッシュから消去
し、その代わりに新たに展開した文字パターンデータを
登録するようにしたので、展開に時間がかかる文字はフ
ォントキャッシュに残ることとなり、フォントキャッシ
ュの有効利用を図ることができると共に、印字速度を向
上することができる。

【００４１】また、請求項２の発明によれば、消去候補
リストの先頭エントリの消去候補回数が規定値以上にな
った時に、該先頭エントリの文字パターンデータが優先
的に削除されるので、使用されない文字パターンデータ
がいつまでもフォントキャッシュに残るという不具合が
なくなり、フォントキャッシュの有効利用を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の構成の概要を示すブロッ
ク図である。

【図２】 フォントキャッシュの消去エントリ候補のリ
ストと、各エントリの構造を模式的に示す説明図であ
る。

【図３】 フォントキャッシュ制御装置の動作を説明す
るためのフローチャートである。

【図４】 従来のフォントキャッシュ制御装置の動作を
説明するためのフローチャートである。

【符号の説明】

１…文字コード入力受付装置、２…展開用文字データ記
憶装置、３…文字パターン展開装置、４…時間計測装
置、５…フォントキャッシュ制御装置、６…フォントキ
ャッシュ、７…文字出力用バッファ、８…文字出力装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フォントキャッシュに格納された文字パ
   ターンデータを、該フォントキャッシュから読出して印
   字するようにした印刷装置において、 文字をパターンデータに展開するに要した時間（以下、
   展開時間と呼ぶ）を計測する手段と、 該展開時間を文字パターンデータに関連させて、前記フ
   ォントキャッシュに記憶させる手段と、 前記フォントキャッシュに空きがなくなった時に、前記
   展開時間の小さい文字パターンデータから削除する手段
   とを具備したことを特徴とする印刷装置。
2. 【請求項２】 フォントキャッシュに格納された文字パ
   ターンデータを、該フォントキャッシュから読出して印
   字するようにした印刷装置において、 文字をパターンデータに展開するに要した時間（展開時
   間）を計測する手段と、 該展開時間を文字パターンデ
   ータに関連させて、前記フォントキャッシュに記憶させ
   る手段と、 前記フォントキャッシュに空きがなくなった時に、消去
   候補リストの先頭エントリの消去候補回数が規定値以上
   になったか否かを判断する手段と、 前記先頭エントリの消去候補回数が規定値以上の時に
   は、該先頭エントリの文字パターンデータを削除する手
   段と、 前記先頭エントリの消去候補回数が規定値より小さい時
   には、前記展開時間の小さい文字パターンデータから削
   除する手段とを具備したことを特徴とする印刷装置。
3. 【請求項３】 消去候補リストの上位ｍ個（ここに、ｍ
   は整数）の中から、展開時間の最も小さい文字パターン
   データを選択し、これを消去するようにしたことを特徴
   とする請求項１又は２記載の印刷装置。