JP2002103697A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2002103697A
JP2002103697A JP2000305426A JP2000305426A JP2002103697A JP 2002103697 A JP2002103697 A JP 2002103697A JP 2000305426 A JP2000305426 A JP 2000305426A JP 2000305426 A JP2000305426 A JP 2000305426A JP 2002103697 A JP2002103697 A JP 2002103697A
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band
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JP2000305426A
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Hiroshi Okubo
宏 大久保
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 描画オブジェクトの重なり具合を正しく把握
し、かつバンドバッファの背景色も考慮して、高速なレ
ンダリング処理が可能な画像処理装置を提供する。 【解決手段】 中間コード画像データ保持ブロック管理
部13は、上位処理部12で各バンド毎に生成した中間
コード画像データを中間コード画像データ保持ブロック
に格納して管理する。このとき、バンド管理情報、及
び、中間コード画像データ保持ブロック又は中間コード
画像データ毎に、描画オブジェクトの重なりの有無及び
重なりがないことを保証できなくなった状態を示す重な
り情報を管理する。この重なり情報によって、レンダリ
ング処理部18がバンドバッファ19または20に書き
込まなくてよい中間コード画像データを正確に判断して
処理を高速化する。また、レンダリング処理時間の予測
時にも、重なり情報により正確な予測が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力された描画情
報をバンド毎の中間コード画像データに変換し、変換さ
れた中間コード画像データをバンド毎にビットマップデ
ータに展開しつつ、順次出力装置へ送出する画像処理装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の出力装置の高解像度化や装置の低
価格化などのため、1ページ分のビットマップデータを
保持するメモリを持たず、1ページを複数のバンドに分
割して、そのバンドのサイズに相当するバッファ(以
後、バンドバッファと呼ぶ)を1ないし複数持つ画像処
理装置が開発されている。このような画像処理装置にお
いては、ページ記述言語(PDL)などによってページ
単位で記述された入力画像情報を、各バンド毎の中間コ
ード画像データの形式に一旦変換する必要がある。中間
コード画像データのフォーマットとしては、例えば抽象
度の低いランレングス形式のものや、抽象度の高いディ
スプレイリストと呼ばれるものがある。
【0003】通常、中間コード画像データはバンド単位
で生成され、メモリ効率を考慮して、一定サイズのブロ
ックに保持されてバンド単位で管理される。そして、1
ページ分の入力画像情報の中間コード画像データへの変
換が終了すると、バンド単位に中間コード画像データの
解釈を行い、その結果をバンドバッファにビットマップ
データとして書き込む(以下、レンダリング処理と呼
ぶ)。そして、対象とするバンドの全ての中間コード画
像データに対する処理が完了した時点で、バンドバッフ
ァの内容を出力装置に転送する。
【0004】ここで、出力装置がレーザプリンタなどの
ように一旦記録を開始したら途中で停止させることがで
きない、いわゆる暴走型プリンタの場合には、各バンド
のレンダリング処理の速度がバンド当たりの記録速度に
間に合わないと、オーバーランエラー(白抜け)が発生
してしまう。そのため、レンダリング処理を開始する前
に、各バンドのレンダリング処理速度がバンド当たりの
記録速度に間に合うか否かのチェックを行い、間に合わ
ないと判定されたバンドに対しては、事前に別の領域に
確保したバンドバッファ領域に展開するなどして、全て
のバンドが記録速度に間に合うことが保証された後にレ
ンダリング処理を開始することが絶対条件となる。
【0005】レンダリング処理の内容としては、 バンドバッファの0クリア処理 中間コード画像データの解釈処理 バンドバッファへの書込み処理 などが挙げられる。の処理は、各バンドのレンダリン
グ処理開始時に1度だけ行われ、そして生成された中間
コード画像データの分だけとの処理が繰り返され
る。
【0006】この一連のレンダリング処理を高速化する
方法としては、全ての処理をハードウェアで実行させる
ことが考えられるが、さらに高速化を狙う場合には、処
理負荷の高いバンドバッファへの書込み処理を減らすこ
とが行われている。例えば特開平7−96639号公報
に記載されている「プリンタ装置」では、空白文字パタ
ーンか否かを判別し、空白パターンの場合にはメモリへ
の書込みを行わないことによってバンドバッファへの書
込処理を減らしている。また、特開平8−123383
号公報に記載されている「カラー画像データ処理装置」
では、バンドがクリアされた状態において色成分が0の
書込みが発生した場合には、バンドへの書込みを行わな
いことによって、バンドバッファへの書込処理を減らし
ている。さらに、特開平10−86451号公報に記載
されている「画像処理装置」では、描画オブジェクトの
重なりがない状態において色成分が0の場合にはバンド
への書込みを行わないことによって、バンドバッファへ
の書込処理を減らしている。さらにまた、特開平10−
232747号公報に記載されている「プリンタ制御装
置の印刷データ処理方法」では、色成分が0の書込みが
発生した場合にはバンドへの書込みを行わないことによ
って、バンドバッファへの書込処理を減らしている。
【0007】ここで、バンドバッファへの書込みが省略
できる条件として、「バンドバッファが0クリアされた
状態で、かつ色成分が0以外の描画オブジェクトとの重
なりがないこと」が挙げられる。上述の特開平7−96
639号公報及び特開平10−232747号公報に記
さされている技術では、色成分が0以外の描画オブジェ
クトとの重なりが発生した場合には正しい描画結果が得
られず、この条件を満足していない。特開平8−123
383号公報及び特開平10−86451号公報に記載
されている技術では、上述の条件を満足している。しか
し特開平8−123383号公報に記載されている技術
では、バンドバッファが0クリアされてから色成分が0
でない描画オブジェクトが書き込まれるまでの短い間の
み有効であり、多量の描画オブジェクトが書き込まれる
場合には効果が薄い。一方、特開平10−86451号
公報に記載されている技術では描画オブジェクトの重な
りを考慮している。しかし、重なりがない状態のバンド
に対して新たに中間コード画像データが生成された場合
に、その時点で描画オブジェクトの重なりがないことを
保証することができなくなる。その結果、全ての中間コ
ード画像データの解釈結果をバンドバッファに書き込ま
ざるを得なくなる。
【0008】さらに、上述の特開平10−86451号
公報に記載されている技術において、出力装置が暴走型
プリンタの場合、レンダリング処理前に行う予測処理に
使用する予測データの採取において、描画オブジェクト
の重なりがない状態から重なりがないことを保証できな
い状態への遷移が発生すると、正確に予測できなくなる
という問題がある。すなわち、描画オブジェクトの重な
りがない状態では、色成分が0の描画オブジェクトに対
しては予測データの一つであるメモリ書込み量は0と評
価されて無視される。その後、描画オブジェクトの重な
りがないことを保証できない状態へ遷移した場合、色成
分が0の描画オブジェクトに対してもメモリ書込みを行
わなければならないので、そのメモリ書込み量を対応す
るバンドの予測データの総メモリ書込み量に加算するこ
とになる。しかし、描画オブジェクトの重なりがない状
態での色成分が0の描画オブジェクトのメモリ書込み量
が加算されていないため、正しい予測を行うことができ
ない。
【0009】また、上述のいずれの従来技術でも、バン
ドバッファのクリアが0の値の書込みであることを前提
としており、0以外の値でバンドバッファがクリアされ
ている場合には正しい描画結果が得られないという問題
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、バンドバッファへの書込み
が省略できる条件である、他の描画オブジェクトの重な
り具合を正しく把握し、かつバンドバッファのクリア値
(以後、背景色と呼ぶ)も考慮して、高速にレンダリン
グ処理を行うことが可能な画像処理装置を提供すること
を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、バンド単位に
中間コード画像データを生成し、レンダリング処理を行
う画像処理装置において、バンド毎に生成された中間コ
ード画像データをバンド毎に一定サイズの1ないし複数
のブロックに保持して管理するとともに、少なくともバ
ンド毎、あるいはブロック毎、さらには中間コード画像
データ毎に、描画オブジェクトの重なりの状態を示す重
なり情報を管理している。そして、中間コード画像デー
タの生成によってブロックが不足した場合には、バンド
単位ですでに生成した複数の中間コード画像データに対
して描画オブジェクトの重なりを無くして空きブロック
の回収を行うとともに、対象となったバンドに対して描
画オブジェクトの重なりがないことを示す情報を重なり
情報として設定する。また描画オブジェクトの重なりが
ないバンドに対して新たに中間コード画像データが生成
された場合には、そのバンドの重なり情報としてオブジ
ェクトの重なりがないことを保証できなくなったことを
示す情報を設定する。
【0012】このような重なり情報によって、重なりが
ないバンド、あるいは重なりがない部分のブロックや中
間コード画像データ等については、レンダリング処理の
際に、各描画オブジェクトの色成分が背景色と同一の場
合にバンドバッファへの書込みを行わないなどによっ
て、レンダリング処理を高速化することができる。また
このとき、バンドバッファへの書込みが省略できる条件
として、描画オブジェクトの重なりがない状態、かつ、
色成分が背景色と同一としたことによって、バンドバッ
ファのクリア値(以後、背景色と呼ぶ)も考慮したレン
ダリング処理が可能になる。
【0013】また、上述のような重なり情報を考慮し
て、レンダリング処理時間の予測を行う際のデータ採取
を行うことによって、より正確にレンダリング処理時間
を予測することが可能になり、画質劣化を防止できる可
能性を高めることができる。さらに、重なり情報が描画
オブジェクトの重なりがないかあるいは描画オブジェク
トの重なりがないことを保証できなくなった旨を示して
いるバンドについては、各色毎の予測値の内でもっとも
大きい値を該バンドの予測値とすることによって、より
正確なレンダリング処理時間の予測を行うことができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像処理装置の
実施の一形態を示すブロック図である。図中、11は画
像処理装置、12は上位処理部、13は中間コード画像
データ保持ブロック管理部、14は中間コード画像デー
タ保持ブロック保持部、15は予測データ採取部、16
は重畳図形処理部、17は予測処理部、18はレンダリ
ング処理部、19,20はバンドバッファである。本発
明の画像処理装置11は、ネットワークあるいは外部デ
ィスクなどから、例えばPDL(ページ記述言語)など
で記述されたデータが入力画像情報として与えられ、入
力描画情報をバンド毎の中間コード画像データに変換
し、変換された中間コード画像データをバンド毎にビッ
トマップデータに展開しつつ、順次出力装置へ送出する
ものである。その構成として、上位処理部12、中間コ
ード画像データ保持ブロック管理部13、中間コード画
像データ保持ブロック保持部14、予測データ採取部1
5、重畳図形処理部16、予測処理部17、レンダリン
グ処理部18、バンドバッファ19,20等を有してい
る。
【0015】上位処理部12は、与えられた入力画像情
報を1語1語解釈し、描画オブジェクト(グラフィック
ス、フォント、イメージなど)を表現するデータである
場合には、その位置情報から対応するバンド番号を割り
出し、バンド毎の中間コード画像データに変換する。変
換した中間コード画像データは、中間コード画像データ
保持ブロック管理部13に渡される。
【0016】中間コード画像データ保持ブロック管理部
13は、上位処理部12で変換した中間コード画像デー
タをバンド毎に中間コード画像データ保持ブロック保持
部14に保持させて管理する。ここで、中間コード画像
データを生成する毎に中間コード画像データ保持ブロッ
ク保持部14のメモリ領域の獲得を行っていると、メモ
リ領域の断片化が発生しやすく、メモリ使用効率が悪く
なる。そのため、一定サイズのブロック(以降、中間コ
ード画像データ保持ブロックと呼ぶ)を複数事前に用意
し、この中間コード画像データ保持ブロックごとにメモ
リ領域の獲得あるいは解放を行う。また、中間コード画
像データ保持ブロック管理部13は、各バンド毎、さら
には各中間コード画像データ保持ブロック毎に、当該バ
ンドあるいは中間コード画像データ保持ブロックに格納
された中間コード画像データに重なりがあるか否か、及
び重なりがないことを保証できなくなったことを示す重
なり情報を管理情報の一部として管理している。
【0017】図2は、中間コード画像データ保持ブロッ
ク管理部13において管理する際のデータ構造の一例の
説明図、図3は、同じくバンド管理情報のデータ構造の
一例の説明図である。図2(A)に示すように、中間コ
ード画像データ保持ブロックはバンド単位で管理してい
る。同一バンドの中間コード画像データ保持ブロック同
士は獲得した順序で双方向リンクにより連結され、また
各バンドにおいて最初に獲得した中間コード画像データ
保持ブロックと双方向リンクにより連結されている。な
お、中間コード画像データ保持ブロックの使用効率を高
めるため、描画オブジェクトが存在しないバンドに対し
ては中間コード画像データ保持ブロックは与えない。ま
た、中間コード画像データ保持ブロックは、必要になっ
た時点で獲得し、双方向ポインタなどで連結して使用す
る。
【0018】バンド管理情報は、図3に示すように、先
頭の中間コード画像データ保持ブロックへのポインタ
や、各色ごとの総中間コード画像データ量や総メモリ書
込み量などの後述する予測処理に利用する情報、さらに
重なり情報を保持している。重なり情報は、当該バンド
の中間コード画像データに重なりがあるか否か、及び重
なりがないことを保証できなくなったことを示す情報で
ある。図2においては、図2(B)に示すように各バン
ド管理情報を示す矩形の左下隅に数値によって示してい
る。この数値は、‘0’は重なりの処理を行っていない
ため、重なっている可能性がある旨を示している。また
‘1’は、重畳図形処理部16で重なりがなくなった状
態である旨を示している。さらに‘2’は、重畳図形処
理によって重なりがなくなった状態から、新たな中間コ
ード画像データを格納したために重なりがないことを保
証できなくなった状態を示している。この数値の意味
は、以下の重なり情報において同様であるとする。もち
ろん、このような数値情報以外でも、これらの状況が分
かる情報であればどのようなものでもよい。
【0019】中間コード画像データ保持ブロックは、図
2(C)に示すように、管理情報領域と中間コード画像
データ保持領域を有している。管理情報領域には、バン
ド管理情報あるいは手前の中間コード画像データ保持ブ
ロックを指し示すポインタや後続の中間コード画像デー
タ保持ブロックを指し示すポインタなどを含んでいる。
それとともに、当該中間コード画像データ保持ブロック
における重なり情報を含んでいる。ここでは重なり情報
を中間コード画像データ保持ブロックを示す矩形の左上
に数値で示している。数値の意味はバンド管理情報の場
合と同様である。なお、中間コード画像データ保持領域
中の中間コード画像データは、そのデータ量を黒く塗り
潰して示している。中間コード画像データ保持領域がす
べて黒く塗り潰されている場合には、その中間コード画
像データ保持ブロックにはそれ以上の中間コード画像デ
ータが格納できないことを示している。実際には一杯と
なっても中間コード画像データ保持領域に隙間が発生す
ることもあるが、ここではそのような隙間の発生は省略
している。
【0020】図1に戻り、中間コード画像データ保持ブ
ロック保持部14は、例えば図2に示すような情報を保
持する。
【0021】予測データ採取部15は、予測処理部17
でレンダリング処理部18におけるレンダリング処理時
間を予測するための予測データを採取する。上述のよう
に、出力装置がレーザプリンタなどの暴走型プリンタの
場合、各バンドのレンダリング処理速度がバンド当たり
の記録速度に間に合わないとオーバーランエラー(白抜
け)が発生してしまう。そのため、レンダリング処理部
18におけるレンダリング処理を行う前に各バンドのレ
ンダリング処理速度がバンド当たりの記録速度に間に合
うか否かの判定を行う必要がある。判定方法としては、
記録速度は一定なので、バンドの高さ、すなわち副走査
線方向のライン数を乗ずることによりバンド単位当たり
の記録時間が求まる。レンダリング処理時間に関して
は、 バンドバッファのクリア時間 バンド内の全ての中間コード画像データの総解釈時
間 の解釈結果に基づくバンドバッファへの総書込み
時間 の合計値として求めることができる。このようにして求
めたすべてのバンドのレンダリング処理時間とバンド当
たりの記録時間の比較を行えばよい。ここで、バンド当
たりの記録時間はバンドの高さが決まれば一意なのに対
し、レンダリング時間は生成される中間コード画像デー
タに依存した値となるため、中間コード画像データ毎に
との値を求める必要がある。その処理に費やされる
時間を考慮した場合、中間コード画像データを生成して
いる時にこれらのデータを採取するのが一番効率が良
い。そのため、予測データ採取部15によって、上位処
理部12における中間コード画像データの生成時に予測
データの採取を行う。採取した予測データは、例えば図
3において示したバンド管理情報の色毎の予測データ保
持フィールド(総中間コード画像データ量及び総メモリ
書込み量)に加算することにより蓄積される。
【0022】重畳図形処理部16は、描画オブジェクト
の重なりをなくす処理を行う。上位処理部12における
1ページ分のPDLから中間コード画像データへの変換
処理途中において、中間コード画像データを保持する中
間コード画像データ保持ブロックが枯渇した場合、中間
コード画像データ保持ブロックを回収する必要がある。
そのため、中間コード画像データ保持ブロック管理部1
3によってこの重畳図形処理部16が起動される。重畳
図形処理部16は、重畳図形処理を行っておらず、かつ
中間コード画像データ保持ブロックが多いバンド、ある
いはメモリ書込み量の多いバンドなどを処理対象とし
て、バンド単位で重畳図形処理を行う。重畳図形処理
は、処理対象のバンドについて、そのバンドで生成され
た全ての中間コード画像データに対し、生成順とは逆に
一つ一つ重なり具合を調べてゆく。そして、重ならない
部分が残る場合には、再度中間コード画像データに戻
す。このような処理を繰り返すことにより、描画オブジ
ェクトの重なりを無くすことができる。通常、重畳図形
処理後においては、中間コード画像データの総データ量
は処理前と比較して小さくなるため、中間コード画像デ
ータ保持ブロックの一部が不要となる。不要となった中
間コード画像データ保持ブロックは中間コード画像デー
タ保持ブロック管理部13により回収されて再利用され
る。
【0023】予測処理部17は、全ての入力画像情報の
処理が完了し、レンダリング処理部18が起動される前
に、各バンドのレンダリング処理速度がバンド当たりの
記録速度に間に合うか否かの判定を行う。このとき、例
えば図3に示した各バンドのバンド管理情報の色毎の予
測データ保持フィールドの値を用いて行うことができ
る。また、予測処理の際には、それぞれのバンドにおけ
る重なり情報に基づいて行う。各バンド管理情報の重な
り情報フィールドの値が、重畳図形処理を行った場合
(1あるいは2)には、色毎にレンダリング処理時間が
異なる可能性がある。そのため、CMYKそれぞれの場
合に対して各バンドの管理情報の色毎の予測データ保持
フィールドの値からレンダリング処理時間を計算し、一
番処理時間の長いものをそのバンドのレンダリング処理
時間の予測値とする。また、重畳図形処理を行っていな
い場合(0)には、CMYKそれぞれに対して同一のレ
ンダリング処理時間となるため、任意の色(1色のみ)
の予測データからレンダリング処理時間を計算する。
【0024】ここで、記録速度に間に合わないバンドが
存在し、そのバンドのバンド管理情報中の重なり情報フ
ィールドの値が重なりがある状態(0あるいは2)の場
合には、予測処理部17は重畳図形処理部16を起動す
ることにより、そのバンドに対して重畳図形処理を行
う。そして、重畳図形処理終了後、再度、記録速度との
比較を行い、また重なりがない状態(1)の場合には、
重畳図形処理を行っても意味がないので、例外処理とし
て事前に別の領域に確保したバンドバッファ領域に展開
するなどして、必ず記録速度に間に合うようにする。
【0025】レンダリング処理部18は、バンドバッフ
ァ19あるいはバンドバッファ20を指定された色でク
リアした後に、対応するバンドのバンド管理情報から先
頭の中間コード画像データ保持ブロックのアドレスを得
て、中間コード画像データ保持ブロックを順に読み込
み、その中に保持されている中間コード画像データの解
釈を行う。ここで、レンダリング処理部18は中間コー
ド画像データあるいは中間コード画像データ保持ブロッ
クの重なり情報フィールドの値および中間コード画像デ
ータの色成分の値のチェックを行い、「描画オブジェク
トの重なりがない状態かつ色成分が背景色と同一」の条
件を満足する場合には、その中間コード画像データの解
釈およびバンドバッファ19またはバンドバッファ20
への書込み処理を省略してレンダリング処理を高速化す
る。
【0026】バンドバッファ19,20は、レンダリン
グ処理部18でレンダリング処理を行った結果得られる
1バンド分のビットマップデータを格納する。このバン
ドバッファ19,20は交代バッファとして用いられ、
一方にレンダリング処理結果が書き込まれているとき、
他方に書き込まれたビットマップデータが出力装置に対
して転送される。もちろん、バンドバッファを3つ以上
設けてもよい。
【0027】図4は、本発明の画像処理装置の実施の一
形態における動作の一例の概要を示すフローチャートで
ある。ネットワークあるいは外部ディスクなどからPD
L(ページ記述言語)等によって記述された入力画像情
報が与えられると、まずS31において、上位処理装置
12により1語1語解釈が行われる。S32において、
入力画像情報が描画オブジェクト(グラフィックス、フ
ォント、イメージなど)を表現するデータであるか否か
を判断し、描画オブジェクトである場合には以下のS3
3〜S37の処理を行う。なお、入力画像情報が描画オ
ブジェクトでない場合にはS38へ進む。
【0028】描画オブジェクトについては、変換された
各バンド毎にS33〜S37の処理を行う。なお、S3
3における上隅を切り欠いた矩形と、S37における下
隅を切り欠いた矩形とが対応し、この間の処理を繰り返
すことを示している。以下の図においても同様である。
ここでは1番目のバンドからm番目のバンドまでについ
て、S34〜S36の処理を繰り返すことになる。
【0029】S34において、まず中間コード画像デー
タ保持ブロック管理部13に対して中間コード画像デー
タを格納するための領域を検査する処理(格納領域検査
処理)を行わせる。ここで、すでに獲得している中間コ
ード画像データ保持ブロックに格納領域が残っていれば
よいが、新たな中間コード画像データ保持ブロックが必
要な場合には、中間コード画像データ保持ブロックを中
間コード画像データ保持ブロック格納部14から獲得し
なければならない。新たな中間コード画像データ保持ブ
ロックを獲得して中間コード画像データを格納した場合
には、当該中間コード画像データ保持ブロックの重なり
情報として‘0’を設定しておく。さらにことのき、中
間コード画像データ保持ブロックが枯渇していて取得で
きない場合には、重畳図形処理部16による重畳図形処
理を行って中間コード画像データ保持ブロックを回収し
てから、改めて中間コード画像データ保持ブロックの獲
得を行うことになる。この重畳図形処理部16による重
畳図形処理によって重なりがなくなったバンドあるいは
中間コード画像データ保持ブロックについては、その重
なり情報を‘1’として、重なりがないことを示してお
く。
【0030】このようにして中間コード画像データを格
納する領域をチェックした後、S35において、上位処
理部12は入力された描画オブジェクトによって描画さ
れる位置の情報から対応するバンド番号を割り出し、バ
ンド毎に中間コード画像データに変換を行う。そして変
換された中間コード画像データを中間コード画像データ
保持ブロック管理部13に渡し、中間コード画像データ
保持ブロック格納部14の中間コード画像データ保持ブ
ロックに格納する。
【0031】なお、このとき重なり情報についての更新
も行う。すなわち、重なり情報が‘1’であり、重なり
がない旨を示している状態で新たな中間コード画像デー
タを格納した場合には、当該バンドのバンド管理情報中
の重なり情報フィールド及び中間コード画像データ保持
ブロックの管理情報中の重なり情報を‘2’に変更す
る。
【0032】上述の重なり情報の更新は、当該中間コー
ド画像データ保持ブロックの管理情報領域中の重なり情
報フィールドとともに、当該バンドのバンド管理情報中
の重なり情報フィールドについても更新される。
【0033】一方、上述のようにレンダリング処理時間
の予測を行うためのデータ採取は、中間コード画像デー
タが生成されたときに行うことが最も効率的である。そ
のため、中間コード画像データの生成直後のS36にお
いて、予測データ採取部15によって予測データの採取
を行う。採取された予測データは、例えば図3に示され
ているバンド管理情報の色毎の予測データ保持フィール
ド(総中間コード画像データ量及び総メモリ書込み量)
に加算することにより蓄積される。このとき、対応する
バンド管理情報の重なり情報フィールドの値から、重な
りがある状態(0あるいは2)の場合には,例えば図3
に示したバンド管理情報の色毎の予測データ保持フィー
ルドにCMYK毎に同一値の採取した予測値、ここでは
中間コード画像データ量とメモリ書込み量を加算する。
ここで、処理中のドキュメントがモノクロであることが
明らかである場合には、Kのフィールドのみ加算を行っ
てもよい。重なりがない状態(重なり情報の値が1)の
場合には、バンドバッファのクリア値が0以外の場合も
考慮し、CMYKの色毎にその色成分が背景色(=バン
ドバッファのクリア値)と等しいか否かのチェックを行
う。等しい場合には、バンドバッファへの書込み処理を
省略できるので、図3に示したバンド管理情報の対応す
る色の予測データ保持フィールドに中間コード画像デー
タ量のみ加算を行い、また背景色に等しくない場合に
は、重なりがある状態と同様に図3に示したバンド管理
情報の対応する色の予測データ保持フィールドに中間コ
ード画像データ量とメモリ書込み量を加算する。
【0034】このようにS33及びS37間の34〜S
36の処理を、描画オブジェクトが跨る各バンドについ
て繰り返して実行してゆく。1つの描画オブジェクトに
ついての処理終了したら、S38へ進む。
【0035】S38では、入力画像情報が終了したか否
かを判定し、まだ入力画像情報が存在する場合にはS3
1へ戻って処理を繰り返す。1ページ分の入力画像情報
について、中間コード画像データへの変換処理が終了し
たら、以降の予測及びレンダリング処理を行う。
【0036】S39では、レンダリング処理の前に、予
測処理部17において各バンドのレンダリング処理速度
がバンド当たりの記録速度に間に合うか否かの判定を、
各バンドのバンド管理情報の色毎の予測データ保持フィ
ールドの値を用いて行う。このとき、それぞれのバンド
に対する重なり情報に応じた予測処理を行う。例えば、
バンド管理情報の重なり情報フィールドの値が重畳図形
処理を行った旨を示す場合(1あるいは2)には、色毎
にレンダリング処理時間が異なる可能性がある。そのた
め、CMYKそれぞれの場合に対して各バンドの管理情
報の色毎の予測データ保持フィールドの値からレンダリ
ング処理時間を計算し、一番処理時間の長いものをその
バンドのレンダリング処理時間の予測値とする。また、
重畳図形処理を行っていない場合(重なり情報の値が
0)には、CMYKそれぞれに対して同一のレンダリン
グ処理時間となるため、任意の色(1色のみ)の予測デ
ータからレンダリング処理時間を計算すればよい。
【0037】ここで、レンダリング処理速度が記録速度
に間に合わないバンドが存在し、そのバンドのバンド管
理情報中の重なり情報フィールドの値が重なりがある状
態(0あるいは2)の場合には、予測処理部17は重畳
図形処理部16を起動して当該バンドに対して重畳図形
処理を行う。そして重畳図形処理終了後、再度、記録速
度との比較を行う。また重なりがない状態(1)の場合
には、重畳図形処理を行なっても意味がないので、例外
処理として事前に別の領域に確保したバンドバッファ領
域に展開するなどして、必ず印字速度に間に合うように
する。
【0038】このような予測処理を行った後、レンダリ
ング処理部18によるレンダリング処理を行う。ここで
はS40において各バンドのバンド管理情報中のC,
M,Yのメモリ書込量フィールドを参照し、これらの値
が0か否かをS41で判定する。C,M,Yのメモリ書
込量が0であれば白黒画像を記録するモードであると判
断して、S42〜S44においてKのみのレンダリング
処理を行う。すなわち、S42及びS44によって、S
43におけるバンド毎のKについてのレンダリング処理
を繰り返して行う。
【0039】また、C,M,Yのメモリ書込量のいずれ
かが0でなければカラーモードであるものとして、各色
ごとのレンダリング処理を行う。この場合には、S47
における当該バンドの当該色のレンダリング処理を、各
バンドについてS46ないしS48によって繰り返し実
行する。また、S45ないしS49によってK、Y、
M、Cの各色ごとのレンダリング処理を行う。
【0040】レンダリング処理部18は、バンドバッフ
ァ19あるいはバンドバッファ20を指定された色でク
リアした後に、対応するバンドのバンド管理情報から先
頭の中間コード画像データ保持ブロックのアドレスを得
て、中間コード画像データ保持ブロックを順に読み込
み、その中に保持されている中間コード画像データの解
釈を始める。ここで、レンダリング処理部18は中間コ
ード画像データ保持ブロックの重なり情報フィールドの
値および中間コード画像データの色成分の値のチェック
を行い、「描画オブジェクトの重なりがない状態かつ色
成分が背景色と同一」の条件を満足する場合には、その
中間コード画像データの解釈およびバンドバッファ19
への書込み処理を省略する。このとき、描画オブジェク
トの重なりがないことは、重なり情報を参照すればよ
い。例えば図2に示す例において、バンドn−2におい
ては、バンド管理情報中の重なり情報が‘1’である。
従って、バンドn−2については少なくとも描画オブジ
ェクトの重なりがないことが保証されており、色成分が
背景色と同一である描画オブジェクトはバンドバッファ
への書込を省略することができる。また、バンド管理情
報中の重なり情報が‘2’の場合には、重畳図形処理を
1回以上行っているので、いくつかの中間コード画像デ
ータ保持ブロックについては描画オブジェクトの重なり
がないことが保証されていることがある。例えば図2に
示す例におけるバンド1については、最初の2つの中間
コード画像データ保持ブロックについては重なり情報が
‘1’であり、その2つの中間コード画像データ保持ブ
ロックについては重なりがないことが保証されている。
従って色成分が背景色と同一である描画オブジェクトに
ついてはバンドバッファへの書込を省略することができ
る。このようにしてレンダリング処理を高速化すること
ができる。
【0041】そして、対象とするバンドの中間コード画
像データ保持ブロックの読み込み,および中間コード画
像データの解釈、およびバンドバッファ19またはバン
ドバッファ20への書込み処理が完了すると、バンドバ
ッファの内容を出力装置へ転送する。このような処理を
それぞれのバンド毎に書き込むバンドバッファを切替な
がら行ってゆく。白黒モードであればKについてのすべ
てのバンドについて繰り返し、レンダリング処理を終え
る。また、カラーモードであれば、各色ごとに、すべて
のバンドについてのレンダリング処理を繰り返し、4色
について繰り返したらすべてのレンダリング処理を終え
る。
【0042】なお、図4ではカラーモードのレンダリン
グ時に1色ずつすべてのバンドについてのレンダリング
処理を行っているが、出力装置の構成によっては、1つ
のバンドについてそれぞれの色のビットマップデータが
必要な場合もある。このような場合には、S45,S4
9のループを削除し、S47のレンダリング処理におい
て各色のビットマップデータに展開及び書込みを行えば
よい。
【0043】次に、図4に示した処理について、いくつ
かの処理について詳細に説明してゆく。図5は、格納領
域検査処理の一例を示すフローチャートである。この処
理は、図4におけるS34で実行される処理である。こ
の格納領域検査処理によって、上位処理部12で生成し
た中間コード画像データを格納するための領域をチェッ
クする。まずS51において、中間コード画像データを
格納するための中間コード画像データ保持ブロックが存
在するか否かを判定する。中間コード画像データ保持ブ
ロックが存在すれば、さらにS52において中間コード
画像データを格納するだけの空き領域が残っているか否
かを判定する。空き領域が残っていれば、その空き領域
に中間コード画像データを格納可能であるとする。
【0044】このとき、新たな中間コード画像データの
格納による重なり情報の更新処理も行っておく。すなわ
ち、S53においてバンド管理情報中の重なり情報フィ
ールドの値を判定し、重なりがない旨(1)を示してい
る場合には、新たな中間コード画像データの格納によっ
て重なりがない状態を保証できなくなるので、S54で
重なり情報の更新処理を行う。重なり情報が重なりがあ
る可能性がある旨(0または2)の場合には、そのまま
でよい。このようにして、中間コード画像データ保持ブ
ロックが存在し、空き領域が存在する場合のチェックを
終了する。
【0045】S51において中間コード画像データ保持
ブロックが存在しないと判定された場合や、S52にお
いて中間コード画像データ保持ブロックが存在している
ものの空き領域が存在しないと判定された場合には、S
55において、新たに中間コード画像データ保持ブロッ
クを確保する。このとき、S56において中間コード画
像データ保持ブロックを確保できたか否かを判定する。
中間コード画像データ保持ブロックを確保できた場合に
は、S60以降のポインタの登録処理に移る。
【0046】中間コード画像データ保持ブロックを確保
できない場合には、S57において重畳図形処理部16
による重畳図形処理を行って重なりを排除し、中間コー
ド画像データを削減して、不要となった中間コード画像
データ保持ブロックを解放する。そしてS58におい
て、再度、中間コード画像データ保持ブロックを確保し
てみる。これによって中間コード画像データ保持ブロッ
クを確保できたか否かをS59で判定し、確保できれば
S60に進む。これでも中間コード画像データ保持ブロ
ックが確保できない場合には、S64においてエラー処
理を行う。エラー処理としては、例えば事前に別の領域
に確保したバンドバッファ領域に中間コード画像データ
を展開するなどして、中間コード画像データ保持ブロッ
クを解放できるような処理を行うとよい。もちろん、他
のエラー処理であってもよい。
【0047】このようにして中間コード画像データ保持
ブロックが確保できたら、S60において、確保した中
間コード画像データ保持ブロックが当該バンドで最初の
中間コード画像データ保持ブロックであるか否かを判定
する。最初の中間コード画像データ保持ブロックである
場合には、S62において、バンド管理情報に確保した
中間コード画像データ保持ブロックへのポインタを登録
するとともに、確保した中間コード画像データ保持ブロ
ックにバンド管理情報へのポインタを登録する。また、
当該バンドにおいて最初の中間コード画像データ保持ブ
ロックではない場合には、S61において、当該バンド
における最後尾の中間コード画像データ保持ブロックに
確保した中間コード画像データ保持ブロックへのポイン
タを登録するとともに、その中間コード画像データ保持
ブロックへのポインタを確保した中間コード画像データ
保持ブロックの管理情報に登録する。このようにしてバ
ンド管理情報と中間コード画像データ保持ブロック間あ
るいは中間コード画像データ保持ブロック同士の間で相
互参照ポインタを設定したら、S63において、重なり
情報の更新処理を行い、格納領域検査処理を終える。
【0048】図6は、重なり情報更新処理の一例を示す
フローチャートである。図5のS54やS63における
処理を図6に示している。この処理は、新たに中間コー
ド画像データを中間コード画像データ保持ブロックに格
納する際に呼び出される。すなわち、新たな中間コード
画像データを格納するに際して行わなければならない重
なり情報の更新処理を示している。
【0049】S71においてバンド管理情報中の重なり
情報の値を判断し、重なり情報が重なりなし(‘1’)
を示している場合には、S72において、バンド管理情
報の重なり情報として‘2’を設定する。これによっ
て、重なりがない状態から、重なりかないことを保証で
きなくなったことを示す。バンド管理情報の重なり情報
が‘0’または‘2’の場合には、そのままS73へ進
む。
【0050】S73において、中間コード画像データ保
持ブロックが確保済みであるか否かを判定する。特にこ
こでは、新たな中間コード画像データを格納することに
よって重なり情報が‘1’から‘2’へ遷移する場合
に、重なり情報が‘1’の中間コード画像データ保持ブ
ロックをそのままにして新たに重なり情報が‘2’の中
間コード画像データ保持ブロックを取得する。これによ
って、重なりがないことが保証されている中間コード画
像データをなるべく残すことができる。
【0051】S73で中間コード画像データ保持ブロッ
クが確保済である場合には、S74において、確保した
中間コード画像データ保持ブロックの管理情報領域中の
重なり情報として、バンド管理情報中の重なり情報の値
を設定し、重なり情報更新処理を終了して元の処理に戻
る。
【0052】中間コード画像データ保持ブロックが確保
できていない場合には、図5のS55〜S59及びS6
4と同様の処理をS75〜S79及びS81において行
い、中間コード画像データ保持ブロックを確保する。そ
して、S80においてバンド管理情報に確保した中間コ
ード画像データ保持ブロックへのポインタを登録すると
ともに、確保した中間コード画像データ保持ブロックの
管理情報にバンド管理情報へのポインタを登録する。も
ちろん、図5のS60〜S62に示したように、既に1
以上の中間コード画像データ保持ブロックが存在する場
合についても考慮するように構成してもよい。
【0053】このようにして確保した中間コード画像デ
ータ保持ブロックのポインタを設定した後、S74にお
いて当該中間コード画像データ保持ブロックの管理情報
中の重なり情報として、バンド管理情報中の重なり情報
の値を設定し、重なり情報更新処理を終了して元の処理
に戻る。
【0054】図7は、重畳図形処理の一例を示すフロー
チャートである。この重畳図形処理は、図5に示した格
納領域検査処理のS57や、図6に示した重なり情報更
新処理のS77等において中間コード画像データ保持ブ
ロックが不足している場合や、後述する図9に示した予
測処理のS132などにおいてレンダリング処理時間が
記録時間よりも長い場合などにおいて実行される。
【0055】S91において、重畳図形処理によって中
間コード画像データは重なりがなくなることから、当該
バンドのバンド管理情報中の重なり情報に‘1’を設定
しておく。そして、S92及びS107において、当該
バンドの中間コード画像データ保持ブロックについて、
順にS93〜S106の処理を繰り返して実行する。さ
らに、S92で選択された中間コード画像データ保持ブ
ロックについて、S93及びS105において中間コー
ド画像データ保持ブロック中の各中間コード画像データ
を1つずつ選択して、S94〜S104における処理を
繰り返して実行する。
【0056】S94では、選択された中間コード画像デ
ータについて重なり除去処理を行う。この重なり除去処
理については、従来より用いられている方法を適用すれ
ばよい。そしてS95において、重なりをなくした中間
コード画像データを再生成する。
【0057】ここで、再生成した中間コード画像データ
を格納する中間コード画像データ保持ブロックが存在す
るか否かをS96で判定する。なお、この判定は、それ
までの中間コード画像データを保持していた1ないし複
数の中間コード画像データ保持ブロックとは別に、再生
成した中間コード画像データを格納する中間コード画像
データ保持ブロックについての判定を行っている。
【0058】再生成した中間コード画像データのための
中間コード画像データ保持ブロックが存在する場合に
は、さらにS97において、その中間コード画像データ
保持ブロック中に再生成した中間コード画像データを格
納できるだけの空き領域が存在するか否かを判定する。
空き領域が存在すれば、S103において、再生成した
中間コード画像データを格納する。
【0059】S96において中間コード画像データ保持
ブロックが存在しないと判定された場合や、S97にお
いて中間コード画像データ保持ブロックが存在している
ものの空き領域が存在しないと判定された場合には、S
98において、新たに中間コード画像データ保持ブロッ
クを確保する。そしてS99において、確保した新たな
中間コード画像データ保持ブロックの管理情報領域中の
重なり情報として、バンド管理情報中の重なり情報の値
を設定する。
【0060】さらにS100において、確保した中間コ
ード画像データ保持ブロックが当該バンドで最初の中間
コード画像データ保持ブロックであるか否かを判定す
る。最初の中間コード画像データ保持ブロックである場
合には、S102において、バンド管理情報に確保した
中間コード画像データ保持ブロックへのポインタを登録
するとともに、確保した中間コード画像データ保持ブロ
ックの管理情報にバンド管理情報へのポインタを登録す
る。また、当該バンドにおいて最初の中間コード画像デ
ータ保持ブロックではない場合には、S101におい
て、当該バンドにおける最後尾の中間コード画像データ
保持ブロックに確保した中間コード画像データ保持ブロ
ックへのポインタを登録するとともに、その中間コード
画像データ保持ブロックへのポインタを確保した中間コ
ード画像データ保持ブロックの管理情報に登録する。こ
のようにしてバンド管理情報と中間コード画像データ保
持ブロック間あるいは中間コード画像データ保持ブロッ
ク同士の間で相互参照ポインタを設定したら、S103
において、S95で再生成した中間コード画像データ
を、確保した中間コード画像データ保持ブロックに格納
する。
【0061】再生成した中間コード画像データを中間コ
ード画像データ保持ブロックに格納したら、S104に
おいて、次に述べる予測データの採取処理を行う。これ
は、重畳図形処理によって予測時間が変化するために、
処理後の予測データを採取しておく。
【0062】このようなS93〜S105間の処理を、
中間コード画像データ保持ブロック内のそれぞれの中間
コード画像データについて行う。中間コード画像データ
保持ブロック内のすべての中間コード画像データについ
て処理を行ったら、S106において、処理済みの中間
コード画像データ保持ブロック(すなわち、重畳図形処
理を行う前の中間コード画像データが格納されていた中
間コード画像データ保持ブロック)を解放する。以上の
ようなS92〜S107間の処理を、重畳図形処理を行
う前の中間コード画像データが格納されていたそれぞれ
の中間コード画像データ保持ブロックについて行い、重
畳図形処理を終了する。
【0063】このような重畳図形処理によって中間コー
ド画像データが減少するため、中間コード画像データ保
持ブロックの数も減少することが期待できる。そのた
め、未使用の中間コード画像データ保持ブロックを増加
させることができる。なおこの重畳図形処理を行ったバ
ンドについては、バンド管理情報及び中間コード画像デ
ータ保持ブロック中の管理情報領域における重なり情報
は、重なりがないことを保証する値である‘1’が設定
される。
【0064】図8は、予測データ採取処理の一例を示す
フローチャートである。この処理は、図4のS35で新
たに中間コード画像データが生成された場合と、図7の
S103で重畳図形処理により中間コード画像データが
再生成された場合に、図4のS36あるいは図7のS1
04において、後述する予測処理で利用する予測データ
を採取するために行われる処理である。
【0065】まずS111において、バンド管理情報中
の重なり情報の値を調べる。重なり情報の値が‘0’ま
たは‘2’、すなわち重なりがないことは保証できない
状態の場合には、レンダリング処理においてバンドバッ
ファに書き込む際には、それ以前にどのような描画オブ
ジェクトが描画されているか分からないので、書込みの
処理を省略することができない。従ってS112におい
て、バンド管理情報のCMYK毎の予測データ保持領域
に、採取した予測値を加算する。予測値は、各色につい
て同一値とする。
【0066】また、バンド管理情報中の重なり情報の値
が‘1’である場合には、重なりがないことが保証され
ているので、レンダリング処理の際には、必ず背景上に
描画されることになる。このとき、背景色と同一色の描
画オブジェクトについてはバンドバッファへの書込み処
理を省略することが可能である。
【0067】S113及びS117により、S114
と、S115またはS116の処理を、各色について行
う。S114では、予測対象の中間コード画像データの
描画色成分が背景色と等しいか否かを判定し、背景色と
等しければ、S116において、バンド管理情報の対応
する色の予測データ保持領域に予測値を加算する。この
とき、メモリ書込み量は0として、予測値の加算を行わ
ない。描画色成分が背景色と等しくない場合には、S1
15において、メモリ書込み量を含め、バンド管理情報
の対応する色の予測データ保持領域に予測値を加算す
る。このような予測値の加算を、各色成分毎に行って、
重なりがないときの予測データ採取処理を終了する。
【0068】図9は、予測処理の一例を示すフローチャ
ートである。この処理は、図4のS39において行われ
る処理である。この予測処理では、上述の図8に示す予
測データ採取処理を各中間コード画像データ生成毎、あ
るいは重畳図形処理毎に行った結果を利用し、また重な
り情報の値をも参照して、レンダリング処理に要する時
間を予測する。
【0069】S121及びS129において、各バンド
毎に以下の処理を繰り返して実行する。まずS122に
おいて、当該バンドのバンド管理情報中の重なり情報の
値を調べる。重なり情報の値が‘0’であり、重畳図形
処理を行っていないことを示す場合には、図8のS11
2でも示したように、バンド管理情報中の各色の予測デ
ータ保持領域には、同一の予測値が積算されている。そ
のため、S123において、バンド管理情報中の任意の
色の予測データ保持領域の値からレンダリング処理時間
を計算する。
【0070】一方、重なり情報の値が‘1’または
‘2’であり、重畳図形処理を行っている場合には、重
畳図形処理を行った時点での予測データとしては、各色
ごとに背景色と同一色のメモリ書込量を除外して積算し
ている。そのため、S124及びS126で1色ずつ選
択しながら、S125において、バンド管理情報中の選
択された色の予測データ保持領域の値からレンダリング
処理時間を計算する。この繰り返し処理によって、各色
ごとのレンダリング処理時間が計算される。これを用
い、S127において、そのうちの最も大きい値、すな
わち最もレンダリングに時間を要する場合を予測したレ
ンダリング処理時間とする。
【0071】S123またはS122〜S127におい
てレンダリング処理時間が計算されたら、S128にお
いて、出力装置における記録時間と、計算されたレンダ
リング処理時間とを比較する。レンダリング処理時間の
方が小さければ、そのバンドについてはそのままレンダ
リング処理を行えばよいものと判断する。
【0072】もし、レンダリング処理時間が記録時間以
上である場合には、そのままレンダリング処理を行う
と、オーバーランエラーなどによる白抜けの発生が懸念
される。そのため、さらにレンダリング処理時間が短く
なるような処理を行う。S130においてバンド管理情
報中の重なり情報の値を調べ、‘0’または‘2’であ
れば中間コード画像データに重なりがある可能性があ
る。そのためS132において図7で説明した重畳図形
処理を行い、描画オブジェクト間の重なりを排除してレ
ンダリング処理時間の短縮を図る。この場合、再びS1
22へ戻り、レンダリング処理時間の計算と判定を行
う。
【0073】また、S130で重なり情報の値が‘1’
であった場合には、中間コード画像データには重なりが
ないことが保証されており、重畳図形処理を行っても無
意味である。この場合には、S131において、例えば
事前に別の領域に確保したバンドバッファ領域にビット
マップデータへの展開処理を行っておく等の例外処理を
行い、必ずレンダリング処理時間が記録処理時間内とな
るようにしておく。
【0074】このようにして1バンド分の予測処理を行
う。このような処理を各バンドについて行うことによっ
て、すべてのバンドについて、レンダリング処理時間を
記録処理時間内となるようにすることができる。
【0075】図10は、レンダリング処理の一例を示す
フローチャートである。この処理は、図4のS43及び
S47において行われる処理であり、1色について1バ
ンド分のビットマップデータを生成するものである。S
141及びS150において各中間コード画像データ保
持ブロックを1つずつ選択しながら、S142ないしS
145の処理、あるいは、S142とS146〜S14
9の処理を繰り返して行う。
【0076】S142において、選択されている中間コ
ード画像データ保持ブロックの管理情報領域中の重なり
情報の値を調べる。重なり情報の値が‘0’または
‘2’であり、重なりがないことが保証されていない場
合には、S143及びS145で中間コード画像データ
保持ブロック中の各中間コード画像データのそれぞれに
ついて、S144で中間コード画像データの解釈とバン
ドバッファへの書込みを行う。
【0077】一方、中間コード画像データ保持ブロック
の管理情報領域中の重なり情報の値が‘1’であり、重
なりがないことが保証されている場合には、S146〜
S149の処理を行う。S146及びS149で中間コ
ード画像データ保持ブロック中の各中間コード画像デー
タのそれぞれについて、S147で中間コード画像デー
タの色成分が背景色と同一か否かを判定し、同一であれ
ばS148をスキップして中間コード画像データの解釈
及びバンドバッファへの書込みを行わない。これによっ
て、レンダリング処理時間を短縮することができる。ま
た、背景色が白でなくても対応することができる。な
お、中間コード画像データの色成分が背景色と同一でな
い場合には、S148において、中間コード画像データ
の解釈とバンドバッファへの書込みを行う。
【0078】このようにして中間コード画像データ保持
ブロック内の各中間コード画像データについての処理を
行う。そして、1バンド分のすべての中間コード画像デ
ータ保持ブロックについて処理を終えたら、S151に
おいて、ビットマップデータを書き込んだバンドバッフ
ァの内容を出力装置へ転送する。なお、S151におけ
る転送開始とともに、ビットマップデータを書き込むバ
ンドバッファを切り替えて、次のバンドのレンダリング
処理を開始することができる。
【0079】図11は、本発明の画像処理装置の実施の
一形態における効果の一例の説明図である。図示の都合
上、色の違いはハッチングを異ならせることによって示
している。同じハッチングは同じ色を示している。い
ま、図11(A)に示すような画像を記録する場合を考
える。そして、対象バンドと示した帯状領域についてレ
ンダリング処理時間の予測を行うものとする。この対象
バンドでは、いくつかの色の異なる領域が存在する。そ
のため、各色ごとにレンダリング処理時間を考えれば、
レンダリング処理にはそれほどの時間を必要としない。
【0080】この場合、重畳図形処理を行わない場合に
は、下地にどのような描画が行われているか分からない
ので、すべての色成分についてメモリ書込みを行わなけ
ればならない。そのため、図11(B)の最も左に示す
ように、予測されるレンダリング処理時間は長くなる。
また、単に重畳図形処理を行っても、すべての色成分に
ついてメモリ書込みを行う場合には、図11(A)に示
す画像ではそれほど重なり部分が多くないため、図11
(B)において左から2番目に示すように、予測される
レンダリング処理時間はそれほど短くならない。
【0081】しかし上述のように、重畳図形処理を行っ
た上で、描画色と背景色が同一の場合にメモリ書込みを
行わないものとし、色成分毎に予測データを算出してゆ
くと、図11(B)において右側の4つのグラフのよう
なレンダリング処理時間が計算される。図9のS127
でも示したように、このような色成分毎に計算されたレ
ンダリング処理時間から最大値を予測値とする場合、こ
の例ではY色のレンダリング処理時間を予測値とするこ
とができる。
【0082】例えば図11(B)中に破線で示したライ
ンが1バンド当たりの記録時間であるとすると、重畳図
形処理を行わない場合や、重畳図形処理を行ってもすべ
ての色成分について書込みを行うものとしてレンダリン
グ処理時間を予測した場合には、予測値は記録時間を超
えてしまっている。そのため、レンダリング処理が間に
合うにもかかわらず、例外処理等が行われていた。
【0083】しかし本発明の画像処理装置によれば、重
なりがあるか否か、及び、重なりがないことを保証でき
なくなったこと等を重なり情報として有し、この重なり
情報を用いて予測データの採取及び予測を行うので、正
確なレンダリング処理時間の予測が可能になる。この例
では、Y色のレンダリング処理時間として予測したの
で、バンド当たりの記録時間内であり、画像劣化を伴う
例外処理を行うことなくレンダリング処理を行うことが
できる。
【0084】また、レンダリング処理においても、重な
りがなく、背景色と一致する場合にはメモリ書込みを行
わなくてよいので、レンダリング処理時間を短縮でき、
高速なレンダリング処理を行うことができる。このと
き、背景色との一致を調べているので、背景が白以外で
も対応可能である。
【0085】上述の説明では、重なり情報を各ブロック
管理情報と各中間コード画像データ保持ブロックの管理
情報領域に含めた例を示した。このほか、重なり情報を
各ブロック管理情報と各中間コード画像データ保持ブロ
ックの管理情報領域とともに、中間コード画像データに
も対応付けておくことが可能である。以下、その場合の
例について説明してゆく。
【0086】図12は、中間コード画像データ保持ブロ
ック管理部13において管理する際のデータ構造の別の
例の説明図である。図2に示した例では、中間コード画
像データ保持ブロック毎に重なり情報を持たせた例を示
したが、この図12に示す例では、中間コード画像デー
タ単位で重なり情報を持たせている。
【0087】図2に示したデータ構造と同様に、バンド
単位でバンド管理情報が設けられており、そのバンド管
理情報中には図12(B)に示すように重なり情報を含
んでいる。また、同一バンドの中間コード画像データ保
持ブロック同士及び当該バンドのバンド管理情報と中間
コード画像データ保持ブロックとが双方向リンクにより
連結されている。
【0088】中間コード画像データ保持ブロックは、図
12(C)に示すように、管理情報領域と中間コード画
像データ保持領域を有している。管理情報領域には、バ
ンド管理情報あるいは手前の中間コード画像データ保持
ブロックを指し示すポインタや後続の中間コード画像デ
ータ保持ブロックを指し示すポインタなどを含んでい
る。しかしこの例では、当該中間コード画像データ保持
ブロックにおける重なり情報は、この管理情報領域には
含んでいない。
【0089】中間コード画像データ保持領域は、図12
(D)に示すように、管理情報領域とエッジ情報領域を
有している。そして管理情報領域の一部に、それぞれの
中間コード画像データに対応する重なり情報を保持して
いる。ここでは上述の例と同様に、重なり情報として
‘0’、‘1’、‘2’のいずれかの数値をとるものと
しており、その意味づけも上述の例と同様であるものと
する。もちろんこれに限られるものではないことは言う
までもない。
【0090】図12(E)には、1つの中間コード画像
データ保持ブロックを示しており、中間コード画像デー
タ保持領域には複数の中間コード画像データが格納され
ている。そして、それぞれの中間コード画像データの管
理情報領域の一部に、数値で示した重なり情報が保持さ
れている。特にこの例では、上から3つの中間コード画
像データに対応する重なり情報として‘1’が、下の3
つの中間コード画像データに対応する重なり情報として
‘2’が設定されている。これは、重畳図形処理部16
により重畳図形処理を行ったことによって重なりのない
中間コード画像データが生成され、重なり情報が‘1’
の中間コード画像データはそのとき生成されたものであ
る。その後、新たに中間コード画像データが格納され、
重なりのない状態から重なりがないことを保証できない
状態に遷移したため、それ以後の中間コード画像データ
に対応する重なり情報として‘2’が設定されているも
のである。
【0091】このように、図12に示すように重なり情
報を中間コード画像データに対応して保持することによ
って、描画オブジェクトの重なりがない状態から描画オ
ブジェクトの重なりがないことを保証できなくなった状
態に遷移した場合において引き続き同じ中間コード画像
データ保持ブロックに中間コード画像データを格納して
ゆくことができる。図2に示した例では、描画オブジェ
クトの重なりがない状態から描画オブジェクトの重なり
がないことを保証できなくなった状態に遷移した場合に
は、新たな中間コード画像データ保持ブロックを必要と
している。いずれのデータ構造を用いるかは、レンダリ
ング処理部18内の中間コード画像データ保持ブロック
読み込み部および中間コード画像データ解釈部の構成に
依存する。
【0092】このようなデータ構造を用いる場合の動作
は、ほぼ上述の図4に示した動作と同様であるが、重な
り情報を中間コード画像データ毎に保持しているため、
個々の処理においては若干の相違がある。以下、相違し
ている部分の処理について説明してゆく。なお、図5に
示した格納領域検査処理、及び図9に示した予測処理に
ついては同様であるので、説明を省略する。
【0093】図13は、重なり情報更新処理の別の例を
示すフローチャートである。重なり情報を中間コード画
像データ毎に保持する場合の格納領域検査処理、すなわ
ち図5のS54やS63における処理を図13に示して
いる。この処理は、新たに中間コード画像データを中間
コード画像データ保持ブロックに格納する際に呼び出さ
れる。すなわち、新たな中間コード画像データを格納す
るに際して行わなければならない重なり情報の更新処理
を示している。しかし、上述のように、重なり情報を中
間コード画像データ毎に保持しているため、重なり情報
の遷移による新たな中間コード画像データ保持ブロック
の取得などの処理は不要である。従って、この場合の重
なり情報更新処理は、バンド管理情報中の重なり情報の
更新のみでよく、非常に簡単である。
【0094】S161においてバンド管理情報中の重な
り情報の値を判断し、重なり情報が重なりなし
(‘1’)を示している場合には、S162において、
バンド管理情報の重なり情報として‘2’を設定する。
これによって、重なりがない状態から、重なりかないこ
とを保証できなくなったことを示す。バンド管理情報の
重なり情報が‘0’または‘2’の場合には、そのまま
とする。
【0095】図14は、重畳図形処理の別の例を示すフ
ローチャートである。この重畳図形処理は、図5に示し
た格納領域検査処理のS57等において中間コード画像
データ保持ブロックが不足している場合や、図9に示し
た予測処理のS132などにおいてレンダリング処理時
間が記録時間よりも長い場合などにおいて実行される。
【0096】この重畳図形処理は、ほとんどが図7と同
様の処理であり、同じ処理については同じ符号を付して
いる。中間コード画像データごとに重なり情報を保持す
ることによって異なる点は、次の2点である。まず、S
94で重なり除去処理を行い、S95で重なりのない中
間コード画像データを再生成した後、その再生成した中
間コード画像データを中間コード画像データ保持ブロッ
クに格納する際に、S171において、再生成した中間
コード画像データの重なり情報として、バンド管理情報
中の重なり情報の値を設定することである。また、同様
に再生成した中間コード画像データを格納しようとした
が格納すべき中間コード画像データ保持ブロックが存在
しなかった(S96)、あるいは、中間コード画像デー
タ保持ブロックが存在したが、空き領域が少なく、格納
できなかった(S97)場合に、S98で中間コード画
像データ保持ブロックを確保した後、その中間コード画
像データ保持ブロックに重なり情報を設定しない(S9
9の処理を削除した)点で異なる。
【0097】すなわち、重なり情報を、中間コード画像
データ保持ブロックに対する設定から中間コード画像デ
ータに対する設定に変更した点で異なるのみである。重
畳図形処理の主な処理の流れは図7で説明したので、こ
こでは詳細な説明は省略する。
【0098】図15は、予測データ採取処理の別の例を
示すフローチャートである。この処理は、図4のS35
で新たに中間コード画像データが生成された場合と、図
7のS103で重畳図形処理により中間コード画像デー
タが再生成された場合に、図4のS36あるいは図7の
S104において、後述する予測処理で利用する予測デ
ータを採取するために行われる処理である。この予測デ
ータ採取処理についても上述の図8に示した処理とほと
んど同じであり、重なり情報を中間コード画像データご
とに保持することによる相違点はS181において、新
たに中間コード画像データ保持ブロックに格納した中間
コード画像データの重なり情報として、バンド管理情報
中の重なり情報の値を設定したことである。すなわち、
中間コード画像データを中間コード画像データ保持ブロ
ックに格納する毎に、重なり情報の設定を行うようにし
ている。それ以外の部分については、予測データの採取
を含めて、図8と同様であるので、ここでの説明を省略
する。
【0099】図16は、レンダリング処理の別の例を示
すフローチャートである。この処理は、図4のS43及
びS47において行われる処理であり、1色について1
バンド分のビットマップデータを生成するものである。
重なり情報を中間コード画像データ毎に保持することに
よって、重なり情報の判定位置などが異なっている。
【0100】S191及びS198において各中間コー
ド画像データ保持ブロックを1つずつ選択し、またS1
92及びS197において、選択された中間コード画像
データ保持ブロック中の中間コード画像データを1つず
つ選択して、S193乃至S196の処理を繰り返して
行う。
【0101】S193において、選択されている中間コ
ード画像データの管理情報領域中の重なり情報の値を調
べる。重なり情報の値が‘0’または‘2’であり、重
なりがないことが保証されていない場合には、S194
で中間コード画像データの解釈とバンドバッファへの書
込みを行う。
【0102】一方、中間コード画像データの管理情報領
域中の重なり情報の値が‘1’であり、重なりがないこ
とが保証されている場合には、S195で中間コード画
像データの色成分が背景色と同一か否かを判定し、同一
であればS196をスキップして中間コード画像データ
の解釈及びバンドバッファへの書込みを行わない。これ
によって、レンダリング処理時間を短縮することができ
る。また、背景色が白でなくても対応することができ
る。なお、中間コード画像データの色成分が背景色と同
一でない場合には、S196において、中間コード画像
データの解釈とバンドバッファへの書込みを行う。
【0103】このようにして中間コード画像データ保持
ブロック内の各中間コード画像データについての処理を
行い、さらに各中間コード画像データ保持ブロックにつ
いての処理を行う。そして、1バンド分のすべての中間
コード画像データ保持ブロックについて処理を終えた
ら、S199において、ビットマップデータを書き込ん
だバンドバッファの内容を出力装置へ転送する。なお、
S199における転送の開始とともに、ビットマップデ
ータを書き込むバンドバッファを切り替えて、次のバン
ドのレンダリング処理を開始することができる。
【0104】このようにして、図12に示したように重
なり情報を中間コード画像データごとに保持する場合に
ついても、同様にして処理を行うことができる。そし
て、上述のように重なり情報を用いて高速にレンダリン
グ処理を行うことができるともに、レンダリング処理時
間の予測についても、正確な予測を行うことができる。
【0105】上述の本発明の実施の形態の説明において
は、描画オブジェクトの重なり情報をバンド管理情報と
中間コード画像データ保持ブロック、あるいは中間コー
ド画像データのそれぞれの重なり情報フィールドに設定
するものとした。これは図1で示される本発明を適用し
たシステムが同一の処理系で行われることを前提とした
ものである。例えば、レンダリング処理部18をハード
ウェアで、その他の処理部をソフトウェアで構成した場
合、中間コード画像データ保持ブロックあるいは中間コ
ード画像データの重なり情報フィールドが3つの値をと
り得る構成では、ハードウェア構成が複雑となる。この
ような場合には、レンダリング処理部が参照するための
別の重なり情報として、3つの状態を重なりありまたは
重なりなしの2つの状態にマッピングした情報を参照可
能に構成し、ハードウェア構成を簡略化することも可能
である。
【0106】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、重なり情報によって描画オブジェクトの重な
り具合を正しく把握でき、例えば描画オブジェクトの重
なりがない状態から描画オブジェクトの重なりがないこ
とを保証できなくなった状態へ遷移したバンドについて
も、その遷移が発生した中間コード画像データあるいは
中間コード画像データ保持ブロックの位置を正確に把握
することができる。従って、例えばレンダリング処理時
には、このような重なり情報を用いて重なりがないこと
が保証されていれば、背景色と一致する色の描画オブジ
ェクトのバンドバッファへの書込み処理を省略でき、レ
ンダリング処理速度を向上させることができる。また、
バンドバッファのクリア値(背景色)が0以外の場合に
も本発明が適用可能であり、これにより正しい描画を保
証することができる。さらに、このようなバンドバッフ
ァへの書込み処理の省略を行う場合でも、重なり情報を
用いることによって、レンダリング処理時間を正確に予
測することが可能となり、従来のような画質劣化を伴う
例外処理を低減できるため、全体としての画質向上を図
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の実施の一形態を示す
ブロック図である。
【図2】 中間コード画像データ保持ブロック管理部1
3において管理する際のデータ構造の一例の説明図であ
る。
【図3】 中間コード画像データ保持ブロック管理部1
3において管理するバンド管理情報のデータ構造の一例
の説明図である。
【図4】 本発明の画像処理装置の実施の一形態におけ
る動作の一例の概要を示すフローチャートである。
【図5】 格納領域検査処理の一例を示すフローチャー
トである。
【図6】 重なり情報更新処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図7】 重畳図形処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図8】 予測データ採取処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図9】 予測処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図10】 レンダリング処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図11】 本発明の画像処理装置の実施の一形態にお
ける効果の一例の説明図である。
【図12】 中間コード画像データ保持ブロック管理部
13において管理する際のデータ構造の別の例の説明図
である。
【図13】 重なり情報更新処理の別の例を示すフロー
チャートである。
【図14】 重畳図形処理の別の例を示すフローチャー
トである。
【図15】 予測データ採取処理の別の例を示すフロー
チャートである。
【図16】 レンダリング処理の別の例を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
11…画像処理装置、12…上位処理部、13…中間コ
ード画像データ保持ブロック管理部、14…中間コード
画像データ保持ブロック保持部、15…予測データ採取
部、16…重畳図形処理部、17…予測処理部、18…
レンダリング処理部、19,20…バンドバッファ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンド単位に中間コード画像データを生
    成し、レンダリング処理を行う画像処理装置において、
    バンド毎に生成された中間コード画像データをバンド毎
    に一定サイズの1ないし複数のブロックに保持して管理
    するとともに少なくともバンド毎に描画オブジェクトの
    重なりの状態を示す重なり情報を管理する管理手段と、
    複数の中間コード画像データに対して描画オブジェクト
    の重なりを無くす重畳図形処理手段を有し、前記管理手
    段は、前記中間コード画像データの生成によって前記ブ
    ロックが不足した場合に前記重畳図形処理手段を起動し
    てバンド単位ですでに生成した複数の中間コード画像デ
    ータに対して描画オブジェクトの重なりを無くして空き
    ブロックの回収を行うことにより前記中間コード画像デ
    ータの生成を継続させ、重畳図形処理対象となったバン
    ドに対して描画オブジェクトの重なりがないことを示す
    情報を前記重なり情報として設定し、また描画オブジェ
    クトの重なりがないバンドに対して新たに中間コード画
    像データが生成された場合に、該バンドの重なり情報と
    してオブジェクトの重なりがないことを保証できなくな
    ったことを示す情報を設定することを特徴とする画像処
    理装置。
  2. 【請求項2】 前記管理手段は、前記重なり情報を前記
    中間コード画像データごとに管理することを特徴とする
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記管理手段は、前記重なり情報を、前
    記中間コード画像データを保持するブロック毎に管理す
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記管理手段により管理されている前記
    中間コード画像データをバンドごとにビットマップデー
    タに展開するレンダリング処理手段と、該レンダリング
    処理手段で展開されたビットマップデータを格納するバ
    ンドバッファを有し、前記レンダリング処理手段は、前
    記管理手段により管理されている重なり情報を参照し、
    描画オブジェクトの重なりがない状態においては、各描
    画オブジェクトの色成分が背景色と同一の場合には前記
    バンドバッファへの書込みを行わないことを特徴とする
    請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記管理手段により管理されている前記
    中間コード画像データをバンドごとにビットマップデー
    タに展開するレンダリング処理手段と、該レンダリング
    処理手段で展開されたビットマップデータを格納するバ
    ンドバッファと、前記バンドバッファへの展開直前にお
    いて各バンド毎の前記レンダリング処理手段による展開
    時間を予測する予測手段を有し、該予測手段は、予測デ
    ータの採取時に前記管理手段により管理されている前記
    重なり情報に基づいて予測データの採取を行うことを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載
    の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記管理手段により管理されている前記
    中間コード画像データをバンドごとにビットマップデー
    タに展開するレンダリング処理手段と、該レンダリング
    処理手段で展開されたビットマップデータを格納するバ
    ンドバッファと、前記バンドバッファへの展開直前にお
    いて各バンド毎の前記レンダリング処理手段による展開
    時間を予測する予測手段を有し、該予測手段は、前記管
    理手段により管理されている前記重なり情報が描画オブ
    ジェクトの重なりがないかあるいは描画オブジェクトの
    重なりがないことを保証できなくなった旨を示している
    バンドに対しては、各色毎の予測値の内でもっとも大き
    い値を該バンドの予測値とすることを特徴とする請求項
    1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記レンダリング処理手段は、前記管理
    手段により管理されている重なり情報を参照し、描画オ
    ブジェクトの重なりがない状態においては、各描画オブ
    ジェクトの色成分が背景色と同一の場合には前記バンド
    バッファへの書込みを行わないことを特徴とする請求項
    5または請求項6に記載の画像処理装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010092472A (ja) * 2008-09-30 2010-04-22 Konica Minolta Systems Lab Inc マルチコア環境においてプリンタのスループットの最適化のためのシステム及び方法
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US8820968B2 (en) 2011-10-13 2014-09-02 Panasonic Corporation Wavelength conversion element, laser light source device, image display device, and method of manufacturing wavelength conversion element
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