JPH065932A - ジョセフソン素子 - Google Patents
ジョセフソン素子Info
- Publication number
- JPH065932A JPH065932A JP4162654A JP16265492A JPH065932A JP H065932 A JPH065932 A JP H065932A JP 4162654 A JP4162654 A JP 4162654A JP 16265492 A JP16265492 A JP 16265492A JP H065932 A JPH065932 A JP H065932A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- current
- wiring
- bridges
- josephson junction
- josephson
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Measuring Magnetic Variables (AREA)
- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の電流パルス法を用いて接合臨界電流を
短時間で調整することができ、かつ、この調整に当たっ
ては調整用の電流が作る磁束をトラップすることが極め
て少ない構造のジョセフソン素子を提供する。 【構成】 ウィークリンク型のジョセフソン接合部の上
に絶縁層を形成し、その絶縁層を介してジョセフソン接
合部の上を通り、かつ、一端部が2つの電極のうちいず
れか一方にのみ導通し、他端部が外部に接続可能な配線
を形成した構造とする。
短時間で調整することができ、かつ、この調整に当たっ
ては調整用の電流が作る磁束をトラップすることが極め
て少ない構造のジョセフソン素子を提供する。 【構成】 ウィークリンク型のジョセフソン接合部の上
に絶縁層を形成し、その絶縁層を介してジョセフソン接
合部の上を通り、かつ、一端部が2つの電極のうちいず
れか一方にのみ導通し、他端部が外部に接続可能な配線
を形成した構造とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウィークリンク型のジョ
セフソン素子とその臨界電流の調整方法に関し、例えば
脳磁界計測や心磁界計測等の極微小磁場を計測するため
のSQUIDや、ミリ波検出器等、ジョセフソン接合硬
化を利用したあらゆるデバイスに応用することのできる
素子とその臨界電流の調整方法に関する。
セフソン素子とその臨界電流の調整方法に関し、例えば
脳磁界計測や心磁界計測等の極微小磁場を計測するため
のSQUIDや、ミリ波検出器等、ジョセフソン接合硬
化を利用したあらゆるデバイスに応用することのできる
素子とその臨界電流の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジョセフソン素子のうち、準平面型の素
子やマイクロブリッジ型の素子をはじめとする、いわゆ
るウィークリンク型の構造を持つジョセフソン素子で
は、素子製作後に接合臨界電流のトリミングが可能であ
るという特徴がある。
子やマイクロブリッジ型の素子をはじめとする、いわゆ
るウィークリンク型の構造を持つジョセフソン素子で
は、素子製作後に接合臨界電流のトリミングが可能であ
るという特徴がある。
【0003】このような素子における接合臨界電流の調
整方法としては、従来、陽極酸化法を用いてジョセフソ
ン接合部の超伝導体薄膜を部分的に酸化させることによ
り、その部分の超伝導性を奪い、臨界電流を低下させる
方法と、ジョセフソン接合部にその臨界電流値以上の電
流パルスを流すことにより、ジョセフソン接合部そのも
のを発熱させてこれを部分的に酸化させ、その部分の超
伝導性を奪って臨界電流を低下させる、いわゆる電流パ
ルス法とがある。
整方法としては、従来、陽極酸化法を用いてジョセフソ
ン接合部の超伝導体薄膜を部分的に酸化させることによ
り、その部分の超伝導性を奪い、臨界電流を低下させる
方法と、ジョセフソン接合部にその臨界電流値以上の電
流パルスを流すことにより、ジョセフソン接合部そのも
のを発熱させてこれを部分的に酸化させ、その部分の超
伝導性を奪って臨界電流を低下させる、いわゆる電流パ
ルス法とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な従来の調整方法のうち、陽極酸化法では、素子を処理
液に浸す必要があるため、液体ヘリウム中での臨界電流
値の測定と、常温での陽極酸化処理を繰り返さねばなら
ず、長時間を要するという欠点があり、また、素子を汚
染してしまう可能性もあった。
な従来の調整方法のうち、陽極酸化法では、素子を処理
液に浸す必要があるため、液体ヘリウム中での臨界電流
値の測定と、常温での陽極酸化処理を繰り返さねばなら
ず、長時間を要するという欠点があり、また、素子を汚
染してしまう可能性もあった。
【0005】一方、電流パルス法はこのような欠点はな
いものの、ジョセフソン接合部そのものに電流を流すた
め、調整のために流した電流が発生する磁束を、ジョセ
フソン接合部がトラップしてしまう可能性があり、この
磁束トラップにより素子の1/fノイズが増加するとい
う問題がある。
いものの、ジョセフソン接合部そのものに電流を流すた
め、調整のために流した電流が発生する磁束を、ジョセ
フソン接合部がトラップしてしまう可能性があり、この
磁束トラップにより素子の1/fノイズが増加するとい
う問題がある。
【0006】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
ので、従来の電流パルス法を用いて臨界電流を短時間で
調整することができ、この調整に当たって磁束をトラッ
プする可能性の少ない構造を持つジョセフソン素子の提
供を目的としている。
ので、従来の電流パルス法を用いて臨界電流を短時間で
調整することができ、この調整に当たって磁束をトラッ
プする可能性の少ない構造を持つジョセフソン素子の提
供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のジョセフソン素子は、ウィークリンク型の
ジョセフソン接合部の上に絶縁層が形成されているとと
もに、一端部が2つの電極のうちのいずれか一方にのみ
導通し、かつ、上記絶縁層を介してジョセフソン接合部
の上を通って他端部が外部に接続可能な配線が形成され
ていることによって特徴づけられる。
め、本発明のジョセフソン素子は、ウィークリンク型の
ジョセフソン接合部の上に絶縁層が形成されているとと
もに、一端部が2つの電極のうちのいずれか一方にのみ
導通し、かつ、上記絶縁層を介してジョセフソン接合部
の上を通って他端部が外部に接続可能な配線が形成され
ていることによって特徴づけられる。
【0008】
【作用】上記の構成において、外部に取り出されている
配線と、この配線に導通していない側の電極間に電流源
を接続すると、電流はこの電極〜ジョセフソン接合部〜
他方の電極〜配線の経路で流れるが、ジョセフソン接合
部の上を通っている配線にはジョセフソン接合部に流れ
る電流と反対の向きの電流が流れることになり、それぞ
れの電流が作る磁束が打ち消し合ってジョセフソン接合
部にトラップされる磁束が大幅に減少する。これによ
り、電流パルス法と同等の調整が可能で、しかも調整電
流が作る磁束をトラップしにくいジョセフソン素子が得
られる。
配線と、この配線に導通していない側の電極間に電流源
を接続すると、電流はこの電極〜ジョセフソン接合部〜
他方の電極〜配線の経路で流れるが、ジョセフソン接合
部の上を通っている配線にはジョセフソン接合部に流れ
る電流と反対の向きの電流が流れることになり、それぞ
れの電流が作る磁束が打ち消し合ってジョセフソン接合
部にトラップされる磁束が大幅に減少する。これによ
り、電流パルス法と同等の調整が可能で、しかも調整電
流が作る磁束をトラップしにくいジョセフソン素子が得
られる。
【0009】
【実施例】図1は本発明を準平面型のジョセフソン接合
部を2つ持つDC−SQUIDに適用した場合の要部構
成を示す平面図で、図2はそのA−A部分で切断した模
式的拡大断面図である。
部を2つ持つDC−SQUIDに適用した場合の要部構
成を示す平面図で、図2はそのA−A部分で切断した模
式的拡大断面図である。
【0010】基板1上に下部電極2が形成されており、
この下部電極2は図1において省略しているが、この図
の上方においてループ状に繋がって磁束鎖交部を形成し
ているとともに、その両端部分は図1のように互いに平
行に隣接している。
この下部電極2は図1において省略しているが、この図
の上方においてループ状に繋がって磁束鎖交部を形成し
ているとともに、その両端部分は図1のように互いに平
行に隣接している。
【0011】この下部電極2の上には、その両端部分の
双方に跨がるように、バリア層3を介して上部電極4が
形成されている。そして、この上部電極4と下部電極2
は、これら双方の表面を跨ぐように形成された2つのブ
リッジ5aおよび5bによってウィークに接合されてお
り、この各ブリッジ5a,5bがそれぞれジョセフソン
接合部を形成している。これらのブリッジ5a,5b
と、下部電極2および上部電極4の材質は、例えばNb等
の超伝導体製の薄膜である。
双方に跨がるように、バリア層3を介して上部電極4が
形成されている。そして、この上部電極4と下部電極2
は、これら双方の表面を跨ぐように形成された2つのブ
リッジ5aおよび5bによってウィークに接合されてお
り、この各ブリッジ5a,5bがそれぞれジョセフソン
接合部を形成している。これらのブリッジ5a,5b
と、下部電極2および上部電極4の材質は、例えばNb等
の超伝導体製の薄膜である。
【0012】ブリッジ5a,5bの上には、これらを含
んで所定の領域をカバーする絶縁層6が積層されてお
り、この絶縁層6の更に上には、ブリッジ5aおよび5
bの直上を通り、一端部が絶縁層6外に出て上部電極4
の表面に接触し、他端は絶縁層6の上から直接基板1上
に伸びる配線7が積層されている。この配線7は下部電
極2とは接触していない。絶縁層6の材質は例えばNb2O
5 であり、配線7は例えばAuである。
んで所定の領域をカバーする絶縁層6が積層されてお
り、この絶縁層6の更に上には、ブリッジ5aおよび5
bの直上を通り、一端部が絶縁層6外に出て上部電極4
の表面に接触し、他端は絶縁層6の上から直接基板1上
に伸びる配線7が積層されている。この配線7は下部電
極2とは接触していない。絶縁層6の材質は例えばNb2O
5 であり、配線7は例えばAuである。
【0013】以上の構造において、下部電極2と配線7
の他端部との間に電流源を接続してパルス状の電流を流
したとき、例えば下部電極2側から電流が流れるように
した場合、図2に矢印で示すように、電流源〜下部電極
2〜ブリッジ5a,5b〜上部電極4〜配線7〜電流源
の順で流れる。この電流の大きさをブリッジ5a,5b
の臨界電流以上とすることにより、従来の電流パルス法
と同様に、ブリッジ5aおよび5bが発熱し、Nb2O5 か
らの酸素がブリッジ5a,5bの表面に拡散してその一
部を酸化させる結果、接合臨界電流が低下する。
の他端部との間に電流源を接続してパルス状の電流を流
したとき、例えば下部電極2側から電流が流れるように
した場合、図2に矢印で示すように、電流源〜下部電極
2〜ブリッジ5a,5b〜上部電極4〜配線7〜電流源
の順で流れる。この電流の大きさをブリッジ5a,5b
の臨界電流以上とすることにより、従来の電流パルス法
と同様に、ブリッジ5aおよび5bが発熱し、Nb2O5 か
らの酸素がブリッジ5a,5bの表面に拡散してその一
部を酸化させる結果、接合臨界電流が低下する。
【0014】このとき、ブリッジ5a,5bに直接流れ
る電流と、その直上の配線7を流れる電流とは向きが反
対となり、これらが作る磁束の向きは互いに逆向きとな
ってキャンセルされることになり、ジョセフソン接合部
に入る磁束は大幅に削減される結果、ジョセフソン接合
部にトラップされる磁束は大幅に減少する。
る電流と、その直上の配線7を流れる電流とは向きが反
対となり、これらが作る磁束の向きは互いに逆向きとな
ってキャンセルされることになり、ジョセフソン接合部
に入る磁束は大幅に削減される結果、ジョセフソン接合
部にトラップされる磁束は大幅に減少する。
【0015】なお、以上の実施例においては、配線7を
上部電極4にのみ導通させた例を示したが、これに代え
て下部電極2にのみ導通させるように構成しても、全く
同様の作用効果を奏することができる。
上部電極4にのみ導通させた例を示したが、これに代え
て下部電極2にのみ導通させるように構成しても、全く
同様の作用効果を奏することができる。
【0016】また、絶縁層6はNb2O5 に限られず、配線
7の材質としてもAuに限定されないことは勿論である。
そして、配線7をNb等の超伝導体薄膜によって形成した
場合には、この超伝導体薄膜は素子の使用時において磁
束がジョセフソン接合部に入ることを阻止することにな
り、言わばグランドプレーンとしての役割も果たすこと
になる。
7の材質としてもAuに限定されないことは勿論である。
そして、配線7をNb等の超伝導体薄膜によって形成した
場合には、この超伝導体薄膜は素子の使用時において磁
束がジョセフソン接合部に入ることを阻止することにな
り、言わばグランドプレーンとしての役割も果たすこと
になる。
【0017】更に、本発明は準平面型のジョセフソン素
子のほか、マイクロブリッジ型のジョセフソン素子にも
同様に適用することができることは言うまでもない。
子のほか、マイクロブリッジ型のジョセフソン素子にも
同様に適用することができることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ジョセフソン接合部の上に絶縁層を介して配線を形成
し、この配線の一端を、2つの電極のうち一方のみに導
通させ、他端は外部に取り出せるように構成しているの
で、この配線の他端と、配線が導通していない側の電極
間で電流を流すことにより、従来の電流パルス法と同様
にしてジョセフソン接合部の臨界電流値を調整すること
ができ、しかも、この調整に当たっては、ジョセフソン
接合部の直上の配線には、ジョセフソン接合部を流れる
電流と逆向きの電流が流れるから、双方が作る磁束が互
いにキャンセルすることになり、ジョセフソン接合部に
トラップされる磁束は大幅に減少する。
ジョセフソン接合部の上に絶縁層を介して配線を形成
し、この配線の一端を、2つの電極のうち一方のみに導
通させ、他端は外部に取り出せるように構成しているの
で、この配線の他端と、配線が導通していない側の電極
間で電流を流すことにより、従来の電流パルス法と同様
にしてジョセフソン接合部の臨界電流値を調整すること
ができ、しかも、この調整に当たっては、ジョセフソン
接合部の直上の配線には、ジョセフソン接合部を流れる
電流と逆向きの電流が流れるから、双方が作る磁束が互
いにキャンセルすることになり、ジョセフソン接合部に
トラップされる磁束は大幅に減少する。
【0019】その結果、従来の電流パルス法と同様に素
子を汚染することなく短時間での臨界電流の調整が可能
で、しかも調整後におけるジョセフソン接合部への磁束
のトラップの少ない素子が得られることになり、1/f
ノイズの少ない高性能の素子となる。また、この配線は
トラップ除去用のヒータとしても用いることができ、こ
のことも併せて1/fノイズの極めて少ない素子が得ら
れる。
子を汚染することなく短時間での臨界電流の調整が可能
で、しかも調整後におけるジョセフソン接合部への磁束
のトラップの少ない素子が得られることになり、1/f
ノイズの少ない高性能の素子となる。また、この配線は
トラップ除去用のヒータとしても用いることができ、こ
のことも併せて1/fノイズの極めて少ない素子が得ら
れる。
【図1】本発明実施例の要部構成を示す平面図
【図2】そのA−A部分で切断して示す模式的拡大断面
図
図
1 基板 2 下部電極 3 バリア層 4 上部電極 5a,5b ブリッジ 6 絶縁層 7 配線
Claims (1)
- 【請求項1】 超伝導体薄膜製の2つの電極が、超伝導
体薄膜製のウィークリンクによるジョセフソン接合部に
よって互いに接続されてなる素子において、上記ジョセ
フソン接合部の上に絶縁層が形成されているとともに、
一端部が上記2つの電極のうちいずれか一方にのみ導通
し、かつ、上記絶縁層を介して上記ジョセフソン接合部
の上方を通って他端部が外部に接続可能な配線が形成さ
れていることを特徴とするジョセフソン素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4162654A JPH065932A (ja) | 1992-06-22 | 1992-06-22 | ジョセフソン素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4162654A JPH065932A (ja) | 1992-06-22 | 1992-06-22 | ジョセフソン素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH065932A true JPH065932A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=15758739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4162654A Pending JPH065932A (ja) | 1992-06-22 | 1992-06-22 | ジョセフソン素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065932A (ja) |
-
1992
- 1992-06-22 JP JP4162654A patent/JPH065932A/ja active Pending
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