JPH0658828A

JPH0658828A - 土圧の測定方法と測定装置

Info

Publication number: JPH0658828A
Application number: JP23415092A
Authority: JP
Inventors: Noriji Kaeba; 紀二替場
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-08-11
Filing date: 1992-08-11
Publication date: 1994-03-04

Abstract

(57)【要約】【目的】重量の嵩む土圧計を用いずに土圧測定を可能と
し、作業環境の改善を図る。【構成】ケーブル１２、１２には土圧に基づく引っ張り
力が加わる。この引っ張り力により第一、第二の板材２
１、２３の間で、扁平ジャッキ本体２２を強く押圧す
る。この扁平ジャッキ本体２２内に封入した液体の圧力
を圧力計３３により測定する。この圧力計３３の支持値
は、土圧に比例して変化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明に係る土圧の測定方法と
測定装置は、大規模ビルの工事現場等に於いて地面を掘
り下げた後、穴の周囲の土圧を測定する為に利用する。

【０００２】

【従来の技術】大規模ビル、地下鉄等の工事現場に於い
ては、図４に示す様に、地面を掘り下げて大きな穴を形
成した後、この穴の内側面を覆う状態で支え壁１、２を
形成し、この穴が崩れるのを防止している。この様な目
的で、工事の間仮に造られる支え壁１、２は、図４の左
半分に示す様に、多数枚の鋼矢板３、３を組み合わせた
り、或は同図の右半分に示す様に、上記穴の内側面に沿
って鉛直方向に打ち込まれた多数本のＨ型鋼４、４の間
に、多数枚の木板５、５を掛け渡す事で構成される。

【０００３】上述の様に造られた各支え壁１、２の間に
は、多数の梁６、６を掛け渡して、各支え壁１、２の外
側に存在する土からの圧力（土圧）により、各支え壁
１、２が倒れない様にしている。又、梁６、６の要所に
はジャッキ７を設けて、上記各支え壁１、２を穴の内側
面に押し付けている。

【０００４】ところで、工事の安全性を確保する為、工
事の間中上記土圧を測定する事が義務付けられている。
支え壁１、２を構築した時点に比べて土圧が高くなった
（支え壁１、２を押圧する力が大きくなった）場合に
は、必要に応じ上記梁６、６の数を増す等、上記各支え
壁１、２を補強する。

【０００５】この様な目的で行なう土圧測定は、従来市
販の土圧計により行なっている。例えば複数の梁６、６
の中間部には、図４〜６に示す様に、当該梁６、６に対
し直列に、土圧計８を設けている。

【０００６】即ち、土圧計８を設置する梁６は、１対の
Ｈ型鋼９ａ、９ｂを、互いに直列に接続して成る。一方
のＨ型鋼９ａの端部には断面矩形の接続筒１０を、この
Ｈ型鋼９ａの端部から突出する状態で固定しており、他
方のＨ型鋼９ｂの端部をこの接続筒１０の端部に、軸方
向（図５〜６の左右方向）に亙る変位自在に挿入してい
る。上記１対のＨ型鋼９ａ、９ｂの端部同士の間に上記
土圧計８を挟持し、これら両Ｈ型鋼９ａ、９ｂにより構
成される梁６に加わる、圧縮方向の荷重を測定自在とし
ている。

【０００７】上記土圧計８は、秤の如き構造を有し、上
記梁６に加わる圧縮方向の荷重の大きさは、この土圧計
８の上面に設けられた表示部１１に示される。そこで、
この表示部１１に示される荷重を常にチェックし、この
荷重が大きくなった場合には、梁６、６の数を増やす
等、前記支え壁１、２を補強して、前記穴の側面が崩れ
るのを防止する。

【０００８】又、図７は、土圧を測定する方法の別例を
示している。穴の内側面から斜め下方に向けて長尺な
（数ｍ乃至数十ｍ）小孔を、ボーリング作業により形成
し、この小孔にケーブル１２を挿入してから、この小孔
内にモルタルを充填し、ケーブル１２を土中に固定す
る。このケーブル１２の端部で上記小孔から突出した部
分を、図示しないプリロードジャッキ等の引っ張り装置
により引っ張った状態で、上記ケーブル１２端部に形成
した雄螺子と螺合したナット１３を緊締し、土圧計８を
台座１４と抑え板１５との間で強く挟持する。

【０００９】上記小孔を形成した部分の土圧が変化する
と、上記ケーブル１２の支持力が変化して、上記土圧計
８の支持値が変化する。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明の土圧の測定方
法と測定装置は、土圧計の軽量化を図る事で、足場の不
安定な場所での作業を容易に行なえる様にするものであ
る。

【００１１】従来、土圧測定に使用されていた土圧計８
は、秤の如き構造により、数十トン乃至数百トンの荷重
を測定する為、構造が複雑で、しかも構成部品に十分な
強度を要求される為、重量が嵩む（例えば１個当たり２
０〜３０kg）事が避けられなかった。

【００１２】一方、土圧計８を設置する場所は、大規模
工事現場に掘削された、深さが数十ｍにも達する穴の中
間部側面や、この穴の内側に設けられた梁６の中間部
等、足場が悪い場所にならざるを得ない。この様な足場
の悪い部分に、重量が嵩む土圧計８を運び、しかも正し
く設置する作業は面倒で、しかも危険である。

【００１３】本発明の土圧の測定方法と測定装置は、上
述の様な事情に鑑みて発明されたものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明の土圧の測定方法
と測定装置の内、先ず、請求項１に記載された土圧の測
定方法は、それぞれが十分な剛性を有する１対の板材の
間に、内部に液体を送り込む事で膨張する扁平ジャッキ
を挟持し、上記１対の板材同士の間隔を縮める方向に土
圧を加えて、この１対の板材同士の間で上記扁平ジャッ
キを強く挟持すると共に、この扁平ジャッキの内部に送
り込まれた液体の圧力を測定する事で上記土圧を求め
る。

【００１５】又、請求項２に記載された土圧の測定装置
は、弾性変形自在な１対の金属板を重ね合わせて、互い
の周縁部同士を液密に接合して成る扁平ジャッキ本体
と、一端をこの扁平ジャッキ本体内に通じさせ、他端を
圧力液体供給装置に接合自在とした給液管と、この給液
管に直列に接続され、上記圧力液体供給装置から上記扁
平ジャッキ本体に向けてのみ液体を流す逆止弁と、上記
扁平ジャッキ本体にその一端を接続した圧力取り出し管
と、この圧力取り出し管の他端に接続されて、上記扁平
ジャッキ本体内の圧力を測定する圧力計とを備える。

【００１６】

【作用】上述の様に構成される本発明の土圧の測定方法
と測定装置に於いては、測定すべき土圧を扁平ジャッキ
の厚さ方向に加える事で、この土圧に応じて、扁平ジャ
ッキ内に送り込まれた液体の圧力を変化させる。即ち、
土圧が高くなれば、扁平ジャッキを押圧する荷重が大き
くなって上記液体の圧力が高くなり、反対に土圧が低く
なれば、扁平ジャッキを押圧する荷重が小さくなって上
記液体の圧力が低くなる。そこで、扁平ジャッキ内に送
り込まれた液体の圧力を、圧力計により測定すれば、上
記土圧を測定出来る。

【００１７】扁平ジャッキの重量は、給液管、逆止弁、
圧力取り出し管、圧力計を含んでも、従来の土圧計の重
量に比べて遥かに軽い為、足場の悪い場所での作業を容
易に、且つ安全に行なえる。

【００１８】

【実施例】図１〜３は本発明の実施例を示している。ビ
ルディングの地下室、或は地下鉄のトンネル等を構成す
る為、地面に掘削された大きな穴１６の内側面から斜め
下方に向けて長尺な（数ｍ乃至数十ｍ）小孔１７を、ボ
ーリング作業により形成し、この小孔１７にケーブル１
２、１２を挿入してから、この小孔１７内にモルタルを
充填し、各ケーブル１２、１２を土中に固定している。

【００１９】各ケーブル１２、１２の端部で、上記小孔
１７から突出した部分は、支え壁１（２）に形成した小
孔１８から上記穴１６内に突出し、支え壁１（２）を補
強する為の梁材１９、１９の間から、更に上記穴１６内
に突出している。この梁材１９、１９には台座２０が支
持されている。この台座２０は、上記各ケーブル１２、
１２と直交する内側面２０ａと、各ケーブル１２、１２
を挿通する貫通孔とを有する。

【００２０】そして、この貫通孔の内側を挿通された各
ケーブル１２、１２は更に、鋼板等十分な剛性を有する
金属材により枠状に造られた第一の板材２１、後述する
扁平ジャッキ本体２２、第一の板材２１と同様の第二の
板材２３、座板２４、２５に挿通している。そして、座
板２５から突出した、各ケーブル１２、１２の端部を、
図示しないプリロードジャッキ等の引っ張り装置によっ
て引っ張った状態で、上記ケーブル１２、１２端部に形
成した雄螺子と螺合したナット（図示省略）を緊締し、
上記扁平ジャッキ本体２２を、上記第一、第二の板材２
１、２３同士の間で強く挟持している。

【００２１】上記扁平ジャッキ本体２２は、図２〜３に
示す様に、例えば厚さが０．８mm程度のステンレス鋼板
等、弾性変形自在な１対の金属板２６、２６を重ね合わ
せて、互いの周縁部同士を液密に接合して成る。図示の
実施例では、上記扁平ジャッキ本体２２を次の様に構成
している。上記１対の金属板２６、２６は中心部に円孔
３５、３５を有し、各金属板２６、２６の内周縁を全体
を円形とした丸棒２７に、外周縁を全体を正方形とした
丸棒２８に、それぞれ液密に溶接している。この状態で
上記１対の金属板２６、２６同士の間には、液体を充填
自在な空間２９が形成される。

【００２２】上述の様に構成される扁平ジャッキ本体２
２の一部には、上記外周縁側の丸棒２８を液密に貫通し
た状態で給液管３０を設け、この給液管３０の一端を、
上記空間２９内に通じさせている。又、この給液管３０
の他端は、圧油ポンプ等、図示しない圧力液体供給装置
に接合自在としている。上記給液管３０の端部には逆止
弁３１を、この給液管３０に対して直列に接続してい
る。この逆止弁３１は、上記圧力液体供給装置から上記
扁平ジャッキ本体２２の空間２９に向けてのみ、液体を
流す機能を有する。

【００２３】更に、上記扁平ジャッキ本体２２の一部に
は、上記外周縁側の丸棒２８を液密に貫通した状態で圧
力取り出し管３２の一端を接続し、この圧力取り出し管
３２の他端に、ブルドン管式の圧力計３３を接続して、
上記扁平ジャッキ本体２２の空間２９内の圧力を測定自
在としている。

【００２４】尚、上述の様に構成される扁平ジャッキ本
体２２を、前述の様に第一、第二の板材２１、２３同士
の間で強く挟持する場合、前記各ケーブル１２、１２の
端部を引っ張り装置により引っ張った状態で、各ケーブ
ル１２、１２端部の雄螺子部に螺合したナットを緊締す
る他、扁平ジャッキ本体２２の膨張量を十分に確保出来
るならば、上記引っ張り装置による引っ張り作業を省略
し、扁平ジャッキ本体２２を膨張させる事で、上記ケー
ブル１２、１２を引っ張ると同時に、この扁平ジャッキ
本体２２に圧縮方向の力を加える事も出来る。

【００２５】何れの方法により、前記第一、第二の板材
２１、２３同士の間で扁平ジャッキ本体２２を強く挟持
する場合でも、最終行程では前記給液管３０を通じて扁
平ジャッキ本体２２の空間２９内に、所定圧力の液体を
送り込み、この扁平ジャッキ本体２２を膨張させてお
く。圧力液体送り込みの後、逆止弁３１のハウジングの
開口端には盲栓３４を被着して、給液管３０から圧力液
体が漏洩するのを確実に防止する。

【００２６】この状態で、測定すべき土圧が扁平ジャッ
キ本体２２の厚さ方向に加えられるが、扁平ジャッキ本
体２２内に封入された液体の圧力は、この土圧に比例し
て変化する。即ち、土圧が高くなれば、扁平ジャッキ本
体２２を押圧する荷重が大きくなって上記液体の圧力が
高くなり、反対に土圧が低くなれば、扁平ジャッキ本体
２２を押圧する荷重が小さくなって上記液体の圧力が低
くなる。そこで、扁平ジャッキ本体２２内に封入された
液体の圧力を、圧力計３３により測定すれば、上記土圧
を測定出来る。

【００２７】扁平ジャッキの重量は、扁平ジャッキ本体
２２、給液管３０、逆止弁３１、圧力取り出し管３２、
圧力計３３を含んでも、従来の土圧計の重量に比べて遥
かに軽い為、足場の悪い場所での作業を容易に、且つ安
全に行なえる。

【００２８】尚、図５〜６に示した従来構造に於いて、
土圧計８に代えて扁平ジャッキ本体２２を、梁６を構成
する１対のＨ型鋼９ａ、９ｂの端部同士の間に挟持し
て、この梁６に加わる土圧を測定する事も出来る。この
場合、扁平ジャッキ本体２２の中心部に穴を設ける必要
はない。

【００２９】

【発明の効果】本発明の土圧の測定方法と測定装置は、
以上に述べた通り構成され作用するが、足場の悪い建築
現場で重量の嵩む土圧計を運んだり、設置したりする作
業が不要となって、作業員の負担軽減、安全性向上等、
労働環境の改善を図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す縦断側面図。

【図２】扁平ジャッキを示す平面図。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図。

【図４】土圧測定を行なう掘削工事現場を示す鳥瞰図。

【図５】図４のＢ部を上方から見た図。

【図６】図５のＣ−Ｃ断面図。

【図７】土圧を測定する方法の別例を示す断面図。

【符号の説明】

１、２支え壁３鋼矢板４Ｈ型鋼５木板６梁７ジャッキ８土圧計９ａ、９ｂＨ型鋼１０接続筒１１表示部１２ケーブル１３ナット１４台座１５抑え板１６穴１７、１８小孔１９梁材２０台座２０ａ内側面２１第一の板材２２扁平ジャッキ本体２３第二の板材２４、２５座板２６金属板２７、２８丸棒２９空間３０給液管３１逆止弁３２圧力取り出し管３３圧力計３４盲栓３５円孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】それぞれが十分な剛性を有する１対の板
材の間に、内部に液体を送り込む事で膨張する扁平ジャ
ッキを挟持し、上記１対の板材同士の間隔を縮める方向
に土圧を加えて、この１対の板材同士の間で上記扁平ジ
ャッキを強く挟持すると共に、この扁平ジャッキの内部
に送り込まれた液体の圧力を測定する事で上記土圧を求
める、土圧の測定方法。
【請求項２】弾性変形自在な１対の金属板を重ね合わ
せて、互いの周縁部同士を液密に接合して成る扁平ジャ
ッキ本体と、一端をこの扁平ジャッキ本体内に通じさ
せ、他端を圧力液体供給装置に接合自在とした給液管
と、この給液管に直列に接続され、上記圧力液体供給装
置から上記扁平ジャッキ本体に向けてのみ液体を流す逆
止弁と、上記扁平ジャッキ本体にその一端を接続した圧
力取り出し管と、この圧力取り出し管の他端に接続され
て、上記扁平ジャッキ本体内の圧力を測定する圧力計と
を備えた土圧の測定装置。