JPH0657956U - サイドカバーの開閉構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 最近の油圧ショベルのモデルでは上部旋回体
が丸形となり、したがって外周面が外側へ向けてふくら
むような曲面をそなえたサイドカバーを左右の上下方向
に開閉する構造が、種々勘案されている。しかし曲面を
そなえているサイドカバーを開き開始する操作がうまく
いかなかった。この問題点を解決する。 ［構成］ 本考案では、サイドカバーと、上部旋回体の
内部側に固定しているステー部材とを、内側リンクレバ
ー，外側リンクレバーをそなえた連結リンクを介して連
結し、また上記内側リンクレバーの内側下面に相対する
ステー部材にストッパを固設し、サイドカバーを閉じて
いる状態のとき上記ストッパの当接面と、内側リンクレ
バーの内側下面との間に若干の隙間をもたせるように設
定して、構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として油圧ショベルなど建設機械，作業車両の車体側面部に装備 しているサイドカバーの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６は、従来技術のサイドカバー１を装備した油圧ショベルの要部斜視図であ る。図において、２は油圧ショベルの下部走行体、３は上部旋回体、４は上部旋 回体３の側面部にサイドカバー１を連結しているヒンジ、５はエンジン、６はカ ウンタウエイトである。図６に示すように従来技術のサイドカバー１は、上部旋 回体（３）内部のメンテナンスを行うために、左右の前後方向に開閉できるよう にヒンジ４を介して取付けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来より、油圧ショベルの上部旋回体の側面部の側面部外周面は、略平面形状 のものが多い。しかし最近の油圧ショベルのモデルでは、上部旋回体が丸形とな り、したがって外周面が外側へ向けてふくらむような曲面をそなえたサイドカバ ーを左右の上下方向に開閉する構造が、種々勘案されている。しかし、曲面をそ なえているサイドカバーを開き開始する操作がうまくいかなかった。本考案は、 上記の問題点を解決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のサイドカバーの開閉構造は、上部旋回体側面部の外周面の形状が外側 へ向けてふくらむような曲面に形成され、その側面部に連結リンクを介して、左 右の上下方向に開閉できるように設けられているサイドカバーの開閉構造であっ て、サイドカバーの内面側上部にカバー用ブラケットを、また上部旋回体の内部 側に固定しているステー部材に車体側ブラケットをそれぞれ固定して取付け、ま たカバー側ブラケットと車体側ブラケットのそれぞれ内側端部と内側端部を、ま たカバー側ブラケットと車体側ブラケットのそれぞれ外側端部と外側端部を、内 側リンクレバー，外側リンクレバーをそれぞれ介して連結し、また上記内側リン クレバーの内側下面に相対するステー部材にストッパを固設し、サイドカバーを 閉じている状態のとき上記ストッパの当接面と、内側リンクレバーの内側下面と の間に若干の隙間をもたせるように設定し、サイドカバーの開き操作開始時にス トッパの当接面に対して内側リンクレバーの内側下面が当接することにより、連 結リンクの内側に傾動する動作を制限するようにした。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案のサ イドカバー７を装備している油圧ショベルの要部側面図である。図において、８ は上部旋回体、９，９’は上部旋回体８の車体側とサイドカバー７とを連結して いる前後一対の連結リンク、１０はサイドカバー７に設けている把手部、１１は カウンタウエイトである。図２は、サイドカバー７を後方側より見た一部切欠き 後面図である。図３は、図２のＡ部詳細図である。図において、１２は上部旋回 体８の内部に固定されているステー部材、１３はステー部材１２に固設したスト ッパ、１４はサイドカバー７の内面側上部に固定して設けられている取付座金具 、１５はカバー側ブラケット、１６は車体側ブラケット、１７は内側リンクレバ ー、１８は外側リンクレバー、１９，２０，２１，２２はそれぞれ結合用のピン 、２３．２４はそれぞれ取付用のボルトである。図４は、図３における連結リン ク９及びストッパ１３をＢより見た図である。

【０００６】 次に、本考案のサイドカバー７の開閉構造を図１〜図４について述べる。なお 図１に示すようにサイドカバー７は前後一対の連結リンク９，９’によって上部 旋回体８の車体側に対し連結しているが、連結リンク９と９’は構造的に同じで あるので、連結リンク９を代表として実施例を説明する。本考案では、サイドカ バー７の内面側上部にカバー側ブラケット１５を、また上部旋回体８の内部側に 固定しているステー部材１２に車体側ブラケット１６をそれぞれボルト（２３， ２４）締付により固定して取付け、またカバー側ブラケット１５の内側端部と、 車体側ブラケット１６の内側端部を内側リンクレバー１７を介して連結し、また カバー側ブラケット１５の外側端部と、車体側ブラケット１６の外側端部を外側 リンクレバー１８を介して連結し、また上記内側リンクレバー１７の内側下面２ ５に相対するステー部材１２にストッパ１３を固設し、サイドカバー７を閉じて いる状態のとき上記ストッパ１３の当接面２６と、内側リンクレバー１７の内側 下面２５との間に若干の隙間（図３に示す寸法Ｓの隙間）をもたせるように設定 し、サイドカバー７の開き操作開始時にストッパ１３の当接面２６に対して内側 リンクレバー１７の内側下面２５が当接するこよにより、連結リンク９の内側に 傾動する動作を制限するようにした。

【０００７】 次に、本考案のサイドカバー７の開閉構造の作用について述べる。図５は、本 考案における連結リンク９に対して、またストッパ（１３）を取付けていない状 態を後方より見た図である。図５に示すようにストッパ（１３）を取付けていな い状態でサイドカバー７を矢印イのように開き始めると、連結リンク９が内側へ 回動して、内側リンクレバー１７の上部、又はカバー側ブラケット１５の内側先 端部がステー部材１２のａ部に当接することがある。また、サイドカバー７の上 部先端２７が、上部旋回体８のガード２８の角部ｂに当接したりする。上記当接 によりサイドカバー７がスムーズに開かれないばかりでなく、上記当接部分ａ， ｂはかじり損傷をおこしてしまう。しかし図３に示すようにストッパ１３をステ ー部材１２に固設しておけば、サイドカバー７を開き始めたとき、内側リンクレ バー１７の内側下面２５がストッパ１３の当接面２６に面接触する。したがって その面接触した部分には、かじり現象が発生しない。そして連結リンク９は、そ れ以上内側に傾動することはない。すなわち、内側リンクレバー１７の上部、又 はカバー側ブラケット１５のステー部材１２に当接したり、あるいはまた、サイ ドカバー７の上部先端２７が上部旋回体８のガード（２８）角部に当接する不具 合は発生しない。したがって図２に示すように、サイドカバー７を矢印ロ，ハの 方向にスムーズに開くことができる。

【０００８】

【考案の効果】 最近の油圧ショベルのモデルでは、上部旋回体が丸形となり、したがって外周 面が外側へ向けてふくらむような曲面をそなえたサイドカバーを左右の上下方向 に開閉する構造が、種々勘案されている。しかし、曲面をそなえているサイドカ バーを開き開始する操作がうまくいかなかった。本考案では、サイドカバーと、 上部旋回体の内部側に固定しているステー部材とを、内側リンクレバー，外側リ ンクレバーをそなえた連結リンクを介して連結し、また上記内側リンクレバーの 内側下面に相対するステー部材にストッパを固設し、サイドカバーを閉じている 状態のとき上記ストッパの当接面と、内側リンクレバーの内側下面との間に若干 の隙間をもたせるように設定して、構成した。それによりサイドカバーの把手部 を持って開き操作を始めたとき、内側リンクレバーの内側下面がストッパの当接 面に面接触する。したがってその面接触した部分には、かじり現象が発生しない 。そして連結リンクは、それ以上内側に傾動することはない。すなわち、内側リ ンクレバーの上部、又はカバー側ブラケットのステー部材に当接したり、あるい はまた、サイドカバーの上部先端が上部旋回体のガード角部に当接する不具合は 発生しない。したがって、サイドカバーを左右の上下方向にスムーズに開き操作 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のサイドカバーを装備している油圧ショ
ベルの要部側面図である。

【図２】本考案のサイドカバーを後方側より見た一部切
欠き後面図である。

【図３】図２のＡ部詳細図である。

【図４】図３における連結リンク及びストッパをＢより
見た図である。

【図５】本考案における連結リンクに対してまだストッ
パを取付けていない状態を後方より見た図である。

【図６】従来技術のサイドカバーを装備した油圧ショベ
ルの要部斜視図である。

【符号の説明】

１，７ サイドカバー ３，８ 上部旋回体 ９，９’ 連結リンク １０ 把手部 １２ ステー部材 １３ ストッパ １５ カバー側ブラケット １６ 車体側ブラケット １７ 内側リンクレバー １８ 外側リンクレバー ２５ 内側下面 ２６ 当接面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部旋回体側面部の外周面の形状が外側
   へ向けてふくらむような曲面に形成され、その側面部に
   連結リンクを介して、左右の上下方向に開閉できるよう
   に設けられているサイドカバーの開閉構造であって、サ
   イドカバーの内面側上部にカバー用ブラケットを、また
   上部旋回体の内部側に固定しているステー部材に車体側
   ブラケットをそれぞれ固定して取付け、またカバー側ブ
   ラケットと車体側ブラケットのそれぞれ内側端部と内側
   端部を、またカバー側ブラケットと車体側ブラケットの
   それぞれ外側端部と外側端部を、内側リンクレバー，外
   側リンクレバーをそれぞれ介して連結し、また上記内側
   リンクレバーの内側下面に相対するステー部材にストッ
   パを固設し、サイドカバーを閉じている状態のとき上記
   ストッパの当接面と、内側リンクレバーの内側下面との
   間に若干の隙間をもたせるように設定し、サイドカバー
   の開き操作開始時にストッパの当接面に対して内側リン
   クレバーの内側下面が当接することにより、連結リンク
   の内側に傾動する動作を制限するようにしたことを特徴
   とするサイドカバーの開閉構造。