JPH0657725U - 車両用自動調光機能を備えたヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 情報表示を最適輝度で表示させることができ
るヘッドアップディスプレイ装置を提供する。 【構成】 外部光を光センサ１１へ導く導光体１４を筒
形状とし、その内表面を鏡面処理することにより、導光
体に外部光が斜めに入射した場合においても、導光体内
表面での反射による外部光の損失がなく、外部光を効率
よく光センサへ供給できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は特に車両用であって自動調光機能を備えたヘッドアップディスプレ イ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の車両用自動調光機能を備えたヘッドアップディスプレイ装置と しては、例えば図１及び図２に示すようなものがある。これは、運転席前方に設 けられているインストルメントパネル１の内部に、上面に開口部２を有する本体 ケース３を設備すると共に、この本体ケース３の内部には蛍光表示管による副表 示器４と、この副表示器４からの表示像を反射させる平面鏡５を配置し、さらに 上記開口部２には、本体ケース３内へ塵埃が侵入されることを防止するための透 明カバー６が設けられたプロジェクタ１６が形成されている。

【０００３】 またそのインストルメントパネル１の上方に位置されるフロントガラス７の内 側面にはハーフミラーとなる透光性反射板（コンバイナ）８を設けて、副表示器 ４の表示像を平面鏡５及び透光性反射板８で反射させて、その透光性反射板８に よって、車両前方の光景と共に表示器４による表示像を読み取ることができるよ うになっている。

【０００４】 又表示部分の背景の明るさの変化によって、たとえば明るく眩しすぎる、暗く て見えない、夕方２重像で見にくい等、プロジェクタ１６による表示自体を視認 することが困難とならないように、デフロスタガーニッシュ１３部に配置された 光センサ１１を使用して外部光の明るさを検出し、その検出出力に応じて表示輝 度と外部光の比を一定に保つように自動調光されるように構成されている。

【０００５】 なお９はインストルメントパネル１の内部に設備されていて、車速エンジン回 転数等を表示する例えばアナログ式、又はデジタル式の主表示器、１５はこの主 表示器９及び前記副表示器４を駆動するための表示コントローラ、１７は上記副 表示器及び主表示器４，９を駆動するセンサ、１０は光センサ駆動回路なお１２ はヘッドアップディスプレイフニッシャを示す。

【０００６】 しかしながら、このような従来の車両用自動調光機能を備えたヘッドアップデ ィスプレイ装置にあっては、その自動調光機能を備えたヘッドアップディスプレ イ装置に使用する光センサ１１は、昼間でも外部光の明暗により表示輝度を変え なければならないことから、精度の高い測光が必要となり、これによって、回路 が複雑である光センサ駆動回路１０を使用するか、あるいは価格の高い高精度の ヘッドアップディスプレイ用光センサ１１を使用しなければならない。

【０００７】 ところが、従来の自動調光機能を備えたヘッドアップディスプレイ装置にあっ ては、その光センサ１１が、インストルメントパネル１の上面に取付けられてい る例えばデフロスタガーニッシュ１３の表面部に取付けられていて外光を受けや すい位置に配置されていることから、その光センサが直射光を受けやすいもので あり、この光センサ１１は外光熱等による温度変化により特性が変化しやすく、 そのため温度変化により、外光測定精度が低下するという不具合があった。

【０００８】 また従来においては、インストルメントパネル内にプロジェクタ１６と別に光 センサ１１を設備していることから、それらプロジェクタ１６及び光センサ１１ の設備作業及び回路接続作業に手間がかかり、組立作業性及び経済性が悪いとい った不具合もあった。

【０００９】 そこでこれらの不具合を解消せしめるために本願出願人は、図３に示すように 、ヘッドアップディスプレイ装置のプロジェクタの下部に光センサを一体に装着 すると共に、この光センサに外光を受光せしめるための導光体を使用し、さらに この導光体の受光端部構造は、図４に示すように、その導光体（１４′）の外部 光受光端部形状を、平面ではだ円形又は円形であって、側面では台形状となした 導光体を使用して、光センサの外光熱による特性変化を防止し、精度の高い光セ ンサを維持することができるヘッドアップディスプレイ装置について、先に出願 を済ませている。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこのような従来の車両用自動調光機能を備えたヘッドアップディ スプレイ装置にあっては、図４に示す如く外部光を取り入れる透明なアクリル樹 脂等により成形された柱状導光体１４′受光部へ斜めから外部光が入射した場合 、上部から外部光が入射する場合に対し、有効入射断面積は小さく、外部光の入 射量が減り効率が悪くなり、さらに斜めに入射した外部光は前記導光体側面への 入射角が小さくなるためアクリル樹脂等により成形された導光体１４′の側面で 、多くの反射を繰返しながら光センサ１１に向かうため、側面の反射による損失 が大きく、外部光が弱くなり正確な外部光を得ることができず、外部の明るさに 対し最適表示輝度で、情報表示できないという問題があった。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案はこのような従来の問題点に着目してなされたもので、外部光を光セン サ１１へ導く導光体を筒形状とし、その内表面を鏡面処理することにより、導光 体に外部光が斜め入射した場合においても、導光体内表面での反射による外部光 の損失がなく、外部光を効率よく光センサ１１へ供給でき、情報表示を最適輝度 で表示させることができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することにある 。

【００１２】

【実施例】

以下に本考案を図５乃至図７に示す実施例に基いて詳細に説明するが、本実施 例の構造と従来例で説明した構造との同一部分は、従来例で説明した符号を付し てその同一構造部分の説明は省略する。

【００１３】 すなわち、光センサ１１と光センサ駆動回路１０が一体化された光センサユニ ットをプロジェクタ１６の本体ケース３下部に配置し、取付け部材を介してプロ ジェクタ１６と一体に装備し、又本体ケース３下部に配置された光センサ１１に 外部光を受光せしめるための手段として受光端がインストルメントパネル１に取 り付けられたフィニシャの表面より若干突設される導光体１４′を用いて外部光 を光センサ１１に受光させている。この導光体１４′は筒形状に形成され、その 筒形状導光体１４′の内表面は、メッキ、スパッタリングフィルム貼着等により 、鏡面処理（１９）が施されている。又導光体１４′の外部光受光部先端には、 だ円形状で表面が表面反射防止のため梨地処理を施した透明な耐熱アクリル材か らなる台形状キャップ１８が装着され、塵埃等が侵入されることを防止している 。

【００１４】 以上が本実施例の構造であるが、次にその作用について述べると、図５におい て、蛍光表示管による表示器４により発せられた表示光は代表光路ｂを通り、平 面鏡５にて光路を曲げられ、代表光路ａを通る。代表光路ａを通った表示光は、 フロントガラス７の内面の一点Ｐに入射し、透光性反射板８で反射させてその透 光性反射板８で車両前方の光景と共に表示器４による表示像を読取ることができ る。

【００１５】 又前記表示器４による表示像の視認が困難とならない様にヘッドアップディス プレイフィニシャ１２表面より、若干突出した導光体１４′の受光端部より外部 光を取り入れ、プロジェクタ１６下部に装備された光センサ１１へ前記外部光を 導き、外部光の明るさを検出し、この光センサ１１による検知信号で表示コント ローラ１５を駆動して検出出力に応じて表示輝度と外部光の比を一定に保つよう に表示器４の自動調光制御を行なっているものである。

【００１６】 また外部光が筒形状に形成された導光体１４′の外部光受光部に取り付けた台 形状キャップ１８部より導光体１４′内筒へ斜めに入射した場合、導光体内筒表 面に鏡面処理（１９）が施されているため、内筒表面への外部光の入射角が小さ く、反射回数が多い場合でも、内筒表面での反射による損失がないため、導光体 入射時の外部光を損失なく光センサ１１へ導くことができ、これにより情報表示 を最適輝度で行なえるので表示の視認性の向上がはかれる。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案は、文字、図形等の情報表示を車両のフロントガラス７又 はフロントガラス手前に設けた透光性反射板８で反射させ、前記フロントガラス 前方に虚像表示画像を投影するプロジェクタ１６をインストルメントパネル１内 に備え、外界の景色と重ね合せて前記情報を表示するとともに、外部光の明るさ を光センサ１１にて検出し、該検出信号を表示コントローラ１５に入力し表示輝 度を外部光の比を一定に制御する自動調光機能を備えたヘッドアップディスプレ イ装置において、前記光センサ１１を前記プロジェクタ下部に設けるとともに、 外部光を前記光センサ１１まで導く導光体１４′を前記光センサ１１上部に立設 し、また前記導光体１４′とを筒形状とし、その内表面を鏡面処理１９している ため、外部光が導光体受光部のキャップ１８部に斜めに入射した場合においても 、導光体１４′内表面での反射による損失がないため、導光体入射時の外部光を 損失なく光センサ１１へ導くことができ、情報表示を最適輝度で行なえ、視認性 の向上がはかれるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例のヘッドアップディスプレイ装置の構造
説明図。

【図２】従来例のインストルメントパネル部の外部構造
説明図。

【図３】先行例のヘッドアップディスプレイ装置の構造
説明図。

【図４】先行例の外部光の導光体透過説明図。

【図５】本考案実施例のヘッドアップディスプレイ装置
の構造説明図。

【図６】本考案実施例のインストルメントパネル部の外
部構造説明図。

【図７】本考案実施例の導光体断面説明図。

【符号の説明】

１…インストルメントパネル ２…開口部 ３…本体ケース ４…副表示器 ５…平面鏡 ６…透明カバー ７…フロントガラス ８…透光性反射板 ９…主表示器 １０…光センサ駆
動回路 １１…光センサ １２…ディスプレ
イフィニシャ １３…デフロスタガーニッシュ １４′…導光体 １５…表示コントローラ １６…プロジェク
タ １７…センサ １８…台形状キャ
ップ １９…鏡面処理

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 文字、図形等の情報表示を車両のフロン
   トガラス（７）又はフロントガラス手前に設けた透光性
   反射板（８）で反射させ前記フロントガラス前方に虚像
   表示画像を投影するプロジェクタ（１６）をインストル
   メントパネル（１）内に備え外界の景色と重ね合せて表
   示するとともに、外部光の明るさを光センサ（１１）に
   て検出し、該検出信号を表示コントローラ（１５）に入
   力し、表示輝度を外部光に応じて制御する自動調光機能
   を備えたヘッドアップディスプレイ装置において、前記
   光センサ（１１）を前記プロジェクタ（１６）下部に設
   けるとともに、外部光を前記光センサまで導く内面を鏡
   面処理（１９）した筒形状導光体（１４′）を前記光セ
   ンサ（１１）上部に立設せしめたことを特徴とする自動
   調光機能を備えたヘッドアップディスプレイ装置。