JPH0657465B2 - シ−ト送り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は記録部や読取り部においてシートをバックアッ
プするプラテンを兼ねたシート送り装置に関する。

〔従来の技術〕

プリンタやフアクシミリなどの記録装置あるいは画像読
取り装置にあっては、記録部あるいは読取り部でシート
（用紙あるいは原稿などの記録媒体）をバックアップす
るとともに所定ピッチで搬送する手段すなわちプラテン
兼用のシート送り装置が使用されている。

この種のシート送り装置として円形断面のゴムローラ
（プラテンローラ）が広く使用されているが、このプラ
テンローラではフラットな記録面または読取り面を得る
ことができず、印字品質を充分に確保したり正確に読取
りすることが難しいという問題がある。

一方、プラテンとして、平行に設置した２本のローラに
よってフラットな記録面または読取り面を形成するもの
が実施されているが、この構造では２本のローラを使用
するため構造の大型化およびコスト高になるという問題
がある。

そこで、１本のローラでシート送りするとともにフラッ
トな記録面または読取り面が得られ、かつペーパーベイ
ル機構を省略しうるシート送り装置が同一人の出願に係
る特願昭５９−２４４０４５号等において提案されてい
る。

このシート送り装置は、軸方向に間欠的に欠除した回転
体（ローラやトラックなど）と、各欠除部に配置された
プラテンブロックとを備え、ヘッドのすぐ手前でシート
押えばね板を前記回転体に圧接することにより、記録的
または読取り部でのシートのバタツキを防止するととも
にピンチローラを通過した後でもシートに送り力を付与
するよう構成されている。

ところで、従来のこの種のシート送り装置にあっては、
前記シート押えばね板としてシート巾方向（シート送り
装置の軸方向）全体にわたって同一高さで一様断面のば
ね板を使用し、このばね板を一様断面の止め板を介して
装置本体に組付ける構造が採用されていた。

しかし、回転体（シート送りローラ）とプラテン部とを
交互に配列した型式のシート送り装置に上記のような一
様断面のはね板および止め板を使用した従来のシート送
り装置では、ばね圧接力がシート巾方向に一様であり、
このため、確実なシート送りのため高い圧接力が望まれ
る回転体の領域では充分な圧接力を確保することが難し
く、かつシート送り時の抵抗となるプラテンブロックの
領域での圧接力は充分に減少させることが難しいという
問題があった。

〔目的〕

本発明の目的は、このような従来技術の問題を解決で
き、シート送り力を充分な大きさに維持できるととも
に、プラテンブロックの抵抗を充分小さな値に低減しう
る上記型式のシート送り装置を提供することである。

〔目的達成のための手段〕

本発明は、軸と軸方向に間欠的に欠除されたローラ部と
から成る回転体と各欠除部に配置されたプラテンブロッ
クとを備え、シート押えばね板を前記ローラ部に圧接す
ることによりシート送り力を得るシート送り装置におい
て、シート送り方向の長さが前記ローラ部の範囲では長
く前記プラテンブロックの範囲では短く形成されたくし
歯状の止め板を用意し、前記シート押えばね板の前記ロ
ーラ部に対応する部分を前記止め板の長い部分に取付
け、該シート押えばね板の前記プラテンブロックに対応
する部分を前記止め板の短い部分に取付けることによ
り、該シート押えばね板を、前記ローラ部に対してはば
ね定数を高めた状態で、前記プラテンブロックに対して
はばね定数を低くした状態で圧接させる構成とすること
により、上記目的を達成するものである。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明を具体的に説明する。

第１図は本発明の一実施例によるシート送り装置の分解
斜視図であり、第２図および第３図は第１図中の回転体
部分およびプラテンブロック部分での縦断面図である。

第１図〜第３図において、シート送り用の回転体（ロー
ラ）１は軸２と軸方向に間欠的に欠除されたローラ部３
とで構成され、該回転体１の各欠除部にはシートをバッ
クアップするプラテンブロック４が配置されている。

前記各ローラ部３は例えば所定硬度のゴムで形成され、
それぞれ軸２に固定されている。

また、該軸２の端部にはドリブンギヤ５が固定され、パ
ルスモーター等の駆動源により矢印方向（シート送り方
向）に駆動される。

前記各プラテンブロック４は共通のホルダー６に取付け
られている。図示の例では、各プラテンブロック４に設
けたピン７、７をホルダー６の孔８、８に嵌合させると
ともにねじ９を他の孔１０を通してプラテンブロック４
のねじ孔１１にねじ込み締結することにより、各プラテ
ンブロック４が、ホルダー６に取付けられている。

一方、装置本体１２には、前記ホルダー６の両側に締結
されこれを支持する一対の支持部材１３、１３が固定さ
れている。

各支持部材１３、１３は係合孔１４をピン１５を係合さ
せ、ねじ１６で装置本体１２に固定されている。

前記ホルダー６はその両端部に形成さた孔１７およびね
じ１８により前記一対の支持部材１３、１３に取付けら
れている。

各プラテンブロック４の前面には、第２図および第３図
に示すごとく回転体３の周面の接線に整合するシート案
内面１９が形成されている。

また、第２図および第３図には、回転体１（ローラ部
３）によって矢印方向に搬送されるシート（記録用のシ
ートおよび画像を読取る原稿を含む）２０、回転体１の
周面に沿って設けられたシートガイド２１および一対の
ピンチローラ２２、２２から成るシート案内手段、並び
に通常キャリジに搭載されてシート２０の巾方向に駆動
されるヘッド（記録ヘッドまたは画像読取りヘッド）２
３が示されている。

前記回転体および各プラテンブロック４のヘッド２３よ
り少し手前（図示の場合は下側）にはシート押えばね板
２４が圧接されている。

このシート押えばね板２４は、回転体１（ローラ部３）
との間の圧接力によってシート送り力を発生させるとと
もに、ヘッド２３部でのシート２０のバタツキを防止す
るためのものであり、止め板２５によって装置本体１２
側に取付けられている。

前記シート押えばね板２４は、この基部を前記止め板２
５にビス等で固着し、該止め板２５を装置本体１２に取
付けることにより所定の圧接力を生じるよう所定位置に
保持されている。

然して、前記止め板２５のシート送り方向の長さ（高
さ）は、図示のごとく、回転体１（各ローラ部３）の範
囲で大きく各プラテンブロック４の範囲で小さく選定さ
れ、全体としてくし歯状に形成されている。

すなわち、前記シート押えばね板２４に添着される止め
板２５をくし歯状に形成することにより、シート押えば
ね板２４の自由長さが回転体１（各ローラ部３）に接触
する部分では小さく各プラテンブロック４に接触する部
分では多くなるように構成し、これによって、シート押
えばね板２４は、回転体１に対してはばね定数を高めた
状態で、プラテンブロック４に対してはばね定数を低減
した状態で、それぞれに圧接されている。

前記シート押えばね板２４のシート巾方向（横方向）の
所定間隔の複数位置にスリット２６が形成されている。
各スリット２６はばね板２４の先端（自由端）に開放し
基部（取付け側）で閉じるようシート送り方向に延びて
いる。

また、図示の例では、各スリット２６は回転体１（各ロ
ーラ部３）と各プラテンブロック４の境界部分に形成さ
れている。

以上説明した実施例によれば、シート押えばね板２４を
くし歯状の止め板２５に取付けることにより、回転体１
（各ローラ部３）に対してはばね定数を高めた状態で圧
接させ、各プラテンブロック４に対してはばね定数を低
減した状態で圧接させたので、回転体１によるシート２
０の搬送力を高めて確実なシート送りを実現しうると同
時に、プラテンブロック４とシート２０との圧接力に基
くシート送り時の抵抗を軽減することができ、円滑な効
率のよいシート送り動作を得ることが可能になった。

また、シート押えばね板２４のシート巾方向の所定間隔
の複数位置にスリット２６を形成したので、回転体１の
周面とプラテンブロック４の案内面１９との間に組付け
誤差が生じ同一接平面を共有しない場合でも、回転体１
の各ローラ部３に対する圧接力を確保することが可能に
なり、各ローラ部３での圧接不良を解消することができ
た。

特に、スリット２６の位置を図示のように各ローラ部３
と各プラテンブロック４との境界部分に対応させること
により、各ローラ部３へのばね板２４の圧接力をより一
層均一化することができた。

〔効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、軸と
軸方向に間欠的に欠除されたローラ部とから成る回転体
と各欠除部に配置されたプラテンブロックとを備え、シ
ート押えばね板を前記ローラ部に圧接することによりシ
ート送り力を得るシート送り装置において、シート送り
方向の長さが前記ローラ部の範囲では長く前記プラテン
ブロックの範囲では短く形成されたくし歯状の止め板を
用意し、前記シート押えばね板の前記ローラ部に対応す
る部分を前記止め板の長い部分に取付け、該シート押え
ばね板の前記プラテンブロックに対応する部分を前記止
め板の短い部分に取付けることにより、該シート押えば
ね板を、前記ローラ部に対してはばね定数を高めた状態
で、前記プラテンブロックに対してはばね定数を低くし
た状態で圧接させる構成としたので、シート送り力を充
分大きく確保できるとともにプラテンブロックでのシー
ト送り抵抗を低減することができる、ローラ部およびプ
ラテンブロックを交互に配置する型式のシート送り装置
が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるシート送り装置の分解
斜視図、第２図は第１図中の送りローラ部での縦断面
図、第３図は第１図中のプラテンブロック部での縦断面
図である。 １……回転体、３……ローラ部、４……プラテンブロッ
ク、２０……シート、２４……シート押えばね板、２５
……止め板、２６……スリット。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軸と軸方向に間欠的に欠除されたローラ部
   とから成る回転体と各欠除部に配置されたプラテンブロ
   ックとを備え、シート押えばね板を前記ローラ部に圧接
   することによりシート送り力を得るシート送り装置にお
   いて、シート送り方向の長さが前記ローラ部の範囲では
   長く前記プラテンブロックの範囲では短く形成されたく
   し歯状の止め板を用意し、前記シート押えばね板の前記
   ローラ部に対応する部分を前記止め板の長い部分に取付
   け、該シート押えばね板の前記プラテンブロックに対応
   する部分を前記止め板の短い部分に取付けることによ
   り、該シート押えばね板を、前記ローラ部に対してはば
   ね定数を高めた状態で、前記プラテンブロックに対して
   はばね定数を低くした状態で圧接させることを特徴とす
   るシート送り装置。
2. 【請求項２】前記シート押えばね板の前記ローラ部と前
   記プラテンブロックとの境界に対応する位置にシート送
   り方向に延びるスリットを形成することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載のシート送り装置。