JPH0657247B2 - コ−テイング方法 - Google Patents

コ−テイング方法

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JPH0657247B2
JPH0657247B2 JP60146840A JP14684085A JPH0657247B2 JP H0657247 B2 JPH0657247 B2 JP H0657247B2 JP 60146840 A JP60146840 A JP 60146840A JP 14684085 A JP14684085 A JP 14684085A JP H0657247 B2 JPH0657247 B2 JP H0657247B2
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JP
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coating
solvent
polymer
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tetrahydrofuran
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JP60146840A
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一郎 板垣
昭二 長岡
森  有一
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医療基材に抗血栓性ポリマの薄層をコーティン
グする方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、医療材料の分野において各種の高分子材料が使わ
れるようになったが、高分子材料を人工血管、カテーテ
ル、人工腎臓、人工心臓、人工弁、人工肺、縫合糸など
直接血液と接する部位に使用した場合、血栓形成を引き
おこすという問題がある。この問題を解決するため、こ
れらの医療基材に抗血栓性を付与する方法が種々試みら
れている。たとえば、抗血栓性を有するポリマをコーテ
ィングするという方法もその一つである。
従来、医療基材にポリマをコーティングする際に用いら
れていた溶媒は、ポリマの基材への接着性を重視して、
基材に対する良溶媒が選択されていた。たとえばポリス
チレンの基材にはトルエン、ポリメチルメタクリレート
にはメチルエチルケトン、またポリ塩化ビニルにはテト
ラヒドロフランなどが通常用いられ溶媒である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、基材の良溶媒を用いたコーティング法で
は、基材の表面が溶媒により溶解しコーティング層に溶
出してくるため、コーティング表面に基材が露出するこ
とがあり、これを回避するためには、コーティング厚み
を厚くしなければならなかった。たとえば医療基材とし
て広く用いられているポリ塩化ビニルの基材に抗血栓性
を有する親水性ポリマをコーティングする場合に、基材
の良溶媒を用いてコーティング表面への基材の露出を防
止し、表面の親水性を維持するためには、コーティング
厚みを10μm以上にする必要があった。このコーティ
ング厚みの増大は、物質透過性や透明性の低下あるいは
コーティングの剥離などの原因となっていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはコーティング表面に基材の露出を防止し、
かつ薄層にコーティングするべく研究を行った結果、本
発明に到達した。
すなわち、本発明は、医療基材へ抗血栓性ポリマを薄層
にコーティングする方法において、コーティング溶媒に
基材に対する良溶媒と非溶媒を用いることにより、コー
ティング表面へ基材が露出することを防ぐ方法を提供す
るものである。
ここで良溶媒とは基材をよく溶媒させる溶媒であり、基
材との溶解度パラメータ(以下SPと記す)の差が1.0
未満であることが好ましく、特に0.5 未満が好ましい。
また非溶媒とは基材を溶解させない溶媒であり、基材と
のSPの差が1.0 以上であることが好ましい。ただし基
材とのSPの差が非常に大きすぎると取扱いにくくなる
ため、通常10以内の非溶媒が用いられる。特に好まし
い非溶媒は、基材とのSPの差が1〜6のものである。
本発明によりコーティングされる医療基材としては、ポ
リスチレン(SP=8.6〜9.1)、ポリ塩化ビニル(SP=9.5
〜9.7)、ポリメチルメタクリレート(SP=9.5)、ポリカ
ーボネート(SP=9.5)等の高分子を素材とするものであ
って、この形体はフィルム状、チューブ状、その他種々
の成型体である。
またコーティングする抗血栓性ポリマとは、血小板、白
血球、血漿蛋白などの付着を抑制する親水性ポリマーで
あり、具体的にはポリエチレンオキサイド系、ポリヒド
ロキシエチルメタクリレート系、ポリウレタン系などの
材料があげられる。これらのポリマーは、コーティング
基材の良溶媒と非溶媒の混合溶媒に溶解することが必要
である。
本発明で用いられる良溶媒は、基材がポリスチレンのと
きは、酢酸エチル(SP=9.1)、トルエン(SP=8.9)、テ
トラヒドロフラン(SP=9.1)など、ポリメチルメタクリ
レートのときは、過塩化エチレン(SP=9.4)、テトラ
ヒドロフランなど、ポリ塩化ビニルのときは、ジオキサ
ン(SP=9.8)、シクロヘキサノン(SP=9.9)、テトラヒド
ロフランなど、ポリカーボネートのときは、クロロホル
ム(SP=9.3)、メチレンフロライド(SP=9.7)、テトラヒ
ドロフランなどである。
また非溶媒は、基材を溶解させないものであればすべて
使用できるが、水(SP=23.7)などのように基材とのSP
の差が非常に大きな溶媒は扱いにくく、メチルアルコー
ル(SP=14.5)、エチルアルコール(SP=12.7)、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル(SP=10.7)などが好ま
しい。
添加する非溶媒の量は、非溶媒、良溶媒および基材の種
類により異なり、非溶媒の量が過剰になると、コーティ
ングするポリマと基材との接着性が著しく低下する。た
とえば、ポリ塩化ビニルとメトキシポリオキシエチレン
グリコールモノメタクリラートのグラフト共重合体(特
開昭58−5320号公報)をポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリカーボネートのフイルム表面にコーティン
グする場合、良溶媒としてはテトラヒドロフランが適当
である。良溶媒に添加する非溶媒としては、ポリ塩化ビ
ニルのときは、混合溶媒に対して10〜30重量%のメ
チルアルコールあるいは15〜35重量%のジエチレン
グリコールモノメチルエーテルが好ましい。ポリスチレ
ンのときは、非溶媒として混合溶媒に対して40〜50
重量%のメチルアルコールを用いることが好ましく、ポ
リカーボネートのときは50〜60重量%のメチルアル
コールが適当である。
抗血栓ポリマの医療基材へのコーティングの方法は次の
様に行う。
まず抗血栓性ポリマを良溶媒に溶解した後、非溶媒を添
加しコーティング溶液とする。あるいは良溶媒と非溶媒
の混合溶媒にポリマを溶解してコーティング溶液として
もよい。コーティング溶液中のポリマ濃度は、通常0.01
〜10重量%、好ましくは0.1 〜1 重量%である。次いで
該コーティング溶液へ医療基材を浸漬するかあるいは医
療基材へコーティング溶液を塗布した後、乾燥し溶媒を
除去する。この様な簡単な方法で薄層にコーティングす
ることができる。
なお、本発明のコーティング方法は、医療基材に抗血栓
性ポリマをコーティングする方法以外にも有用に適用で
き、たとえば、防曇、帯電防止、防汚など各種コーティ
ングへの応用も可能である。
〔発明の効果〕
本発明方法は、基材を露出させずに薄層にコーティング
することができるという優れた効果がある。特に医療基
材に抗血栓性ポリマをコーティングする場合は、0.5 μ
m程度の薄層で、基材を露出させずにかつコーティング
表面の抗血栓性を維持させることができる。
以下に実施例によって本発明を説明する。しかし本発明
はこれによって限定されるものではない。
実施例1 特開昭58−5320号公報に記載の方法で製造したポ
リ塩化ビニルとメトキシポリオキシエチレングリコール
モノメタクリラート(ポリエチレングリコール部分の重
合度:100)のグラフト共重合体(グラフト率:10
0%)0.134gをテトラヒドロフラン20gに溶解し、不
溶解物あるいは不純物をロ過により除去した。
次にメチルアルコール6.7gを添加し、メチルアルコール
濃度が混合溶媒に対して25重量%のコーティング溶液を
作製した。
また比較のためにメチルアルコールを添加しないコーテ
ィング溶液も用意した。なおいずれのコーティング溶液
もポリマ濃度を0.5 重量%とした。
次に該コーティング溶液中にポリ塩化ビニル製のフイル
ムを浸漬し、引上げる方法により該フイルム表面に該親
水性ポリマをコーティングした。
その後、60℃のオープン中で3時間乾燥し、溶媒を除
去し、50重量%のメチルアルコール水溶液を用い、残
存モノマ、溶媒等を1日抽出後、水洗し風乾した。
次いで接触角計(協和科学株式会社製)を用いて、コー
ティング表面と水との接触角度を液滴法によって測定し
た。表1に測定結果を示したが、テトラヒドロフラン単
独でコーティングしたフイルムの接触角度は、未コーテ
ィングの値(88度)とほとんど差がなく、コーティン
グによって親水性が付与されていない。一方、テトラヒ
ドロフランとメチルアルコールの混合溶媒を用いてコー
ティングしたものは、接触角度が著しく低くなり、フイ
ルムの表面に親水性が付与されていることがわかる。
また混合溶媒を用いてコーティングしたフイルムおよび
テトラヒドロフランのみを用いてコーティングしたフイ
ルムについてコーティング層を水溶性染料で染色後、光
学顕微鏡でコーティング厚みを測定したところ 0.5μm
という値が得られた。
実施例2 実施例1で得た親水性ポリマをコーティングしたポリ塩
化ビニルのフイルムをウサギ富血小板血漿(PRP)に3
7℃3時間浸漬し、コーティング表面に付着した血漿蛋
白量をアミノ酸分析で測定した。
表2で示したように、テトラヒドロフランとメチルアル
コールの混合溶媒を用いてコーティングしたものは、テ
トラヒドロフラン単独でコティングしたものに比べ、蛋
白付着量が著しく低下した。すなわち本発明によるコー
ティング方法では、コーティング表面への血漿蛋白付着
量を著しく少なくできることがわかった。
ここで、PRP は、ウサギ頚動脈より採血し、直ちに1/10
容の3.8 %クエン酸ナトリウム溶液を加え、200×g
で10分間達心することによって得られたものである。
血小板数は約80万個1μlであった。
実施例3 実施例1と同じポリ塩化ビニルとメトキシポリオキシエ
チレングリコールモノメタクリラートのグラフト共重合
体からなる親水性ポリマをテトラヒドロフラン40gと
メチルアルコール13.4g とからなる混合溶媒に溶解し、
固形分 0.5重量%のポリマ溶液を作成した。該ポリマ溶
液をメタリングバー50番を用い、医療用ポリ塩化ビニ
ルのフイルムに塗布後、熱風乾燥機中で70℃で3分間
乾燥した。
このようにして製造した医用フイルムコーティング厚
み:0.5 μm)を実施例2と同様にして評価し、表3の
結果を得た。
なお、比較としてテトラヒドロフランのみを溶媒として
製造した医用フイルムコーティング厚み: 0.5μm)の
評価結果を同じく表3に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子基材表面に抗血栓性ポリマをコーテ
    ィングする際に、該抗血栓性ポリマを溶解する該高分子
    基材に対する良溶媒と非溶媒との混合溶媒をコーティン
    グ溶媒として用いることを特徴とするコーティング方
    法。
JP60146840A 1985-07-05 1985-07-05 コ−テイング方法 Expired - Lifetime JPH0657247B2 (ja)

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