JP2007197686A - (メタ)アクリレート共重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリレート共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、従来の医療用材料に比べて、抗血栓性、ひいては生体適合性に優れ、かつ、親水性の高い表面処理剤の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法は、従来の製造方法に比べて未反応モノマー除去性能に優れ、さらに収率を向上させる製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、アルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノマーを共通溶媒中で共重合する水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法である。炭素数1〜10のアルコールと水との混合液を用いて再沈殿により(メタ)アクリレート共重合体を精製する(メタ)アクリレート共重合体の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリレート共重合体の製造方法に関する。特に、親水性(メタ)アクリレートモノマーと疎水性(メタ)アクリレートモノマーとを特定のモル比で共重合して得られる水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法に関する。
近年、各種の高分子材料を利用した医用材料の検討が進められており、血液フィルター、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル、人工肺用膜、人工血管、癒着防止膜、人工皮膚等への利用が期待されている。この場合、生体にとって異物である合成材料を生体内組織や血液と接触させて使用することとなるため、医用材料が生体適合性を有していることが要求される。
医用材料を血液と接する材料として使用する際には、(a)血液凝固系の抑制、(b)血小板の粘着・活性化の抑制、および(c)補体系の活性化の抑制の3要素が、生体適合性として重要な項目となる。中でも、体外循環用医用材料(例えば、人工腎臓、血漿分離膜)のように、血液と接する時間が比較的短い材料として使用する場合においては、一般に、ヘパリン、クエン酸ナトリウム等の抗凝固剤を同時に使用するため、特に、前記(b)および(c)の血小板や補体系の活性化の抑制が重要な課題となる。
(b)血小板の粘着・活性化の抑制については、ミクロ相分離した表面や、親水性表面、特に、水溶性高分子を表面に結合させたゲル化表面が優れており、ポリプロピレン等の疎水性表面は劣っているといわれている。(非特許文献1、2参照。)しかし、ミクロ相分離構造を有する表面は、適度な相分離状態にコントロールすることにより良好な血液適合性を発現することが可能となるが、そのような相分離を作製できる条件は限られており、用途に制限があった。また、水溶性高分子を表面に結合させたゲル化表面では、血小板の粘着は抑制されるが、材料表面で活性化された血小板や微小血栓が体内に返還され、しばしば異常な血球成分(血小板)の変動が観察され、問題となることがあった。
トランスアクションズ オブ アメリカンソサエティ オブ アーティフィカル インターナショナル オルガンズ(Trans.Am.Soc.Artif.Intern.Organs)、vol.XXXIII、p.75〜84(1987) 高分子と医療、三田出版会、p.73(1989)
一方、(c)補体系の活性化については、セルロース、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のヒドロキシ基を有する表面が高い活性を示し、ポリプロピレン等の疎水性表面では活性が軽微であることが知られている。(非特許文献3参照。)したがって、セルロース系やビニルアルコール系の材料を、例えば、人工臓器用膜に使用すると補体系の活性化の問題が生じるが、逆に、ポリエチレン等の疎水性の表面を使用すると血小板の粘着・活性化の問題が生じる。
人工臓器16(2)、p.1045〜1050(1987)
また、例えば、人工血管のように、血液と接する時間が比較的長い材料として使用する場合には、上記3項目のほかに、新生内膜形成や生体内組織の新生と再生が良好に行われるために、生体内組織(細胞)と親和性を有する材料である必要がある。この人工血管の材料としては、例えば、超極細ポリエステル繊維よりなる人工血管が知られている。(非特許文献4参照。)この超極細ポリエステル繊維は、生体の異物認識、生体防御による創傷治癒、自己組織再生を利用した医用材料の1つであり、今日、人工血管として主に使用されている。しかし、この人工血管を微小血管に長期間適用すると、人工血管が閉塞してしまうという問題が生じる。
人工臓器19(3)、p.1287〜1291
更に、血液以外にも生体内組織や体液と接する医用材料、例えば、生体内に長期間埋入して使用される癒着防止膜、インプラント材、または創傷部(皮膚が剥がれて損傷し、生体内組織が露出した部位)に接して使用される創傷被覆材では、生体からの異物認識が少なく、生体からはく離しやすい表面(非癒着性表面)が必要とされる。しかしながら、従来上記材料として使用されているシリコーン、ポリウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンでは、材料表面に生体内組織が癒着するため、生体の異物認識が強すぎて、満足する性能が得られていなかった。
その他の医療用材料としては、ポリエチレングリコール(PEG)がある。PEGは非常に優れた血液適合性を有しており、医療分野への応用研究も多くなされている。しかし、PEGは水溶性であるため、医療用材料として使用する場合は、他のポリマーとのブロック共重合体やグラフト共重合体にして材料表面に固定化する必要があった。
また、生体適合性材料であるポリ(2-メトキシエチルアクリレート)を血液接触面にコーティングすることで抗血栓性を発現する技術が知られている。(特許文献1参照。)しかし、該材料はメタノールには溶解するが、エタノールには不溶のためコーティング後の基材に残存する溶媒の毒性が懸念される。
特開2002−105136号公報
さらに、ポリエチレングリコールアクリレートとアルキルアクリレートとの水溶性共重合体が知られている。(特許文献2参照。)この技術によると、免疫測定の際に固相の表面の保護を実施することができる。しかし、この共重合体は水溶性のため長期間の生体適合性の持続は困難である。
特開平11−287802号公報
また別に、ホスホリルコリン類似基含有重合体が知られている。(特許文献3参照)。この技術は生体適合性の高いホスホリルコリン基を含有する親水性(メタ)アクリレートモノマー(以下、MPCとする)と疎水性の高いアルキル(メタ)アクリレートモノマーとを共重合させることにより、良好な生体適合性を保ちつつ水不溶とするものである。しかしながら、この共重合体は剛直な固体状であるため、コーティング後に皮膜剥がれの恐れがあるだけでなく、免疫の観点での生体適合性は十分といえるものではなかった。ホスホリルコリン基のもつアンモニウムイオン(N+)が生体の免疫系を活性化するものと考えられる。(図1参照)。
特開平11−35605号公報
上記ポリエチレングリコールアクリレートとアルキルアクリレートとの共重合体を製造する方法としては再沈殿がもっとも簡便に用いられている。ここで、再沈殿とは繰り返し沈殿を生成させ純度を高める手法であり、高分子合成においては低分子量体(モノマーなど)を除去する目的で行われる。しかし、本発明においては、使用するモノマーが親水性および疎水性の二様であるため再沈殿の際に用いる貧溶媒の選択が重要となる。すなわち性質の異なる両モノマーを溶解し、得られた共重合体のみを沈殿させる能力が必要とされるからである。しかし、単一の溶媒ではこのような微妙な溶解性の篩を発現することは困難であった。
本発明は、従来の医療用材料に比べて、抗血栓性、ひいては生体適合性に優れ、かつ、親水性の高い表面処理剤の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法は、従来の製造方法に比べて、未反応モノマー除去性能に優れ、さらに収率の高い製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、血液適合性を維持しつつ水に不溶な(メタ)アクリレート共重合体の製造方法として、アルコールと水とを特定の割合で混合した水溶液を再沈殿貧溶媒として用いることにより未反応モノマーが効率よく除去でき、共重合体を高収率で得られることを見出し本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のような構成を有する。
本発明は、疎水性(メタ)アクリレートモノマーおよび親水性(メタ)アクリレートモノマーを共通に溶解する重合溶媒中で共重合し、得られた共重合体を再沈殿にて純度90mol%以上に精製する水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法である。
また、本発明において、疎水性(メタ)アクリレートモノマーがアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、本発明において、親水性(メタ)アクリレートモノマーがメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、本発明において、アルキル(メタ)アクリレートが下記一般式1で示されるものであることが好ましい。
(式中、Rは炭素原子数2〜30のアルキル基またはアラルキル基、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
また、本発明において、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが下記一般式2で示されるものであることが好ましい。
(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜1,000の整数を示す。)
また、本発明において、重合溶媒とモノマーとを20〜90/10〜80の重量比で仕込み、重合することが好ましい。
また、本発明において、該共重合体中のアルキル(メタ)アクリレートとメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとのモル比が30〜90/10〜70であることが好ましい。
また、本発明において、炭素数1〜10のアルコールと水との混合液を再沈殿貧溶媒として用いることにより(メタ)アクリレート共重合体を精製することが好ましい。
また、本発明において、再沈殿貧溶媒が炭素数1〜10のアルコールと水とを40〜99:60〜1の重量比で混合されたものであることが好ましい。
また、本発明において、該共重合体を精製する際、(メタ)アクリレート共重合体溶液と再沈殿貧溶媒とを体積比で1:5〜1:10で混合して精製することが好ましい。
本発明の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法は、従来の製造方法に比べてモノマーの反応率を高くすることができ、かつ精製における未反応モノマーの除去率を高くすることができるため、抗血栓性、生体適合性に優れる親水性の高い表面処理材を高純度で、かつ高収率で得ることができるという効果を奏する。
本発明において、アルキル(メタ)アクリレートおよびメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリレート共重合体は実質的に水不溶性であることが好ましい。ここで、実質的に水不溶性であるとは、(メタ)アクリレート共重合体を該共重合体1重量%に対して99重量%の37℃生理食塩水で30日間静置した際、該共重合体の重量減少率が1重量%以下であることを指す。水不溶性であることにより、生体組織や血液等と接触した場合にも、該共重合体の血液などへの溶出を防ぐ点で好ましい。
本発明において、下記一般式1のアルキル(メタ)アクリレートとしては、R1の炭素数が2〜30のものを使用するのが好ましく、より好ましくは4〜24であり、さらに好ましくは6〜18である。このようなアルキル(メタ)アクリレートの具体例として、ノルマルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等があるが、コストや性能の観点から2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びラウリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(式中、Rは炭素原子数2〜30のアルキル基またはアラルキル基、R2の炭素数は水素原子またはメチル基を示す。)
本発明において、下記一般式2のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド単位が1〜1,000であるものを使用するのが好ましい。より好ましくは1〜500、さらに好ましくは1〜100、よりさらに好ましくは2〜50、特に好ましくは2〜10である。具体的には、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシデカエチレングリコール(メタ)アクリレートなどがある。繰り返し単位が大きく親水性が増大しすぎると共重合を行っても血液中への溶解性が高くなるため、医療材料から消失する可能性がある。したがって、繰り返しエチレンオキサイド単位が4のメトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、3のメトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜1,000の整数を示す。)
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体の数平均分子量は2,000以上であることが重合後の再沈殿による精製の容易さの点で好ましい。また、分子量が大きいほどコーティング溶液を調製した際の粘度が高くなるため基材との粘着性が向上するという副次効果もある。したがって、(メタ)アクリレート共重合体の数平均分子量は5,000以上がより好ましく、7,000以上がさらに好ましい。また、該(メタ)アクリレート共重合体の数平均分子量は200,000以下とすることが(メタ)アクリレート共重合体を材料等にコーティングする際のコーティング溶液の粘度を下げる意味で好ましい。より好ましくは100,000以下、さらに好ましくは50,000以下、さらにより好ましくは30,000以下、特に好ましくは18,000以下である。ここで、数平均分子量とは全分子の分子量の和を分子数で割ったものであり、高分子の特性の一つである。
数平均分子量を測定する方法としては、末端基定量法、浸透圧法、蒸気圧オスモメトリー、蒸気圧降下法、氷点降下法、沸点上昇法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法などがあるが、本発明においては操作の容易さの点で後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を採用するのが好ましい。
本発明において、アルキル(メタ)アクリレートとメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとが30〜90/10〜70のモル比で共重合されていることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートが少なすぎると共重合体が血液などに溶解しやすくなり、多すぎるとメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの血液適合性が十分に発揮されない可能性がある。したがって、モル比は40〜90/10〜60であることがより好ましい。45〜85/15〜55がさらに好ましく、50〜80/20〜50がさらにより好ましい。
「アクリル樹脂 合成・設計と新用途開発 中部経営開発センター 昭和60年発行」、「アクリル酸エステルとそのポリマー[II] 株式会社昭晃堂 昭和50年発行」によると、アルキル(メタ)アクリレートの炭素数が増大するにつれ、そのポリマーのガラス転移温度は低下し、ある極小値をむかえた後増大する傾向にある。その極小値はn-アルキルアクリレートでは炭素数が8、n-アルキルメタクリレートでは炭素数が12である。すなわち、炭素数8のアルキルアクリレートおよび炭素数12のアルキルメタアクリレートを共重合成分として組み込むことで共重合体のガラス転移温度を最大限に低下できることを示している。
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単独重合体は親水性が高いため血液適合性には優れるが、水溶性であるので血液等に長期間接触させた場合、徐々に溶出する問題があった。本発明者らは血液適合性に優れるだけでなく、長期使用に耐える材料について鋭意検討した結果、血液等への溶出を防止するための適度な疎水性と、コーティングの物理的な膜剥がれを防止するための柔軟性とを付与することによって、該課題を解決できることを見出した。すなわち、上記説明したような特定のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと特定のアルキル(メタ)アクリレートとを共重合することにより得られる共重合体が前記課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体は炭素数1〜6のアルコールのいずれかに可溶であることが好ましい。炭素数1〜3のアルコールに可溶であることがコーティング後の乾燥が容易になるためより好ましい。ここで、可溶であるとは前記アルコール10mlに(メタ)アクリレート共重合体1gを25℃で浸漬した際、室温下48時間以内に少なくとも90重量%の(メタ)アクリレート共重合体が溶解することを言う。
「高分子基礎科学 株式会社昭晃堂 1991年発行」によると、高分子を熔融状態から冷却してゆくと、結晶化せずに過冷却状態を経てついにはガラス状態となり固化してしまうことがある。この液体状態からのガラス状態への転移をガラス転移といい、この温度をガラス転移温度という。ガラス転移温度以下では高分子は流動性を失ってガラス状であるのに対し、ガラス転移温度以上では流動性を持ち、いわば液体の状態にある。つまり、本発明の共重合体に柔軟性を持たせるためには室温(25℃)よりも低いガラス転移温度をもつ必要がある。
本発明の(メタ)アクリレート共重合体のガラス転移温度は−100〜20℃であることが好ましい。−85〜0℃であることがより好ましく、−70〜−20℃がさらに好ましい。ガラス転移温度が高すぎると、基材にコーティングした共重合体が基材から物理的に剥離してしまう可能性がある。ガラス転移温度が低すぎると共重合体の流動性が増大し、コーティングの作業性が低下する可能性がある。
本発明の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、本発明の共重合体を製造するための共重合反応自体には特別の制限はなく、ラジカル重合、イオン重合、光重合、マクロマーを利用した重合等の公知の方法を用いることができる。
本発明の(メタ)アクリレート共重合体を製造するための一例としてラジカル重合による製造方法を以下に示す。
即ち、還流塔を装着した攪拌可能な反応装置にモノマーと重合溶媒、開始剤を加え、窒素置換の後加熱することで重合を開始し、一定時間その温度を保つことで重合を進行させる。重合中に窒素をバブリングすることがより好ましい。この重合の際に連鎖移動剤を併用し、分子量をコントロールすることも可能である。重合終了後の溶液より溶媒を除去し、粗(メタ)アクリレート共重合体を得る。引き続き、得られた粗(メタ)アクリレート共重合体を良溶媒に溶解し、攪拌下の貧溶媒中に滴下して精製処理(以下、再沈殿処理ということがある)を行う。精製処理を1〜数回繰り返し(メタ)アクリレート共重合体の純度を上げる。このようにして得られた共重合体を乾燥する。
共重合の際に用いる重合溶剤としては、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、メチルエチルケトン等の有機溶剤、あるいは水を用いることができるが、本発明においてはモノマーおよび得られる共重合体の溶解性や入手の容易さの面から酢酸エチル、メタノール、エタノール等を用いるのが好ましい。また、前記溶剤の複数種を混合して用いることもできる。これら重合溶媒とモノマーとの仕込み重量比は20〜90/80〜10が好ましく、30〜90/70〜10がより好ましく、35〜85/65〜15がさらに好ましい。仕込み比が前記範囲にあれば、重合反応率を最大限に高めることができる。
重合開始剤としては、一般的にラジカル重合で用いられる過酸化物系、アゾ系のラジカル開始剤が用いられる。過酸化物系ラジカル開始剤としては例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機系過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等の有機系過酸化物が、アゾ系ラジカル開始剤としては例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)ジハイドロクロライド、ジメチル2,2’−アゾビスブチレート、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が用いられる。また、過酸化物系の重合開始剤に還元剤を組み合わせたレドックス開始剤も使用できる。これらの重合開始剤等は重合溶液中のモノマーに対して0.01〜1重量%添加するのが好ましい。より好ましい添加量は0.05〜0.5重量%、0.05〜0.3重量%がさらに好ましい。重合開始剤等の添加量を前記範囲にすることにより、良好なモノマー反応率により、適切な数平均分子量をもつ共重合体を得ることができる。
重合する際の温度は、溶剤の種類、開始剤の種類によって異なるが、開始剤の10時間半減期温度付近を使用するのが好ましい。具体的には、前記開始剤を使用する場合20〜90℃が好ましい。30〜90℃がより好ましく、40〜90℃がさらに好ましい。重合の際に分子量を制御するため用いられる連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、チオリンゴ酸、チオグリコール酸等の高沸点のチオール化合物、イソプロピルアルコール、亜リン酸、次亜リン酸等を用いることができる。
得られた共重合体を精製するための貧溶媒には、非水溶性共重合体の溶解性が低いメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類が用いられ、他の溶剤と混合して用いても良い。
具体的な再沈殿の処理方法としては例えば、(メタ)アクリレート共重合体を良溶媒に溶解し(メタ)アクリレート共重合体溶液を攪拌中の再沈殿溶媒中へ滴下することにより精製するのが好ましい。その際、再沈殿貧溶媒は粗(メタ)アクリレート共重合体溶液体積の5〜10倍とするのが好ましい。この範囲とすることにより、効率よく(メタ)アクリレート共重合体を回収することができる。1回の再沈殿で共重合体が十分に精製できないときは、2回以上同じ操作を行えば良い。
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体は親水性と疎水性のモノマーを共重合してできるものであるため、親水性と疎水性の中間の性質を有する。したがって、共重合後の溶液中には未反応モノマーである親水性モノマー(メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート)と疎水性モノマー(アルキル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリレート共重合体が存在している。これらの混合物の中から水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体を単離するためには、例えば親水性モノマーを溶解する再沈殿液に該共重合体溶液を滴下して精製を行い、続いて疎水性モノマーを溶解する再沈殿液を用いて共重合体を精製する。しかし、このような精製方法の組合せでは、精製作業が煩雑であるばかりか、精製コストの高騰および共重合体の損失が大きくなるなどの問題がある。本発明者らは精製作業が簡便で、かつ低コスト、高回収率で(メタ)アクリレート共重合体を得る精製方法について鋭意検討した結果、アルコールと水とを特定の割合で混合した再沈殿貧溶媒を用いることにより効率よく(メタ)アクリレート共重合体を回収できることを見出した。
本発明において、該共重合体を再沈殿処理により精製するために用いる溶媒としては、該共重合体を溶解せず、親水性・疎水性モノマーの両方を溶解する、溶媒を用いるのが好ましい。アルコールのみを用いた場合は(メタ)アクリレート共重合体を沈殿させるためには、アルコールよりも親水性を向上させるか、低下させる必要がでてくる。このようなアルコールの親水性を制御する方法として、アルコールに親水性の高い溶媒を混合して用いる方法が上げられる。そのような溶媒の具体例として、水、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどがあるが、揮発しやすさとコストの面から水を用いるのが好ましい。アルコールと水を一定の混合比で混合して貧溶媒として用いることにより、親水性を制御でき、(メタ)アクリレート共重合体を高回収率で得ることができる。
本発明において、再沈殿処理に用いるアルコールとしては、炭素数1〜10のアルコールを用いることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜7のアルコールであり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルコールである。このようなアルコールの具体例として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メトキシ−1−プロパノール、ターシャリーブタノールなどがあるが、低温、短時間乾燥ができることからメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが特に好ましい。
本発明において、炭素数1〜10のアルコールと水とを40〜99/60〜1の重量比で混合して用いることが好ましく、より好ましくは50〜99/50〜1であり、さらに好ましくは60〜95/40〜5である。アルコール比が大きくなりすぎると(メタ)アクリレート共重合体が析出しにくくなり、水比が大きくなりすぎると析出した(メタ)アクリレート共重合体に不純物として未反応のモノマーが混入する恐れがあるため、70〜95/30〜5が特に好ましい。
本発明において、炭素数1〜10のアルコールと水との混合液を再沈殿の貧溶媒として用いることが好ましい。良溶媒としては、(メタ)アクリレート共重合体が溶解され、貧溶媒と混和し得るものであればよい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどがあるが、容易に乾燥できる点で沸点の低いテトラヒドロフラン、アセトンが特に好ましい。これらを良溶媒として用いて上記貧溶媒に添加する再沈殿処理を複数回繰り返すことにより精製するのが好ましい。
前記説明したような再沈殿操作を必要により2〜8回行うことにより、未反応モノマー含有量が1mol%未満である水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体を50重量%以上という高回収率で回収することが可能となる。
本発明において、再沈殿後の(メタ)アクリレート共重合体の回収率が90重量%を超えると回収物中に未反応モノマーが高濃度で残存する恐れが生じ、50重量%を下回ると生産効率が低下する可能性があるため、回収率は50〜90重量%であることが好ましい。
精製された共重合体を医療用具などに抗血栓性を付与する材料として用いるためには、乾燥による溶媒の除去が必要となる。乾燥方法としては例えば、60℃で1Torr以下の減圧下において2〜10日間継続して実施し、十分な乾燥が得られないときは引き続き減圧乾燥を行えば良い。このようにして得られた(メタ)アクリレート共重合体は純度が90mol%以上であることが好ましい。共重合体純度が高ければ高いほど、例えば後述するような医療用具のコーティング材料として用いた場合に血液中にモノマー、オリゴマー等が溶出し難くなり、医療用として安全性の高い材料を提供することができる。したがって、共重合体純度は95mol%以上がより好ましく、99mol%以上がさらに好ましい。
本発明の共重合体が担持された医療用具は、例えば、得られた共重合体を有機溶媒に溶解することにより得られる溶液を医療用具の表面に塗布した後、溶媒を除去することによって得ることができる。本発明の共重合体をフィルター表面に担持させる方法としては、コーティング法;放射線、電子線、紫外線によるグラフト重合を利用する方法;基材の官能基との化学反応を利用する方法等の公知の方法が挙げられる。中でも、コーティング法は、処理が簡便であるため、実用上好ましい。コーティング法は、特に限定されず、塗布法、スプレー法、ディップ法等を用いることができる。例えば、塗布法によるコーティング法は、例えば、アルコール、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶媒に本発明の(メタ)アクリレート共重合体を溶解したコーティング液に、ろ材を浸せきした後、余分な溶液を除き、ついで風乾させるなどの簡単な操作で実施できる。また、コーティング後のろ材に熱を加え乾燥させるのが好ましい。これにより、ろ材と本発明の共重合体との接着性をより高め、より強固に固定することができる。
本発明の共重合体を基材にコーティングするための有機溶媒としては、基材である医療用具にできる限り損傷を与えないものが選択され、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、アセトン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が使用されるが、この中でも沸点が低く、コーティング後の乾燥が容易なメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
本発明のアルキル(メタ)アクリレート単位とメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位とを共重合することにより得られる(メタ)アクリレート共重合体は、親水性と疎水性が適度にバランスされているので、生体適合性、ひいては抗血栓性に優れるので、医療用具や人工臓器用膜の表面処理材として好適に使用することができる。該共重合体は、単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体を用いて処理を行った医療用具が血液と接触した際に、親水性の高いメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが表面に張り出して抗血栓性を発揮し、またアルキル(メタ)アクリレートは基材近傍に留まることによって血液と医療用具が直接接触することを防いでいるものと考えられる。
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体の水不溶性を確認する方法としてエージング処理が挙げられる。エージング処理に用いる抽出溶媒としては、簡便性とその後に実施する血液適合性評価の信頼性を向上させる点で、生理食塩水を用いることが好ましい。37℃恒温下にて行うのがさらに好ましい。(メタ)アクリレート共重合体が水不溶性であると、エージング処理後も高い血液適合性が維持される。
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体の免疫活性化度を評価する方法として補体価の比較が挙げられる。CH50を測定するMayer法は簡便で速やかな測定が可能であり、しかも測定キットの入手が容易で安価なため好ましい。(非特許文献5参照)。ヒツジ感作赤血球と血清中の補体とが反応することにより、感作赤血球が溶血する。補体系が活性化されるほど溶血度が低下することから、評価方法として有意に利用することができる。
人工臓器23(3)、654−659(1994)
本発明の免疫系評価の別法として、アナフィラトキシンとよばれているC3aの定量が挙げられる。生体内でC3aが産生されると血管透過性の変化、平滑筋の収縮、肥満細胞と好塩基球によりヒスタミン遊離を起こし、炎症反応を主にきたす。(非特許文献6参照)。C3aの数値が大きいほど補体系が活性化していることを意味し、その数値の比較により、評価方法として有意に利用することができる。
補体の分子生物学−生体防御における役割− 株式会社南江堂
本発明において、(メタ)アクリレートの血液適合性評価方法の一つとして、フィブリンゲル形成実験が挙げられる。この手法によると、血液凝固因子のひとつであるフィブリノゲンの活性化度を評価することができる。具体的には、血漿中のフィブリノゲンがカルシウムイオンによってゲル化し、フィブリンゲルになる反応を利用するものである。サンプルと接触したカルシウムイオン添加血漿においてゲル化に要す時間(以下、ゲル化時間とする)を計測することにより、血液凝固系の活性化を特別な測定機器を要すことなく容易に評価することができるため、本手法が好ましい。ゲル化時間が長くなるほど血中タンパクの異物認識作用が惹起されにくいことを意味し、血液適合性が高いことを意味する。
本発明の医療用具は、表面の少なくとも一部、好ましくは表面の血液等と接触する部分の全部が本発明の(メタ)アクリレート共重合体で処理されているのが好ましい。特に、優れた抗血栓性を要求される医療用具等に本発明の共重合体を担持するのが好ましい態様の一つである。そのような医療用具としては、例えば、血液フィルター、血液保存容器、血液回路、留置針、カテーテル、ガイドワイヤー、ステント、人工肺装置、透析装置、癒着防止材、創傷被覆材、生体組織の粘着材、生体組織再生用の補修材が挙げられる。特に、体外循環回路を有し、そこに血液接触部を有する医療用具が好ましい態様である。
ここで医療用具の材料としては、通常使用される全ての材料が含まれる。すなわち、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱硬化性ポリウレタン、架橋部を有するポリジメチルシロキサン等のシリコーンゴム、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール、ポリスチレン、ABS樹脂およびこれらの樹脂の混合物、ステンレス、チタニウム、アルミニウム等の金属などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(数平均分子量の測定)
試料15mgに3mLのGPC測定用の移動相を加えて溶解し、0.45μmの親水性PTFE(Millex-LH;日本ミリポア社)でろ過を行った。GPC測定は510高圧ポンプ、717plus自動注入装置(日本ウォーターズ社)、RI-101(昭和電工社)の測定装置を用い、カラム;PLgel 5μMIXED-D(600x7.5 mm)(Polymer Laboratories社)、カラム温度は常温で行い、移動相は0.03重量%のジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加したテトラヒドロフラン(THF)を用いた。RIにて検出を行い、50μL注入した。分子量校正は単分散PMMA(Easi Cal;Polymer Laboratories社)で行った。
(共重合組成比の測定)
NMR用試験管(規格;N-5、日本精密化学社)中にサンプル50 mgをパスツールピペットにて加えた後、重クロロホルム(和光純薬社)0.7 mLを加え十分に混和し、試料用キャップ(規格;NC-5、日本精密化学社)で蓋をした。共重合組成比は、VARIAN社のGEMINI-200を用いて室温下1H NMR測定を実施し、算出した。
(収率の計算)
仕込みモノマーの総重量に対する、再沈殿かつ乾燥後の共重合体重量比を収率として算出した。
(アルコール可溶性テスト)
50 mLバイアル中にサンプル500mgを加えた後、炭素数1〜6いずれかのアルコール2 mLを加え、十分混和させた。その後、目視により溶解を確認した。
(ガラス転移温度の測定)
示差走査熱量計(島津製作所社DSC-50)を用いた。試料10 mgをセル(Alセル,6mmφ,島津製作所社)につめ、蓋をして、シーラ・クリンパ(島津製作所社)でクリンプおよびシールした後、測定機器にセットして測定を行った。測定は液体窒素による冷却の後、N2ガス気流下、昇温速度5℃/min にて-150℃から60℃まで実施した。
(エージング処理)
サンプル0.2 gにエタノール(比較例6のみテトラヒドロフランを使用)19.8 gを加えて溶解することで1重量%のエタノール(比較例6のみテトラヒドロフランを使用)溶液を調製し、表面処理剤を得た。表面処理剤中に25x25x1mmの塩ビシートを浸漬することにより表面全体に塗布し、60℃で24 h乾燥させた。さらに、37℃生理食塩水中で30日間エージングを行い、血液適合性試験用エージングサンプルとした。30日間エージング後のサンプルについて重量減少率が20重量%以下のものを○、20重量%より大きいものを×とした。重量減少が20%以上の場合は測定の誤差を考慮しても有意に生理食塩水に溶解したと判断できる。
(血液適合性試験)
ウサギより脱血したクエン酸加新鮮血60 mLを50 mL遠沈管二本に等分し、それを1000 rpmにて10分間遠心分離した。その上澄みを10 mL遠沈管四本に等分した。それをさらに1500 rpmで10分間遠心分離した後、上澄みを除去し、沈殿である血小板ペレットを分離した。その中にHBSS(ハンクス平衡塩溶液)を添加して希釈することで、血小板濃度 3.0x108/mLの血小板溶液を得た。血小板濃度は血球カウンター(KX-21 シスメックス社)で確認した。この濃度の血小板溶液を試験液とした。得られた試験液を0.2 mLとり、60x15 mmのシャーレ(コーニング社、ポリスチレン製)内の血液適合性試験用エージングサンプル上面に滴下した後、蓋をして37℃で1時間インキュベートした。その後、2.5重量%のグルタルアルデヒド水溶液5 mLを加え、室温で24 時間静置した。水でシャーレ内の溶液を置換する操作を3回行った後、排水した。水で洗浄した塩ビシートを−5℃で24 h凍結させた後、0.1 Torrにて24 h乾燥させた。血小板が付着した部分から10x10 mm分を切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)用サンプル台に両面テープではりつけ、測定サンプルとした。イオン蒸着を行ったサンプルを用いてSEMにて粘着血小板の様子を撮影した。撮影したSEM写真(x3000倍)を目視により比較観察し、付着血小板数が50以下の場合を良好と評価した。付着血小板数が50以下であると、撮影部位の血小板粘着分布を加味しても有意に血小板が粘着しないとみなすことができる。
(補体評価−サンプル調整)
(メタ)アクリレート共重合体0.2gにエタノール19.8gを加えて溶解することにより得られた溶液をコーティング剤とし、コーティング剤中に直径1mmのガラスビーズ1gを10秒間浸漬後排液し、60℃にて24時間乾燥させることにより、補体(補体価、C3a)評価用サンプルとした。
(補体−補体価−測定)
50mLポリプロピレン製遠沈管(IWAKI社)内に分取したヒト新鮮血10mLを室温にて静置することで凝固させ、3000rpmにて30分間遠心(LC06、TOMY SEIKO CO. LTD)させることにより血清を3.5mL得た。前記の方法で表面処理を行った直径1mmのガラスビーズ1gに希釈液0.1mLを添加した後1時間37℃にてインキュベートし、得られた血清0.2mLを添加し、同様に1時間37℃にてインキュベートを行った。希釈液2.6mL、接触した血清12.5μL及び感作ヒツジ赤血球0.4mLを十分混合した後、37℃にて1時間インキュベートを行い、0℃にて10分冷却した後、2000rpmにて遠心し、上澄み2mLの吸光度を541nmにて測定した(U-2000 Spectrometer、HITACHI社)。同時に希釈液2.6mLおよび感作ヒツジ赤血球0.4mLを添加したものを溶血なしのものとしてデータを差し引いた。測定にはオートCH50−L「生研」(統一商品番号400437・希釈液52mL、感作ヒツジ赤血球6mL)を用いた。表面処理を行わないガラス球の吸光度値を1としての相対的な吸光度を算出し、1.2以上を良好とし、1.2未満を不良とした。1.2未満の場合は測定誤差を考慮しても有意に補体が活性化したと判断できる。
(補体−C3a−測定)
50mLポリプロピレン製遠沈管(IWAKI社)内に分取したヒト新鮮血10mLと3.2重量%のクエン酸三ナトリウム水溶液1mLとを十分混合したのち、2000rpmにて30分間遠心(LC06、TOMY SEIKO CO. LTD)させることにより血漿を4.5mL得た。前記の方法で表面処理を行った直径1mmのガラスビーズ4.6gに生理食塩水0.5mLを添加した後1時間37℃にてインキュベートし、得られた血漿1mLを添加して同様に1時間37℃にてインキュベートを行い、うち0.5mLを評価検体とした。検体は速やかに−20℃以下に冷却し、測定まで保存した。
評価はHuman Complement C3a Des Arg[125I] Biotrak Assay System, code RPA518(Amersham Biosciences社)を用い、添付マニュアルにしたがって行った。
データ数3の平均値として算出し、未処理評価検体の値が94ng/mLとなったことからC3a値が100ng/mL以上の場合は測定誤差を考慮しても有意に補体が活性化されたとみなせるため、不良とし、100ng/mL未満の場合は良好とした。
(フィブリンゲル形成実験)
50mLポリプロピレン製遠沈管(IWAKI社)中の加クエン酸牛血45mLを、2000rpmにて30分間遠心(LC06、TOMY SEIKO CO. LTD)することによりウシ血漿を8mL得た。先述の方法で表面処理を行った直径1mmのガラスビーズ1gおよび、同様に内面を表面処理したポリスチレン製遠沈管を評価サンプルとした。表面処理済みのガラスビーズが封入された同遠沈管内に、ウシ血漿1.8mLを添加後、37℃にて3分間インキュベートし、0.125NのCaCl2水溶液0.2mLを添加、混合した時点を反応開始とし、37℃にてインキュベートした。反応開始後10秒間隔でゲル化完了の有無を確認し、ゲル化時間を計測した。N数を5とし、その平均値を求めた。表面未処理のサンプルの凝固時間は635秒であったことから、測定誤差を考慮しても600秒未満となった場合に有意に凝固系を活性化させているため、不良とし、600秒以上を良好とした。なお、実験に用いたウシ血漿中のタンパク濃度は凍結乾燥後の秤量値により算出され、82mg/mLであった。
(未反応モノマー残存量測定)
NMR用試験管(規格;N-5、日本精密化学社)中にサンプル 50 mgをパスツールピペットにて加えた後、重クロロホルム(和光純薬社)0.7 mLを加え十分に混和し、試料用キャップ(規格NC-5、日本精密化学社)で蓋をした。共重合組成比は、VARIAN社のGEMINI-200を用いて室温下1H NMR測定を実施し、算出した。(メタ)アクリレート共重合体に含まれる未反応モノマーを測定により得られた積分比より算出し、未反応モノマー含有量が1 mol%未満を良好とし、それ以上を不良とした。再沈殿により沈殿しなかったものについては不可とした。
(実施例1)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置にメトキシトリエチレングリコールアクリレート(MTEGA)(新中村化学工業社)15.1 gおよび2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)(東京化成工業社)29.7 g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬社)0.0447 g、エタノール(東京化成工業社)178.9 gを加え、80℃、20時間重合反応を行った。なお、反応装置内は予め窒素置換し、さらに重合反応中は窒素バブリングを継続した。重合反応終了後、60℃、1 Torrの条件下で4日間エバポレートにより重合溶媒を除去し、粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を80/20)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物1を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を85/15)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物2を得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を90/10)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物3を得た。
(実施例4)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置にMTEGA(新中村化学工業社)22.2gおよびEHA(東京化成工業社)33.8g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬社)0.0543g、エタノール(東京化成工業社)84.2gを加え、80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を80/20)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物4を得た。
(実施例5)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置にメトキシトリエチレングリコールアクリレート(MTEGA)(新中村化学工業社)33.4gおよびラウリルアクリレート(LA)(東京化成工業社)38.9g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬社)0.0747g、エタノール(東京化成工業社)48.2gを加え、80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を95/5)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物5を得た。
(実施例6)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置にメトキシトリエチレングリコールアクリレート(MTEGA)(新中村化学工業社)22.2gおよびラウリルアクリレート(LA)(新中村化学工業社)44.2g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬社)0.0655g、エタノール(東京化成工業社)66.4gを加え、80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を95/5)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物6を得た。
(比較例1)
実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を100/0)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物7を得た。
(比較例2)
実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を0/100)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物8を得た。
(比較例3)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置にメトキシポリエチレングリコール(MW=400)アクリレート(MPEGA)(新中村化学工業社)95.2gおよびエチルアクリレート(EA)(東京化成工業社)5.1g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬社)0.125g、イソプロピルアルコール(東京化成工業社)250gを加え、80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、実施例1と同様にして粗(メタ)アクリレート共重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート共重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を80/20)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物9を得た。
(比較例4)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置に2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)(東京化成工業社)22.3gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬社)0.0467g、酢酸エチル(東京化成工業社)100gを加え、80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、60℃、1 Torrの条件下で4日間エバポレートにより重合溶媒を除去し、粗(メタ)アクリレート重合体を得た。得られた粗(メタ)アクリレート重合体2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(メタノール/水の重量比を80/20)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物10を得た。
(比較例5)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置に2−メタクリロイルオキシオキシエチルホスホリルコリン(MPC)10.0g、ブチルメタクリレート(BMA)10.0g、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.069gを水30重量%及びエタノール70重量%からなる水系混合媒体に溶解して100gとした(全重合溶媒中の単量体濃度20重量%)。この溶液を50℃の温浴中に浸漬して6時間重合させた。重合反応終了後、反応液をn-ヘキサンに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をエタノールに溶解し、n-ヘキサンに滴下する操作を二回行い、精製した。これを60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物11を得た。
(比較例6)
還流塔を装着した攪拌可能な反応装置に2-メトキシエチルアクリレート(MEA)(東京化成工業社)25.6gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬社)0.0246g、ジメチルアセトアミド(キシダ化学社)119.1gを加え、80℃、20時間の条件で重合反応を行った。得られた重合溶液をパスツールピペットにて攪拌下のノルマルヘキサンに滴下することにより粗ポリマーを得た。粗ポリマー2gをテトラヒドロフラン2gに溶解し、攪拌下の貧溶媒(ノルマルヘキサン)20g中にパスツールピペットを用いて滴下した。沈殿をデカンテーションにて回収し、さらに同重量のテトラヒドロフランを加え溶解し、貧溶媒に滴下する操作を二回繰り返した後、60℃、0.1 Torrの減圧条件下にて4日間減圧乾燥を行い、精製物12を得た。
表1および2に示すように、血液適合性試験及び補体評価の結果、実施例において表面の血小板粘着数が低く良好な血液適合性を示すことがわかった。また、免疫系評価の結果、良好な補体活性抑制作用があることがわかった。
本発明において、30日間のエージング後も良好な血液適合性を示すことがわかった。これにより、長期間の性能維持が期待される。さらに、未反応モノマーの除去と収率の確保が可能であることがわかった。これにより、安価で安全性の高い医療用具への適用が可能となる。
本発明は、従来の製造方法に比べて、血液適合性かつ水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体からの未反応モノマー除去性能に優れ、さらに収率を向上させる製造方法を提供できる。したがって、産業の発展に寄与することが大である。
本願発明と従来技術との相違点を示す概念図である。 実施例1の精製物1を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。 実施例4の精製物4を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。 実施例5の精製物5を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。 実施例6の精製物6を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。 比較例3の精製物9を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。 比較例4の精製物10を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。 比較例5の精製物11を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。 比較例6の精製物12を用いた血液適合性試験の結果を示すSEM画像である。

Claims (10)

  1. 疎水性(メタ)アクリレートモノマーおよび親水性(メタ)アクリレートモノマーを共通に溶解する重合溶媒中で共重合し、得られた共重合体を再沈殿にて純度90mol%以上に精製する水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
  2. 疎水性(メタ)アクリレートモノマーがアルキル(メタ)アクリレートである請求項1に記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
  3. 親水性(メタ)アクリレートモノマーがメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである請求項1または2に記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
  4. 該アルキル(メタ)アクリレートが下記一般式1で示されるものである請求項1〜3いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
    (式中、Rは炭素原子数2〜30のアルキル基またはアラルキル基、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
  5. 該メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが下記一般式2で示されるものである請求項1〜4いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
    (式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜1,000の整数を示す。)
  6. 重合溶媒とモノマーとを20〜90/10〜80の重量比で仕込み、重合する請求項1〜5いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
  7. 該共重合体中のアルキル(メタ)アクリレートとメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとのモル比が30〜90/10〜70である請求項1〜6いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
  8. 該(メタ)アクリレート共重合体を再沈殿にて精製する際、再沈殿貧溶媒として炭素数1〜10のアルコールと水との混合液を用いる請求項1〜7いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
  9. 該再沈殿貧溶媒が炭素数1〜10のアルコールと水とを40〜99:60〜1の重量比で混合されたものである請求項1〜8いずれかに記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
  10. 該共重合体を精製する際、(メタ)アクリレート共重合体溶液と再沈殿貧溶媒とを体積比で1:5〜1:10で混合して精製する請求項1〜9いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体の製造方法。
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