JPH0656937A - 無水マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の製造方法 - Google Patents
無水マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の製造方法Info
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- JPH0656937A JPH0656937A JP21438092A JP21438092A JPH0656937A JP H0656937 A JPH0656937 A JP H0656937A JP 21438092 A JP21438092 A JP 21438092A JP 21438092 A JP21438092 A JP 21438092A JP H0656937 A JPH0656937 A JP H0656937A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 無水マレイン酸−アルキルビニルエーテル低
分子量共重合体製造方法の提供 【構成】 無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルを
溶媒中でラジカル共重合させるに際し、溶媒または連鎖
移動剤としてアルキルアルデヒドを用いることを特徴と
する。
分子量共重合体製造方法の提供 【構成】 無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルを
溶媒中でラジカル共重合させるに際し、溶媒または連鎖
移動剤としてアルキルアルデヒドを用いることを特徴と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無水マレイン酸とアル
キルビニルエーテルの低分子量共重合体の製造方法に関
する。 無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルの共
重合体の中では、特に無水マレイン酸とメチルビニルエ
ーテルの共重合体は直鎖状の水溶性の高分子電解質化合
物であり、人体に対する無毒性、長期間にわたる安定
性、粘着性、凝集性、保水性、剥離性等が優れている特
徴を活かし、貼付剤(パップ剤)、整髪剤、接着剤洗剤
の固着防止剤、合成洗剤のビルダー等の幅広い産業分野
で応用されている。
キルビニルエーテルの低分子量共重合体の製造方法に関
する。 無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルの共
重合体の中では、特に無水マレイン酸とメチルビニルエ
ーテルの共重合体は直鎖状の水溶性の高分子電解質化合
物であり、人体に対する無毒性、長期間にわたる安定
性、粘着性、凝集性、保水性、剥離性等が優れている特
徴を活かし、貼付剤(パップ剤)、整髪剤、接着剤洗剤
の固着防止剤、合成洗剤のビルダー等の幅広い産業分野
で応用されている。
【0002】
【従来の技術】従来、無水マレイン酸とアルキルビニル
エーテルの共重合体の製造は、一般的に、有機溶剤中で
ラジカル重合により行われている。例えば、米国特許35
53183号明細書には、ベンゼンを溶剤とした製造方法が
開示されている。特開平1-149810号公報には、溶剤とし
て飽和カルボン酸エステルを使用する製造方法が提案さ
れている。また、英国特許712220号明細書には、反応に
供される無水マレイン酸全量を反応器に仕込んだ後に、
アルキルビニルエーテルを少量ずつ時間をかけて添加す
る方法が提案されている。
エーテルの共重合体の製造は、一般的に、有機溶剤中で
ラジカル重合により行われている。例えば、米国特許35
53183号明細書には、ベンゼンを溶剤とした製造方法が
開示されている。特開平1-149810号公報には、溶剤とし
て飽和カルボン酸エステルを使用する製造方法が提案さ
れている。また、英国特許712220号明細書には、反応に
供される無水マレイン酸全量を反応器に仕込んだ後に、
アルキルビニルエーテルを少量ずつ時間をかけて添加す
る方法が提案されている。
【0003】しかしながら、これらの方法では、得られ
る無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルの共重合体
の重量平均分子量を5万以下に制御することは容易では
なかった。
る無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルの共重合体
の重量平均分子量を5万以下に制御することは容易では
なかった。
【0004】また連鎖移動剤を使用して無水マレイン酸
とアルキルビニルエーテルの低分子量共重合体を製造す
る方法も一般的に知られているが、通常の連鎖移動剤
(例えばチオール系連鎖移動剤)の使用により無水マレ
イン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の本来の性質
が損なわれ、かつ重量平均分子量が5万以下の低分子量
共重合体を製造することも容易ではなかった。
とアルキルビニルエーテルの低分子量共重合体を製造す
る方法も一般的に知られているが、通常の連鎖移動剤
(例えばチオール系連鎖移動剤)の使用により無水マレ
イン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の本来の性質
が損なわれ、かつ重量平均分子量が5万以下の低分子量
共重合体を製造することも容易ではなかった。
【0005】したがって、従来の方法では乳化剤、分散
剤、セメント添加剤、潤滑剤等、分子量の低いものが要
求される用途に使用する無水マレイン酸とアルキルビニ
ルエーテルの共重合体の製造には適当でなかった。
剤、セメント添加剤、潤滑剤等、分子量の低いものが要
求される用途に使用する無水マレイン酸とアルキルビニ
ルエーテルの共重合体の製造には適当でなかった。
【0006】一方、無水マレイン酸とアルキルビニルエ
ーテルの共重合体の重量平均分子量を5万以下にコント
ロールする事により、有機・無機顔料、セラミック、セ
メント減水剤など、さまざまな個体粒子の性質に合わせ
た分散剤が可能となるほか、エマルジョンやラテックス
の保護コロイド、界面活性剤などに応用できるので、こ
のような低分子量体及びその製造方法の開発が望まれて
いた。
ーテルの共重合体の重量平均分子量を5万以下にコント
ロールする事により、有機・無機顔料、セラミック、セ
メント減水剤など、さまざまな個体粒子の性質に合わせ
た分散剤が可能となるほか、エマルジョンやラテックス
の保護コロイド、界面活性剤などに応用できるので、こ
のような低分子量体及びその製造方法の開発が望まれて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、鋭意検討した結果、重量平均分子量が約5000〜
50000の無水マレイン酸とアルキルビニルエーテル
の低分子量共重合体の製造方法を見いだし本発明を完成
するに至った。
は、鋭意検討した結果、重量平均分子量が約5000〜
50000の無水マレイン酸とアルキルビニルエーテル
の低分子量共重合体の製造方法を見いだし本発明を完成
するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、無
水マレイン酸とアルキルビニルエーテルを溶媒中でラジ
カル共重合させるに際し、連鎖移動効果をもつ溶剤とし
てアルキルアルデヒドを存在させることを特徴とする重
量平均分子量が約5000〜50000の無水マレイン
酸とアルキルビニルエーテルの低分子量共重合体の製造
方法である。以下、本発明について詳しく説明する。
水マレイン酸とアルキルビニルエーテルを溶媒中でラジ
カル共重合させるに際し、連鎖移動効果をもつ溶剤とし
てアルキルアルデヒドを存在させることを特徴とする重
量平均分子量が約5000〜50000の無水マレイン
酸とアルキルビニルエーテルの低分子量共重合体の製造
方法である。以下、本発明について詳しく説明する。
【0009】本発明で用いられるアルキルビニルエーテ
ルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニル
エーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシル
ビニルエーテル及びオクタデシルビニルエーテル等が挙
げられ、単独もしくは2種以上のアルキルビニルエーテ
ルの混合物も使用される。これらの中でも特に好ましい
のはメチルビニルエーテルである。
ルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニル
エーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシル
ビニルエーテル及びオクタデシルビニルエーテル等が挙
げられ、単独もしくは2種以上のアルキルビニルエーテ
ルの混合物も使用される。これらの中でも特に好ましい
のはメチルビニルエーテルである。
【0010】本発明で用いられる無水マレイン酸として
は、無水マレイン酸誘導体や他のα,β−不飽和カルボ
ン酸が含まれていても良い。
は、無水マレイン酸誘導体や他のα,β−不飽和カルボ
ン酸が含まれていても良い。
【0011】重合は通常のラジカル生成剤により開始さ
れ、例えば次のものが開始剤として用いられる。アシル
パーオキシド例えばジアセチルパーオキシド、ジベンゾ
イルパーオキシド及びジラウリルパーオキシド、パーエ
ステル例えばピバリン酸三級ブチルパーエステル及び2-
エチルヘキサン酸三級ブチルパーオキシド、パーオキシ
ド例えばジ三級ブチルパーオキシド、パーカーボネート
例えばジシクロヘキシルパーオキシジカーボネートなら
びにアゾ化合物例えば2,2'- アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'- アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、
1,1'- アゾビス(1-シクロヘキサンカーボニトリル)及
びジメチルー2,2'- アゾビス(イソブチレート)があ
る。
れ、例えば次のものが開始剤として用いられる。アシル
パーオキシド例えばジアセチルパーオキシド、ジベンゾ
イルパーオキシド及びジラウリルパーオキシド、パーエ
ステル例えばピバリン酸三級ブチルパーエステル及び2-
エチルヘキサン酸三級ブチルパーオキシド、パーオキシ
ド例えばジ三級ブチルパーオキシド、パーカーボネート
例えばジシクロヘキシルパーオキシジカーボネートなら
びにアゾ化合物例えば2,2'- アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'- アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、
1,1'- アゾビス(1-シクロヘキサンカーボニトリル)及
びジメチルー2,2'- アゾビス(イソブチレート)があ
る。
【0012】開始剤の使用量としては重合反応に通常用
いられる量、すなわち無水マレイン酸に対して0.005 〜
5 重量%、好ましくは0.01〜1 重量%である。
いられる量、すなわち無水マレイン酸に対して0.005 〜
5 重量%、好ましくは0.01〜1 重量%である。
【0013】無水マレイン酸及びアルキルビニルエーテ
ルはよく知られているように1:1のモル比で重合して
厳密な交互共重合体を与える。無水マレイン酸とアルキ
ルビニルエーテルの使用割合はいかなる割合であっても
よいが、無水マレイン酸の完全な反応率を達成するため
には、無水マレイン酸1モルに対してアルキルビニルエ
ーテルを1モル以上使用することが好ましい。
ルはよく知られているように1:1のモル比で重合して
厳密な交互共重合体を与える。無水マレイン酸とアルキ
ルビニルエーテルの使用割合はいかなる割合であっても
よいが、無水マレイン酸の完全な反応率を達成するため
には、無水マレイン酸1モルに対してアルキルビニルエ
ーテルを1モル以上使用することが好ましい。
【0014】本発明に使用するアルキルアルデヒドの例
としては、プロピルアルデヒド、n−ブチルアルデヒ
ド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n
−カプロアルデヒド、n−ヘプタアルデヒド、ピバルア
ルデヒド、ヘプチルアルデヒド、カプリルアルデヒド、
2−エチルヘキシルアルデヒド、ノニルアルデヒド、カ
プリンアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、ラウリ
ルアルデヒド、トリデカナール、グルタルアルデヒド、
N,N−ジメチルホルムアミドなどか挙げられる。
としては、プロピルアルデヒド、n−ブチルアルデヒ
ド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n
−カプロアルデヒド、n−ヘプタアルデヒド、ピバルア
ルデヒド、ヘプチルアルデヒド、カプリルアルデヒド、
2−エチルヘキシルアルデヒド、ノニルアルデヒド、カ
プリンアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、ラウリ
ルアルデヒド、トリデカナール、グルタルアルデヒド、
N,N−ジメチルホルムアミドなどか挙げられる。
【0015】また本発明においては、アルキルアルデヒ
ドに他の溶剤、例えば、種々のアルキルアルデヒドの混
合物、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンもしくはキ
シレン等のベンゼン誘導体、酢酸エチルや酢酸イソプロ
ピル等の有機酸エステル類、ジエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、四塩化炭素、クロロホルム等の有機ハロゲン化物等
を混合して重合溶媒として使用することもできるが、特
にn−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドまたは
プロピルアルデヒドの単独使用が好ましい。
ドに他の溶剤、例えば、種々のアルキルアルデヒドの混
合物、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンもしくはキ
シレン等のベンゼン誘導体、酢酸エチルや酢酸イソプロ
ピル等の有機酸エステル類、ジエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、四塩化炭素、クロロホルム等の有機ハロゲン化物等
を混合して重合溶媒として使用することもできるが、特
にn−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドまたは
プロピルアルデヒドの単独使用が好ましい。
【0016】重合溶媒の使用量は、共重合体固形分濃度
により決定される。本発明においては得られる共重合体
固形分濃度は10〜60重量%に調節できるが、20〜
40重量%に調節するのが好ましい。
により決定される。本発明においては得られる共重合体
固形分濃度は10〜60重量%に調節できるが、20〜
40重量%に調節するのが好ましい。
【0017】共重合体の重合は常法により行われる。す
なわち開始剤および単量体の添加方法としては、重合の
初期に無水マレイン酸、溶剤、開始剤及びアルキルビニ
ルエーテルを一括投入する方法、及び溶剤中に無水マレ
イン酸の溶液及び開始剤を装入しておき、それにアルキ
ルビニルエーテル及び開始剤を特定の時間をかけて分添
供給する方法等が用いられる。また重合温度は20〜1
80℃までの広い範囲で変えることができる。重合圧力
には特に制限はない。
なわち開始剤および単量体の添加方法としては、重合の
初期に無水マレイン酸、溶剤、開始剤及びアルキルビニ
ルエーテルを一括投入する方法、及び溶剤中に無水マレ
イン酸の溶液及び開始剤を装入しておき、それにアルキ
ルビニルエーテル及び開始剤を特定の時間をかけて分添
供給する方法等が用いられる。また重合温度は20〜1
80℃までの広い範囲で変えることができる。重合圧力
には特に制限はない。
【0018】共重合体は溶媒を留去した後に乾燥するこ
とにより得られる。共重合体の分子量はGPC(Gel Pe
rmeation Chromatography )を使用し、分子量の基準と
してスチレンを用いて測定した。また分子量の測定に際
し、臭化リチウム0.1g及びジメチルホルムアミド1
00gから成る溶液を作製し、その溶液1mlに共重合
体0.1gを溶解して使用した。
とにより得られる。共重合体の分子量はGPC(Gel Pe
rmeation Chromatography )を使用し、分子量の基準と
してスチレンを用いて測定した。また分子量の測定に際
し、臭化リチウム0.1g及びジメチルホルムアミド1
00gから成る溶液を作製し、その溶液1mlに共重合
体0.1gを溶解して使用した。
【0019】以下、実施例により具体的に説明するが、
本発明は以下の実施例によって限定されるものではな
い。
本発明は以下の実施例によって限定されるものではな
い。
【0020】
実施例1 攪拌機、還流冷却器及び分添供給装置が装備された1.
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸50.4gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでn−ブチルアルデヒド370g及びメチルビ
ニルエーテル35.8gを投入し、無水マレイン酸が溶
解するまで約15分間攪拌した。この混合物を60℃に
加熱し、ラウロイルパーオキサイド1g及びn−ブチル
アルデヒド100gから成る開始剤液の30mlを加え、
5時間重合させた。その際反応混合物を60℃に保つよ
うに、水浴の温度を制御した。開始剤液を添加後、重合
溶液は反応時間が進むにつれて次第に粘稠溶液となっ
た。全ての無水マレイン酸の反応を確認した後、過剰の
メチルビニルエーテルを蒸発させ、オートクレーブを開
放して重合体溶液を取り出した。次いで溶剤を減圧下で
留去し、得られた重合物を真空乾燥器に入れて50℃で
乾燥し、白色の固体が67.6g得られた。このものの
重量平均分子量は約10500であった。結果を表1に
示す。
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸50.4gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでn−ブチルアルデヒド370g及びメチルビ
ニルエーテル35.8gを投入し、無水マレイン酸が溶
解するまで約15分間攪拌した。この混合物を60℃に
加熱し、ラウロイルパーオキサイド1g及びn−ブチル
アルデヒド100gから成る開始剤液の30mlを加え、
5時間重合させた。その際反応混合物を60℃に保つよ
うに、水浴の温度を制御した。開始剤液を添加後、重合
溶液は反応時間が進むにつれて次第に粘稠溶液となっ
た。全ての無水マレイン酸の反応を確認した後、過剰の
メチルビニルエーテルを蒸発させ、オートクレーブを開
放して重合体溶液を取り出した。次いで溶剤を減圧下で
留去し、得られた重合物を真空乾燥器に入れて50℃で
乾燥し、白色の固体が67.6g得られた。このものの
重量平均分子量は約10500であった。結果を表1に
示す。
【0021】実施例2 攪拌機、還流冷却器及び分添供給装置が装備された1.
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸50.4gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでn−ブチルアルデビド647g及びラウロイ
ルパーオキサイド1gを投入し、無水マレイン酸が溶解
するまで約15分間攪拌した。この混合物を60℃に昇
温した。次にオートクレーブ内温を60℃に保ちながら
メチルビニルエーテル35.8gを、1時間に5gの割
合で逐次仕込んだ。さらにオートクレーブ内温を60℃
に保ちながら、3時間重合を行った。重合溶液は反応時
間が進むにつれて次第に粘稠溶液となり、全ての無水マ
レイン酸が反応した後、過剰のメチルビニルエーテルを
蒸発させ、オートクレーブを開放して重合体溶液を取り
出した。次いで溶剤を減圧下で留去し、得られた重合物
を真空乾燥器に入れて50℃で乾燥し、白色の固体が7
0.8g得られた。このものの重量平均分子量は約72
00であった。結果を表1に示す。
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸50.4gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでn−ブチルアルデビド647g及びラウロイ
ルパーオキサイド1gを投入し、無水マレイン酸が溶解
するまで約15分間攪拌した。この混合物を60℃に昇
温した。次にオートクレーブ内温を60℃に保ちながら
メチルビニルエーテル35.8gを、1時間に5gの割
合で逐次仕込んだ。さらにオートクレーブ内温を60℃
に保ちながら、3時間重合を行った。重合溶液は反応時
間が進むにつれて次第に粘稠溶液となり、全ての無水マ
レイン酸が反応した後、過剰のメチルビニルエーテルを
蒸発させ、オートクレーブを開放して重合体溶液を取り
出した。次いで溶剤を減圧下で留去し、得られた重合物
を真空乾燥器に入れて50℃で乾燥し、白色の固体が7
0.8g得られた。このものの重量平均分子量は約72
00であった。結果を表1に示す。
【0022】実施例3 n−ブチルアルデヒドの代わりにn−プロピルアルデヒ
ドを溶媒として用いた以外は実施例1と同様に操作し、
白色の固体が72.4g得られた。このものの重量平均
分子量は約21900であった。結果を表1に示す。
ドを溶媒として用いた以外は実施例1と同様に操作し、
白色の固体が72.4g得られた。このものの重量平均
分子量は約21900であった。結果を表1に示す。
【0023】実施例4 n−ブチルアルデヒドの代わりにメチルイソブチルケト
ン(MIBK)/n−ブチルアルデヒドの50/50WT
% の混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に操作し、
白色の固体が71 .2 g得られた。このものの重量平均
分子量は約43800であった。結果を表1に示す。
ン(MIBK)/n−ブチルアルデヒドの50/50WT
% の混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様に操作し、
白色の固体が71 .2 g得られた。このものの重量平均
分子量は約43800であった。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】比較例1 攪拌機、還流冷却器及び分添供給装置が装備された1.
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸30.4gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでベンゼン387g、ラウロイルパーオキサイ
ド1gをベンゼン100gに溶解した開始剤液30mlを
投入し、無水マレイン酸が溶解するまで約15分間攪拌
した。この混合物を60℃に昇温した。次にオートクレ
ーブ内温を60℃に保ちながらメチルビニルエーテル2
1.6gを、1時間に9gの割合で逐次仕込みながら8
時間重合を行った。メチルビニルエーテルを添加後、約
15分程度で濁りが生じ重合開始が認められた。最初
は、希薄液状の白色の懸濁液は、反応時間が進むにつれ
て次第に粘稠溶液となり、全ての無水マレイン酸が反応
した後、過剰のメチルビニルエーテルを蒸発させた。残
留する重合体液は容易に反応器より取り出せ、攪拌翼及
び反応器壁への付着は少なく、又容易に取り除けた。得
られた重合懸濁液を吸引濾過し、50℃真空乾燥器で乾
燥した。白色の粉末が46.4g得られた。このものの
重量平均分子量は約142100であった。結果を表2
に示す。
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸30.4gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでベンゼン387g、ラウロイルパーオキサイ
ド1gをベンゼン100gに溶解した開始剤液30mlを
投入し、無水マレイン酸が溶解するまで約15分間攪拌
した。この混合物を60℃に昇温した。次にオートクレ
ーブ内温を60℃に保ちながらメチルビニルエーテル2
1.6gを、1時間に9gの割合で逐次仕込みながら8
時間重合を行った。メチルビニルエーテルを添加後、約
15分程度で濁りが生じ重合開始が認められた。最初
は、希薄液状の白色の懸濁液は、反応時間が進むにつれ
て次第に粘稠溶液となり、全ての無水マレイン酸が反応
した後、過剰のメチルビニルエーテルを蒸発させた。残
留する重合体液は容易に反応器より取り出せ、攪拌翼及
び反応器壁への付着は少なく、又容易に取り除けた。得
られた重合懸濁液を吸引濾過し、50℃真空乾燥器で乾
燥した。白色の粉末が46.4g得られた。このものの
重量平均分子量は約142100であった。結果を表2
に示す。
【0026】比較例2 攪拌機、還流冷却器及び分添供給装置が装備された1.
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸98.0gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いで四塩化炭素612g、ラウロイルパーオキサ
イド1gを投入し、無水マレイン酸が溶解するまで約1
5分間攪拌した。この混合物を60℃に昇温した。次に
オートクレーブ内温を60℃に保ちながらメチルビニル
エーテル69.6gを、1時間に18gの割合で逐次仕
込みながら6時間重合を行った。メチルビニルエーテル
を添加後、約15分程度で濁りが生じ重合開始が認めら
れた。最初は、希薄液状の白色の懸濁液は、反応時間が
進むにつれて次第に粘稠になり、全ての無水マレイン酸
が反応した後、過剰のメチルビニルエーテルを蒸発させ
た。残留する重合体液は容易に反応器より取り出せ、攪
拌翼及び反応器壁への付着は少なく、又容易に取り除け
た。得られた重合懸濁液を吸引濾過し、50℃で真空乾
燥して白色の粉末が152.3g得られた。このものの
重量平均分子量は約132700であった。結果を表2
に示す。
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸98.0gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いで四塩化炭素612g、ラウロイルパーオキサ
イド1gを投入し、無水マレイン酸が溶解するまで約1
5分間攪拌した。この混合物を60℃に昇温した。次に
オートクレーブ内温を60℃に保ちながらメチルビニル
エーテル69.6gを、1時間に18gの割合で逐次仕
込みながら6時間重合を行った。メチルビニルエーテル
を添加後、約15分程度で濁りが生じ重合開始が認めら
れた。最初は、希薄液状の白色の懸濁液は、反応時間が
進むにつれて次第に粘稠になり、全ての無水マレイン酸
が反応した後、過剰のメチルビニルエーテルを蒸発させ
た。残留する重合体液は容易に反応器より取り出せ、攪
拌翼及び反応器壁への付着は少なく、又容易に取り除け
た。得られた重合懸濁液を吸引濾過し、50℃で真空乾
燥して白色の粉末が152.3g得られた。このものの
重量平均分子量は約132700であった。結果を表2
に示す。
【0027】比較例3 攪拌機、還流冷却器及び分添供給装置が装備された1.
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸63.5gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでメチルイソブチルケトン397g、n−ブチ
ルメルカプタン12.9g及びメチルビニルエーテル4
5.1gを投入し、無水マレイン酸が溶解するまで約1
5分間攪拌した。この混合物を60℃に加熱し、ラウロ
イルパーオキサイド1g及びメチルイソブチルケトン1
00gから成る開始剤液の30mlを加え、4時間重合さ
せた。その際反応混合物を60℃に保つように、水浴の
温度を制御した。開始剤液を添加後、約15分程度で濁
りが生じ重合開始が認められた。最初は希薄状の白色の
懸濁液は、反応時間が進むにつれて次第に粘稠となり、
重合終了時には、溶剤が生成した共重合体に吸収され、
見かけ上溶剤がなくなった。過剰のメチルビニルエーテ
ルを蒸発させ、オートクレーブを開放し、溶剤を吸収し
た共重合体を掻きだした。得られた重合体はろ過ができ
なかった。この重合物を直接真空乾燥器に入れ、50℃
で乾燥し、白色の粉末が100.4g得られた。このも
のの重量平均分子量は約85300であった。結果を表
2に示す。
5リットル容のガラスオートクレーブを用い、反応を空
気遮断下で実施できるようにするため真空接続部及び窒
素導管を接続した。重合容器の加熱は、水浴上で行っ
た。まず無水マレイン酸63.5gを投入し、オートク
レーブを閉じ、真空置換後、窒素を導入し常圧に戻し
た。次いでメチルイソブチルケトン397g、n−ブチ
ルメルカプタン12.9g及びメチルビニルエーテル4
5.1gを投入し、無水マレイン酸が溶解するまで約1
5分間攪拌した。この混合物を60℃に加熱し、ラウロ
イルパーオキサイド1g及びメチルイソブチルケトン1
00gから成る開始剤液の30mlを加え、4時間重合さ
せた。その際反応混合物を60℃に保つように、水浴の
温度を制御した。開始剤液を添加後、約15分程度で濁
りが生じ重合開始が認められた。最初は希薄状の白色の
懸濁液は、反応時間が進むにつれて次第に粘稠となり、
重合終了時には、溶剤が生成した共重合体に吸収され、
見かけ上溶剤がなくなった。過剰のメチルビニルエーテ
ルを蒸発させ、オートクレーブを開放し、溶剤を吸収し
た共重合体を掻きだした。得られた重合体はろ過ができ
なかった。この重合物を直接真空乾燥器に入れ、50℃
で乾燥し、白色の粉末が100.4g得られた。このも
のの重量平均分子量は約85300であった。結果を表
2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒または連鎖移動剤
としてアルキルアルデヒドを用いることにより、重量平
均分子量が約5000〜50000の無水マレイン酸と
アルキルビニルエーテルの低分子量共重合体が得られ
る。
としてアルキルアルデヒドを用いることにより、重量平
均分子量が約5000〜50000の無水マレイン酸と
アルキルビニルエーテルの低分子量共重合体が得られ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 無水マレイン酸とアルキルビニルエーテ
ルを溶媒中で共重合させる方法において、アルキルアル
デヒドの存在下に重合を行うことを特徴とする無水マレ
イン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21438092A JPH0656937A (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | 無水マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21438092A JPH0656937A (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | 無水マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0656937A true JPH0656937A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16654831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21438092A Pending JPH0656937A (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | 無水マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0656937A (ja) |
-
1992
- 1992-08-11 JP JP21438092A patent/JPH0656937A/ja active Pending
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