JPH0656910A - アニオン重合による重合体の連続式製造方法 - Google Patents

アニオン重合による重合体の連続式製造方法

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JPH0656910A
JPH0656910A JP22913192A JP22913192A JPH0656910A JP H0656910 A JPH0656910 A JP H0656910A JP 22913192 A JP22913192 A JP 22913192A JP 22913192 A JP22913192 A JP 22913192A JP H0656910 A JPH0656910 A JP H0656910A
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Mitsuru Nagasawa
満 永澤
Michihiro Kawai
道弘 河合
Kazuyuki Kuwano
一幸 桑野
Masataka Muramatsu
正隆 村松
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Toagosei Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Gauken
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Toagosei Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Gauken
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続アニオン重合法を採用して、分子量分布
の極めて狭い、具体的には分散度が1.2以下程度の重
合体を製造し得る方法を提供する。 【構成】 アニオン重合性単量体溶液及びアニオン重合
開始剤溶液を連続的に重合器に供給すると共に、生成す
る重合体を連続的に系外に抜き出すことからなるアニオ
ン重合による重合体の連続式製造方法において、アニオ
ン重合性単量体溶液及びアニオン重合開始剤溶液を、場
合により噴射攪拌で予備混合して、スタティックミキサ
ーで混合し、得られる混合溶液を重合器(反応器2a)
に導入し、重合器内で重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アニオン重合性単量体
を連続的に重合器内に供給し、アニオン重合開始剤で該
単量体を連続的にアニオン重合させる方法によって、分
子量分布の狭い重合体を連続的に製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来より、連続してアニオ
ン重合生成物を得る手法として、いわゆるリビングアニ
オン重合法が知られている。リビングアニオン重合法に
おいては、生長中の高分子鎖同士の反応等による生長反
応の停止がなく、重合系に存在するすべての高分子鎖
は、同一の生長速度で単量体が無くなるまで生長を続け
るという特性があり、該重合法は重合体に分子量の制御
が極めて容易であるという長所を有する。そのため、該
重合法によれば、目的の分子量を有する重合体を狭い分
子量分布で得ることができる。
【0003】一般に、上記リビングアニオン重合は、通
常精製された有機溶剤中で、アニオン重合性単量体とア
ニオン重合開始剤を混合することにより行われるが、重
合が一般的には数秒〜数十秒のような極めて短時間に完
了するために、回分式より連続式の方が効率的であり、
同重合法によるポリブタジエンゴムやポリスチレン等の
工業的な生産においても、連続式が採用されている。
【0004】しかしながら、従来工業的に実施されてい
る連続式アニオン重合では、十分に狭い分子量分布の単
分散ポリマーは必ずしも容易には得られず、例えば、分
散度即ち重量平均分子量/数平均分子量が1.0に近い
単分散ポリマーは、得られていない。
【0005】連続式アニオン重合において、単分散ポリ
マーを得るための基本的要件は、連続的に供給される単
量体と重合開始剤の比率を、重合継続中厳密に一定にす
ることであり、それを達成するためには、単量体と重合
開始剤を素早くかつ均一に混合し得る混合機構を採用す
る必要があるが、上記従来の工業的な連続式アニオン重
合においてなお課題が存在する理由は、主に採用されて
いた高速攪拌翼を備えた混合槽等では、上記要件の達成
がなお不完全だったところにあると推測される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続アニオ
ン重合法を採用して、分子量分布の極めて狭い、具体的
には分散度が1.2以下程度の重合体を製造し得る方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。
【0008】即ち、本発明のアニオン重合による重合体
の連続式製造方法は、アニオン重合性単量体溶液及びア
ニオン重合開始剤溶液を連続的に重合器に提供すると共
に、生成する重合体を連続的に系外に抜き出すことから
なるアニオン重合による重合体の連続式製造方法におい
て、前記アニオン重合性単量体溶液及びアニオン重合開
始剤溶液をスタティックミキサーで混合し、得られる混
合溶液を重合器に導入し、重合器内で重合させることを
特徴とするものである。
【0009】本発明において、アニオン重合性単量体溶
液とアニオン重合開始剤溶液を噴射攪拌で予備混合して
得られる溶液をスタティックミキサーに導入すること
は、特に好ましい製法である。
【0010】本発明によれば、重合溶媒中で、アニオン
重合性モノマーをアニオン重合開始剤を用いて連続的に
重合させる際、アニオン重合性モノマーとアニオン重合
開始剤をスタティックミキサーからなる混合機器を用い
て瞬時に混合するので、分子量分布の狭い単分散リビン
グポリマーを連続的に製造することができる。
【0011】本発明において、重合は、リビングアニオ
ン重合の形態で行われていると考えられる。リビングア
ニオン重合法は一般に、停止反応がなく生長末端が生き
続ける重合で、熱可塑性エラストマーや、高分子界面活
性剤、分散剤等に有用なブロック、あるいはグラフトコ
ポリマー、液状弾性体として有用な両末端に官能基をも
ったテレキリックポリマー、塗料用樹脂等に有用なスタ
ーポリマー、分子特性評価手段に用いられる分子量分布
の狭い単分散ポリマー等、予め設計した通りのポリマー
を製造できる構造規制重合法として極めて重要な重合法
である。
【0012】一般に、単分散リビングポリマーの製造に
は、溶媒やモノマーへの副反応を抑えるために20〜−
100℃の低温で反応を維持することが好ましい。特
に、メタクリレートやアクリレートのような極性モノマ
ーは、モノマーの極性部位への副反応が著しく、およそ
−40℃以下の反応温度が好ましい。またアニオン重合
はその重合速度が非常に速く、開始剤濃度にもよるが、
一般に数秒から数十秒の間に反応は完結してしまい、そ
の反応熱をすばやく除去しなければならない。このよう
なことから、回分(バッチ)重合プロセスでは、スケー
ルアップに伴い、大がかりな冷却装置が必要となり、加
熱制御と違って多大なコストを要する。また、体積あた
りの伝熱面積も減少するので、このような低温で反応を
制御するのは難しい。
【0013】これに対し、本発明ではアニオン重合性単
量体溶液及びアニオン重合開始剤溶液を連続的に重合器
に供給し、連続的に系外に抜き出すという連続式重合方
法を採用するため、反応器の大きさを小さくでき、冷却
コストを最小限に抑えられ、かつ生産効率を高くするこ
とができる。
【0014】分子量分布の狭い単分散ポリマーを得るに
は、低温での反応という条件以外にも、開始剤とモノマ
ーが瞬時に均一混合され一斉に反応が開始しなければな
らないという条件や、混合器及び重合器内でのバックミ
キシングが起こらないという条件が必要であるが、本発
明では、重合開始剤とモノマーの混合にスタティックミ
キサーを用いる方法を採用した結果、単分散リビングポ
リマーを連続的にかつ安価に製造することに成功した。
【0015】本発明においては、開始剤溶液とモノマー
溶液の混合にスタティックミキサーを用いることによっ
て、その混合は連続的な混合器または重合器の半径方向
のみとなり、バックミキシングは抑えられ、また高速で
開始剤とモノマーの溶液を流すことで短時間でほぼ均一
な混合を達成することが可能となった。
【0016】本発明において重合器を管型とする態様を
採ることにより、デットスペースを極力なくし、反応液
の流れをピストンフローにし、バックミキシングが起こ
らないようにできる。
【0017】特に重合速度の速いメチルメタクリレート
やアクリレート等の重合の場合は、より素早く混合され
なければならないので、噴射攪拌による予備混合し得る
インジェクター付きスタティックミキサーを用いると、
より有効である。図2に、インジェクター付きスタティ
ックミキサーの一例の構成を示す(後記詳述)。
【0018】本発明において、管型重合器を用いる方法
は好ましい態様であり、このように管型反応器を用いる
ことで反応器の大きさもコンパクトにでき、体積あたり
の伝熱面積も大きくなり、またスタティックミキサーを
用いることで瞬時に開始剤溶液とモノマー溶液は混合さ
れ安価に単分散リビングポリマーの製造が可能になっ
た。
【0019】図1に、本発明の実施に際して用いること
ができる具体的な連続プロセス構成例を、概略図で示
す。図1中、符号1でスタティックミキサーを示す。符
号2は、スタティックミキサー1の前後に連続された重
合器(以下反応器という)であり、スタティックミキサ
ー及び反応器2aは、反応槽3内に収納されるととも
に、反応槽3内の液媒に浸漬されて、温度制御されてい
る(2bは冷却用の冷却器である)。4Aはモノマー溶
液タンク、4Bは開始剤タンク、4Cはポリマータンク
であり、4DはArガスボンベである。5はチューブポ
リエチレン(製)であり、61は三方コック、62はス
トップコック、7は減圧弁である。
【0020】本発明において、連続アニオン重合に使用
される溶媒は、開始剤を失活させない有機溶媒ならば特
に制限はなく、どのような有機溶媒でもよい。例えば、
ジエチルエーテル、メチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4ジオキサンジエチルエーテル、トルエン、ベ
ンゼンなどが挙げられるが、望ましくはテトラヒドロフ
ラン、1,4ジオキサンジエチルエーテル等の極性溶媒
の方が溶解性の点から好ましい。また、溶媒はこれらの
二種以上の混合溶媒でもよい。ただし、溶媒はアニオン
重合に有害な水分や、酸素や二酸化炭素などの活性気体
等を、十分に精製して取り除いたのちに使用されること
が望ましい。
【0021】連続アニオン重合に使用される開始剤は、
当該モノマーをアニオン重合させることができるもので
あるならば特に制限はない。例えばアルキルリチウム、
アルキルナトリウム、ナトリウムナフタレン、リチウム
ナフタレン、トリフェニルメチルナトリウム、トリフェ
ニルメチルリチウム、クミルカリウム、クミルセシウム
等や、ポリαメチルスチリルリチウムまたはナトリウム
等のリビングポリマーである。しかし、メタクリレー
ト、アクリレート等の極性モノマーを重合させる場合に
は、トリフェニルメチルナトリウム、クミルカリウム、
ポリαメチルスチリルリチウムまたはナトリウム等のリ
ビングポリマーなどが望ましい。
【0022】この連続アニオン重合に使用されるアニオ
ン重合性モノマーは、アニオン重合可能なモノマーであ
れば、特に制限はない。例えば、スチレン、αメチルス
チレン、メチルメタクリレートまたはアクリレート等の
電子吸引性置換基を有するモノマーである。
【0023】本発明において、開始剤溶液とモノマー溶
液の混合に用いるスタティックミキサー(静止型混合
機)とは、駆動部のない攪拌機を指す。例えば、攪拌子
として図3のようなエレメントをもつスタティックミキ
サーが好ましい。図3(a)に右エレメント、図3
(b)に左エレメントを示す。図中の矢印で回転方向
(攪拌方向)を示す。本発明において用いる好適なスタ
ティックミキサーの構造は、管内に図3のような矩形の
板材を右回り、或いは左回りに180度捻ったエレメン
トを、交互に約90度ずらして交差させて並べた構造で
ある。エレメントと径の長さの比は1:1.5程度が好
ましい。
【0024】図3の構成のミキサー以外にも、同様な性
能をもつ他のタイプのスタティックミキサーも好ましく
用いることができる。他にもスタティックミキサーの種
類はいくつかあるが、例えばSulzer Bros社
製のSMV,SMXや、Wymbs Engineer
ing LtdのEtoflo混合エレメントや、Tr
anskem Plant のROSSエレメントや、
Lightnin Mixers and Aerat
orsのLightnin混合エレメントなどがある。
【0025】エレメントの長さは、直径方向の長さの1
〜2倍が好ましい。また、エレメントの径は、管の径と
ほぼ同じである。
【0026】好適なエレメントの数は、管の径によって
決まり、 d=D/An A:1エレメント当たりの分割数,D:管の直径(c
m),n:エレメント数,d:分割幅のとき、d<0.1
になるようなエレメント数が望ましい。
【0027】これよりエレメントが少なくd>0.1と
なると混合が不十分となり、得られるリビングポリマー
の分子量分布が広くなってしまう。
【0028】また、望ましくは、スタティックミキサー
の前部にインジェクターを組み合わせて用いれば、より
有効に瞬時に混合できる。インジェクター付きスタティ
ックミキサーの構成例を図2に示す。特に重合速度の速
いモノマーに対しては、素早く混合されないと前述のよ
うに濃度差から分子量分布ができるので、インジェクタ
ー付きスタティックミキサーの使用が望ましい。図2に
示すインジェクター付きスタティックミキサーは、次の
ような構造になっている。モノマー溶液が矢印21で流
入して、開口径が狭くなった噴射口を有するインジェク
ター22を通って噴射され、別の流入口から矢印23で
流入した重合開始剤溶液と混じり合って、複数の攪拌子
(回転攪拌羽根)を有する攪拌部24(スタティックミ
キサーのミキサー本体部)に入り、攪拌混合されて反応
が進行するようになっている。各部は管状構造をしてお
り、管型混合器を成している。即ち、このようなインジ
ェクター付きスタティックミキサーを使用すると、イン
ジェクター部分で瞬時的に予備混合がなされ、さらにス
タティックミキサーで混合されるというものである。イ
ンジェクターは、噴流型混合機の1種であり、一方の液
体にもう一方の液体を速い速度で噴流させ混合させる。
その混合された液をさらに管径を絞ることで混合を助長
させるものである。そして、次のスタティックミキサー
でさらに混合される。
【0029】本発明における好ましいインジェクターの
構造は、図2に示すものである。このインジェクターで
は90度の角度で2液が合流するが、これが180度で
あっても、0度つまり同方向で合流されてもよい。
【0030】2液の管の径は、好ましくは、その比が、
1:2以上あった方がよい。なぜなら、2液の流速に差
があった方がより混合されるからである。混合される2
液の流速の比は、好ましくは、4倍以上あった方がよ
い。
【0031】本発明における反応系の接液部の材質は、
アニオン末端を失活させるものでなければ特に制限はな
い。例えば、ガラス製あるいは、ガラスライニングされ
たものやポリエチレンライニングされたものなどがよ
い。
【0032】好適なモノマー溶液のモノマーの濃度は、
1wt〜50wt%である。これ以上濃度が高いと粘性が高
く混合がしにくくなり、分子量分布の狭いリビングポリ
マーができない。低すぎると生産効率が悪い。好適な開
始剤濃度は、0.01モル/ミリリットル以下がよい。
濃すぎると分子量分布の狭いリビングポリマーができな
い。
【0033】好適な開始剤溶液の供給速度Viとモノマ
ー溶液の供給速度Vmを合わせた全供給速度V(ミリリ
ットル/秒)は、 V>D3 nπ/40 D:管の直径(cm)、n:エレメント数、π:円周率 に従うように設定される方がよい。これより遅いと迅速
な混合ができずリビングポリマーの分子量分布が広くな
ってしまう。
【0034】反応の雰囲気は、窒素ガスやアルゴンガス
のような不活性ガス雰囲気が望ましいが、アニオン重合
末端を失活させる成分を含んでなければ制限はない。但
し、水分等が含まれぬように十分に注意する必要があ
る。
【0035】好適な反応温度は、モノマーの種類に応じ
て選択されるが、一般に20〜−100℃、好ましくは
−40〜−100℃が望ましい。温度が高いと副反応の
割合が高くなり、特にメチルメタクリレート、アクリレ
ート等の極性モノマーは、−40℃以下が好ましい。ま
た低すぎるとコストに影響がでるからである。
【0036】本発明で作られる単分散リビングポリマー
の分子量は、特に制限はなく、例えば約1000〜10
00000の範囲の分子量でMw/Mn<1.20の分
散度のリビングポリマーが製造できる。ここで言う単分
散とは、少なくともMw/Mn<1.2を指し、好まし
くは、1.1以下を指す。 Mw:重量平均分子量 Mn:数平均分子量
【0037】1000以下の分子量のポリマーは、一般
に、開始剤量が多く必要なため重合速度が極めて速くな
り開始剤とモノマーの混合が追いつけず、さらに温度制
御も困難になり、分子量分布の狭いリビングポリマーが
得られない。分子量1000000以上のポリマーは、
一般に、粘度が高くなるため混合が不十分になり、非常
に分子量分布の狭いリビングポリマーが得られない。
【0038】本発明によれば、単分散リビングポリマー
を連続的に安価に製造ことができるが、連続的に製造さ
れた分子量の揃ったリビングポリマーにさらに続けて、
例えば二酸化炭素を添加すればポリマー末端にカルボキ
シル基が導入されたポリマーが製造でき、開始剤がジア
ニオンであれば両末端に反応性基の導入されたテレキリ
ックポリマーが製造できる。また最初に重合させたモノ
マーと異なるアニオン重合性モノマーをリビングポリマ
ーに連続的に混合すれば、AB型ブロックポリマーが連
続的に製造できるなど、そのほか種々の構造のポリマー
を連続的に安価に製造することも可能である。
【0039】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、
これらの実施例のみに限定されるものではない。また、
実施例中のポリマーの分子量、分子量分布の測定はGP
Cにて行った。
【0040】実施例−1 本実施例では、図1に示した重合装置を用いて、連続ア
ニオン重合を行った。即ちトリフェニルメチルナトリウ
ム(開始剤)のTHF溶液に、アントラセンNaで十分
に脱水精製したテトラヒドロフラン(THF)を加え、
15.5×10-5モル/ミリリットルの濃度に開始剤溶
液を調整し、空気に触れないように十分注意してこれを
図1の開始剤タンク4Bに準備した。Naで十分に脱水
されたメチルメタクリレート(MMA)を十分に脱水精
製されたTHFに加え2.30×10-1g/ミリリット
ルの濃度にモノマー溶液を調整し、これらのモノマー溶
液を図1のモノマータンク4Aに蒸留し準備した。本実
施例において、スタティックミキサー1としては、図2
に示したインジェクター付きスタティックミキサーを用
いた。スタティックミキサー1を含む反応器2は、液媒
(冷媒)31としてドライアイス/メタノールの入った
反応槽3(冷却槽)で−78℃に保たれている。この反
応器2の内部は、Arガスボンベ4Dにより供給された
不活性ガス雰囲気となっている。この反応器へポリエチ
レンチューブ5を通してモノマー溶液を5.00ミリリ
ットル/秒の一定流量で、開始剤溶液を1.20ミリリ
ットル/秒の一定流量で送液した。重合してできたポリ
マー溶液は、図1のポリマータンク4Cに蓄えられた。
約20分運転し、約1.2kgのポリメタクリル酸メチル
を得ることができた。このポリマーの分子量は、GPC
で測定したところ、下記のとおりであった。 Mn(ポリスチレン換算)=6400 Mw(ポリスチレン換算)=6980 Mw/Mn=1.09 であり、分子量分布の非常に狭いポリマーであった。生
成ポリマーのGPCチャートを図6に示す。なお、本実
施例で用いた反応器2の側面図を図4に示し、上面図を
図5に示す。
【0041】本実施例によれば、アニオン重合性モノマ
ーから単分散リビングポリマーを低コストに連続的に製
造できる。さらに副反応が存在し、リビングアニオン重
合困難なメチルメタクリレート、アクリレートも、本実
施例によれば連続的に単分散リビングポリマーとして低
コストで製造できる。
【0042】実施例−2 本実施例でも、図1の重合装置を用いた。本実施例で
は、トリフェニルメチルナトリウム(開始剤)のTHF
溶液に、アントラセンNaで十分に脱水精製したテトラ
ヒドロフラン(THF)を加え、0.99×10-6モル
/ミリリットルの濃度に開始剤溶液を調整し、空気に触
れないように十分注意して図1の開始剤タンクBに準備
した。Naで十分に脱水されたメチルメタクリレート
(MMA)を十分に脱水精製されたTHFに加え4.9
8×10-2g/ミリリットルの濃度にモノマー溶液を調
整し、これらのモノマー溶液を図1のモノマータンク4
Aに蒸留し準備した。図2のスタティックミキサー1を
含む反応器2は、ドライアイス/メタノールの入った反
応槽3(冷却槽)で−78℃に保たれている。この反応
器2内部は、不活性ガス雰囲気となっている。この反応
器2へモノマー溶液を4.90ミリリットル/秒の一定
流量で、開始剤溶液を2.20ミリリットル/秒の一定
流量で送液した。重合してできたポリマー溶液は、図1
のポリマータンクCに蓄えられたれた。約30分運転
し、約0.4kgのポリメタクリル酸メチルを得ることが
できた。このポリマーの分子量は、GPCで測定した。 Mn(ポリスチレン換算)=107000 Mw(ポリスチレン換算)=120000 Mw/Mn=1.12 であり、分子量分布の非常に狭いポリマーであった。生
成ポリマーのGPCチャートを図7に示す。
【0043】本実施例によれば、アニオン重合性モノマ
ーから単分散リビングポリマーを低コストに連続的に製
造できるようになった。さらに副反応が存在し、リビン
グアニオン重合困難なメチルメタクリレート、アクリレ
ートも、本実施例によれば連続的に単分散リビングポリ
マーとして低コストで製造できるようになった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、連続アニオン重合法を
採用して、分子量分布の極めて狭い重合体を製造するこ
とが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した連続アニオン重合装置を示す
構成図である。
【図2】インジェクター付きスタティックミキサーの構
成例を示す図である。
【図3】スタティックミキサー内部のエレメント(攪拌
子)を示す図である。
【図4】実施例における反応器の側面図である。
【図5】実施例における反応器の上面図である。
【図6】実施例−1の生成ポリマーのGPCチャートで
ある。
【図7】実施例−2の生成ポリマーのGPCチャートで
ある。
【符号の説明】
1 スタティックミキサー 2a 重合器(反応器) 3 反応槽(冷却槽) 4A モノマー溶液タンク 4B 開始剤タンク 4C ポリマータンク 4D 不活性ガス(Arガス)ボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 道弘 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 桑野 一幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 村松 正隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン重合性単量体溶液及びアニオン重
    合開始剤溶液を連続的に重合器に供給すると共に、生成
    する重合体を連続的に系外に抜き出すことからなるアニ
    オン重合による重合体の連続式製造方法において、 前記アニオン重合性単量体溶液及びアニオン重合開始剤
    溶液をスタティックミキサーで混合し、得られる混合溶
    液を重合器に導入し、重合器内で重合させることを特徴
    とするアニオン重合による重合体の連続式製造方法。
  2. 【請求項2】アニオン重合性単量体溶液とアニオン重合
    開始剤溶液を噴射攪拌で予備混合して得られる溶液をス
    タティックミキサーに導入する請求項1記載のアニオン
    重合による重合体の連続式製造方法。
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