JPH0656521A - 圧電磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents
圧電磁器組成物及びその製造方法Info
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- JPH0656521A JPH0656521A JP4211588A JP21158892A JPH0656521A JP H0656521 A JPH0656521 A JP H0656521A JP 4211588 A JP4211588 A JP 4211588A JP 21158892 A JP21158892 A JP 21158892A JP H0656521 A JPH0656521 A JP H0656521A
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 10MHz程度以上の高周波に対応すること
ができ、耐熱衝撃性に優れると共に共振周波数の温度係
数が小く、安定した共振を行なわせることが可能で、更
に、質量負荷用の金属材料を用いなくてもスプリアスを
発生させない厚みすべり閉じ込めモードの圧電セラミッ
クス素子を作製することができ、製造工程の簡素化を可
能とし、コストの削減を図ることができる圧電磁器組成
物及びその製造方法を提供すること。 【構成】 Pb1-3/2x-y(Ndx Cay )(Zn1/3 N
b2/3 )z Ti1-zO3 (式中、x、y及びzはそれぞ
れ、0.05≦x≦0.14、0.05≦y≦0.1
5、0.03≦z≦0.15の範囲の値)で示される組
成を有し、さらにMn化合物を含有している圧電磁器組
成物。
ができ、耐熱衝撃性に優れると共に共振周波数の温度係
数が小く、安定した共振を行なわせることが可能で、更
に、質量負荷用の金属材料を用いなくてもスプリアスを
発生させない厚みすべり閉じ込めモードの圧電セラミッ
クス素子を作製することができ、製造工程の簡素化を可
能とし、コストの削減を図ることができる圧電磁器組成
物及びその製造方法を提供すること。 【構成】 Pb1-3/2x-y(Ndx Cay )(Zn1/3 N
b2/3 )z Ti1-zO3 (式中、x、y及びzはそれぞ
れ、0.05≦x≦0.14、0.05≦y≦0.1
5、0.03≦z≦0.15の範囲の値)で示される組
成を有し、さらにMn化合物を含有している圧電磁器組
成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電磁器組成物及びその
製造方法、より詳細には電場を加えることにより歪が生
じる性質を利用し、例えば圧電振動子、共振子、発振
子、フィルタ、弾性表面波フィルタ、焦電素子などとし
て使用される耐熱衝撃性に優れた高周波用の圧電磁器組
成物及びその製造方法に関する。
製造方法、より詳細には電場を加えることにより歪が生
じる性質を利用し、例えば圧電振動子、共振子、発振
子、フィルタ、弾性表面波フィルタ、焦電素子などとし
て使用される耐熱衝撃性に優れた高周波用の圧電磁器組
成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種の圧電磁器材料としては
PbTiO3 やPb(TiZr)O3を主成分とするも
の、あるいはこれら主成分にさらに第2成分、第3成分
としてPb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 やPb(Ni1/3
Nb2/3 )O3 などを固溶させたものなどが知られてい
る。
PbTiO3 やPb(TiZr)O3を主成分とするも
の、あるいはこれら主成分にさらに第2成分、第3成分
としてPb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 やPb(Ni1/3
Nb2/3 )O3 などを固溶させたものなどが知られてい
る。
【0003】また、上記した圧電磁器材料のうちPb
(TiZr)O3 を主成分とし、第2成分、第3成分と
して前記Pb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 及び前記Pb
(Ni1/ 3 Nb2/3 )O3 を固溶させ、さらに種々の添
加物を加えることにより、圧電特性及び電気特性が改善
されたものが得られている。
(TiZr)O3 を主成分とし、第2成分、第3成分と
して前記Pb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 及び前記Pb
(Ni1/ 3 Nb2/3 )O3 を固溶させ、さらに種々の添
加物を加えることにより、圧電特性及び電気特性が改善
されたものが得られている。
【0004】PbTiO3 は本来キュリー温度が高く、
比誘電率が小さいが、自発歪が大きいため焼結体を得る
ことが困難であり、このためPb位置を変性したPbT
iO3 系磁器が種々検討され、例えばPb位置をNdで
置換した高周波用圧電材料(特開昭59−43104号
公報)が提案されている。この高周波用圧電材料は焼結
が容易であり、比誘電率も小さく、PbTiO3 系の磁
器材料にはない特性を有している。
比誘電率が小さいが、自発歪が大きいため焼結体を得る
ことが困難であり、このためPb位置を変性したPbT
iO3 系磁器が種々検討され、例えばPb位置をNdで
置換した高周波用圧電材料(特開昭59−43104号
公報)が提案されている。この高周波用圧電材料は焼結
が容易であり、比誘電率も小さく、PbTiO3 系の磁
器材料にはない特性を有している。
【0005】また、厚みすべりエネルギー閉じ込めモー
ドを利用した圧電セラミック素子は主としてPb(Ti
Zr)O3 系が用いられ、図3に示した構成が採用され
ている。図中10は圧電セラミック基板を示しており、
この圧電セラミック基板10の両表面に互いに対向して
振動電極12a、12bが形成されている。また、この
振動電極12a、12bはその対向方向が分極軸方向P
と垂直になるように形成されている。
ドを利用した圧電セラミック素子は主としてPb(Ti
Zr)O3 系が用いられ、図3に示した構成が採用され
ている。図中10は圧電セラミック基板を示しており、
この圧電セラミック基板10の両表面に互いに対向して
振動電極12a、12bが形成されている。また、この
振動電極12a、12bはその対向方向が分極軸方向P
と垂直になるように形成されている。
【0006】更に、前記圧電セラミックス素子よりさら
に比誘電率が小さく、高い機械的品質係数を有するPb
TiO3 系からなる圧電セラミックス素子が特開昭59
−43620号公報で提案されており、図4に示した構
成がとられている。図中15は圧電セラミック基板を示
しており、この圧電セラミック基板15の両表面に互い
に対向して振動電極14a、14bが形成されている。
振動電極14aの上面には質量負荷金属13aが形成さ
れ、振動電極14bの下面には質量負荷金属13bが形
成されている。また、この振動電極14a、14bはそ
の対向方向が分極軸方向Pと垂直になるように形成され
ている。
に比誘電率が小さく、高い機械的品質係数を有するPb
TiO3 系からなる圧電セラミックス素子が特開昭59
−43620号公報で提案されており、図4に示した構
成がとられている。図中15は圧電セラミック基板を示
しており、この圧電セラミック基板15の両表面に互い
に対向して振動電極14a、14bが形成されている。
振動電極14aの上面には質量負荷金属13aが形成さ
れ、振動電極14bの下面には質量負荷金属13bが形
成されている。また、この振動電極14a、14bはそ
の対向方向が分極軸方向Pと垂直になるように形成され
ている。
【0007】これらの質量負荷金属13a、13bはス
プリアスを押えるために取りつけられている。
プリアスを押えるために取りつけられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59−43104号公報に開示されたPbTiO3 系磁
器材料は比誘電率(ε33 T )が58〜770と大きく、
10MHz程度以上の高周波に対して十分対応ができな
いという課題があり、さらに共振子やフィルタとして用
いる場合、周囲の急激な温度変化による熱衝撃に弱く、
また共振周波数の温度係数が大きく、安定した共振を行
なわせることができないという課題もあった。
59−43104号公報に開示されたPbTiO3 系磁
器材料は比誘電率(ε33 T )が58〜770と大きく、
10MHz程度以上の高周波に対して十分対応ができな
いという課題があり、さらに共振子やフィルタとして用
いる場合、周囲の急激な温度変化による熱衝撃に弱く、
また共振周波数の温度係数が大きく、安定した共振を行
なわせることができないという課題もあった。
【0009】また、Pb(TiZr)O3 系の厚みすべ
りエネルギー閉じ込めモードを利用した圧電セラミック
素子を高周波用、例えば10MHz以上で用いる場合、
圧電セラミック素子を120μm程度以下なるように研
磨する必要があり、研磨中に多くの割れが発生し、不良
率が非常に高くなるという課題があった。
りエネルギー閉じ込めモードを利用した圧電セラミック
素子を高周波用、例えば10MHz以上で用いる場合、
圧電セラミック素子を120μm程度以下なるように研
磨する必要があり、研磨中に多くの割れが発生し、不良
率が非常に高くなるという課題があった。
【0010】更に、PbTiO3 系からなる磁器材料を
用いた圧電セラミック素子は多くのスプリアスが発生す
るため、このスプリアスを抑えるために特開昭59−4
3620号公報に示されたように質量負荷用の金属を付
着させる必要があった。その結果製造工程が煩雑とな
り、コストが高くなるという課題があった。
用いた圧電セラミック素子は多くのスプリアスが発生す
るため、このスプリアスを抑えるために特開昭59−4
3620号公報に示されたように質量負荷用の金属を付
着させる必要があった。その結果製造工程が煩雑とな
り、コストが高くなるという課題があった。
【0011】本発明は上記した課題に鑑み発明されたも
のであって、10MHz程度以上の高周波に対応するこ
とができ、耐熱衝撃性に優れると共に共振周波数の温度
係数が小さく、安定した共振を行なわせることが可能
で、更に、厚みすべり閉じ込めモードの圧電セラミック
ス素子を作製するのに、質量負荷用の金属材料を用いな
くともスプリアスの発生を抑えることができ、従って製
造工程の簡素化を図ることができ、コストの削減を図る
ことができる圧電磁器組成物及びその製造方法を提供す
ることを目的としている。
のであって、10MHz程度以上の高周波に対応するこ
とができ、耐熱衝撃性に優れると共に共振周波数の温度
係数が小さく、安定した共振を行なわせることが可能
で、更に、厚みすべり閉じ込めモードの圧電セラミック
ス素子を作製するのに、質量負荷用の金属材料を用いな
くともスプリアスの発生を抑えることができ、従って製
造工程の簡素化を図ることができ、コストの削減を図る
ことができる圧電磁器組成物及びその製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る圧電磁器組成物は、Pb1-3/2x-y(Nd
x Cay )(Zn1/3 Nb2/3 )z Ti1-z O3 (式
中、x、y及びzはそれぞれ、0.05≦x≦0.1
4、0.05≦y≦0.15、0.03≦z≦0.15
の範囲の値)で示される組成を有し、さらにMn化合物
を含有していることを特徴とし、また、上記記載の圧電
磁器組成物の製造方法は、Pb3 O4 、Nd2 O3 、C
aCO3 、TiO2 、ZnO及びNb2 O5 をそれぞ
れ、(2−3x−2y):3x:6y:(6−6z):
2z:2z(式中、x、y及びzはそれぞれ、0.05
≦x≦0.14、0.05≦y≦0.15、0.03≦
z≦0.15の範囲の値)の比率で配合した原料にMn
O2 を0.3〜1.5重量%添加し、この後焼結させる
ことを特徴としている。
に本発明に係る圧電磁器組成物は、Pb1-3/2x-y(Nd
x Cay )(Zn1/3 Nb2/3 )z Ti1-z O3 (式
中、x、y及びzはそれぞれ、0.05≦x≦0.1
4、0.05≦y≦0.15、0.03≦z≦0.15
の範囲の値)で示される組成を有し、さらにMn化合物
を含有していることを特徴とし、また、上記記載の圧電
磁器組成物の製造方法は、Pb3 O4 、Nd2 O3 、C
aCO3 、TiO2 、ZnO及びNb2 O5 をそれぞ
れ、(2−3x−2y):3x:6y:(6−6z):
2z:2z(式中、x、y及びzはそれぞれ、0.05
≦x≦0.14、0.05≦y≦0.15、0.03≦
z≦0.15の範囲の値)の比率で配合した原料にMn
O2 を0.3〜1.5重量%添加し、この後焼結させる
ことを特徴としている。
【0013】
【作用】Pb1-3/2x-y(Ndx Cay )(Zn1/3 Nb
2/3 )z Ti1-z O3 (式中、x、y及びzはそれぞ
れ、0.05≦x≦0.14、0.05≦y≦0.1
5、0.03≦z≦0.15の範囲の値)で示される組
成において各成分の組成範囲を上記のとおりに限定した
理由を以下に述べる。Nd量が5atm%未満では焼結
性が改善されず、緻密なセラミックスが得られず、一方
14atm%より多くなるとキュリー点が低下し、比誘
電率が大きくなって耐熱衝撃性が劣化する。またCa量
が5atm%未満では温度特性が改善されず、15at
m%より多くなるとキューリ点が低下し、耐熱衝撃性が
劣化する。また、Ti位置をZn1/3 Nb2/3 で置換す
ることにより、焼結性が改善され、温度特性の良好な圧
電セラミックスが得られうる。しかし、Zn1/3 Nb
2/3 が3atm%未満では少なすぎて緻密な圧電セラミ
ックスが得られないため温度特性が改善されない。一方
15atm%より多くなるとキュリー点が低下し、比誘
電率が大きくなって高周波対応が難しくなり、また耐熱
衝撃性、温度特性が共に劣化する。
2/3 )z Ti1-z O3 (式中、x、y及びzはそれぞ
れ、0.05≦x≦0.14、0.05≦y≦0.1
5、0.03≦z≦0.15の範囲の値)で示される組
成において各成分の組成範囲を上記のとおりに限定した
理由を以下に述べる。Nd量が5atm%未満では焼結
性が改善されず、緻密なセラミックスが得られず、一方
14atm%より多くなるとキュリー点が低下し、比誘
電率が大きくなって耐熱衝撃性が劣化する。またCa量
が5atm%未満では温度特性が改善されず、15at
m%より多くなるとキューリ点が低下し、耐熱衝撃性が
劣化する。また、Ti位置をZn1/3 Nb2/3 で置換す
ることにより、焼結性が改善され、温度特性の良好な圧
電セラミックスが得られうる。しかし、Zn1/3 Nb
2/3 が3atm%未満では少なすぎて緻密な圧電セラミ
ックスが得られないため温度特性が改善されない。一方
15atm%より多くなるとキュリー点が低下し、比誘
電率が大きくなって高周波対応が難しくなり、また耐熱
衝撃性、温度特性が共に劣化する。
【0014】また、Pb1-3/2x-y(Ndx Cay )(Z
n1/3 Nb2/3 )z Ti1-z O3 にMn化合物を添加す
るが、このMn化合物がMnO2 の場合、MnO2 量が
0.3重量%未満では耐熱衝撃性が改善されない。一方
1.5重量%より多く添加すると比抵抗率が減少し、分
極処理時に大電流が流れるため分極処理が困難となる。
n1/3 Nb2/3 )z Ti1-z O3 にMn化合物を添加す
るが、このMn化合物がMnO2 の場合、MnO2 量が
0.3重量%未満では耐熱衝撃性が改善されない。一方
1.5重量%より多く添加すると比抵抗率が減少し、分
極処理時に大電流が流れるため分極処理が困難となる。
【0015】
【実施例および比較例】以下、本発明に係る圧電磁器組
成物とその製造方法の実施例を説明する。
成物とその製造方法の実施例を説明する。
【0016】まず、Pb3 O4 、Nd2 O3 、CaCO
3 、TiO2 、ZnO、Nb2 O5およびMnO2 を原
料として用い、下記の表1に示した組成になるように秤
量し、ポットミルで湿式混合した。なお、原料はこれら
に限られず最終的に上記酸化物になるものであれば他の
化合物を使用することができる。例えばPb3 O4 に代
えてPbO、MnO2 に代えてMnCO3 などを使用し
てもよい。
3 、TiO2 、ZnO、Nb2 O5およびMnO2 を原
料として用い、下記の表1に示した組成になるように秤
量し、ポットミルで湿式混合した。なお、原料はこれら
に限られず最終的に上記酸化物になるものであれば他の
化合物を使用することができる。例えばPb3 O4 に代
えてPbO、MnO2 に代えてMnCO3 などを使用し
てもよい。
【0017】
【表1】
【0018】
【表1の2】
【0019】なお、表1におけるPb3 O4 、Nd2 O
3 、CaCO3 、TiO2 、ZnO、Nb2 O5 につい
ては秤量時の各成分のモル比で表わしているが、MnO
2 に関してはPb3 O4 、Nd2 O3 、CaCO3 、T
iO2 、ZnO、Nb2 O5の総重量に対する重量%で
表わしている。請求項2の範囲外の組成のものについて
は表1中に*マークを付している。
3 、CaCO3 、TiO2 、ZnO、Nb2 O5 につい
ては秤量時の各成分のモル比で表わしているが、MnO
2 に関してはPb3 O4 、Nd2 O3 、CaCO3 、T
iO2 、ZnO、Nb2 O5の総重量に対する重量%で
表わしている。請求項2の範囲外の組成のものについて
は表1中に*マークを付している。
【0020】前記混合した原料を乾燥させた後、800
〜1100℃で約2時間仮焼し、この仮焼物を再び、ポ
ットミルにて粉砕した。この粉末に適量の有機バインダ
(PVA)を加え、500〜2000kg/cm2 の圧
力で15×10×1.5mmの板状に形成し、1160
〜1240℃の温度範囲で約2時間焼成して焼結体を得
た。
〜1100℃で約2時間仮焼し、この仮焼物を再び、ポ
ットミルにて粉砕した。この粉末に適量の有機バインダ
(PVA)を加え、500〜2000kg/cm2 の圧
力で15×10×1.5mmの板状に形成し、1160
〜1240℃の温度範囲で約2時間焼成して焼結体を得
た。
【0021】前記焼結体を分析した結果、表2に示した
ようなPb1-3/2x-y(Ndx Cay)(Zn1/3 Nb2/3
)z Ti1-z O3 におけるx、y及びzの値で示され
る配合比となっていることが確認された。
ようなPb1-3/2x-y(Ndx Cay)(Zn1/3 Nb2/3
)z Ti1-z O3 におけるx、y及びzの値で示され
る配合比となっていることが確認された。
【0022】
【表2】
【0023】
【表2の2】
【0024】なお、請求項1の範囲外の組成のものにつ
いては表2中に*マークを付した。これら、表1と表2
から原料の混合比が焼結体においてもほぼそのまま維持
されていることが確認された。
いては表2中に*マークを付した。これら、表1と表2
から原料の混合比が焼結体においてもほぼそのまま維持
されていることが確認された。
【0025】次に、前記焼結体を10×5×0.18m
mに切断、研磨した後、表裏面(10×5mm面)に電
極を銀蒸着により作製し、室温(25℃)において比抵
抗率(ρ0 )、比誘電率(εs )を測定した。
mに切断、研磨した後、表裏面(10×5mm面)に電
極を銀蒸着により作製し、室温(25℃)において比抵
抗率(ρ0 )、比誘電率(εs )を測定した。
【0026】一方、前記焼結体を10×5×0.5mm
に切断、研磨した後、両側面(10×0.5mm)に銀
ペーストを塗布し、150℃、2〜4kV/mmで5分
間分極処理を施し、この後焼結体の両面に銀蒸着による
電極を形成し、前記分極処理用の銀ペーストを削り落
し、分極方向に0.75mm幅で切断し、5×0.75
×0.18mmの圧電セラミックス素子を得た。そして
これら素子の共振周波数(fr )の熱衝撃後の変化率と
発振周波数(fosc )の温度特性を測定した。
に切断、研磨した後、両側面(10×0.5mm)に銀
ペーストを塗布し、150℃、2〜4kV/mmで5分
間分極処理を施し、この後焼結体の両面に銀蒸着による
電極を形成し、前記分極処理用の銀ペーストを削り落
し、分極方向に0.75mm幅で切断し、5×0.75
×0.18mmの圧電セラミックス素子を得た。そして
これら素子の共振周波数(fr )の熱衝撃後の変化率と
発振周波数(fosc )の温度特性を測定した。
【0027】なお、前記熱衝撃の条件は−40℃で30
分間保持した後、85℃で30分間保持する操作を1サ
イクルとして、100サイクル繰り返すものとした。ま
た、共振周波数(fr )の熱衝撃後の変化率は下記の数
1式に示したように算出した。
分間保持した後、85℃で30分間保持する操作を1サ
イクルとして、100サイクル繰り返すものとした。ま
た、共振周波数(fr )の熱衝撃後の変化率は下記の数
1式に示したように算出した。
【0028】
【数1】
【0029】更に、発振周波数(fosc )の温度特性は
下記の数2式に示したように算出した。
下記の数2式に示したように算出した。
【0030】
【数2】
【0031】なお、発振周波数(fosc )は、図1示す
電気回路を4×4cmのガラスエポキシ樹脂基板に形成
し、圧電セラミックス素子20のみ基板の片面に、他の
IC21、抵抗22、負荷容量C1 、C2 をもう一方の
面に取り付け、圧電セラミックス素子20のみの温度が
変化するよう恒温槽内に入れて測定を行なった。これら
の測定結果を表3に示した。
電気回路を4×4cmのガラスエポキシ樹脂基板に形成
し、圧電セラミックス素子20のみ基板の片面に、他の
IC21、抵抗22、負荷容量C1 、C2 をもう一方の
面に取り付け、圧電セラミックス素子20のみの温度が
変化するよう恒温槽内に入れて測定を行なった。これら
の測定結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表3の2】
【0034】なお、請求項1の範囲外のものにつては表
3中に*マークを付した。
3中に*マークを付した。
【0035】表3から明らかなように請求項1の範囲内
に含まれている試料No.2〜4、8、9、11、1
2、15〜19、23のものはNd量が5atm以上1
4atm%以下であり、Ca量が5atm%以上15a
tm%以下、Zn1/3 Nb2/3が3atm%以上15a
tm%以下、MnO2 量が0.3重量%以上1.5重量
%以下であり、共振周波数(fr )の熱衝撃後の変化率
が−0.1%以下となり耐熱衝撃性に優れており、また
発振周波数(fosc )の温度特性は0.2%以下となり
共振周波数の温度安定性に優れている。また比誘電率も
小さな値を示している。
に含まれている試料No.2〜4、8、9、11、1
2、15〜19、23のものはNd量が5atm以上1
4atm%以下であり、Ca量が5atm%以上15a
tm%以下、Zn1/3 Nb2/3が3atm%以上15a
tm%以下、MnO2 量が0.3重量%以上1.5重量
%以下であり、共振周波数(fr )の熱衝撃後の変化率
が−0.1%以下となり耐熱衝撃性に優れており、また
発振周波数(fosc )の温度特性は0.2%以下となり
共振周波数の温度安定性に優れている。また比誘電率も
小さな値を示している。
【0036】請求項1の範囲内に含まれていない試料N
o.1、5〜7、10、13、14、20〜22、24
〜28のものの説明を以下に行なう。No.1、22、
24のものはNd量が5atm%未満であり、焼結性が
悪く、緻密なセラミックが得られなかった。No.5の
ものはNd量が14atm%より大きく、キュリー点が
低下し、耐熱衝撃性が劣っていた。No.6、21、2
5のものはCa量が5atm%未満であり、温度特性が
悪かった。No.7、27のものはCa量が15atm
%より多く、キューリ点が低下し、耐熱衝撃性が劣って
いた。No.10、28のものはZn1/3 Nb2/3 が3
atm%未満であり、緻密な圧電セラミックスが得られ
ないため温度特性が劣っていた。No.13、26のも
のはZn1/3 Nb2/3 が15atm%より大きく、キュ
リー点が低下し、比誘電率が大きくなって高周波対応が
難しくなり、また耐熱衝撃性、温度特性共に劣ってい
た。
o.1、5〜7、10、13、14、20〜22、24
〜28のものの説明を以下に行なう。No.1、22、
24のものはNd量が5atm%未満であり、焼結性が
悪く、緻密なセラミックが得られなかった。No.5の
ものはNd量が14atm%より大きく、キュリー点が
低下し、耐熱衝撃性が劣っていた。No.6、21、2
5のものはCa量が5atm%未満であり、温度特性が
悪かった。No.7、27のものはCa量が15atm
%より多く、キューリ点が低下し、耐熱衝撃性が劣って
いた。No.10、28のものはZn1/3 Nb2/3 が3
atm%未満であり、緻密な圧電セラミックスが得られ
ないため温度特性が劣っていた。No.13、26のも
のはZn1/3 Nb2/3 が15atm%より大きく、キュ
リー点が低下し、比誘電率が大きくなって高周波対応が
難しくなり、また耐熱衝撃性、温度特性共に劣ってい
た。
【0037】No.14のものはMnO2 量が0.3重
量%未満であり、耐熱衝撃性が劣っており、No.20
のものは1.5重量%より多く添加されているので比抵
抗率が減少し、分極処理時に大電流が流れるため分極処
理を施すことができなかった。
量%未満であり、耐熱衝撃性が劣っており、No.20
のものは1.5重量%より多く添加されているので比抵
抗率が減少し、分極処理時に大電流が流れるため分極処
理を施すことができなかった。
【0038】さらにNo.1、5〜7、10、13、1
4、20〜22、24〜28のものは共振周波数(f
r )の熱衝撃後の変化率が−0.1%より大きく、耐熱
衝撃性が劣化し、また発振周波数(fosc )の温度特性
は0.2%より大きく、共振周波数の温度安定性も劣っ
ていた。
4、20〜22、24〜28のものは共振周波数(f
r )の熱衝撃後の変化率が−0.1%より大きく、耐熱
衝撃性が劣化し、また発振周波数(fosc )の温度特性
は0.2%より大きく、共振周波数の温度安定性も劣っ
ていた。
【0039】さらに、試料No.16の圧電磁器組成物
を用いて質量負荷用の金属材料を用いることなく厚みす
べり閉じ込めモードの圧電セラミックス素子を作製し、
周波数特性と減衰量との関係を求めた結果、図2に示す
ような厚みすべりエネルギー閉じ込めモードの波形が得
られた。この波形から質量負荷用金属を用いなくても帯
域内にスプリアスの発生がないことがわかる。
を用いて質量負荷用の金属材料を用いることなく厚みす
べり閉じ込めモードの圧電セラミックス素子を作製し、
周波数特性と減衰量との関係を求めた結果、図2に示す
ような厚みすべりエネルギー閉じ込めモードの波形が得
られた。この波形から質量負荷用金属を用いなくても帯
域内にスプリアスの発生がないことがわかる。
【0040】上記したように本発明に係る圧電磁器組成
物及びその製造方法を用いれば10MHz程度以上の高
周波に対応することができ、耐熱衝撃性に優れると共に
共振周波数の温度係数が小さく、安定した共振を行なわ
せることが可能な圧電セラミックス素子を作製すること
ができる。更に、質量負荷用の金属材料を用いることな
く、スプリアスの発生しない厚みすべり閉じ込めモード
の圧電セラミックス素子を作製することができ、製造工
程の簡素化を可能とし、コストの削減を図ることができ
る。
物及びその製造方法を用いれば10MHz程度以上の高
周波に対応することができ、耐熱衝撃性に優れると共に
共振周波数の温度係数が小さく、安定した共振を行なわ
せることが可能な圧電セラミックス素子を作製すること
ができる。更に、質量負荷用の金属材料を用いることな
く、スプリアスの発生しない厚みすべり閉じ込めモード
の圧電セラミックス素子を作製することができ、製造工
程の簡素化を可能とし、コストの削減を図ることができ
る。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る圧電磁器組成物にあって
は、比誘電率が小さく、耐熱衝撃性および発振周波数の
温度安定性に優れた高周波用として使用可能な圧電セラ
ミックス素子を作製することができ、特に発振、受信用
部品に使用する高性能の発振子、フィルタの分野におい
て有用である。
は、比誘電率が小さく、耐熱衝撃性および発振周波数の
温度安定性に優れた高周波用として使用可能な圧電セラ
ミックス素子を作製することができ、特に発振、受信用
部品に使用する高性能の発振子、フィルタの分野におい
て有用である。
【0042】また、本発明の圧電磁器組成物を用いて作
製した厚みすべりエネエルギ−閉じ込めモードの圧電セ
ラミックス素子は質量負荷用金属を使用する工程を省略
することができるのでコストの削減を図ることができ
る。
製した厚みすべりエネエルギ−閉じ込めモードの圧電セ
ラミックス素子は質量負荷用金属を使用する工程を省略
することができるのでコストの削減を図ることができ
る。
【図1】本発明に係る圧電磁器組成物を用いて作製した
素子の発振周波数の温度特性を求めるために用いた装置
の回路図である。
素子の発振周波数の温度特性を求めるために用いた装置
の回路図である。
【図2】本発明に係る圧電磁器組成物の実施例の試料N
o.16における周波数特性と減衰量との関係を示すグ
ラフである。
o.16における周波数特性と減衰量との関係を示すグ
ラフである。
【図3】従来の圧電磁器組成物を用いて作製された圧電
セラミック素子を示した模式的断面図である。
セラミック素子を示した模式的断面図である。
【図4】別の従来の圧電磁器組成物を用いて作製された
圧電セラミック素子を示した模式的断面図である。
圧電セラミック素子を示した模式的断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Pb1-3/2x-y(Ndx Cay )(Zn
1/3 Nb2/3 )z Ti1-z O3 (式中、x、y及びzは
それぞれ、0.05≦x≦0.14、0.05≦y≦
0.15、0.03≦z≦0.15の範囲の値)で示さ
れる組成を有し、さらにMn化合物を含有していること
を特徴とする圧電磁器組成物。 - 【請求項2】 Pb3 O4 、Nd2 O3 、CaCO3 、
TiO2 、ZnO及びNb2 O5 をそれぞれ、(2−3
x−2y):3x:6y:(6−6z):2z:2z
(式中、x、y及びzはそれぞれ、0.05≦x≦0.
14、0.05≦y≦0.15、0.03≦z≦0.1
5の範囲の値)の比率で配合した原料にMnO2 を0.
3〜1.5重量%添加し、この後焼結させることを特徴
とする請求項1記載の圧電磁器組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4211588A JPH0656521A (ja) | 1992-08-07 | 1992-08-07 | 圧電磁器組成物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4211588A JPH0656521A (ja) | 1992-08-07 | 1992-08-07 | 圧電磁器組成物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0656521A true JPH0656521A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16608255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4211588A Pending JPH0656521A (ja) | 1992-08-07 | 1992-08-07 | 圧電磁器組成物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0656521A (ja) |
-
1992
- 1992-08-07 JP JP4211588A patent/JPH0656521A/ja active Pending
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