JPH08133827A - 圧電磁器組成物およびその製造方法 - Google Patents

圧電磁器組成物およびその製造方法

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JPH08133827A
JPH08133827A JP6268652A JP26865294A JPH08133827A JP H08133827 A JPH08133827 A JP H08133827A JP 6268652 A JP6268652 A JP 6268652A JP 26865294 A JP26865294 A JP 26865294A JP H08133827 A JPH08133827 A JP H08133827A
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JP
Japan
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polarization
resonance frequency
thickness
piezoelectric porcelain
piezoelectric ceramic
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JP6268652A
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English (en)
Inventor
Yuji Fujinaka
祐司 藤中
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 10MHz以上の高周波に対応可能で耐熱衝
撃性に優れると同時に共振周波数の温度特性の良好な厚
みすべりエネルギー閉込めモードの圧電磁器共振子に適
した圧電磁器組成物を提供することを目的とする。 【構成】 一般式(化1)で表される主成分に、副成分
として0.1〜1.2重量%のMnO2を含有させたも
のを焼結させた後、130〜180℃の温度範囲におい
て3.6〜6.0kV/mmの直流電界を20分以上印
加して分極処理したことを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、10MHz以
上の高周波に対応可能な厚みすべりエネルギー閉込めモ
ードの圧電磁器共振子に適した圧電磁器組成物及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の圧電磁器組成物は、チタン
酸鉛やジルコン酸鉛を主成分とし、副成分として種々の
添加物を添加したものが知られている。チタン酸鉛は、
キュリー温度が高く(470℃)、誘電率の小さい(〜
170)圧電材料であるが、単成分では焼結が極めて困
難で、緻密な焼結体が得られていなかった。
【0003】そこで、特開昭48−30097号公報に
示されているように、チタン酸鉛に、少量のLa23
MnO2を同時に添加することにより、空孔率1.5%
程度の緻密なチタン酸鉛磁器を得ることができる。しか
し、このチタン酸鉛磁器に圧電性を付与するためには、
分極条件が180〜200℃の高温下で6.0〜8.0
kV/mm以上の印加電圧と厳しく、分極中に絶縁破壊
を起こしやすく歩留りが低いという問題点を有してい
た。
【0004】厚みすべりエネルギー閉込めモードを使用
した圧電共振子は一般的にチタン酸ジルコン酸鉛系磁器
が用いられ、図1に示す構造を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】PZT系圧電材料を1
0MHz以上の高周波領域で厚みすべりエネルギー閉込
めモード共振子として使用する場合120μm以下の厚
みに研磨加工する必要があるが、割れ等により良好な歩
留りは期待できなかった。また、誘電率が高いため高周
波で使用した場合に、素子の入出力インピーダンスが低
下し、外部回路とのインピーダンス整合に問題があっ
た。
【0006】一方PT系圧電材料では周波数定数N15
大きく、誘電率が小さく、機械的品質係数が大きいとい
った特徴があり厚みすべりエネルギー閉込めモード共振
子としたときに優れた特性が期待できることに着目し
た。
【0007】本発明は、10MHz以上の高周波領域に
対応でき、耐熱衝撃性に優れ、共振周波数の温度係数が
小さく、高い共振応答レベルを有する厚みすべりエネル
ギー閉込めモード共振素子に適した圧電磁器組成物を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の圧電磁器組成物は、一般式(化3)で表さ
れる主成分に、副成分として少なくとも0.1〜1.2
重量%のMnO2を含有させたものを焼結させた後、1
30〜180℃の温度範囲において、3.3〜6.0k
V/mmの直流電界を20分以上印加して分極処理した
ことを特徴とするものである。
【0009】
【化3】
【0010】
【作用】上記構成によると、Pbの一部をLa,Ca
で、Tiの一部をY,Sbで置換することにより、分極
条件を緩和しても、飽和分極できるようになるため、分
極中の絶縁破壊を防ぎ、歩留りを高めることができる。
【0011】また、MnO2は磁器の焼結性を向上させ
るという効果を有する。その結果、10MHz以上の高
周波領域に対応でき、耐熱衝撃性に優れ、共振周波数の
温度係数が小さく、高い共振応答レベルを有する厚みす
べりエネルギー閉込めモード共振素子を得ることができ
る。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例について具体的に説明す
る。
【0013】原料としてPbO,TiO2,MnO2,Y
23,Sb25,La23,CaCO3,Fe23,C
oO,NiO,WO3を(表1)、(表2)の組成とな
るように正確に秤量し、ボールミルによりよく混合し
た。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】なお、素原料としてはPb34,MnCO
3のように分解してPbO,MnO2を生成するものでも
良い。次に前記混合物を850℃の温度で仮焼し、さら
にボールミルにより粉砕した。これを乾燥した後、結合
剤としてのポリビニールアルコール水溶液を加え、造粒
した後、1ton/cm2の圧力で加圧成形し、直径2
0mm−厚み7mmの円柱状成形体を得た。これを閉炉
中で1230〜1270℃の温度で3時間焼成すること
により得られた円柱状圧電磁器を高さ方向に精密研磨
し、高さを5.1mmとした後、焼結体密度を測定し、
ついで上下面に銀電極を焼き付け、120〜200℃の
シリコーンオイル中で、3.0〜6.5kV/mmの直
流電界を10〜30分間印加し、分極処理した。ついで
分極方向に厚み0.5mmでスライス後、厚み方向精密
研磨により厚みを0.18mmに圧電磁器2を仕上げた
後、共振銀電極1を蒸着、ついで分極方向に0.8mm
幅で切断し、図1に示した5.1×0.80×0.18
mmの厚みすべりエネルギー閉込めモード共振素子を得
た。これより誘電率ε11/ε0、電気機械結合係数
1 5、厚みすべり基本波の山谷比[20×log10(反
共振インピーダンス/共振インピーダンス)]、
【0017】
【外1】
【0018】による共振周波数の変化率を測定した。測
定結果は磁器焼成温度(密度最大)とともに(表3)、
(表4)にまとめた。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】(表3)、(表4)から明らかなように
(化3)のx,y,zの範囲内にある試料No.1−1,
1−4,1−5,1−9,1−10,1−13,3,
4,7,8,12,13,17,18のものは誘電率が
300以下と低く、共振周波数の熱衝撃による変化率が
−0.2%以下と小さく、共振周波数温度係数が−60
ppm/℃以内と比較的小さく、共振応答レベルが山谷
比で60dB以上と高くなっている。また共振周波数温
度係数に着目すると本発明の請求項2および請求項3の
範囲内にある試料No.20−1,20−4,20−5,
20−9,20−10,20−13,21,22,2
3,24−1,24−4,24−5,24−9,24−
10,24−13,24−14,26,27のものは本
発明の請求項1および請求項2の範囲内にある試料より
も小さくなっておりFe23,CoO,NiO,WO3
のうち少なくとも1種を添加することにより共振周波数
温度特性が−30ppm/℃以内に改善されていること
が分かる。
【0022】(表3)、(表4)で本発明の請求の範囲
外の試料には*印を付したが、本発明の範囲外の磁器組
成を有する試料No.2,5,6,9,10,11,1
4,15,16,19のものはいずれも焼結が不十分で
あったり、耐熱衝撃性が低かったり、共振周波数温度特
性が悪かったり、誘電率が高く高周波領域での使用に不
利であったり等の不具合が少なくとも1つ以上あった。
また試料No.25,28のものは磁器組成の副成分がM
nO2以外にFe23,CoO,NiO,WO3のうち少
なくとも1種を加えたものであるが添加量が適正範囲か
ら外れているため共振周波数温度係数が改善されていな
かったり、分極できないという不具合を有していた。
【0023】また本発明の請求の範囲外の条件で分極処
理を施したNo.1−2,1−3,1−6,1−7,1−
8,1−11,1−12,20−2,20−3,20−
6,20−7,20−8,20−11,20−12,2
4−2,24−3,24−6,24−7,24−8,2
4−11,24−12のものはいずれも分極が未飽和
で、共振子の応答レベルが低かったり、熱衝撃が加わっ
たときの共振周波数の変化が大きい等の不具合が少なく
とも1つ以上あった。
【0024】ここで圧電磁器組成を本発明の請求の範囲
に限定した理由を以下に説明する。xについてはx<
0.02の場合焼結性が低下し圧電特性が低下すること
およびx>0.10の場合キュリー温度が低下し耐熱衝
撃性が低下することから本発明の範囲から除外した。
【0025】yについてはy<0.01の場合共振周波
数温度特性が悪化し、y>0.08の場合には誘電率が
300以上となり高周波領域での使用に不利となるため
本発明の範囲から除外した。
【0026】zについてはz<0.01の場合磁器の焼
成温度を低下させて焼結性を向上させるPb(Y1/2
1/2)O3の効果が得られないため圧電性が低下し、ま
たz>0.10の場合誘電率が大きくなり高周波領域で
の使用に不利となると同時にキュリー温度が低下し耐熱
衝撃性が低下することから本発明の範囲から除外した。
【0027】副成分としてのMnO2添加量について
0.1重量%以下では耐熱衝撃性が低下するため、1.
2重量%以上では高電界における比抵抗が低下し分極処
理が困難となるため本発明の範囲から除外した。
【0028】本発明においては上記の添加物以外に、さ
らにFe23,CoO,NiO,WO3のうち少なくと
も1種を適量添加すれば、さらに優れた特性を有する圧
電磁器組成物が得られることを見いだした。
【0029】共振周波数の温度係数はFe23,Co
O,NiO,WO3のうち少なくとも1種を0.02〜
0.50重量%添加することにより著しく低下する。例
えば(表4)に示す磁器組成物では共振周波数温度係数
は30ppm/℃以下と小さいものになっている。ここ
でこれらの添加物の添加量を上記範囲に限定したのは以
下の理由による。
【0030】添加量0.02%以内では共振周波数の温
度特性を改善する効果が得られず添加量を0.50重量
%以上とした場合には高電界における比抵抗が低下し分
極処理が困難となるため本発明の範囲から除外した。
【0031】次に分極条件を上記のものに限定した理由
を記載する。前述したように従来のPT系磁器は分極条
件が非常に厳しく、絶縁破壊等で歩留りが低いという問
題があったが、本発明の磁器組成物についてはPbの一
部をLa,Caで、Tiの一部をY,Sbで置換してい
るため分極条件を緩和しても飽和分極できるようになっ
た。
【0032】分極温度については(表3)、(表4)に
示したように130℃以下では分極が未飽和で共振子の
応答レベルが低下すると同時に熱衝撃が加わったときの
共振特性の変化が大きいため、180℃以上では磁器の
比抵抗が減少し高電界が印加できなくなるため本発明の
範囲から除外した。
【0033】分極電圧についても(表3)、(表4)に
示したように3.6kV/mm以下であれば分極未飽和
であり、熱衝撃が加わったときに脱分極しやすく、それ
にともない共振特性の変化が大きいため本発明の範囲か
ら除外した。
【0034】分極時間についても(表3)、(表4)に
示したように20分以内であれば上記温度、印加電圧条
件であっても磁器組成によっては未飽和のものがあり、
共振子の応答レベルが低下すると同時に熱衝撃が加わっ
たときの共振特性の変化が大きいため本発明の範囲から
除外した。
【0035】
【発明の効果】以上、本発明の圧電磁器組成物は、誘電
率、共振周波数の熱衝撃による変化率、共振周波数温度
係数が小さく、共振応答レベルが高いので、例えば、1
0MHz以上の高周波領域に対応でき、耐熱衝撃性に優
れ、共振周波数の温度係数が小さく、高い共振応答レベ
ルを有する厚みすべりエネルギー閉込めモード共振素子
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な厚みすべりエネルギー閉込めモード共
振子の斜視図
【符号の説明】
2 圧電磁器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(化1)で表される基本組成物
    に、副成分として少なくとも0.1〜1.2重量%のM
    nO2を含有させた圧電磁器組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 副成分としてさらに、Fe23,Co
    O,NiO,WO3のうち少なくとも1種を0.02〜
    0.50重量%含有させた請求項1記載の圧電磁器組成
    物。
  3. 【請求項3】 一般式(化2)で表される基本組成物
    に、副成分として少なくとも0.1〜1.2重量%のM
    nO2を添加して成形し、焼成後、130〜180℃の
    温度範囲において、3.3〜6.0kV/mmの直流電
    界を20分以上印加して分極を行う圧電磁器組成物の製
    造方法。 【化2】
JP6268652A 1994-11-01 1994-11-01 圧電磁器組成物およびその製造方法 Pending JPH08133827A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6479923B1 (en) 1998-05-29 2002-11-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric ceramic, method for producing piezoelectric ceramic, and piezoelectric oscillator

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6479923B1 (en) 1998-05-29 2002-11-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric ceramic, method for producing piezoelectric ceramic, and piezoelectric oscillator

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