JPH0656142B2

JPH0656142B2 - 燃料噴射装置付エンジン

Info

Publication number: JPH0656142B2
Application number: JP25298784A
Authority: JP
Inventors: 昭則山下; 昇橋本; 健司籏岡; 侯一高橋
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1984-11-29
Filing date: 1984-11-29
Publication date: 1994-07-27
Anticipated expiration: 2009-07-27
Also published as: JPS61132772A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は燃料噴射装置付エンジン、特に吸気系にタイミ
ングバルブが設けられ且つ該バルブの下流に燃料噴射弁
が備えられたエンジンに関する。

（従来技術）燃料噴射装置付エンジンにおいては、吸気通路に設けら
れた燃料噴射弁の上流側にクランク軸の回転によって開
閉作動されるタイミングバルブを備えたものが存在す
る。これは、上記タイミングバルブの開閉時期を調節す
ることにより吸気行程の実質的な終了時期を制御するよ
うにした所謂Ｋミラーサイクルエンジンと称せられるも
ので、これによれば吸気弁を介して燃焼室内に供給され
る吸入空気量を負荷等に応じて変化させることができ、
ポンピングロスが低減される。また、特に通常のピスト
ンの下動によって吸気を行う自然吸気通路と過給機を備
えた過給通路の２系統の吸気系を有する所謂部分過給エ
ンジンにおいても、その燃料噴射弁の上流側の過給通路
中にタイミングバルブを設けることにより、過給エアの
供給時期や終了時期等のタイミングを変化させ得るよう
にしたものがある。つまり、該部分過給エンジンにあっ
ては、吸気行程中に自然吸気通路側の吸気弁を開いて通
常の吸気を行い且つその後半から圧縮行程の前半にかけ
て過給通路側の吸気系を開いて過給エアを供給するよう
になっているが、その場合に、運転状態に応じて最適の
過給タイミングが得られるように上記過給通路側の吸気
弁を可変制御するのが困難であるため、過給通路中に設
けた上記タイミングバルブによって過給タイミングを制
御するようにし、これにより吹き返しや過給不足を防止
するのである。

一方、燃料噴射装置付エンジンにおいては、アイドル時
等の軽負荷時に燃料噴射弁から噴射される燃料の気化な
いし霧化状態が悪化するという問題がある。そこで、例
えば実開昭５８−６２１７０号公報に掲載されているよ
うに、吸気通路におけるスロットルバルブの上流側と燃
料噴射弁の先端部の通路との間にアシストエア導入通路
を設け、この通路を介して導入されたアシストエアを上
記噴射弁から噴射される燃料に対して噴射することによ
り、該燃料の霧化状態等を促進するようにしたエンジン
が存在する。

然るに、上記のようなタイミングバルブが備えられたエ
ンジンにアシストエア導入通路を設けようとすると、タ
イミングバルブがスロットルバルブの下流側に設けられ
且つ該スロットルバルブの上流側からアシストエア導入
通路が分岐されるので、燃料噴射弁がタイミングバルブ
の下流側にある場合に、該アシストエア導入通路がタイ
ミングバルブを跨いだ状態で設けられることになる。そ
のため、アシストエア導入通路を通過するエアによっ
て、部分過給エンジンの場合は上記したタイミングバル
ブによる過給タイミングの制御が狂うこととなり、また
Ｋミラーサイクルエンジンの場合は吸気タイミングの狂
いによってポンピングロスの低下が図れないことにな
る。

（発明の目的）本発明は、燃料噴射装置付エンジンにおける上記のよう
な実情に対処するもので、吸気通路における燃料噴射弁
の上流側にタイミングバルブが備えられたエンジンにお
いて、上記噴射弁にアシストエアを供給するアシストエ
ア導入通路を設ける場合に、該通路によって供給される
エアのためにタイミングバルブによる過給タイミングや
吸気タイミングのタイミング制御の狂いが生じないよう
にする。これにより、過給効率の低下やポンピングロス
の増加を来たすことなく、燃料噴射弁から噴射される燃
料の気化ないし霧化状態を改善することを目的とする。

（発明の構成）即ち、本発明は、吸気系にクランク軸の回転に連係して
開閉作動されるタイミングバルブが備えられ且つ該タイ
ミングバルブ下流に燃料噴射弁が設けられた燃料噴射装
置付エンジンにあって、上記噴射弁から噴射される燃料
に上記タイミングバルブの上流側からアシストエアを供
給するアシストエア導入通路を有するエアアシスト装置
と該エアアシスト装置の上記アシストエア導入通路を開
閉する制御弁と、該制御弁を制御するコントローラとを
備える。そして、上記タイミングバルブの開期間中にの
み制御弁が開作動するようにコントローラによって制御
する。

（発明の効果）上記の構成によれば、燃料噴射弁からの燃料にアシスト
エアを供給するエアアシスト装置のアシストエア導入通
路がタイミングバルブの閉時期に閉じられることとな
り、その結果、タイミングバルブの閉時期に吸気通路内
における該バルブの上流側から下流側にアシストエアが
流入することがなくなる。これにより、タイミングバル
ブによる過給タイミングが吸気タイミングのタイミング
制御の狂いが防止され、過給効率の低下やポンピングロ
スの増加が防止される。

（実施例）以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

この実施例は部分過給エンジンに関するもので、第１，
２図に示すようにエンジン１は、通常の吸気を行う自然
吸気通路（以下、単に吸気通路という）２a 及び過給を
行う過給通路２b とでなる吸気系３を有し、両通路２a
，２b が吸気弁４a ，４b を介して夫々燃焼室５に連
通されていると共に、該燃焼室５には排気弁６を介して
排気通路７が接続されている。ここで、過給通路２b 側
の吸気弁４b は、吸気通路２a 側の吸気弁４a が開状態
にある吸気行程中の後半に開き、該吸気通路側吸気弁４
a が閉状態にある圧縮行程の前半に閉じるようになって
いる。

そして、上記吸気系３の上流側にはエアクリーナ８及び
エアフローメータ９が備えられていると共に、吸気通路
２a には上流側から主スロットルバルブ１０及び燃料噴
射弁１１が設けられている。また、過給通路２b には上
流側から、エンジン１によって駆動されるエアポンプ１
２、補助スロットルバルブ１３、ロータリバルブでなる
タイミングバルブ１４及び燃料噴射弁１５が設けられて
いる。このうち、補助スロットルバルブ１３は、上記主
スロットルバルブ１０に連係されているが、軽負荷時に
は過給が行われないように、主スロットルバルブ１０が
所定開度開いた後に初めて開くようになっている。ま
た、上記タイミングバルブ１４はエンジン１のクランク
軸（図示せず）により駆動されるが、例えば負荷が大き
くなる程クランク軸のクランク角に対する位相がずれて
その開時期及び閉時期が遅くなるように遠心式進角装置
等の開閉時期調整手段によって開閉タイミングが調整さ
れるようになっている。

また、上記過給通路２b には、燃料噴射弁１５にアシス
トエアを供給するエアアシスト装置１６が備えられてい
る。このエアアシスト装置１６は、過給通路２b におけ
る上記エアポンプ１２と補助スロットルバルブ１３との
間から分岐されて、燃料噴射弁１５の先端部が装着され
た燃料噴射通路３b に連通されたアシストエア導入通路
１７と、これを開閉する制御弁１８とを有し、制御弁１
８が開いている時に噴射弁１５から噴射される燃料に対
してエアポンプ１２からアシストエア導入通路１７を介
してアシストエアを供給するようになっている。ここ
で、この実施例においては、エンジン１は４気筒エンジ
ンとされ、第２図に示すように各気筒に上記吸気通路２
a …２a 及び過給通路２b …２b が夫々接続されている
と共に、これに対応して全部で８個の燃料噴射弁１１…
１１，１５…１５が設置され、また過給通路２b …２b
における４個の噴射弁１５…１５に対してエアアシスト
装置１６…１６が夫々設けられている。

然して、上記各燃料噴射弁１１，１５及び制御弁１８
は、コントローラ１９からの燃料制御信号Ａ_１〜Ａ_４及
び開閉信号Ｂによって夫々制御されるようになってい
る。そして、上記コントローラ１９は、エアフローメー
タ９からのエア流量信号Ｃと、エンジン１のクランク軸
の回転角を検出するディストリビュータ２０からのクラ
ンク角信号Ｄと、タイミングバルブ１４の位相に基づい
てその開閉時期を検出する位相センサ２１からの位相信
号Ｅとを入力し、これらの信号Ｃ，Ｄ，Ｅに基づいて燃
料噴射量やその噴射時期及び期間と制御弁１８の開時期
及び期間とを設定した上で、上記信号Ａ_１〜Ａ_４及びＢ
として送出する。その場合、該コントローラ１９は、タ
イミングバルブ１４の開期間中に上記制御弁１８を開作
動させるようになっている。

次に、上記実施例の作用をコントローラ１９の作動を示
す第３図のフローチャートに従って説明する。尚、この
フローチャートは負荷が所定値以上となって過給が開始
された場合における過給通路２b 側の制御を示し、吸気
通路２a の燃料噴射弁１１に対しては通常の燃料噴射制
御が行われる。

先ず、コントローラ１９は、ステップＳ_１で吸気弁４b
の開時期b _１及び閉時期b _２を読み込んだ上で、ステッ
プＳ_２〜Ｓ_４でディストリビュータ２０からのクランク
角信号Ｄと、エアフローメータ９からのエア流量信号Ｃ
と、位相センサ２１からの位相信号Ｅとに基づいて、現
時点のクランク角ｔと吸入エア流量f とタイミングバル
ブの開時期r _１を読み込むと共に、ステップＳ_５で上記
クランク角t からエンジン回転数n を算出する。そし
て、ステップＳ_６，Ｓ_７で、上記エンジン回転数n と吸
入エア流量f とから算出される一回の吸気行程で燃焼室
に導入されるエア量に対応させて吸気通路側燃料噴射弁
１１と過給通路側燃料噴射弁１５との合計燃料噴射量q
を決定すると共に、後者の燃料噴射弁１５の燃料噴射量
が上記合計噴射量q の 1／ 2となるように該弁１５の開
弁期間をクランク軸の回転角θとして決定する。続い
て、ステップＳ_８において上記タイミングバルブ１４の
開時期r _１にその既知の開弁期間r を加算して該バルブ
１４の閉時期r _２を求める。ここで、第４図に示すよう
に、タイミングバルブ１４の開時期r _１は吸気通路側吸
気弁４a の開時期a _１と過給通路側吸気弁４b の開時期
b _１の間に設定され、また該バルブ１４の閉時期r _２は
吸気通路側吸気弁４a の閉時期a _２と過給通路側吸気弁
４b の閉時期b _２との間に設定され、過給通路側吸気弁
４b の開時期b _１からタイミングバルブ１４の閉時期r
_２の間で過給が行われるようになっているが、その場
合、タイミングバルブ１４の開閉時期r _１，r _２は同図
において実線で示す通常の中負荷状態から点線で示す高
負荷状態となるにつれて遅れるように図面上右側にシフ
トされ、これにより負荷が増大するに従って過給量が増
大するようになっている。

更に、ステップＳ_９で上記吸気弁４b の開時期b _１から
タイミングバルブ閉時期r _２までのエア流入期間p を算
出する。そして、ステップＳ₁₀では、このエア流入期間
p に所定の係数α（α＜１）を乗算した上でこれに上記
吸気弁４b の開時期b _１を加えることにより、タイミン
グバルブ１４の閉時期r _２より所定時期早くなるように
噴射終了時期をクランク角θ_２として決定し、続いてス
テップＳ₁₁では該クランク角θ_２から上記噴射量（クラ
ンク角θ）を減算することにより噴射開始時期をクラン
ク角θ_１として決定する。この時、これらの噴射開示時
期θ_１及び終了時期θ_２と等しくなるようにエアアシス
ト装置１６における制御弁１８の開閉時期が設定され
る。

そして、上記クランク角信号Ｄが示すクランク角が上記
燃料噴射開始時期θ_１となった時にステップＳ₁₂からス
テップＳ₁₃を実行し、燃料噴射弁１５に燃料制御信号Ａ
_１を送出して燃料噴射を行わせると共に、制御弁１８に
開閉信号Ｂを送出してこれを開作動させる。これによ
り、アシストエア導入通路１７を介して導入されたアシ
ストエアが上記噴射弁１５からの燃料に対して供給され
て、該燃料の霧化等が促進される。また、上記燃料噴射
開始時期θ_１から所定のクランク角θだけクランク軸が
回転して燃料噴射終了時期θ_２となった時は、ステップ
Ｓ₁₄からステップＳ₁₅を実行して上記燃料制御信号Ａ_１
による燃料噴射を停止させると共に、制御弁１８を閉作
動させる。その場合に、通常の中負荷状態の場合は、第
４図に実斜線で示すように圧縮行程前半における比較的
早い時期に燃料噴射弁１５から燃焼室５内に燃料が噴射
され、また高負荷状態の場合は同図に点斜線で示すよう
に圧縮行程前半における比較的遅い時期に燃料が多目に
噴射されることとなり、このようにしてエンジン１の運
転状態に応じた量の燃料が当該気筒の燃焼室５内に供給
されることになる。

然して、上記のようなコントローラ１９による制御によ
れば、エアアシスト装置１６における制御弁１８の開閉
時期（燃料噴射開始時期θ_１及び終了時期θ_２）がタイ
ミングバルブ１４の開閉時期r _１，r _２に応じて決定さ
れて、該バルブ１４の開期間内における所定期間だけ制
御弁１８が開くこととなるため、タイミングバルブ１４
が閉じている時にアシストエア導入通路１７を介して該
バルブ１４の上流側から下流側にエアが流入する事態が
生じないのである。これにより、タイミングバルブ１４
による過給タイミング制御の狂い及びこれに伴う過給効
率の低下等が防止される。

尚、上記の実施例は部分過給エンジン１について本発明
を適用したものであるが、ポンピングロスの低減を狙っ
たＫミラーサイクルエンジンに本発明を適用した場合に
おいても上記と同様にして当該タイミングバルブのタイ
ミング制御の狂いが防止され、その結果、ポンピングロ
スの増加が防止されることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は制御シス
テム図、第２図はエンジン頭部の一部省略平面図、第３
図はコントローラの作動を示すフローチャート図、第４
図はタイミングバルブの開弁期間に対する燃料噴射及び
アシストエア供給のタイミングを示すタイムチャート図
である。１……エンジン、３……吸気系（２a ……吸気通路、２
b ……過給通路）、１４……タイミングバルブ、１５…
…燃料噴射弁、１６……エアアシスト装置、１７……ア
シストエア導入通路、１８……制御弁、１９……コント
ローラ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】吸気系にクランク軸の回転に連係して開閉
作動されるタイミングバルブが備えられ且つ該タイミン
グバルブ下流に燃料噴射弁が設けられた燃料噴射装置付
エンジンであって、上記噴射弁から噴射される燃料に上
記タイミングバルブの上流側からアシストエアを供給す
るアシストエア導入通路を有するエアアシスト装置が備
えられ、該エアアシスト装置の上記アシストエア導入通
路にこれを開閉する制御弁が設けられていると共に、上
記タイミングバルブの開期間中に上記制御弁を開作動さ
せるコントローラが備えられていることを特徴とする燃
料噴射装置付エンジン。