JPH0655769B2 - 重合体スケールの付着防止方法 - Google Patents

重合体スケールの付着防止方法

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JPH0655769B2
JPH0655769B2 JP1212483A JP21248389A JPH0655769B2 JP H0655769 B2 JPH0655769 B2 JP H0655769B2 JP 1212483 A JP1212483 A JP 1212483A JP 21248389 A JP21248389 A JP 21248389A JP H0655769 B2 JPH0655769 B2 JP H0655769B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、重合体スケールの付着防止方法に関し、特に
エチレン性二重結合を有する単量体の重合において、重
合器内における重合体スケールの付着を効果的に防止す
ることができる方法に関する。
〔従来の技術〕
重合器内で単量体を重合して重合体を製造する方法にお
いては、重合体が重合器内壁面などにスケールとして付
着する問題が知られている。重合体スケールが重合器内
壁面などに付着すると、重合体スケールの除去に多大な
労力と時間が必要となる。さらに重合体の収率、重合器
の冷却能力の低下や付着した重合体スケールが剥離して
製品に混入することによって製品重合体の品質低下を招
くなどの不利が生じる。
従来、重合器内壁面などへの重合体スケールの付着を防
止する方法として、例えば、極性化合物や染料、顔料な
どを内壁面に塗布する方法(特公昭45-30343号、同45-3
0835号)、芳香族アミン化合物を塗布する方法(特開昭
51-50887号)、フェノール化合物と芳香族アルデヒドと
の反応生成物を塗布する方法(特開昭55-54317号)等が
知られている。
これらの方法は塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量
体あるいは該単量体を主体としこれと共重合可能な単量
体を少量含む単量体混合物の重合においては重合体スケ
ールの付着防止に有効である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、重合に供される単量体がスチレン、α−メチル
スチレン、アクリル酸エステル、アクリロニトリル等の
他のエチレン性二重結合を有する単量体である場合に
は、これらの単量体が前記付着防止方法で形成される塗
膜に対し著しく大きい溶解能を有するために、塗膜の一
部又は全部が溶解されて失われ、その結果、重合体スケ
ールの重合器内壁面などへの付着を効果的に防止するこ
とができない。特に、ステンレス製重合器を使用した場
合にスケールの付着が起こりやすかった。
そこで本発明の目的は、ハロゲン化ビニル単量体に限ら
ず、広範囲のエチレン性二重結合を有する単量体の重合
において、重合器内壁等への重合体スケールの付着を効
果的に防止することができる方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するものとして、 重合器内におけるエチレン性二重結合を有する単量体の
重合において重合体スケールの付着を防止する方法であ
って、 重合器内壁面に、予め(a)アニオン染料及び(b)水不溶性
カチオン染料を含み、pHが7を超える有機溶媒含有塗布
液が塗布、乾燥された重合器内で、前記重合を行う重合
体スケールの付着防止法を提供するものである。
本発明に用いられる(a)アニオン染料としては、例え
ば、1分子中にカルボキシル基及びスルホン酸基を有す
る染料が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.アシッド
イエロー38;C.I.アシッドレッド18,52,73,80,87;C.I.
アシッドバイオレッド11,78;C.I.アシッドブルー1,40,
59,113,116,120,158:C.I.アシッドオレンジ3,7;C.I.
アッドブラック1,2,124;C.I.ダイレクトオレンジ
2,10,26,97;C.I.ダイレクトレッド1,31,92,186;
C.I.ダイレクトバイオレット1,22;C.I.ダイレクトブ
ルー1,6,71,86,106;C.I.ダイレクトブラック2,1
9,32,38,77;C.I.ダイレクトグリーン1,26;C.I.ダイ
レクトイエロー3;C.I.ダイレクトブラウン1,37,10
1;C.I.フードイエロー3;C.I.リアクティブイエロー
3;C.I.リアクティブブルー2,4,18;C.I.モーダン
トバイオレット5;C.I.モーダントブラック5;C.I.モ
ーダントイエロー26;C.I.フルオレセントブライトニン
グエージェント30,32;ソルビライズドバットブラック
1;C.I.アゾイックブラウン2;その他芳香族アミン化
合物と芳香族ニトロ化合物との縮合物をスルホン化して
得たスルホン化物のアルカリ金属塩もしくはアンモニウ
ム塩(これらの縮合物から誘導された塩は水溶性である
ので、以下「水溶性縮合物」という)、例えば、特公昭
60-30682号公報に記載の芳香族アミン化合物と芳香族ニ
トロ化合物との縮合物をスルホン化して得たスルホン化
物のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、特に、特
公昭60-30682号公報第10欄第4〜17行に製造例が記載さ
れた水溶性縮合物NO.1、及び同様の方法で製造が記載
されている水溶性縮合物NO.4、5、8、11、14、12、16、1
7及び18等が挙げられる。
これらの中でも好ましいアニオン染料は、C.I.アシッド
ブラック1,2,124;C.I.ダイレクトブルー1,
6,71;C.I.ダイレクトブラック2,19,32,3
8,77;C.I.アシッドブルー1,2,40,59、並
びに、特公昭60-30682号に記載の水溶性縮合物の中で、 一般式(I): 〔式中、Rは水素原子、-NH2、-N=N-C6H5、-NH-C6H5
は-NH-C6H4-NH2であり、Rは水素原子又は-NH2であ
る〕 で表わされる芳香族アミン化合物と、一般式(II): 〔式中、Rは水素原子又は-NH2である〕 で表わされる芳香族ニトロ化合物との縮合物をスルホン
化して得たスルホン化物のアルカリ金属塩もしくはアン
モニウム塩である。また、さらに好ましいアニオン染料
は、C.I.アシッドブラック1,2,124(この中でもC.
I.アシッドブラック2が最も好ましい)及び前記一般式
(I)の芳香族アミン化合物と一般式(II)の芳香族ニト
ロ化合物との縮合物をスルホン化して得られるスルホン
化物のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩である。
前記一般式(I)の芳香族アミン化合物としては、例え
ば、アニリン、o−,m−もしくはp−フェニレンジア
ミン、p−アミノアゾベンゼン、2,4−ジアミノアゾベ
ンゼン、4−アミノジフェニルアミン、2−アミノジフ
ェニルアミン、4,4′−ジアミノジフェニルアミンが挙
げられる。
前記一般式(II)の芳香族ニトロ化合物としては、例え
ば、ニトロベンゼン、o−,m−もしくはp−アミノニ
トロベンゼン等が挙げられる。
(a)成分として用いることができる特公昭60-30682号公
報に記載の水溶性縮合物は、該公報に記載の方法によ
り、芳香族アミン化合物及び芳香族ニトロ化合物から製
造することができる。
一般式(I)の芳香族アミノ化合物と一般式(II)の芳香
族ニトロ化合物とから得られる、好ましい水溶性縮合物
の代表的な例として、特公昭60-30682号公報に記載の水
溶性縮合物NO.3,5,10,16及び18が挙げられる。
以上説明したアニオン染料は、1種単独でも2種以上を
組合わせても用いることができる。
本発明で用いられる塗布液の(b)成分である水不溶性カ
チオン染料としては、例えば、カルボキシル基及びスル
ホン酸基を含まず、1分子中に第1級ないし第3級のア
ミノ基、第4アンモニウム基及びアゾ基から選ばれる基
を少なくとも1個有する染料が挙げられ、具体的には、
例えば、C.I.ソルベントイエロー2,4,5,6,1
4,15,16,19,21,33,56,61,8
0,;C.I.ソルベントオレンジ1,2,14,37,4
0,44,45;C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,121;C.I.ソルベントバイオレッ
ト8,13,14,21,27;C.I.ソルベントブルー
2,11,12,25,35,36,55,73;C.I.
ソルベントグリーン3;C.I.ソルベントブラウン3,
5,20、37;C.I.ソルベントブラック3,5,7,
22,23;C.I.ディスパースイエロー1,3,4,
5,7,23,31,33,42,49,50,51,
54,56,60,61,64,66,71,72,7
6,78,79;C.I.ディスパースオレンジ1,3,
5,11,13,20,21,30,32,41,4
3,45,46,49,50,51;C.I.ディスパース
レッド1,4,5,7,11,12,13,15,1
7,43,52,53,54,55,56,58,5
9,60,65,72,73,74,75,76,8
0,82,84,88,90,91,92,97,9
9,100,101,103,104,113,11
6,117,122,125,126,127,12
8,129;C.I.ディスパースバイオレット1,4,
8,10,18,23,24,26,28,30,3
3,37,38;C.I.ディスパースブルー1,3,5,
6,7,20,26,27,43,44,52,54,
55,56,58,60,61,62,64,72,7
3,75,79,81,85,87,88,90,9
2,94,97,98,99,103,104,10
5,106,108;C.I.ディスパースブラウン3,
5;C.I.ディスパースブラック1,2,10,26,2
7,28,29,30,31;その他芳香族アミン化合
物と芳香族ニトロ化合物との縮合物、例えば特公昭60-3
0681号公報に記載されている芳香族アミン化合物と芳香
族ニトロ化合物との縮合物、特に、特公昭60-30681号公
報第9欄第8行〜第6欄第42行(第1表を含む)に製造
例が記載されている縮合物NO.1〜21等が挙げられる。
これらの中でも好ましい水不溶性カチオン染料は、C.I.
ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック5及び
C.I.ソルベントブラック7、C.I.ソルベントブラック2
2、C.I.ソルベントブルー2、C.I.ソルベントブルー1
1、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー
25、C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブル
ー36及び芳香族アミン化合物と芳香族ニトロ化合物と
の縮合物である。特に好ましい水不溶性カチオン染料
は、C.I.ソルベントブラック3,5,7及び22であ
る。
これらの水不溶性カチオン染料は、1種単独でも2種以
上を組合わせても用いることができる。
本発明の方法では、重合器内壁面に(そして、好ましく
は、重合中に単量体が接触する重合器のその他の部分に
も)重合体スケールが付着するのを防止する塗膜を形成
するために、前記アニオン染料及び前記水不溶性カチオ
ン染料を含み、pHが7を超える、好ましくは8〜11であ
る有機溶媒含有塗布液を塗布する。この塗布液は、前記
アニオン染料と、水不溶性カチオン染料とを適当な溶媒
に溶解し、pHを調整して調製することができる。
塗布液のpHが7以下であると、(a)成分と(b)成分が塗布
液中で沈でんを形成する恐れがあり、塗布液が不安定で
ある結果、重合器内壁面等に良好な塗膜を形成すること
が困難である。そのため、スケール形成なしに繰返すこ
とができる重合回数が向上しない。
塗布液を調製するための溶媒としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブ
タノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル
−2−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、2
−メチル−2−ブタノール、2−ペンタノール等のアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類;4−メチルジオキソラン、
エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;
ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチ
ル等のエステル類;テトラヒドロフラン、フルフラー
ル、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコール等のフラン類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等
の脂肪族炭化水素類;トルエン、ベンゼン、キシレン等
の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、1−クロロブタ
ン、塩化アミル、ジ塩化エチレン、1,1,2−トリク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリ
ル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性溶
剤などが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上で
も用いられる。さらに、これらの有機溶媒と水との混合
物が挙げられる。
塗布液中の前記アニオン染料と水不溶性カチオン染料の
合計の濃度は、後述する塗布量が得られる限り制約され
ないが、通常、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ま
しくは0.05〜2重量%である。また、塗布液中の(a)ア
ニオン染料/(b)水不溶性カチオン染料の重量比は、通
常、100/0.1〜100/1000、さらに100/3〜100/250であ
ることが好ましい。この重量比が小さすぎると、染料の
凝集が起こり、均一な塗布膜が得られ難く、大きすぎる
と塗布液を重合器内壁面等に塗布し、乾燥させても水洗
すると塗布膜が溶解してしまうおそれがある。
塗布液のpH調節のために用いられるpH調節剤は、特に制
限されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カリウムナト
リウム、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、エチ
ルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、エ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチレン
ジアミン、1,2,3−トリアミノプロパン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、エチレンイミ
ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス
(オキシメチル)メチルアミン等が挙げられ、好ましく
はエチレンジアミンである。これらは1種単独でも2種
以上を組合わせても用いられる。またこれらは予め、水
溶液としておくとpH調節のために塗布液に添加するとき
に便利である。
本発明の方法においては、塗布液を重合器内壁面等に塗
布した後、乾燥して塗膜を形成する。塗布液を重合器内
壁面などに塗布して乾燥させる方法としては、例えば、
塗布後、適当な温度に加熱された空気を塗布面に送風し
て乾燥させる方法、重合器内壁及びその他単量体が接触
する部分を予め加熱しておき、この加熱された重合器内
壁面等に塗布液を直接塗布し乾燥させる方法など、いず
れの方法によってもよい。乾燥後、必要に応じて水洗す
る。
塗布液の重合器内壁等への塗布量は、乾燥後の状態で重
合器内壁、攪拌機等の表面において、通常、0.001〜5
g/m2程度である。
塗布液を上記重合器内壁面等に塗布する方法には特に制
限はなく、例えばハケ塗り、スプレー塗布、塗布液で重
合器を満たした後に抜き出す方法などをはじめとして、
その他特開昭57-61001号、同55-36288号、特公表昭56-5
01116号、同56-501117号、特開昭59-11303号等に記載の
自動塗布方法を用いることもできる。
前記のように塗布液は、好ましくは、重合器内壁面以外
の重合中に単量体が接触する部分(接触する可能性のあ
る部分を含む)にも塗布されるが、このような部分とし
ては、例えば、攪拌翼、攪拌軸、コンデンサー、ヘッダ
ー、バッフル、サーチコイル、ボルト、ナット等があ
る。
さらに好ましくは、塗布液は、未反応単量体の回収系統
のスケールが付着するおそれのある部分、例えば、モノ
マー蒸留塔、コンデンサー、モノマー貯蔵タンク、バル
ブ塔の内面に塗布される。上記のようにして、重合器内
壁面及びその他重合中に単量体が接触する部分に塗布液
を塗布して塗膜を形成した後は、重合器に常法にしたが
って、エチレン性二重結合を有する単量体、重合開始
剤、その他必要な重合媒体、添加剤、例えば単量体の分
散助剤等を仕込んで重合させればよい。
本発明の方法が適用されるエチレン性二重結合を有する
単量体としては、例えば、塩化ビニルなどのハロゲン化
ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらの
エステル又は塩、マレイン酸又はフマル酸、及びそれら
のエステル又は無水物、ブタジエン、クロロプレン、イ
ソプレンなどのジエン系単量体、さらにスチレン、α−
メチルスチレン、アクリル酸エステル、アクリロニトリ
ル、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテルなどが挙げ
られる。
本発明の方法は、重合器内壁等の材料によらず有効であ
り、例えば、ステンレス鋼製重合器、ガラスライニグさ
れた重合器等に対しても有効である。
また、本発明の方法が適用される重合の形式は特に限定
されず、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等の
いずれの重合形式においても有効である。
したがって、重合系に添加される添加物質も通常用いら
れるものは何ら制約なく使用することができる。即ち、
例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、ポリアクリレートなどの懸濁剤、リン酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイトなどの固体分散剤、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニ
オン性乳化剤、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルなどのノニオン性乳化剤、炭
酸カルシウム、酸化チタンなどの充てん剤、三塩基性硫
酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチルすずジラウレ
ート、ジオクチルすずメルカプチドなどの安定剤、ライ
スワックス、ステアリン酸などの滑剤、DOP、DBP
などの可塑剤、トリクロロエチレン、メルカプタン類な
どの連鎖移動剤、pH調整剤、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、ラウロイルパーオキシド、過硫酸カ
リウム、クメンハイドロパーオキシド、p−メンタンハ
イドロパーオキシドなどの重合触媒が存在する重合系に
おいても、本発明の方法は重合体の付着を効果的に防止
することができる。
本発明の方法が特に好適に実施される重合は、例えば塩
化ビニルなどのハロゲン化ビニルもしくはハロゲン化ビ
ニリデン、又はそれらを主体とする単量体混合物の懸濁
重合あるいは乳化重合である。また、ステンレス製重合
器におけるポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
ポリアクリロニトリルなどの重合体のビース、ラテック
スの製造、SBR、NBR、CR、IR、IIRなどの
合成ゴムの製造(これらの合成ゴムは、通常、乳化重合
によって製造される。)、ABS樹脂の製造を行う重合
にとっても好適である。
〔実施例〕 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、以下の各表において*印を付した実験NO.は
比較例であり、それ以外の実験NO.は本発明の実施例で
ある。
実施例1 各実験において、(a)アニオン染料と、(b)カチオン染料
とを合計の濃度が0.5重量%となるように溶解し、pHを
調節して塗布液を調製した。各実験において用いた(a)
アニオン染料及び(b)カチオン染料、並びに塗布液中の
(a)/(b)の重量比、使用した溶媒、塗布液中の水/有機
溶媒の重量比及び塗布液のpHを表1に示す。この塗布液
を、内容積100の攪拌機付ステンレス製重合器の内壁
面、攪拌機その他重合中に単量体が接触する部分に塗布
し、50℃で15分間乾燥させた後、水洗した。ただし、実
験NO.101〜104では塗布液を塗布しないか、又は(a)アニ
オン染料又は(b)カチオン染料の一方を含有しない塗布
液を塗布した。また、実験NO.118では、特公昭53-46235
号に記載の実施例1の実験NO.7で使用された塗布液
〔スーダンブラックB(C.I.ソルベントブラック3)と
ニグロシン (C.I.アシッドブラック2)とをモル比100:100で含
み、これらの総濃度が1%となるようにメタノールに溶
解し、エチレンジアミンをスーダンブラックBに対して
100:100のモル比となる量を添加して90℃で30分間処理
して調製された塗布液〕を使用した。
次に、このようにして塗布された重合器内に、塩化ビニ
ル26kg、純水52kg、部分ケン化ポリビニルアルコール26
g及びジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト13gを仕込み、攪拌しながら58℃で6時間重合させ
た。
重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケールの
量を測定した。結果を表1に示す。
実施例2 各実験において、(a)アニオン染料と、(b)カチオン染料
とを溶媒に溶解し、塗布液中の(a)アニオン染料と(b)カ
チオン染料との合計の濃度を0.25重量%に調節し、また
エチレンジアミンを添加してpHを10に調節した塗布液を
調製した。各実験において用いた(a)アニオン染料及び
(b)カチオン染料、並びに塗布液中の(a)/(b)の重量比、
使用した溶媒を表2に示す。この塗布液を、内容積100
の攪拌機付ステンレス製重合器の内壁面、攪拌機その
他重合中に単量体が接触する部分に塗布し、70℃で10分
間乾燥させた後、水洗した。ただし、実験NO.201では塗
布液を塗布しなかった。
次に、このように塗布処理された重合器中に、スチレン
24kg、アクリロニトリル8kg、純粋40kg、ヒドロキシア
パタイト0.8kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム16g、t−ドデシルメルカプタン160及び過酸化ベン
ゾイル160gを仕込み、攪拌しながら80℃で10時間反応
させて重合体を製造した。
重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケールの
量を測定した。結果を表2に示す。
実施例3 各実験において、内容積100の攪拌機付スチレン製重
合器の内壁面及びその他の重合中に単量体が接触する部
分に、塗布液を塗布し、表3に示す条件で加熱、乾燥処
理した後、水洗した。ただし、実験NO.301では塗布液を
塗布しなかった。各実験NO.302〜313で用いられた塗布
液は、表3に示す実験NO.(実施例1及び2における)
で使用したものと同じものであり、実験NO.314では、塗
布液として特公昭53-46235号に記載の実施例の実験NO.
13で使用された塗布液〔スーダンブラックB(C.I.ソ
ルベントブラック3)とニグロシン(C.I.アシッドブラ
ック2)とをモル比100:100で含み、これらの総濃度が
1%となるようにエタノールに溶解し、硝酸アンモニウ
ムをスーダンブラックBに対して100:100のモル比とな
る量添加して90℃で30分間処理して調製された塗布液〕
を使用し、塗布後、加熱、乾燥処理を行わなかった。
次に、このように塗布処理された重合器中に、SBRラ
テックス(固形分濃度:23.5%)56及びナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.25gの水溶液2kgを
仕込み、80℃に加熱した後、クメンハイドロパーオキシ
ドを1%溶解したメチルメタクリレート7kgを2時間か
けて滴下した。滴下終了後、1時間経過してからクメン
ハイドロパーオキシドを1%溶解したスチレン7kgを2
時間かけて滴下し、約1時間、80℃に保って重合させ
た。
重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケールの
量を測定した。結果を表3に示す。
実施例4 各実験において、塗布液を塗布した後の加熱及び乾燥を
表4に示す条件で行った以外は、実施例1と同様にして
重合を行い、重合終了後、生成した重合体を取り出した
後、重合器内を水洗し、再び塗布処理及び重合を行う操
作を繰り返し、重合体スケールの付着量が1g/m2を超
えることなく行うことができた重合回数(スケール防止
回数)を調べた。ただし、実験NO.402〜414及び416で用
いられた塗布液は、表4に示す実験NO.(実施例1にお
ける)で使用したものと同じものであり、実験NO.415で
は、塗布液として特公昭62-7202号の実施例1で使用さ
れたセレスチンブルーを0.5規定のNaOH中に溶解した1.5
重量%の濃度に溶解してなる塗布液を用いた。結果を表
4に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、エチレン性二重結合を有する単
量体の重合における重合体スケールの重合器内壁面など
への付着を効果的に防止することができる。特に、溶解
能が高い単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリル酸エステル、アクリロニトリルを含む重合
系の重合の場合でも重合体スケールの付着を防止するこ
とができる。
重合器内壁面などへの塗布処理を毎バッチあるいは数バ
ッチに1回の割合で行うことにより、重合器内壁等に重
合体スケールを付着させることなく、重合器を繰り返し
使用できる。
特に、本発明の好ましい実施態様によれば、前記の実施
例から明らかなように重合体スケールの付着なしに重合
を100回以上繰り返すことができ、その間スケール除去
作業はまったく行う必要がないので生産性を大きく向上
させることができる。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 幹雄 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信 越化学工業株式会社高分子機能性材料研究 所内 (56)参考文献 特開 昭55−155001(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合器内におけるエチレン性二重結合を有
    する単量体の重合において重合体スケールの付着を防止
    する方法であって、 重合器内壁面に、予め、(a)アニオン染料及び(b)水不溶
    性カチオン染料を含み、pHが7を超える有機溶媒含有塗
    布液が塗布、乾燥された重合器内で、前記重合を行う重
    合体スケールの付着防止方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の方法であって、前記(a)ア
    ニオン染料が、C.I.アシッドブラック1,2,124;C.I.ダ
    イレクトブルー1,6,71;C.I.ダイレクトブラック2,19,3
    2,38,77;C.I.アシッドブルー1,2,40,59;並びに一般式
    (I): 〔ここで、Rは水素原子、-NH2、-N=N-C6H5、-NH-C6H5
    又は-NH-C6H4-NH2であり、Rは水素原子又は-NH2であ
    る〕 で表わされる芳香族アミン化合物と、一般式(II): 〔ここで、Rは水素原子又は-NH2である〕 で表される芳香族ニトロ化合物との縮合物をスルホン化
    して得られたスルホン化物のアルカリ金属塩及びアンモ
    ニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    り; 前記(b)水不溶性カチオン染料が、C.I.ソルベントブラ
    ック3,5,7及び22、並びにC.I.ソルベントブルー2,11,1
    2,25,35及び36からなる群から選ばれる少なくとも1種
    である方法。
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