JPH0655737U - 積層構造体 - Google Patents

積層構造体

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JPH0655737U
JPH0655737U JP8776892U JP8776892U JPH0655737U JP H0655737 U JPH0655737 U JP H0655737U JP 8776892 U JP8776892 U JP 8776892U JP 8776892 U JP8776892 U JP 8776892U JP H0655737 U JPH0655737 U JP H0655737U
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Kyowa Leather Cloth Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量化を図ることができると共にウエルダー
加工及び貫通孔の形成作業が容易で製作効率を高めるこ
とができるサンシエード用積層構造体及びトノカバー用
積層構造体を提供すること。 【構成】 PETフィルム1の両面に塩化ビニル系樹脂
フィルム2,3が積層された積層構造体からなる。積層
部を貫通する多数の貫通孔が間隔で配列されている。P
ETフィルム1の厚みは約10μm〜300μmであ
り、塩化ビニル系樹脂フィルム2,3の厚みは約50μ
m〜600μmである。この積層構造体は、樹脂フィル
ムの積層構造体であるため、ウエルダー加工およびカッ
ティング加工が容易で、また、パンチング加工による貫
通孔の形成作業が容易であり、基布を用いた積層構造体
のようなほつれ等がなく、PETフィルム1の機械的強
度を活かし、PETフィルム1の耐候性はその表面の塩
化ビニル系樹脂2,3により補充された特性を保持した
まま、軽量化が図れる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は積層構造体に係り、特に自動車内のガラス面に日除け用として設置さ れるサンシエード用積層構造体及びスリードア等の自動車のトランクスペース上 に設置されるトノカバー用積層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のリアウインド等からの日差しを避けるために、リアウインドの内面側 に所謂、サンシエードが設けられる。従来、図4に示すようにサンシエード21 はリアウインド22の上部側で巻芯23に巻回された状態で設置されており、日 差しを避ける場合、巻芯23に巻回されたサンシエード21を下に下ろすように なっている。また、図5に示すようにスリードアの自動車のトランクスペース2 4上には、トランクの上部を覆う状態でトノカバー25が設置されている。
【0003】 これらのサンシエード21及びトノカバー25には、図3(A)に示すような 積層構造体26が使用されている。この積層構造体26は基布27の両面に各々 塩化ビニル樹脂フィルム28が積層された構造となっており、また、基布27の 片面のみに塩化ビニル樹脂フィルム28が積層される構造のものもある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のサンシエード21及びトノカバー25の場合、積層構造 体に所定の強度を与えるために基布27の強度を一定以上に上げるには積層構造 体が厚くなる問題があり、積層構造体の軽量化を図るために基布27を薄くする と当然に積層構造体の強度を一定以上に保持することができない。また、ウエル ダー加工の際、互いの積層体の接合位置関係によっては、図3(B)に示すよう に基布27の凸部同士が近接した状態となり、この部位の接合強度が低下し、こ の接合強度の低下を回避するために塩化ビニル樹脂フィルム28の厚みを厚くす ると積層体自体が厚くなる。
【0005】 また、サンシエード21は通常、多数の貫通孔が形成されているが、この貫通 孔の形成手段として積層構造体をパンチングする方法が採用されている。従来の 積層構造体では中心層に基布27が使用されているため、ウエルダー加工が容易 でなく、また、貫通孔の形成作業時に基布27のパンチングを効率的に行うこと が困難となり、また、基布27のほつれ等により商品価値が低下する問題があっ た。
【0006】 さらに、自動車の車内は、日照りの際、特に夏期には50〜60℃に及ぶこと があり、従来の基布27を用いた積層構造体の場合、塩化ビニル樹脂フィルム2 8が軟化変形し、この軟化変形を基布27では吸収することが困難であるため、 サンシエード21及びトノカバー25を巻回したときに部分的に脹らみが生じや すく、また、広げた状態ではよじれ等が生じ見栄えの点でも問題であった。
【0007】 本考案の目的は、上記した従来の課題を解決し、軽量化を図ることができると 共にウエルダー加工及び貫通孔の形成作業が容易で製作効率を高めることができ るサンシエード用積層構造体及びトノカバー用積層構造体を提供することにある 。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本考案のサンシエード用積層構造体及びトノカ バー用積層構造体は、いずれも、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム の両面に各々塩化ビニル系樹脂からなるフィルムが積層されていることを特徴と するものである。
【0009】
【作用】
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)は、極めて強度が高く 、熱収縮率が低く、PETのフィルムの両面に塩化ビニル系樹脂のフィルムを積 層した積層構造体は、高温の車内において配置した場合、塩化ビニル系樹脂の軟 化変形をPETフィルムで吸収できる結果、熱により積層体の収縮等が極めて少 なくよじれ等が生じにくい。
【0010】 また、PETは機械的強度が極めて高く、かつ軽量であるので、積層構造体と しての強度を所定以上とする場合には従来の基布の場合と比較して本来軽量のP ETフィルムの厚みを薄くできる結果、積層構造体の全体厚みを薄くでき、積層 構造体の軽量化を図ることができる。積層構造体は基布を用いていないので、ウ エルダー加工及び貫通孔の形成作業が容易で、基布の糸ほつれ等による商品価値 低下を招くことなく、製作効率を高めることができる。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本考案の積層構造体 の一実施例を示す要部断面図、図2は本考案の積層構造体の正面図である。この 積層構造体は、中心部にPETフィルム1を備え、その両面に塩化ビニル系樹脂 フィルム2,3が積層された構造となっており、サンシェ−ド材の場合は、積層 構造体の積層部を貫通する多数の貫通孔4が所定の間隔で配列されている。
【0012】 PETフィルム1の厚さは、10μm〜300μm程度、望ましくは40μm 〜60μmである。PETフィルム1の厚さが10μmよりも薄いと、積層構造 体の機械的強度を保持するのに十分でなく、一方、PETフィルム1の厚さが3 00μmより厚いと、積層構造体の軽量化および良好な巻回操作性を図ることが できない。
【0013】 塩化ビニル系樹脂フィルム2,3の厚さは、50μm〜600μm、望ましく は、150μm〜200μmである。塩化ビニル系樹脂フィルム2,3の厚さが 50μmより薄いと、積層構造体に付与する耐熱性、耐候性を維持することが困 難となる上ウエルダー加工性が悪くなり、一方、塩化ビニル系樹脂フィルム2, 3の厚さが600μmよりも厚いと、積層構造体の軽量化および巻回操作性を図 ることが困難となる。
【0014】 塩化ビニル系樹脂フィルム2,3には、可塑剤、安定剤、着色剤、難燃剤等の 公知の成分を配合することができるが、特に積層構造体としての耐熱性、耐候性 等を高めるためには、例えば、可塑剤としてC9 以上のフタル酸エステルおよび /又はトリメリット酸エステル等が望ましく、または熱安定剤としての金属石鹸 、リン酸エステルと紫外線吸収剤との併用が望ましく、更に顔料は塩化ビニル系 樹脂に対して4%程度添加することが望ましい。
【0015】 塩化ビニル系樹脂は、上記した塩化ビニル樹脂に限らず、塩化ビニル樹脂を主 成分とし、他の樹脂および/又はゴムをブレンドしたもの或いは塩化ビニルを主 成分とする塩化ビニルのコポリマーであってもよい。これらの塩化ビニル樹脂に 対するブレンド成分は、フィルムとしての可撓性、耐候性、耐熱性等を改良する ために任意に選定添加され、同様にコポリマーを構成する塩化ビニル以外の他の 重合成分もフィルムとしての可撓性、耐候性、耐熱性等を改良するために任意に 選定添加される。
【0016】 また、PETフィルム1と塩化ビニル系樹脂フィルム2,3とを接合するに際 しては、予めPETフィルム1の両面にPETと塩化ビニル系樹脂との両方とに 相溶性のよい接着剤を塗布した後、塩化ビニル系樹脂フィルム2,3をそれぞれ 接合することが望ましい。
【0017】 さらに、上記した積層構造体を図4に示すようなサンシエード21として使用 する場合、また、図5に示すようなトノカバー25として使用する場合、車内に おいて、太陽光が当たる面側(図4のa側及び図5のb側)の塩化ビニル系樹脂 フィルム2又は3の厚みを、他方の面の塩化ビニル系樹脂フィルム2又は3の厚 みよりも厚くし、接着剤添加量や安定剤の適正化により耐熱性、耐候性を配慮す ることが望ましい。このような積層構造体とすると、サンシエード21またはト ノカバー25の熱収縮によるよじれ等をより確実に防止することができる。
【0018】 実施例1 図1に示すPETフィルム1として、予めその両面に接着剤が塗布された厚さ 50μmのPETフィルムを準備した。このPETフィルム1の両面に下記の組 成からなる塩化ビニル系樹脂コンパウンドで形成された厚み150μmの塩化ビ ニル系樹脂フィルム2,3を作製し、PETフィルム1の両面に接合して、全体 厚みが400μmの積層構造体Aを作製した。
【0019】 塩化ビニル樹脂コンパウンドの組成の下記の通りである。 塩化ビニル樹脂 100重量部 可塑剤 50重量部 安定剤 2.5重量部 顔料 4重量部
【0020】 比較例1 比較のために、上記と同様な組成からなる塩化ビニル系樹脂コンパウンドで形 成された厚み150μmの塩化ビニル系樹脂フィルム2,3を作製し、ポリエス テル/レーヨン30番手からなる厚み200μmの基布1の両面にPVCベース トからなる接合剤を介して接合し、全体の厚みが400μmの積層構造体Bを作 製した。
【0021】 上記した積層構造体A及び積層構造体Bに対してそれぞれウエルダー加工を行 い、かつ、カッティング加工およびパンチング加工による直径0.8mmの貫通 孔4を形成した。この結果、積層構造体Aに対して特に支障なく、ウエルダー加 工を行うことができ、また、積層構造体Aはパンチング加工により貫通孔4を形 成することができたが、積層構造体Bの場合、ウエルダー加工をスムースに行う ことが困難であり、また、パンチング加工による貫通孔4の大部分にほつれが生 じた。
【0022】
【考案の効果】 以上のように本考案の積層構造体によれば、軽量化を図ることでき、また、機 械的強度が高く、特に頻繁に巻回操作と広げる操作を繰り返すサンシエード用や トノカバー用の積層構造体として好適であり、しかも熱収縮率が低いのでよじれ 等が生じることがなく、長期間の使用に対しても所期の形状を維持することがで きる。さらに、カッティング加工やパンチング加工におけるほつれがなく、しか もウエルダー性にも優れ、製作効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の積層構造体の一実施例を示す要部断面
図である。
【図2】本考案の積層構造体の正面図である。
【図3】(A)は従来のサンシエード用の積層構造体の
例を示す要部断面図、(B)は従来のサンシエード用の
積層構造体のウエルダー時の状態を示す説明図である。
【図4】サンシエード用積層構造体の設置例を示すため
の説明図である。
【図5】トノカバー用積層構造体の設置例を示すための
説明図である。
【符号の説明】
1 PETフィルム 2,3 塩化ビニル系樹脂フィルム 4 貫通孔

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートからなるフ
    ィルムの両面に各々塩化ビニル系樹脂からなるフィルム
    が積層されていることを特徴とするサンシエード用積層
    構造体。
  2. 【請求項2】 前記ポリエチレンテレフタレートからな
    るフィルムの厚みが10μm〜300μmであることを
    特徴とする請求項1のサンシエード用積層構造体。
  3. 【請求項3】 前記塩化ビニル系樹脂からなるフィルム
    の厚みが50μm〜600μmであることを特徴とする
    請求項1のサンシエード用積層構造体。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンテレフタレートからなるフ
    ィルムの両面に各々塩化ビニル系樹脂からなるフィルム
    が積層されていることを特徴とするトノカバー用積層構
    造体。
  5. 【請求項5】 前記ポリエチレンテレフタレートからな
    るフィルムの厚みが10μm〜300μmであることを
    特徴とする請求項4のトノカバー用積層構造体。
  6. 【請求項6】 前記塩化ビニル系樹脂からなるフィルム
    の厚みが50μm〜600μmであることを特徴とする
    請求項4のトノカバー用積層構造体。
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