JPH0655736B2 - 6―メチルプロスタグランジンi▲下1▼類 - Google Patents

6―メチルプロスタグランジンi▲下1▼類

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JPH0655736B2
JPH0655736B2 JP60228599A JP22859985A JPH0655736B2 JP H0655736 B2 JPH0655736 B2 JP H0655736B2 JP 60228599 A JP60228599 A JP 60228599A JP 22859985 A JP22859985 A JP 22859985A JP H0655736 B2 JPH0655736 B2 JP H0655736B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈技術分野〉 本発明は6−メチルプロスタグランジンI類および製
造法に関する。更に詳細には、本発明は循環器用薬,抗
潰瘍,細胞障害治療剤等の医薬品として有用な新規6−
メチルプロスタグランジンI類および6−メチレンプ
ロスタグランジンE類を還元して6−メチレンプロス
タグランジンF12類とし、6−ハロメチルプロスタグラ
ンジンI類を経由するかまたは直接的に6−メチルプ
ロスタグランジンI類を製造する新規技術ならびに本
製造法の中間体となる上記6−メチレンプロスタグラン
ジンF12類および6−ハロメチルプロスタグランジンI
類に関するものである。
〈従来技術〉 天然プロスタグランジン(以下PGと略記することがあ
る)類は生物学的および薬理学的に高度な活性を持つ局
所ホルモン(オータコイド)として知られている。それ
故、PGの持つこれらの生理的な特徴を巧妙に利用して
新しいタイプの医薬品を開発する研究は、天然PG類に
関してのみならず各種誘導体についても実施されてい
る。
天然PG類のなかでもPGE,PGF類はもつとも古く
から知られている化合物であり、PGE,PGFα
はその子宮平滑筋収縮作用を利用して陣痛促進剤として
すでに医薬品化されており、PGEは血小板凝集抑制
作用,血圧降下作用等の生理作用を利用して末梢循環治
療薬として用いられている。これらの有用な天然PG類
のなかでもPGE類はPGE類あるいはPGEα
類への合成原料としても重要な意味を持つ化合物であ
り、合成化学上の重要な標的化合物ともなつている。
従来これらのPGE類およびPGF類の製造にあたつて
は数多くの方法が開発され、報告されており〔ジエー・
ビー・ビンドラ(J.B.Bindra)ら,プロスタグランデイ
ン・シンセシス,アカデミツク・プレス(Prostaglandi
n Synthesis,Academic Press)(1977)および寺島ら,
プロスタグランジンと関連生理活性物質,講談社サイエ
ンテイフイツク,P.62〜P.176(1981)参照〕、その中
でも画期的な代表例としては (i) アラキドン酸またはジホモ−γ−リノレン酸より
生合成によつて得る方法〔ビー・サムエルソン(B.Samu
elsson)ら,アンゲバンテ・ケミー・インターナシヨナ
ル・エデイシヨン・イン・イングリツシユ(Angew・Che
m.Int.Ed.Engl.),,410(1965),参照) (ii) 重要中間体であるCoreyラクトンを経由する方法
〔イー・ジエー・コーリー(E.J.Corey)ら,ジヤーナ
ル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエテイー
(J.Am.Chem.Soc.,92,397(1970)参照〕 (iii) 重要中間体である2−置換−2−シクロペンテ
ノン体を経由する方法〔シー・ジエー・シー(C.J.Si
h)ら,ジヤーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル
・ソサイエテイー(J.Am.Chem.Soc.),97,865(197
5)参照〕 (iv) 5,6−デヒドロPGEまたはPGFαを選
択的に還元する方法〔イー・エス・フエルデイナンデイ
(E.S.Ferdinandi)ら,カナデイアン・ジヤーナル・オ
ブ・ケミストリー(Can.J.Chem.),49,1070(1971)
参照;シー・エツチ・リン(C.H.Lin)ら,プロスタグ
ランジン(Prostaglandin),11,377(1976)参照〕 等が挙げられる。
しかるに、これらの方法において、生合成によつて得る
方法では原料である多価不飽和脂肪酸が入手困難であ
り、しかもこれからの収率が非常に低く、副生成物から
の精製取が困難である。化学合成によつて得る方法では
出発原料を得るのに多くの工程を有し、他方容易に出発
原料が得られてもかかる出発原料からのプロスタグラン
ジンの製造はまだ多くの工程を経由し、それ故、全収率
は非常に低い等の欠点がある。
近年これらの諸難点を克服すべく、PG骨格の直接合成
法として2−シクロペンテノン系への共役付加反応につ
づくエノレートの捕捉過程を用いた3成分連結プロセス
法が考案されている〔ジー・ストーク(G.Stork)ら,
ジヤーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
エテイー(J.Am.Chem.Soc.),97,6260(1975),ケー
・ジー,ウンチ(K.G.Untch)ら,ジヤーナル・オブ・
オルガニツク・ケミストリー(J.Org.Chem.)44,3755
参照〕。
しかし、これらの試みはエノレートの捕捉を低分子化合
物であるホルムアルデヒド,トリメチルシリルクロリド
を用いて行ない、得られた重要中間体を経由し化学合成
によりPG骨格合成を達成するという多段階を経なけれ
ばならない難点を有し、全収率も低いという欠点を有し
ている。
本発明者はかかる点に着目し、プロスタグランジンE,
F類の有利な化学合成法すなわち(i)容易に得られる出
発原料を用いる、(ii)反応工程が短かい、(iii)全収率
が高い等の利点を有する合成法を見出すべく鋭意研究し
た結果、保護された4−ヒドロキシ−2−シクロペンテ
ノンより一段の反応により高収率で得られる7−ヒドロ
キシプロスタグランジンE類から、7位のヒドロキシ基
を選択的に除去し、所望により官能基変換することによ
りPGE,PGF類が得られることを見出し、以前に別
途報告している〔野依ら,テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Letters),23,4057(1982)およびテ
トラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),2
3,5563(1982)参照〕。
また、かなり以前より前記のエノレートを直接アルキル
ハライド類を捕捉することによりPG骨格を構築しよう
とする努力がなされているが、モデル系では成功してい
ても天然PGEの骨格を構築する実用的な製造法は未
だ確立されていない。〔(1)ジー・エツチ・ポズナー
(G.H.Posner)ら,テトラヘドロン・レターズ(Tetrah
edron Letters),2591(1974)およびジヤーナル・オ
ブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエテイー(J.A
m.Chem.Soc.),97,107(1974);(2)田中ら,特開昭5
0−96542および50−101337(1975);(3)ジエー・ダブ
リユー・パターソン(J.W.Patterson)ら,ジヤーナル
・オブ・オルガニツク・ケミストリー(J.Org.Che
m.),39,2506(1974);(4)ジー・ストーク(G.Stor
k)ら,ジヤーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル
・ソサイエテイー(J.Am.Chem.Soc.),97,6260(197
5);(5)ジエー・エー・ノグエツ(J.A.Noguezら,シン
セテイツク・コミユニケーシヨン(Synthetic Communic
ation),6,39(1976);(6)アール・ダウイス(R.Da
uis)ら,ジヤーナル・オブ・オルガニツク・ケミスト
リー(J.Org.Chem.),44,3755(1979);(7)エー・ジ
エー・デイクソン(A.J.Dixon)ら,ジヤーナル・オブ
・ケミカル・ソサイエテイー(J.Chem.Soc.),パーキ
ン(Psarkin)I,1407(1981)〕。
さらに近年、プロスタサイクリン(PGI)の活性体
謝物である6−オキソプロスタグランジンEはプロス
タサイクリンと同等の強力な血小板凝集阻害作用および
平滑筋弛緩作用に基づく血圧降下作用等を有することが
知られている。〔シー・ピー・クイリー(C.P.Quille
y)ら,ヨーロピアン・ジヤーナル・オブ・フアーマコ
ロジー,57巻,273〜276頁,1979年;ピー・ワイ・ケイ
・ウオング(P.Y.K.Wong)ら,ヨーロピアン・ジヤーナ
ル・オブ・フアーマコロジー,60巻,245〜248頁,1979
年;シー・エヌ・ベリー(C.N.Berry)ら,フアーマコ
ロジー,26巻,324〜330頁1983年;アール・ジエー・グ
リフイス(R.J.Griffithsら,ブリテイツシユ・ジヤー
ナル・オブ・フアーマコロジー,79巻,149〜155頁,19
83年〕。上記化合物の類縁体の中には血小板凝集阻害作
用,血圧降下作用のみならず、すぐれた抗潰瘍作用も有
することが知られており(特開昭53−84942号公報,特
開昭54−44639号公報,特開昭55−141465号公報,特開
昭58−74660号公報参照)、さらに細胞保護作用を有す
ることも報告されている(特開昭58−164512号公報,特
開昭58−203911号公報,特開昭58−203964号公報参
照)。プロスタサイクリンは生理的pHにおいて、活性の
半減期は数分程度であり、医薬品としての安定性の点で
問題があるが、上記6−オキソプロスタグランジンE
はプロスタサイクリンよりも安定であり〔シー・ピー・
クイリー(C.P.Quilley)ら,上記引用文献参照)、そ
のことから6−オキソプロスタグランジンEおよびそ
の類縁体の医薬品への応用が期待されている。
さらに安定化プロスタサイクリンの一種とみなしうるプ
ロスタグランジンIの5,6位の二重結合が飽和され
たプロスタグランジンI類も特異な抗潰瘍作用を有す
ることが報告されているしビ・ジエー・アール・ウイツ
トル(B.J.R.Whittle)ら、ヨーロピアン・ジヤーナル
・オブ・フアーマコロジー,100巻,277〜283頁,1984
年参照) 〈発明の目的〉 本発明者らは新規なプロスタグランジンE誘導体,プ
ロスタグランジンE誘導体,6−オキソプロスタグラ
ンジンE誘導体,プロスタグランジンI誘導体およ
びプロスタグランジンI誘導体の周辺類縁化合物の探
索とその簡便な製造法を見出すべく鋭意研究した結果、
前記プロスタグランジンIの6位にメチル基が導入さ
れた新規6−メチルプロスタグランジンI類の合成に
成功し本発明に到達したものである。
〈発明の構成および作用効果〉 本発明では下記式〔I〕 で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物である6−メチルプロスタグランジ
ンI類が提供される。
上記式〔I〕においてRは参考例も含めて水素原子,
〜C10アルキル基,置換もしくは非置換のフエニル
基,置換もしくは非置換のC〜C10シクロアルキル
基、または置換もしくは非置換のフエニル(C
)アルキル基表わす。尚、参考例は、置換のフェニ
ル基,置換のC〜C10シクロアルキル基,置換のフエ
ニル(C〜C)アルキル基である。
〜C10のアルキル基としては、例えばメチル基,エ
チル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソ
ブチル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,
デシル基などの直鎖状または分岐状のものをあげること
ができる。
置換もしくは非置換のフエニル基の置換基としては、例
えばハロゲン原子,保護されたヒドロキシ基,C〜C
アシロキシ基,ニトリル基,ニトロ基、または(C
〜C)アルコキシカルボニル基などが好ましい。ハロ
ゲン原子としては、弗素,塩素または臭素など、特に弗
素または塩素が好ましい。C〜Cアシロキシ基とし
ては、例えばアセトキシ基,プロピオニルオキシ基,ブ
チリルオキシ基,イソブチリルオキシ基,バレリルオキ
シ基,イソバレリルオキシ基,カプロイルオキシ基,エ
ナンチルオキシ基、またはベンゾイルオキシ基をあげる
とができる。(C〜C)アルコキシカルボニル基と
しては、例えばメトキシカルボニル基,エトキシカルボ
ニル基,t−ブトキシカルボニル基,ヘキシルオキシカ
ルボニル基などをあげることができる。
置換フエニル基は、上記のごとき置換基を1〜3個、好
ましくは1個持つことができる。
置換もしくは非置換のC〜C10シクロアルキル基とし
ては、上記したと同じ置換基で置換されているかまたは
非置換の、飽和または不飽和のC〜C10、好ましくは
〜C、特に好ましくはCの基、例えばシクロプ
ロピル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シク
ロヘキセニル基,シクロヘプチル基,シクロオクチル
基,シクロデシル基などをあげることができる。
置換もしくは非置換のフエニル(C〜C)アルキル
基としては、該フエニル基が上記したと同じ置換基で置
換されているかまたは非置換のベンジル基,α−フエネ
チル基,β−フエネチル基があげられる。
一当量のカチオンとしては、例えばNH4 +,テトラメチル
アンモニウム,モノメチルアンモニウム,ジメチルアン
モニウム,トリメチルアンモニウム,ベンジルアンモニ
ウム,フエネチルアンモニウム,モリホリニウムカチオ
ン,モノエタノールアンモニウム,トリエタノールアン
モニウム,ピペリジニニウムカチオンなどのアンモニウ
ムカチオン;Na+,K+などのアルカリ金属カチオン;1/
2Ca2+,1/2Mg2+,1/2Zn2+,1/3A3+などの2価もしく
は3価の金属カチオン等を挙げることができる。
これらのなかでもRとしては水素原子,C〜C10
アルキル基,フエニル基,C〜C10のシクロアルキル
基,フエニル(C〜C)アルキル基,ナトリウムカ
チロンなどが好ましい。
上記式〔I〕においてRおよびRは同一もしくは異
なり、水素原子,トリ(C〜C)炭化水素シリル基
または参考例も含めた水酸基の酸素原子とともにアセタ
ール結合を形成する基を表わす。
トリ(C〜C)炭化水素シリル基としては、例え
ば、トリメチルシリル基,トリエチルシリル基,トリイ
ソプロピルシリル基,t−ブチルジメチルシリル基のよ
うなトリ(C〜C)アルキルシリル基,t−ブチル
ジフエニルシリル基のようなジフエニル(C〜C
アルキルシリル基,ジメチルフエニル基のようなジ(C
〜C)アルキルシリル基、またはトリベンジルシリ
ル基などを好ましいものとして挙げることができる。ト
リ(C〜C)アルキルシリル,ジフエニル(C
)アルキルシリル,フエニルジ(C〜C)アル
キルシリル基が好ましく、なかでもt−ブチルジメチル
シリル基,トリメチルシリル基が特に好ましい。
水酸基の酸素原子と共にアセタール結合を形成する基と
しては、例えば、メトキシメチル基,1−エトキシエチ
ル基,2−メトキシ−2−プロピル基,2−エトキシ−
2−プロピル基,(2−メトキシエトキシ)メチル基,
ベンジルオキシメチル基,2−テトラヒドロピラニル
基,2−テトラヒドロフラニル基,または6,6−ジメ
チル−3−オキサ−2−オキソビシクロ〔3.1.0〕
ヘキス−4−イル基を挙げることができる。2−テトラ
ヒドロピラニル基,2−テトラヒドロフラニル,1−エ
トキシエチル,2−エトキシ−2−プロピル,(2−メ
トキシエトキシ)メチル,6,6−ジメチル−3−オキ
サ−2−オキソビシクロ〔3.1.0〕ヘキス−4−イ
ル基が特に好ましい。なかでも2−テトラヒドロピラニ
ル基が特に好ましい。
これらのシリル基およびアセタール結合を形成する基は
水酸基の保護基であると理解されるべきである。これら
の保護基は最終生成物の段階で弱酸性から中性の条件で
容易に除去されて薬剤として有用な遊離の水酸基とする
ことができる。しれがつてこのような性状を有している
水酸基の保護基はシリル基やアセタール結合を形成する
基の代わりとして使用することができる。
上記式〔I〕においてRは水素原子,メチル基、また
はビニル基を表わす。
上記式〔I〕においてRは参考例も含めて酸素原子を
含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C〜Cアルキ
ル基;置換もしくは非置換のフエニル基;置換もしくは
非置換のフエノキシ基;置換もしくは非置換のC〜C
10シクロアルキル基;またはC〜Cアルコキシ基,
置換されていてもよいフエニル基,置換されていてもよ
いフエノキシ基もしくは置換されてもよいC〜C10
クロアルキル基で置換されている直鎖もしくは分枝鎖C
〜Cアルキル基を表わす。尚参考例は、酸素原子を
含むC〜Cアルキル基,置換のフェニル基,置換の
フェノキシ基,置換のC〜C10シクロアルキル基;ま
たは置換されたフェニル基,置換されたフェノキシ基も
しくは置換されたC〜C10シクロアルキル基で置換さ
れたC〜Cアルキル基である。
酸素を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C〜C
アルキル基としては2−メトキシエチル基,2−エトキ
シエチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキ
シル基,ヘプチル基,2−ヘキシル基,2−メチル−2
−ヘキシル基,2−メチルブチル基,2−メチルペンチ
ル基,2−メチルヘキシル基,2,2−ジメチルヘキシ
ル基などを挙げることができる。ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,2−ヘキシル基,2−メ
チル−2−ヘキシル基,2−メチルブチル基,2−メチ
ルペンチル基が好ましい。
置換フエニル基,置換フエノキシ基,もしくはC〜C
10の置換シクロアルキル基の置換基としては、例えばハ
ロゲン原子,保護された水酸基(例えばシリルオキシ
基,C〜Cアルコキシ基などC〜Cアルキル基
などが挙げられる。C〜C10のシクロアルキル基とし
ては、例えば、シクロプロピル基,シクロペンチル基,
シクロヘキシル基,シクロヘキセニル基,シクロヘプチ
ル基,シクロオクチル基,シクロデシル基などを挙げる
ことができる。シクロペンチル基,シクロヘキシル基が
好ましい。
〜Cアルコキシ基,置換されていてもよいフエニ
ル基,置換されていてもよいフエノキシ基、もしくは置
換されていてもよいC〜C10シクロアルキル基で置換
されている直鎖もしくは分枝鎖C〜Cアルキル基に
おいて、C〜Cアルコキシ基としては、例えばメト
キシ基,エトキシ基,プロピルオキシ基,イソプロピル
オキシ基,ブトキシ基,t−ブトキシ基,ヘキシルオキ
シ基などが挙げられる。置換されていてもよいフエニル
基,置換されていてもよいフエノキシ基、もしくは置換
されていてもよいC〜C10シクロアルキル基の置換お
よびC〜C10シクロアルキル基としては前述の例示と
同じものを挙げることができる。直鎖もしくは分枝鎖C
〜Cアルキル基としては、例えば、メチル基,エチ
ル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブ
チル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基な
どを挙げることができる。かかるRとしてはブチル,
ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,2−ヘキシル,2−メ
チル−2−ヘキシル,2−メチルブチル,2−メチルペ
ンチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,フエニル,
フエノキシ,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメ
チル基などを好ましいものとして挙げることができる。
なお、置換基はその任意の位置に結合していてもよい。
上記式〔I〕においてnは0または1を表わす。
また上記式〔I〕で表わされる化合物において2−オキ
サビシクロ〔3.3.0〕オクタン環上に結合している
置換基の立体配置は天然のプロスタグランジンIと同
一な立体配置を有しているために特に有用な立体異性体
であるが、本発明ではその鏡像体である下記式〔I−e
nt〕 で表わされる立体異性体、あるいはそれらの任意の割合
の混合物をも含むものである。なお、本特許明細書にお
いて式で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそ
れらの任意の割合の混合物を表現する場合、式で代表さ
れる化合物という表現で表わす。
またR,R,およびORが結合している炭素およ
び環上の6位(PGナンバリングによる)の炭素は通常
不斉炭素となるために2種類の立体異性体が存在するが
本発明ではいずれの立体異性体を含むものであり、任意
の割合の立体異性混合物でもさしつかえない。
本発明により提供される上記式〔I〕で表わされる6−
メチレンプロスタグランジンE類の好ましい具体例と
しては下記に示した化合物をあげることができる(プロ
スタグランジンIをPGIと略記する)。
(I) nが0である化合物の具体例 101)6−メチルPGI 102)18−オキサ−6−メチルPGI 103)18,19,20−トリノル−17−フエノキ
シ−6−メチルGI 104)17,18,19,20−テトラノル−16−
(m−クロロフエノキシ)−6−メチルPGI 105)20メチル−6−メチルPGI 106)20−エチル−6−メチルPGI 107)17,20−ジメチル−6−メチルPGI 108)17(R),20−ジメチル−6−メチルPG
109)17(S),20−ジメチル−6−メチルPG
110)17,17−ジメチル−6−メチルPGI 111)16,17,18,19,20−ペンタノル−
15−シクロペンチル−6−メチルPGI 112)16,17,18,19,20−ペンタノル−
15−シクロヘキシル−6−メチルPGI 113)17,18,19,20−テトラノル−16−
シクロペンチル−6−メチルPGI 114)17,18,19,20−テトラノル−16−
シクロヘキシル−6−メチルPGI 115)15−メチル−6−メチルPGI 116)15−メチル−18−オキサ−6−メチルPG
117)15,20−ジメチル−6−メチルPGI 118)15,17,20−トリメチル−6−メチルP
GI 119)16−メチル−6−メチルPGI 120)16,16−ジメチル−6−メチルPGI 121)15−ビニル−6−メチルPGI 122)15−ビニル−20−メチル−6−メチルPG
123)15−ビニル−17,20−ジメチル−6−メ
チルPGI 124)△18−19−メチル−6−メチルPGI 125)△19−20,20−ジメチル−6−メチルPG
126)20−イソプロピリデン−6−メチルPGI 127)101)〜126)の化合物の鏡像体 128)101)〜127)の化合物のメチルエステル 129)101)〜127)の化合物のエチルエステル 130)101)〜127)の化合物のt−ブチルエス
テル 131)101)〜127)の化合物のデシルエステル 132)101)〜127)の化合物のフエニルエステ
ル 133)101)〜127)の化合物のシクロヘキシル
エステル 134)101)〜127)の化合物のベンジルエステ
ル 135)101)〜127)の化合物のフエネチルエス
テル 136)101)〜135)のビス(t−ブチルジメチ
ルシリル)エーテル 137)101)〜135)のビス(2−テトラヒドロ
ピラニル)エーテル 138)101)〜135)の化合物の水酸基(11位
と15位)がt−ブチルジメチルシリル基およびトリメ
チルシリル基で保護されたエーテル 139)101)〜135)の化合物の水酸基(11位
と15位)がt−ブチルジメチルシリル基および2−テ
トラヒドロピラニル基で保護されたエーテル 140)101)〜135)の化合物の水酸基(11位
と15位)がトリメチルシリル基および2−テトラヒド
ロピラニル基で保護されたエーテル 141)101)〜127)のナトリウム塩 142)101)〜127)のカリウム塩 143)101)〜127)のアンモニウム塩 などを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
(II) nが1である化合物の具体例 201)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−6−メチ
ルPGI 202)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−18−オ
キサ−6−メチルPGI 203)18,19,20−トリノル−15−デオキシ
−16−ヒドロキシ−17−フエノキシ−6−メチルP
GI 204)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−20−メ
チル−6−メチルPGI 205)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−17,2
0−ジメチル−6−メチルPGI 206)17,18,19,20−テトラノル−15−
デオキシ−16−ヒドロキシ−16−シクロペンチル−
6−メチルPGI 207)17,18,19,20−テトラノル−15−
デオキシ−16−ヒドロキシ−16−シクロヘキチル−
6−メチルPGI 208)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16−メ
チル−6−メチルPGI 209)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16−メ
チル−18−オキサ6−メチルPGI 210)18,19,20−トリノル−15−デオキシ
−16−ヒドロキシ−17−フエノキシ−16−メチル
−6−メチルPGI 211)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16,2
0−ジメチル−6−メチルPGI 212)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16,1
7,20−トリメチル−6−メチルPGI 213)17,18,19,20−テトラノル−15−
デオキシ−16−ヒドロキシ−16−シクロペンチル−
16−メチル−6−メチルPGI 214)17,18,19,20−テトラノル−15−
デオキシ−16−ヒドロキシ−16−シクロヘキチル−
16−メチル−6−メチルPGI 215)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16−ビ
ニル−6−メチルPGI 216)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16−ビ
ニル−18−オキサ−6−メチルPGI 217)18,19,20−トリノル−15−デオキシ
−16−ヒドロキシ−17−フエノキシ−16−ビニル
−6−メチルPGI 218)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−20−メ
チル−16−ビニル−6−メチルPGI 219)15−デオキシ−16−ヒドロキシ−17,2
0−ジメチル−16−ビニル−6−メチルPGI 220)17,18,19,20−テトラノル−15−
デオキシ−16−ヒドロキシ−16−シクロペンチル−
16−ビニル−6−メチルPGI 221)17,18,19,20−テトラノル−15−
デオキシ−16−ヒドロキシ−16−シクロヘキチル−
16−ビニル−6−メチルPGI 222)(16R)−15−デオキシ−16−ヒドロキ
シ−16−メチル−6−メチルPGI 223)(16S)−15−デオキシ−16−ヒドロキ
シ−16−メチル−6−メチルPGI 224)201)〜223)の化合物の鏡像体 225)201)〜224)の化合物のメチルエステル 226)201)〜224)の化合物のエチルエステル 227)201)〜224)の化合物のデシルエステル 228)201)〜224)の化合物のフエニルエステ
ル 229)201)〜224)の化合物のシクロヘキシル
エステル 230)201)〜224)の化合物のベンジルエステ
ル 231)201)〜224)の化合物の水酸基(11位
と16位)がt−ブチルジメチルシリル基,トリメチル
シリル基および/または2−テトラヒドロピラニル基の
いずれかで保護されたエーテル類 232)201)〜224)のナトリウム塩 233)201)〜224)のカリウム塩 234)201)〜224)のアンモニウム塩 などをあげることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
上記式〔I〕で代表される本発明の6−メチルプロスタ
グランジンI類は容易に入手可能な6−メチレンプロ
スタグランジンE類を出発原料として数工程を経て製
造される。すなわち、下記式〔IV′〕 で代表される6−メチレンプロスタグランジンE類を
還元せしめて下記式〔III′〕 で代表される6−メチレンプロスタグランジンFα類
とし、対で、塩基性化合物の存在下または非存在下、ヨ
ウ素,臭素,N−ブロモコハク酸イミドまたはt−ブチ
ルハイポクロライトと反応せしめて、下記式〔II′〕 で代表される6−ハロメチルプロスタグランジンI
とし、さらに還元的脱ハロゲン化剤の存在下に反応せし
めて下記式〔I′〕 で代表される6−メチルプロスタグランジンI類を製
造するか、また式〔III′〕で代表される6−メチレン
プロスタグランジンFα類を分子内で環化せしめて上
記式〔I′〕で代表される6−メチルプロスタグランジ
ンI類を製造し、場合によつて保護された水酸基の脱
保護反応および/またはカルボン酸エステルの加水分解
反応および/またはカルボン酸塩生成反応に付すことに
より下記式〔I〕 で代表される6−メチルプロスタグランジンI類が製
造される。
以上の製造工程をまとめて図示すると下記のように整理
される。
本発明における工程1で原料として用いられると上記式
〔IV′〕で代表される6−メチレンプロスタグランジン
類は本発明者らが別途提案した方法により光学活性
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類から2−(2
−置換−アリルオキシカルボニル)シクロペンタノン類
を経て容易に入手できる。すなわちその製造法を図示す
ると下記のとおりである。
かかる式 〔IV′〕で代表される6−メチレンプロスタグランジン
類の具体例は前記式〔I〕でで代表される6−メチ
ルプロスタグランジンI類として具体的に例示した化
合物中のR11,R21,R31,R,R,およびnの任
意の組み合わせによる化合物があげられる。本発明では
既に説明したように上記式〔IV′〕で代表される6−メ
チルプロスタグランジンE類を出発原料として第1工
程,第2工程,第3工程(または第4工程)の各工程を
経て最終的に式〔I〕で代表される6−メチルプロスタ
グランジンE類が製造される。以下各工程について説
明する。
第1工程 還元; 本発明方法の第1工程の還元は、こうして得られた式
〔IV′〕で代表される6−メチレンプロスタグランジン
類を有機媒体の存在下に還元剤と反応せしめること
により達成される。
かかる還元剤としてはエステル類や二重結合などの官能
基を還元することなくケトン基をアルコールに還元する
還元剤であれば何でも用いることができ、例えば新実験
化学講座、第15巻酸化と還元,II(日本化学会編、19
77)に詳しく紹介されているが、水素化ホウ素ナトリウ
ム,水素化シアノホウ素ナトリウム,水素化ホウ素リチ
ウム,水素化ホウ素亜鉛,水素化トリ−S−ブチルホウ
素リチウム,水素化ペルヒドロ−9b−ボラフエナリル
リチウム,水素化ジメチルホウ素リチウムビスメトキシ
エタン,水素化トリ−t−ブトキシアルミニゥムリチウ
ムなど数多くの還元剤が知られているが水素化ホウ素ナ
トリウムが特に好適に用いられる。
還元剤は式〔IV′〕で代表される6−メチレンプロスタ
グランジンE類と化学量論的には当量反応を行なう
が、通常、6−メチレンプロスタグランジンE類1当
量に対して、0.5〜20当量、好ましくは0.8〜10当
量、特に好ましくは1.0〜5.0当量の還元剤を用いて行な
われる。
反応温度は−100℃〜50℃、特に好ましくは−40
℃〜30℃程度の温度範囲が採用され、反応時間は反応
温度により異なるが、通常、0℃〜25℃にて約1時間
反応せしめれば充分である。
反応は有機媒体の存在下に行なわれる。有機媒体として
はエーテル,テトラヒドロフラン,メタノール,エタノ
ール,エチレングリコール,イソプロパノール,N,N
−ジメチルホルムアミド,ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル,ジメチルスルホキシド,ベンゼン,トルエ
ン,水などがあげられ、二種以上の混合媒体として用い
ることも可能である。有機媒体の使用量は反応を円滑に
進行させるに充分な量があれば良く、通常は原料の1〜
100倍容量、好ましくは2〜20倍容量が用いられ
る。
反応終了後の後処理は、該還元剤の後処理として好適に
用いられている通常の手段がそのまま用いられる。
例えば、水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用いた
場合は、塩化アンモニウム水溶液の添加、溶媒の減圧留
去、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、クロマトグラフイーなど
の分離操作により目的物である式〔III′〕で代表され
る6−メチレンプロスタグランジンFα類が得られ
る。なお、式〔III′〕で代表される6−メチレンプロ
スタグランジンFα類は本発明では続く反応の中間体
として有用な新規化合物でもあるが、水酸基の脱保護反
応および/またはカルボン酸エステルの加水分解反応お
よび/またはカルボン酸塩生成反応に付すことにより、
それ自身、生理活性を発現する新規物質群である下記式
〔III〕 で代表される6−メチレンプロスタグランジンFα類
に誘導される。
水酸基の脱保護は、それ自体公知の反応であり、保護基
が水酸基の酸素原子と共にアセタール結合を形成する基
の場合には、酢酸,p−トルエンスルホン酸のピリジニ
ウム塩,陽イオン交換樹脂等で処理することによつて行
なわれる。保護基がトリ(C〜C)炭化水素シリル
基の場合には、例えば酢酸,テトラブチルアンモニウム
フルオライド,セシウムフルオライド等で処理すること
により行なわれる。
カルボン酸の脱保護はそれ自体公知の反応であり、例え
ば水酸化リチウム,水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム,水酸化カルシウムなどの水酸化アルカリで処理する
かリパーゼなどの酵素を作用せしめることにより行なわ
れる。
カルボン酸塩生成反応もそれ自身公知の反応であり、例
えば、前述の式〔I〕の6−メチルプロスタグランジン
類で好ましい塩として例示した塩に対応する塩基性
物質と該カルボン酸を接触せしめ、必要により再結晶、
逆相クロマトグラフイーなどの精製手段によつて単離さ
れる。
式〔III〕で代表される化合物においてR,R,R
,R,R,およびnの定義は前述と同じであり、
いずれも前述の式〔I〕のR,R,R,R,R
,およびnで例示した基と同様のものが好ましくあげ
られる。
また式〔III〕で代表される6−メチレンプロスタグラ
ンジンFα類の具体例は式〔I〕の6−メチルプロス
タグランジンI類として例示した具体例に対応する系
の化合物を挙げることができる。
なお式〔IV′〕の6−メチレンプロスタグランジンE
類の還元に際し、式〔III′〕で代表される6−メチレ
ンプロスタグランジンFα類に付随する副生成物とし
て下記式〔III′β〕 で代表される水酸基がβ配置に還元された6−メチレン
プロスタグランジンFβ類も得られる。該6−メチレ
ンプロスタグランジンFβ類は本発明の続く環化反応
は進行しないが、同様に脱保護,加水分解,塩生成反応
により下記式〔IIIβ〕 で代表される新規な6−メチレンプロスタグランジンF
β類に導かれる。
第2工程 ハロエーテル化; 第2工程のハロエーテル化は第1工程で得られた式〔II
I′〕で代表される6−メチレンプロスタグランジンF
α類を塩基性化合物の存在下、ヨウ素,臭素,N−ブ
ロモコハク酸イミド、またはt−ブチルハイポクロライ
ドと反応せしめることにより達成される。
ヨウ素,臭素,N−ブロモコハク酸イミドまたはt−ブ
チルハイポクロライトは6−メチレンプロスタグランジ
ンFα類と化学量論的には等モル反応を行なうが、通
常、6−メチレンプロスタグランジンFα類1モルに
対して0.8〜5.0モル倍、好ましくは1.0〜2.0モル倍の範
囲で用いられる。
反応温度は−100℃〜50℃、特に好ましくは−40
℃〜10℃程度の温度範囲が採用され、反応時間は反応
温度により異なるが、通常−20℃〜0℃にて数時間以
内で充分である。
ヨウ素,臭素を用いる場合は反応により発生するハロゲ
ン化水素を中和するために等量以上の塩基性化合物の存
在下に実施される。かかる塩基性化合物としては、例え
ば、炭酸カリウム,炭酸ナトリウムなどが好適に用いら
れる。またt−ブチルハイポクロライトを用いる場合は
触媒量の三フツ化ホウ素の存在下好適に実施される。
反応は有機媒体中で行なわれる。有機媒体としては、例
えば、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサン
のような飽和炭化水素類、ベンゼン,トルエン,キシレ
ンのような芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル,テト
ラヒドロフラン,ジオキサン,ジメトキシエタン,ジエ
チレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル系
溶媒、塩化メチレン,クロロホルム,1,2−ジクロロ
エタンなどのようなハロゲン化炭化水素類などがあげら
れる。
有機媒体の使用量は反応を円滑に進行させるに充分な量
があれば良く、通常は原料の1〜100倍容量、好まし
くは2〜20倍容量が用いられる。
反応終了後の後処理は第1工程とほぼ同様にして実施さ
れ、式〔II′〕で代表される6−ハロメチルプロスタグ
ランジンI類が製造される。本化合物は本発明では続
く反応の中間体として有用な新規化合物でもあるが、第
1工程で記載したと同様の水酸基の脱保護反応および/
またはカルボン酸エステルの加水分解反応および/また
はカルボン酸塩生成反応に付すことにより、それ自身、
特異な生理活性を有する新規物質群である下記式〔II〕 で代表される6−ハロメチルプロスタグランジンI
に誘導される。
かかる式〔II〕で代表される化合物においてR
,R,R,R,X,およびnの定義は前述と
同じであり、いずれも前述の式〔I〕のR,R,R
,R,R,およびnで例示した基と同様のものが
好ましくあげられる。
また式〔II〕で代表される6−ハロメチルプロスタグラ
ンジンI類の具体例は式〔I〕の6−メチルプロスタ
グランジンI類として例示した具体例に対応する形を
化合物をあげることができる。
第3工程 還元的脱ハロゲン化; 第3工程の還元的脱ハロゲン化は第2工程で得られた式
〔II′〕で代表される6−ハロメチルプロスタグランジ
ンI類を還元的脱ハロゲン化剤と反応せしめることに
より達成される。
かかる還元的脱ハロゲン化剤については新実験化学講座
第15巻、酸化と還元、II(日本化学会編、1977)に詳
しく紹介されているが水素化トリブチルスズ,水素化ジ
ブチルスズ,水素化トリフエニルスズ,水素化ジフエニ
ルスズなどの有機スズ水素化物,水素化シアノホウ素テ
トラブチルアンモニウム,亜鉛−酢酸,2価のクロム塩
などが好適に用いられる。
還元的脱ハロゲン化剤の使用量は、通常、6−ハロメチ
ルプロスタグランジンI類1当量に対して0.8〜20
当量、好ましくは1.0 5.0当量用いられる。
反応は有機媒体中で行なわれる。有機媒体としては用い
る還元的脱ハロゲン化剤により異なり、有機スズ水素化
物の場合はヘキサン,ヘプタン,ベンゼン,トルエン,
エーテル,などが好適に用いられるが、無溶媒でもさし
つかえない。反応はα,α′−アゾビスイソブチロニト
リルなどのラジカル開始剤を共存させて実施しても良
い。水素化シアノホウ素塩を用いる場合、ヘキサメチル
ホスホルトリアミドが好適に選ばれ、亜鉛の場合、酢酸
がそのまま用いられる。また2価のクロム塩(例えば塩
化クロム(II),硫酸クロム(II),酢酸クロム(I
I),過塩素酸クロム(II)など)の場合は水,アセト
ン,N,N−ジメチルホルムアミド,クロロホルム,酢
酸,ジメチルスルホキシド,またはそれらの二種以上の
混合媒体が用いられる。
反応温度は用いる還元的脱ハロゲン化剤の種類により大
きく異なるが0℃〜150℃の範囲で実施される。反応
時間も用いる還元的脱ハロゲン化剤や反応時間により異
なるが数時間〜十数時間も反応すれば充分である。なお
反応はハロゲン原子の種類により異なるがヨウ化物,臭
化物,塩化物の順に反応性は悪くなる。
反応後の後処理,分離ならびに脱保護反応および/また
は加水分解反応および/または塩生成反応は第一工程の
それらと全く同様にして実施され、前述の式〔I〕で代
表される6−メチルプロスタグランジンI類が得られ
る。式〔I〕で代表される化合物においてR,R
,R,R,およびnの定義は前述されており、
式〔I〕の化合物の具体例も前述されている。これらの
中でもRおよびRが水素原子である下記式〔Io〕 で表わされる6−メチルプロスタグランジンI類は生
体内に投与した時に生理活性を発現する誘導体であり特
に有用である。
第4工程 環化; 第4工程の環化は第1工程で得られた式〔III′〕で代
表される6−メチレンプロスタグランジンFα類から
一工程で直接、式〔I′〕で代表される6−メチルプロ
スタグランジンI類に到る重要な工程で、より効率的
な6−メチルプロスタグランジンI類の製造法を与え
るものである。
かかる目的にかなつた環化助剤としては酢酸水銀(II),
トリフルオロ酢酸水銀(II)などが用いられ、反応後生成
する有機水銀化合物を水素化ホウ素ナトリウムで処理す
ることにより達成される。この種の反応自身は公知の分
子内ヒドロキシ水銀化反応であり新実験化学講座、第1
5巻、酸化と還元、I−1(日本化学会編、1977)に詳
しく紹介されている。
酢酸水銀(II),トリフルオロ酢酸水銀(II)は6−メチレ
ンプロスタグランジンFα類と化学量論的には等モル
反応をするが、通常、0.8〜5倍当量、好ましくは1.0〜
3倍当量用いて行なわれる。反応温度は−50℃〜10
0℃、好ましくは−30℃〜50℃の範囲で行んわれ
る。反応時間は通常5分から2時間の範囲である。反応
は有機媒体中で両者を接触せしめて行なわれる。有機媒
体としてはエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン,ジメトキシエタンなどのエーテル類,塩化メチレ
ン,クロロホルム,1,2−ジクロロエタンなどのハロ
ゲン化水素類,またはアセトン,アセトニトリル,t−
ブチルアルコール,水ならびにそれら二種以上の混合系
が好ましく用いられる。
この段階では有機水銀中間体として存在しており、次い
でその有機水銀中間体を水素化ホウ素ナトリウムなどの
水素化ホウ素化合物で処理することにより反応が完結す
る。水素化ホウ素化合物は用いた6−メチレンプロスタ
グランジンFα類1当量に対して0.8〜10倍、好ま
しくは1.0〜5.0倍当量用いて行なわれる。この際有機水
銀中間体の水素化ホウ素化合物による還元に適した有機
媒体(例えば、メタノール,エタノール,エチレングリ
コール,イソプロパノールなど)を反応系に加えても良
い。
反応温度は−20℃〜30℃、好ましくは0℃〜20℃
で実施され、反応時間は、通常30分から24時間の範
囲で充分である。
反応終了後、第1工程と同様に後処理,分離して式
〔I′〕で代表される6−メチルプロスタグランジンI
類とし、さらに同様に脱保護,加水分解,塩生成反応
せしめて式〔I〕で代表される6−メチルプロスタグラ
ンジンI類に導びかれる。
以上説明したように式〔IV′〕で代表される6−メチレ
ンプロスタグランジンE類を出発原料として、まず新
規な有用中間体6−メチレンプロスタグランジンFα
類とし、続いて異なる2種のルートにより最終目的とす
る医薬品として有用な6−メチルプロスタグランジンI
類が簡便かつ効率良く製造することができ、また途中
の中間体自身も医薬品としての可能性を秘めており、そ
の意義は大きい。
以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが本
発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−6−
メチレンプロスタグランジンEメチルエステル(418m
g,0.688mmol)を10mのメタノールに溶かし、−4
0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(130mg,3.44mmol)
を加え0℃で1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水
溶液を加えてメタノールを減圧留去し、得られた粗生成
物を酢酸エチル抽出した。分液された有機層を無水硫酸
マグネシウム乾燥,濃縮して粗生成物(416mg)を得、
このものをシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ヘキ
サン:酢酸エチル=9:1)に対して11,15−ビス
(t−ブチルジメチルシリル)−6−メチレンプロスタ
グランジンFαメチルエステル(286mg,0.469mmol,
68%)を得た。このものよりやや高極性成分として1
1,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−6−メ
チレンプロスタグランジンFαメチルエステル(40
mg,0.066mmol,9%)もあわせて得た。
NMR(CDC)δ: 0.05(12H,S)、0.86(21H)、1.0〜2.7(23H,
m)、3.54(3H,S)、3.7〜4.33H,m)、4.55〜
4.85(2H,m)、5.15〜5.40(2H,m)。
1R(液膜): 3480、3080、1740、1635、1250、1070、865、830、770c
m1-
MS:610(M+)、595(M−15)、553(M−57)。
参考例2 参考例1で得られた11,15−ビス(t−ブチルジメ
チルシリル)−6−メチレンプロスタグランジンFα
メチルエステル(110mg,0.18mmol)を10mの塩化
メチレンに溶かし無水炭酸カリウム(75mg,0.54mmol)
を加え、−20℃に冷却した後ヨウ素(55mg,0.216mmo
l)の塩化メチレン(6m)溶液を加えて40分間攪
拌した。反応終了後塩化メチレンを加え、10%亜硫酸
ナトリウム水溶液、次いで食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4),濃縮して140mgの粗生成物を得、このものをシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(ヘキサン:酢酸エ
チル=19:1)に対して11,15−ビス(t−ブチ
ルジメチルシリル)−6−ヨード−メチルプロスタグラ
ンジンIメチルエステル(96mg,0.13mmol,72%)
を得た。
NMR(CDC)δ: 0.06(12H,S)、0.83(21H)、1.0〜2.6(22H,
m)、3.08と3.20(2H,S×2)、3.51(3H,
S)、3.6〜4.2(2H,m)、4.0〜4.5(1H,m)、
5.2〜5.5(2H,m)。
1R(液膜): 1740、1255、1120、1060、835、775cm1-
MS:721(M−15)、679(M−57)。
実施例1 参考例2で得られた11,15−ビス(t−ブチルジメ
チルシリル)−6−ヨードメチルプロスタグランジンI
メチルエステル(96mg,0.13mmol)を3mのベンゼ
ンに溶かし、水素化トリブチルスズ(524mg,1.8mmo
l),次いでα,α′−アゾビスイソブチロニトリル
(5mg)を加えて室温で2時間攪拌した。反応液をその
ままシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ヘキサン:
酢酸エチル=19:1)に供して11,15−ビス(t
−ブチルジメチルシリル)−6−メチルプロスタグラン
ジンIメチルエステル(60mg,0.098mmol,75%)
を得た。
NMR(CDC)δ: 0.04(12H,S)、0.84(21H)、1.0〜2.5(22H,
m)、1.03と1.20(3H,S×2)、3.53(3H,
S)、3.5〜4.4(3H,m)、5.2〜5.4(2H,m)。
1R(液膜): 1740、1255、1095、1060、1025、835、800、775cm1-
MS:553(M−57)、495。
実施例2 実施例1で得られた11,15−ビス(t−ブチルジメ
チルシリル)−6−メチルプロスタグランジンIメチ
ルエステル(60mg,0.098mmol)を5mのテトラヒド
ロフランに溶かし、テトラブチルアンモニウムフルオラ
イド3水和物(155mg,0.49mmol)を加えて室温で18
時間攪拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶
液を加え、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を食塩
水で洗浄後、乾燥(MgSO4),濃縮して粗生成物を得、
このものをシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ヘキ
サン:酢酸エチル=1:2)に付して6−メチルプロス
タグランジンIメチルエステル(30mg,0.078mmo
l),80%)を得た。
NMR(CDC)δ: 0.84(3H,m)、1.0〜2.7(24H,m)、1.06と1.23
(3H,S×2)、3.54(3H,S)、3.5〜4.5(3
H,m)、5.2〜5.5(2H,m)。
1R(液膜): 1735、1245、1170、1105、1055、965、880、730cm1-
MS:383(M+1)、367(M−15)、365(M−17)。
実施例3 実施例2で得られた6−メチルプロスタグランジンI
メチルエステル(30mg,0.078mmol)をテトラヒドロフ
ラン(3m)、メタノール(1m)、水(1m)
に溶かし、この溶液に水酸化リチウム・水和物(33mg,
0.78mmol)を加えて室温で18時間攪拌した。塩化アン
モニウム水溶液、次いで希塩酸をを加えて酸性化し、酢
酸エチルを用いて抽出した。得られた有機層を食塩水で
洗浄後、乾燥(MgSO4)、濃縮して粗生成物を得、シリ
カゲルカラムクロマトグラフイー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:3)に対して6−メチルプロスタグランジンI
(24mg,0.065mmol,83%)を得た。
NMR(CDC)δ: 0.85(3H,m)、1.0〜2.7(22H,m)、1.06と1.23
(3H,S×2)、3.5〜4.5(3H,m)、5.2〜5.7
(5H,m)。
1R(液膜): 3350、1710、1090、970cm1-
実施例4 実施例3で得られた6−メチルプロスタグランジンI
(12mg,0.033mmol)1mのエタノールに溶かし、0
℃で0.01N水酸化ナトリウム水溶液(3.3m,0.033mm
ol)を加えてエタノール減圧留去後凍結乾燥し、6−メ
チルプロスタグランジンIナトリウム塩(12.5mg,0.
032mmol,97%)を得た。
実施例5 参考例1で得られた11,15−ビス(t−ブチルジメ
チルシリル)−6−メチレンプロスタグランジンFα
メチルエステル(196mg,0.32mmol)を10mのテト
ラヒドロフランに溶解し、0℃に冷却後、トリフルオロ
酢酸水銀(II)(172mg,0.40mmol)の3mのテトラヒ
ドロフラン溶液を滴下し、0℃で10分間攪拌した。そ
の後、メタノール(3m)を加え、さらに水素化ホウ
素ナトリウム(80mg,2.1mmol)を0℃で滴下し、1時
間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、
溶液を減圧留去し、得られた粗生成物をエーテルで抽出
し、洗浄(食塩水)、乾燥(MgSO4)、濃縮して得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ヘ
キサン:酢酸エチル=19:1)に供して11,15−
ビス(t−ブチルジメチルシリル)−6−メチルプロス
タグランジンIメチルエステル(140mg,0.23mmol,
72%)を得た。このものは実施例3で得られた11,
15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−6−メチル
プロスタグランジンIメチルエステルと各種スペクト
ルデーター、薄層クロマトグラフイーなどが完全に一致
した。
参考例3〜10 参考例1と同様にして次の化合物を合成した。これらの
化合物の特徴的なスペクトルデーターを表1に列挙す
る。
参考例3: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−17
(R),20−ジメチル−6−メチレンプロスタグランジ
ンFαメチルエステル(80%)。
参考例4: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−17
(S),20−ジメチル−6−メチレンプロスタグランジ
ンFαメチルエステル(81%)。
参考例5: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−15−シク
ロペンチル−6−メチレンプロスタグランジンFαメ
チルエステル(78%)。
参考例6: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−15−シク
ロヘキシル−6−メチレンプロスタグランジンFαメ
チルエステル(70%)。
参考例7: 11−t−ブチルジメチル−16−トリメチルシリルオ
キシ−15−デオキシ−16−メチル−6−メチレンプ
ロスタグランジンFαメチルエステル(72%)。
参考例8: 11−t−ブチルジメチル−16−トリメチルシリルオ
キシ−15−デオキシ−16−ビニル−6−メチレンプ
ロスタグランジンFαメチルエステル(65%)。
参考例9: 11−t−ブチルジメチルシリル−15−トリメチルシ
リル−6−メチレンプロスタグランジンFαメチルエ
ステル(76%)。
参考例10: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,16−ジメチル−6−メチレンプロスタグランジン
αメチルエステル(75%)。
参考例11〜18 参考例2と同様にして次の化合物を合成した。これらの
化合物の特徴的なスペクトルデーターを表2に列挙す
る。
参考例11: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−17
(R),20−ジメチル−6−ヨードメチルプロスタグラ
ンジンIメチルエステル(81%)。
参考例12: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−17
(S),20−ジメチル−6−ヨードメチルプロスタグラ
ンジンIメチルエステル(83%)。
参考例13: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−15−シク
ロペンチル−6−ヨードメチルプロスタグランジンI
メチルエステル(79%)。
参考例14: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−15−シク
ロヘキシル−6−ヨードメチルプロスタグランジンI
メチルエステル(76%)。
参考例15: 11−t−ブチルジメチルシリル−16−トリメチルシ
リルオキシ−15−デオキシ−16−メチル−6−ヨー
ドメチルプロスタグランジンIメチルエステル(81
%)。
参考例16: 11−t−ブチルジメチルシリル−16−トリメチルシ
リルオキシ−15−デオキシ−16−ビニル−6−ヨー
ドメチルプロスタグランジンIメチルエステル(78
%)。
参考例17: 11−t−ブチルジメチルシリル−15−トリメチルシ
リルシリル−15−メチル−6−ヨードメチルプロスタ
グランジンIメチルエステル(74%)。
参考例18: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,16−ジメチル−6−ヨードメチルプロスタグラン
ジンIメチルエステル(71%)。
実施例6〜13 実施例1と同様にして次の化合物を合成した。これらの
化合物の特徴的なスペクトルデーターを表3に列挙す
る。
実施例6: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−17
(R),20−ジメチル−6−メチルプロスタグランジン
メチルエステル(86%)。
実施例7: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−17
(S),20−ジメチル−6−メチルプロスタグランジン
メチルエステル(84%)。
実施例8: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−15−シク
ロペンチル−6−メチルプロスタグランジンIメチル
エステル(82%)。
実施例9: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−15−シク
ロヘキシル−6−メチルプロスタグランジンIメチル
エステル(78%)。
実施例10: 11−t−ブチルジメチルシリル−16−トリメチルシ
リルオキシ−15−デオキシ−16−メチル−6−メチ
ルプロスタグランジンIメチルエステル(81%)。
実施例11: 11−t−ブチルジメチルシリル−16−トリメチルシ
リルオキシ−15−デオキシ−16−ビニル−6−メチ
ルプロスタグランジンIメチルエステル(76%)。
実施例12: 11−t−ブチルジメチルシリル−15−トリメチルシ
リル−15−メチル−6−メチルプロスタグランジンI
メチルエステル(72%)。
実施例13: 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−1
6,16−ジメチル−6−メチルプロスタグランジンI
メチルエステル(75%)。
実施例14〜21 実施例2と同様にして次の化合物を合成した。これらの
化合物の特徴的なスペクトルデーターを表4に列挙す
る。
実施例14: 17(R),20−ジメチル−6−メチルプロスタグラン
ジンIメチルエステル(83%)。
実施例15: 17(S),20−ジメチル−6−メチルプロスタグラン
ジンIメチルエステル(82%)。
実施例16: 19,20−ペンタノル−15−シクロペンチル−6−
メチルプロスタグランジンIメチルエステル(87
%)。
実施例17: 16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シ
クロヘキシル−6−メチルプロスタグランジンIメチ
ルエステル(79%)。
実施例18: 15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−6
−メチルプロスタグランジンIメチルエステル(77
%)。
実施例19: 15−デオキシ−16−ヒドロキシ−16−ビニル−6
−メチルプロスタグランジンIメチルエステル(86
%)。
実施例20: 15−メチル−6−メチルプロスタグランジンIメチ
ルエステル(81%)。
実施例:21 16,16−ジメチル−6−メチルプロスタグランジン
メチルエステル(80%)。
実施例22 In vitro血小板凝集阻止作用 被検薬(実施例2で得られた6−メチルプロスタグラン
ジンIメチルエステル)のin vitro血小板凝集阻害作
用を兎を用いて検定した。即ち体重2.5〜3.5kgの日本在
来白色雄性家兎の耳静脈より3.8%クエン酸三ナトリウ
ム溶液1に対して血液9の割合で採血し、1000rpm 1
0分遠心分離後上層部をPRP(富血小板血漿)として
取り分けた。下層部はさらに2800rpm 10分間遠心分
離し二層に別れる上層部をPPP(乏血小板血漿)とし
て取り分けた。血小板数は6×10/μにPPPで
稀釈調整した。調整後のPRP250μを被検薬25μ
を加えて37℃で2分間プレインキュベーションした
後ADP10μM(final)を添加してアクリゴメータ
ーで透過度の変化記録した。なお、被検薬物はエタノー
ルに10mg/mとなるように溶解した後、リン酸緩衝
液(pH7.4)にて順次希釈して使用した。凝集阻害率は
下記式にて求めた。
:(リン酸緩衝液添加系)の透過度 T :被検薬添加系の透過度 阻害率が50%を越す薬物の最低濃度をIC50値として
示した。結果は第1表に示した。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
    任意の割合の混合物である6−メチルプロスタグランジ
    ンI類。
  2. 【請求項2】Rが水素原子である特許請求の範囲第1
    項記載の6−メチルプロスタグランジンI類。
  3. 【請求項3】Rがメチル基である特許請求の範囲第1
    項記載の6−メチルプロスタグランジンI類。
  4. 【請求項4】Rがビニル基である特許請求の範囲第1
    項記載の6−メチルプロスタグランジンI類。
  5. 【請求項5】Rがブチル基,ペンチル基,ヘキシル
    基,ヘプチル基,2−ヘキシル基,2−メチル−2−ヘ
    キシル基,2−メチルブチル基,2−メチルペンチル
    基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,フェニル
    基,フェノキシ基,シクロペンチルメチル基、またはシ
    クロヘキシルメチル基である特許請求の範囲第1項〜第
    4項のいずれか1項記載の6−メチルプロスタグランジ
    ンI類。
  6. 【請求項6】nが0である特許請求の範囲第1項〜第5
    項のいずれか1項記載の6−メチルプロスタグランジン
    類。
  7. 【請求項7】nが1である特許請求の範囲第1項〜第5
    項のいずれか1項記載の6−メチルプロスタグランジン
    類。
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