JPH0655666B2 - 脂質浸透ポンプ - Google Patents

脂質浸透ポンプ

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JPH0655666B2
JPH0655666B2 JP61019214A JP1921486A JPH0655666B2 JP H0655666 B2 JPH0655666 B2 JP H0655666B2 JP 61019214 A JP61019214 A JP 61019214A JP 1921486 A JP1921486 A JP 1921486A JP H0655666 B2 JPH0655666 B2 JP H0655666B2
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JP
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lipid
water
shell
carrier
core
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JP61019214A
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エル.アミドン ゴードン
ヒグチ タケル
ビー.ドレスマン ジエニフアー
Original Assignee
メルク エンド カムパニー インコーポレーテツド
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/50Microcapsules having a gas, liquid or semi-solid filling; Solid microparticles or pellets surrounded by a distinct coating layer, e.g. coated microspheres, coated drug crystals
    • A61K9/5005Wall or coating material
    • A61K9/5021Organic macromolecular compounds
    • A61K9/5036Polysaccharides, e.g. gums, alginate; Cyclodextrin
    • A61K9/5042Cellulose; Cellulose derivatives, e.g. phthalate or acetate succinate esters of hydroxypropyl methylcellulose
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0002Galenical forms characterised by the drug release technique; Application systems commanded by energy
    • A61K9/0004Osmotic delivery systems; Sustained release driven by osmosis, thermal energy or gas

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Description

【発明の詳細な説明】 米国特許4,350,271号および3,995,632に、水を吸収し膨
潤して親油性流体を放出(dispensr)する放出体(disp
enser)あるいは浸透現象によって水を吸入して可動性
隔壁(movable barrier)を押しやり、これによって使
用温度で液体である物質を放出する放出体が記載されて
いる。これらの二つの発明はこのように、水と、膨潤性
高分子又は浸透作用剤(osmotic agent)との相互作用
によって発生した圧力によって親油性流体を放出する点
において、類似している。しかし本発明は、浸透作用剤
による水の吸収と水との相互作用とによって担体脂質
(lipid carrier)を放出するという機能において上記
の二つの発明の放出体と類似しているが、構造および作
動機構において大きく異なっている。すなわち、本発明
では、(1)好適には浸透作用剤と担体脂質とが、可動性
隔壁によって分離されているのではなく、あるいは別々
の層として存在しているのでもなく、むしろ均一な混合
物として存在している。(2)担体脂質は、重合体からな
る皮殻(wall)の内面が脂質に漏れ易いため、浸透作用
剤よりも放出され易い。すなわち、担体脂質と浸透作用
剤溶液(これは浸透作用剤が吸入された水に溶解するこ
とによって形成される)との間の界面張力の差によっ
て、担体脂質が高分子からなる皮殻に密に接触し、この
中に存在するオリフィス又は細孔を通り放出される。
(3)上記の特許の放出体では膨潤性高分子と浸透作用剤
とはこの仕組みのうちに残存するが、本発明では、浸透
作用剤は、担体脂質に次いで放出される。従って本発明
は、活性物質を順次に放出できるという利点を有する。
すなわち、活性物質は最初担体脂質に混入して放出され
次に浸透作用剤に混入して放出される。この場合、活性
物質が実際には浸透作用剤として役立つこともある。本
発明の物体は、錠剤、デバイス、多粒子状等の投薬形体
として容易に構成することができる。これらの独特の性
質のため、活性物質を順次放出する能力を有する本発明
は活性物質の制御された放出(controlled release)の
用途に広範囲に利用することができる。
本発明の浸透ポンプは容易に作ることができるという利
点を有する。
本発明は、水に難溶性の有用な、特に医薬として有用な
活性物質を放出するための、浸透作用で作動するシステ
ムに関する。本システムは活性物質、担体脂質、浸透作
用剤の夫々少なくとも1種(好ましくは混合物)からな
る芯部と、これを取り囲む皮殻とから構成されている。
芯部は、使用温度、医薬用として用いる場合は体温にお
いて、担体脂質が液体であり、又は液体となり、活性物
質を溶解又は懸濁状態で保持するという性質を持ってい
る。皮殻は1つ以上の高分子層からなり、その最内層は
浸透作用剤の水溶液によるよりも脂質によって優先的に
濡らされる。この皮殻は透水性の層からなり、この層は
透水率改質剤および/又は可塑剤を含んでいても含んで
いなくてもよい。活性物質を含有する担体脂質は、水が
皮殻を通って芯部に吸収されると透孔および/又は細孔
を通って系外へ放出される。この放出速度は皮殻の組成
および寸法によって制御される。担体脂質を制御された
速度で完全に送り出すよう十分な量の浸透作用剤が用い
られる。
本発明の目的は、医薬用活性物質を生体の受容部位に、
或る時間、好ましくは1時間乃至数週間にわたり制御さ
れた条件で送達するため、医薬用に用いる、浸透作用で
作動するシステムを提供することである。
本皮殻は本発明において重大な役割を有し、薬剤を制御
して放出するための、計画的な流体の輸送を可能にする
だけでなく、水相よりも脂質相が先に送り出されるよう
に、浸透作用剤の水溶液によるよりも、担体脂質によっ
て内面が優先的に濡れる。
担体脂質によって皮殻が優先的に濡れることによって、
担体脂質の排出が終わるまで水相の放出を防止するのに
十分な界面張力が与えられる。
本皮殻は、浸出可能な添加物を混入した、不溶性で侵食
されない材料で構成されてもよく、あるいは浸出可能な
添加物を含む生物学的に侵食可能な材料から構成されて
もよい。生物学的に侵食可能な材料は、所定時間後、つ
まり薬剤の放出が終ってから生物学的侵食がおこるよう
に選択する。
本発明の他の1つの目的は、種々の形状、大きさの錠
剤、ペレット状、顆粒状(multiparticulate)等の、当
業者が熟知している経口、口腔内、膣内、直腸内、鼻、
目、耳への投与、その他の非経口投与の形体の薬剤組成
物から活性物質を所定投与量、計画的速度で分配する、
製造が容易な浸透システムを提供することである。
本発明の完成に至った鍵は脂質に混入する活性物質の選
択にあるのではなくて活性物質は水に実質的に不溶で、
脂質に溶解及び/又は濡れるものでなければならない。
同様に浸透作用剤も本発明に至る鍵ではない。本発明へ
の鍵は、使用温度、特に体温において液体であり、水と
混り合わない担体脂質を使用すること、および水に不溶
の皮殻の特定化である。
本発明は(A)芯部と(B)これを取り囲む水に不溶の
皮殻とに関するものである。
芯部は、 (i)有用な量の、水に実質的に不溶で脂質に溶解およ
び/又は湿潤する少なくとも一種の活性物質。
(ii)前記活性物質を溶解および/又は懸濁するのに十
分な量の、水に不溶で目的の使用温度において液体であ
る少なくとも一種の担体脂質、および (iii)前記担体脂質をポンプから皮殻外へ確実に放出
するのに十分な量の少なくとも一種の浸透作用剤からな
り、 皮殻は、 (i)厚さが約1〜1000ミクロンであり、 (ii)前記浸透作用剤の水溶液によるよりも、前記担体
脂質によって優先的に湿潤され、 (iii)透水率が約1×10−18〜4×10−15cm3
sec/gであり、 (iv)水は透過するが、前記浸透作用剤は実質的に透過
しない少なくとも一種の高分子から形成され、 (v)前記活性物質と担体脂質を前記不溶性皮殻を通し
て放出する手段を有する。
ここで「活性物質」とは、本システムから分配され有益
な効果を生むことができるあらゆる化合物又はその混合
物を広く意味する。本活性物質は、脂質放出時間全体に
亘って水相中に約10%以上分配されることがないよ
う、水や緩衝溶液に一般に十分不溶でなければならな
い。「脂質に溶解および/又は濡れる」という意味は、
活性物質が浸透作用剤の溶液に担持(associate)され
るよりもむしろ脂質に担持されるということである。
本活性物質には、農薬(pesticide)、除草剤、殺菌剤
(germicide)、微生物駆除剤(biocide)、除藻剤、殺
鼠剤、殺菌剤(fungicide)、殺虫剤、抗酸化剤、植物
生長促進剤、植物生長抑制剤、防腐剤、消毒剤、滅菌
剤、触媒、化学反応剤、発酵剤、食品添加剤、栄養剤、
化粧品、医薬品、ビタミン類、不妊剤、受精抑精剤、受
精促進剤、空気洗浄剤、微生物抑制剤、その他環境の改
善に有益な物質が含まれる。この中、医薬品に特に有用
である。
こゝで言う「医薬品」(drug)とは、人間又は動物の局
所又は全身に効果を与える生理学的又は薬物学的に活性
な物質であり、こゝで動物とは、羊、山羊、牛、馬、豚
等のスポーツ用、農業用の家畜、マウス、ラット、モル
モット等の研究用動物、魚類、鳥類、爬虫類、そのほか
動物園の動物等を言う。又こゝで「生理学的に」とは、
医薬を投与して正常な水準、機能を与えることを示し、
前記「有益な」および「薬物学的に」の意味は、医薬の
量に応じる変化を意味し、治療法をも含む(ステッドマ
ンのメディカル・ディクショナリィ、メリーランド州、
ボルチモア、ウィリアムズ・アンド・ウィルキンズ社1
966年発行参照)。
こゝで用いる「製剤」(drug formulation)とは芯部に
おいて担体脂質に溶解又は懸濁される医薬を意味する。
使用可能な薬剤は無機および有機化合物を含み、特に制
限はないが次のものを含む。すなわち、末梢神経、アド
レナリン受容体、コリン受容体、神経系、骨格筋肉、心
臓血管、平滑筋、血液循環系、シナプス部位、神経刺激
感応組織連結部位(neuroeffector junotional site
s)、内分泌およびホルモン系、免疫系、生殖系、骨格
系、ホルモン系、消化および排泄器系、ホルモンおよび
ヒスタミン抑制系等に作用する薬剤、さらに例えば、ア
ミフラミン、アミトリプチリン、アラプロクレート、プ
ロトリプチリン、ドキセピン、イミプラミン、トラツェ
ドン、マプロチリン、ツィメルジン、フルボキサミン等
の抗うつ剤;クロルプロマジン、ハロペリドール、チオ
リダジン、トリフルオペラジン、MK−0212、レモ
キシプライド等の抗精神病−神経弛緩剤;カルバアゼピ
ン、フエニトイン、フエノバルビタール等の抗けいれん
剤;トリアゾラム、クロルジアゼポキシド、テマゼパ
ム、クロルアゼペート、アルプラゾラム、ジアゼパム、
フルルアゼパム、ロルアゼパム、オキサゼパム、ヒドロ
キシジン、プラゼパム、メプロバメート、ブタルビター
ル、オルフェナドリン、クロルゾキサゾン、シクロベン
ザプサン等の鎮静−催眠剤;ベンツトロピン、カービド
パ、レボドパ、L647,339等の抗パーキンソン病剤;ア
セトアミノフェン、オキシコドン、ヒドロコドン、コデ
イン、プロポキシフェン等の鎮痛剤を含む中枢神経に作
用する薬剤があげられる。又たとえばジエチルプロピオ
ン、エフェドリン、エピネフリン、イソプロテレノー
ル、メタプロテレノール、ターブタリン、シプロヘプタ
ジン、アザタジン、ジフエニルヒドラミン、プロメタジ
ン、クロルフエニラミン、ブロムフエニラミン、アミノ
フィリン、テオフィリン、アルブテロール、トラニラス
ト、エンプロフィリン、ブデソナイド等の交感神経興奮
剤(sympathomimetics)、気管支拡張剤、抗ヒスタミン
剤、又は抗ぜんそく剤を含む呼吸器系薬剤もまた用いら
れる。イソソルバイドジナイトレート、ニトログリセリ
ン、ジピリダモール、ジゴキシン、ナドロール、プロプ
ラノロール、メタプロロール、アテノロール、チモロー
ル、ジソピラマイド、プロカイナマイド、ニフェジピ
ン、キニジン、リドカイン、ジルチアザム、ベラパミ
ル、プラゾシン、クロニジン、ヒドララジン、メチルド
パ、カプトプリル、メチロシン、エナラプリル、リジノ
プリル、フェロジピン、トカイナイド等の冠状動脈拡張
剤、心臓配糖体、ベータ・閉塞剤(beta-blockers)、
遅効性カルシウムチャンネル遮断剤、抗不整脈剤、末梢
血管拡張剤、又はクローム親和細胞腫治療剤を含む臓血
管症および高血圧症に対する薬剤もまた用いられる。ア
ミロライド、スピラノラクトン、ヒドロクロロチアザイ
ド、クロロチアザイド、アセタゾールアミド、クロルタ
リドン、メトラゾン、フロセマイド、トリアムテレン、
メチクロチアザイド、エタクリン酸、インダクリノン等
の利尿剤;メビノリンなどの抗動脈硬化剤;複合エスト
ロゲン、エストラジオール、エチニルエストラジオー
ル、ジエチルスチルベステロール等のエストロゲン類を
含むホルモン又はステロイド;プロゲステロン、ヒドロ
キシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、ノレ
チンドロン等のプロゲスチン類;ヒドロコーチゾン、ベ
タメタゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、
プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、M
K−0621等の糖皮質様ホルモン又は鉱性皮質様ホル
モンもまた用いられる。アロプリノール、アスピリン、
フェンプロフィン、イブプロフィン、インドメタシン、
ナプロキセン、フェニルブタゾン、スリンダック、トル
メチン、ジフラニゾール、ピロキシカム、メクロフェナ
メート、ペニシラミン、プロベネシド、コルヒチン等の
非ステロイド系炎症抑制剤、抗関節炎剤、又は抗通風
剤;ベタネコール、クリジニウム、ジシクロイン、メク
リジン、プロクロルペリジン、トリメトベンツアミド、
ロペラミド、シメタジン、ラニチジン、ジフェノキシレ
ート、ファモティジン、オメプラゾール等の抗コリン作
動剤、抗けいれん剤、抗下痢剤、又は抗かいようヒスタ
ミン−H−拮抗体を含む胃腸用薬剤;クロルプロパミ
ド、トラザミド、トルブタミド等の経口低血糖剤;ワル
ファリン、フェニンジオン、アニシンジオン等の抗凝血
剤;セフォキシチン、チアベンダゾール、セファレキシ
ン、テトラサイクリン、アンピシリン、アモキシシリ
ン、サルファメトキサゾール、セファクロル、エリスロ
マイシン、ペニシリン、ニトロフラントイン、ミノサイ
クリン、ドキシサイクリン、セファドロキシル、ミコナ
ゾール、フェナゾピリジン、ノルフロキサチン、クロル
スロン、フルダラニン、ペンチジドン、シラスチン、ホ
スホノマイシン、イベルメタチン、イミペネム、アルプ
リノシド、フォスカーネット等の抗生物質、抗菌剤、抗
ビールス剤、抗寄生虫病剤、又は抗真菌病剤を含む伝染
病に対する薬剤;イソトレチノイン(ビタミンA)、コ
レカルシフェラール(ビタミンD)、トコフェロール
(ビタミンE)、フィトナジオン(ビタミンK)などの
ビタミン剤、L−トリプトファン、L−リジンなどのア
ミノ酸、とうもろこし油、中程度の鎖長のトリグリセリ
ドなどの脂質を含む栄養剤も活性物質として用いられ
る。
本発明において、このような薬剤は、酸又はアルコール
のエステル、アミド等、使用に適するよう種々の形体に
調製される。水溶性の薬剤でも、化学変化によって水に
溶けにくい、脂質に溶け易いものにすることができる。
このような薬剤あるいは複合体(complex)は、本発明
のデバイスから分配することができ、次いで酵素によっ
て変化され、体内の液体による加水分解又は他の代謝工
程によって生物学的に活性なものとすることができる。
この薬剤は芯部に、溶液、分散液、流体、又は粉体とし
て装入することができる。一般に本デバイスには1μg
乃至5gあるいはそれ以上の活性物質を収容させること
ができる。例えば1μg、1mg、5mg、500mg、1g
等の活性物質を個々のデバイスに装入することができ
る。しかし、活性物質が医薬の場合は、有益な、すなわ
ち薬物学的に活性な量であれば、いかなる量であっても
よい。
本願で言う“担体脂質”(lipid carrier)は、水に不
溶であり、目的とする使用温度、医薬の場合は体温にお
いて液体である化合物又はそ混合物を広く包含する。こ
れらの中には、常温では固体であるが、体温では溶融す
る、一般に坐薬の基剤として用いられているトリグリセ
リド類およびそれらの混合物、たとえばココアバター、
硬質バター、およびワイテプソール(witepsol、商
標)、サピセール(Suppisere商標)、ヒドロコート(H
ydrokote商標)という商品名で市販されている坐薬類の
基剤も含まれる。又鉱油、ペトロラタムと鉱油との混合
物、サクワリン、弗化炭化水素等の炭化水素およびその
混合物、さらにオレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸イ
ソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等のエステルも
含まれる。ワィテプソールという坐薬の基剤(ダイナミ
ット・ノーベル・ケミカルズ社製)はラウリン酸を主体
とする飽和の植物製脂肪酸類の混合物のグリセロールエ
ステルである。これらのエステルはココやし、パームや
し等のやしの実の油をとくに選別し精製して造られる。
担体脂質の使用量は、活性物質の担体に対する溶解度又
は薬剤を懸濁させるのに必要な量によって異なるが、5
mg〜5g又はそれ以上である(人間又は動物に使用する
場合)。
浸透作用剤は、芯部に混入して、担体脂質と活性物質と
を放出するために滲透作用による必要な駆動力を与え
る。浸透作用剤は8〜500気圧の浸透圧がえられるよ
うに選択することが好ましいが、浸透圧が零より大きけ
れば一応使用可能である。浸透作用剤の使用量は、その
水に対する溶解度および芯部の全体積によって異なる
が、担体脂質を制御された速度で完全に確実に送り出す
のに十分な量の浸透作用剤を用いる必要がある。脂質を
零次の速度で完全に送り出すために必要な浸透作用剤の
量は、脂質の送出中終始、浸透作用剤を飽和溶液状態に
保つのに必要な量である。従ってその溶解度と密度の比
(S/P)はその浸透作用剤の効率の指針となる。S/
P比が小さいほどその効率がよいことを示す。一般に浸
透作用剤の使用量は、その種類によって、錠剤の重量の
20〜80%の範囲から選ぶ。浸透作用剤の具体例とし
ては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナト
リウム、塩化リチウム、硫酸カリ、炭酸ナトリウム、亜
硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリ、重炭酸カル
シウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、酸性リン酸
カリ、乳酸カルシウム、D−マンニット、尿素、イノシ
トール、ソルビトール、コハク酸マグネシウム、酒石
酸、炭水化物(フラクトース、スクローズ、グルコー
ス、α−d−ラクトース1水塩等)、およびこれらの混
合物があげられる。浸透作用剤(1種以上)は水溶性の
活性物質(1種以上)であってもよいが、さらに水に不
溶な活性物質がさらに必要となる。浸透作用剤は最初過
剰に用い、又粒子状、結晶状、ペレット状、錠剤状、細
片状、フィルム状、顆粒状等いかなる物理的形体であっ
てもよい。種々の浸透作用を有する化合物およびそれら
の混合物の飽和水溶液の37℃(体温)における浸透圧
を表Iに示す。この表では、浸透圧は気圧単位で示して
ある。浸透圧は、純水と試料溶液との蒸気圧の差を測定
できる市販の浸透圧計を用い、標準の熱力学的原理に従
って蒸気圧比から浸透圧の差を計算して求める。表Iに
は20〜500気圧の浸透圧が示してあるが、勿論、こ
れより低いが但し零より大きい浸透圧でも、又表Iの値
より高い浸透圧でも本発明に含まれる。例えば胃腸管内
では隔室の皮殻の内での滲透圧勾配は、0より大きい値
から最高500気圧に達する。すなわち、隔室内の浸透
圧は一般に8〜500気圧となる。
皮殻の仕様を次にまとめて示す: 1.厚さ 1〜1000ミクロン、好ましくは50〜3
00ミクロン。
2.脂質による湿潤性 滲透作用剤よりも担体脂質によ
って優先的に酢酸セルロースCA−32OSよりもよく
濡らされる。
3.透水率 1×10−18〜4×10−15cm3sec/g 4.細孔生成用水溶添加物 皮殻高分子(1種以上)1
00部に対し、0〜150部、好ましくは5〜100
部。
5.可塑剤および流量調節用添加物 皮殻高分子(1種
以上)100部に対し、0〜100部、好ましくは5〜
100部。
6.放出手段 1nm〜1mm径、好ましくは0.01〜200
μ径の細孔又は開口のようなオリフィスが好適。
水に不溶性の本発明の皮殻は芯部に直接接触しているも
のであるが、浸透作用剤の水溶液によるよりも、担体脂
質に溶けている活性物質によって優先的に湿潤されなけ
ればない。これによって活性物質が浸透作用剤よりも優
先的に送り出される。
活性物質を水に不溶の皮殻を通して放出するための手段
が皮殻に設けられていなければならない。この手段は皮
殻中の孔、例えば多くの細孔であってもよいし、あるい
は1個以上のまっすぐな孔でもよい。
制御された多孔性を有する皮殻は、一般にスポンジのよ
うな外観を有するものと言うことができる。その細孔は
皮殻の両側に開口部を有する連通孔であってもよく、多
くの細孔が規則正しい、および不規則な形状の曲折した
通路で互いに連結されていて、これらの細孔には曲った
もの、曲ったところと、まっすぐなところがあるもの、
不規則に配向し連続したもの、途中に邪魔物のある連続
細孔、その他種々のものがあり、これは顕微鏡で識別す
ることができる。一般に微孔を有する膜は、細孔の大き
さ、細孔の数、微孔状の通路の曲折の程度、および孔の
大きさと孔の数とに関連している多孔度によって規定さ
れる。この微細孔性の膜の細孔の大きさは、電子顕微鏡
で層の表面にある細孔の径を測定すれば易に確認するこ
とができる。一般に5〜95%の孔を持ち、細孔の大き
さが10Å〜200μのものが好ましい。
本発明においては、細孔形成用添加物はいかなるものを
用いてもよい。微細孔性皮殻は本システムの使用中に、
細孔形成用の添加物を溶解又は浸出除去することによっ
て、その場で形成することができる。又、本装置の使用
前に、皮殻を形成する高分子の溶液を硬化するとき、ガ
ラスを発生させ、製造される皮殻中に細孔を形成しても
よい。細孔形成用の添加物は固体でも液体でもよい。こ
ゝで液体とは半固体状のものも粘稠な流体をも包含す
る。本発明に適する細孔形成用添加物は、無機物質でも
有機物質でもよく、高分子に化学変化を生ずることなく
抽出除去できるものが含まれる。固体の添加物として
は、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリ、硫酸
カリ、リン酸カリ、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、硝酸カリ等のアルカリ金属塩
があり、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等のアルカリ
土類金属塩もまた用いられる。塩化第二鉄、硫酸第一
鉄、硫酸亜鉛、塩化第二銅等の遷移金属塩などを用いる
こともできる。水も又細孔形成剤として用いることがで
きる。有機酸やサッカリドなど有機化合物も細孔形成剤
として用いることができ、このような有機酸としては、
酒石酸、クエン酸等があげられ、又サッカリドとして
は、スクロース、グルコース、フラクトース、マンノー
ス、ガラクトース、アルドヘキソース、アルトロース、
タロース、ラクトース等の糖、その他の単糖類、二糖
類、および水溶性の多糖類があげられる。さらにソルビ
トール、マンニトール、脂肪族および芳香族のジオール
ならびにポリオール、例えばポリ(アルキレングリコー
ル)、ポリグリコール、アルキレングリコール、アルキ
レングリコールのポリα,ω−アルキレンジオールのエ
ステルまたはアルキレングリコール、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、および他の水溶性ポリマ
ーも細孔形成剤として使用できる。細孔はまた、ガスを
発生する高分子溶液を芯部に塗布する前、又は塗布中
に、この溶液中で成分を蒸発させるが、化学反応を行う
ことによって皮殻中に形成することもできる。これによ
って本発明の多孔性皮殻として役立つポリマー発泡体が
形成される。細孔形成剤は無毒であり、これを除去する
と、液で充された透孔が形成され、これらの透孔が液を
輸送する通路となる。好ましい実施態様においては、無
毒の細孔形成剤は、無機および有機の塩、炭水化物、ポ
リアルキレングリコール、ポリ(α−ωアルキレンジオ
ール)、アルキレングリコールのエステル、およびグリ
コールからなる群からえらばれ、それを生物的環境中で
使用する。
微孔性物質は、エッチト・ニュクレア・トラッキング
(高エネルギー荷電粒子照射増感−溶剤食刻法)(etch
ed nuclear tracking)、流動性高分子溶液を凝固点以
下に冷却し次に溶媒を蒸発させて細孔を形成する方法、
高分子溶液中でガスを発生させこの溶液を硬化して細孔
を形成する方法、高分子を低温又は高温で細孔が生ずる
まで延伸する方法、適当な溶媒で可溶性成分を高分子中
から浸出する方法、イオン交換反応法、および高分子電
解質法で製造することができる。微孔性物質の製造法に
ついて次の文献に記載されている:アール・イー・ケス
ティング(R.E.Kesting)著、シンセティク・ポリマー
・メンブレインズ、第4、第5章、マグロウ・ヒル社1
971年発行、ケミカル・レビュウ、ウルトラフィルト
レイション、18巻、373〜455頁、1934年、
ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエンス、1
1巻、4号、284〜288頁、1971年、ジァーナ
ル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス、15
巻、811〜829頁、1971年、米国特許3,56
5,259号、3,615,024号、3,751,5
36号、3,801,692号、3,852,224
号、および3,849,528号。
高分子としては透水性で脂質に濡れるものであれば使用
できる。透水性ではあるが脂質にあまり濡れない高分子
は、2層以上からなる皮殻の場合に外壁としては使用可
能である。浸透作用剤に対する高分子の透過能は一般に
透水率の5%未満でなければならない。透水性で脂質湿
潤性の重合体ならびに外壁用の透水性被膜材料の具体例
としては、酢酸セルロースおよび二酢酸セルロース、三
酢酸セルロース、酢酸・プロピオン酸セルロース、酢酸
・酪酸セルロース等の関連セルロースエステルがあげら
れる。三吉草酸セルロース、三ラウリン酸セルロース、
三パルミチン酸セルロース、三コハク酸セルロース、三
ヘプタン酸セルロース、三カプリル酸セルロース、三オ
クタン酸セルロース、三プロピオン酸セルロース等の三
アシル化セルロース類もまた用いられる。二カプリル酸
セルロース、二ペンタン酸セルロース等のセルロースジ
エステルおよびアシル無水物又はアシル酸のエステル化
反応において同じセルロース分子に異なるアシル基を結
合させたエステル類、例えば酢酸・吉草酸セルロース、
酢酸・コハク酸セルロース、プロピオン酸・コハク酸セ
ルロース、酢酸・オクタン酸セルロース、吉草酸・パル
ミチン酸セルロース、酢酸・パルミチン酸セルロース、
酢酸・ヘプタン酸セルロース等も使用できる。
さらに本発明に使用可能な高分子を例示すると次のとお
りである。酢酸・アセト酢酸セルロース、酢酸・クロロ
酢酸セルロース、酢酸・フロイック酸セルロース(cell
ulose acetate furoate)、酢酸セルロースジメトキシ
エチルエステル、酢酸・カルボキシメトキシプロピオン
酸セルロース、酢酸・安息香酸セルロース、酪酸・ナフ
トエ酸セルロース(cellulose butyrate naphtylat
e)、酢酸・安息香酸セルロース、酢酸メチルセルロー
ス、メチルシアノエチルセルロース、酢酸・メトキシ酢
酸セルロース、酢酸・エトキシ酢酸セルロース、酢酸・
ジメチルスルファミン酸セルロース、エチルセルロー
ス、ジメチルスルファミン酸エチルセルロース、酢酸・
p−トルエンスルホン酸セルロース、酢酸・メチルスル
ホン酸セルロース、酢酸・ジプロピルスルファミン酸セ
ルロース、酢酸・ブチルスルホン酸セルロース、酢酸・
ラウリン酸セルロース、ステアリン酸セルロース、酢酸
・メチルカルバミン酸セルロース、酢酸寒天/三酢酸ア
ミロース、酢酸β−グルカン、三酢酸β−グルカン、ア
セタルデヒド酢酸ジメチル、酢酸・エチルカルバミン酸
セルロース、酢酸・フタル酸セルロース、酢酸・ジメチ
ルアミノ酢酸セルロース、酢酸・エチル炭酸セルロー
ス、ポリ(ビニルメチルエーテル)共重合体、酢酸セル
ロース/アセチル化ヒドロキシエチルセルロース混合
物、エチレン/酢酸ビニルコポリマー鹸化物、ポリ(オ
ルトエステル)、ポリアセタール、半透過性ポリグリコ
ール酸又はポリ乳酸およびこれらの誘導体、選沢透過性
会合高分子電解質、アクリル酸、メタクリル酸、これら
のエステルの重合体類、室温吸水率1〜50重量%(好
ましくは30重量%未満)のフィルム形成物質、アシル
化多糖類、アシル化デンプン、チッ素原子を含む芳香族
高分子で水性液体を透過する物質、エポキシド重合体、
アルキレンオキシドとアルキルグリシジルエーテルとの
共重合体、ポリウレタン等からえられる膜、およびこれ
らの重合体の混合物。
上記高分子は本業界で公知であり、次の文献に記載され
ている方法で製造することができる:エンサイクロペデ
ィア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・テクノロ
ジィ、3巻、325〜354頁、459〜549頁、ニ
ューヨーク、インターサイエンス出版社発行、スコット
・ジェ・アールおよびロフ・ダブリュ・ジェによるハン
ドブック・オブ・コモン・ポリマーズ、オハイオ州クリ
ーブランドのCRCプレス社1971年発行、および米
国特許3,133,132号、3,173,876号、
3,276,586号、3,541,055号、3,5
41,006号、3,546,142号。
製造上では、一般に高分子を溶媒に溶かすことが望まし
い。本浸透デバイスの皮殻の製造に適した代表的溶媒は
芯部、皮殻、最終的に皮殻を形成する物質に悪影響を与
えない不活性な無機又は有機溶媒である。このような溶
媒は、水系溶媒、アルコール類、ケトン類、エステル
類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化溶媒
類、脂環族、芳香族、複素環等の溶媒類、およびこれら
の混合物から広く選ばれる。これらの中、代表的な溶媒
は、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピル
ケトン、n−ヘキサン、乳酸エチル、n−ヘプタン、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチル酢酸、二塩化メチレン、二塩化エチレ
ン、二塩化プロピレン、四塩化炭素、ニトロエタン、ニ
トロプロパン、テトラクロロエタン、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、ジメチルブロマイド、ベンゼン、トルエン、ナフ
タ、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグラ
イム、およびそれらの混合物たとえばアセトン/水、ア
セトン/メタノール、アセトン/エタノール、二塩化メ
チレン/メタノール、二塩化エチレン/メタノール等の
混合液などである。混合溶媒としては、アセトン/メタ
ノール(80:20)、アセトン/エタノール(90:
10)、二塩化メチレン/メタノール(80:20)、
ニトロエタン/エタノール(50:50)、ニトロエタ
ン/エタノール(80:20)、酢酸エチル/エタノー
ル(80:20)、二塩化エタン/メタノール(80:
20)、二塩化メチレン/メタノール(78:22)、
アセトン/水(90:10)、クロロホルム/エタノー
ル(80:20)、二塩化メチレン/エタノール(7
9:21)、塩化メチレン/メタノール/水(75:2
2:3)、四塩化炭素/メタノール(70:30)等が
あげられる(上記割合は重量比)。
本用途に適した代表的可塑剤は、皮殻材料の二次転移点
および弾性率を低下させ、作業性を向上し、可撓性およ
び透水性を増加させるものである。環状可塑剤も非環状
可塑剤も本目的に使用される。代表的可塑剤はフタル酸
エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、アジピ
ン酸エステル、酒石酸エステル、セバシン酸エステル、
コハク酸エステル、グリコールエステル、グリセロール
エステル、安息香酸エステル、ミリスチン酸エステル、
スルホンアミド、およびハロゲン化ポリフェニルからな
る群からえらばれる。一般に可塑剤あるいは2種以上の
の可塑剤を高分子100部に対し0〜100部用いる。
用いられる可塑剤の具体例としては、ジエチルフタレー
ト、ジプロピルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)フタレート、ジイソプロピルフタレート、ジアミル
フタレート、ジカプリルフタレート等のジアルキルフタ
レート、ジシクロアルキルフタレート、ジアリールフタ
レート、アルキルアリール混合フタレート;トリブチル
ホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリ
テート、トリオクチルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、トリフエニルホスフェート、等のアルキルホ
スフェート又はアリールホスフェート;トリブチルシト
レート、トリエチレンシトレート、アセチルトリエチル
シトレート等のアルキルシトレート(alkyl citrate)
又は同系統のエステル;ジオクチルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジー(2−メトキシエチル)、アジペー
ト等のアルキルアジペート;ジエチルタートレート、ジ
ブチルタートレート等のジアルキルタートレート;ジエ
チルセバケート、ジプロピルセバケート、ジノニルセバ
ケート等のアルキルセバケート;ジエチルサクシネー
ト、ジブチルサクシネート等のアルキルサクシネート;
グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテー
ト、グリセロールモノラクテート、ジアセテート、メチ
ルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチル
グリコレート、エチレングリコールジアセテート、エチ
レングリコールジブチレート、トリエチレングリコール
ジアセテート、トリエチレングリコールジブチレート、
トリエチレングリコールジプロピオネート等のアルキル
グリコレート、アルキルグリセロレート、グリコールエ
ステル、又はグリセロールエステルがあげられる。他に
シヨウノウ、N−エチル−(o−又はp−トルエン)ス
ルホンアミド、ベンゾフェノン、およびN−シクロヘキ
シル−p−トルエンスルホンアミドも用いられる。
皮殻形成材料と混合するのに好適な可塑剤は、材料に対
し高度の溶解力を有し、加工温度および使用温度で材料
と両立し(compatible)、可塑化された皮殻中に残存す
る強い傾向、すなわち、永続性を示し、材料に可撓性を
与え人間、動物、鳥類、魚類、爬虫類に対し無毒である
ものから選択する。上記の特性を有する可塑剤を選ぶ方
法については、エンサイクロペディア・オブ・ポリマー
・サイエンス・アンド・テクノロジィ、10巻、228
〜306頁、1969年ジヨン・ワイリー・アンド・サ
ンス社発行に示されている。ヒルデブランドの溶解性パ
ラメータδ、フロリー・ヒギンスの相互作用パラメータ
χ、凝集エネルギー密度CEDのような溶媒パラメータ
および相溶性等の可塑剤の性質の測定については、プラ
スチサイゼィシヨン・アンド・プラスチサイザー・プロ
セシズ、アドバンセズ・イン・ケミストリー・シリーズ
48、1章、1〜26頁、1965、アメリカ化学会発
行、に詳しく述べられている。可塑剤の添加量は、一般
に所望の皮殻の性質を得るのに十分な量とされ、この量
は可塑剤および皮殻の材料によって異なる。通常皮殻高
分子100部に対し、約0〜100部、好ましくは5〜
50部の可塑剤を用いる。
本願で用いる“流出調節添加剤”“流出促進剤”“流出
抑制剤”という表現は皮殻を形成する材料に添加したと
き、液体の芯部への浸透性を調節する助けとある化合物
を意味する。この添加剤は、液体の流出(flux)を増加
させるか又は減少させるよう、予め選ぶことができる。
水のような液体に対する浸透性を著しく増加させる添加
剤は多くの場合本質的に親水性であり、反対に著しく減
少させる添加剤は本質的に疎水性である。或る場合の実
施態様では、流出調節剤によって、皮殻層の可撓性およ
び多孔度を増加させることもできる。流出調節剤として
は例えば式H−(O−アルキレン)−OH(こゝで2
価のアルキレン基は直鎖又は分岐状で炭素原子1〜10
個を有し、nは1〜500又はそれ以上の数である)で
表わされるポリアルキレングリコールのような多価アル
コール又はその誘導体が上げられる。その代表的なもの
には、式H−(OCH2CH2−OH(nは5〜500)で
表わされる分子量300,400,600,1500,
1540,4000,6000,及び2000のポリエ
チレングリコールがある。他のポリグリコールとして
は、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコー
ル、ポリアミレングリコール等の低分子量グリコールが
あげられる。
これらのほかに流出調節剤として、アルキレンが炭素原
子数2〜10の直鎖又は分岐アルキレンであるポリ
(1,3−プロパンジオール)、ポリ(1,4−ブタン
ジオール)、ポリ(1,5−ペンタンジオール)、ポリ
(1,6−ヘキサンジオール)等のポリ(α,ω−アル
キレンジオール)も用いられる。これらジオールには
1,3−ブチレングリコール、1,4−ペンタメチレン
グリコール、1,5−ヘキサメチレングリコール、1,
8−デカメチレングリコール等の式HOCnH2nOH(nは2
〜10の数)で表わされ水酸基の1つが末端以外の任意
の炭素に結合したジオール;およびグリセロール、1,
2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリ
トール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,3,6
−ヘキサントリオール等の炭素原子数3〜6のアルキレ
ントリオールも含まれる。
さらに他の流出調節剤として、式HO−(アルキレン−
O)−H(こゝで2価のアルキレン基は炭素原子数2
〜6個の直鎖状アルキレン基およびその異性体を包含
し、nは1〜14の数)で表わされるアルキレングリコ
ールのエステルおよびポリエステルがあげられる。これ
らのエステルおよびポリエステルはグリコールと一塩基
酸又は二塩基との反応でえられる。代表的流出調節剤
は、エチレングリコールジプロピオネート、エチレング
リコールブチレート、エチレングリコールジアセテー
ト、トリエチレングリコールジアセテート、ブチレング
リコールジプロピオネート、エチレングリコールとコハ
ク酸とのポリエステル、エチレングリコールとマレイン
酸とのポリエステル、およびトリエチレングリコールと
アジピン酸とのポリエステルである。
流出調節剤は、皮殻が所望の透過率をうるのに十分な量
添加されるが、この量は皮殻を形成する材料の種類と用
いられる流出調節剤の種類によって変わる。通常所望の
結果をうるため皮殻高分子100部に対し0〜150部
又はそれ以上を添加すればい。
本発明の重大な特色は、皮殻が浸透作用剤の飽和溶液に
よるよりも担体脂質によって優先的に湿潤されることに
関係している。この優先的に濡れることを実証するため
に、一連の酢酸セルロースフィルムを用いて検討を行な
った。フィルムはこの高分子の溶液から溶剤を蒸発させ
ることによって、ガラスに形成した。この透明で平滑な
フィルムの断片を用いて脂質の液滴および飽和食塩水の
液滴によって造られる各接触角を測定した。フィルムは
先づ担体脂質(ワィテプソールH−35)又は飽和食塩
水と平衡状態に達せしめた。
次に紙タオルを用いてこの高分子の断片を乾燥し、両面
接着テープでガラスのスライド板に取付けた。飽和食塩
水で平衡させる場合には、このスライド板を担体脂質中
に浸漬し、担体脂質で平衡させる場合には、スライド板
を飽和食塩水に浸漬した。担体脂質の液滴(2μ未
満)をこの飽和食塩水中で上昇させ、高分子表面に接触
させた。同様飽和食塩水の液滴を担体脂質中で降下さ
せ、フィルム断片の表面に接触させた。目盛付接眼レン
ズを取付けた顕微鏡を用いて、37℃で、付着した液滴
の幅と高さ、あるいは直接接触を測定した。両測定法は
同様の結果を与えた。次表に測定結果を示す。
接触角が小さいほど、その液滴に高分子がよく濡れるこ
とを示す。
表IIでは、脂質による濡れが大きいものから小さくなる
順序で重合体を示した。本結果によると、酢酸セルロー
スCA−320Sは脂質に優先的に濡れないが、酢酸セ
ルロースCA−398−10およびそれより上に掲げた
高分子は脂質に優先的に濡れる。皮殻の内側高分子が浸
透作用剤の飽和溶液によるよりも、脂質によって優先的
に濡れるという必要条件は本発明の重要な特色であり、
これは実験によって証明された。CA320−Sを皮殻
高分子として用いた後記実施例5の結果は、脂質の優先
的放出はこの場合起らないことを示した。一方CA39
8−10を皮殻として用いた実施例2の結果は脂質の優
先的放出が行なわれることを示した。
添付図面1〜5では、本脂質浸透ポンプは単一の被膜で
蔽われた錠剤の典形的形体をとっている。図1〜5ち示
したものは以下に述べる特色と要素を具えている。
図1は、芯部が室温では固体であり、担体脂質(10)
に溶解又は懸濁した活性物質(1種以上)と浸透作用剤
(1種以上)(11)とから構成されており、スプレー
コーティングで形成することができる水に不溶の皮殻
(12)によって囲われている。この皮殻は、使用目的
における周囲の液体(通常は水)に不溶の高分子物質か
ら構成されており、錠剤の内容物放出するための、機械
的に形成した孔(13)を備えている。
図2は、室温では固体の芯部を有し、担体脂質(14)
に溶解又は懸濁した活性物質(1種以上)(15)と浸
透作用剤(1種以上)(15)とからなり、2種の異な
る高分子材料からなる水に不溶の皮殻に囲れている。典
形的な脂質浸透作用剤を示す。脂質に非常に濡れ易い層
(16)が芯部と直接接触しており、脂質にそれよりも
少し濡れにくい層(17)が外壁を形成している。錠剤
の内容物を放出するための孔(18)がこれらの二つの
層を貫いて設けられている。
図3は、室温では固体の芯部を有し、担体脂質(19)
に溶解した活性物質(1種以上)と浸透作用剤(1種以
上)(20)とからなり、この場合は使用時の周囲の液
体に溶解する細孔形成剤を含有する水に不溶の皮殻(2
1)に囲れている脂質浸透ポンプを示す。
図4は、室温で固体又は液体の芯部を有し、担体脂質
(22)に溶解又は懸濁した活性物質(1種以上)と浸
透作用剤(1種以上)(23)とからなり、高分子フィ
ルム(25)を貼った不溶性の硬質円筒(24)に囲れ
ている脂質浸透デバイスを示す。内容物を放出するため
の孔(26)がフィルムに設けられているが、細孔形成
剤を高分子フィルム中に混入してもよい。
図5は、室温では固体の芯部を有し、担体脂質(27)
に溶解した活性物質(1種以上)と浸透作用剤(1種以
上)(28)とからなり、使用時の周囲の液に溶解し皮
殻から浸出して細孔を形成する細孔形成剤を加えた水に
不溶の皮殻で囲れている脂質浸透ペレットを示す。図5
には、このようなペレット(30)を多数充填した硬質
ゼラチンカプセル(31)を、この種の形体のペレット
の投薬する一つの手段として示してある。
図6は、脂質浸透錠剤又はデバイスからの薬剤および/
又は担体脂質の放出を測定するため実施例で用いた装置
を示す。標準の米国薬局法の溶解フラスコ(10)を用
いるが、標準パドルを約8rpmで回転するロッド(1)
に換えた。このシャフトの先端に、ゴム製の車輪(7)
を心棒(6)、スペーサー(8)、およびナット(9)
によって取付けてある。錠剤(5)をつかみバネでゴム
製車輪に固定し、シャフトが回転するにつれ車輪がフラ
スコに支えられて回転し錠剤を1分間に約10回反転さ
せる。操作の際、フラスコに水又は他の溶解媒体(1
2)900mlを入れ、ミリスチン酸イソプロピル
(4)100mlの層を用いて、錠剤から浮び上ってく
る担体脂質の液滴(11)を集め溶解する。プレキシグ
ラス製蓋(13)に支持具(3)が取付けられており、
これによってミリスチン酸イソプロピル層に挿入したチ
ューブ(複数)(2)を保持している。ミリスチン酸イ
ソプロピルは分光光度計(図示せず)内のセルに連続的
に流す。プレキシガラス製の蓋(13)は又電導度セル
を適当な場所に保持している。
実施例1 脂質浸透ポンプの構造は、一般に、図1〜3に示すよう
な錠剤状の投薬形体をとっている。本実施例および以下
の実施例においても、錠剤を用いて脂質浸透ポンプの一
般的形状および外観を示す。有益な医薬チモロールを浸
透作用で制御して放出する錠剤を次のようにして製造し
た。市況の坐薬基剤ワィテップソールH−35(担体
脂質)60g、試薬級塩化ナトリウム(浸透作用剤)の
40〜60メッシュの粉末40g、チモロールの無水の
遊離基剤(活性物質)、およびスカーレットレッド(脂
質に溶解する染料)0.14gを先づ混合溶融した。溶融を
行なうと、チモロールとスカーレットレッドは担体脂質
に溶解し、塩化ナトリウムは急速な撹拌によって懸濁状
態になった。この溶融物を液体チッ素を入れた容器に注
入し急速に固化した。比較的大きな塊をこわし、予め液
体チッ素又はドライアイスで予備冷却した標準の篩に強
制的に通し、粒状にした。この粒状物を順次網目がより
細かな篩(メッシュ数増加)にかけ、最後に20〜25
メッシュにした。この篩作業は粒子上に凝縮する水の量
を少なくするため、相対湿度が10〜30%の乾燥室で
行なった。えられた粒状物約400mgをとり、3/8吋
の球状の冷却した穿孔機を用いカーバー・プレス(Carv
erRpress)上で1〜2トンの圧力まで圧縮し、固体の錠
剤芯をえた。これを1日以上放置して、硬度を増加させ
た後、そのコーティングをHC−ミニ型ハイ・コーター
(HCT−Mini Hi-coaterR、Freund製)中で行なった。
アビセル(AvicelR)PH101(エフ・エム・シー社
製、微結晶性セルロース)、ラクトース、とうもろこし
でんぷん、およびステアリン酸マグネシウムから造った
5/16吋の深さ凹面を有するフィラー錠剤約500cc
を塗布機の皿状容器に充填し、入口空気および出口空気
の温度、噴霧速度等の塗工条件を設定した後、脂質錠剤
芯を添加しコーティングを行なった。コーティング溶液
は次のとおりであった。コーティング溶液はAはジクロ
ロメタン(溶媒)700ml、無水メタノール(溶媒)
300ml、酢酸酪酸セルロース(イーストマンCAB
−553−0.4)5gおよびポリエチレングリコール4
00(可塑剤兼流出促進剤)1.25gからなり、コーティ
ング溶液Bはジクロロメタン700ml、無水メタノー
ル300ml、酢酸セルロース(イーストマンCA−3
98−10)20g、およびポリエチレングリコール
(400)5gからなるものであった。コーティング条
件は次のように設定した。皿状容器の回転速度24rp
m、噴霧用空気流圧力1kg/cm2、コーティング溶液流速
10ml/分、入口空気温度43℃(出口空気温度を2
8〜29℃にするよう43℃に調節)。コーティング条
件を安定させた後、脂質錠剤芯を加え、溶液Aで29分
間次に溶液Bで70分間コーティングを行なった。合計
の塗膜厚みは約90μであった。被覆した錠剤(図2参
照)は室温で大気中に放置して乾燥した。100μ径の
針を用いて、錠剤の両面の夫々に1個の孔(径2個の
孔)を形成した。
えられた錠剤の水中における生体外性能を図6に示す装
置を用いて測定した。チモロールとスカーレットレッド
を含有する担体脂質の錠剤からの放出がその各面に開け
た孔を通って行なわれた。脂質の液滴が錠剤の面から離
れてミリスチン酸イソプロピル(IPM)層まで上昇し
(図6参照)、その層に溶解しチモロールとスカーレッ
トレッドを放出した。スカーレットレッドのIPMへの
吸収を時間の経過と共に追跡することによって担体脂質
の放出速度を観測した。塩化ナトリウム水溶液の放出も
水相の電導度を測定することによって追跡した。
スカーレットレッド(*印)(担体脂質と活性物質)の
錠剤からの放出曲線および浸透作用剤である塩化ナトリ
ウム(〇印)の放出曲線を図7に示す。本システムの観
測された重要な特徴は次の如くである。最初、活性物質
(ワイテプソールおよびチモロール)がほぼ一定の速
度(ゼロ次)で錠剤から送り出される。次に脂質放出に
続いて塩溶液が錠剤から放出される。これは担体脂質が
塩水溶液よりも優先的に放出されることを実証するもの
であって、本システムの重要な特徴である。
これらの脂質浸透ポンプの皮殻の見掛けの浸透性は次式
によって計算される。
こゝで、dv/dtは1秒あたりに放出された脂質の体積で
あり、hは皮殻の厚さ、Aは錠剤の表面積、πは浸透圧
である。単位はすべて、グラム、センチメーター、秒で
表わす。
本実施例1の錠剤コーティングの見掛け浸透性は3.6×
10−16cm3sec/gである。こゝで dv/dt=3.5×10−6cm3/sec A=2.5cm2 h=0.009cm π=3.6×10g/cm-sec2 実施例2 実施例1の操作に従って錠剤(図1のもの)を調製し
た。しコーティング溶液Aは用いずBだけを用いた。コ
ーティングの厚さは約70μであった。えられた錠剤か
らの成分の放出曲線を図8に示す。図中、スカーレット
レッド(担体脂質とチモロール)の放出曲線(*印)お
よび浸透作用剤塩化ナトリウムのそれ(〇印)が示され
ている。実施例1よりも放出速度が速いのは、酢酸セル
ロースよりも透水率が低い酢酸酪酸セルロースのコート
が行われなかったことと、高分子の被膜がそれほど厚く
なかったためである。
実施例3 実施例1の操作に従って錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、コーティング溶液Aの組成は、ジクロロメタ
ン(700ml)、無水メタノール(300ml)、酢
酸セルロース(イーストマンCA−436−80S)
(20g)、ポリエチレングリコール400(8g)と
し、コーティング溶液Bの組成は、ジクロロメタン(7
00ml)、無水メタノール(300ml)、酢酸セル
ロース(イーストマンCA−398−10)(20
g)、ポリエチレングリコール400(8g)とした。
溶液A700mlを10ml/分の速度で塗布し、次に
溶液B1000mlを8ml/分の速度で塗布した。被
膜の全体の厚みは約150μとした。スカーレットレッ
ド(*印)(脂質および活性物質)と塩化ナトリウム
(〇印)(浸透作用剤)との放出曲線を図9に示す。
実施例4 実施例1の操作に従って錠剤(図1のもの)を調製し
た。但しコーティング溶液Aの組成は、ジクロロメタン
(750ml)、無水メタノール(250ml)、酢酸
プロピオン酸セルロース(イーストマンCAP−482
−10)(20g)、ポリエチレングリコール400
(5g)とした。この溶液Aを8ml/分の速度で1時
間塗布し、被膜は、この溶液だけから形成したが、厚さ
を約70μとした。スカーレットッド(*印)(脂質お
よびチモロール)および塩化ナトリウム(〇印)(浸透
作用剤)の放出曲線を図10に示す。被膜の透過率が低
いため放出速度は非常に遅かった。
実施例5 実施例1の操作に従って錠剤(図1のもの)を調製し
た。但しコーティング溶液Aの組成は、ジクロロメタン
(750ml)、無水メタノール(250ml)、酢酸
セルロース(イーストマンCA−320−S)(20
g)、ポリエチレングリコール400(5g)とし、こ
の溶液を6.5ml/分の速度で20分間、次に8ml/
分の速度で150分間塗布した。被膜は、この溶液だけ
から形成したが、厚さを約115μとした。スカーレッ
トレッド(*印)(担体脂質およびチモロール)および
塩化ナトリウム(〇印)(浸透作用剤)の放出曲線を図
11に示す。結果は酢酸セルロース(イーストマンCA
−320−S)が親水性であるため、被膜が脂質に十分
濡れずこシステムは正しく作動することができないこと
を示している。すなわち水溶液よりも脂質を優先的に放
出できない。従って被覆材料としては、実施例1〜4で
用いたような、酢酸セルロース(イーストマンCA−3
20−S)よりも脂質によく濡れるものでなくてはなら
ない。
実施例6 実施例1の操作に従って錠剤(図1のもの)を調製し
た。但コーティング溶液Aの組成は、ジクロロメタン
(700ml)、無水アルコール(300ml)、酢酸
酪酸セルロース(イーストマンCAB−5534−0.
4)(20g)、ポリエチレングリコール400(5
g)とし、8ml/分の速度で30分間この溶液だけを
塗布し、被膜の厚さ約70μとした。又チモロール(*
印)の放出速度(pH1の塩酸水溶液中での)を、吸光ピ
ーク294nmを測定することによって追跡した。結果
を図12に示す。塩化ナトリウムの放出が続いておこる
ことはなかった。脂質が全部放出された後も芯部に塩が
結晶として残留していた。
実施例7 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、塩化ナトリウムの代りに塩化カリ40g(浸
透作用剤兼活性物質)を用いた。又コーティング溶液C
とDを順次に使用し、溶液Cの組成は、ジクロロメタン
(750ml)、無水メタノール(250ml)、酢酸
セルロース(イーストマンCA−436−80S)(2
0g)、ポリエチレングリコール400(8g)とし、
溶液Dの組成は、ジクロロメタン(750ml)、無水
メタノール(250ml)、酢酸セルロース(イースト
マンCA−398−10)(20g)、ポリエチレング
リコール400(8g)とした。溶液Cは10ml/分
で75分間、溶液Dは8ml/分で120分間塗布し、
被膜の全体の厚さを約185μとした。スカーレットレ
ッド(*印)(脂質およびチモロール)および塩化カリ
(〇印)(浸透作用剤兼薬剤)の放出曲線を図13に示
す。このように2種の異なる薬剤(この場合チモロール
と塩化カリ)を異なる放出速度で用いることができる。
実施例8 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、芯材としてワイテプソールH−35を7
g、マンニット7.2g、チモロール2g、スカーレット
レッド0.14gを用い、その上10個のマンニットペレッ
ト(各重量約16mg、1/8″×1/16″の標準凹形
錠剤)と粒状脂質207mgとを秤取し、さらに十分なマ
ンニット(25〜45メッシュ)を加え、最終重量を42
0mgとした。この混合物を実施例1と同様な方法で錠剤
とした。コーティング方法も実施例1と同様とした。ス
カーレットレッド(*印)(脂質およびチモロール)の
放出曲線を図14に示す。
実施例9 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、芯材組成を、ワイテプソールH−35:5
5g、塩化ナトリウム:40g、インドメタシン酸(粒
径50μ未満):2g、スカーレットレッド:0.14gと
した。大部分のインドメタシンは担体脂質に溶解せず微
粒子として懸濁状態で存在した。実施例7と同じコーテ
ィング溶液CおよびDを用い、溶液Cを5.1ml/分の
速度で60分間、次に7.6ml/分で30分間、さらに
10ml/分で15分間塗布し、溶液Dを10ml/分
で45分間、次に7.6ml/分で45分間塗布し、合計
の厚さを約150μとした。500μ径の孔を錠剤の両
面の夫々に1個(計2個)穿孔した。
又インドメタシンのpH3塩酸中への放出を、IPM層で
の365nmにおける吸光度(*印)を測定して追跡
し、塩化ナトリウム(〇印)(浸透作用剤)の放出を電
導度の測定により追跡した。結果を図15に示す。この
実施例は、本システムによると、脂質に不溶ではある
が、これに濡れる薬剤も脂質に懸濁した状態で放出する
とことができることを示している。
実施例10 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、ワイテプソールH−35(48g)、ワイ
テプソールE−76(12g)、塩化ナトリウム(4
0g)、シクロベンザプリン遊離塩基(2g)、および
スカーレットレッド(0.14g)から芯材粒状物を調製
し、炭酸ソーダ粉末(5g)を加え混合した後、錠剤と
した。実施例と同じコーティング溶液CおよびDを同様
に塗布した。スカーレットレッド(*印)(脂質および
シクロベンザプリン)および塩化ナトリウム(〇印)
(浸透作用剤)放出曲線を図16に示す。
実施例11 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し活性物質としてチモロールの代りに3gのイン
ドメタシンブチルエステルを用いた。実施例7と同じコ
ーティング溶液CおよびDを用い、溶液Cは8ml/分
の速度で110分間、溶液Dは、11ml/分の速度で
30分間塗布し、合計の厚さを約100μとした。
スカーレットレッド(*印)(担体脂質およびインドメ
タシンブチルエステル)および塩化ナトリウム(〇印)
(浸透作用剤)の放出曲線を図17に示す。
実施例12 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、ワイテプソールH−35(57g)、ワイ
テプソールS−55(3g)、イブプロフェン(5
g)、塩化ナトリウム(40g)、およびスカーレット
レッド(0.14g)から芯材を調製した。実施例7と同じ
コーティング溶液CおよびDを実施例9と同様に塗布し
た。スカーレットレッド(*印)(脂質およびイブプロ
フェン)および塩化ナトリウム(〇印)(浸透作用剤)
の放出曲線を図18に示す。実施例1と同じ水性放出媒
体を塩酸でpH3に調節して放出試験に用いた。
実施例13 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、コーティング溶液Aの組成は、酢酸酪酸セル
ロース(イーストマン553−0.4)(20g)、ポリ
エチレングリコール400(5g)とし、これをフレオ
ン噴霧器で、平板上においた錠剤に塗布し、錠剤の両面
および縁部を薄く被覆した。溶液Bは溶液Aと同様であ
るが、ポリエチレングリコール400の量を0、2、
5、10、15gと変化させ、各バッチの溶液1000
mlを用いた。スカーレットレッド(脂質およびチモロ
ール)の放出を経時的に測定した。表IIIにポリエチレ
ングリコールのこの放出速度に対する効果を示す。
脂質の放出速度は、被膜中のポリエチレングリコールの
含量と共に特に高含量領域において増加する。
実施例14 脂質浸透デバイス(図4のもの)を次のようにして造っ
た。内径1cmのプレキシガラス管を長さ5mmに切断し、
その一の端面に、ポリエチレングリコール(PEG)4
00を12.5重量%含有する酢酸セルロース(イーストマ
ン436−80S)の厚さ25μのフィルムをシアノア
クリレート接着剤で貼付した。この円筒に、ワイテプソ
ールH−3(60g)、塩化ナトリウム(40g)、
チモロール遊離塩基(2g)、およびスカーレットレッ
ド(0.14g)からなる混合物を充填し、他方開口端面に
上記と同じ酢酸セルロースのフィルムを同様に貼付し密
閉した。貼付した酢酸セルロースの各フィルムに100
μの孔を1個(合計2個)機械的に開け、図6に示した
脂質錠剤の回転式放出試験装置を用いて、IPM層から
サンプルを取り、分光光度計で515nm吸光度を測定
してスカーレットレッドの濃度を求め、スカーレットレ
ッド(*印)(脂質およびチモロール)の放出速度をし
らべた。塩化ナトリウム(〇印)の放出も水溶液の電導
度を連続的に測定してしらべた。これらの放出曲線を図
19に示す。
実施例15 液体の担体脂質を組入れた脂質浸透デバイス(図4のも
の)を実施例14と同様の円筒を用いて作製した。酢酸
セルロース(イーストマン436−80S但しポリエチ
レングリコール400は含有しない)の厚さ20μのフ
ィルムを円筒の一方端面に接着し、粒状塩化ナトリウム
(40〜60ムッシュ)を円筒(200mg)内に入れ、
他方の端面に同様の酢酸セルロースフィルムを接着し
た。鉱油とカプテックス(CaptexR)300(インダス
トリアル・プロダクツ・グループ・オブ・ストークレイ
・バン・キャンプ社製の中程度の鎖長を有するトリグリ
セリド)との重量比3:1の混合物(100g)、チモ
ロール遊離塩基(2g)、およびスカーレットレッド
(0.14g)からなる組成物を、円筒に開けられた小孔を
通して充填した後、この小孔を接差剤で塞いだ。接着し
た酢酸セルロースフィルムの夫々に100μの孔(合計
2個)を機械的に開け、スカーレットレッド(*印)
(脂質およびチモロール)と塩化ナトリウム(〇印)
(浸透作用剤)との放出速度を実施例14と同様にして
測定した。えられた放出曲線を図20に示す。
実施例16 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、チモロールは添加しなかった。又、実施例7
と同様のコーティング溶液CおよびDを用いたが、ポリ
エチレングリコール400の代りにポリエチレングリコ
ール1500を用いた。溶液Cは11ml/分の速度で
85分間塗布し、溶液Dは11ml/分の速度で15分
間塗布し、被膜の合計の厚さは約125μとした。スカ
ーレットレッド(*印)(脂質)および塩化ナトリウム
(〇印)(浸透作用剤)の放出曲線を図21に示す。
実施例17 実施例1の操作に従って、錠剤(図1のもの)を調製し
た。但し、用いたコーティング液は1種だけで、その組
成は、ジクロロメタン(1000ml)、酢酸セルロー
ス(イーストマンCA−436−80S)(20g)、
ジエチルフタレート(8g)とし、被膜厚さは約115
μとした。スカーレットレッド(*印)(脂質およびチ
モロール)と塩化ナトリウム(〇印)(浸透作用剤)の
放出を、実施例14と同様にして、追跡した。結果を図
22に示す。
実施例18 実施例1の操作に従って、錠剤(図1のもの)を調製し
た。但し、ジクロロメタン(1000ml)、エチルセ
ルロース(ダウEC−100)(20g)、ポリエチレ
ングリコール400(5g)からなるコーティング溶液
(これ1種だけを使用)を8ml/分の速度で110分
間次に10ml/分の速度で40分間塗布し、被膜の厚
さを約120μとした。放出速度は、ラウリル硫酸ナト
リウム(200mg)を水(900ml)に加えて、放出
試験用媒体とした以外は実施例1と同様にして測定し
た。スカーレットレッド(*印)(脂質およびチモロー
ル)放出曲線を図23に示す。塩化ナトリウムの放出は
観視したが、脂質の放出期間に亘って塩化ナトリウムの
放出は全くなかった。
実施例19 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、コーティング溶液Aの組成は、ジクロロメタ
ン(750ml)、メタノール(250ml)、ユード
ラジット(Eudrazit)(ローム・ファーマ(Rohm Pha
rma)E−RS−100)(60g)、ポリエチレング
リコール400(15g)とし、コーティング溶液Bの
組成は、ジクロロメタン(750ml)、メタノール
(250ml)、酢酸セルロース(イーストマンCA−
398−10)(20g)、ポリエチレングリコール4
00(5g)とした。溶液Aは3ml/分の速度で35
分間塗布し、溶液Bは5.1ml/分の速度で45分間、
次に11ml/分の速度で60分間塗布し、被膜の合計
の厚さを約100μとした。ラウリル硫酸ナトリウム2
00mgを水900mlに加えて放出試験用媒体とした以
外は実施例1と同様にして放出速度を測定した。スカー
レットレッド(*印)(脂質およびチモロール)および
塩化ナトリウム(〇印)(浸透作用剤)の放出曲線を図
24に示す。
実施例20 実施例1の操作に従って、錠剤(図2のもの)を調製し
た。但し、芯材中のワイテプソールH−35をワイテ
プソールH−19に換えた。コーティング溶液Cおよ
びDは実施例7と同じで同様に塗布した。スカーレット
レッド(*印)(脂質およびチモロール)および塩化ナ
トリウム(〇印)(浸透作用剤)の放出曲線を図25に
示す。
実施例21 実施例1の操作に従って、錠剤(図3のもの)を調製し
た。但し、コーティング溶液は次のようにして調製し
た。酒石酸30gを無水メタノール375mlに溶解
し、この溶液を、酢酸セルロース(イーストマンCA−
436−80S)30gとポリエチレングリコール40
0(7.5g)を含むジクロロメタン溶液1125mlに
加えた。この溶液を8ml/分で110分間塗布し、被
膜の厚さを約105μとした。スカーレットレッド(*
印)(脂質とチモロール)および塩化ナトリウム(〇
印)(浸透作用剤)の放出曲線を図26に示す。本実施
例は微孔性被膜を、脂質を含む芯材に塗布して、脂質が
浸透作用剤の水溶液よりも優先的に錠剤から放出される
ようにすることができることを示している。脂質が錠剤
の全表面にわたって存在する無数の細孔から放出される
のが認められた。
実施例22 本発明による多粒子型薬剤(図5に示すもの)を次のよ
うにして調製した。粉砕後140メッシュの篩を通し1
70メッシュの篩上に残った塩化ナトリウム(浸透作用
剤)100g、ワイテプソールH−35(担体脂質)
150g、およびスカーレットレッド(脂質に溶解する
染料)0.35gからなる混合物を250mlのステンレス
スチール製ビーカーに入れ、加熱テープで45℃に熱し
た。このビーカーは予め改造した底部に約0.0076cm(0.
030インチ)のオリフィスを連結して、それを通して内
容物を滴下できるようにしたものである。溶融した混合
物を機械的撹拌機を用いて激しく撹拌しながら温度を4
5〜50℃に保ち、数リットルの液体チッ素中に、オリ
フィスを通し滴下することにより、液滴を急冷して球状
のビーズにした。この場合液体チッ素の方も撹拌を続け
た。液体チッ素のデカンテーションによって、得られた
ビーズを集め、低湿度の雰囲気下に放置し数時間かけて
ビーズの温度を室温まで上昇させた。この方法でえられ
たビーズは球状でその90重量%以上が粒径1.5〜2.5mm
の範囲に入った。この操作を繰返して、粉砕後80メッ
シュの篩を通し140メッシュの篩上に残った塩化ナト
リウム(浸透作用剤)66.7g、ワイテプソールH−3
5(担体脂質)100g、インドメタシンブチルエステ
ル(活性物質)5gからなる混合から1バッチのビーズ
を製造した。えられたビーズは白色球状でその90重量
%以上が直径1.5〜2.5mmの範囲に入った。
このビーズに、三酢酸セルロースの微孔性被覆を次のよ
うにして施した。前記のスカーレットレッドを含むビー
ズ45gと、インドメタシンブチルエステルを含むビー
ズ30gとを、約10cm(4インチ)のウルスター・コ
ーティング・カラムを備えたユニ・グラッド(Uni-Gl
att)・流動床型塗布機中に入れた。これらの2種のビ
ースは色で容易に見分けられた。三酢酸セルロース(イ
ーストマンCA−436−80S)、ポリエチレングリ
コール400(可塑剤兼流出促進剤)12.5g、酒石酸
(水溶性細孔形成剤)50g、ジクロロメタン750m
l、およびメタノール250mlから調製した溶液をこ
れらのビーズに塗布した。すなわち、スプレーガンに2
気圧の噴霧用空気を送り、上記溶液を15ml/分の流
量で20分間噴霧塗布した。この間、ビーズはコーティ
ングカラム中で、周囲の空気加熱せずに適度の流速で流
すことによって流動状態に保った。被覆したビーズを装
置内で乾燥した後、集めた。これらのビーズは被覆後も
その色によって容易に見分けられた。スカーレットレッ
ドを含む赤色のビーズと、インドメタシンブチルエステ
ルを含む白色のビーズとを適当な個数づつ分けて取り、
試験に用いた。ビーズの被膜の厚みは約100μであっ
た。
これらの被覆したビーズからのスカーレットレッドおよ
びインドメタシンブチルエステルの生体外で放出速度を
米国薬局法のパドル溶解法を変更した方法によって測定
した。すなわち、37℃と水900mlをミリスチン酸
イソプロピル(IPM)50mlの上層と共に100rp
mで撹拌し、スカーレットレッドを含む被覆したビーズ
50個(全重量364mg)を1つのフラスコに入れ、イ
ンドメタシンブチルエステルを含む被覆したビーズ50
個(全重量329mg)を別の溶解フラスコに入れ、ビー
スから放出される脂質に溶けている染料又は活性物質の
分析を助けるため、IPMを50mlづつ両方のフラス
コに加えた。これらの被覆したビーズ試料の量は、通常
経口投与用硬質ゼラチンカプセルに充填する典型的な量
と同じである。図5に、微孔性被膜を有するビーズ(3
0)を充填した硬質ゼラチンカプセル(31)の一例を
示す。各ビーズは活性物質を含む担体脂質(27)とそ
の中に懸濁された浸透作用剤(28)とからなる芯部と
微孔性被膜(29)とから構成されている。胃腸の中で
カプセルの殻が溶けると、被覆されたビーズが胃腸管内
に放出される。微孔性被膜を有するこれらの2種のビー
ズから、夫々スカーレットレッドとインドメタシンブチ
ルエステルとが放出される速度を、溶解フラスコ中のI
PM層の514nm(スカーレトレッド)における吸光
度または320nm(インドメタシンブチルエステル)
における吸光度を夫々測定することによって求めた。塩
化ナトリウムの放出速度は溶解媒体の電導度を浸漬型電
導度セルで、放出期間中、定期的に測定することによっ
て求めた。各サンプリングの前に、被覆されたビーズを
媒体中で数秒間激しく撹拌することによって、ビーズの
外面に付着して脂質液滴を取除いた。13.25時間後、被
膜を有するビーズを溶解フラスコ内で砕き、残っていた
内容物をすべて放出した。このビーズの破壊後、最後の
試料で、各成分を分析して夫々の全含有量を求めた。途
中で放出された量はこの全含有量に対する百分率で表わ
し、図27および28に、放出されたスカーレットレッ
ド(*印)、インドメタシンブチルエステル(*印)、
および塩化ナトリウム(〇印)(浸透作用剤)の百分率
を時間に対してプロットして示す。
【図面の簡単な説明】
図1〜5は本脂質浸透ポンプの具体例であり、図6は実
施例で用いた試験装置を示すものであり、図7〜28は
実施例1〜12および14〜22において求めた放出曲
線を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジエニフアー ビー.ドレスマン アメリカ合衆国.48104 ミシガン.アン アルボー.イースト ウイリアム ストリ ート555.アパートメント 21エー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芯部と、(B)これを取囲む水に不
    溶の皮殻とからなり、 芯部は、 (i)有益な量の、水に実質的に不溶性で、脂質に溶解
    性および/又は湿潤性の、少なくとも一種の活性物質、 (ii)前記活性物質を溶解及び/又は懸濁するのに十分
    な量の、水に不溶で使用温度において液体である少なく
    とも一種の担体脂質、および (iii)前記担体脂質を芯部から皮殻外へ確実に放出す
    るのに十分な量の少なくとも一種の浸透作用剤からな
    り、 皮殻は、 (i)厚さが約1〜1000ミクロンであり、 (ii)前記浸透作用剤の水溶液によるよりも、前記担体
    脂質によって優先的に湿潤され、 (iii)透水率が約1×10−18〜4×10−15cm3
    sec/gであり、 (iv)水は透過するが前記浸透作用剤は実質的に透過し
    ない少なくとも一種の高分子から形成され、 (v)前記活性物質を通過させ放出する手段を有する ことを特徴とする脂質浸透ポンプ。
  2. 【請求項2】水に不溶の皮殻が有する、活性物質を放出
    する前記手段が芯部から皮殻の外部に通ずる1個の孔で
    ある、特許請求の範囲第1項に記載の脂質浸透ポンプ。
  3. 【請求項3】水に不溶の前記皮殻が微孔性であり、その
    ため、前記活性物質が水に不溶性の皮殻を通過して放出
    される、特許請求の範囲第1項に記載の脂質浸透ポン
    プ。
  4. 【請求項4】微孔性、非透水性の前記皮殻が、皮殻高分
    子150部あたり5〜100部の細孔形成用添加物を皮
    殻全体に分散させることによって造られる、特許請求の
    範囲第1項に記載の脂質浸透ポンプ。
  5. 【請求項5】前記細孔形成用添加物が、アルカリ金属
    塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩、有機酸、糖類、
    有機ポリオールからなる群からえらばれる、特許請求の
    範囲第4項に記載の脂質浸透ポンプ。
  6. 【請求項6】微孔性、水に不溶性の前記皮殻が、エッチ
    ト・ニュクレア・トラッキング、溶媒蒸発蒸気形成法、
    低温延伸法、高温延伸法、溶媒浸出法、イオン交換反応
    法、高分子電解質法からなる群からえらばれた方法によ
    って形成される、特許請求の範囲第3項に記載の脂質浸
    透ポンプ。
  7. 【請求項7】前記水に不溶性の皮殻が少なくとも二つの
    異なる高分子層からなり、芯部に接した層は前記浸透作
    用剤の水溶液によるよりも担体脂質によって優先的に湿
    潤される、特許請求の範囲第2項に記載の脂質浸透ポン
    プ。
  8. 【請求項8】前記担体脂質が37℃において液体であ
    る、特許請求の範囲第1項に記載の脂質浸透ポンプ。
  9. 【請求項9】前記担体脂質が、トリグリセリド、ココア
    バター、硬質バター、鉱油、ペトロラタム/鉱油混合
    物、サクワリン、弗化炭化水素、脂肪酸、脂肪酸エステ
    ル、およびこれらの混合物からなる群からえらばれる、
    特許請求の範囲第1項に記載の脂質浸透ポンプ。
  10. 【請求項10】水に不溶性の皮殻を形成するために用い
    られる前記高分子が、酢酸セルロース、二酢酸セルロー
    ス、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、
    酢酸酪酸セルロースからなる群からえらばれる特許請求
    の範囲第1項に記載の脂質浸透ポンプ。
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