JPH0654197U - 可変傾斜形バッテリスタンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォークリフトのバッテリ収納室のバッテリ
を交換するに際して、バッテリの引出し及び押し込みの
両作業を楽に行うことの可能な可変傾斜形バッテリスタ
ンドを提供する。 【構成】 バッテリＢが載置可能な載置台１の前端部側
には車体に係脱可能な係止フック５を、後端部側には支
脚４をそれぞれ備える。前記支脚４が地面に着地された
状態で前記係止フック５を車体に係止したときに前記載
置台１のバッテリ載置面が後下がりの傾斜となるように
設定する一方、載置台１の後部側には足踏み操作により
載置台後部を上昇してバッテリ載置面を前下がり状に傾
斜させるためのカム部材８とペダルアーム９からなる迫
上げ装置７を設ける。そして、バッテリ交換時に載置台
１の傾斜を変更してバッテリＢの引出し及び押し込みが
できるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主としてリーチ式バッテリフォークリフトのバッテリ交換に使用さ れる可変傾斜形バッテリスタンドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のバッテリ交換用のバッテリスタンドとしては、たとえば図５に示すよう なものが知られている。このバッテリスタンドは方形のフレーム２２に複数のロ ーラ２３を配設して構成した載置台２１を主体として構成され、該載置台２１の 前端部側に設けた係止フック２４をフォークリフトの車体２６に貫設した係合孔 ２７に係合した状態で後端部側の支脚２５により支持する構成となっている。 そして、図示の如く係止フック２４を車体２６の係合孔２７に係合した状態で はバッテリ載置面であるローラ２３の転動上面がやや後下がりに傾斜するように 設定されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上述したバッテリ載置面を後下がりに傾斜させた従来のバッテリス タンドの場合、フォークリフトのバッテリ収納室２８のバッテリＢをバッテリス タンドの載置台２１上へ引き出す作業を小さい力で楽に行い得るという利点が得 られる反面、バッテリ収納室２８へ押し込む場合には、大なる押し込み力が必要 となり、作業員の負担が大きいという問題がある。

【０００４】 そこで本考案は、上述の問題に鑑み、バッテリ交換に際してのバッテリの引出 し及び押し込みの両作業を楽に行うことの可能な可変傾斜形バッテリスタンドを 提供することを、解決すべき技術的課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は次のように構成したものである。すなわ ち、本考案に係る可変傾斜形バッテリスタンドは、バッテリが載置可能なローラ 付き載置台を主体にして構成され、該載置台の前端部側には車体に係脱可能な係 止フックを、載置台の後端部側には支脚をそれぞれ備え、前記支脚が地面に着地 された状態で前記係止フックを車体に係止したときに前記載置台のバッテリ載置 面が後下がりの傾斜となるように設定する一方、前記載置台の後部側には、足踏 み操作により載置台後部を上昇させてバッテリ載置面の後下がりの傾斜を解消さ せるための迫上げ装置を設置したことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

上述のように構成された本考案に係る可変傾斜形バッテリスタンドにおいては 、載置台の係止フックを車体の係合孔に係合した状態ではバッテリ載置面が後下 がりに傾斜するため、この姿勢のときはフォークリフトのバッテリ収納室内のバ ッテリを載置台上へ軽く引き出すことが可能となる。 一方、迫上げ装置を足踏み操作したときは、載置台の後部が上昇されてバッテ リ載置面の後下がりの傾斜が解消される、つまりバッテリ載置面が水平又は前下 がりとなるため、この姿勢では載置台上のバッテリをバッテリ収納室へ軽く押し 込むことが可能となる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。図１及び図２はそ れぞれ本実施例に係るバッテリスタンドの概略側断面を示している。図示のよう に、主としてリーチ式バッテリフォークリフトのバッテリ交換用として使用され るバッテリスタンドは、バッテリケースＢ（以下、単にバッテリという）が載置 可能な載置台１を主体として構成されている。この載置台１は方形状のフレーム ２に複数個の回転自在なローラ３を同一水平面上に配列して構成されており、そ の後端部側には左右一対の支脚４を備え、前端面には左右一対の係止フック５を 備えている。

【０００８】 そして、バッテリ交換に際し、載置台１は係止フック５をフォークリフトの車 体１２の側面に形成された位置決め用の係合孔１３に係合したときに前端部のロ ーラ３の高さが車体１２のバッテリ収納室１４に配列されたローラ１５の高さと 一致するよう設定され、またその状態ではバッテリ載置面を構成するローラ転動 上面が後下がりに傾斜するように前記支脚４の長さが設定されている。

【０００９】 また、前記載置台１の前側には補助脚６を設けてある。この補助脚６はバッテ リＢの交換作業中に前記係止フック５が離脱又は折損した場合の安全確保用であ って、前記後部の支脚４よりやや短めに設定され、係止フック５が車体１２の係 合孔１３に係合したときに地面から若干浮上するよう設定されている。 さらにまた、前記フレーム２の後部と両側部はローラ３の転動上面よりやや高 めに設定され、後部はバッテリＢの不用意な脱落を防止するストッパを構成し、 両側部はバッテリＢを位置決めするストッパを構成している。

【００１０】 しかして、上記構成のバッテリスタンドの後部には載置台１の後部を迫上げて 前下がりの傾斜姿勢を形成するための迫上げ装置７が設置されている。本実施例 の迫上げ装置７は、左右一対の迫上げ用カム部材８と、これに固着されて足踏み 操作されるペダルアーム９とから構成される。 具体的には、図３及び図４に示すように、左右のカム部材８は前記左右の支脚 ４間に配置され、支脚４の後端部間に水平に横架された支軸１１に回動可能に取 付けられている。カム部材８はその前側下面に一定範囲の平坦面８ａを有してお り、この平坦面８ａが通常時には地面ＧＬに着地されて載置台１の後側荷重を支 承するようになっている。

【００１１】 なお、平坦面８ａによる接地面は少なくともその回動中心を挟んで前後に及ぶ ことで安定化が図られ、そして平坦面８ａの後側端末部８ｂが載置台１の後部迫 上げ時の支点を構成するものであり、このことを考慮して回動中心からの後側端 末部８ｂまでの長さＬが設定されている。 また、前記ペダルアーム９は平面形が二股状をなし、その基部側が前記左右の カム部材８に溶接された状態で載置台１の後方へ延出され、その延出端にペダル １０が固着されている。

【００１２】 次に、上述のように構成された本実施例の可変傾斜形バッテリスタンドを使用 してのバッテリ交換作業について説明する。 バッテリスタンドは図１に示すように、係止フック５を車体１２の係合孔１３ に係合することでセットされる。このセット状態では図示の如くバッテリ載置面 が後下がりの傾斜姿勢となる。従って、この状態では車体１２のバッテリ収納室 １４内のバッテリＢを取手１６を掴んでバッテリスタンドの載置台１上へ楽に引 き出すことができる。

【００１３】 一方、載置台１上のバッテリＢを車体１２のバッテリ収納室１４へ押し込むに 際しては、まず載置台１の後部を上昇させる。すなわち、ペダル１０を踏み込む と、カム部材８が接地面８ａの後側端末部８ｂを支点にして回動変位されるため 、該カム部材８の前端部側と支軸１１を介して連結している支脚４が迫上げられ ることになる。 従って、ペダル１０を最大に踏み込んで載置台１の後部を上昇したときは、図 ２に示すように、バッテリ載置面が前下がりの傾斜姿勢に変更されるため、この 状態では載置台１上に置かれたバッテリＢを車体１２のバッテリ収納室１４内に 楽に押し込むことができる。

【００１４】 なお、このとき、係止フック５が車体１２の係合孔１３に係合されており、載 置台１は後方への移動が阻止されているため、結果的にはカム部材８の地面との 接地点が前方へずれることになるが、このこと自体は迫上げ作業を実施する上で 特に問題とはならない。 ところで、バッテリスタンドの載置台１に対するバッテリＢの搬出入は、一般 には、他のフォークリフトやクレーンを利用して行われるようになっている。

【００１５】 しかして、本実施例の載置台１の迫上げ装置７は、いわゆる梃子を利用したも のであり、足踏み操作時の支点から力点としての支軸１１の中心までの距離Ｌに 対して支点から力の作用点であるペダル１０までの距離Ｌ１を大きく設定するこ とで操作力を軽減することが可能となる。

【００１６】 なお、本実施例では迫上げ装置７を支脚４との関連において設置した場合とし たが、支脚４から完全に独立した形態で設置しても差し支えない。また、本実施 例では迫上げ装置７として、梃子を利用した場合で説明したが、これに限るもの ではなく、たとえばねじ式ジャッキ等のようなねじを利用する迫上げ機構であっ ても実施可能である。

【００１７】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案によれば、バッテリ交換に際して載置台のバッテ リ載置面を前後に傾斜して使用できるため、バッテリの引出し及び押し込み時の 操作力を軽減して交換作業の簡便化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る可変傾斜形バッテリスタ
ンドを示す縦断面図であり、後下がりの傾斜時を示す。

【図２】同じく可変傾斜形バッテリスタンドを示す縦断
面図であり、前下がりの傾斜時を示す。

【図３】迫上げ装置を示す側面図である。

【図４】図３のＡ矢視図である。

【図５】従来のバッテリスタンドを示す断面図である。

【符号の説明】

１…載置台 ２…フレーム ３…ローラ ４…支脚 ５…係止フック ７…迫上げ装置 ８…カム部材 ９…ペダルアーム １２…車体 １３…係合孔 １４…バッテリ収納室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バッテリが載置可能なローラ付き載置台
   を主体にして構成され、該載置台の前端部側には車体に
   係脱可能な係止フックを、載置台の後端部側には支脚を
   それぞれ備え、前記支脚が地面に着地された状態で前記
   係止フックを車体に係止したときに前記載置台のバッテ
   リ載置面が後下がりの傾斜となるように設定する一方、
   前記載置台の後部側には、足踏み操作により載置台後部
   を上昇させてバッテリ載置面の後下がりの傾斜を解消さ
   せるための迫上げ装置を設置した可変傾斜形バッテリス
   タンド。