JPH0654108U - 車輌用前照灯 - Google Patents

車輌用前照灯

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JPH0654108U
JPH0654108U JP9299992U JP9299992U JPH0654108U JP H0654108 U JPH0654108 U JP H0654108U JP 9299992 U JP9299992 U JP 9299992U JP 9299992 U JP9299992 U JP 9299992U JP H0654108 U JPH0654108 U JP H0654108U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輌用前照灯において中遠方の視認性の向上
とグレアの低減との両立を図る。 【構成】 反射面を2つの反射領域4(1)、4(2)
に区分する。反射領域4(1)はフィラメント7の中心
に焦点F1を有する回転放物面であり、反射領域4
(2)の基本面は、光軸を含む水平面での断面形状が放
物線(焦点F2がフィラメントより前方に位置する。)
とされ、また光軸を含む鉛直面での断面形状が放物線
(焦点D2がフィラメントの後端近傍に位置する。)と
されるような曲面である。反射領域4(1)による投影
パターン25(1)を配光パターンの光度中心部の形成
に寄与するパターンとし、反射領域4(2)による投影
パターン25(2)を前面レンズのレンズステップによ
って左右方向に拡散させるとともにその一部を上方に持
ち上げて路肩方向に向かう光を得る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案車輌用前照灯は、グレアの著しい増大を伴うことなく中遠方での視認性 を向上させることができる新規な車輌用前照灯を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用前照灯の配光パターンを形成する上で基本的な方法は、回転放物面状 の反射鏡の焦点近傍に光源を配置し、反射鏡による投影パターンを前面レンズの レンズステップによって拡散させることである。
【0003】 図15は回転放物面による集光性の投影パターンaを前面レンズによって上下 左右に拡散させたときのパターンbを示すものであり、図中「H−H」線は水平 線を示し、「V−V」線は鉛直線を示す。
【0004】 このパターンbにおいて水平線H−Hの直ぐ上で鉛直線V−Vの右側に位置す る領域c(図に斜線で示す。)は、パターンaをレンズステップによって右方に 拡散することによって形成される。
【0005】 図16はレンズステップの一部を示す断面図であり、右方拡散作用だけを有す るレンズステップを形成する際には型抜きの都合上dの範囲で示すようなライザ ー部が隣接するレンズステップの境界に生じ、この部分への入射光は光eに示す ように透過後に所望の方向とは逆の方向に屈折されてしまうことになり、これが グレアの原因となってしまう。
【0006】 つまり、路肩方向への照射光量を大きくしようとすると、ライザー部に起因す るグレアが目立つようになるため、路肩方向の視認性を向上させるのに困難が伴 う。特に高光束のメタルハライドランプを光源として用いた場合においてその影 響が顕著となる。
【0007】 そこで、レンズステップの拡散作用のみに頼ることなく路肩方向への照射光を 得ることができるように反射面を複数の領域によって構成する方法が用いられる 。 図17はその一例を示すものであり、反射鏡Rを正面から見て2つの領域A 、Bに分け、領域Aの上部に領域Bを設けたものである。
【0008】 これらの領域A、Bはいずれも回転放物面の基本形状を有し、それらの焦点位 置は図18に示すように設定される。
【0009】 即ち、光軸をx軸とし、これに直交する鉛直軸をz軸に選んだ場合に、x軸に 沿ってフィラメントfが配置されるとともに、領域Aの焦点FAがフィラメント fの中心に位置され、領域Bの焦点FBがフィラメントfの前端から前方に距離 lをおいてx軸上に位置される。
【0010】 図19は反射鏡Rの投影パターンと前面レンズを通して拡散されたパターンと を併せて示すものである。
【0011】 領域Aによるパターンgは水平線H−Hに跨って鉛直線V−Vの右側に位置す る集光性のパターンであり、また、領域Bによるパターンhはパターンgの下方 に位置する扇形のパターンである。
【0012】 これらのパターンをレンズステップによって拡散させたものがパターンiであ り、矢印Cに示すように光の一部を上げることによって路肩方向への光としてい る。
【0013】 このように領域Bによってある程度拡がりをもつパターンを作っておき、その 一部をレンズステップの作用によって上方に移動させるようにすれば、路肩方向 に光を向ける場合にはライザー部による光が下方に向けられるため、グレアを低 減することができる。
【0014】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の反射鏡にあっては回転放物面を用いているために図19 に示すようにパターンgとパターンhの間に暗部jが生じ、配光パターンの形成 上好ましくない影響を与えてしまうという問題がある。
【0015】 尚、暗部jを取り除くためには焦点FBに係る距離lを小さくすれば良く、こ れによって図20に示すようにパターンgとパターンhとが接近して部分的に重 なるようになるが、その弊害として光源の管壁等が2次光源となり、同図に斜線 の範囲kで示すようにパターンgの上方でグレアが顕著になってしまうという不 都合が残る。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで本考案車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、すれ違いビー ムを形成し得るように反射鏡の反射面が複数の反射領域から構成され、反射鏡の 前方に配置される前面レンズにレンズステップが形成された車輌用前照灯におい て、光源体をその中心軸が反射鏡の光軸に沿うように配置するとともに、反射面 の中央反射領域を回転放物面状とし、その焦点を光源体の略中心に位置させる。 この中央反射領域の上方に位置する反射領域の基本面は、光軸を含む水平面で 切った時の断面形状が放物線とされ、その焦点が光源体の前方の光軸上に位置す るとともに、光軸を含む鉛直面で切った時の断面形状が放物線とされ、その焦点 が光源体の後端近傍に位置する。
【0017】 そして、前面レンズのうち上記反射領域に対応した領域に形成されるレンズス テップに対して水平方向への拡散作用を付与するとともに、反射領域による投影 パターンの一部を上方を移動させて路肩方向に向ける作用を付与する。
【0018】
【作用】
本考案車輌用前照灯によれば、回転放物面の焦点位置に対して光源を光軸上で 変位させることによっては得ることのできないパターン、つまり水平方向に拡が りをもち、かつ、鉛直方向には絞られた投影パターンを中央反射領域の上方に位 置する反射領域によって水平線に近接した位置に形成することができるため、回 転放物面状の中央反射領域とその上方の反射領域による投影パターンの間に暗部 が生じることはなく、2次光源によるグレアも目立たなくなる。
【0019】 そして、中央反射領域の上方に位置する反射領域による投影パターンの一部を 前面レンズに形成されたレンズステップによって上方に移動させることによって 路肩方向への光を得ることができ、その際には、ライザー部による光が下方に向 けられるため、グレアの発生を伴うことはない。
【0020】
【実施例】
以下に、本考案車輌用前照灯の詳細を図示した各実施例に従って説明する。
【0021】 図1乃至図8は本考案の第1の実施例1を示すものである。
【0022】 図1は反射鏡2の正面図であり、その反射面3は反射領域4(1)、4(2) に2分されている。
【0023】 尚、反射面3に関する座標系の設定については、反射鏡2の光軸をx軸に選び (図1ではx軸は紙面に垂直な方向に延びている。)、x軸に直交しかつ水平方 向に延びる軸をy軸(図1の右方を正方向とする。)に選んでおり、x軸に垂直 でかつ鉛直方向に延びる軸をz軸(図1の上方を正方向とする。)に選んでいる 。そして、この直交座標系の原点Oが正面から見て電球取付孔5の中心に位置し ている。
【0024】 y軸に平行に延びる線分6は反射領域4(1)、4(2)の境界を観念的に示 すものであり、線分6を含みx軸に平行な平面の下側に反射領域4(1)が位置 し、該平面の上側に反射領域4(2)が位置している。
【0025】 反射領域4(1)は主として配光パターンにおける中心部の形成に寄与する領 域であり、その形状は回転放物面状をしている。
【0026】 反射領域4(2)はy−z平面の第1象限及び第2象限に亘って位置し、主と して路肩方向への光と水平方向への拡散された光を得るために設けられている。 この反射領域4(2)の基本面の形状は、本願出願人が既に特願平3−238 30号において開示したものであり、その概要を簡単に説明すると次のようにな る。
【0027】 図3において、フィラメント7はその中心軸がx軸に沿って配置されるととも に、点F(以下、「第1焦点」という。)と点D(点Fからx軸の正方向に距離 dだけ偏位した点であり、以下「第2焦点」という。)との間に位置されている 。
【0028】 尚、フィラメント7の方位を便宜上明確にするために、「フィラメント7につ いて、その端部のうち点F側の端部を円錐状に尖った形状とし、点D側の端部を 平坦面とする鉛筆形状を仮定する。」という約束を設ける。
【0029】 先ず、x−y平面上で、点Fを焦点とする放物線8を考える。
【0030】 フィラメント7の後端近傍の点Fから出た光9は、放物線8上の点P3で反射 した後、x軸に平行な方向に出射される。
【0031】 また、フィラメント7の前端近傍の点Dから出た光は点P3で反射した後、遠 方に配置されたスクリーンSCN上の点RCに向けて出射され、光軸と交差する 光10(つまり、ベクトルP3_RCを方向ベクトルとする光)となる。
【0032】 今、別の放物線11を考える。この放物線11はベクトルP3_RCに平行な 光軸を有し、点Dを焦点とするものであり、図では点P3において放物線8に対 して傾斜している。
【0033】 この放物線11をその光軸回りに回転することによって回転放物面を得ること ができ、ベクトルP3_RCを含みx−y平面に直交する平面でこの回転放物面 を切断することによって放物線12が得られる。
【0034】 点P3を放物線8上に沿って動かすことによって放物線12の集合体としての 曲面が生成される。
【0035】 スクリーンSCN上にフィラメント像が映し出される途中段階において面13 上に写し出される像に関しては、点P3による像14が水平線H−Hに対して平 行になり、放物線12上で点P3より下方の点P5による像15が水平線H−H に対してある角度をなし、点Dから発した後点P3で反射した光10と、点Dか ら発した後点P5で反射した光16とが平行になる。
【0036】 従って、フィラメント像14、15の平坦な端部に関する光が平行となるよう に交線の形状が規定されているため、これらの平行光が遠方で一致する点RCを 回転中心としてフィラメント像17、18が位置されることになる。
【0037】 図4は点P3、点P5、そして放物線12上において点P3と点P5との間に 位置する点P4による各フィラメント像の配置を概略的に示すものである。
【0038】 図において、J(X)は( )内に示す各代表点Xに対応するフィラメント像 の位置を示しており、点P3、P4、P5によるフィラメント像J(P3)、J (P4)、J(P5)は水平線H−H上の点RCを回転中心とした配置となる。 即ち、フィラメント像は反射点がP3→P4→P5へと下るに従って矢印Mに 示すように点RCを中心にして反時計回り方向に回転し、フィラメント像の平坦 な端部が常に点RCの方を向くようにして水平線H−Hの下側に位置する。
【0039】 図5は基本面の形成について示すものであり、図中の点Pはx−y平面内の放 物線8上に位置する任意の点(パラメータqを導入することにより点Pの座標を P(q/f,−2q,0)と表すことができる。)を示しており、点Fから発 した光が点Pにおいて反射したとするとその反射光19はx軸に平行に直進する (進行方向をベクトルPSで示す。)。
【0040】 また、点Dから発した後点Pにおいて反射した光20は反射の法則に従って光 19より小さな反射角をもって反射し、光19に対してある角度(これを「α」 と記す)をもって直進する(進行方向をベクトルPMで示す。)。
【0041】 ところで、今、点Dを焦点とし、点Pを通り光線ベクトルPMに平行な光軸を 有する仮想的な回転放物面21(2点鎖線で示す)を考え、光線ベクトルPMを 含み、かつ、z軸に平行な平面(これを「π1」と記す。)で回転放物面21を 切ったときの断面形状(つまり、回転放物面21と平面π1との交線22)につ いて考える。
【0042】 この断面形状(破線で示す。)が放物線状をしていることは勿論であるが、点 Dから発した後、この交線22上の任意の点で反射した光が互いに平行であると いう関係が成立するという事情に関して図3で示した状況に合致している。
【0043】 このように放物線8上の任意の点P毎に対応した仮想回転放物面と、該仮想回 転放物面の光軸に平行で、しかも点Pを通るz軸に平行な平面との交線の集合が 基本面となる。
【0044】 この曲面を[表1]に示すパラメータを用いた媒介変数表示による表現すると [数1]式のようになる。
【0045】
【表1】
【0046】
【数1】
【0047】 尚、[数1]式の導出過程については、説明の煩雑化を避けるためにあえて割 愛するが、上記の説明と代数幾何の初等的な知識のみで求めることができる。
【0048】 また、[数1]式は回転放物面をd=0という特殊な場合として含んでいるこ とが分かる。
【0049】 さらに、上述した放物線8を、x−y平面から角度θをもって光軸回りに回転 させた面上の放物線として[数1]式を一般化したものが[数2]式である。
【0050】
【数2】
【0051】 図2は反射面3に対するフィラメント7と焦点の位置関係を示すものであり、 フィラメント7はその中心軸がx軸に沿って配置されている。
【0052】 点F1は反射領域4(1)の焦点であり、原点Oから距離f1だけ離れたx軸 上においてフィラメント7の中心に位置している。
【0053】 つまり、反射領域4(1)は、[数2]式にf=f1、d=0、θ=0を代入 した式で表現される。
【0054】 点F2は反射領域4(2)の第1焦点であり、原点Oから距離f2(>f1) だけ離れたx軸上に位置する。
【0055】 また、点D2は反射領域4(2)の第2焦点であり、原点Oから距離f2+d 2(但し、d2<0であり、f2+d2<f1とされている。)だけ離れたx軸 上に位置する。尚、上記した基本面の説明では第2焦点Dを第1焦点Fの前方に 配置した場合を示したが、d2が負値であることから明らかなように反射領域4 (2)の第2焦点D2は第1焦点F2の後方に位置されている(図2ではフィラ メント7の前端と後端について前記の約束とは逆になっていることに注意を要す る。)。
【0056】 反射領域4(2)は、[数2]式にf=f2、d=d2、θ=0を代入した式 で表現される。
【0057】 以上のパラメーターに関する設定の状況を表形式にまとめると下表のようにな る。
【0058】
【表2】
【0059】 図2では反射領域4(2)をx−y平面まで延長したと仮定したときにx−z 平面上の放物線上の反射点によるフィラメント像23V、x−y平面上の放物線 上の反射点によるフィラメント像23Hを代表として示しており、これらが遠方 のスクリーン上に投影された時の投影像がそれぞ24V、24Hである。
【0060】 [数1]式によれば、基本面のx−y平面での断面形状が焦点距離fの放物線 であり、x−z平面での断面形状が焦点距離f+dの放物線となる(q=0とお けば良い。)ことは明らかである。
【0061】 よって、投影パターンの鉛直方向における拡がりの度合は第2焦点D2とフィ ラメント7との位置関係によって規定され、また、投影パターンの水平方向にお ける拡がりの度合は第1焦点F2とフィラメント7との位置関係によって規定さ れることになる。
【0062】 反射領域4(2)については水平方向への拡散されたパターンが得られるよう に第1焦点F2を原点Oから遠い方のフィラメント端より前方に設定しており、 また、鉛直方向における投影パターンについてはそれ程拡がりを持たせる必要が ないので、第2焦点D2を原点Oから近い方のフィラメント端の近傍に設定して いる。
【0063】 図6は各反射領域4(1)、4(2)によって得られる投影パターン25(1 )、25(2)を示すものである。
【0064】 尚、図中「H−H」線は水平線を示し、「V−V」線は鉛直線を示しており、 点oは両線の交点を示している。但し、点oはスクリーン上においてx軸の延長 線上に位置する点ではなく、反射鏡2の光軸を水平面において右側に傾けること によって規定配光に適合するように反射鏡2が配置されている。
【0065】 反射領域4(1)による投影パターン25(1)はある範囲に限定された集光 性のパターンであり、反射領域4(2)による投影パターン25(2)は鉛直方 向に比して水平方向に拡がったパターンである。
【0066】 投影パターン25(2)の上縁はフィラメント像の一端部が水平線H−Hに沿 ってその直下に並んだ配置をとることによって形成され、かつ鉛直方向への拡が りが抑えられるため、投影パターン25(1)との間に暗部が生じることはない 。
【0067】 最終的な配光パターンはこれらの投影パターンを前面レンズに形成されるレン ズステップによって拡散させることによって得られ、図7に26で示すようなパ ターン(右側通行の場合の配光パターン)となる。
【0068】 図7に矢印W、Wで示すように投影パターン25(2)が水平方向に拡散され 、また矢印Uで示すように投影パターン25(2)のうち右肩の部分RSが水平 線H−Hの直ぐ上に移動される。
【0069】 図8は前面レンズの制御区分を概略的に示すものであり、前面レンズ27にお いて反射領域4(2)に対応した領域28のうち左上寄りの領域28(1)に形 成されるレンズステップが路肩方向への照射光を得るために投影パターン25( 2)の部分RSを上方に移動させる作用を有し、残りの領域28(2)に形成さ れるレンズステップが投影パターン25(2)の大半を水平方向に拡散させる作 用を有する。
【0070】 尚、図2に示したように反射領域4(2)の反射光は水平方向において光軸と 交差しないようにされているが、これは反射光が光軸と交差するとレンズ面にお いて1のレンズステップに2種類以上の光が入射されることになり、配光パター ンを形成する上での光制御が困難になってしまうためである。
【0071】 図9乃至図14は本考案の第2の実施例を示すものである。
【0072】 尚、この第2の実施例に示す車輌用前照灯1Aが前記第1の実施例に示す車輌 用前照灯1と相違する点は、反射鏡に係る領域区分とこれに対応した前面レンズ の制御区分である。従って、以下では両者の相違点を中心にして説明し、第1の 実施例1と機能上相違しない部分についてはその各部に第1の実施例1における 各部に付した符号と同じ符号を付することによってその説明を省略する。
【0073】 図9は反射鏡2Aの正面図であり、その反射面3Aは配光制御に関して3つの 反射領域に区分されており、反射領域4(2)の下に位置する領域が反射領域2 9(1)、29(2)に分けられている。
【0074】 尚、反射面3Aに関する座標系の設定については、反射鏡2Aの光軸をx軸に 選び(図9ではx軸は紙面に垂直な方向に延びている。)、x軸に直交しかつ水 平方向に延びる軸をy軸(図9の右方を正方向とする。)に選んでおり、x軸に 垂直でかつ鉛直方向に延びる軸をz軸(図9の上方を正方向とする。)に選んで いる。そして、この直交座標系の原点Oが正面から見て電球取付孔30の中心に 位置している。
【0075】 y−z平面の第3象限において原点Oを通り左斜め下方に延びる線分31、第 4象限において原点Oを通り右斜め下方に延びる線分32は反射領域29(1) 、29(2)の境界を観念的に示すものであり、これらの線分とx軸を含む2平 面の上側に反射領域29(1)が位置し、該2平面の下側に反射領域4(2)が 位置している。
【0076】 前記した第1の実施例においては反射面3に占める反射領域4(1)の割合が 大きいため配光パターンの光度中心部の形成を重視したものとなるが、この第2 の実施例にあっては路肩方向への光や水平方向への拡散光を増やしたいという要 請に応じることができる。
【0077】 反射領域29(1)は主として配光パターンにおける中心部の形成に寄与する 領域であり、回転放物面状をなしている。
【0078】 また、反射領域29(2)はy−z平面の第3象限及び第4象限に亘って位置 し、主として路肩方向の光と水平方向への拡散された光を得るために設けられて おり、反射領域4(2)と同様に一般式[数2]で表される基本面の形状を有し ている。
【0079】 図10は反射面3Aに対するフィラメント7と反射領域29(1)、29(2 )の焦点との位置関係を示すものであり、フィラメント7はその中心軸がx軸に 沿って配置されている。
【0080】 点K1は反射領域29(1)の焦点であり、原点Oから距離k1だけ離れたx 軸上においてフィラメント7の中心に位置している。
【0081】 つまり、反射領域29(1)は、[数2]式にf=k1、d=0、θ=0を代 入した式で表現される。
【0082】 点K2は反射領域29(2)の第1焦点であり、原点Oから距離k2(>k1 )だけ離れたx軸上に位置しており、原点Oから遠い方のフィラメント端からあ る距離をおいて位置されている。
【0083】 また、点E2は反射領域29(2)の第2焦点であり、原点Oからの距離がk 2+e(但し、e<0)とされたx軸上に位置し、原点Oから遠い方のフィラメ ント端の近傍に設定されている。
【0084】 つまり、反射領域29(2)による投影パターンについてその水平方向への拡 がりを第1焦点K1とフィラメント7との位置関係によって規定し、投影パター ンの鉛直方向については光は水平線H−Hの下側に向ける必要性から第2焦点E 2をフィラメント7の前端近傍に設定している。
【0085】 尚、反射領域4(2)の焦点位置については図2に示した通りである。
【0086】 図11、図12は各反射領域29(1)、29(2)によって得られる投影パ ターン33(1)、33(2)をそれぞれ示すものである。
【0087】 反射領域29(1)による投影パターン33(1)はある範囲に限定された集 光性のパターンであり、また、反射領域29(2)による投影パターン33(2 )は鉛直方向に比して水平方向に拡がったパターンとなり、反射領域4(2)の 投影パターン25(2)に似たパターンとなるが、フィラメント像は投影パター ン25(2)より放射状に近い配置となる。
【0088】 図13は投影パターンを合成したパターン34とこれを前面レンズに形成され るレンズステップによって拡散することによって得られる配光パターン35を示 すものである。
【0089】 同図に矢印W、Wで示すように投影パターン33(2)、25(2)が水平方 向に拡散され、また矢印Uで示すように投影パターン33(2)、25(2)の うち右肩の部分RSが水平線H−Hの直ぐ上に移動される。尚、HZの範囲は光 度中心部を示す。
【0090】 図14は前面レンズの制御区分を概略的に示すものであり、前面レンズ36に おいて反射領域4(2)に対応した領域28については前記した前面レンズ27 と同じ区分とされており、反射領域29(2)に対応した略台形状の領域37に ついては、これに形成されるレンズステップが水平方向への拡散作用を有する。 尚、上記した実施例にあっては反射領域4(2)、29(2)をx−z平面に 関して対称性を有する形状としたが、必ずしもこのようにする必要はなく一般に は非対称な面構成を採ることができる(但し、x−z平面に関して片側(本例で はy>0の側)の面形状については路肩方向への光を得るために所定の条件を満 たす必要がある。)。
【0091】
【考案の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本考案車輌用前照灯によれば、回 転放物面状をした中央反射領域によって配光パターンの光度中心部の形成に寄与 する投影パターンを得るとともに、中央反射領域の上方に位置する反射領域によ って水平方向に拡がりをもち、かつ、鉛直方向には絞られた投影パターンを水平 線に近接した位置に形成することができるため、回転放物面状の中央反射領域と その上方の反射領域による投影パターンの間に暗部が生じることはなく、2次光 源によるグレアも目立たなくなる。
【0092】 そして、中央反射領域の上方に位置する反射領域による投影パターンの一部を 前面レンズに形成されたレンズステップによって上方に移動することによって路 肩方向への光を得ることができ、その際には、ライザー部を通る光が下方に向け られるため、グレアの発生を伴うことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例に係る反射面の構成を示
す正面図である。
【図2】フィラメントの配置及び反射領域の焦点位置を
示す斜視図である。
【図3】本考案の基本面に関する光路図である。
【図4】本考案の基本面についてフィラメント像の配置
を示す図である。
【図5】本考案の基本面について説明するための概略的
な斜視図である。
【図6】反射領域4(1)、4(2)による投影パター
ンを概略的に示す図である。
【図7】図6の投影パターンに対する水平拡散と右肩部
の上方移動について説明するための図である。
【図8】第1の実施例に係る前面レンズの制御区分につ
いて概略的に示す図である。
【図9】本考案の第2の実施例に係る反射面の構成を示
す正面図である。
【図10】フィラメントの配置及び反射領域の焦点位置
を示す斜視図である。
【図11】反射領域29(1)による投影パターンを概
略的に示す図である。
【図12】反射領域29(2)による投影パターンを概
略的に示す図である。
【図13】各反射領域による合成パターンに対する水平
拡散と右肩部の上方移動について説明するための図であ
る。
【図14】第2の実施例に係る前面レンズの制御区分に
ついて概略的に示す図である。
【図15】従来の配光パターンの形成方法についての説
明図である。
【図16】レンズステップの要部を示す概略図である。
【図17】配光制御区分が2分された構成を有する反射
鏡の正面図である。
【図18】図17の反射鏡に対するフィラメント配置と
焦点位置を示す図である。
【図19】図17の反射鏡による投影パターンと前面レ
ンズ透過後の配光パターンを示す図である。
【図20】2次光源によるグレアの発生について説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 車輌用前照灯 2 反射鏡 3 反射面 4(1) 中央反射領域 F1 焦点 4(2) 反射領域 F2、D2 焦点 x 光軸 7 光源体 27 前面レンズ 28 領域 1A 車輌用前照灯 2A 反射鏡 3A 反射面 29(1) 中央反射領域 K1 焦点 29(2) 反射領域 K2、E2 焦点 36 前面レンズ 37 領域

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すれ違いビームを形成し得るように反射
    鏡の反射面が複数の反射領域から構成され、反射鏡の前
    方に配置される前面レンズにレンズステップが形成され
    た車輌用前照灯において、 (イ)光源体の中心軸が反射鏡の光軸に沿って配置され
    ること、 (ロ)反射面の中央反射領域が回転放物面状をなし、そ
    の焦点が光源体の略中心に位置すること、 (ハ)中央反射領域の上方に位置する反射領域の基本面
    は、これを光軸を含む水平面で切った時の断面形状が放
    物線とされ、その焦点が光源体の前方の光軸上に位置す
    るとともに、光軸を含む鉛直面で基本面を切った時の断
    面形状が放物線とされ、その焦点が光源体の後端近傍に
    位置すること、 (ニ)前面レンズのうち(ハ)の反射領域に対応した領
    域に形成されるレンズステップは水平方向への拡散作用
    を有するとともに、反射領域による投影パターンの一部
    を上方を移動させる路肩方向に向ける作用を有するこ
    と、を特徴とする車輌用前照灯。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した車輌用前照灯におい
    て、中央反射領域の下方に反射領域を設け、その基本面
    が、これを光軸を含む水平面で切った時の断面形状が放
    物線とされ、その焦点が光源体の前方の光軸上に位置さ
    れるとともに、光軸を含む鉛直面で基本面を切った時の
    断面形状が放物線とされ、その焦点が光源体の前端近傍
    に位置されており、前面レンズのうち当該反射領域に対
    応した領域に形成されるレンズステップが水平方向への
    拡散作用を有していることを特徴とする車輌用前照灯。
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