JPH0654088U - 鍵盤組体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造でコストを増加させることなく確
実に鍵ユニット同士を固定保持できる鍵盤組体構造を提
供する。 【構成】 複数の鍵４を基端部３に対し揺動可能に支持
した複数の鍵ユニット１，２の上記基端部３を重ね合せ
た構造であって、下側の基端部の上面に突出部７を設
け、該突出部７に対応する凹部６を上側の基端部に設け
て該突出部を上記凹部に嵌合させた鍵盤組体構造におい
て、上記突出部７の外側面または凹部６の内側面に圧接
用小突起１１を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子楽器の鍵盤構造に関し、特に複数の鍵ユニットを重ねて一連の 鍵盤部を構成する鍵盤組体構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電子楽器の鍵盤は、複数の鍵を有する鍵ユニットを、鍵の位置をずらせて２段 または３段に重ねて一連の鍵盤部を構成する。この鍵ユニットは、直線状の共通 基端部に対しこれと直交方向に、複数の鍵を揺動可能に取付けた構成であり、各 鍵ユニットの共通基端部同士が重ね合わされる。この基端部には上面側に矩形の 突出部が形成され、この突出部形状に対応してその内面側に凹部が形成される。 鍵盤の組立時には、上側の鍵ユニット基端部内面の凹部に下側の鍵ユニット基端 部外面の突出部を嵌合させて積層鍵盤組体構造を構成する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の鍵盤組体構造においては、鍵ユニットを重ね合わせた後 の相互の固定が不十分であったため、組体が分離しやすくなって取扱い性が悪く その後の鍵フレームへの取付け作業等がやりにくいものであった。

【０００４】 このような点を改良するため従来、スナップ式の弾発性係止つめとこのつめが 係入する孔を設けて鍵ユニット同士を固定保持する構造や、予め鍵ユニットに接 着剤を塗布し組立後に接着剤を加熱して鍵ユニット同士を熱溶着させた構造ある いは複数の鍵ユニツトを重ねてその状態で熱かしめ固定法にて各鍵ユニット間を 固着する構造等が用いられていた。

【０００５】 しかしながら、スナップ式の係止つめを用いた場合には構造が複雑となって、 部品製造が面倒になるとともにコストの増加を招いていた。また接着剤を用いる 構造においては、組立作業の工程数が多くなって作業が面倒になりまた前記接着 剤法および熱かしめ固定法においては組立後の分離ができないため部品交換時に 全体を取替えなければならないという問題もあった。

【０００６】 本考案は上記従来技術の欠点に鑑みなされたものであって、簡単な構造でコス トを増加させることなく確実に鍵ユニット同士を固定保持できる鍵盤組体構造の 提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案に係る鍵盤組体構造は、複数の鍵を基端部に 対し揺動可能に支持した複数の鍵ユニットの上記基端部を重ね合せた構造であっ て、一方の基端部に突出部を設け、該突出部に対応する凹部を他方の基端部に設 けて該突出部を上記凹部に嵌合させた鍵盤組体構造において、上記突出部の外側 面または凹部の内側面に圧接用小突起を設けている。

【０００８】

【作用】

一方の鍵ユニットの凹部内に他方の鍵ユニットの突出部を嵌合させたとき、凹 部側または突出部側に設けた小突起が凹部または突出部に対し圧接し、突出部が 凹部内に圧入状態となって固定保持される。

【０００９】

【実施例】

図１は、本考案の実施例に係る鍵盤組体構造の一部を示す分解斜視図であって 、例えばＣ、Ｅ、Ｇ、Ｂ、の白鍵ユニットとＤ、Ｆ、Ａ、の白鍵ユニットと黒鍵 ユニットとを３段重ねで構成する鍵盤のうち、白鍵ユニット２つを一部のみ示し たものである。図は重ね合わせする２つの鍵ユニット１，２を下側からみた状態 を示す。各鍵ユニット１，２は、直線状の共通基端部３と、この基端部３に対し 揺動可能に支持された複数の鍵４を有する。各鍵４は弾性支持部５を介して基端 部３に対し一体的にプラスチック材料によりモールド成形される。この弾性支持 部５の弾性作用により各鍵４が基端部３に対し揺動可能となる。

【００１０】 各鍵ユニット１，２の共通基端部３には、上面側（図では下側）に矩形の突出 部７が適当な間隔で複数の位置に形成され、各突出部７の内面側に凹部６が形成 される。８は透孔であり、鍵ユニット重ね合せ後の鍵組体を楽器本体フレーム等 に固定する場合にネジがこの透孔８を挿通する。鍵ユニット１の基端部３には位 置合せ用の穴９が設けられ、相手側鍵ユニット２の基端部３の突起１０が嵌入し て相互の位置合せが達成される。

【００１１】 この実施例においては、鍵ユニット２の基端部３の各凹部６の内側面に小突起 （リブ）１１が形成される。このリブ１１は実質上三角形断面形状で相手側鍵ユ ニット１の突出部７の挿入方向に沿って縦方向に設けられる。このようなリブ１ １をプラスチック弾性体からなる鍵ユニットと一体成形により設けることにより 、両鍵ユニット１，２を重ね合わせて鍵ユニット１の突出部７を鍵ユニット２の 凹部６内に嵌入させたときに、リブ１１の頂部が弾性変形して突出部７の側面に 圧接し突出部７が凹部６内に圧入状態で嵌合し鍵ユニット１，２同士が相互に固 定保持される。リブ１１は、適当な圧入力を得るために、三角形の頂角を約９０ 度とし突出高さを例えば０．１〜０．２ｍｍ程度に形成し、また挿入動作を円滑 に行うために、入口側端部はＲ＝０．３ｍｍ程度で丸みを帯びていることが望ま しい。

【００１２】 図２は、本考案の別の実施例の分解斜視図である。この実施例は、前述のリブ １１を突出部７の外側面に設けた構成である。このリブ１１の作用効果は前記図 １の実施例の場合と同じである。この実施例は、黒鍵ユニット２２と２つの白鍵 ユニット２４，２６を重ね合わせて１オクターブの鍵盤部分を構成する３段の積 層組体構造である。黒鍵ユニット２２は基端部２７に複数の黒鍵２１を揺動可能 に支持した構成であり、内面（図の下側）に前述の凹部（図示しない）が形成さ れこの凹部内に白鍵ユニット２４の突出部７が前述のように圧入される。なお、 図では黒鍵を２つのみ示してあるが、実際には５つの黒鍵（Ｃ＃、Ｄ＃、Ｆ＃、 Ｇ＃、Ａ＃）が所定の位置に設けられる。中間の白鍵ユニット２４は複数の白鍵 ２３を基端部２８に揺動可能に支持した構造であり、図では白鍵を２つのみ示し てあるが、実際には例えば３つの白鍵（Ｄ、Ｆ、Ａ）が所定の位置に設けられる 。また、最下段の白鍵ユニット２６は、複数の白鍵２５を共通基端部２９に揺動 可能に支持した構造であり、図では白鍵を２つのみ示してあるが、実際には例え ば４つの白鍵（Ｃ、Ｅ、Ｇ、Ｂ）が所定の位置に設けられる。

【００１３】 なお、上記実施例ではリブ１１を突出部７または凹部６の両側に設けたが、一 方の側にのみ設けてもよい。また、突出部７の位置や大きさおよび間隔は適宜設 定できる。また、リブ１１の形状は三角柱に限らず、半円柱形状あるいは半球状 その他の突起であってもよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案においては、突出部を凹部に嵌合させて鍵ユニッ ト同士を重ね合わせる鍵盤組体構造において、突出部または凹部のいづれか一方 に小突起を設けているため、突出部が凹部内に圧入状態で保持され鍵ユニット同 士が相互に固定保持される。このため、鍵盤組立作業における取扱い性が良好に なり、組立作業が円滑に行われる。また、このような小突起は簡単な構成であっ て、鍵ユニットとともに一体モールド成形可能であり、コストの増加を来すこと はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例に係る鍵盤組体構造の一部を
示す分解斜視図である。

【図２】 本考案の別の実施例に係る鍵盤組体構造の分
解斜視図である。

【符号の説明】

１，２；鍵ユニット、３；基端部、４；鍵、５；支持
部、６；凹部、７；突出部、１１；リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の鍵を基端部に対し揺動可能に支持
   した複数の鍵ユニットの上記基端部を重ね合せた構造で
   あって、一方の基端部に突出部を設け、該突出部に対応
   する凹部を他方の基端部に設けて該突出部を上記凹部に
   嵌合させた鍵盤組体構造において、上記突出部の外側面
   または凹部の内側面に圧接用小突起を設けたことを特徴
   とする鍵盤組体構造。