JPH0653186B2 - パチンコ機の役物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、パチンコ機の役物、特に回動する可動板片を
立体形状の飾り部材の一部として形成し、その可動板片
の可動により継続入賞口へパチンコ玉を誘導する型式の
役物に関するものである。

（従来の技術） 従来、回動する可動板片を用いたパチンコ機の役物は数
多く製作されていたが、単純なチューリップ等ではすぐ
にあきられてしまい、製品寿命が短かくなるため、役物
に多くの機能を持たせたものが増加して来た。その一つ
に大きな可動板片の長手方向を回動方向とするものがあ
り、これは開状態において玉受面の大きさが大きくとれ
遊技者の興味を引き付けやすくなる利点がある。

（発明が解決しようとする問題点） 上記役物で大きな可動板片を長手方向に回動させて開閉
させる型式のものでは、単に板片を回動させるだけでは
場所を取りすぎてパチンコ盤面の装飾性が失なわれ、遊
技上の興味が失なわれるという問題点があった。

本発明の目的は、可動板片を立体形状の飾り部材の一部
として形成し、その可動板片をパチンコ玉の誘導路とし
て用い、飾り部材を障害物として用いることにより玉の
進行方向を多様化し、しかも障害物の下方に継続入賞口
を設けて、装飾性と遊技性の両方を高めることにより上
記問題点を解決したパチンコ機の役物を提供するもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記問題点を解決するための手段として、パ
チンコ機の役物を構成するにあたり、枠体の中央部に立
体形状の飾り部材を配設し、該飾り部材の一部を開閉部
材として回動自在に形成し、該開閉部材の上面を玉受面
として前記飾り部材側へ下がる平坦面に形成し、前記開
閉部材の先端部の接続する前記飾り部材の端部に障害物
を形成し、該障害物の真下に該障害物よりも幅の狭い継
続入賞口を配設し、さらに該継続入賞口の上端部に配設
する仕切板の上端には前記継続入賞口の外方に下がる端
面を設けたものである。

（作 用） 本発明は上記構成により、役物の開状態において、開閉
部材の上面に誘導されて、飾り部材の端部に形成された
障害物に衝突するパチンコ玉の進行方向が多様な方向を
とり、遊技上の面白さを増加させるとともに、障害物の
真下に設けた継続入賞口の上端部に配設された仕切板の
上端面により、当接するパチンコ玉の方向を多様化し
て、さらに遊技上の面白さを増加させ、役物の装飾性と
遊技性の両方を向上させることができるようになる。

（実施例） 以下、本発明の図示実施例を説明する。

第１図乃至第６図で示すように、枠体１の中央部に大き
な凹所２を設け、凹所２の中央部に立体形状の飾り部材
として戦闘機型の飛行機３を前向きに配置し、飛行機３
の翼４を凹所２の両側壁2aまで延設して飛行機３の支持
体を形成させ、翼４の上面は飛行機３の後方に向かって
わずかに下がる傾斜面を形成する。

飛行機３のエンジン部を被うカウリング５は、直径Ｄ＝
16〜17ミリメートル程度の円柱状外形の障害物を形成
し、枠体１の前面１ａより前方へ突出させる。カウリン
グ５の前方には単なる飾りとしてのプロペラ５ａを設
け、さらに両側方には翼４の前方に位置する上面６ａが
平坦な可動翼６を開閉部材として配設する。

可動翼６は厚みが機体側が厚く先端側が薄くなるように
形成し翼下面側の中央部カウリング５よりの位置に回動
軸７を飛行機３の機軸と平行に設け、可動翼６が回動軸
７を中心にして機軸と直角な平面上を回動するように回
動軸７を枠体１の凹所２の外側で支持する。可動翼６が
水平位置に向いている場合に、可動翼６の上面６ａがカ
ウリング５側へ下がるようにわずかの傾斜を持たせ、上
方から落下してくるパチンコ玉を受け、カウリング５側
へ誘導する球受面を形成させる。可動翼６の機体側端部
は端面６ｂの下方を機体側へ突出させ、回動時に端面６
ｂの下方がカウリング５に当接して可動翼６の回動位置
規制をさせるストッパを形成する。可動翼６は水平位置
で翼４の上面よりも可動翼６の上面が若干上に位置し、
翼４と可動翼６との上面間に段差を設ける。可動翼６が
垂直位置に向いている場合のカウリング５との相対位置
は、カウリング５の外面と垂直位置に回動した可動翼６
の上面と間の距離ｌが、パチンコ球の直径ｄを基準にす
るとき、直径ｄより大きくその直径の約１．５倍増し
（ｄ＜ｌ≦１．５ｄ）程度の範囲までになるように、回
動軸７の枠体２に対する取付位置を定める。

枠体１の凹所２は横幅ｗを左右両可動翼６が垂直位置に
回動した場合の両上面間の距離よりも広くし、奥行きは
飛行機３の胴体部と同じとする。凹所２の内壁上面側２
ｂと内壁下面側２ｃとは、奥に行くほど壁面間の距離が
縮まるように、互いに中心側に近づく傾斜面に形成し、
各面に奥から前面開口部側へ向けて配置間隔が拡がる発
光ダイオード等からなる継続表示灯８を配設する。凹所
２の内壁下面側２ｃには飛行機３の胴部後方の両側に翼
４の後端より落下するパチンコ玉が入る後側はずれ入賞
口９を配設する。さらに内壁下面側２ｃの枠体前面側端
部には中央部にカウリング５の直径よりも幅を狭くした
継続入賞口としてのＶゾーン入賞口10と仕切板11により
仕切られたＶゾーン入賞口10の両端に各１個の前側はず
れ入賞口12を設ける。仕切板11の上端はＶゾーン入賞口
10側端縁より前側はずれ入賞口12側端縁を低くし、前側
はずれ入賞口12側へ傾斜した端面11ａを形成する。この
Ｖゾーン入賞口10と前側はずれ入賞口12は、仕切板11の
前面に設けられる飾り板13と、枠体１の凹所方側端面に
接し、仕切板11と同じ幅で枠体１の前方へ突出し、かつ
可動翼６の回動軸取付位置の下側より仕切板11の最下端
まで延設させる横板14と、仕切板11と横板14の下端を被
う底板15により通路を形成する。

Ｖゾーン入賞口10の通路出口部にはＶゾーン検出スイッ
チ16を配設し、その下方に10カウント検出スイッチ17を
設ける。

枠体１の凹所２の上方には、天入賞口18を設け、その天
入賞口18の前面には通路を形成する飾り板19を取り付け
る。天入賞口18には縦に仕切板（図示せず）を設けるこ
とにより複数の入口を設置することができる。

枠体１の後方にはソレノイド式の可動翼駆動装置20を設
ける。可動翼駆動装置20には、上部にソレノイド21を可
動部材22を下側にして設け、可動部材22に復帰スプリン
グ23を外嵌し、可動部材22の下端に開閉クランク24を取
り付け、開閉クランク24に可動翼駆動装置20の枠体20ａ
との間に介装する復帰スプリング25の一端を接続する。
開閉クランク24にはカム孔24ａを設け、可動翼６の回動
軸７の後端部に取り付ける開閉カム26の先端部を嵌め込
む。このカム孔24ａと開閉カム26の嵌め合いにより可動
翼駆動装置20と可動翼６とが連結され、ソレノイド21の
動作により可動翼６が開閉、すなわち垂直位置より水平
位置に回動し、パチンコ玉を受けられるようにする。

枠体１とは別体に設けた始動口枠体30には、前面に飾り
板31，32，33を取り付け、パチンコ玉の通過により作動
するスイッチ（図示せず）を組み込んだ始動口34，35，
36を横並びに３個設ける。

第７図で示すように、パチンコ機盤面の中央部に各部品
を組み付けた枠体１を取り付け、枠体１の下方に枠体１
と離して始動口枠体30を取り付け、盤面の空間が広くあ
いている部分に通常の入賞口37とチューリップ38を配設
する。

このような実施例を用いると、内バンド39を飛び出した
パチンコ玉が始動口34，35，または36に入ると、ソレノ
イド21に通電し、可動部材22を上方に動作させ、可動部
材22に取り付けた開閉クランク24を介して開閉カム26を
動作させて可動翼６を開く、すなわち垂直位置から水平
位置へ回動させる。可動翼６が開いた状態でパチンコ玉
が可動翼６の上に落ちて来ると、可動翼６の上面に案内
されて飛行機３の胴体側へ行き、カウリング５に当た
り、その反撥により飛行機３の固定された翼４の方向か
または可動翼６を垂直位置側へ回動させる方向へ変化す
る。翼４の方向へ変化したパチンコ玉は、第３図で示す
ように翼４の後方より後側はずれ入賞口９へ落ち込む。
可動翼６を垂直位置側へ回動するように変化した場合に
は、そのまま下方へ落下し、真直ぐに落ちて前側はずれ
入賞口12へ入るか、または可動翼６の上面に反撥してＶ
ゾーン入賞口10側へ落ちる。この時仕切板11の上端面11
ａに当たると、上端面11ａが前側はずれ入賞口12側に傾
斜しているためパチンコ玉の速度と方向により反撥後の
方向が、可動翼６の上面６ａ側であったり、前側はずれ
入賞口12側であったり、場合によってはＶゾーン入賞口
10側であったりして進行方向が多様化する。運よくＶゾ
ーン入賞口10にパチンコ玉が落ち込むと、通路出口に設
けられたＶゾーン検出スイッチ16と10カウント検出スイ
ッチにより玉の通過と個数をチェックされる。Ｖゾーン
入賞口10に入った場合には新たに可動翼６が開閉状態を
保持し、最高８回連続すると、ソレノイド21への通電が
切れ、可動翼６が垂直位置に回動されて閉止状態とな
る。

このように上記実施例では、戦闘機の翼の部分を可動翼
６により形成して可動翼６の上面をパチンコ玉が伝わ
り、障害物としてのカウリング５に衝突し、複数用意さ
れた入賞口の中に仕切板11により区分されて設けられた
１つの継続入賞口としてのＶゾーン入賞口10に入れるよ
うにしたため、Ｖゾーン入賞口10へパチンコ玉が入る確
率が下げられるとともに、一度Ｖゾーン入賞口12へ入る
と継続して可動翼６が拡げられて一層Ｖゾーン入賞口12
へ入る確率を高めることができるようになって遊技性を
高くすることができる。特に、カウリング５の横断面が
円形（あるいは一般的に略円形）に形成したことによっ
てパチンコ玉の反撥による方向を特定させず、パチンコ
玉の進行方向によって選択される入賞口が変わることに
より遊技性を高めることができる。また、Ｖゾーン入賞
口10の幅をカウリング５の直径よりも狭くしたことによ
り、パチンコ玉が可動翼６の上面との干渉によってＶゾ
ーン入賞口10側へ落ち込むことになり、玉と面との相互
作用による不確定性を増し、遊技性を高めることができ
る。可動翼６と翼４との間に段差を設け、可動翼６側を
高目に形成したため、パチンコ玉が後側はずれ入賞口９
へ向って行くことができるようになり、パチンコ玉の流
れ方向が広くできて遊技性を高めることができる。さら
に、Ｖゾーン入賞口10と前側はずれ入賞口12とを仕切る
仕切板11の上端には前側はずれ入賞口12側へ下がる端面
11ａを設けたため、端面11ａに衝突したパチンコ玉が多
様な進行方向をとり、一方的に前側はずれ入賞口12側あ
るいはＶゾーン入賞口10側に行かず、パチンコ玉の状態
により前側はずれ入賞口12側にもＶゾーン入賞口側に
も、また可動翼６側にもはね返り、進行方向が多様化し
て遊技性を高めることができる。

上記実施例では、可動翼６の回動位置規制には端面６ｂ
の下方を機体側へ突出させてカウリング５の下部に端面
６ｂの突出部を当接させて位置規制させていたが、第８
図または第９図で示すように、端面６ｂ側の側端部に突
出部６ｃまたは６ｄを設けて、翼４の側端部に当接させ
るようにして位置規制させても良い。また、仕切板11の
上端部11ｂは、第10図で示すように、曲面に形成し、反
撥方向の多様性を一層増加させても良い。

（発明の効果） 以上のように本発明は、開閉部材となる可動板片をパチ
ンコ玉の誘導路として使用し、誘導されたパチンコ玉が
飾り部材の端部に形成した障害物に衝突して進行方向を
多様に変えられるようにし、さらに障害物の下方に落下
した場合にも継続入賞口の上端部に設けられた仕切板の
上端面により、上端面に衝突したパチンコ玉の進行方向
を多様化することができて、パチンコ機盤面の装飾性と
遊技性を両方ともに向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるパチンコ機の役物を示す斜視説明
図、 第２図は本発明によるパチンコ機の役物を示す部分破断
正面図、 第３図は本発明によるパチンコ機の役物を示す部分縦断
面図、 第４図は本発明による飛行機部分を示す斜視説明図、 第５図は本発明による継続入賞口を示す拡大斜視説明
図、 第６図は本発明によるパチンコ機の役物の作用説明図、 第７図は本発明による役物を取り付けたパチンコ機の盤
面を示す正面図、 第８図は本発明により可動翼の別態様を示す斜視図、 第９図は本発明による可動翼の側方ストッパの別態様を
示す斜視図、 第10図は本発明による仕切板の別態様を示す作用説明図 である。 １……枠体、２……凹所、３……飛行機（飾り部材）、
４……翼、５……カウリング（障害物）、６……可動翼
（開閉部材）、６ａ……上面、７……回動軸、10……Ｖ
ゾーン入賞口（継続入賞口）、11……仕切板、11ａ……
端面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】枠体の中央部に立体形状の飾り部材を配設
   し、該飾り部材の一部を開閉部材として回動自在に形成
   し、該開閉部材の上面を玉受面として前記飾り部材側へ
   下がる平坦面に形成し、前記開閉部材の先端部の接続す
   る前記飾り部材の端部に障害物を形成し、該障害物の真
   下に該障害物よりも幅の狭い継続入賞口を配設し、さら
   に該継続入賞口の上端部に配設する仕切板の上端には前
   記継続入賞口の外方に下がる端面を設けたことを特徴と
   するパチンコ機の役物。