JPH0653024A - 酸化物磁性粉末,酸化物非磁性粉末,及び磁気バーコード - Google Patents

酸化物磁性粉末,酸化物非磁性粉末,及び磁気バーコード

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JPH0653024A
JPH0653024A JP4196779A JP19677992A JPH0653024A JP H0653024 A JPH0653024 A JP H0653024A JP 4196779 A JP4196779 A JP 4196779A JP 19677992 A JP19677992 A JP 19677992A JP H0653024 A JPH0653024 A JP H0653024A
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magnetic
powder
oxide
magnetic bar
powders
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JP4196779A
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Tadakuni Sato
忠邦 佐藤
Hajime Daigaku
元 大学
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 磁性バー及び非磁性バーの判別が、磁気信号
処理以外では困難で、低温で焼成できる酸化物磁性粉末
及び非磁性粉末を製造し、それらを夫々インクに用いた
磁気バーコードを提供する。 【構成】 酸化物磁性粉末は、化学組成が一般式{Ma
(1-x) ・Znx (1-z) ・Mbz ・Fe(2+α)
4 となるようNiO,ZnO,Mn3 4 ,Fe2
3 ,CuO,LiOの内の原料粉末を選択し、650〜
1250℃で焼成してスピネル型フェライトを製造す
る。酸化物非磁性粉末は、化学組成が一般式Mcy・Z
(1-y) ・Fe(2+β) ・O4 となるようNiO,
ZrO,Fe2 3 ,CuO,LiOの内の原料粉末を
選択し、750〜1300℃で焼成してスピネル型フェ
ライトを製造する。磁気バーコードは、酸化物磁性粉末
及び非磁性粉末と夫々高分子化合物を含む磁性インク、
及び非磁性インクによって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,酸化物磁性粉末及び酸
化物非磁性粉末とその製造方法に関し,特に,磁気バー
コードに使用されるに適したスピネル型の酸化物磁性粉
末及び酸化物非磁性粉末と,それをを用いた磁気バーコ
ードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,バーコードのバーに磁性体を用い
た磁気バーコードは,公知である。この磁気バーコード
に用いる磁性体としては,安価にして,安定性が高く比
較的高い磁化量(4πI)と比較的低い保磁力
Ic )が必要であることから,スピネル型磁性フェ
ライト(一般式M・Fe2 4 ,ここでMは2価の金
属)が使用されている。このスピネル型磁性フェライト
としては,マグネタイト(Fe3 4 )やMn−Zn系
フェライト(Fe(1-x-y) ・Znx ・Mny ・Fe2
4)が用いられている。これらのフェライト粉末は黒
色かやや灰色を帯びた黒色である。
【0003】ところで,磁気バーコードによる情報の機
密性を向上させるために,磁性バーの間(非磁性バーと
呼ぶ)を磁性バーと同じ色の非磁性材料で埋めて,肉眼
で判別できないようにする方法がある。この場合,磁性
バーと非磁性バーとは,X線回折法により,結晶構造か
ら判別される恐れがある。これを防止するために,非磁
性バー用の材料として,磁性バーに用いるスピネル型磁
性フェライトと同一構造の非磁性のスピネル型フェライ
トを使用することが有用となる。ここで非磁性を示すス
ピネル型フェライトの代表的なものは,亜鉛フェライト
(一般式Zn・Fe2 ・O4 )である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,スピネ
ル型亜鉛フェライト粉末の色合いは,茶色を基調として
いる。したがって,上述したマグネタイトやMn−Zn
系フェライト粉末を使用した磁性バーと前述のスピネル
型フェライトの非磁性バーとを組み合せてバーコードを
構成した場合,それぞれのバーの色合いで識別が可能と
なり磁気バーコードの機密性が著しく低下する。
【0005】本発明者らは,この欠点を除去するため,
種々検討を重ねた結果,磁性バー用の磁性フェライトと
して,スピネル型で茶色を基調とした色合いのNi−Z
n系フェライト及びZn置換リチウム系フェライトが有
用であることを発見した。しかも,これらのNi−Zn
系フェライト及びZn置換リチウム系フェライトの粉末
は,磁気バーコードにおける読取出力の向上に有用な磁
化量(4πI)も比較的高い値を示している。
【0006】一方,磁気バーコードを前記磁性フェライ
ト粉末を含む磁性インク及び非磁性フェライト粉末を含
む非磁性インクを用いて印刷する場合,これらのインク
の印刷特性が重要な因子となる。印刷特性には,インク
中のフェライト粉末粒度が大きく寄与しており,溶媒に
対する分散性の良いフェライト粉末の方が,印刷特性の
高いインクを作製することができる。一般的には,粉末
の粒度が小さい場合には,高い分散性が得られる。ここ
で小さい粒度のフェライト粉末を得るには,より低い温
度でスピネル化反応が達成されることが重要となる。ま
た,より低温で焼成が可能なことは,設備費用やエネル
ギー消費が低減できるので,工業上有益となる。
【0007】しかしながら,Ni−Zn系,及びNi−
Znを主成分としたMn置換型Ni−Zn系,Zn置換
リチウム系フェライトの粉末は,粉末の粒成長が顕著と
ならない900℃以下の焼成ではスピネル単相とはなら
ず,磁化量(4πI)は低い値を示し,磁性フェライト
としては,不十分となる。
【0008】したがって磁気バーコード用磁性フェライ
ト粉末としては,粉末の粒成長が顕著とならない低い温
度で焼成可能で,且つ高い磁化を有するフェライト粉末
が極めて有用となる。
【0009】本発明の第1の技術的課題は,磁性バー及
び非磁性バーの判別が磁気信号処理以外では極めて困難
で,機密性が著しく向上した磁気バーコードを実現する
ために適した酸化物磁性粉末及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0010】また,本発明の第2の技術的課題は,前記
酸化物磁性粉末と同様に,磁性バー及び非磁性バーの判
別が磁気信号処理以外では極めて困難で,機密性の著し
く向上した磁気バーコードを実現するために適した酸化
物非磁性粉末及びその製造方法を提供することにある。
【0011】また,本発明の第3の技術的課題は,前記
酸化物磁性粉末及び前記酸化物非磁性粉末を磁性バー及
び非磁性バーのそれぞれに用いた磁気バーコードを提供
することにある。
【0012】また,本発明の第4の技術的課題は,前記
磁性バーの印刷に用いられる磁性インクを提供すること
にある。
【0013】また,本発明の第5の技術的課題は,前記
非磁性バーの印刷に用いられる非磁性インクを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,化学組
成が,一般式{Ma(1-x) ・Znx (1-z) ・Mbz
Fe2 ・O4 ・Feα(但し,Maは,Fe,Li,N
iのうちの少なくとも一種で,MbはMn,Cu,Li
のうちの少なくとも一種,x=0〜1,z=0〜0.
4,α=−0.7〜+1.6)で表され,スピネル型の
結晶構造を有することを特徴とする酸化物磁性粉末が得
られる。
【0015】本発明によれば,化学組成が,一般式{M
(1-x) ・Znx (1-z) ・Mbz・Fe2 ・O4 ・F
α(但し,Maは,Fe,Li,Niのうちの少なく
とも一種で,MbはMn,Cu,Liのうちの少なくと
も一種,x=0〜1,z=0〜0.4,α=−0.7〜
+1.6)となるように,NiO,ZnO,Mn
3 4 ,Fe2 3 ,CuO,LiOの内の原料粉末を
選択し,650〜1300℃で焼成してスピネル型フェ
ライトを製造することを特徴とする酸化物磁性粉末の製
造方法が得られる。
【0016】ここで,本発明において,上式中のxの値
を0〜1,zの値を0〜0.4,αの値を−0.7〜+
1.6と限定したのは,これらの範囲内で磁気特性4π
1k Oeが明らかに向上するからである。また,本発明に
おいて,焼成温度を650〜1250℃と限定したの
は,650℃より低温度においては,4πI1kOeの値が
3500Oeより低くなるためである。また,1250
℃より高い温度では,粉末の結晶の平均粒子径が5μm
以上となるためである。
【0017】本発明によれば,化学組成が,一般式Mc
y ・Zn(1-y) ・Fe(2+ β) ・O4 (但し,Mcは,
Li,Cu,Ni,Feのうちの少なくとも一種,y=
0〜0.25,β=−0.40〜+0.30)で表さ
れ,スピネル型の結晶構造を有することを特徴とする酸
化物非磁性粉末が得られる。
【0018】本発明によれば,化学組成が,一般式Mc
y ・Zn(1-y) ・Fe(2+ β) ・O4 (但し,Mcは,
Li,Cu,Ni,Feのうちの少なくとも一種,y=
0〜0.25,β=−0.40〜+0.30)となるよ
うに,NiO,ZnO,Fe2 3 ,CuO,LiOの
内の原料粉末を選択し,750〜1300℃で焼成して
スピネル型フェライトを製造することを特徴とする酸化
物非磁性粉末の製造方法が得られる。
【0019】ここで,本発明において,yの値を0〜
0.25と限定したのは,0.25以下でフェライト粉
末が非磁性となるからである。また,βの値を−0.4
0〜+0.30と限定したのは,βの値が−0.40以
上でスピネル型のフェライト粉末が作成でき,また,
0.30以下でこの粉末が非磁性となるからである。
【0020】また,本発明において,焼成温度を750
〜1300℃と限定したのは,750℃より低い温度に
おいては,スピネル型のフェライト粉末が生成されず,
また,1300℃より高い温度では,粉末の結晶の平均
粒子径が5μm以上となるためである。
【0021】ここで,本発明において,前記酸化物磁性
粉末及び前記酸化物非磁性粉末はともに茶色を基調とす
るスピネル型フェライトであるので,これらを含む磁性
インク及び非磁性インクによって作製された磁性バー及
び非磁性バーからなる磁気バーコードは,目視やX線回
折等の結晶構造からの判別が極めて困難である。
【0022】本発明によれば,非磁性バーと磁性バーと
からなる磁気バーコードにおいて,前記磁性バーは,前
記酸化物磁性粉末を含むことを特徴とする磁気バーコー
ドが得られる。
【0023】本発明によれば,前記磁気バーコードにお
いて,前記非磁性バーは,前記酸化物非磁性粉末を含む
ことを特徴とする磁気バーコードが得られる。
【0024】本発明によれば,磁性粉末を含む磁性イン
クにおいて,前記磁性粉末は,前記酸化物磁性粉末であ
ることを特徴とする磁性インクが得られる。
【0025】本発明によれば,非磁性粉末を含む非磁性
インクにおいて,前記非磁性粉末は,前記酸化物非磁性
粉末を含むことを特徴とする非磁性インクが得られる。
【0026】更に,詳しく,本発明を説明すると,磁性
バー用の酸化物磁性粉末として,化学組成比が(Li
0.5 ・Fe0.5 (1-x) ・Znx ・Fe(2+α) ・O4
の場合,磁化量4πI1kOeが3500G以上となるx=
0.05〜0.55,α=−0.4〜+0.8の範囲が
好ましい。また,この酸化物磁性粉末の焼成温度は,7
50〜1250℃の温度範囲が好ましい。というのは,
750℃より低い温度においては,保磁力 IC が50
Oe以上となり,また,1250℃よりも高い温度にお
いては,結晶粒径が5μmよりも大きくなるからであ
る。
【0027】また,化学組成比がNi(1-x) ・Znx
Fe(2+ α) ・O4 の場合,磁化量4πI1kOeが350
0G以上となるx=0.03〜0.75,α=−0.7
〜+1.6の範囲が好ましい。焼成温度は,上記した酸
化物磁性粉末と同様に,750〜1250℃の温度範囲
が好ましい。というのは,750℃より低い温度におい
ては,保磁力 IC が50Oe以上となり,また,12
50℃よりも高い温度においては,結晶粒径が5μmよ
りも大きくなるからである。
【0028】また,化学組成比が[(Ni(1-x) ・Zn
x (1-z) ・Mnz ]O・Fe2 3 の場合,磁化量4
πI1kOeが3500G以上となるz=0〜0.4,x=
0.03〜0.75の範囲とすることが好ましい。焼成
温度は,上記した酸化物磁性粉末と同様に,750〜1
250℃の温度範囲が好ましい。というのは,750℃
より低い温度においては,保磁力 IC が50Oe以上
となり,また,1250℃よりも高い温度においては,
結晶粒径が5μmよりも大きくなるからである。
【0029】また,化学組成が[(Ni(1-x) ・Z
x (1-z) ・Cuz ]O・Fe2 3の場合,磁化量
4πI1kOeが向上するx=0.03〜0.75,z=0
〜0.4の範囲が好ましい。焼成温度は,650℃〜1
200℃の範囲が好ましい。というのは,650℃以下
では,4πI1kOeが3500Gより低くなり,保磁力 I
C が50Oe以上となってしまうからである。また,
焼成温度が1200℃以上では粉末の結晶の平均粒子径
が5μm以上となってしまうからである。
【0030】また,化学組成が[(Ni(1-x) ・Z
x (1-z) ・(Li2 ,Mn)z ]O・Fe2 3
場合,磁化量4πI1kOeが向上するx=0〜1,z=0
〜0.4の範囲が好ましい。焼成温度は,700℃〜1
250℃の範囲が好ましい。というのは,700℃以下
では,4πI1kOeが3500Gより低くなり,保磁力 I
C が50Oe以上となってしまうからである。また,
焼成温度が1250℃以上では粉末の結晶の平均粒子径
が5μm以上となってしまうからである。
【0031】一方,本発明では,非磁性バー用の酸化物
非磁性粉末として,化学組成比がZn(1−y)・(Li
0.5 Fe0.5 y ・Fe(2+β)・O4 の場合,y=0
〜0.25(0を含まず),β=−0.3〜+0.2と
することが好ましい。というのは,y=0〜0.25の
範囲で非磁性粉末となり,βが−0.3より大きな範囲
においてスピネル型フェライトとなり,βが0.2より
大きな範囲においては,非磁性となるからである。焼成
温度は750〜1250℃の範囲が好ましい。というの
は,750℃以上においてスピネル型構造を有し,12
50℃を越える温度においては,粉末の結晶の平均粒子
径が5μm以上となってしまうからである。
【0032】また,化学組成比が,Zn(1-y) ・Niy
・Fe(2+β) ・O4 の場合,y=0〜0.16及びβ
=−0.35〜0.25とすることが好ましい。という
のは,y=0〜0.16の範囲で非強磁性粉末となり,
βが−0.35より大きな範囲において,スピネル型フ
ェライトとなり,0.25より大きな範囲においては,
非磁性となるからである。焼成温度は750〜1300
℃の範囲が好ましい。というのは,750℃以上におい
てスピネル型構造を有し,1300℃を越える温度にお
いて,粉末の結晶の平均粒子径が5μm以上となってし
まうからである。
【0033】また,化学組成比が,Zn(1-y) ・Cuy
・Fe(2+ β) ・O4 において,y=0〜0.20,β
=−0.40〜0.30とすることが好ましい。という
のは,y=0〜0.16の範囲で非強磁性粉末となり,
βが−0.40より大きな範囲において,スピネル型フ
ェライトとなり,0.30より大きな範囲においては,
非強磁性となるからである。焼成温度は750〜130
0℃の範囲が好ましい。というのは,750℃以上にお
いてスピネル型構造を有し,1300℃を越える温度に
おいて,粉末の結晶の平均粒子径が5μm以上となって
しまうからである。
【0034】
【実施例】以下,本発明の実施例について,図面を参照
して説明する。
【0035】(実施例1)化学組成比を(Li0.5 ・F
0.5 (1-x) ・Znx ・Fe2 ・O4 として,xが
0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6
となるように,酸化鉄(α−Fe2 3 )と酸化亜鉛
(ZnO)と炭酸リチウム(Li2 CO3 )とを原料と
し,ボールミルにて20時間湿式混合した。ここで使用
した原料粉末の粒度は,α−Fe2 3 及びZnOが約
0.3μm 以下で,Li2 CO3 は約1μm 以下であっ
た。次に,これら原料混合粉末を大気中,急熱,急冷に
て,1000℃で2時間焼成した。これら焼成粉末をボ
ールミルにて,解砕した後,粉末の磁気特性を,振動型
磁力計を使用して測定した。尚,1kOe の磁場を印加し
た際の磁化量を4πI1kOeとして示す。その結果を図1
に示す。図1において,x=0.05〜0.55の範囲
で,4πI1kOeが3500Gを越える値となっている。
一方, IC はx=0〜0.6の範囲で,33〜8Oeの
値となり,粉末要求値50Oeより著しく低い。尚,これ
らの粉末の結晶の平均粒径を,走査型電子顕微鏡を使用
して測定したところ,約0.5μm であった。
【0036】(実施例2)上述の実施例1と同様にし
て,化学組成比が(Li0.5 ・Fe0.5 0.7 ・Zn
0.3 ・Fe(2+α) ・O4 で,α=−0.5,−0.
4,−0.3,−0.2,−0.1,0,0.1,0.
2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.
8,0.9,1.0,1.1,1.2なる焼成粉末を得
た後,粉末の磁気特性を測定した。図2に示すように,
α=−0.4〜+1.0の範囲で4πI1kOeが3500
Gを越える値となっている。一方, IC は25Oe以下
となっている。
【0037】次に,これら粉末をX線回折(Cr−Kα
線にて)したところ,αが0.9を越える領域ではα−
Fe2 3 の(104)からの回折線(これは,α−F
23 の最強回折線である。)が明らかに認められ
た。したがって,X線回折法により磁性バーコードが検
出できる可能性があるので,αが0.9以上の領域は不
適正と判断できる。これらのことから,α=−0.4〜
+0.8が有用な範囲となる。尚,これらの粉末の結晶
粒の平均粒径は約0.5μm であった。
【0038】(実施例3)実施例1と同様にして,化学
組成比が(Li0.5 ・Fe0.5 0.7 ・Zn0.3・Fe
2 ・O4 となるように,原料粉末を混合した。
【0039】次に,これら粉末をそれぞれ温度700
℃,800℃,900℃,1000℃,1100℃,1
200℃,1300℃で焼成した。そして,これら焼成
粉末を解砕した後,磁気特性と粉末の平均結晶粒径
(d)を測定した。その結果を図3に示す。4πI1kOe
は全ての試料で3500Gを越えている。 IC は75
0℃以上の温度で,要求目標値50Oe未満となる。ま
た。dは1250℃以下で要求目標値5μm 未満とな
る。これらの結果から,焼成温度は750〜1250℃
が有用となる。
【0040】以上,実施例1,2,3で作製された磁性
粉末は,茶色を基調とし,xの増加とともに黄味が増
し,αの増加とともに黒味が増し,焼成温度の上昇とと
もに黒味が増す傾向となっている。
【0041】(実施例4)実施例1と同様にして,化学
組成比がZn・Fe2 ・O4 なる焼成粉末を得た後,粉
末の磁気特性を測定した。その結果,この粉末は,4π
1kOeは0であり,非磁性であった。また,この粉末は
スピネル相であり,結晶粒の平均粒径が約0.5μm で
あり,やや黄味を帯びた茶色であった。次に,このZn
・Fe2 ・O4 の非磁性粉末と,実施例1で作製した
(Li0.5 ・Fe0.5 0.7 ・Zn0. 3 ・O4 の磁性粉
末を,ウレタン樹脂に対し70wt%混合分散し,非磁性
インクと磁性インクをそれぞれ作製した。次に,このイ
ンクを使用して,シルクスクリーン印刷し,長さ4mmで
幅0.2mmで厚さ10μm 程度の磁性バー及び非磁性バ
ーを交互に印刷して磁気バーコードを形成した。この磁
気バーコードの磁性バーと非磁性バーを,外観から目視
にて判別することは極めて困難であった。一方,X線回
折にて結晶構造から判別することも極めて困難であっ
た。次に,このバーコードを,磁気ヘッド部に約1kOe
の磁場が発生するように設計された磁気インク文字読取
り装置(MICR)を使用して判読したところ,磁性バ
ーでは約1000mVの出力が検出された。非磁性バーで
は出力は認められなかった。したがって,この磁性粉末
と非磁性粉末の組み合わせでは,磁性バーと非磁性バー
は,外観上での判別が極めて困難であり,磁気信号での
読み取りのみが有効となり,情報機密性が向上する。
【0042】上述のように,組成比が(Li0.5 ・Fe
0.5 (1-x) ・Znx ・Fe(2+α ) ・O4 (x=0.
05〜0.55,α=−0.4〜+0.8)として焼成
温度750〜1250℃でリチウム系スピネルフェライ
ト粉末を製造することにより,非磁性スピネルフェライ
ト(亜鉛フェライト)粉末に類似した色調の磁性バー用
粉末を提供することができる。従って,磁性バーと非磁
性バーの目視による判別が著しく困難となり,磁気バー
コードによる情報の機密性が著しく向上することにな
る。
【0043】なお,リチウム系フェライト粉末の製造条
件として,x=0.05〜0.55としたのは,この範
囲で粉末の磁化量4πI1kOeが3500G以上となるか
らである。またα=−0.4〜+0.8としたのは,こ
の範囲で粉末の磁化量4πI1kOeが3500G以上とな
るからである。また,焼成温度を750℃〜1250℃
の範囲としたのは,750Oe以下では粉末の IC が5
0Oe以上となるからであり,1250℃以上では粉末の
結晶の平均粒子径が5μm 以上となり,磁性バーコード
用粉末として不具合が生ずるからである。
【0044】(実施例5)化学組成比がZn(1-y)
(Li0.5 Fe0.5 y ・Fe2 ・O4 とし,ここでy
が0,0.05,0.10,0.15,0.20,0.
25,0.30,0.35,0.40となるように,酸
化鉄(α−Fe2 3 )と酸化亜鉛(ZnO)と炭酸リ
チウム(Li2 CO3 )を原料とし,ボールミルにて2
0時間湿式混合した。ここで使用した原料粉末の粒度
は,α−Fe2 3 及びZnOが約0.3μm 以下で,
Li2 CO3 は約1μm 以下であった。次に,これら原
料混合粉末を大気中で,焼成前後を急熱,急冷にて,1
000℃で2時間保持して焼成した後,ボールミルにて
解砕した。この解砕粉末は,結晶粒の平均値が約0.5
μm であり,茶色を基調とするがyが小の場合黄味を帯
び,yが大の場合は黒味を帯びた色合いとなる。これら
粉末はX線回折によりスピネル型フェライト結晶構造で
あることが確認できた。これら粉末を振動型磁力計を使
用して,磁気特性を測定した。尚,1kOe の磁場を印加
した際の磁化量を4πI1kOeとして示す。その結果を図
4に示す。図4においてxが0.25以下の領域では非
磁性粉末となっている。
【0045】(実施例6)実施例5と同様にして,化学
組成比がZn0.9 ・(Li0.5 ・Fe0.5 0.1・Fe
(2+β)・O4 ここでβ=−0.4,−0.3,−0.
2,−0.1,0,0.1,0.2,0.3なる焼成粉
末を得た後,実施例1と同様に粉末の磁気特性を測定し
た。その結果を図5に示す。図5において,β=−0.
4〜0.2の間で非磁性粉末となっている。これら粉末
の結晶粒の平均粒子径は約0.4〜0.6μm の範囲に
あった。また,X線回折により生成相を調査したところ
β=−0.4ではZnOの混在が明らかに認められた
が,その他の粉末はスピネル相であった。したがって,
磁気特性及び異相混在の観点からβ=−0.3〜+0.
2の範囲が有用となる。尚,これら粉末は茶色を基調と
し,βが小になるにしたがい黄味を帯び,βが大になる
にしたがい黒味を帯びた色合いとなっていた。
【0046】(実施例7)実施例5と同様にして,化学
組成比がZn0.9 ・(Li0.5 ・Fe0.5 0.1・Fe
2 ・O4 となるように,原料粉末を混合した。次に,こ
れら粉末を,700℃,750℃,800℃,900
℃,1000℃,1100℃,1200℃,1300℃
で焼成した。これら焼成粉末を解砕した後実施例5及び
6と同様に磁気特性を測定し,さらに粉末の結晶粒の平
均粒径を測定した。これら,粉末は全て非磁性であっ
た。平均粒径(d)の測定結果を図6に示す。平均粒径
5μm 以下は,1250℃以下の焼成温度で達成されて
いる。また,これら粉末をX線回折したところ,700
℃焼成の粉末では,ZnO,及びα−Fe2 3 の存在
が明らかに認められたが,他はスピネル相であった。し
たがって,結晶粒の平均粒径及び異相混在の観点から,
焼成温度は750〜1250℃範囲が有用となる。尚,
これら粉末は,茶色を基調とし,焼成温度を低下すると
黄味を帯び,焼成温度を上昇すると黒味を帯びた色合い
となる。
【0047】(実施例8)実施例5と同様にして,化学
組成比が(Li0.5 ・Fe0.5 0.7 ・Zn0.3・Fe
2 ・O4 なる焼成粉末を得た後,粉末の磁気特性を測定
した。その結果,4πI1kOeは4500G, IC は2
0Oeであった。また,この粉末はスピネル相であり,茶
色の色調で,結晶粒の平均粒径が約0.5μm であっ
た。
【0048】次に,この(Li0.5 ・Fe0.5 0.7
Zn0.3 ・Fe2 ・O4 の磁性粉末と,実施例で作製し
たZn0.9 ・(Li0.5 ・Fe0.5 0.1 ・Fe2 ・O
4 の非磁性粉末を,それぞれウレタン樹脂に対し70wt
%混合分散し,磁性インクと非磁性インクをそれぞれ作
製した。次にこのインクを使用してシルクスクリーン印
刷により,長さ4mmで幅0.2mmで厚さ10μm 程度の
磁性バー及び非磁性バーを交互に印刷して磁気バーコー
ドを形成した。この磁気バーコードの磁性バーと非磁性
バーとを目視にて外観から判別することは極めて困難で
あった。一方,X線回折にて結晶構造から判別すること
も極めて困難であった。また,2次X線により検出され
た検出元素は,いずれの磁気バーコードにおいてもF
e,Zn,Liとなっており,違いは認められなかっ
た。次に,この磁気バーコードを,磁気ヘッド部に約1
kOe の磁場が発生するように設計された磁気インク文字
読取り装置(MICR)を使用して判読したところ,磁
性バーでは約1000mVの出力が検出された。一方,非
磁性バーでは出力が認められなかった。したがって,本
粉末の組み合わせでは,磁気信号以外での読み取り判別
が極めて困難となり,情報の機密性が向上していること
がわかる。
【0049】(実施例9)化学組成比をNi(1-x) ・Z
x ・Fe(2+ α) ・O4 として,xが0,0.1,
0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,
0.8となるように,酸化鉄(α−Fe2 3 )と酸化
亜鉛(ZnO)と酸化ニッケル(NiO)とを原料と
し,ボールミルにて20時間湿式混合した。ここで使用
した原料粉末の粒度は,α−Fe2 3 及びZnOが約
0.3μm 以下で,NiOは約0.5μm以下であっ
た。次に,これら原料混合粉末を大気中,急熱,急冷に
て,温度1000℃で2時間焼成した。これら焼成粉末
をボールミルにて,解砕した後,粉末の磁気特性を,振
動型磁力計を使用して測定した。尚,1kOe の磁場を印
加した際の磁化量を4πI1kOeとして示す。その結果を
図7に示す。図7において,x=0.03〜0.75の
範囲で,4πI1kOeが3500Gを越える値となってい
る。一方, IC はx=0〜0.8の範囲で,4〜25
Oeの値となり,粉末要求値50Oeより著しく低い。尚,
これらの粉末の結晶の平均粒径を,走査型電子顕微鏡を
使用して測定したところ,約0.5μm であった。
【0050】(実施例10)上述の実施例9と同様にし
て,化学組成比がNi0.6 ・Zn0.4 ・Fe(2+α )
4 で,α=−0.8,−0.6,−0.4,−0.
2,0,0.2,0.4,0.6,0.8,1.0,
1.2,1.4,1.6,1.8,2.0,2.2なる
焼成粉末を得た後,粉末の磁気特性を測定した。図8に
示すように,α=−0.7〜+2.2の範囲で4πI
1kOeが3500Gを越える値となっている。一方, I
C は30Oe以下となっている。次に,これら粉末をX線
回折(Cr−Kα線にて)したところ,αが1.8を越
える領域ではα−Fe2 3 の(104)からの回折線
(これは,α−Fe2 3 の最強回折線である。)が明
らかに認められた。したがって,X線回折法により磁性
バーが検出できる可能性があるので,αが1.8以上の
領域は不適正と判断できる。これらのことから,α=−
0.7〜+1.6が有用な範囲となる。尚,これらの粉
末の結晶粒の平均粒径は約0.5μm であった。
【0051】(実施例11)実施例9と同様にして,化
学組成比がNi0.6 ・Zn0.4 ・Fe2 ・O4 となるよ
うに,原料粉末を混合した。次に,これら粉末をそれぞ
れ温度700℃,800℃,900℃,1000℃,1
100℃,1200℃,1300℃で焼成した。そし
て,これら焼成粉末を解砕した後,磁気特性と粉末の平
均結晶粒径(d)を測定した。その結果を図9に示す。
4πI1kOeは温度750℃以上の焼成によって3500
Gを越えている。 IC は750℃以上の温度で,要求
目標値50Oe以下となる。また。平均結晶粒径(lc
は温度1250℃以下で要求目標値5μm 以下となる。
これらの結果から,焼成温度は750〜1250℃が有
用となる。
【0052】以上,実施例9,10,11で作製された
磁性粉末は,茶色を基調とし,xの増加とともに黄味が
増し,αの増加とともに黒味が増し,焼成温度の上昇と
ともに黒味が増す傾向となっている。
【0053】(実施例12)実施例9と同様にして,化
学組成比がZn・Fe2 ・O4 なる焼成粉末を得た後,
粉末の磁気特性を測定した。その結果,この粉末は4π
1kOeは0であり,非磁性であった。また,この粉末は
スピネル相であり,結晶粒の平均粒径が約0.5μm で
あり,やや黄味を帯びた茶色であった。次に,このZn
・Fe2 ・O4 の非磁性粉末と,上述の実施例で作製し
たNi0.6 ・Zn0.4 ・Fe2 ・O4の磁性粉末とを,
それぞれウレタン樹脂に対し70wt%混合分散し,非磁
性インクと磁性インクをそれぞれ作製した。次に,この
インクを使用して,シルクスクリーン印刷し,長さ4m
m,幅0.2mm,厚さ10μm 程度の磁性バー及び非磁
性バーを交互印刷して磁気バーコードを形成した。この
磁気バーコードの磁性バーと非磁性バーを,外観から目
視にて判別することは極めて困難であった。一方,X線
回折にて結晶構造から判別することも極めて困難であっ
た。次に,この磁気バーコードを,磁気ヘッド部に約1
kOe の磁場が発生するように設計された磁気インク文字
読取り装置(MICR)を使用して判読したところ,磁
性バーでは約1000mVの出力が検出された。非磁性バ
ーでは出力は認められなかった。したがって,この非磁
性粉末と磁性粉末との組み合わせでは,外観上での判別
が極めて困難であり,磁気信号での読み取りのみが有効
となり,情報機密性が向上する。
【0054】(実施例13)実施例13に係る酸化物非
磁性粉末は,化学組成比がZn(1-y) ・Niy ・Fe
(2+β) ・O4 であり,ここで変量yを0,0.05,
0.10,0.12,0.14,0.16,0.18,
0.20とし,酸化鉄(α−Fe2 3 )と酸化亜鉛
(ZnO)と酸化ニッケル(NiO)とを原料組成材と
してボールミルにて20時間湿式混合し,更にこれら原
料組成材混合粉末を大気中,急熱及び急冷工程を経て温
度1000℃で2時間焼成した後,ボールミルにて解砕
することにより,解砕粉末として得られる。この解砕粉
末の結晶粒の平均径値は約0.5μm であり,その基色
調は茶色である。又,この解砕粉末は,yが小の場合に
は黄味を帯びるが,yが大の場合には黒味を帯びた色合
いとなる。尚,ここで使用された原料組成材粉末の粒径
は,α−Fe2 3 及びZnOが約0.3μm 以下で,
NiOが約0.5μm 以下のものである。この解砕粉末
に対してX線回折を行うと,スピネル型フェライト結晶
構造を有することが確認できる。図10は,第1の酸化
物磁性材に対し,振動型磁力計を使用して磁気特性を測
定した測定結果を示したものである。ここでは,横軸を
変量yとし,縦軸を1kOe の磁場を印加した際の磁化量
G(4π1kOe)としている。図10からはyが0よりも
大きく,且つ0.16以下の領域で非磁性粉末になるこ
とが分かる。
【0055】(実施例14)実施例14に係る酸化物非
磁性粉末は,化学組成比がZn0.9 ・Ni0.1 ・Fe
(2+β) ・O4 であり,ここで変量βを−0.40,−
0.35,−0.30,−0.20,−0.10,0,
0.10,0.20,0.25,0.30とし,実施例
13の粉末の場合と同様な生成過程を経ることによって
解砕粉末として得られる。図11は,この解砕粉末に対
する磁気特性を測定した測定結果を示したものである。
ここでは,横軸を変量βとし,縦軸を1kOe の磁場を印
加した際の磁化量G(4π1kOe)としている。図11か
らは解砕粉末の結晶粒の平均径値が約0.4〜0.6μ
m の範囲にあり,−0.40≦β≦+0.25の間で非
磁性粉末になることが分かる。この解砕粉末の生成相を
X線回折により分析したところ,−0.40≦β≦−
0.35の範囲にあっては一部にZnOの混在が認めら
れ,その他の範囲ではスピネル相となることが分かっ
た。これにより,スピネル型酸化物非磁性材料粉末を生
成するためには,磁気特性及び異相混在の観点からβの
範囲を−0.35≦β≦0.25とするのが有効である
とできる。尚,解砕粉末の基色調は茶色であり,βが小
になるに従って黄味を帯びるが,βが大になると黒味を
帯びた色合いとなる。
【0056】(実施例15)実施例15に係る酸化物非
磁性粉末は,化学組成比がZn0.9 ・Ni0.1 ・Fe2
・O4 となるように,実施例13の粉末の場合と同様な
生成過程を経ることによって原料組成材粉末を混合し,
各粉末を700℃,750℃,800℃,900℃,1
000℃,1100℃,1200℃,1300℃,14
00℃で焼成した後,これら焼成粉末を解砕することに
より解砕粉末として得られる。この解砕粉末は全て非磁
性である。図12は,横軸の焼成温度(℃)に対する縦
軸の解砕粉末の結晶粒の平均粒径(d)の測定結果を示
すものである。図12からは,平均粒径を5μm 以下と
するには1300℃以下の温度で焼成すれば良いことが
分かる。この解砕粉末をX線回折により調査したとこ
ろ,700℃近傍の焼成温度では,ZnO及びα−Fe
2 3 の存在が一部に認められたが,他はスピネル相で
あった。これにより,スピネル型酸化物非磁性材料粉末
を生成するためには,結晶粒の平均粒径及び異相混在の
観点から,焼成温度を750〜1300℃の範囲とする
のが有効であるとできる。尚,この解砕粉末の基色調は
茶色で,焼成温度を低下すると黄味を帯びるが,焼成温
度を上昇すると黒味を帯びた色合いとなる。
【0057】以上の実施例13乃至15に係る酸化物非
磁性粉末より磁気バーコードのバーコード部に適用可能
なスピネル型酸化物非磁性粉末として適切な生成要件
は,0<y≦0.16及び−0.35≦β≦0.25な
る条件下で,組成比をZn(1-y ) ・Niy ・Fe
(2+β) ・O4 とし,更に750℃〜1300℃で焼成
すれば良いことが分かる。
【0058】一方,磁気バーコードを形成するための磁
性粉末は,例えば化学組成比が(Ni0.6 ・Zn0.4
O・Fe2 ・O3 なるように,実施例13の非磁性粉末
の場合と同様な生成過程を経て解砕粉末として得られ
る。この解砕粉末はスピネル型亜鉛置換ニッケル系フェ
ライト強磁性粉末であり,磁気特性を測定したところ,
その測定結果は,4πI1kOeが約5100G, Ic
約15Oeとなった(図示せず)。即ち,この酸化物磁性
粉末は強磁性材となり,その生成相はスピネル相とな
る。この解砕粉末の基色調は茶色で,結晶粒の平均粒径
は約0.5μm である。
【0059】以上の生成過程で得られた非磁性粉末とし
てのスピネル型酸化物非磁性粉末(但し,化学組成比が
Zn0.9 ・Ni0.1 ・Fe2 ・O4 で,焼成温度が75
0〜1300℃の範囲で生成されたものとする)と,強
磁性材としてのスピネル型亜鉛置換ニッケル系フェライ
ト強磁性粉末(Ni0.6 ・Zn0.4 )0・Fe2 ・O3
とをウレタン樹脂に対してそれぞれ70wt%で混合分散
することにより,磁性インクと非磁性インクとをそれぞ
れ生成する。引き続き,これら各インクを使用してシル
クスクリーン印刷により,長さ4mm,幅0.2mm,厚さ
10μm 程度の寸法で磁性バー及び非磁性バーより成る
磁気バーコードを交互に印刷して磁気バーコードを形成
することができる。この磁気バーコードは,基色調が同
系統であるので,磁性バーと非磁性バーとを目視によっ
て外観上から判別することが極めて困難であった。又,
この磁気バーコードの磁性バー及び非磁性バーの結晶構
造をX線回折により判別することも極めて困難であっ
た。更に,この磁気バーコードの元素構成を2次X線に
より分析すると,何れの部分においてもFe,Zn,N
iが検出され,元素構成の相違を認められないという結
果になった。かかるバーは,磁気カード等の磁気バーコ
ードに備えられるものである。従って,このバーに対す
る磁気記録情報の判読は,磁気ヘッド部に約1kOe の磁
場が発生するように設計された磁気インク文字読取り装
置(MICR)により行れる。これによる判読の結果,
磁気バーコードの磁性バーからは約1000mVの出力が
検出され,非磁性バーからは出力が認められなかった。
しかして,本発明の実施例13乃至15に係る酸化物非
磁性粉末及びそれを磁性バーに使用した磁気バーコード
は,磁気信号以外での読み取り判別が極めて困難とな
り,磁気記録情報の機密性を向上させることができる。
【0060】(実施例16)化学組成比がZn(1-y)
Cuy ・Fe2 ・O4 とし,ここで,yが0,0.0
5,0.10,0.15,0.20,0.25となるよ
うに,酸化鉄(α−Fe2 3 )と酸化亜鉛(ZnO)
と酸化第2銅(CuO)を原料とし,ボールミルにて2
0時間湿式混合した。ここで使用した原料粉末の粒度
は,α−Fe2 Oが及びZnOが約0.3μm 以下で,
CuOが0.8μm 以下であった。次に,これら原料混
合粉末を大気中,急熱,急冷にて,1000℃で2時間
焼成した後,ボールミルにて解砕した。この解砕粉末
は,結晶粒の平均値が約0.5μm であり,茶色を基調
とするがCuO置換により著しく黒色化が進行してい
た。即ち,yの値が小の場合,黄味を帯び,yの値が大
の場合は黒味を帯びた色合いとなった。これらの粉末
は,X線回折によりスピネル型フェライト結晶構造であ
ることが確認できた。これら粉末を振動型磁力計を使用
して,磁気特性を測定した。尚,1kOeの磁場を印加
した際の磁化量を4πI1kOeとして示す。その結果を図
13に示す。yが0.20以下の領域では非磁性粉末と
なっている。
【0061】(実施例17)実施例16と同様にして,
化学組成比がZn0.9 ・Cu0.1 ・Fe(2+ β) ・O4
ここでβ=−0.5,−0.4,−0.3,−0.2,
−0.1,0,0.1,0.2,0.3,0.4なる焼
成粉末を得た後,粉末の磁気特性を測定した。β=−
0.5〜+0.3の間で非磁性粉末となっている。これ
ら粉末の結晶粒の平均粒子径は約0.4〜0.6μm の
範囲にあった。また,X線回折により生成相を調査した
ところ,β=−0.5ではZnOの混在が明らかに認め
られたが,その他の粉末はスピネル相であった。したが
って,磁気特性及び異相混在の観点からβ=−0.4〜
+0.3の範囲が有用となる。尚,これら粉末は,茶色
を基調とし,βが小になるにしたがい黄味を帯び,βが
大になるにしたがい黒味を帯びた色合いとなっていた。
【0062】(実施例18)実施例16と同様にして,
化学組成比がZn0.9 ・Cu0.1 ・Fe2 ・O4 となる
ように,原料粉末を混合した。次に,これら粉末を,7
00℃,750℃,800℃,900℃,1000℃,
1100℃,1200℃,1300℃,1400℃で焼
成した。これら焼成粉末を解砕した後,磁気特性と粉末
の結晶粒の平均粒径を測定した。これら粉末は全て非磁
性であった。平均粒径(d)の測定結果を図15に示
す。図15で示すように,平均粒径5μm 以下は,13
00℃以下の焼成温度で達成されている。また,これら
粉末をX線回折したところ,700℃焼成の粉末では,
ZnO,及びα−Fe2 3 の存在が明らかに認められ
たが,他はスピネル相であった。したがって,結晶粒の
平均粒径及び異相混在の観点から,焼成温度は750〜
1300℃範囲が有用となる。尚,これら粉末は,茶色
を基調とし,焼成温度を低下すると黄味を帯び,焼成温
度を上昇すると黒味を帯びた色合いとなる。
【0063】(実施例19)市販されているマグネタイ
ト(Fe3 4 )粉末及び,窒素雰囲気中で焼成して作
製したMn0.7 ・Zn0.2 ・Fe2.1 ・O4 を磁気バー
コード用粉末として準備した。4πI1KOeは,前者が4
600G,後者が5200G, IC は前者が70O
e,後者が40Oeであった。また,この粉末はスピネ
ル相であり,黒を基調としたの色調で,結晶粒の平均粒
径が前者は約0.3μm ,後者が約0.7μm であっ
た。
【0064】次に,これらマグネタイト及びMn−Zn
系フェライトの磁性粉末と,実施例18で作製したZn
0.9 ・Cu0.1 ・Fe2 ・O4 ,1000℃焼成の非磁
性粉末とを,ウレタン樹脂に対し70wt%混合分散
し,それぞれ磁性インキと非磁性インキを作製した。次
に,このインクを使用して,それぞれの磁性インクと非
磁性インクの組み合せでシルクスクリーン印刷により,
長さ4mmで幅0.2mmで厚さ10μm 程度の磁性及び非
磁性コードを交互に印刷して磁気バーコードを形成し
た。この磁気バーコードの磁性バーと非磁性バーを,目
視にて外観から判別することは極めて困難であった。一
方,X線回折よって結晶構造から磁性バーと非磁性バー
とを判別することも極めて困難であった。次に,この磁
気バーコードを,磁気ヘッド部に約1KOeの磁場が発
生するように設計された磁気インク文字読取り措置(M
ICR)を使用して判読したところ,磁性バーでは約1
000mVの出力が検出された。一方,非磁性バーでは
出力が認められなかった。
【0065】以上の実施例16乃至19に示したよう
に,亜鉛フェライト粉末の組成比を,Zn(1-y) ・Cu
y ・Fe(2+ β) ・O4 ここで,y=0〜0.20(0
を含まず),β=−0.40〜+0.30とし,750
〜1300℃で焼成することによって作製されたスピネ
ル型フェライト非磁性粉末と,強磁性フェライトである
黒色を基調としたスピネル系フェライト粉末(マグネタ
イト,Mn−Zn系フェライト等)を,それぞれ磁性バ
ー及び非磁性バー用粉末として使用し,これらを組み合
わせることにより,磁気バーコードによる情報の機密性
が向上することがわかる。
【0066】(実施例20)化学組成比がNi(0.6-z)
・Zn0.4 ・Mnz Fe2 ・O4 とし,ここでzが0;
0.1; 0.2; 0.3; 0.4; 0.5と
なるように,酸化鉄(α−Fe2 3 )と酸化亜鉛(Z
nO)と酸化ニッケル(NiO)及び四三酸化マンガン
(Mn3 4 )を原料とし,ボールミルにて20時間湿
式混合した。ここで使用した粉末の粒度は0.5μm 以
下のものである。次に,これら原料混合粉末を大気中,
急熱,急冷にて,1000℃で2時間焼成し,茶色を基
調としたスピネル型フェライトを得た。次に,これら焼
成粉末をボールミルにて解砕した後,粉末の磁気特性を
振動型磁力計を使用して測定した。尚,1kOe の磁場を
印加した際の磁化量を4πI1kOeとして示す。その結果
を図16に示す。
【0067】図16において,0<z≦0.4の範囲
で,4πI1kOeがz=0よりも高い値となっている。ま
IC はzの増加とともに低下している。したがっ
て,磁気バコードの磁性バー用の磁性粉末としては0<
z≦0.4の範囲で明らかに磁気特性が向上していると
いえる。尚,これら粉末の結晶の平均粒径dを,走査型
電子顕微鏡を使用して観察したところ,約0.5μm で
あった。
【0068】(実施例21)実施例20と同様にして,
化学組成比がNi0.4 ・Zn0.4 ・Mn0.2 ・Fe2
4 及びNi0.6 ・Zn0.4 ・Fe2 ・O4 となるよう
に,原料粉末を混合した。次に,これら粉末を700
℃,800℃,900℃,1000℃,1100℃,1
200℃,1300℃で焼成した。これら焼成粉末を解
砕した後,粉末の磁気特性と平均粒径(d)を測定し
た。その結果を図17に示す。図示のように,4πI
1kOeは焼成温度750℃以上でMn置換フェライト材料
の方が高い値を示している。 IC はMn置換により低
下している。また,平均粒径(d)5μm 以下は125
0℃以下の焼成で得られている。これらの結果から,M
n置換フェライト材料は,750℃〜1250℃で焼成
することにより,明らかに特性が向上した磁気バーコー
ドの磁性バー用の磁性粉末を得ることができる。
【0069】(実施例22)実施例21と同様にして,
Ni0.4 ・Zn0.4 ・Mn0.2 ・Fe2 ・O4 ,とNi
0.6 ・Zn0.4 ・Fe2 ・O4 及びZn・Fe2 ・O4
なるスピネル型フェライト粉末を作製し,それぞれウレ
タン樹脂に対し70wt%混合分散し,磁性インク及び非
磁性インクをそれぞれ作製した。次に,このインクを使
用して,シルクスクリーン印刷し,長さ4mmで幅0.2
mmで厚さ10μm 程度の磁性バー及び非磁性バーを印刷
して磁気バーコードを形成した。次に,この磁気バーコ
ードを磁気ヘッド部に約1kOe の磁場が発生するように
設計された磁気インク文字読取り装置(MICR)を使
用して,磁性バー及び非磁性バーの出力値を測定した。
その結果を表1に示す。尚,表中の値は,各バーの10
0本の平均値を示している。これらの磁気バーコードの
磁性バー及び非磁性バーを目視で識別することは困難で
あった。
【0070】
【表1】
【0071】表1で示すように,Mn置換フェライト粉
末を使用することにより,磁気バーコードの出力が明ら
かに向上している。
【0072】以上の実施例20乃至22から判るよう
に,Ni−Zn系フェライト粉末の組成比を(Ni
(0.6-z) ・Zn0.4 ・Mnz )O・Fe2 3 とし,こ
こで0<z≦0.4とし,750〜1250℃で焼成す
ることによって作製されたスピネル型フェライト粉末を
使用し,磁気バーコードを構成することにより,出力の
高い磁性バーを有する磁気バーコードが実現できる。
【0073】(実施例23)実施例23では化学組成比
をNi(0.6-z) ・Zn0.4 ・Cuz ・Fe2 ・O4
し,zがそれぞれ0,0.1,0.2,0.3,0.
4,0.5となるように,酸化鉄(α−Fe2 3 ),
酸化亜鉛(ZnO),酸化ニッケル(NiO)及び酸化
第2銅(CuO)の各原料粉末を準備し,これらの各原
料粉末をボールミルにて20時間湿式混合した。但し,
ここで使用した各粉末の粒度(粒径)は0.5μm以下
である。次に,この原料混合粉末を大気中にて急熱,急
冷し,焼成温度800℃で2時間焼成し,茶色を基調と
した6種の焼成スピネル型フェライト粉末を得た。更
に,これらの各焼成スピネル型フェライト粉末をボール
ミルにて解砕した後,1KOeの磁場をかけて磁化量が
4πI1KOeとなるように磁化して6種の酸化物磁性
粉末を得た。図18はこれらの酸化物磁性粉末の磁気特
性を振動型磁力計を使用して測定した結果を示したもの
である。
【0074】測定結果によれば,O<z≦0.4の範囲
であれば,磁化量4πI1kOeはz=0のときよりも高い
値となるが,保磁力 IC はzの増加と共に僅かずつ低
下していることが判かる。これにより,磁気バーコード
用粉末(CuO置換スピネル型フェライト粉末)として
適当な製造条件は,明らかに磁気特性の向上を示したO
<y≦0.4の範囲にあるものであることが判る。加え
て,これらの酸化物磁性粉末結晶の平均粒径を走査型電
子顕微鏡を使用して観察したところ,約0.3〜0.6
(μm)の範囲にあることが判った。
【0075】(実施例24)実施例23と同様に,化学
組成比をNi0.4 ・Zn0.4 ・Cu0.2 ・Fe2 ・O4
とし,各原料粉末を湿式混合して原料混合粉末を得た。
引き続いて,その原料混合粉末を600℃,700℃,
800℃,900℃,1000℃,1100℃,120
0℃の各焼成温度条件下で焼成し,それぞれ7種の焼成
スピネル型フェライト粉末を得た。更にこれらの各焼成
スピネル型フェライト粉末を解砕して実施例1と同様に
磁化した後,7種の酸化物磁性粉末を得た。図19はこ
れらの各酸化物磁性粉末の磁気特性と平均粒径(d)と
の測定結果を示したものである。測定結果によれば,焼
成温度が650℃以上であれば,磁化量4πI1kOeが3
500G以上となると共に,保磁力 IC が50(O
e)以下となることが判かる。又,焼成温度が1200
℃以下であれば,各酸化物磁性粉末の平均粒径が5μm
以下となることが判かる。これらの結果から,CuO置
換スピネル型フェライト粉末は,焼成温度を650〜1
200(℃)の範囲内とすれば有用であることが判か
る。
【0076】(実施例25)実施例23で作製したNi
0.4 ・Zn0.4 ・Cu0.2 ・Fe2 ・O4 ,Ni0. 6
Zn0.4 ・Fe2 ・O4 及び市販されているZn・Fe
2 ・O4 粉末を使用し,それぞれウレタン樹脂30wt
%を混合して磁性インク及び非磁性インクをそれぞれ作
製した。
【0077】次に,このインクを使用してシルクスクリ
ーン印刷し,長さ4mm,幅0.2mm,厚さ10μm程度
の磁性バー及び非磁性バーを夫々形成した。更に,この
磁性バー及び非磁性バーを磁気ヘッド部に約1kOeの
磁場を発生するように設計された磁気インク文字読取り
装置(MICR)を使用して,磁性バー及び非磁性バー
の出力平均値を測定した。その100本の平均値を表2
に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2からはCuO置換スピネル型フェライ
ト粉末を使用すると,明らかに磁性バーの出力が向上し
ている。尚,これら磁性バーの印刷状態は従来よりも改
善された。又,磁性バーが非磁性バーと同様に茶色を基
調とする色合いとなる為,磁気バーコードの磁性バー及
び非磁性バーを目視によって識別することが困難である
ことが判った。
【0080】以上の実施例23乃至25から判るよう
に,Ni−Zn系フェライト粉末の組成比を(Ni
(0.6-z) ・Zn0.4 ・Cuz )O・Fe2 ・O3 とし,
且つここで0<z≦0.4とし,温度650〜1200
(℃)の範囲内で焼成することによって作製されるスピ
ネル型フェライト粉末を使用すれば,磁気バーコードの
磁性バー及び非磁性バーの色合いによる識別が困難であ
って,しかも印刷特性の向上を図り得る磁気バーコード
を構成することができる。
【0081】(実施例26)化学組成比が(1−x)N
0.6 ・Zn0.4 ・x/4Li2 Fe(2+x/4) ・O4
し,ここでxが0;0.1;0.2;0.4;0.6;
0.8;1.0となるように,酸化鉄(α−Fe
2 3 )と酸化亜鉛(ZnO)と酸化ニッケル(Ni
O)及び炭酸リチウム(Li2 CO3 )を原料とし,ボ
ールミルにて20時間湿式混合した。ここで使用した粉
末の粒度は0.5μm以下のものである。
【0082】次に,これら原料粉末を大気中,急熱,急
冷にて,750℃で2時間焼成し,茶色を基調としたス
ピネル型フェライト粉末を得た。次に,これら焼成粉末
をボールミルにて解砕した後,粉末の磁気特性を振動型
磁力計を使用して測定した。(尚,1kOeの磁場を印加し
た際の磁化量を4πI1kOeとして示す。)その結果を図
20に示す。図20において,0<x<1.0の範囲
で,x=0よりも,4πI1kOeが明らかに向上し, I
c は減少している。したがって,磁気バーコードの磁性
バー用磁性粉末としては,0<x<1.0の範囲で磁気
特性が明らかに向上している。
【0083】尚,実施例26に係る磁気バーコード用粉
末の結晶の平均粒径(d)を,走査型電子顕微鏡を使用
して観察したところ,約0.3μmであった。
【0084】(実施例27)化学組成比が(1−x)N
0.4 ・Zn0.4 ・x/4Li2 ・Mn0.2 ・Fe
(2+x/4) ・O4 とし,ここでxが0;0.1;0.2;
0.4;0.8;1.0となるように,酸化鉄(α−F
2 3 )と酸化亜鉛(ZnO)と酸化ニッケル(Ni
O)と四三酸化マンガン(Mn3 4 )及び炭酸リチウ
ム(Li2 CO3)を原料とし,実施例26と同様にし
て,スピネル型フェライト粉末を得た後,特性を測定し
た。これら粉末は,茶色を基調とし,約0.3μmの結
晶粒径からなっていた。磁気特性の測定結果を図21に
示す。0<x<1.0の範囲で4πI1kOeが明らかに向
上している。したがって,磁気バーコードの磁性バー用
酸化物磁性粉末としては,0<x<1.0の範囲が有用
であるといえる。
【0085】(実施例28)実施例26と同様にして,
化学組成比が0.8Ni0.6 ・Zn0.4 ・0.05Li
2 ・Fe(2.05)・O4 となるように,原料粉末を混合し
た。次に,これら粉末を700℃,800℃,900
℃,1000℃,1100℃,1200℃,1300℃
で焼成した。これら焼成粉末を解砕した後,粉末の磁気
特性と平均粒径(d)を測定した。その結果を図22に
示す。図22において,4πI1kOeは焼成温度700℃
以上で3500Gを越える値を示し, Ic は50Oe
未満の値となっている。一方,粉末のlc は1250℃
以下で5μm未満の値となっている。したがって,粉末
の焼成温度は700℃〜1250℃の範囲が有用である
といえる。
【0086】(実施例29)実施例27及び28と同様
にして,0.6Ni0.6 ・Zn0.4 ・0.1Li2・F
2.1 ・O4 ,0.6Ni0.4 ・Zn0.4 ・0.1Li
2 ・Mn0.2 ・Fe2.1 ・O4 及びZn・Fe2 ・O4
なるスピネル型フェライト粉末を作製し,それぞれウレ
タン樹脂に対し70wt%混合分散し,磁性インク及び
非磁性インクをそれぞれ作製した。次に,このインクを
使用して,シルクスクリーン印刷し,長さ4mmで幅0.
2mmで厚さ10μm程度の磁性バー及び非磁性バーを形
成した。次に,この磁性バー及び非磁性バーを,磁気ヘ
ッド部に約1kOeの磁場が発生するように設計された
磁気インク文字読取り装置(MICR)を使用して,磁
性バーの出力値を測定した。その結果を下記の表3に示
す。各100本の平均値。
【0087】
【表3】
【0088】尚,表3で示す酸化物磁性粉末及び酸化物
非磁性粉末から形成した磁気バーコードの磁性バー及び
非磁性バーを目視で識別することは困難であった。
【0089】以上の実施例26乃至29からもわかるよ
うに,Ni−Zn系フェライトにおいてLi2 Oを含有
し,700〜1250℃で焼成することによって作製さ
れたスピネル型フェライト磁性粉末を使用し,磁気バー
コードを構成することができる。
【0090】以上,詳しく説明した本発明の実施例1乃
至29では,NiO,ZnO,Li2 O,Fe2 3
びNiO,ZnO,MnO,Li2 O,Fe2 3 を使
用したフェライト粉末のみについて述べているが,これ
らを主成分として含有しているスピネル型フェライトで
あれば,他の元素を含有していたとしても本発明の範囲
内にあることは当業者であれば,容易に理解できる。
【0091】また,上記した本発明の実施例1乃至29
においては,酸化物磁性粉末又は酸化物非磁性粉末の製
法として,焼成を大気中,急熱,急冷でのみ実施してい
るが,焼成による生成物がスピネル相であれば,焼成雰
囲気が大気中に比べ還元性(例えば,窒素,アルゴン,
真空)であっても,酸化性であっても,また,焼成が徐
熱であっても,徐冷であっても,共沈法,水熱合成法,
噴霧焙焼法等を適用しても,本発明の範囲内にあること
は明らかである。
【0092】また,本発明の実施例1乃至29では,磁
気バーコードの磁性バー及び非磁性バーの印刷方法とし
て,スクリーン印刷のみを示しているが,例えばオフセ
ット印刷等,他の手法であっても磁気バーコードを形成
できるものであれば,本発明の範囲にあることは,当業
者であれば容易に理解できる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように本発明では,化学組
成比を,一般式{Ma(1-x)・Znx(1-z) ・Mbz
・Fe2 4 ・Feα(但し,Maは,Fe,Li,N
iのうちの少なくとも一種で,MbはMn,Cu,Li
のうちの少なくとも一種,x=0〜1,z=0〜0.
4,α=−0.7〜+1.6)で表されるように構成
し,さらに,650℃〜1300℃で焼成することによ
って作製されたスピネル型フェライト粉末と,非磁性ス
ピネルフェライトである亜鉛フェライト粉末を磁気バー
コード用粉末として使用しているから,磁性及び非磁性
バーコード部の色合による識別を困難にし,かつ磁性イ
ンクの印刷特性の向上を図るために,茶色を基調とした
スピネル系フェライト粉末であるNi−Zn系フェライ
ト粉末の磁化の向上を達成することができる磁気バーコ
ード用酸化物磁性粉末及びその製造方法を提供すること
ができる。
【0094】また,本発明によれば,化学組成比を,一
般式Mcy ・Zn(1-y) ・Fe2 4 ・Feβ(但し,
Mcは,Li,Cu,Ni,Feのうちの少なくとも一
種,y=0〜0.25,β=−0.40〜+0.30)
で表されように構成し,650〜1300℃で焼成する
ことによって作製されたスピネル型フェライト非磁性粉
末を非磁性バー用粉末として使用し,これらを組み合わ
せることにより,磁気バーコードによる情報の機密性を
向上させることができる磁気バーコード用酸化物磁性粉
末及びその製造方法を提供することができる。
【0095】また,本発明によれば,強磁性材として生
成した前記スピネル型酸化物磁性粉末と,基色調,結晶
構造,及び元素構成が同系統の前記スピネル型酸化物非
磁性粉末とを原材料として磁性インク及び非磁性インク
を生成することで磁性バー及び非磁性バーから成る磁気
バーコードを形成可能にしている。このようにして形成
された磁気バーコードは,磁気カード等の磁気バーコー
ドに備えられるものである。かかる磁気バーコードを備
えた媒体は,磁気バーコードの磁性バーと非磁性バーと
を目視によって外観上から判別すること,その結晶構造
をX線回折により判別すること,その元素構成を2次X
線により分析すること等,磁気バーコードの素材に要求
される機密性保持のための定性的項目を全て充足できる
ので,磁気カード等の信頼性向上に多大に寄与すること
ができる磁性インクと非磁性インクとそれを用いた磁気
バーコードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における化学組成比(Li
0.5 ・Fe0.5 (1-x) ・Znx・Fe2 ・O4 におけ
るxと磁気特性(4πI1kOe IC )との関係を示す
図である。
【図2】本発明の実施例2における化学組成比(Li
0.5 ・Fe0.5 0.7 ・Zn0.3・Fe(2+α) ・O4
におけるαと磁気特性(4πI1kOe IC )の関係を
示す図である。
【図3】本発明の実施例3における化学組成比(Li
0.5 ・Fe0.5 0.7 ・Zn0.3・Fe2 ・O4 におけ
る磁気特性(4πI1kOe IC )及び粉末の結晶粒の
平均粒径(d)と焼成温度との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例5において,化学組成比Zn
(1−y)・(Li0.5 Fe0.5 y・Fe(2+α)・O4
におけるyと磁気特性(4πI1kOe IC )の関係を
示す図である。
【図5】本発明の実施例6において,化学組成比Zn
0.9 ・(Li0.5 Fe0.5 0.1・Fe(2+β)・O4
におけるβと磁気特性(4πI1kOe IC )の関係を
示す図である。
【図6】本発明の実施例7において,化学組成比Zn
0.9 ・(Li0.5 Fe0.5 0.1・Fe2 ・O4 におけ
る焼成温度と粉末の結晶粒の平均粒径(d)との関係を
示す図である。
【図7】本発明の実施例9における化学組成比Ni
(1-x) ・Znx ・Fe(2+ α) ・O4 におけるxと磁気
特性(4πI1kOe IC )の関係を示す図である。
【図8】本発明の実施例10における化学組成比Ni
0.6 ・Zn0.4 ・Fe(2+α) ・O4 におけるαと磁気
特性(4πI1kOe IC )の関係を示す図である。
【図9】本発明の実施例11における化学組成比Ni
0.6 ・Zn0.4 ・Fe2 ・O4 における磁気特性(4π
1kOe IC )及び粉末の結晶粒の平均粒径(d)と
焼成温度との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施例13における酸化物非強磁性
粉末を生成するもので,磁気バーコードのバーコード部
に適用可能なスピネル型酸化物非強磁性材料粉末に係る
第1の酸化物磁性粉末における磁気特性の測定結果を示
したものである。
【図11】本発明の実施例14における酸化物非強磁性
粉末を生成するもので,磁気バーコードのバーコード部
に適用可能なスピネル型酸化物非強磁性材料粉末に係る
第2の酸化物磁性粉末における磁気特性の測定結果を示
したものである。
【図12】本発明の実施例15における酸化物非強磁性
粉末を生成するもので,磁気バーコードのバーコード部
に適用可能なスピネル型酸化物非強磁性材料粉末に係る
第3の酸化物磁性粉末における焼成温度に対する解砕粉
末の結晶粒の平均粒径の測定結果を示すものである。
【図13】本発明の実施例16において,化学組成比Z
(1-y) ・Cuy ・Fe2 ・O4におけるyと磁気特性
(4πI1KOe IC )の関係を示したものである。
【図14】本発明の実施例17において,化学組成比Z
0.9 ・Cu0.1 ・Fe(2+ β)・O4 におけるβと磁
気特性(4πI1KOe IC )の関係を示したものであ
る。
【図15】本発明の実施例18において,化学組成比Z
0.9 ・Cu0.1 ・Fe2 ・O4における焼成温度と粉
末の結晶粒の平均粒径(d)との関係を示したものであ
る。
【図16】本発明の実施例20において,化学組成比N
(0.6-z) ・Zn0.4 ・Mnz ・O4 におけるzと磁気
特性(4πI1kOe IC )の関係を示す図である。
【図17】本発明の実施例21において,化学組成比N
0.4 ・Zn0.4 ・Mn0.2 ・Fe2 ・O4 (図中,○
印実線)及びNi0.6 ・Zn0.4 ・Fe2 ・O4 (図
中,△印破線)における焼成温度と磁気特性(4πI
1kOe IC )と粉末の平均粒径(d)との関係を示す
図である。
【図18】本発明の実施例23において,化学組成比N
(0.6-z) ・Zn0.4 ・Cuz ・Fe2 ・O4 における
z(可変値)と磁気特性との関係を示した図である。
【図19】本発明の実施例24において,化学組成比N
0.4 ・Zn0.4 ・Cu0.2 ・Fe2 ・O4 における焼
成温度(可変値)と磁気特性及び粉末結晶粒の平均粒径
dとの関係を示した図である。
【図20】本発明の実施例26において化学組成比(1
−x)Ni0.6 ・Zn0.4 ・x/4Li2 Fe(2+x/4)
・O4 におけるxと磁気特性(4πI1kOe Ic )の
関係を示した図である。
【図21】本発明の実施例27において,化学組成比
(1−x)Ni0.4 ・Zn0.4 ・x/4Li2 ・Mn
0.2 ・Fe(2+x/4) ・O4 におけるxと磁気特性(4π
1kOe Ic )の関係を示した図である。
【図22】本発明の実施例28において,化学組成比
0.8Ni0.6 ・Zn0.4 ・0.05Li2 ・Fe
(2.05)・O4 における焼成温度と磁気特性(4πI
1kOe Ic ),及び粉末の平均粒径(d)との関係を示
した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−314653 (32)優先日 平3(1991)11月28日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−21057 (32)優先日 平4(1992)2月6日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−57989 (32)優先日 平4(1992)3月16日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−101181 (32)優先日 平4(1992)4月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−140401 (32)優先日 平4(1992)6月1日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成が,一般式{Ma(1-x) ・Zn
    x (1-z) ・Mbz・Fe(2+ α)・O4 (但し,Ma
    は,Fe,Li,Niのうちの少なくとも一種で,Mb
    はMn,Cu,Liのうちの少なくとも一種,x=0〜
    1,z=0〜0.4,α=−0.7〜+1.6)で表さ
    れ,スピネル型の結晶構造を有することを特徴とする酸
    化物磁性粉末。
  2. 【請求項2】 化学組成が,一般式{Ma(1-x) ・Zn
    x (1-z) ・Mbz・Fe(2+ β) ・O4 ・Feα(但
    し,Maは,Fe,Li,Niのうちの少なくとも一種
    で,MbはMn,Cu,Liのうちの少なくとも一種,
    x=0〜1,z=0〜0.4,α=−0.7〜+1.
    6)となるように,NiO,ZnO,Mn3 4 ,Fe
    2 3 ,CuO,LiOの内の原料粉末を選択し,65
    0〜1250℃で焼成してスピネル型フェライトを製造
    することを特徴とする酸化物磁性粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 化学組成が,一般式 Mcy ・Zn
    (1-y) ・Fe(2+ β) ・O4 (但し,Mcは,Li,C
    u,Ni,Feのうちの少なくとも一種,y=0〜0.
    25,β=−0.40〜+0.30)で表され,スピネ
    ル型の結晶構造を有することを特徴とする酸化物非磁性
    粉末。
  4. 【請求項4】 化学組成が,一般式 Mcy ・Zn
    (1-y) ・Fe(2+ β) ・O4 ・(但し,Mcは,Li,
    Cu,Ni,Feのうちの少なくとも一種,y=0〜
    0.25,β=−0.40〜+0.30)となるよう
    に,NiO,ZnO,Fe2 3 ,CuO,LiOの内
    の原料粉末を選択し,750〜1300℃で焼成してス
    ピネル型フェライトを製造することを特徴とする酸化物
    非磁性粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 非磁性バーと磁性バーとからなる磁気バ
    ーコードにおいて,前記磁性バーは,請求項1記載の酸
    化物磁性粉末を含むことを特徴とする磁気バーコード。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気バーコードにおい
    て,前記非磁性バーは,請求項3記載の酸化物非磁性粉
    末を含むことを特徴とする磁気バーコード。
  7. 【請求項7】 非磁性バーと磁性バーとからなる磁気バ
    ーコードにおいて,前記非磁性バーは,請求項3記載の
    酸化物非磁性粉末を含むことを特徴とする磁気バーコー
    ド。
  8. 【請求項8】 磁性粉末を含む磁性インクにおいて,前
    記磁性粉末は,請求項1記載の酸化物磁性粉末であるこ
    とを特徴とする磁性インク。
  9. 【請求項9】 非磁性粉末を含む非磁性インクにおい
    て,前記非磁性粉末は,請求項3記載の酸化物非磁性粉
    末を含むことを特徴とする非磁性インク。
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