JPH0652844A - アルカリ蓄電池用セパレータ - Google Patents
アルカリ蓄電池用セパレータInfo
- Publication number
- JPH0652844A JPH0652844A JP4223433A JP22343392A JPH0652844A JP H0652844 A JPH0652844 A JP H0652844A JP 4223433 A JP4223433 A JP 4223433A JP 22343392 A JP22343392 A JP 22343392A JP H0652844 A JPH0652844 A JP H0652844A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- separator
- pores
- fibers
- fiber
- battery
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Separators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】電池の充放電にともなう内部抵抗の増加を防止
できるアルカリ蓄電池用のセパレータを提供する。 【構成】表面が親水性の細孔を有する合成樹脂繊維を含
有する不織布からなる。
できるアルカリ蓄電池用のセパレータを提供する。 【構成】表面が親水性の細孔を有する合成樹脂繊維を含
有する不織布からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水酸化カリウムや水酸
化ナトリウムの水溶液を電解液に用い、水酸化ニッケ
ル、酸化第1銀、酸化第2銀などを正極の主活物質に用
い、カドミウム、亜鉛、水素吸蔵合金、鉄などを負極の
主活物質に用いる蓄電池に用いられるセパレータに関す
るものである。
化ナトリウムの水溶液を電解液に用い、水酸化ニッケ
ル、酸化第1銀、酸化第2銀などを正極の主活物質に用
い、カドミウム、亜鉛、水素吸蔵合金、鉄などを負極の
主活物質に用いる蓄電池に用いられるセパレータに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池のセパレータには、合成
繊維の不織布が賞用されている。
繊維の不織布が賞用されている。
【0003】特に、密閉型のアルカリ蓄電池では、電解
液量を少なくし、セパレータには、不織布を使用する。
そして、負極の未充電活物質の容量を正極の未充電活物
質の容量よりも大きくして、電池の充電末期に、正極の
充電が負極の充電よりも先に終わって、正極から酸素ガ
スが発生するように電池を構成する。このようにするこ
とによって、充電末期に正極から発生する酸素ガスは、
不織布製セパレータの繊維間の孔部を通過して負極に到
達し、負極の表面で電気化学的に還元されて消費され、
電解液へと戻される。このようにして、ガスの蓄積を防
いで密閉電池内の内圧の著しい上昇を防止するととも
に、電解液の減少を防止している。このような電池で
は、セパレータの繊維間に保持されたアルカリ電解液が
正負極間のイオン伝導を担っている。
液量を少なくし、セパレータには、不織布を使用する。
そして、負極の未充電活物質の容量を正極の未充電活物
質の容量よりも大きくして、電池の充電末期に、正極の
充電が負極の充電よりも先に終わって、正極から酸素ガ
スが発生するように電池を構成する。このようにするこ
とによって、充電末期に正極から発生する酸素ガスは、
不織布製セパレータの繊維間の孔部を通過して負極に到
達し、負極の表面で電気化学的に還元されて消費され、
電解液へと戻される。このようにして、ガスの蓄積を防
いで密閉電池内の内圧の著しい上昇を防止するととも
に、電解液の減少を防止している。このような電池で
は、セパレータの繊維間に保持されたアルカリ電解液が
正負極間のイオン伝導を担っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のセ
パレータでは、繊維が無孔質のものであったので、正負
極間のイオン伝導は、不織布製のセパレータの繊維間に
保持された電解液が担っていた。このような従来のセパ
レータでは、アルカリ電解液は、主としてセパレータの
繊維の交絡部や繊維間の狭い空隙の毛管力で保持されて
いる。
パレータでは、繊維が無孔質のものであったので、正負
極間のイオン伝導は、不織布製のセパレータの繊維間に
保持された電解液が担っていた。このような従来のセパ
レータでは、アルカリ電解液は、主としてセパレータの
繊維の交絡部や繊維間の狭い空隙の毛管力で保持されて
いる。
【0005】そして、正極や負極が充放電にともなう活
物質の体積変化によって活物質に亀裂が発生し、正極や
負極の細孔が多くなると、これらの毛管力が高くなっ
て、セパレータの電解液が正極や負極に移動し、セパレ
ータの電解液量が過度に少なくなることがある。このよ
うなことが起こると、セパレータにおける電解液の抵抗
が大きくなって、電池の内部抵抗が著しく高くなる不都
合が起こる。
物質の体積変化によって活物質に亀裂が発生し、正極や
負極の細孔が多くなると、これらの毛管力が高くなっ
て、セパレータの電解液が正極や負極に移動し、セパレ
ータの電解液量が過度に少なくなることがある。このよ
うなことが起こると、セパレータにおける電解液の抵抗
が大きくなって、電池の内部抵抗が著しく高くなる不都
合が起こる。
【0006】そこで、電池の充放電にともなう内部抵抗
の増加を防止できるアルカリ蓄電池用のセパレータが望
まれていた。
の増加を防止できるアルカリ蓄電池用のセパレータが望
まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の課題
を解決するために、表面が親水性の細孔を有する合成樹
脂繊維を含有する不織布からなるアルカリ蓄電池用セパ
レータを提供する。
を解決するために、表面が親水性の細孔を有する合成樹
脂繊維を含有する不織布からなるアルカリ蓄電池用セパ
レータを提供する。
【0008】
【作用】本発明の構成を採用すると、次の作用が得られ
る。
る。
【0009】すなわち、本発明のセパレータの不織布に
は、親水性の表面を有する細孔が存する合成樹脂繊維が
含まれる。従って、このセパレータでは、アルカリ電解
液は、繊維間の交絡部や間隙部だけではなく、繊維の細
孔内にも保持される。しかも繊維内の細孔の毛管力は、
繊維間の交絡部や間隙における毛管力よりも高い。従っ
て、電池の充放電にともなって、正極や負極の細孔が増
加して、セパレータの繊維間の交絡部や間隙の電解液が
奪われても、本発明のセパレータの繊維内の細孔の電解
液は保持される。
は、親水性の表面を有する細孔が存する合成樹脂繊維が
含まれる。従って、このセパレータでは、アルカリ電解
液は、繊維間の交絡部や間隙部だけではなく、繊維の細
孔内にも保持される。しかも繊維内の細孔の毛管力は、
繊維間の交絡部や間隙における毛管力よりも高い。従っ
て、電池の充放電にともなって、正極や負極の細孔が増
加して、セパレータの繊維間の交絡部や間隙の電解液が
奪われても、本発明のセパレータの繊維内の細孔の電解
液は保持される。
【0010】それゆえに、電池の充放電にともなう内部
抵抗の増加が抑制される。
抵抗の増加が抑制される。
【0011】なお、細孔を有する繊維の表面が親水性を
備えていない場合には、アルカリ電解液が繊維の細孔に
保持されないので、上記の作用が得られない。
備えていない場合には、アルカリ電解液が繊維の細孔に
保持されないので、上記の作用が得られない。
【0012】本発明では、細孔の表面に親水性を付与す
るために、細孔を有する繊維がポリアミド、もしくは界
面活性剤を付着しているかあるいは親水基を化学結合し
てなるポリオレフィンである構成を採用することを推奨
する。
るために、細孔を有する繊維がポリアミド、もしくは界
面活性剤を付着しているかあるいは親水基を化学結合し
てなるポリオレフィンである構成を採用することを推奨
する。
【0013】ポリアミドは、アルカリ電解液中で、ある
程度の耐久性を備えるとともに、細孔の表面の親水性を
も兼ね備えている。
程度の耐久性を備えるとともに、細孔の表面の親水性を
も兼ね備えている。
【0014】また、ポリエチレンやポリプロピレンなど
のポリオレフィンは、アルカリ電解液中における耐久性
に優れているが、それだけでは親水性を有していない。
そこで、その細孔の表面に界面活性剤を付着させたり、
その細孔の表面にスルホン基、カルボキシル基、ケトン
基などの親水基を化学結合させる。このような構成を採
用することによって、耐久性と細孔の親水性とを兼ね備
えるセパレータが得られる。
のポリオレフィンは、アルカリ電解液中における耐久性
に優れているが、それだけでは親水性を有していない。
そこで、その細孔の表面に界面活性剤を付着させたり、
その細孔の表面にスルホン基、カルボキシル基、ケトン
基などの親水基を化学結合させる。このような構成を採
用することによって、耐久性と細孔の親水性とを兼ね備
えるセパレータが得られる。
【0015】なお、本発明のセパレータは、不織布の全
部の繊維が、表面に親水性の細孔を有する合成樹脂繊維
からなることがもっとも望ましい。なぜなら、細孔を有
していない繊維と混合して使用する場合には、親水性の
細孔を有する繊維の含有率の減少にともなって、内部抵
抗の増加の抑制の作用が減少するからである。しかしな
がら、その作用の減少の程度が実用に耐える程度であれ
ば、細孔を有していない繊維と混合して使用してもさし
つかえない。
部の繊維が、表面に親水性の細孔を有する合成樹脂繊維
からなることがもっとも望ましい。なぜなら、細孔を有
していない繊維と混合して使用する場合には、親水性の
細孔を有する繊維の含有率の減少にともなって、内部抵
抗の増加の抑制の作用が減少するからである。しかしな
がら、その作用の減少の程度が実用に耐える程度であれ
ば、細孔を有していない繊維と混合して使用してもさし
つかえない。
【0016】
【実施例】本発明を実施例によって詳しく説明する。
【0017】[セパレータA](本発明品) このセパレータは、次のようにして製作した。
【0018】すなわち、宇部日東化成(株)製のポリエ
チレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニール:
2.3、空隙率:約40%、孔径:長径約2μm ・短径
約1μm )を、120℃の熱濃硫酸中に1時間浸漬し、
次に徐々に濃度が低い硫酸中に順次浸漬し、最後に水洗
して、表面にスルホン基を化学結合した細孔を有する単
繊維を製作した。
チレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニール:
2.3、空隙率:約40%、孔径:長径約2μm ・短径
約1μm )を、120℃の熱濃硫酸中に1時間浸漬し、
次に徐々に濃度が低い硫酸中に順次浸漬し、最後に水洗
して、表面にスルホン基を化学結合した細孔を有する単
繊維を製作した。
【0019】次に、この単繊維を用い、抄紙法によって
不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当
たりの重量)は、40g/m2 であり、暑さは約0.2
mmである。
不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当
たりの重量)は、40g/m2 であり、暑さは約0.2
mmである。
【0020】[セパレータB](本発明品) このセパレータは、次のようにして製作した。
【0021】すなわち、宇部日東化成(株)製のポリプ
ロピレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニー
ル:3.0、空隙率:約20%、孔径:孔径約0.1μ
m )を、120℃の熱濃硫酸中に1時間浸漬し、次に徐
々に濃度が低い硫酸中に順次浸漬し、最後に水洗して、
表面にスルホン基を化学結合した細孔を有する単繊維を
製作した。
ロピレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニー
ル:3.0、空隙率:約20%、孔径:孔径約0.1μ
m )を、120℃の熱濃硫酸中に1時間浸漬し、次に徐
々に濃度が低い硫酸中に順次浸漬し、最後に水洗して、
表面にスルホン基を化学結合した細孔を有する単繊維を
製作した。
【0022】次に、この単繊維を用い、抄紙法によって
不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当
たりの重量)は、50g/m2 であり、暑さは約0.2
mmである。
不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当
たりの重量)は、50g/m2 であり、暑さは約0.2
mmである。
【0023】[セパレータC](比較例) このセパレータは、次のようにして製作した。
【0024】すなわち、宇部日東化成(株)製のポリエ
チレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニール:
2.3、空隙率:約40%、孔径:長径約2μm ・短径
約1μm )の細孔の表面にスルホン基を化学結合するこ
となく、細孔を有するこの単繊維を用い、抄紙法によっ
て不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積
当たりの重量)は、40g/m2 であり、暑さは約0.
2mmである。
チレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニール:
2.3、空隙率:約40%、孔径:長径約2μm ・短径
約1μm )の細孔の表面にスルホン基を化学結合するこ
となく、細孔を有するこの単繊維を用い、抄紙法によっ
て不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積
当たりの重量)は、40g/m2 であり、暑さは約0.
2mmである。
【0025】[セパレータD](比較例) このセパレータは、次のようにして製作した。
【0026】すなわち、宇部日東化成(株)製のポリプ
ロピレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニー
ル:3.0、空隙率:約20%、孔径:孔径約0.1μ
m )の細孔の表面にスルホン基を化学結合することな
く、細孔を有するこの単繊維を用い、抄紙法によって不
織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当た
りの重量)は、50g/m2 であり、暑さは約0.2m
mである。
ロピレン製微細孔繊維(長さ:約4mm、重量デニー
ル:3.0、空隙率:約20%、孔径:孔径約0.1μ
m )の細孔の表面にスルホン基を化学結合することな
く、細孔を有するこの単繊維を用い、抄紙法によって不
織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当た
りの重量)は、50g/m2 であり、暑さは約0.2m
mである。
【0027】[セパレータE](比較例) このセパレータは、次のようにして製作した。
【0028】すなわち、細孔を有していないポリプロピ
レン製繊維(長さ:約4mm、重量デニール:3.7、
空隙率:0%)を、120℃の熱濃硫酸中に1時間浸漬
し、次に徐々に濃度が低い硫酸中に順次浸漬し、最後に
水洗して、表面にスルホン基を化学結合した単繊維を製
作した。
レン製繊維(長さ:約4mm、重量デニール:3.7、
空隙率:0%)を、120℃の熱濃硫酸中に1時間浸漬
し、次に徐々に濃度が低い硫酸中に順次浸漬し、最後に
水洗して、表面にスルホン基を化学結合した単繊維を製
作した。
【0029】次に、この単繊維を用い、抄紙法によって
不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当
たりの重量)は、60g/m2 であり、暑さは約0.2
mmである。
不織布を製作した。この不織布の目付重量(単位面積当
たりの重量)は、60g/m2 であり、暑さは約0.2
mmである。
【0030】次に、上記のセパレータを用いて、アルカ
リ蓄電池を次のようにして製作した。
リ蓄電池を次のようにして製作した。
【0031】正極および負極に、それぞれ公知の帯状の
焼結式水酸化ニッケル電極および焼結式カドミウム電極
を1枚ずつ用い、これらの電極の間に上記のセパレータ
のいずれか1枚を介在させて、このセパレータを引っ張
りながら捲回した。そして、これを円筒形の金属ケース
に収納し、水酸化カリウムを主体とするアルカリ電解液
を注入し、安全弁付きの電池蓋を取り付けて、公称容量
が0.7Ah の単3形の密閉式ニッケルカドミウム電池を製
作した。
焼結式水酸化ニッケル電極および焼結式カドミウム電極
を1枚ずつ用い、これらの電極の間に上記のセパレータ
のいずれか1枚を介在させて、このセパレータを引っ張
りながら捲回した。そして、これを円筒形の金属ケース
に収納し、水酸化カリウムを主体とするアルカリ電解液
を注入し、安全弁付きの電池蓋を取り付けて、公称容量
が0.7Ah の単3形の密閉式ニッケルカドミウム電池を製
作した。
【0032】これらのアルカリ蓄電池で、セパレータ
A、B、C、D、および、Eを備える電池を、それぞれ
電池(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、および(オ)と
よぶ。
A、B、C、D、および、Eを備える電池を、それぞれ
電池(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、および(オ)と
よぶ。
【0033】上記の5種類の電池の化成を行うために、
25℃において10時間率の電流で15時間充電し、1
時間率の電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電する
という充放電を2回繰り返した。次に、25℃において
1時間率の電流で1.2時間充電し、1時間率の電流で
端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を
500サイクル繰り返した。
25℃において10時間率の電流で15時間充電し、1
時間率の電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電する
という充放電を2回繰り返した。次に、25℃において
1時間率の電流で1.2時間充電し、1時間率の電流で
端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を
500サイクル繰り返した。
【0034】化成直後および500サイクルの充放電後
の1kHz交流法による内部抵抗の値を表1に示す。
の1kHz交流法による内部抵抗の値を表1に示す。
【0035】
【表1】 表1から次のことがわかる。
【0036】すなわち、表面が親水性のない細孔を有す
る合成樹脂繊維からなる比較例のセパレータを備える電
池(ウ)および(エ)は、表面が親水性の細孔を有する
合成樹脂繊維からなる本発明品を備える電池(ア)およ
び(イ)や、細孔を有していないが表面が親水性の合成
樹脂繊維からなる比較例のセパレータ(E)を備える電
池(オ)と比較して、内部抵抗が、化成直後から著しく
高い。
る合成樹脂繊維からなる比較例のセパレータを備える電
池(ウ)および(エ)は、表面が親水性の細孔を有する
合成樹脂繊維からなる本発明品を備える電池(ア)およ
び(イ)や、細孔を有していないが表面が親水性の合成
樹脂繊維からなる比較例のセパレータ(E)を備える電
池(オ)と比較して、内部抵抗が、化成直後から著しく
高い。
【0037】これは、親水性を付与していないポリオレ
フィン繊維からなるセパレータには、たとえ繊維に細孔
があっても、アルカリ電解液がほとんど含まれていない
ことに起因するものと考えられる。このように、電池
(ウ)および(エ)は、内部抵抗が著しく高くて放電容
量がほとんど得られないので、充放電サイクル試験を行
うことができなかった。
フィン繊維からなるセパレータには、たとえ繊維に細孔
があっても、アルカリ電解液がほとんど含まれていない
ことに起因するものと考えられる。このように、電池
(ウ)および(エ)は、内部抵抗が著しく高くて放電容
量がほとんど得られないので、充放電サイクル試験を行
うことができなかった。
【0038】次に、500サイクル後の内部抵抗は、表
面が親水性の細孔を有する合成樹脂繊維からなる本発明
品を備える電池(ア)および(イ)ではほとんど増加し
ていない。一方、表面が親水性であっても、細孔を有し
ていない合成樹脂繊維からなる比較例のセパレータ
(E)を備える電池(オ)は、500サイクル後に内部
抵抗が著しく増加している。
面が親水性の細孔を有する合成樹脂繊維からなる本発明
品を備える電池(ア)および(イ)ではほとんど増加し
ていない。一方、表面が親水性であっても、細孔を有し
ていない合成樹脂繊維からなる比較例のセパレータ
(E)を備える電池(オ)は、500サイクル後に内部
抵抗が著しく増加している。
【0039】これは、セパレータの合成樹脂繊維が親水
性を有していても、充放電サイクルの進行にともなって
正極の水酸化ニッケル電極の微細孔体積の増加が起こ
り、セパレータの繊維間の電解液が正極に移動し、セパ
レータの繊維に細孔を有していない電池(オ)ではセパ
レータに保持される電解液量が少なくなって内部抵抗が
高くなり、一方、セパレータの繊維に細孔を有する電池
(ア)および(イ)は、セパレータに保持される電解液
量の減少が抑制されて、内部抵抗の上昇が抑制されたこ
とに起因することが考えられる。
性を有していても、充放電サイクルの進行にともなって
正極の水酸化ニッケル電極の微細孔体積の増加が起こ
り、セパレータの繊維間の電解液が正極に移動し、セパ
レータの繊維に細孔を有していない電池(オ)ではセパ
レータに保持される電解液量が少なくなって内部抵抗が
高くなり、一方、セパレータの繊維に細孔を有する電池
(ア)および(イ)は、セパレータに保持される電解液
量の減少が抑制されて、内部抵抗の上昇が抑制されたこ
とに起因することが考えられる。
【0040】このように、本発明のセパレータを用いる
と、充放電サイクルの初期から内部抵抗が低く、充放電
サイクルの進行にともなう内部抵抗の増加が抑制された
アルカリ蓄電池が得られることがわかる。
と、充放電サイクルの初期から内部抵抗が低く、充放電
サイクルの進行にともなう内部抵抗の増加が抑制された
アルカリ蓄電池が得られることがわかる。
【0041】なお、上記の実施例では、本発明のセパレ
ータとして、スルホン基を化学結合した細孔を有するポ
リオレフィン繊維を用いる場合を説明したが、そのほか
に、界面活性剤を付着させたり、カルボキシル基やケト
ン基のような親水基を化学結合させた細孔を有するポリ
オレフィンや、細孔を有するポリアミドを用いる場合に
も同様の効果が得られる。
ータとして、スルホン基を化学結合した細孔を有するポ
リオレフィン繊維を用いる場合を説明したが、そのほか
に、界面活性剤を付着させたり、カルボキシル基やケト
ン基のような親水基を化学結合させた細孔を有するポリ
オレフィンや、細孔を有するポリアミドを用いる場合に
も同様の効果が得られる。
【0042】また、上記の実施例では、細孔を有するポ
リオレフィン繊維をあらかじめ親水処理してから不織布
を製作した場合を説明したが、先に不織布を製作してか
ら親水処理を行う場合にも、同じ作用効果が得られる。
リオレフィン繊維をあらかじめ親水処理してから不織布
を製作した場合を説明したが、先に不織布を製作してか
ら親水処理を行う場合にも、同じ作用効果が得られる。
【0043】さらに、上記の実施例では、表面が親水性
の細孔を有する合成樹脂繊維単独からなるセパレータに
ついて説明したが、そのほかに、たとえば、繊維を接着
するために低融点の無孔質の繊維を混合したり、微細孔
繊維のつぶれによる変形を防止するために無孔質の繊維
を混合することも可能である。そして、その場合には、
無孔質の繊維の混入率の程度に応じて作用効果の大きさ
は変化するものの、やはり上記の作用効果が得られる。
の細孔を有する合成樹脂繊維単独からなるセパレータに
ついて説明したが、そのほかに、たとえば、繊維を接着
するために低融点の無孔質の繊維を混合したり、微細孔
繊維のつぶれによる変形を防止するために無孔質の繊維
を混合することも可能である。そして、その場合には、
無孔質の繊維の混入率の程度に応じて作用効果の大きさ
は変化するものの、やはり上記の作用効果が得られる。
【0044】そして、上記の実施例では、アルカリ蓄電
池としてニッケル−カドミウム電池の場合について説明
したが、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムの水溶液を
電解液に用い、水酸化ニッケル、酸化第1銀、酸化第2
銀などを正極の主活物質に用い、カドミウム、亜鉛、水
素吸蔵合金、鉄などを負極の主活物質に用いる蓄電池の
場合に同様の作用効果が得られる。
池としてニッケル−カドミウム電池の場合について説明
したが、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムの水溶液を
電解液に用い、水酸化ニッケル、酸化第1銀、酸化第2
銀などを正極の主活物質に用い、カドミウム、亜鉛、水
素吸蔵合金、鉄などを負極の主活物質に用いる蓄電池の
場合に同様の作用効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】本発明のセパレータを用いると、充放電
サイクルの初期から内部抵抗が低く、充放電サイクルの
進行にともなう内部抵抗の増加が抑制されたアルカリ蓄
電池を提供することができる。
サイクルの初期から内部抵抗が低く、充放電サイクルの
進行にともなう内部抵抗の増加が抑制されたアルカリ蓄
電池を提供することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】表面が親水性の細孔を有する合成樹脂繊維
を含有する不織布からなることを特徴とするアルカリ蓄
電池用セパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4223433A JPH0652844A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | アルカリ蓄電池用セパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4223433A JPH0652844A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | アルカリ蓄電池用セパレータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0652844A true JPH0652844A (ja) | 1994-02-25 |
Family
ID=16798072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4223433A Pending JPH0652844A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | アルカリ蓄電池用セパレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0652844A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100696452B1 (ko) * | 1999-11-25 | 2007-03-16 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬이온 이차전지용 세퍼레이터 및 이를 이용한 리튬이온이차전지 |
US7382209B2 (en) | 2004-09-29 | 2008-06-03 | Tdk Corporation | Non-reciprocal circuit device |
-
1992
- 1992-07-29 JP JP4223433A patent/JPH0652844A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100696452B1 (ko) * | 1999-11-25 | 2007-03-16 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬이온 이차전지용 세퍼레이터 및 이를 이용한 리튬이온이차전지 |
US7382209B2 (en) | 2004-09-29 | 2008-06-03 | Tdk Corporation | Non-reciprocal circuit device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1060949A (en) | Rechargeable nickel-zinc battery | |
EP1248306A2 (en) | The process for producing separator for batteries, the separator for batteries, and alkaline storage batteries using the same | |
JP4903959B2 (ja) | 電池用集電材及びそれを用いた電池 | |
JP2005347177A (ja) | アルカリ電池 | |
JPH0652844A (ja) | アルカリ蓄電池用セパレータ | |
JP3287367B2 (ja) | 密閉形ニッケル亜鉛電池 | |
JP2005203305A (ja) | 電池用セパレータ | |
US6280880B1 (en) | Method for surface treatment of fibrous polyphenylene sulfide or polysulfone | |
JP2002198024A (ja) | 電池用セパレータ | |
JP4416419B2 (ja) | アルカリ蓄電池用セパレータ及びアルカリ蓄電池 | |
JPH02216757A (ja) | アルカリ亜鉛蓄電池 | |
JP4454260B2 (ja) | アルカリ二次電池用セパレータ | |
JPH06111847A (ja) | 密閉形ニッケル−水素電池 | |
JPH06140018A (ja) | アルカリ電池用セパレータ及びその製造方法 | |
JPH0729559A (ja) | アルカリ電池用セパレータ | |
JPH10106529A (ja) | 電池用セパレータ | |
JP4084202B2 (ja) | アンモニアガス捕捉複合繊維、アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池 | |
JP3031156B2 (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JP2858605B2 (ja) | アルカリ電池用セパレータ | |
JPS5973842A (ja) | 密閉形鉛蓄電池用セパレ−タ | |
JPH06215751A (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JPS5816464A (ja) | 開放型アルカリ蓄電池用セパレ−タ | |
JP4258682B2 (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JPS61151965A (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JP2002198026A (ja) | 電池用セパレータ及びその製造方法 |