JPH0652828A - 焼結電極を用いた放電灯 - Google Patents

焼結電極を用いた放電灯

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JPH0652828A
JPH0652828A JP20266992A JP20266992A JPH0652828A JP H0652828 A JPH0652828 A JP H0652828A JP 20266992 A JP20266992 A JP 20266992A JP 20266992 A JP20266992 A JP 20266992A JP H0652828 A JPH0652828 A JP H0652828A
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将実 高木
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真次 持丸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】冷陰極モードでは電極温度を素早く上昇させ、
かつエミッタの飛散を防止し、熱陰極モードではアーク
スポットが安定する放電灯用電極を提供する。 【構成】電極4として電極軸41に高融点金属の多孔質
焼結体からなる電極ヘッド43を設けて構成した放電灯
において、上記電極ヘッドは、先端面が開口された中空
構造をなしているとともに、多数の空孔部に熱電子放射
物質6を含浸させたことを特徴とする。 【作用】電極ヘッドは、先端面が開口された中空構造を
なしているので、始動時の温度上昇が良くなり、熱電子
放射物質からの熱電子の放出を促し、短時間の内に熱陰
極モードに移行する。また、中空部に放出されたエミッ
タがバルブ壁に付着するのが防止され、かつアーク放電
に移行した場合は、多量の電子を放出し、ランプ効率が
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高融点の多孔質焼結金
属からなる電極を用いた放電灯に係り、その電極構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶表示装置のバックライトや、
複写機やファクシミリ等のようなOA機器における原稿
読取り用光源およびメ−タの照明光源などに、小形のけ
い光ランプが使用されている。この種のけい光ランプ
は、機器の内部で使用されるので発熱が少なく、高輝度
であり、かつ所定の発光長を必要とする等の条件があ
る。これらの条件を実現するに、例えば、バルブの外径
を3〜4.5mm程度の細径にし、バルブ長さを50〜3
00mm程度にする必要があり、高輝度を得るためにはラ
ンプ電流を数10mA以上も流す必要がある。しかしな
がら、このようなランプは、バルブ径が細いにも拘らず
比較的大きな電流を流さなればならないから、従来のよ
うなコイルフィラメントを使用すると、電極面積が不足
し、大きな陰極降下電圧を生じ、この陰極降下電圧のた
めに電極温度が高くなり、電極物質が激しく飛散してバ
ルブを早期に黒化させる場合がある。
【0003】また、この種のフィラメント電極は、これ
に保持される熱電子放射物質(エミッタ)の量が相対的
に少なくなり、よって早期に枯渇し易い。すなわち、従
来のコイルフィラメントは、表面にバリウムBa、カル
シウムCa、ストロンチウムSr等の炭酸塩からなるエ
ミッタを塗布しているが、エミッタを塗布する表面積に
制約があるのでエミッタの保持量が比較的少ない。この
ため、寿命初期には円滑な電子放出作用により始動が良
好に促されるが、使用時間の経過にともなうエミッタの
消費により枯渇してしまい、ランプの始動性が低下する
ばかりでなく、熱電子の放出が円滑でなくなるから早期
に点灯不能になる等の不具合がある。
【0004】このようなことから、最近、電極として高
融点金属からなる焼結電極を用いることが研究されてい
る。例えばタングステンW、チタンTi、ニッケルN
i、ニオブNbなどのような高融点金属からなる焼結金
属は、円柱形などのような団塊形状をなしているので電
極の体積が大きくなり、熱容量も大きくなるので、電極
温度の上昇を抑制し、電極物質の飛散を防止することが
でき、よってバルブの早期黒化を防止することができ
る。
【0005】しかも、この種の高融点金属の焼結電極
は、全体に亘り多数の気孔が形成されているので、この
ような多数の気孔つまり空孔部にエミッタを含浸させる
ようにすれば、電極に保持できるエミッタの量が多くな
り、表面でエミッタが消失しても内部の空孔部に保持さ
れたエミッタが表面に電子を供給して補充するので、長
期に亘り良好なエミッタ作用を維持することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の焼結電極を使用した場合、ランプの始動直後は冷陰極
モードとなり、電極の温度が上昇するに伴ってエミッタ
から熱電子が放出されるようになって熱陰極モードにな
る。
【0007】焼結電極が中実構造である場合、むしろ熱
容量が大きすぎて電極温度が上昇し難く、また始動直後
は冷陰極モードとなるので負グロー放電を発生し、この
負グローが電極全体を覆うので電極表面のエミッタが叩
き出されてバルブ壁に付着し、黒化を発生しやすい。
【0008】また、熱陰極モードとして機能する場合、
電源の極性が反転する度に電極は陰極と陽極とに繰り返
し切り替わるが、このような反転時にはアークスポット
が電極先端部以外の箇所に発生し易い。アークスポット
が電極先端部以外の箇所、例えば電極の側面に発生する
と、アークの曲がりを生じて放電が不安定になり、また
アークスポットに近いバルブ壁やけい光体被膜が熱劣化
し、黒化やクラックの発生原因となり、かつ極性が反転
する度にアークスポットが変動してア−クの揺れを生じ
るなどの心配がある。
【0009】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、冷陰極モードでは
電極温度を素早く上昇させるとともにエミッタの飛散を
防止し、熱陰極モードではアークスポットが安定する焼
結電極を用いた放電灯を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の1番目は、バル
ブの端部に電極を封装し、この電極は、電極軸に高融点
金属の多孔質焼結体からなる電極ヘッドを設けてなる放
電灯において、上記電極ヘッドは、先端面が開口された
中空構造をなしているとともに、多数の空孔部に熱電子
放射物質を含浸させたことを特徴とする。
【0011】本発明の2番目は、バルブの端部に電極を
封装し、この電極は、電極軸に高融点金属の多孔質焼結
体からなる電極ヘッドを設けてなる放電灯において、上
記電極ヘッドは、先端面が開口された中空構造をなして
いるとともに、この中空部に露出して熱電子放射物質を
保持していることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によると、高融点金属の多孔質焼結体か
らなる電極ヘッドは、先端面が開口された中空構造をな
しているので、フィラメント電極に比べて熱容量が大き
く、しかしながら中実の電極ヘッドに比べて熱容量が小
さく、よって始動時の温度上昇が中実の電極ヘッドに比
べて向上し、熱電子放射物質を素早く加熱して熱電子の
放出を促し、短時間の内に熱陰極モードに移行する。ま
た、負グロー放電中には中空部にも負グローが発生し、
この内部に発生した負グローにより発生した紫外線は中
空部の内面を励起して電子の放出を促し、かつこの中空
部に放出されたエミッタは円筒形の周囲壁により外部へ
放出されるのが防止されるのでバルブ壁に付着する割合
が少ない。そして、アーク放電に移行した場合は、電極
ヘッドが中空構造をなしているので表面積が大きく、多
量の電子を放出し、ランプ電流を引き下げて効率の向上
に寄与する。しかも多量のエミッタを保持することがで
き、エミッタが枯渇することがなく、長寿命になる。
【0013】
【実施例】以下本発明について、図1および図2に示す
第1の実施例にもとづき説明する。
【0014】図1において1はバルブであり、外径が5
〜8mm程度の細径をなし、電極間距離が100〜300
mm程度となるような直管形ガラスチューブによって形成
されている。バルブ1の両端は封止されており、内部に
放電空間2を構成しているとともに、このバルブ1の内
面にはけい光体被膜3が形成されている。
【0015】バルブ1の両端部には電極4、4が封装さ
れている。これら電極4は焼結電極であり、その詳細は
図2に示されている。すなわち、41はリード線を兼ね
た電極軸であり、ニッケルまたはタングステン等の高融
点金属ワイヤにて構成されており、バルブ1の端部を気
密に貫通されている。この電極軸41の先端には電極ヘ
ッド43が取着されている。この電極ヘッド43は、高
融点金属の焼結体にて構成されており、例えばタングス
テンW、チタンTi、ニッケルNi、ニオブNbの少な
くとも1種からなる高融点金属の粉末を、後述する形状
に型成形し、これを高温で焼結して高融点の多孔質焼結
体を構成している。つまり、この焼結体は各粉末相互の
間に空隙が形成されており、その空孔率は例えば60〜
80%にすることもできる。
【0016】本実施例の場合、上記焼結体からなる電極
ヘッド43は円筒形に形成されており、中央部に形成さ
れた中空部45が形成されている。この中空部45の先
端は放電空間2に向かって開口されている。また、中空
部45の後端には上記電極軸41の先端が挿入されて固
定されている。なお、電極軸41の先端は電極ヘッド4
3の中空部45に対し中空部45の軸方向の全長の半分
以下の範囲に差し込まれている。
【0017】そして、この焼結体からなる電極ヘッド4
3には、その多孔質を利用してその空孔部に熱電子放射
物質(エミッタ)6が含浸されている。エミッタ6はB
a、Ca、Sr等の中から選ばれた少なくとも1種の炭
酸塩、またはBa2 CaWO6 などが用いられる。各空
孔部にエミッタ6を含浸させた場合、エミッタ6は電極
ヘッド43の先端面および中空部45の内面に臨まされ
る。
【0018】また、円筒形焼結体からなる電極ヘッド4
3の外面には、初期電子放射物質7が含浸。または付着
されている。初期電子放射物質7は暗黒中における初期
放電(Exo電子)のきっかけをつくるものであり、け
い光体に対する電位傾度がマイナスの粉末がよく、例え
ばα−Al2 3 粉末を用いるのがよい。
【0019】さらに、上記電極軸51には、上記円筒形
焼結体からなる電極ヘッド43の後端側に位置して水銀
放出構体8が取着されている。水銀放出構体8はTi−
Hgのアマルガム、例えばGEMEDIS(=商品名)
であり、バルブ1の封止後にバルブ1の外部から高周波
誘導加熱により加熱することで水銀を放出し、よってバ
ルブ1内に水銀を封入することができるものである。な
お、水銀放出構体8にはZr−Alなどのゲッターが付
着されている。また、バルブ1内にはアルゴンなどの希
ガスが10〜100Torr程度封入されている。そして、
上記電極4、4は高周波点灯回路10に接続されてお
り、ランプ電流が10〜30mAで点灯されるようにな
っている。このような構成のけい光ランプの作用につい
て説明する。
【0020】ランプの始動時には両端の電極4、4間に
始動電圧が印加される。この場合、電極4、4は予熱さ
れていないので、冷陰極モードとなって負グロー放電を
発生する。この場合、負グロー放電は、電極を加熱し、
この場合電極ヘッド43は中空の円筒形構造をなしてい
るので、中実タイプのものに比べて熱容量が小さく、よ
って温度の立ち上がりが素早くなり、エミッタ6を所定
動作温度に加熱して電子の放出を促す。このため、負グ
ローから主アーク放電への移行が短時間に行われる。
【0021】また、始動時には、中空部45内にも負グ
ローが発生しており、この内部に発生した負グローによ
り紫外線を発し、この紫外線は中空部45の内面のエミ
ッタを刺激して電子の放出を促す。つまり、本実施例の
中空構造の焼結電極はホローカソードの機能を奏し、中
空部45から多量の電子を放出するので、アーク放電へ
の移行を促す。また、この場合、中空部45にエミッタ
が放出されるが、放出されたエミッタは円筒形の周囲壁
によって電極の外部へ飛散するのが防止され、バルブ壁
に付着する割合が少ない。このためバルブの黒化を防止
する。
【0022】そして、主アーク放電に移ると焼結電極4
は所定の温度に達し、含浸したエミッタ6を加熱して熱
電子を放出させ熱陰極モードとなる。この場合、中空構
造の焼結電極4は大きな表面積を有するので、その表面
に露出しているエミッタ6が大量の熱電子を放出する。
このため陰極降下電圧を引き下げるようになり、ランプ
電圧を引き下げ、ランプの立ち消えや電極物質やエミッ
タなどの飛散を軽減するとともに、比較的大きなランプ
電流が流れて高輝度の発光を可能にする。
【0023】そして、使用時間の経過にともなってエミ
ッタ6が消費されても、電極4は多孔質の焼結体にて形
成されているから、その空孔部に多量のエミッタ6を含
浸させることができ、例え電極4が小さくてもエミッタ
6の保持量を多くすることができる。そして、電極1の
表面でエミッタ6が消失しても内部の空孔部に保持され
たエミッタから電子が補充されるから、長期に亘りエミ
ッタ作用を持続することができる。よって、エミッタの
枯渇によるランプの寿命を長くすることができ、長期に
亘り良好な始動性を維持することができる。
【0024】また、アーク放電中には、中空部45内で
エミッタから電子が放出され、これは周囲を囲まれた中
空部45内で高密度の電子となるから、アークスポット
はホローの近傍に集中する。すなわち、アークスポット
は中空構造の焼結体からなる電極ヘッド43の先端面で
かつ開口に近い箇所に安定して発生し、この結果、ア−
クも安定し、ア−クの曲りや揺れを防止することができ
る。
【0025】なお、この種のランプを調光タイプとして
用いた場合、調光するためにランプ電流を絞って小さく
すると、中空構造の焼結電極4はホローカソードの機能
を奏し、中空部45内部で負グロー放電を発生する。こ
の負グロー放電により中空部45の内面のエミッタ6が
多量の電子を放出するので、長時間に亘り冷陰極として
安定したグロー放電を維持する。したがって、従来のフ
ィラメント電極の場合にように、調光時にエミッタの温
度を所定の動作温度に保つための回路手段等は不要にな
る。
【0026】そして、このようなグロー放電中であって
も、前記したように中空部45にエミッタが放出される
が、放出されたエミッタは円筒形の周囲壁によって電極
の外部へ飛散するのが防止され、バルブ壁に付着する割
合が少ない。このためバルブの黒化を防止することがで
きる。
【0027】なお、内径3mm、電極間距離150mm、ア
ルゴンの封入圧を40Torr、電極ヘッド42の外径1.
5mm、軸方向長さを2mm、中空部45の内径を0.5mm
とし、エミッタ6を0.7mg含浸させたランプの場合、
30kHzの高周波電源により点灯試験を行った。30
0mAのランプ電流で点灯した場合、5000時間の安
定点灯を実現できた。調光のためランプ電流を2mAに
落としたところ、負グロー放電を10000時間以上維
持することができた。また、300mA−2mAの電流
切換えを1時間点灯ごとに繰り返し行い、300mA時
トータルで4000時間の熱陰極動作を安定して行え
た。なお、本発明は上記実施例に制約されるものではな
い。
【0028】すなわち、図3は本発明の第2の実施例を
示すもので、この実施例では多孔質結晶体において放電
空間に近い先端側の空孔率を後端部よりも大きくし、全
体に亘り連続的または段階的に空孔率を変えてある。そ
して、このような空孔にエミッタ6を含浸させてあり、
したがって、エミッタ6の密度は電極ヘッド43の先端
側に近づくにつれて高くしてある。
【0029】このような構成の場合、電極ヘッド43の
先端側でエミッタ6の保持量が多いので電子放射量も多
くなり、電極ヘッド43の先端にア−クスポットが形成
され易くなる。
【0030】そして、電極ヘッド43の先端側は空孔率
を大きくしてあるから熱伝導性が低くなり、これに比べ
て基端側は空孔率が小さいので熱伝導性がよくなり、電
極軸51を通じてバルブ1などに熱を伝え易くなる。こ
の結果、電極ヘッド43の先端側の温度が上昇する。し
たがって、ア−クスポットが先端部に安定して発生し、
アークスポットの移動が少なくなる。
【0031】また、図4は本発明の第3の実施例を示す
もので、この実施例では中空構造の電極ヘッド43は内
部空間45aを円錐孔の形状にしてある。このようにし
ても、第1の実施例を同様の効果を奏し、かつ電極ヘッ
ド43の先端部の熱容量が後端部に比べて小さくなるか
ら電極ヘッド43の先端側の温度が上昇し、ア−クスポ
ットが先端部に安定して発生し易い。
【0032】なお、上記第1ないし第3の実施例の場
合、初期電子放射物質7を電極ヘッド43の外周面に集
中して取着したが、初期電子放射物質7はエミッタ6と
混ぜ合わせて空孔部に含浸させてもよい。
【0033】さらに、本発明は、中空部45、45a内
にエミッタ6を集中的に臨ませるようにしてもよい。つ
まり、第1ないし第3の各実施例ではエミッタ6を空孔
部内に含浸させることにより電極ヘッド43に保持させ
るようにしたが、空孔部に含浸させることなく、中央部
に開設した中空部45、45aの内部空間に設けるよう
にしてもよい。図5に示す第4の実施例の場合、円錐形
中空部45aの内面にエミッタ6を含浸や塗布等の手段
で集中して付着させてあり、電極ヘッド43の外面の初
期電子放射物質7を含浸や塗布等の手段で集中的に付着
させてある。
【0034】このような場合は、エミッタ6が中空部4
5aに設けられているので飛散が一層少なくなり、枯渇
を防止するとともに、バルブ壁の黒化を防止することが
できる。
【0035】図6に示す第5の実施例の場合、中空部4
5の内部にエミッタ6を充填してある。この場合、ホロ
ーカソードの機能を奏するためには、中空部45の全部
をエミッタ6で埋めることを避けて、中空部45の先端
部を空洞の状態で残しておくことが大切である。
【0036】図7に示す第6の実施例、および図8に示
す第7の実施例はいづれも、電極軸41から電極ヘッド
43が外れないように機械的な結合構造を採用したもの
である。すなわち、図7に示す第6の実施例は電極軸4
1の先端部に、太い径を有する球形状の抜け止め部41
aを一体、または溶接などの手段で形成し、この抜け止
め部41aを中空部43に嵌合したものであり、図8に
示す第7の実施例は電極軸41の先端部に、平板形の抜
け止め部41aを溶接などの手段で形成し、この抜け止
め部41bを中空部43に嵌合したものである。
【0037】このような場合は、電極ヘッド43が電極
軸41から脱落しようとしても抜け止め部41aにより
外れが防止され、よって機械的結合が強固になされ、振
動や衝撃または熱膨脹、収縮が加えられても電極ヘッド
43が脱落することがない。
【0038】また、上記実施例では、多孔質焼結電極を
熱陰極放電灯の熱陰極として使用する場合を説明した
が、本発明はこれに限らず、上記各実施例の構成の電極
は冷陰極放電灯の冷陰極としても使用可能であり、ホロ
ーカソードとして有効である。
【0039】そしてまた、電子放射物質はBa、Ca、
SrまたはBa2 CaWO6 の外に、Ba3 WO6 や、
アルカリ土類の酸化物、アルカリ土類の金属酸化物、B
a−M−O(但しMは、W,Ta,Ti,Zr,V,N
b,Hfなど)等であってもよく、これらにAl
2 3 ,Th2 O,Y2 3 ,Sc2 3 などを混合し
てもよい。また、封入ガスはアルゴンに限らず、Xe、
Ne、Heなどを適宜組合せて混合したガスであっても
よい。そしてまた、本発明はけい光ランプに限らず、水
銀を封入しない希ガス放電灯の場合でも実施可能であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
融点金属の多孔質焼結体からなる電極ヘッドが先端面を
開口した中空構造をなしているので、始動時の温度上昇
が中実の電極ヘッドに比べて向上し、熱電子放射物質を
素早く加熱して熱電子の放出を促し、短時間の内に熱陰
極モードに移行する。このため電極ヘッドの損傷が少な
い。また、負グロー放電中には中空部にも負グローが発
生し、この内部に発生した負グローにより中空部の内面
にエミッタを励起して電子の放出を促し、かつこのエミ
ッタは円筒形の周囲壁により外部へ放出されるのが防止
されるのでバルブ壁に付着する割合が少ない。そして、
アーク放電に移行した場合は、電極ヘッドが中空構造を
なしているので表面積が大きく、多量の電子を放出し、
ランプ電流を引き下げて効率の向上に寄与する。しかも
多量のエミッタを保持することができるので、エミッタ
が枯渇することがなく、長寿命になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すけい光ランプの断
面図。
【図2】同実施例の電極部分を拡大した断面図。
【図3】本発明の第2の実施例を示す電極部分を拡大し
た断面図。
【図4】本発明の第3の実施例を示す電極部分を拡大し
た断面図。
【図5】本発明の第4の実施例を示す電極部分を拡大し
た断面図。
【図6】本発明の第5の実施例を示す電極部分を拡大し
た断面図。
【図7】本発明の第6の実施例を示す電極部分を拡大し
た断面図。
【図8】本発明の第5の実施例を示し、(A)図は電極
部分を拡大した断面図、(B)図はその先端面側からみ
た正面図。
【符号の説明】
1…バルブ、4…電極、6…熱電子放射物質(エミッ
タ)、7…初期電子放射物質、8…水銀放出構体、41
…電極軸、43…電極ヘッド、45、45a…中空部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブの端部に電極を封装し、この電極
    は、電極軸に高融点金属の多孔質焼結体からなる電極ヘ
    ッドを設けてなる放電灯において、 上記電極ヘッドは、先端面が開口された中空構造をなし
    ているとともに、多数の空孔部に熱電子放射物質を含浸
    させたことを特徴とする焼結電極を用いた放電灯。
  2. 【請求項2】 上記電極ヘッドの多数の空孔部に含浸さ
    れた熱電子放射物質は、先端側が高密度となるように分
    布していることを特徴とする請求項1に記載の焼結電極
    を用いた放電灯。
  3. 【請求項3】 バルブの端部に電極を封装し、この電極
    は、電極軸に高融点金属の多孔質焼結体からなる電極ヘ
    ッドを設けてなる放電灯において、 上記電極ヘッドは、先端面が開口された中空構造をなし
    ているとともに、この中空部に露出して熱電子放射物質
    を保持していることを特徴とする焼結電極を用いた放電
    灯。
  4. 【請求項4】 上記熱電子放射物質は中空部の内面に取
    着したことを特徴とする請求項3に記載の焼結電極を用
    いた放電灯。
  5. 【請求項5】 上記熱電子放射物質は中空部の内部に、
    上記開口部の近傍を除いて充填されていることを特徴と
    する焼結電極を用いた放電灯。
  6. 【請求項6】 上記電極ヘッドの外周面に初期電子放射
    物質を取着したことを特徴とする請求項1ないし5のい
    づれかに記載の焼結電極を用いた放電灯。
  7. 【請求項7】 上記電極ヘッドの後端部に水銀放出構体
    を取り付けたことを特徴とする請求項1ないし7のいづ
    れかに記載の焼結電極を用いた放電灯。
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