JPH0652563A - 光ディスク装置の制御方式 - Google Patents

光ディスク装置の制御方式

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Publication number
JPH0652563A
JPH0652563A JP20376692A JP20376692A JPH0652563A JP H0652563 A JPH0652563 A JP H0652563A JP 20376692 A JP20376692 A JP 20376692A JP 20376692 A JP20376692 A JP 20376692A JP H0652563 A JPH0652563 A JP H0652563A
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JP
Japan
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actuator
focus
tracking
disturbance
track
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Application number
JP20376692A
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English (en)
Inventor
Masahito Nagasawa
雅人 長沢
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH0652563A publication Critical patent/JPH0652563A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクチュエータの外乱推定器を用いて迅速に
外乱を抑え、かつ電気的に支持されたアクチュエータを
用いてパラメータ変動の影響を排除する。 【構成】 アクチュエータの可動部変位量を検出するセ
ンサを取り付けて変位量及び駆動電圧から外乱量を推定
する状態推定器を設け、外乱の影響を排除できる制御シ
ステムを構成する。また加速度センサによる外乱量検出
もしくはアクチュエータ駆動電流(電圧)から外乱力を
推定する最小次元オブザーバで構成される状態推定器を
用いて制御システムを構成する。さらに検出変位量と速
度状態推定器との出力からフィードバックループを構成
してアクチュエータを電気的に支持し剛性の大きなアク
チュエータを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アクチュエータの制
御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図35〜39、図43〜46(b)及び
表1は、電子情報通信学会発刊の森昌文 久保 高啓
共著 『光ディスク』に掲載されている従来の光ディス
クのトラッキング制御の構成を表す図である。
【0003】図35は、ビデオディスクのトラックの振
れの規格の図である。図36は、レンズ駆動機構原理説
明図である。図37は、反射鏡の傾きを変え、レーザ光
ビーム傾きを変える機構(断面図)の図である。図38
は、反射鏡を用いたレーザ光スポットの2軸駆動機構の
図である。図39は、オートトラッキングサーボ信号検
出法の例(3スポット法)である。
【0004】図43は、プッシュプル法によるオートト
ッラキングサーボ信号検出の図である。図44は、非点
収差法に用いられた4分割光検知器上のスポット形状の
図である。図45は、フォーカシング、トラッキング、
ラジアル送りサーボ系の関係である。図46は、スパイ
ラルトラック追尾時の対物レンズの動きである。
【0005】
【表1】
【0006】表1は、ビデオディスクプレーヤの光スポ
ット走査制御の表である。
【0007】図35において、(a)はディスク面の上
下動(面振れ)、(b)はトラックのディスク半径方向
へのぶれ、(c)は回転の揺らぎ(時間軸移動)を表
す。図9において、N、Sは磁界のN極、S極を表す。
図39において、トラック上の光の3スポットをそれぞ
れG+、G0、G-とする。
【0008】図43においても、トラッキングサーボ信
号はIt=I+−I-、図44の4分割光検知器からの信
号をそれぞれI1、I2、I3、I4とすると、I0=(I1
+I3)+(I2+I4 )で表わし、光検知器の出力IF
=(I1+I3)−(I2+I4)は、非点収差法オートフ
ォーカシングサーボ信号を表す。
【0009】図45において、IPは、オートトラッキ
ング信号検出にプッシュプル法、オートフォーカシング
信号検出に非点収差法を用いたときの信号で、光検知器
からとり出される主信号である。図46において(a)
は光ヘッド停止、(b)はラジアル送りサーボによる光
ヘッドの移動ありということを表す。
【0010】図39〜42は、丸善株式会社発刊の大友
義郎 著 『光ディスク』に掲載されている従来の光
ディスクのトラッキング制御の構成を表す図である。図
39は、オ−トトラッキングサ−ボ信号検出法の例(3
スポット法)を示す図である。図40は、3スポットの
形式は回折格子を用いて行われる図である。図41は、
3スポット法によるトラッキングサーボの例である。図
42は、非点収差法によるフォーカスサーボ信号の検出
の図である。
【0011】図47、48はラジオ技術社発刊の村山
登、小出 博、山田 和作、国兼真 著 『光ディスク
技術』より抜粋のトラッキング駆動系のモデル図とブロ
ック図である。
【0012】図47において、各記号は下記の意味を表
す。 0 :絶対座標系原点 0■:粗動モータ上の対物レンズ系原点 x :絶対系に対する対物レンズ系座標 xC:絶対系に対する粗動モータ座標 xT:原点0’からの対物レンズ座標 fT:対物レンズ系の駆動力 mT:対物レンズ系の可動部の質量 KT:対物レンズ系のバネ定数 DT:対物レンズ系の粘性係数 mC:粗動モータ系の質量 fC:粗動モータ系の駆動力 d(t):変位励振
【0013】図48において、各記号は下記の意味を表
す。 s :ラプラス演算子 XT(s):ラプラス変換した位置 XC(s):ラプラス変換した位置 FT(s):ラプラス変換した力 FC(s):ラプラス変換した力
【0014】光ディスク装置では、ディスクを回転する
ことと、光ヘッドを半径方向に移動させることにより、
光スポットでディスクの記録面を走査している。その回
転や外部振動の影響、ディスクやディスク装置の機械精
度のため、トラックは上下、左右に激しく動いたり、回
転が揺らいだりする。例えば、ビデオディスクの場合
は、それらが図35のような特性になっている。光スポ
ットをこのトラック上に高精度で保持し、正しい信号再
生を行うため、表1のように光スポットを走査、制御し
ている。光スポットがトラック上を正しく走査している
かどうかを光学的に検出し、その信号で光スポット駆動
機構を動かし、常に正しい走査を行う。
【0015】光スポット駆動法としては次の二つがあ
る。 (1)レンズ駆動法:対物レンズ駆動法と光ヘッド全体
駆動法に細分。 (2)反射鏡回動法:磁石とコイルを組み合わせて電磁
力で対物レンズを上下(z軸方向)に動かすための機構
原理は図36に示されている。磁石とコイルをもう一組
追加し、レンズをレーザ光と直角(x軸方向)にも動か
す2軸駆動機構になっているのが普通である。場合によ
っては3軸駆動にすることもある。図38には反射鏡回
動で光ビームの方向を変える機構の一例が示されてい
る。コイルに電流を流し、生じた電流で反射鏡を傾け
る。対物レンズに入射するレーザ光ビームの角度が変わ
るので焦点を結ぶ位置がずれる。図37には、この回動
反射鏡を二つ組み合わせ、光スポットをx,y方向に駆
動する機構を示している。
【0016】誤差の検出方法としては次の4つに分類さ
れる。 (1)3スポット法 (2)プッシュプル法 (3)ウォブリング法 (4)ヘテロダイン法
【0017】3スポット法の原理を、図39に示す。半
導体レーザと対物レンズの間のレーザビームに回折格子
をいれ、0次、±1次の回折光をつくる。それらの回折
光は、対物レンズによってトラック上でG0、G+、G
のスポットに集光される(同図(b)参照)。それぞれの
反射光は、同図(c)のように3分割光検知器で受光す
る。ディスク回転などでトラックが左右に動くとそれに
応じてG+,G-がトラックにかかる量が変わるので、出
力It=I+−Iの低周波成分でトラックずれを検出す
ることができる。この方式を用いたオートトラッキング
サーボは安定性が高いので、光学系が複雑で、調整が難
しいなどの問題点もあるが、ビデオディスクプレーヤ、
DADプレーヤによく用いられている。
【0018】トラッキングサーボを行うためには光スポ
ットが正しいトラックの位置からどれくらいずれている
かを検出する。読みだし専用ディスクの場合と書き込み
可能型ディスクの場合とではトラッキングの方法が異な
る。読みだし専用ではデータが書き込まれているために
これを頼りにトラッキングすればよく、書き込み可能型
ではあらかじめ刻み込まれている案内溝またはトラッキ
ング用のピットをたどる。前者の場合には3スポット
法、後者の場合にはプッシュプル法が一般に用いられて
いる。ここでは3スポット法について図39〜図41に
よって説明する。
【0019】一個の半導体レーザーから三個の光スポッ
トをつくり出すために図39に示すようにレーザー光の
光路に「回折格子」を挿入する。「回折格子」とは多数
の細かい平行線が刻み込まれているガラス板で、これに
垂直に入射した平行光は入射光の光軸に対称の二方向に
回折される成分と、回折されないで直進する成分とに分
けられる。
【0020】これら三方向に分かれた光をレンズで集光
すると三個の光スポットが得られるが、中央の回折され
ないスポットが最も強い光となり、これを読みだし用の
光スポット、両側の弱い光スポットをトラッキング用と
して使用する。三個のスポット列は図41の(1)、
(2)、(3)のようにトラックの方向に対してわずか
に傾け、一番強い光スポットをトラックの真上に、その
両側の弱い光のスポットはそれぞれトラックの両側に配
置する。これら三個の光スポットの反射光を三個の光検
出器でうけ、その出力を互いに比較して中心のスポット
が正しいトラックの中心にあるかを検出する。図40は
この場合の信号検出回路の構成で三個のセンサーA、
B、Cに前記三個の光スポットを結像させる。検出器A
とCには両端の光スポットがそれぞれ結像し、検出器B
には中央の一番強い光スポットが結像する。ここで検出
器Bは四分割されており、図42のフォーカスサーボ用
の検出器と兼用になっている。光スポットの位置が、四
分割光検出器出力のバランスがとれる位置にあり(すな
わち光スポットが焦点位置にある)、かつA及びB両端
の光検出器出力の差がゼロになる位置が正しいトラッキ
ングの状態である。図40の信号波形で(2)の位置が
この状態に対応する。
【0021】光ディスクメモリ装置に比較的よく用いら
れるのは、図43に示すプッシュプル法である。ピット
に照射されたレーザ光は反射されて光検知器に入射す
る。光がピットの中心に入射するか、中心からずれてい
るかによって反射光の強度分布が図のように変わる。そ
こで、2分割光検知器を用いて出力It=I+−I-で光
スポットがトラックからずれているか否かが判る。光学
系が極めて簡単になるが、ディスクの傾きの影響で制御
精度が悪くなる方式である。オートトラッキング信号検
出にプッシュプル法、オートフォーカシング信号検出に
非点収差法を用いたときの各信号は、図44の光検知器
から下記のようにとり出される。 主信号:Ip=(I1+I2)+(I2+I4) オートフォーカシング信号:IF=(I1+I3)−(I2
+I4) オートトラッキング信号:It=(I1+I2)−(I3
4
【0022】これらを組み合わせたサーボ系のブロック
図の例は、図45に示されている。フォーカシングサー
ボ系では、焦点ずれ検出のための二つの光検知器の差出
力IFを2軸駆動機構の一軸に入れ、レンズをディスク
に垂直な方向に動かし焦点を合わせる。光源の半導体レ
ーザ出力変化やディスクの光反射率変化で差出力IF
変化するのを補正する系を付け加えるのが普通である。
二つの光検知器の和出力I0で、差出力IFを割算した出
力を駆動増幅器入力とするのが一例である。トラッキン
グサーボ系では、トラックずれ検出用の二つの光検出器
の差出力Itでレンズを半径方向に動かし、光スポット
をトラック上に保持する。ここでも同じようにIt/I0
を用いるなどの補正をする。光スポットがスパイラルト
ラックをたどっていると、対物レンズは半径方向の移動
可能範囲(±200〜300μm)の限界にまで行き着
き、動けなくなってしまう(図46(a))。そこで、差
出力Itで光ヘッド全体動かし、対物レンズでつねにレ
ンズ駆動機構の可動範囲のほぼ中心で動いているように
する(図46(b))。すなわち、レンズ駆動機構は狭い
範囲だが高速で、そして光ヘッド駆動機構は低速だがデ
ィスクの最内周トラックから最外周トラックまで大きく
光スポットを動かしている。
【0023】回転しているディスク上のトラックは、種
々の要因によってトラック振れを起こす。このトラック
振れは、単にディスクの回転数に同期した周波数成分だ
けでなく、高周波成分をも持っている。サーボ系として
は、振動、ディスクの反射率変動、温度などの外乱があ
っても、レーザ・ビームをトラック振れに追従させる必
要がある。
【0024】(1)トラッキング駆動方式 対物レンズのみを移動してトラックを追従させると、ト
ラック・オフセットが生じるが、光ピックアップ全体を
駆動する粗動モータを同時に動かすとオフセットが軽減
する。対物レンズ系の許容移動量は、光学系にもよる
が、約20μmである。この粗動モータと対物レンズを
駆動するアクチュエータを相補的に駆動して、レーザ・
ビームをトラック追従させる2段サーボ方式には、次の
2方式がある。
【0025】■トラッキング・エラー信号に基いてアク
チュエータおよび粗動モータを駆動するレンズ位置セン
サレス2段サーボ方式。■トラッキング・エラー信号に
よってアクチュエターのみを駆動し、粗動モータは対物
レンズ変位検出信号によって駆動するレンズ位置センサ
付き2段サーボ方式。
【0026】(2)トラッキング駆動系のモデル 板バネによって支持されたレンズ並進方式アクチュエー
タを使用したモデル図47の運動方程式は、粗動モータ
駆動系に粘性がないとすると、次のようになる。
【0027】対物レンズ系と粗動モータ系の質量系は十
分大きいので粗動モータへのアクチュエータからの反力
は無視し、x=xT+xcを考慮して上式をラプラス変換
すると、 Xc(s)=Fc(s)/mc・s2 となる。これをブロック図で表すと、図48のようにな
る。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の光
ディスクにおける制御方式においては、外部振動によっ
て制御がはずれる事がしばしばあった。特に携帯用光デ
ィスク装置、例えば携帯用コンピュータ搭載用ODD装
置や携帯用CDプレーヤ・ビデオディスクプレーヤ、車
載用光ディスク装置等においては、持ち歩く事による外
部振動や、乗り物に取り付けるまたは置いた時の外部振
動等によってフォーカスサーボやトラッキングサーボが
はずれやすい欠点を有していた。
【0029】同時にトラッキング及びフォーカス用のア
クチュエータにおける電流感度(駆動力)が、外部温度
の変化や量産時のバラツキによって変動するため、制御
システムにおける、位相余裕やゲイン余裕が劣化し、制
御動作が不安定になったり、制御ゲインの不足からディ
スクトラッキング案内溝に対する追従能力が不足し、隣
接トラックからのクロストークが増大しデータ誤り率が
増加するなどの問題点があった。また、フォーカスサー
ボにおいては、以上の特性変動によって焦点ズレが増加
し、同様に誤り率が増加した。
【0030】また、光ディスク装置の焦点引き込み時に
おいて、アクチュエータを上下させるランプ電圧を印可
した際に、アクチュエータが静止摩擦を持つため、アク
チュエータ可動部のフォーカス引き込み時における速度
が大きくなり、フォーカスサーボが正常に引き込まなく
なる他、アクチュエータのバネ要素であるゴム等で構成
されるダンパー材が経時変化により変質し、トラッキン
グやフォーカス制御特性を劣化させたり、プッシュプル
方式のトラッキングセンサーを用いた場合、トラッキン
グセンサーのオフセットを除去するのに高価なリニアモ
ータが必要になる問題があった。
【0031】
【課題を解決するための手段】以上のような問題点を解
決するため、第一の手段では光ディスクのフォーカスア
クチュエータにフォーカス方向の可動部変位量を検出す
るセンサーを取り付ける事により、アクチュエータの変
位量及びアクチュエータ駆動電圧もしくは駆動電流から
本アクチュエータに加わる外乱力を推定する状態推定器
を設ける事で、外部振動等の外乱入力時においても制御
システムが正常に動作するような制御システムを構成し
た。また、上記外乱状態推定器を有するアクチュエータ
特性が、外乱状態推定器内の電気定数に固定されるた
め、アクチュエータ特性のばらつきや経時変化に対して
ロバストなシステムが実現された。
【0032】第2の手段においては、上記フォーカスア
クチュエータのフォーカス方向可動部変位量を検出する
センサーからの検出変位量とアクチュエータ駆動電流も
しくは駆動電圧から、アクチュエータ可動部の移動速度
を推定する速度状態推定器を設けるもしくは上記アクチ
ュエータに速度センサーを取り付ける事で、上記速度状
態推定器の出力もしくは速度検出出力およびアクチュエ
ータ駆動電流もしくは駆動電圧から上記アクチュエータ
に加わる外乱力を推定する、例えば現代制御理論の最小
次元オブザーバで構成される状態推定器を設け、第1の
手段と同様に外乱に強いシステムを構成する。
【0033】第3の手段においては、上記フォーカスア
クチュエータの可動部の加速度を検出するセンサーから
の検出変位量とフォーカスアクチュエータ駆動電流もし
くは駆動電圧から、アクチュエータ可動部に加わる外乱
力を推定する外乱状態推定器を設け、第1の手段と同様
に外乱に強いシステムを構成する。
【0034】第4の手段では光ディスクのトラッキング
アクチュエータにトラック方向の可動部変位量を検出す
るセンサーを取り付ける事により、アクチュエータの変
位量及びアクチュエータ駆動電圧もしくは駆動電流から
本アクチュエータに加わる外乱力を推定する状態推定器
を設ける事で、外部振動等の外乱入力時においても制御
システムが正常に動作するような制御システムを構成す
る。
【0035】第5の手段においては、上記トラッキング
アクチュエータのトラック方向可動部変位量を検出する
センサーからの検出変位量とアクチュエータ駆動電流も
しくは駆動電圧から、アクチュエータ可動部の移動速度
を推定する速度状態推定器を設け、上記速度状態推定器
の出力およびアクチュエータ駆動電流もしくは駆動電圧
から上記アクチュエータに加わる外乱力を推定する、例
えば現代制御理論の最小次元オブザーバで構成される状
態推定器を設け、第1の手段と同様に外乱に強いシステ
ムを構成する。
【0036】第6の手段においては、上記トラッキング
アクチュエータの可動部の加速度を検出するセンサーか
らの検出変位量とトラッキングアクチュエータ駆動電流
もしくは駆動電圧から、アクチュエータ可動部に加わる
外乱力を推定する外乱状態推定器を設け、第1の手段と
同様に外乱に強いシステムを構成する。
【0037】第7の手段においては、弾性支持部材を用
いないアクチュエータの可動部変位量を検出するセンサ
ーからの検出変位量と、アクチュエータ駆動電流もしく
は駆動電圧から、アクチュエータ可動部の移動速度を推
定する速度状態推定器を設け、上記速度状態推定器の出
力と検出位置信号をアクチュエータにフィードバックす
る事で電気的に支持する。
【0038】第8の手段においては、上記アクチュエー
タの可動部変位量を検出するセンサーの出力をプッシュ
プル方式のトラッキングセンサーに加える事によって、
プッシュプル方式のセンサーオフセットを除去する。
【0039】
【作用】第1及び第2及び第3の作用は、上記フォーカ
スアクチュエータの外乱を推定する外乱推定器がリアル
タイムでフォーカス方向の外乱を推定するため、フォー
カス制御ループで外乱を抑圧するよりも速く外乱を抑え
る事が可能となる。また、上記外乱推定器が上記アクチ
ュエータのパラメータ変動を補正するため、アクチュエ
ータのパラメータ変動の影響を除去する事が可能とな
る。
【0040】また、上記速度推定器による速度フィード
バックによって、制御システムが現代制御理論のレギュ
レータシステムの構成となり、進み補償や微分補償を用
いる事なく制御システムを構成する事が可能となる。ま
た、上記速度推定器がアクチュエータの持つ高次共振の
影響を受けない速度を推定するため、制御帯域を広く取
る事が可能となる。
【0041】第4及び第5及び第6の作用は、上記トラ
ッキングアクチュエータの外乱を推定する外乱推定器が
リアルタイムでトラッキング方向の外乱を推定するた
め、トラッキング制御ループによって外乱を抑圧するよ
りも速く外乱を抑える事が可能となる。
【0042】また、上記外乱推定器が上記アクチュエー
タのパラメータ変動を補正するため、アクチュエータの
パラメータ変動の影響を除去する事が可能となる。
【0043】また、上記速度推定器による速度フィード
バックによって、制御システムが現代制御理論のレギュ
レータシステムの構成となり、進み補償や微分補償を用
いる事なく制御システムを構成する事が可能となる。ま
た、上記速度推定器がアクチュエータの持つ高次共振の
影響を受けない速度を推定するため、制御帯域を広く取
る事が可能となる。
【0044】第7の作用は、アクチュエータを位置セン
サーを用いて電気的に支持し、この位置制御ループの指
令値としてフォーカス引き込み時の対物レンズの上下動
作を行わせ、常に位置制御動作を行う事で静止摩擦の影
響を排除したり、高速アクセス時等においては上記位置
制御ループのループゲインを大きくする事で、電気的に
可動部支持剛性を向上させアクチュエータの振れを小さ
くし、アクセス時にディスク溝横断信号による目標トラ
ックへの速度制御ないし、ディスク溝横断数を数えるこ
とによる目標トラックの認識に必要な、トラックカウン
トのミスを防ぐ等が可能になる。
【0045】第8の作用は、トラッキングセンサーのオ
フセットを除去する事で、トラッキングアクチュエータ
の可動範囲を大きくとっても、センサーオフセットによ
るトラックオフセットが生じない制御系が構成できる。
【0046】
【実施例】
実施例1.まず本発明の実施例を図において説明する。
図1は本発明の一実施例における可動部の位置センサー
を搭載したアクチュエータの斜視図で、図において1は
可動部を支持する弾性支持部材、2はレーザ光を集光さ
せるための対物レンズ、3及び5及び8は磁気回路を構
成するヨーク、4はトラック方向に可動部を動かすため
のトラッキングマグネット、6はフォーカス方向に可動
部を動かすためのフォーカスコイル、7はフォーカス方
向に可動部を動かすためのフォーカスマグネット、9は
位置センサーを構成し可動部に取り付けられた発光素子
であるLED、10は位置センサーを構成し上記LED
からの光を受光するためのトラック方向及びフォーカス
方向に分割された4分割光検知器、11は可動部のコイ
ルを支持するためのコイルホルダー、12は光検知器の
出力を電流−電圧変換するためのI−V変換回路、13
は信号加算器、14は信号減算器である。
【0047】図2は本発明の一実施例における弾性支持
部材を用いずに構成され、可動部に位置センサーを搭載
したアクチュエータの斜視図である。
【0048】図3は本発明の一実施例における光学式位
置検出センサーの第2の実施例で、図において16は可
動部に取り付けられた反射ミラーである。
【0049】図4は本発明の一実施例における例えば光
学式位置センサーの非線形特性や感度ばらつきを除去す
るための信号検出回路で、図において17は4分割検知
器の総受光量でフォーカス方向及びトラック方向位置検
出信号を割り算する割り算器。
【0050】図5は本発明の一実施例における例えば光
学式位置センサーの非線形特性や感度ばらつきを除去す
るため、4分割検知器の総受光量が一定となるようにL
ED19を制御する第2の信号検出回路で、図において
18は上記総受光量制御ループの安定性を保つための位
相ゲイン補償回路、19はLEDを発光させるためのド
ライバーである。
【0051】次に実施例の動作を図において説明する。
光ディスク装置においては、出射パワーの増大に伴い光
の利用効率のよいプッシュプルトラッキング法がよく使
われるようになっている。これは特にライトワンスディ
スクやイレーザブルディスク等においてである。しか
し、このプッシュプルトラッキング方式は対物レンズの
移動に伴いセンサーオフセットが発生する問題点があっ
たのは言うまでもない。このため、従来例における2段
結合方式等が開発されているが、これには駆動力が大き
く機械共振が少ない、高価なメカニズムを採用する必要
があった。
【0052】これに対し、民生用の光ディスク装置にお
いては大幅なコストアップをさけるため、対物レンズを
搭載したアクチュエータ可動部の位置センサーを搭載す
る方法等が実用化されている。上述したようなアクチュ
エータ可動部の位置を検出する手段としては、光学的な
方法や、磁気的な方法がある。例えば第1図におけるよ
うな光学式ポジションセンサーを搭載することにより、
フォーカス方向のみならずトラッキング方向の可動部位
置を検出することが可能となる。一般的にプッシュプル
センサーのオフセットは対物レンズの変位量に比例する
ため、上記アクチュエータ可動部の変位量を上記プッシ
ュプルセンサー信号に一定ゲインで加算することによっ
て補正することが可能となる。
【0053】図1と同様に図3のように光学式位置セン
サーにおいて、可動部には折り曲げミラーのみを搭載
し、固定部側に発光素子と受光素子を搭載することも可
能である。この場合可動部質量の増加が少ないため、ア
クチュエータ特性の劣化を最小限に防ぐことが可能であ
る。
【0054】このような光検知器を分割して用いる場合
は、可動部からの出射光による受光部分が、可動部の動
きにつれて上記分割検知器上で移動すると、それぞれの
検知器が受光する光量バランスが変化して可動部位置を
電気的に取り出すことが可能だが、可動部位置に対して
センサー感度が変化し結果的にセンサーに非線形歪が生
じてしまう問題があった。
【0055】この場合光センサーの信号検出回路を図4
のように構成すれば、減算器14にて検出されたフォー
カス方向ないし、トラック方向の位置検出信号が、割り
算器17により常に4分割検知器上の総受光量で割られ
るため、常に単位光量当りのセンサー信号となり、上記
非線形歪を補正することが可能となる。
【0056】また同様に図5に示すように、検出した4
分割検知器の総受光量が常に一定となるように自動LE
Dパワーコントロール回路を構成すれば上記光検知器上
の総受光量が一定となるため、図4の場合と同様にセン
サーの非線形歪を補正できる。ただし、この場合クロー
ズドループの安定性を維持するために、位相・ゲイン補
償回路18が必要なのは言うまでもない。
【0057】実施例2.図6は本発明の第2実施例であ
る可動部の位置をホール素子で検出位置を行う位置セン
サーを表した図で、図において20は可動部に取り付け
られたマグネット、21はマグネット20に向かい合っ
てフォーカス方向及びトラック方向に並べられたホール
素子である。
【0058】図7は本発明の第2実施例における可動部
のフォーカス方向のみの変位量を検出するためのホール
素子を用いた位置検出センサーの外観図である。
【0059】第1の実施例は光学式の位置検出器につい
て説明したが、磁気式の位置検出方式でも同様に可能で
ある。図6は図1の光学式位置検出器と同様にこれを磁
気センサーの一種であるホール素子で実現した例であ
る。図中ホール素子はフォーカス方向とトラック方向に
4つづつならべられ、4分割検知器を用いた場合と同様
な加減算でもってフォーカス方向及びトラック方向の位
置検出信号を得ることができる。この場合でも図4で示
したように、4つのホール素子の総磁気検出量で上記検
出フォーカス位置信号やトラック位置信号を割り算器1
7で除算すれば、センサーの非線形特性を補正すること
が可能である。
【0060】また、フォーカス方向の位置を検出するだ
けであれば、図7のように可動部に取り付けられたマグ
ネットに向かい合ってホールセンサーを設けることでフ
ォーカス方向の位置を検出することが可能である。以上
のように本方式ではアクチュエータ可動部の変位量を比
較的簡単な構成で、検出することが可能である。一般的
に、例えばプッシュプルセンサーのオフセットが対物レ
ンズ移動量に比例するため、以上のようなセンサーでこ
れを補正すれば安価に高精度なトラッキングシステムが
構成できる。
【0061】実施例3.及び実施例4.本発明の第3実
施例を図において説明する。図8は本発明の第2の実施
例における可動部のフォーカス方向加速度を検出するた
めの加速度検出センサーの外観図で、図において22は
歪むことにより電圧を発生させるための圧電素子、23
は圧電素子の先端に取り付けられた重り、24は上記圧
電素子を支持するための支持部材。
【0062】図9は本発明の第4実施例における可動部
のトラック方向加速度を検出するための加速度検出セン
サーの外観図である。
【0063】図10は本発明の第3実施例における加速
度センサーを用いてフォーカス方向の外乱の影響を受け
にくい制御システムの1例で、図において25は光ディ
スク、26は光ヘッド、27はフォーカスセンサーから
の信号を増幅するためのセンサーアンプ、28はフォー
カス制御システムの安定性・速応性を確保するための位
相補償回路、29はフォーカスアクチュエータをドライ
ブするためのドライバー、30は加速度センサーからの
信号を増幅するためのセンサーアンプ、31はフォーカ
スアクチュエータの電流−トルク感度特性を模擬した演
算器、32はフォーカス方向可動部加速度情報にフォー
カスアクチュエータ可動部質量を掛けるための演算器、
33は外乱抑圧に必要な帯域のみを通過させるためのロ
ーパスフィルター、34は31及び32及び33から構
成される外乱状態推定器、35は外乱状態推定器の出力
をフォーカスアクチュエータの電流−トルク感度係数で
除算するための演算器、36は位相補償後のフォーカス
アクチュエータドライブ信号に外乱補正量を加えるため
の加算器である。
【0064】図11は本発明の第4実施例における加速
度センサーを用いてトラック方向の外乱の影響を受けに
くい制御システムの1例で、図において25は光ディス
ク、26は光ヘッド、27はトラッキングセンサーから
の信号を増幅するためのセンサーアンプ、28はトラッ
キング制御システムの安定性・速応性を確保するための
位相補償回路、29はトラッキングアクチュエータをド
ライブするためのドライバー、30は加速度センサーか
らの信号を増幅するためのセンサーアンプ、38はトラ
ッキングアクチュエータの電流−トルク感度特性を模擬
した演算器、40はトラッキング方向可動部加速度情報
にトラッキングアクチュエータ可動部質量を掛けるため
の演算器、39は外乱状態推定器の出力をトラッキング
アクチュエータの電流−トルク感度係数で除算するため
の演算器、37は位相補償後のトラッキングアクチュエ
ータドライブ信号に外乱補正量を加えるための加算器で
ある。
【0065】次に第3の実施例の動作について説明す
る。第2の実施例ではアクチュエータ可動部に位置セン
サーを取り付けることにより、アクチュエータのフォー
カス方向及びトラック方向の変位量を検出することが可
能となり、例えばプッシュプルセンサーのセンサーオフ
セットが除去出来ることについて述べたが、センサーオ
フセットの除去以外にも、以下に述べるアクチュエータ
機械特性の電気的可変や、外乱の抑圧、アクチュエータ
の静止摩擦の影響低減等が可能となる。
【0066】特に光ディスク装置においては、磁気テー
プ装置とくらべて、一般的に振動に弱く、大きな外乱振
動に対してサーボはずれ等が生じるなどの問題点があっ
た。これは民生用の携帯プレーヤなどでは特に大きな問
題となった。このような外部振動に代表される外乱に対
して制御システムが大きな抑圧効果をもつためには、従
来のトラッキングサーボや、フォーカスサーボによるフ
ィードバックループが持つ外乱抑圧効果だけでは不十分
で、さらに何らかの手段で外乱抑圧効果を向上させる必
要がある。
【0067】このためには、可動部のフォーカス並びに
トラック方向の加速度を直接検出することがもっとも簡
単で、このための検出方法をまず図8に示す。図8はフ
ォーカス方向のアクチュエータ可動部加速度を検出する
ため、可動部に加速度センサーを取り付けた状態を示し
た外観図で、フォーカス方向に加速度が加わると、重り
23により圧電素子22が歪むことで電圧が発生し、加
速度を検出することが出来る。また、トラック方向の加
速度を検出する場合は図9のようにアクチュエータ可動
部が回転軸を中心に、いわゆるトラック方向に加速度が
発生すると、図8と同様に重り23により圧電素子22
が歪むことにより電圧が発生し、これを検出することで
トラック方向の加速度を検出することが可能となる。
【0068】上述したような加速度センサーを用いる
と、アクチュエータに加わる外乱を推定することが可能
となる。例えば、フォーカス方向の外乱を推定する場
合、フォーカスアクチュエータを駆動させる例えば駆動
電流等を電流検出抵抗で検出するかあるいは、アクチュ
エータコイルのインダクタンスが無視できるならば直接
駆動電圧情報を取り出し、あらかじめ判っているフォー
カスアクチュエータの電流−トルク係数と演算部31で
乗算し(ただし、電圧を取り出した場合はあらかじめ判
っているコイル抵抗値により電流値に修正する)、アク
チュエータコイルと磁気回路により発生している駆動力
を推定する。
【0069】同時にフォーカス方向の可動部における加
速度センサーの信号をセンサーアンプ30で増幅し、あ
らかじめ判っている可動部質量を演算部32で乗算する
事でアクチュエータ可動部が外部及び内部から受けてい
る力を推定する。次に上述した駆動力から可動部が受け
ている力を減算することにより駆動力以外の力、すなわ
ち外乱力を推定する。このままでは上記推定外乱力にセ
ンサーからのノイズが含まれているため、必要外乱推定
帯域のみ通過するローパスフィルター33を通して推定
外乱量とし、これをKF・RFで除算して(KF:フォー
カスアクチュエータ電流−トルク係数、RF:フォーカ
スアクチュエータコイル抵抗)もとのフォーカス制御シ
ステムにフィードフォワードで加算することにより、ア
クチュエータに外乱力が入力した場合、すぐさまこれを
打ち消すだけの駆動力を発生しシステム全体としてはき
わめて外乱の影響を受けないシステムを構成することが
できる。
【0070】次に第4の実施例の動作について説明す
る。トラッキング制御システムの場合フォーカスと同様
に、トラッキング方向の外乱を推定する場合、トラッキ
ングアクチュエータを駆動させる例えば駆動電流等を電
流検出抵抗で検出するかあるいは、アクチュエータコイ
ルのインダクタンスが無視できるならば直接駆動電圧情
報を取り出し、あらかじめ判っているトラッキングアク
チュエータの電流−トルク係数と演算部31で乗算し
(ただし、電圧を取り出した場合はあらかじめ判ってい
るコイル抵抗値により電流値に修正する)、アクチュエ
ータコイルと磁気回路により発生している駆動力を推定
する。
【0071】同時にトラッキング方向の可動部における
加速度センサーの信号を増幅し、あらかじめ判っている
可動部質量を演算部32で乗算する事でアクチュエータ
可動部が外部及び内部から受けている力を推定する。次
に上述した駆動力から可動部が受けている力を減算する
ことにより駆動力以外の力、すなわち外乱力を推定す
る。このままでは上記推定外乱力にセンサーからのノイ
ズが含まれているため、必要外乱推定帯域のみ通過する
ローパスフィルター33を通して推定外乱量とし、これ
をKF・RFで除算して(KF:トラッキングアクチュエ
ータ電流−トルク係数、RF:トラッキングアクチュエ
ータコイル抵抗)もとのトラッキンング制御システムに
フィードフォワードで加算することにより、アクチュエ
ータに外乱力が入力した場合、すぐさまこれを打ち消す
だけの駆動力を発生しシステム全体としてはきわめて外
乱の影響を受けないシステムを構成することができる。
【0072】実施例5.及び第6実施例.本発明の第5
の実施例を図において説明する。図12は電流と検出速
度を入力とする最小次元オブザーバで構成された外乱状
態推定器のブロック図で、図において42はアクチュエ
ータ力定数、41はアクチュエータ機構部、43は外乱
状態推定器のブロック図である。
【0073】図13は観測ノイズを抑圧し、外乱推定帯
域が大きく取れる外乱状態推定器のブロック図で、46
は速度検出器、47は速度オブザーバを併合させた外乱
状態推定器である。
【0074】図14は本発明の第5の実施例である、位
置センサーを用いたフォーカス方向の外乱の影響を受け
にくい制御システムの一例で、図において48はアクチ
ュエータ、49はフォーカスセンサー、50は駆動電流
と可動部検出位置信号を入力とする現代制御理論の最小
次元オブザーバで構成された外乱状態推定器である。
【0075】図15は本発明の第5の実施例である、位
置センサーを用いたフォーカス方向の外乱の影響を受け
にくい第2の制御システムの例で、図において51はフ
ォーカス制御システムにおける速度フィードバックゲイ
ン、52はフォーカス制御システムにおける位置センサ
ーによる位置フィードバックゲイン、53はフォーカス
アクチュエータの位置信号とフォーカスアクチュエータ
駆動信号を入力とし、上記フォーカスアクチュエータの
移動速度を推定する、現代制御理論の同一次元オブザー
バで構成された速度推定オブザーバ、54はフォーカス
アクチュエータの駆動電流と速度推定オブザーバの推定
速度を入力とし、フォーカスアクチュエータに加わる外
乱量を推定する、現代制御理論の最小次元オブザーバで
構成された外乱オブザーバである。
【0076】図16は本発明の第5の実施例である、位
置センサーを用いたフォーカス方向の外乱の影響を受け
にくい第2の制御システムにおいて、速度フィードバッ
クゲイン51によって制御システムの安定性を補償し、
従来の位相進み補償の無いフォーカス制御システムであ
る。
【0077】図17は本発明の第5の実施例である、位
置センサーを用いて構成された速度推定オブザーバにお
ける外乱力との力の釣合を模擬した部分における外乱情
報を抽出することにより構成されたフォーカス方向の外
乱の影響を受けにくい第3の制御システムの例で、図に
おいて55は必要な外乱抑制帯域のみを通過させるロー
パスフィルター、56は推定された外乱状態量の出力を
トラッキングアクチュエータの電流−トルク感度係数で
除算するための演算器である。
【0078】図18は本発明の第5の実施例である、位
置センサーを用いて構成された速度推定オブザーバにお
ける外乱力との力の釣合を模擬した部分における外乱情
報を抽出することにより構成されたフォーカス方向の外
乱の影響を受けにくい第3の制御システムにおいて、速
度推定オブザーバからの速度フィードバックによりフォ
ーカス制御システムにおける進み補償を用いない制御シ
ステムの例である。
【0079】図19は本発明の第5の実施例である逆起
電力から得られる検出速度情報によとアクチュエータ駆
動信号を入力とし、フォーカスアクチュエータに加わる
外乱を推定することにより、フォーカス方向の外乱の影
響を受けにくい第4の制御システムの例で、図において
58はフォーカスアクチュエータコイルインピーダン
ス、57は逆起電力検出回路である。
【0080】図20は本発明の第5の実施例である、位
置センサーの出力を微分することにより得られたフォー
カスアクチュエータの可動部速度と、フォーカスアクチ
ュエータ駆動信号とを入力とする、現代制御理論の最小
次元オブザーバで構成された外乱状態推定器によりフォ
ーカス方向の外乱の影響を受けにくい第5の制御システ
ムの例で、図において59は微分器である。
【0081】図21は本発明の第6の実施例である位置
センサーの出力に基づき構成された速度推定オブザーバ
による速度フィードバック、および位置フィードバック
ループが構成されたフォーカスアクチュエータにおいて
上記フィードバックループの指令値としてフォーカス引
き込み時のランプ電圧を印可させ、合焦点時に制御シス
テムをオンさせるフォーカス制御及び引き込み回路のブ
ロック図で、図において60はフォーカスサーボ引き込
み回路、61はフォーカスエラー信号のゼロクロスを検
出するためのゼロクロス検出回路、63はフォーカス和
信号がある一定のレベル以上になったかどうかを判定す
るレベル判別回路、62はゼロクロス検出回路とレベル
判別回路の出力に基づいてフォーカス制御ループを閉じ
るためのフォーカスオン指令回路、64はフォーカスサ
ーボ引き込み時に対物レンズを上下させるためのランプ
電圧発生回路である。
【0082】図22は本発明の第6の実施例であるフォ
ーカスサーボの引き込み動作時においてランプ電圧入力
にたいするアクチュエータの変位量を従来の場合と第2
1図の実施例の場合とで比較した図である。
【0083】次に第5の実施例の動作を説明する。第3
の実施例は加速度センサーを用いた外乱抑圧制御システ
ムであるが、次に速度センサーを用いたシステムについ
て説明する。例えばリニアモータ等で構成されるいわゆ
る慣性系で示されるシステムの状態方程式をアクチュエ
ータに加わる外乱とアクチュエタ可動部速度について立
てると、
【0084】
【数1】
【0085】次に、現代制御理論におけるゴピナスの最
小次元オブザーバを数1に基づいて立てると以下のよう
になる。
【0086】
【数2】
【0087】ここでAの固有値を
【0088】
【数3】
【0089】とすると、B,F,Hは以下のようにもと
まる。
【0090】
【数4】
【0091】よって外乱推定値は数4より
【0092】
【数5】
【0093】となる。
【0094】上述した数5をブロック線図で書き表す
と、図12の外乱状態推定器43のようになる。このシ
ステムはアクチュエータ駆動電流とアクチュエータ可動
部速度とを入力し、アクチュエータに加わる外乱を推定
する状態推定オブザーバを構成している。このような外
乱抑圧システムはフィードフォワードループを構成する
ため、センサーの持つ観測ノイズに対してシステムが不
安定になる問題を含んでいる。そのため、この外乱を打
ち消すためのフィードフォワード信号のオープンループ
特性において、そのゲイン特性があらゆる周波数で1以
下となる必要がある。
【0095】この外乱抑圧ループのオープンループ特性
を図12の場合で計算すると、 G(s)={1/(S+G)}・G・{1−(速度センサー)}・・・式6 となり、外乱オブザーバの極を大きく取る、すなわち外
乱推定帯域を広く取ると、Gが大きくなり、Gによるロ
ーパスフィルタがきかなくなるため結果的にG(s)が
大きくなり、無理に大きくするとG(s)が1よりも大
きくなって、システムが発振状態となってしまうことが
わかる。また、式6からも判るように速度センサーの伝
達特性を1に近づければ、(1−(速度センサー)がゼ
ロに近づくため、G(s)を小さくできシステムを安定
化させることが可能になる。このことは、速度センサー
に含まれる観測ノイズを小さくすればシステムが安定化
できると同時に、外乱推定帯域も広くできることを意味
する。
【0096】これに対しセンサの直後にローパスフィル
タを挿入し、このローパスフィルタで観測ノイズを抑圧
すると、観測速度信号の位相が回り、外乱推定が正確に
行われなくなってしまう。そこで、図13に示すように
同一次元オブザーバで構成された速度推定オブザーバを
用いて、速度センサーに含まれる観測ノイズを抑圧し、
外乱推定帯域を広げる効果をもたらすことが可能であ
る。このような速度推定オブザーバはカルマンフィルタ
ーとして観測ノイズの抑圧のためによく知られたもので
ある。
【0097】一般的には、加速度センサーを可動部に取
り付けるのは寸法的にもコスト的精度的にも容易でな
く、図1,図2等で示したように位置センサーを取り付
けることがもっとも簡単で精度のよいものが得られる。
そこで次にはこの位置センサーを用いた外乱推定システ
ム及び外乱に強い制御システムの例を挙げる。
【0098】図14にはフォーカスアクチュエータ可動
部位置検出信号と、フォーカスアクチュエータ駆動信号
とから外乱を推定するオブザーバ50が示されている。
ここではさきほどと同様に現代制御理論におけるゴピナ
スの最小次元オブザーバを構成し、外乱を推定してい
る。またこの時位置センサー信号はLEDの発光光量制
御ループ18,19によりその非線形特性が補正されて
いる。また、フォーカスセンサー信号に基づく、位相補
償28,ドライバー37を含むフォーカス制御ループに
よって従来のフォーカス制御システムが構成され、この
フォーカスアクチュエータ制御信号に上記外乱推定オブ
ザーバ50からの信号をRF/KF倍する演算部39を介
して加算することにより、フォーカスアクチュエータに
フォーカス方向の外乱が加わってもこれを打ち消すだけ
の補正駆動力を演算部39から発生させ、外乱の影響を
取り除くことができる。
【0099】図14は可動部位置から直接外乱量を推定
する、外乱状態推定器50を用いる場合について述べた
が、次に速度推定器と外乱推定器を併用する場合につい
て図15で説明する。まずフォーカスアクチュエータに
取り付けられた位置センサー信号とフォーカスアクチュ
エータ駆動信号とにより、現代制御理論の同一次元オブ
ザーバで構成された速度推定オブザーバ53を構成す
る。この速度推定オブザーバは、アクチュエータ可動部
位置から速度を推定するもので、図中のフィードバック
ゲインF2を大きく取ることにより速度推定帯域を広げ
ることが可能となる。また、F1は上記F2のフィード
バックループを安定化させるために必要なものである。
【0100】このようにアクチュエータ可動部の速度信
号が得られると、図2に示されるようにアクチュエータ
自身に弾性支持部材がなくても、上記速度推定オブザー
バからの推定速度と、上記位置センサーからの位置信号
をフィードバックして電気的ダンパーを構成することが
可能である。このため、速度フィードバックゲイン51
と速度フィードバックゲイン52を適当に選択する事に
より従来の弾性支持部材がある時と同じようなアクチュ
エータ単体周波数特性が実現できることは言うまでもな
い。この時フォーカス制御ループに必要な位相補償部2
8は、速度・位置フィードバック51,52による電気
的ダンピングループが従来の機械式と同じ特性をもつ場
合同じ同じ位相補償28を用いればよい。
【0101】また、図15の場合はアクチュエタ可動部
の速度が推定されるので、図12で示した外乱状態推定
器を用いることが可能となる。またこれは、図13で示
した速度状態推定器と組み合わせ観測ノイズを抑圧する
ことで外乱推定帯域を向上させるシステムと同じで、
(ただし、同一次元オブザーバの次数は1つ多い)外乱
推定帯域を向上させることが可能である。
【0102】図15のシステムにおいては、フォーカス
制御ループの中に速度ループを内蔵しているため、速度
ループのループゲイン51を大きく取れば、図16のよ
うに従来のフォーカス制御システムにおける位相進み補
償を取り外し、純粋なレギュレータシステムを構成する
ことが可能である。この場合、速度ループ51および位
置ループ52をふくむアクチュエータの特性は、従来の
弾性支持部材を用いた場合から大きくずれてしまうが、
フォーカス引き込みが行われるまでの間やフォーカス制
御システムが動作していない場合には上記51・52の
ゲインを可変して、いつでも機械式ダンパーの特性同じ
電気的ダンパーに戻すことも可能である。
【0103】また、速度状態推定器53のオブザーバ内
フィードバックゲインF2が比較的大きく取れれば図1
7に示すように速度状態オブザーバのみで外乱を推定す
ることが可能である。もし上記のF2が大きければ、α
で示されるポイントがアクチュエータの駆動力と外乱力
の力の釣合を表す点となり、F2の出力を取り出すこと
により外乱力を推定することも可能となる。この場合推
定外乱量には第15・16図で示される最小次元オブザ
ーバによる場合とちがい、観測ノイズが多く含まれるた
め、ローパスフィルターである程度ノイズを除去して使
う必要がある。
【0104】この場合でも図16のシステムと同様に、
フォーカス制御ループの中に速度ループを内蔵している
ため、速度ループのループゲイン51を大きく取れば、
第18図のように従来のフォーカス制御システムにおけ
る位相進み補償を取り外し、純粋なレギュレータシステ
ムを構成することが可能である。この場合、速度ループ
51および位置ループ52をふくむアクチュエータの特
性は、従来の弾性支持部材を用いた場合から大きくずれ
てしまうが、フォーカス引き込みが行われるまでの間や
フォーカス制御システムが動作していない場合には上記
51・52のゲインを可変して、いつでも機械式ダンパ
ーの特性同じ電気的ダンパーに戻すことも可能である。
【0105】なお、フォーカスアクチュエータに取り付
けられた位置センサーの信号を微分し速度情報を得るこ
とも当然可能でこの場合を第20図に示す。この場合微
分器59により微分して得られた速度情報を用いて、外
乱推定オブザーバ54に入力し、上述したようにアクチ
ュエータ可動部が受ける外乱力を推定することも可能で
あると同時に速度フィードバックを位置フィードバック
とともに行い、アクチュエータの機械的弾性支持部材の
代わりや、フォーカス制御ループを速度フィードバック
によるレギュレータ構成とし、従来の位相進み補償28
を取り去ることが可能である。しかし、以上のような微
分器を用いた場合は、センサーの持つ観測ノイズを高周
波側で増幅するため、特にフィードフォワードで外乱を
抑圧するノイズの大きさに外乱推定帯域が制限されるよ
うなシステムでは、あまり望ましくない。
【0106】以上についてはフォーカスアクチュエータ
可動部に何らかのセンサーを搭載した場合について述べ
たが、次にセンサーを搭載せずに外乱を推定する方法に
ついて述べる。第19図はそのための外乱推定器のブロ
ック図で、フォーカスアクチュエータ駆動電流を例えば
電流検出抵抗をアクチュエータコイルに直列に挿入し、
上記電流検出抵抗の両端に発生する電圧を検出するか、
フォーカスアクチュエータドライブ線に電流検出用コイ
ルを取り付けるなどにより、フォーカスアクチュエータ
駆動電流情報を取り出し、この電流検出情報にあらかじ
め分かっているアクチュエータインピーダンス58を乗
算した値と、フォーカスアクチュエータ駆動電圧とを比
較し、アクチュエータが動作することによる、逆起電圧
を取り出すことにより、アクチュエータ可動部の速度を
検出する。
【0107】この逆起電圧により検出された可動部速度
を用いて、例えば速度と駆動電流を入力とする最小次元
オブザーバで構成された外乱推定オブザーバ54により
アクチュエータ可動部が受ける外乱をセンサーを持ちい
なくとも推定することが可能となる。以上に示した最小
次元オブザーバを用いる方法以外に、当然ではあるが図
18に示した同一次元の速度推定オブザーバを構成し、
この速度推定オブザーバにおける外乱力と駆動力の力の
釣合部分に相当する信号から、外乱情報を取り出すこと
も可能である。
【0108】また、微分器を用いて上記逆起電力により
測定された速度情報を加速度情報に変換した後フォカス
アクチュエータ可動部質量を乗算しフォーカスアクチュ
エータ可動部の受けるトータルの力を推定し、同時にフ
ォーカスアクチュエータ駆動電流情報もしくはフォーカ
スアクチュエータ駆動電圧情報をフォーカスアクチュエ
ータコイルインピーダンスで割ることにより得られるフ
ォーカスアクチュエータ駆動電流情報に、フォーカスア
クチュエータ電流−トルク係数を乗算して得られるフォ
ーカスアクチュエータ駆動力を比較することにより外乱
を推定することも可能である。
【0109】また、上記逆起電力から検出されるフォー
カスアクチュエータ可動部速度情報を、再び同一次元の
速度推定オブザーバに入力し、観測ノイズの抑圧等の処
理を行った後に、外乱オブザーバにより外乱を推定する
ことも可能である。
【0110】次に第6の実施例の動作を説明する。上記
のように機械的弾性支持部材を用いない場合電気的ルー
プにより、電気的ダンパーがなされるため、フォーカス
引き込み時の安定な引き込みを実現することが可能にな
る。図21はそのためのフォーカス制御システムのブロ
ック図で、フォーカスサーボ引き込み時における対物レ
ンズを上下させるためのランプ関数発生回路64の出力
を速度フィードバック51及び位置フィードバック52
で構成される上記電気ループの位置リファレンスに相当
する信号ラインに、位置指令値として上記ランプ電圧を
入力することにより、フォーカスアクチュエータの持つ
静止摩擦によるアクチュエータ移動速度の非線形性や、
指令値に反する急激な移動を防止する効果がある。
【0111】例えば従来の機械的弾性支持部材で構成さ
れるフォーカスアクチュエータにオープンループの制御
指令として、ランプ電圧を加えると、図22のように、
フォーカスアクチュエータの持つ静止摩擦力によって、
ある電圧値から急激に上昇を開始し、もっとも重要なフ
ォーカス合焦点での対物レンズ移動速度(合焦点への突
入速度)が大きくなりすぎるため、フォーカス引き込み
に失敗する等の問題が生じていた。しかし、上述したフ
ォーカスアクチュエータに取り付けられた位置センサー
からの情報で位置制御ループを構成することにより、こ
の位置制御ループの制御指令値としてランプ電圧を与え
れば、指令値通りの対物レンズ上下動作を行わせること
が可能である。
【0112】この時のアクチュエータは、機械式弾性支
持部材を持つアクチュエータであっても、機械式弾性支
持部材が無く上記電気ループによる電気的ダンパーのみ
の構成であってもよいことは言うまでもない。また、上
記位置制御ループが、速度フィードバックによる安定性
補償がなされる場合や、位置検出信号を位相進み補償し
た場合であっても、そのどちらを用いてもよいことは言
うまでもない。なお、上記位置フィードバックのフィー
ドバックゲインが大きいほど上記静止摩擦を補償する効
果は大きく、従ってフォーカス制御の引き込み前すなわ
ち対物レンズ上下動作中と、フォーカスサーボ引き込み
後とで、上記位置フィードバックゲイン量を可変すれば
より最適なシステムが構成されることは言うまでもな
い。この場合、可変されるのは例えば図21中の、フィ
ードバックゲイン52及び51である。
【0113】実施例7.本発明の第7の実施例を図にお
いて説明する。図23は本発明の第4実施例である、位
置センサーを用いたトラック方向の外乱の影響を受けに
くい制御システムの一例で、図において48はアクチュ
エータ、65はトラッキングセンサー、66は対物レン
ズの移動量に比例して生じるトラッキングセンサーオフ
セットを補正するためのセンサーオフセット補償演算
器、67は駆動電流と可動部検出位置信号を入力とする
現代制御理論の最小次元オブザーバで構成された外乱状
態推定器、68は外乱推定状態推定器の出力をトラッキ
ングアクチュエータの電流−トルク感度係数で除算する
ための演算器である。
【0114】図24は本発明の第7の実施例である、位
置センサーを用いたトラック方向の外乱の影響を受けに
くい第2の制御システムの例で、図において、70はト
ラッキングアクチュエータの位置信号とトラッキングア
クチュエータ駆動信号を入力とし、上記トラッキングア
クチュエータの移動速度を推定する、現代制御理論の同
一次元オブザーバで構成された速度推定オブザーバ、7
1はトラッキングアクチュエータの駆動電流と速度推定
オブザーバの推定速度を入力とし、トラッキングアクチ
ュエータに加わる外乱量を推定する、現代制御理論の最
小次元オブザーバで構成された外乱オブザーバである。
【0115】図25は本発明の第7の実施例である、位
置センサーを用いたトラッキング方向の外乱の影響を受
けにくい第2の制御システムにおいて、速度フィードバ
ックゲイン51によって制御システムの安定性を補償
し、従来の位相進み補償の無いトラッキング制御システ
ムである。
【0116】図26は本発明の第7の実施例である、位
置センサーを用いて構成された速度推定オブザーバにお
ける外乱力との力の釣合を模擬した部分における外乱情
報を抽出することにより構成されたトラッキング方向の
外乱の影響を受けにくい第3の制御システムにおいて、
73はトラッキングアクチュエータの電流−トルク感度
係数で除算するための演算器である。
【0117】図27は本発明の第7の実施例である、位
置センサーを用いて構成された速度推定オブザーバにお
ける外乱力との力の釣合を模擬した部分における外乱情
報を抽出することにより構成されたトラッキング方向の
外乱の影響を受けにくい第3の制御システムにおいて、
速度フィードバックゲイン51によって制御システムの
安定性を補償し、従来の位相進み補償の無いトラッキン
グ制御システムである。
【0118】図28は本発明の第7の実施例である、位
置センサーの出力を微分することにより得られたトラッ
キングアクチュエータの可動部速度と、トラッキングア
クチュエータ駆動信号とを入力とする、現代制御理論の
最小次元オブザーバで構成された外乱状態推定器により
トラッキング方向の外乱の影響を受けにくい第4の制御
システムの例である。
【0119】図29は本発明の第7の実施例である逆起
電力から得られる検出速度情報によとアクチュエータ駆
動信号を入力とし、トラッキングアクチュエータに加わ
る外乱を推定することにより、トラッキング方向の外乱
の影響を受けにくくし、アクチュエータ駆動電流からセ
ンサーオフセット量も推定することでトラッキング動作
におけるオフトラックを防ぐ第4の制御システムの例
で、図において77はトラッキングアクチュエータコイ
ルインピーダンス、76は逆起電力検出回路、75はア
クチュエータ等価回路、74は高域通過回路である。
【0120】次に本発明の動作を説明する。図23には
トラッキングアクチュエータ可動部位置検出信号と、ト
ラッキングアクチュエータ駆動信号とから外乱を推定す
るオブザーバ67が示されている。ここではさきほどと
同様に現代制御理論におけるゴピナスの最小次元オブザ
ーバを構成し、外乱を推定している。またこの時位置セ
ンサー信号はLEDの発光光量制御ループ18,19に
よりその非線形特性が補正されている。また、トラッキ
ングセンサー信号に基づく、位相補償28,ドライバー
69を含むトラッキング制御ループによって従来のトラ
ッキング制御システムが構成され、このトラッキングア
クチュエータ制御信号に上記外乱推定オブザーバ67か
らの信号をRT/KT倍する演算部68を介して加算する
ことにより、トラッキングアクチュエータにトラック方
向の外乱が加わってもこれを打ち消すだけの補正駆動力
を演算部68から発生させ、外乱の影響を取り除くこと
ができる。
【0121】また、トラッキングアクチュエータに取り
付けれれた位置センサーからの信号を用いることによ
り、例えばプッシュプルトラッキングセンサーを用いる
場合、対物レンズの移動量に比例してプッシュプルセン
サーのオフセットが発生するため、センサーオフセット
補正回路66により、トラッキングセンサー信号に補正
信号を加算することで、オフセットの影響を取り除くこ
とも可能である。
【0122】図23は可動部位置から直接外乱量を推定
する、外乱状態推定器67を用いる場合について述べた
が、次に速度推定器と外乱推定器を併用する場合につい
て図24で説明する。まずトラッキングアクチュエータ
に取り付けられた位置センサー信号とトラッキングアク
チュエータ駆動信号とにより、現代制御理論の同一次元
オブザーバで構成された速度推定オブザーバ70を構成
する。この速度推定オブザーバは、アクチュエータ可動
部位置から速度を推定するもので、図中のフィードバッ
クゲインF2を大きく取ることにより速度推定帯域を広
げることが可能となる。また、F1は上記F2のフィー
ドバックループを安定化させるために必要なものであ
る。
【0123】このようにアクチュエータ可動部の速度信
号が得られると、図2に示されるようにアクチュエータ
自身に弾性支持部材がなくても、上記速度推定オブザー
バからの推定速度と、上記位置センサーからの位置信号
をフィードバックして電気的ダンパーを構成することが
可能である。このため、速度フィードバックゲイン51
と速度フィードバックゲイン52を適当に選択する事に
より従来の弾性支持部材がある時と同じようなアクチュ
エータ単体周波数特性が実現できることは言うまでもな
い。この時トラッキング制御ループに必要な位相補償部
28は、速度・位置フィードバック51,52による電
気的ダンピングループが従来の機械式と同じ特性をもつ
場合同じ位相補償28を用いればよい。
【0124】また、図24の場合はアクチュエタ可動部
の速度が推定されるので、図12で示した外乱状態推定
器を用いることが可能となる。またこれは、図13で示
した速度状態推定器と組み合わせ観測ノイズを抑圧する
ことで外乱推定帯域を向上させるシステムと同じで、
(ただし、同一次元オブザーバの次数は1つ多い)外乱
推定帯域を向上させることが可能である。
【0125】図24のシステムにおいては、トラッキン
グ制御ループの中に速度ループを内蔵しているため、速
度ループのループゲイン51を大きく取れば、図25の
ように従来のトラッキング制御システムにおける位相進
み補償を取り外し、純粋なレギュレータシステムを構成
することが可能である。この場合、速度ループ51およ
び位置ループ52をふくむアクチュエータの特性は、従
来の弾性支持部材を用いた場合から大きくずれてしまう
が、トラッキング引き込みが行われるまでの間やトラッ
クジャンプ動作中や、トラッキング制御システムが動作
していない場合や、光ヘッドがアクセス動作(シーク動
作)をしている間には上記51・52のゲインを可変し
て、安定ないつでも機械式ダンパーの特性同じ電気的ダ
ンパーに戻したり、対物レンズの変動量を小さくしアク
セス時のトラックカウントミスを最小に抑えることも可
能である。
【0126】また、速度状態推定器70のオブザーバ内
フィードバックゲインF2が比較的大きく取れれば図2
6に示すように速度状態オブザーバのみで外乱を推定す
ることが可能である。もし上記のF2が大きければ、α
で示されるポイントがアクチュエータの駆動力と外乱力
の力の釣合を表す点となり、F2の出力を取り出すこと
により外乱力を推定することも可能となる。この場合推
定外乱量には図24・図25で示される最小次元オブザ
ーバによる場合とちがい、観測ノイズが多く含まれるた
め、ローパスフィルターである程度ノイズを除去して使
う必要がある。
【0127】この場合でも図26のシステムと同様に、
トラッキング制御ループの中に速度ループを内蔵してい
るため、速度ループのループゲイン51を大きく取れ
ば、図27のように従来のトラッキング制御システムに
おける位相進み補償を取り外し、純粋なレギュレータシ
ステムを構成することが可能である。この場合、速度ル
ープ51および位置ループ52をふくむアクチュエータ
の特性は、従来の弾性支持部材を用いた場合から大きく
ずれてしまうが、トラッキング引き込みが行われるまで
の間やトラッキング制御システムが動作していない場合
には上記51・52のゲインを可変して、いつでも機械
式ダンパーの特性同じ電気的ダンパーに戻すことも可能
である。
【0128】また、図24及び図25と同様に、トラッ
キングアクチュエータに取り付けれれた位置センサーか
らの信号を用いることにより、例えばプッシュプルトラ
ッキングセンサーを用いる場合、対物レンズの移動量に
比例してプッシュプルセンサーのオフセットが発生する
ため、センサーオフセット補正回路66により、トラッ
キングセンサー信号に補正信号を加算することで、オフ
セットの影響を取り除くことも可能である。
【0129】なお、トラッキングアクチュエータに取り
付けられた位置センサーの信号を微分し速度情報を得る
ことも当然可能でこの場合を図28に示す。この場合微
分器59により微分して得られた速度情報を用いて、外
乱推定オブザーバ54に入力し、上述したようにアクチ
ュエータ可動部が受ける外乱力を推定することも可能で
あると同時に速度フィードバックを位置フィードバック
とともに行い、アクチュエータの機械的弾性支持部材の
代わりや、トラッキング制御ループを速度フィードバッ
クによるレギュレータ構成とし、従来の位相進み補償2
8を取り去ることが可能である。しかし、以上のような
微分器を用いた場合は、センサーの持つ観測ノイズを高
周波側で増幅するため、特にフィードフォワードで外乱
を抑圧するノイズの大きさに外乱推定帯域が制限される
ようなシステムでは、あまり望ましくない。
【0130】以上についてはトラッキングアクチュエー
タ可動部に何らかのセンサーを搭載した場合について述
べたが、次にセンサーを搭載せずに外乱を推定する方法
について述べる。図29はそのための外乱推定器のブロ
ック図で、トラッキングアクチュエータ駆動電流を例え
ば電流検出抵抗をアクチュエータコイルに直列に挿入
し、上記電流検出抵抗の両端に発生する電圧を検出する
か、トラッキングアクチュエータドライブ線に電流検出
用コイルを取り付けるなどにより、トラッキングアクチ
ュエータ駆動電流情報を取り出し、この電流検出情報に
あらかじめ分かっているトラッキングアクチュエータコ
イルインピーダンス77を乗算した値と、トラッキング
アクチュエータ駆動電圧とを比較し、トラッキングアク
チュエータが動作することによる、逆起電圧を取り出す
ことにより、トラッキングアクチュエータ可動部の速度
を検出する。
【0131】この逆起電圧により検出された可動部速度
を用いて、例えば速度と駆動電流を入力とする最小次元
オブザーバで構成された外乱推定オブザーバ71により
アクチュエータ可動部が受ける外乱をセンサーを持ちい
ずとも推定することが可能となる。以上に示した最小次
元オブザーバを用いる方法以外に、当然ではあるが図2
7に示した同一次元の速度推定オブザーバを構成し、こ
の速度推定オブザーバにおける外乱力と駆動力の力の釣
合部分に相当する信号から、外乱情報を取り出すことも
可能である。
【0132】また、図28に示されるように、微分器を
用いて上記逆起電力により測定された速度情報を加速度
情報に変換した後トラッキングアクチュエータ可動部質
量を乗算しトラッキングアクチュエータ可動部の受ける
トータルの力を推定し、同時にトラッキングアクチュエ
ータ駆動電流情報もしくはトラッキングアクチュエータ
駆動電圧情報をトラッキングアクチュエータコイルイン
ピーダンスで割ることにより得られるトラッキングアク
チュエータ駆動電流情報に、トラッキングアクチュエー
タ電流−トルク係数を乗算して得られるトラッキングア
クチュエータ駆動力を比較することにより外乱を推定す
ることも可能である。
【0133】また、上記逆起電力から検出されるトラッ
キングアクチュエータ可動部速度情報を、再び同一次元
の速度推定オブザーバに入力し、観測ノイズの抑圧等の
処理を行った後に、外乱オブザーバにより外乱を推定す
ることも可能である。
【0134】このようなトラッキングアクチュエータ可
動部に位置センサーが無い場合でも、プッシュプルトラ
ッキングセンサーのオフセットを補正することが可能で
ある。この場合図29に示されるようにトラッキングア
クチュエータ駆動電流情報から、アクチュエータ等価回
路75を介してアクチュエータ位置情報を推定し、(た
だしアクチュエータが機械式弾性支持部材で支持されて
いない場合、直流情報は得られず交流情報のみとなるた
め、図中の広域通過回路74が必要となる。しかし、機
械的弾性支持部材で支持されている場合弾性支持を含む
アクチュエータ等価回路を75のブロックで構成し、そ
のまま広域通過回路74を通さずに補正が可能であ
る。)センサーオフセット補正回路66で補正すること
が可能である。
【0135】以上に示した外乱に強い制御システムは、
当然のことながらオペアンプ等を用いたアナログ回路で
実現することが可能である。これは、以上に示したブロ
ック図における定数であらわされるブロックは、オペア
ンプのゲインもしくはアッテネーションレベルに相当
し、ラプラス演算子Sを含んだブロックはアクティブフ
ィルターで実現出来る。
【0136】実施例8.図30は本発明の第8の実施例
である速度推定オブザーバをソフトウエアで実現した際
のフローチャート。
【0137】図31は本発明の第8の実施例である外乱
推定オブザーバをソフトウエアで実現した際のフローチ
ャート。
【0138】図32は本発明の第8の実施例である外乱
に強いトラッキング制御システムをソフトウエアで実現
した際のフローチャート。
【0139】図33は本発明の第8の実施例である外乱
に強いトラッキング制御システムのトラッキングサーボ
ループの計算周期を早くするために改良されたシステム
をソフトウエアで実現した際のフローチャート。
【0140】図34は本発明の第8の実施例であるトラ
ッキングセンサーオフセットを自動補正するアルゴリズ
ムをソフトウエアで実現した際のフローチャートであ
る。以下この実施例の動作を説明する。外乱抑圧制御方
式はDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)やマイク
ロコンピュータ等のソフトウエアによっても実現するこ
とが出来る。このようなソフトウエアによるサーボシス
テムの構成例を以上のシステムのうち代表的な図25の
例でそのサブルーチンを図30以下に示す。
【0141】図30は速度推定オブザーバを計算するサ
ブルーチンの一例で、電流検出情報および位置センサー
情報を入力して、図24の速度推定器の速度オブザーバ
70のブロック図を順次計算している。この時各信号ラ
インは変数で表され、一時的なメモリーに記憶される。
最後に速度推定情報に相当する変数Gを出力(一時メモ
リーに結果として記憶)し、サブルーチンを終える。
【0142】図31は外乱推定オブザーバサブルーチン
の一例で、図30の場合とまったく同様に図24の外乱
推定オブザーバ71のブロックが計算される。この場合
も推定外乱量Qを出力(一時メモリーに結果として記
憶)し、サブルーチンを終える。
【0143】以上の図30および図31においては、各
定数α1〜α5及びF1,F2,Gはあらかじめメモリ
ーに記憶してある。また、積分特性はIIRもしくはF
IRフィルターで構成されるディジタルフィルターによ
り計算される。
【0144】図32は図30及び図31のサブルーチン
を含むトラッキング制御用ソフトウエアのフローチャー
トで、マイコンないしDSPの計算周期であるクロック
ごとに入力ポートからの情報入力、速度推定オブザーバ
サブルーチンの計算、外乱推定オブザーバサブルーチン
の計算、トラキングサーボ位相補償の計算等を行って、
最後に推定外乱量Qとフォーカス制御信号Sを加算し、
アクチュエータドライブ信号として出力ポートから出力
する。
【0145】図32の場合は、計算周期がトラッキング
サーボループ,速度推定オブザーバ,外乱推定オブザー
バ共同じ周期であったが、一般的には外側にあるトラッ
キング制御ループの帯域が数kHzあるためこのループ
の計算周期を早くし、他のループの計算ステップを分割
して、トラッキングループに対して数分の1の早さで計
算させる方法がある。図33はこのためのフローチャー
トで、カウンターU及びVを用いて、それぞれに分割さ
れたサブルーチンプログラムをカウンターを1段カウン
トアップするごとに計算し、カウンターの値が所定量に
なった所でカウンターをリセットしている。この方法を
用いることにより、1計算サイクルでのステップ数が小
さくなり、例えばトラッキングサーボループの計算スピ
ードを向上させることが可能となる。
【0146】図33では、速度推定オブザーバサブルー
チンを2分割し、外乱推定オブザーバを3分割してい
る。特に本方式では、速度情報に基づいて外乱推定を行
っているため、推定速度情報にサンプリングによる位相
回りや時間遅れ,きざみノイズ等が存在すると正確な外
乱推定が行えないため、速度推定オブザーバの計算周期
を外乱オブザーバの計算周期よりも早くする必要があ
る。もちろん速度推定および外乱推定帯域よりも十分に
早い計算周期であるならばそれぞれのサブルーチンの計
算周期はどのようなものであってもかまわないことは言
うまでもない。
【0147】また、たとえば図25のように、トラッキ
ング制御ループの位相すすみ補償のかわりに速度フィー
ドバックによるレギュレータ構成での補償方法を採用し
た場合、速度フィードバックループの帯域はトラッキン
グ制御帯域よりも高周波側にのびているため、計算周期
はその外側にあるトラッキングセンサーからのトラッキ
ング制御ループより早い必要がある。この場合は図33
のフローチャートにおいてカウンターを用いて分割され
るのは外乱推定オブザーバサブルーチンのみで、速度推
定オブザーバは早い計算周期で(例えば1計算サイクル
内)で計算されなければならない。
【0148】以上のようなソフトウエアを用いた制御シ
ステムにおいては、例えば図34のようにトラッキング
制御システムにおけるセンサーオフセット補正の係数等
を自動調整することが可能である。この場合、フォーカ
ス制御後にトラッキングアクチュエータを一定の周波数
でふらし、この時のトラックエラー信号Wを入力し、ピ
ーク検波後、トラッキングアクチュエータドライブ信号
と同期検波し、この信号Yを積分することにより、セン
サーオフセット量Zを得る。次にセンサーオフセット補
償係数α更新前のZと更新後のZを比較し、更新後の方
が小さくなっていればαを少し増加し、大きくなってい
ればαを減少させるようにして、上記の動作を繰り返す
と、助助にセンサーオフセット補正係数を最適にさせる
ことができる。また、最終的には上記センサーオフセッ
ト補正係数がある一定レベル以下になれば上記の補正動
作を終了し、トラッキング制御動作にうつればよい。以
上のようなソフトウエア制御方式を用いることで、ハー
ドウエアの増加やコストアップを伴わずに外乱の抑圧
や、センサーオフセットの除去等が実現できる。
【0149】
【発明の効果】第1の効果は、上記フォーカスアクチュ
エータの外乱を推定する外乱推定器がリアルタイムでフ
ォーカス方向の外乱を推定するため、フォーカス制御ル
ープで外乱を抑圧するよりも速く外乱を抑える事が可能
となる。また、上記外乱推定器が上記アクチュエータの
パラメータ変動を補正するため、アクチュエータのパラ
メータ変動の影響を除去する事が可能となる。、上記速
度推定器による速度フィードバックによって、制御シス
テムが現代制御理論のレギュレータシステムの構成とな
り、進み補償や微分補償を用いる事なく制御システムを
構成する事が可能となる。また、上記速度推定器がアク
チュエータの持つ高次共振の影響を受けない速度を推定
するため、制御帯域を広く取る事が可能となる。
【0150】第2の効果は、上記トラキングアクチュエ
ータの外乱を推定する外乱推定器がリアルタイムでトラ
ッキング方向の外乱を推定するため、トラッキング制御
ループで外乱を抑圧するよりも速く外乱を抑える事が可
能となる。また、上記外乱推定器が上記アクチュエータ
のパラメータ変動を補正するため、アクチュエータのパ
ラメータ変動の影響を除去する事が可能となる。また、
上記速度推定器による速度フィードバックによって、制
御システムが現代制御理論のレギュレータシステムの構
成となり、進み補償や微分補償を用いる事なく制御シス
テムを構成する事が可能となる。また、上記速度推定器
がアクチュエータの持つ高次共振の影響を受けない速度
を推定するため、制御帯域を広く取る事が可能となる。
【0151】第3の効果は、アクチュエータを位置セン
サーを用いて電気的に支持し、この位置制御ループの指
令値としてフォーカス引き込み時の対物レンズの上下動
作を行わせる事で、静止摩擦の影響を排除したり、高速
アクセス時等においては上記位置制御ループのループゲ
インを大きくする事でアクチュエータの振れを小さく
し、トラックカウントミスを防ぐ等が可能になる。
【0152】第4の効果は、トラッキングセンサーのオ
フセットを除去する事で、トラッキングアクチュエータ
の可動範囲を大きくとっても、センサーオフセットによ
るトラックオフセットが生じない制御系が構成できる。
またこれらのセンサーオフセット補正量を自動的に算出
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における可動部の位置センサ
ーを搭載したアクチュエータの斜視図。
【図2】本発明の一実施例における弾性支持部材を用い
ずに構成され、可動部に位置センサーを搭載したアクチ
ュエータの斜視図。
【図3】本発明の第2の実施例における光学式位置検出
センサー。
【図4】本発明の一実施例における例えば光学式位置セ
ンサーの非線形特性や感度ばらつきを除去するための信
号検出回路を示す図。
【図5】本発明の一実施例における例えば光学式位置セ
ンサーの非線形特性や感度ばらつきを除去するため、4
分割検知器の総受光量が一定となるようにLED19を
制御する第2の信号検出回路を示す図。
【図6】本発明の第2の実施例である可動部の位置をホ
ール素子で検出位置を行う位置センサーを表した図。
【図7】本発明の第2の実施例における可動部のフォー
カス方向のみの変位量を検出するためのホール素子を用
いた位置検出センサーの外観図。
【図8】本発明の第3の実施例における可動部のフォー
カス方向加速度を検出するための加速度検出センサーの
外観図。
【図9】本発明の第4の実施例における可動部のトラッ
ク方向加速度を検出するための加速度検出センサーの外
観図。
【図10】本発明の第3の実施例における加速度センサ
ーを用いたフォーカス方向の外乱の影響を受けにくい制
御システムを示す図。
【図11】本発明の第4の実施例における加速度センサ
ーを用いたトラック方向の外乱の影響を受けにくい制御
システムを示す図。
【図12】本発明の第5の実施例における電流と検出速
度を入力とする最小次元オブザーバで構成された外乱状
態推定器のブロック図。
【図13】本発明の第5の実施例における観測ノイズを
抑圧し、外乱推定帯域が大きく取れる外乱状態推定器の
ブロック図。
【図14】本発明の第5の実施例における位置センサー
を用いたフォーカス方向の外乱の影響を受けにくい制御
システムを示す図。
【図15】本発明の第5の実施例における位置センサー
を用いたフォーカス方向の外乱の影響を受けにくい第2
の制御システムを示す図。
【図16】本発明の第5の実施例における位置センサー
を用いたフォーカス方向の外乱の影響を受けにくい第2
の制御システムを示す図。
【図17】本発明の第5の実施例における位置センサー
を用いて構成された速度推定オブザーバにおける外乱力
との力の釣合を模擬した部分における外乱情報を抽出す
ることにより構成されたフォーカス方向の外乱の影響を
受けにくい第3の制御システムを示す図。
【図18】本発明の第5の実施例における位置センサー
を用いて構成された速度推定オブザーバにおける外乱力
との力の釣合を模擬した部分における外乱情報を抽出す
ることにより構成されたフォーカス方向の外乱の影響を
受けにくい第3の制御システムにおいて、速度推定オブ
ザーバからの速度フィードバックによりフォーカス制御
システムにおける進み補償を用いない制御システムを示
す図。
【図19】本発明の第5の実施例における逆起電力から
得られる検出速度情報によとアクチュエータ駆動信号を
入力とし、フォーカスアクチュエータに加わる外乱を推
定することにより、フォーカス方向の外乱の影響を受け
にくい第4の制御システムを示す図。
【図20】本発明の第5の実施例における位置センサー
の出力を微分することにより得られたフォーカスアクチ
ュエータの可動部速度と、フォーカスアクチュエータ駆
動信号とを入力とする、現代制御理論の最小次元オブザ
ーバで構成された外乱状態推定器によりフォーカス方向
の外乱の影響を受けにくい第5の制御システムを示す
図。
【図21】本発明の第6の実施例における位置センサー
の出力に基づき構成された速度推定オブザーバによる速
度フィードバック、および位置フィードバックループが
構成されたフォーカスアクチュエータにおいて上記フィ
ードバックループの指令値としてフォーカス引き込み時
のランプ電圧を印可させ、合焦点時に制御システムをオ
ンさせるフォーカス制御及び引き込み回路のブロック
図。
【図22】本発明の第6の実施例におけるフォーカスサ
ーボの引き込み動作時においてランプ電圧入力にたいす
るアクチュエータの変位量を従来の場合と第21図の実
施例の場合とで比較した図。
【図23】本発明の第7の実施例における位置センサー
を用いたトラック方向の外乱の影響を受けにくい制御シ
ステムを示す図。
【図24】本発明の第7の実施例による位置センサーを
用いたトラック方向の外乱の影響を受けにくい第2の制
御システムを示す図。
【図25】本発明の第7の実施例による位置センサーを
用いたトラッキング方向の外乱の影響を受けにくい第2
の制御システムを示す図。
【図26】本発明の第7の実施例による位置センサーを
用いて構成された速度推定オブザーバにおける外乱力と
の力の釣合を模擬した部分における外乱情報を抽出する
ことにより構成されたトラッキング方向の外乱の影響を
受けにくい第3の制御システムを示す図。
【図27】本発明の第7の実施例による位置センサーを
用いて構成された速度推定オブザーバにおける外乱力と
の力の釣合を模擬した部分における外乱情報を抽出する
ことにより構成されたトラッキング方向の外乱の影響を
受けにくい第3の制御システムにおいて、速度フィード
バックゲイン51によって制御システムの安定性を補償
し、従来の位相進み補償の無いトラッキング制御システ
ムを示す図。
【図28】本発明の第7の実施例による位置センサーの
出力を微分することにより得られたトラッキングアクチ
ュエータの可動部速度と、トラッキングアクチュエータ
駆動信号とを入力とする、現代制御理論の最小次元オブ
ザーバで構成された外乱状態推定器によりトラッキング
方向の外乱の影響を受けにくい第4の制御システムを示
す図。
【図29】本発明の第7の実施例による逆起電力から得
られる検出速度情報によとアクチュエータ駆動信号を入
力とし、トラッキングアクチュエータに加わる外乱を推
定することにより、トラッキング方向の外乱の影響を受
けにくくし、アクチュエータ駆動電流からセンサーオフ
セット量も推定することでトラッキング動作におけるオ
フトラックを防ぐ第4の制御システムを示す図。
【図30】本発明の第8の実施例による速度推定オブザ
ーバをソフトウエアで実現した際のフローチャート。
【図31】本発明の第8の実施例による外乱推定オブザ
ーバをソフトウエアで実現した際のフローチャート。
【図32】本発明の第8の実施例による外乱に強いトラ
ッキング制御システムをソフトウエアで実現した際のフ
ローチャート。
【図33】本発明の第8の実施例による外乱に強いトラ
ッキング制御システムのトラッキングサーボループの計
算周期を早くするために改良されたシステムをソフトウ
エアで実現した際のフローチャート。
【図34】本発明の第8の実施例によるトラッキングセ
ンサーオフセットを自動補正するアルゴリズムをソフト
ウエアで実現した際のフローチャート。
【図35】ビデオディスクのトラックの振れの規格を示
す図。
【図36】従来の制御方式におけるレンズ駆動機構原理
を説明する図。
【図37】従来の制御方式における反射鏡の傾きを変
え、レーザ光ビーム傾きを変える機構(断面図)の図。
【図38】従来の制御方式における反射鏡を用いたレー
ザ光スポットの2軸駆動機構の図。
【図39】従来の制御方式におけるオートトラッキング
サーボ信号検出法(3スポット法)を示す図。
【図40】3スポット法を説明する図。
【図41】3スポット法によるトラッキングサーボを示
す図。
【図42】非点収差法によるフォーカスサーボ信号検出
の図。
【図43】プッシュプル法によるオートトッラキングサ
ーボ信号検出の図。
【図44】非点収差法に用いられる4分割光検知器上の
スポット形状を表わす図。
【図45】フォーカシング、トラッキング、ラジアル送
りサーボ系の関係を示す図。
【図46】スパイラルトラック追尾時の対物レンズの動
きを示す図。
【図47】ラジオ技術社発刊の村山 登、小出 博、山
田 和作、国兼 真 著 『光ディスク技術』より抜粋
のトラッキング駆動系のモデル図。
【図48】ラジオ技術社発刊の村山 登、小出 博、山
田 和作、国兼 真 著 『光ディスク技術』より抜粋
のトラッキング駆動系のブロック図。
【符号の説明】
1 弾性支持部材 2 対物レンズ 3、5、8 ヨーク 4 トラッキングマグネット 6 フォーカスコイル 7 フォーカスマグネット 9 LED 10 4分割光検知器 11 コイルホルダー 12 I−V変換回路 13 信号加算器 14 信号減算器 17 割り算器 18 位相ゲイン補償回路 19 LEDドライバー 20 マグネット 21 ホール素子 22 圧電素子 23 重り 24 支持部材 25 光ディスク 26 光ヘッド 27 センサーアンプ 28 位相補償回路 29 フォーカスアクチュエータドライバー 30 センサーアンプ 31 フォーカスアクチュエータの電流−トルク感度特
性を模擬した演算器 32 フォーカス方向可動部加速度情報にフォーカスア
クチュエータ可動部質量を掛けるための演算器 33 外乱抑圧に必要な帯域のみを通過させるためのロ
ーパスフィルター 34 外乱状態推定器 35 外乱状態推定器の出力をフォーカスアクチュエー
タの電流−トルク感度係数で除算するための演算器 36 位相補償後のフォーカスアクチュエータドライブ
信号に外乱補正量を加えるための加算器 38 トラッキングアクチュエータの電流−トルク感度
特性を模擬した演算器 40 トラッキング方向可動部加速度情報にトラッキン
グアクチュエータ可動部質量を掛けるための演算器 39 外乱状態推定器の出力をトラッキングアクチュエ
ータの電流−トルク感度係数で除算するための演算器 37 位相補償後のトラッキングアクチュエータドライ
ブ信号に外乱補正量を加えるための加算器 42 アクチュエータ力定数 41 アクチュエータ機構部 43 外乱状態推定器 46 速度検出器 47 位置センサー 48 アクチュエータ 49 フォーカスセンサー 50 駆動電流と可動部検出位置信号を入力とする現代
制御理論の最小次元オブザーバで構成された外乱状態推
定器 51 フォーカス制御システムにおける速度フィードバ
ックゲイン 52 フォーカス制御システムにおける位置センサーに
よる位置フィードバックゲイン 53 速度推定オブザーバ 54 外乱推定オブザーバ 55 低域通過回路 56 推定された外乱状態量の出力をトラッキングアク
チュエータの電流−トルク感度係数で除算するための演
算器 58 フォーカスアクチュエータコイルインピーダンス 57 逆起電力検出回路 59 微分器 60 フォーカスサーボ引き込み回路 61 ゼロクロス検出回路 63 レベル判別回路 62 フォーカスオン指令回路 64 ランプ電圧発生回路 65 トラッキングセンサー 66 センサーオフセット補償演算器 67 駆動電流と可動部検出位置信号を入力とする現代
制御理論の最小次元オブザーバで構成された外乱状態推
定器 68 外乱推定状態推定器の出力をトラッキングアクチ
ュエータの電流−トルク感度係数で除算するための演算
器 70 速度推定オブザーバ 71 外乱推定オブザーバ 73 トラッキングアクチュエータの電流−トルク感度
係数で除算するための演算器 77 トラッキングアクチュエータコイルインピーダン
ス 76 逆起電力検出回路 75 アクチュエータ等価回路 74 高域通過回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】すなわち、トラッキング・エラー信号に基
いてアクチュエータおよび粗動モータを駆動するレンズ
位置センサレス2段サーボ方式と、トラッキング・エラ
ー信号によってアクチュエータのみを駆動し、粗動モー
タは対物レンズ変位検出信号によって駆動するレンズ位
置センサ付き2段サーボ方式である
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】このようにアクチュエータ可動部の速度信
号が得られると、図2に示されるようにアクチュエータ
自身に弾性支持部材がなくても、上記速度推定オブザー
バからの推定速度と、上記位置センサーからの位置信号
をフィードバックして電気的ダンパーを構成することが
可能である。このため、速度フィードバックゲイン51
位置フィードバックゲイン52を適当に選択する事に
より従来の弾性支持部材がある時と同じようなアクチュ
エータ単体周波数特性が実現できることは言うまでもな
い。この時フォーカス制御ループに必要な位相補償部2
8は、速度・位置フィードバック51,52による電気
的ダンピングループが従来の機械式と同じ特性をもつ場
合同じ同じ位相補償28を用いればよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図31
【補正方法】変更
【補正内容】
【図31】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクの面ぶれに対して、対物レン
    ズにより集光されるレーザスポットが常に合焦点するよ
    う追従させるためのフォーカスアクチュエータと、上記
    アクチュエータのフォーカス方向の変位量を検出するフ
    ォーカス位置センサーと、上記レーザースポットの焦点
    ずれを検出するための焦点ずれ検出センサーと、上記焦
    点ずれ検出センサーから検出される焦点ずれ量に基づい
    て上記アクチュエータを制御する焦点制御回路からなる
    焦点制御システムにおいて、上記位置センサーの検出位
    置を上記フォーカスアクチュエータの伝達特性の逆特性
    を有する逆モデル回路に入力する事により、上記フォー
    カスアクチュエータの可動部の加速度を推定し、同時に
    上記加速度推定信号から上記アクチュエータの駆動信号
    より推定される上記アクチュエータの駆動力を減算する
    事により、上記アクチュエータに加わる外乱力を電気的
    に推定する事で、上記外乱力に相当する信号を基のアク
    チュエータ制御信号に加算し、外乱があってもサーボは
    ずれが生じないフォーカス制御システムを構成する事を
    特徴とする光ディスク装置の制御方式。
  2. 【請求項2】 アクチュエータ可動部に取り付けられた
    位置センサーを用いてフォーカスアクチュエータに加わ
    るフォーカス方向の外乱力を電気的に推定し、上記推定
    外乱力を打ち消すための駆動電力を上記アクチュエータ
    の制御信号に加算した後、上記アクチュエータを駆動す
    る事を特徴とする制御方式において、上記フォーカス方
    向のアクチュエータ変位量を検出する位置センサーが、
    アクチュエータ可動部に取り付けられた発光素子と、固
    定部材側に取り付けられフォーカス方向に分割された光
    検出器の検出量を差動増幅する事からなる、もしくはア
    クチュエータ可動部に取り付けられた反射ミラーと、固
    定部材側に取り付けられ上記反射ミラーに向け出射し、
    上記反射ミラーにて直角に折りまげられた後、固定部材
    に取り付けられフォーカス方向に分割された光検出器に
    入射するような光学的位置検出手段からなる、もしくは
    アクチュエータ可動部に磁極の向きがフォーカス方向に
    対し垂直となるよう取り付けられたマグネットと、固定
    部材側に取り付けられフォーカス方向に複数配置された
    ホール素子からなる磁気的位置検出手段からなる、アク
    チュエータの外乱を推定するのに必要な可動部位置検出
    手段を有する事を特徴とする光ディスク装置の制御方
    式。
  3. 【請求項3】 光ディスクの面ぶれに対物レンズにより
    集光されるレーザスポットが常に合焦点するよう追従さ
    せるためのフォーカスアクチュエータと、上記レーザー
    スポットの焦点ずれを検出するための焦点ずれ検出セン
    サーと、上記フォーカスアクチュエータの可動部速度を
    検出するセンサーもしくは駆動電流と電圧から速度を推
    定する推定回路と、上記焦点ずれ検出センサーから検出
    される焦点ずれ量に基づいて上記アクチュエータを制御
    する焦点制御回路からなる焦点制御システムにおいて、
    上記フォーカスアクチュエータの駆動信号を上記フォー
    カスアクチュエータの駆動信号入力から変位量までの伝
    達特性を模擬する等価回路に入力した後、上記等価回路
    の出力と可動部の位置を検出する位置センサーの出力を
    比較する事で推定位置誤差を算出し、上記推定位置誤差
    がほぼゼロに収束するように上記アクチュエータ等価回
    路に上記推定位置誤差をフィードバックした状態におい
    て、上記等価回路の速度情報に相当する部分の信号を取
    り出すと同時に、あらかじめ分かっているアクチュエー
    タのコイルの駆動信号と上記フォーカスアクチュエータ
    の速度推定情報から、上記フォーカスアクチュエータに
    加わるフォーカス方向の外乱力を電気的に推定する事に
    より、上記推定外乱力を打ち消すための駆動電力を上記
    アクチュエータの制御信号に加算し、外乱があってもサ
    ーボはずれを生じないフォーカスサーボシステムを構成
    する事を特徴とする光ディスク装置の制御方式。
  4. 【請求項4】 光ディスクの面ぶれに対物レンズにより
    集光されるレーザスポットが常に合焦点するよう追従さ
    せるためのフォーカスアクチュエータと、上記レーザー
    スポットの焦点ずれを検出するための焦点ずれ検出セン
    サーと、例えばフォーカス方向の加速度に対応して歪む
    圧電素子からなるフォーカスアクチュエータの可動部加
    速度を検出もしくは推定するセンサーもしくは推定回路
    と、上記焦点ずれ検出センサーから検出される焦点ずれ
    量に基づいて上記アクチュエータを制御する焦点制御回
    路からなる焦点制御システムにおいて、上記フォーカス
    アクチュエータの駆動信号と上記フォーカスアクチュエ
    ータの加速度検出情報から、上記フォーカスアクチュエ
    ータの可動部の加速度検出信号と、上記フォーカスアク
    チュエータ駆動信号とを比較する事により構成される外
    乱状態推定器を用いて、フォーカスアクチュエータに加
    わるフォーカス方向の外乱力を電気的に推定し、上記推
    定外乱力を打ち消すための駆動電力を上記アクチュエー
    タの制御信号に加算した後、上記アクチュエータを駆動
    する事により、外乱があってもサーボはずれが生じない
    フォーカスサーボシステムが構成される事を特徴とする
    光ディスク装置の制御方式。
  5. 【請求項5】 光ディスクの偏芯に対して対物レンズに
    より集光されるレーザスポットが常にオントラックする
    よう追従させるためのトラッキングアクチュエータと、
    上記アクチュエータのトラッキング方向の変位量を検出
    するトラッキング位置センサーと、上記レーザースポッ
    トのトラック案内溝に対するトラックずれを検出するた
    めのトラックずれ検出センサーと、上記トラックずれ検
    出センサーから検出されるトラックずれ量に基づいて上
    記アクチュエータを制御するトラッキング制御回路から
    なるトラッキング制御システムにおいて、上記トラック
    位置センサーからの検出位置信号を、上記トラッキング
    アクチュエータの伝達特性の逆特性を有する逆モデル回
    路に入力する事により上記トラッキングアクチュエータ
    の可動部の加速度を推定し、上記トラッキングアクチュ
    エータの推定加速度から上記アクチュエータの駆動信号
    より推定される上記アクチュエータの駆動力を減算する
    事により、上記アクチュエータに加わる外乱力を推定し
    トラック方向の外乱力を電気的に推定する事で、上記推
    定外乱力を打ち消すための駆動電力を上記アクチュエー
    タの制御信号に加算した後、上記アクチュエータを駆動
    する事により外乱があってもサーボはずれが生じないト
    ラッキング制御システムが構成される事を特徴とする光
    ディスク装置の制御方式。
  6. 【請求項6】 上記トラック方向のアクチュエータ変位
    量を検出する位置センサーが、アクチュエータ可動部に
    取り付けられた発光素子と、固定部材側に取り付けられ
    トラック方向に分割された光検出器からなるもしくは、
    アクチュエータ可動部に取り付けられた反射ミラーと、
    固定部材側に取り付けられ上記反射ミラーに向け出射
    し、上記反射ミラーにて直角に折りまげられた後、固定
    部材に取り付けられトラック方向に分割された光検出器
    に入射する光学的位置検出手段からなるもしくは、アク
    チュエータ可動部に磁極の向きがトラック方向に対し垂
    直となるよう取り付けられたマグネットと、固定部材側
    に取り付けられトラック方向に複数配置されたホール素
    子からなる磁気的位置検出手段により、アクチュエータ
    の外乱を推定するのに必要な可動部位置検出手段を構成
    する事を特徴とする光ディスク装置の制御方式。
  7. 【請求項7】 光ディスクの偏芯に対物レンズにより集
    光されるレーザスポットが常にトラック案内溝に対して
    トラッキングするよう追従させるためのトラッキングア
    クチュエータと、上記レーザースポットのトラックずれ
    を検出するためのトラックずれ検出センサーと、上記ト
    ラッキングアクチュエータの駆動信号を上記トラッキン
    グアクチュエータの駆動信号入力から変位量までの伝達
    特性を模擬する等価回路に入力した後、上記等価回路の
    出力と可動部の変位を検出する位置センサーを比較する
    事で推定速度誤差を算出し、上記推定速度誤差がほぼゼ
    ロに収束するように上記アクチュエータ等価回路に上記
    推定位置及び速度誤差をフィードバックした状態におい
    て、上記等価回路の速度情報に相当する信号ラインを取
    り出す事により速度を推定する推定回路と、上記トラッ
    クずれ検出センサーから検出されるトラックずれ量に基
    づいて上記アクチュエータを制御するトラック制御回路
    からなるトラック制御システムにおいて、上記トラッキ
    ングアクチュエータの駆動信号と上記トラッキングアク
    チュエータの速度情報から、例えば最小次元オブザーバ
    により構成された外乱状態推定器により上記トラッキン
    グアクチュエータに加わるトラッキング方向の外乱力を
    電気的に推定し、上記推定外乱力を打ち消すための駆動
    電力を上記アクチュエータの制御信号に加算した後、上
    記アクチュエータを駆動する事により、外乱があっても
    サーボはずれの生じないトラッキング制御システムを構
    成する事を特徴とする光ディスク装置の制御方式。
  8. 【請求項8】 光ディスクの偏芯に対して、対物レンズ
    により集光されるレーザスポットが常にトラック案内溝
    にトラッキングするよう追従させるためのトラッキング
    アクチュエータと、上記レーザースポットのトラックず
    れを検出するためのトラックずれ検出センサーと、例え
    ばトラック方向の加速度に対応して歪む圧電素子からな
    る上記トラッキングアクチュエータの可動部加速度を検
    出もしくは推定するセンサーもしくは推定回路と、上記
    トラックずれ検出センサーから検出されるトラックずれ
    量に基づいて上記アクチュエータを制御するトラッキン
    グ制御回路からなるトラッキング制御システムにおい
    て、上記トラッキングアクチュエータの駆動信号と上記
    トラッキングアクチュエータの加速度情報から、上記ト
    ラッキングアクチュエータの可動部の加速度検出信号
    と、上記トラッキングアクチュエータ駆動信号とを比較
    する事により構成する事により、アクチュエータに加わ
    るトラック方向の外乱力を電気的に推定し、上記推定外
    乱力を打ち消すための駆動電力を上記アクチュエータの
    制御信号に加算した後、上記アクチュエータを駆動する
    事により、外乱があってもサーボはずれが生じないトラ
    ッキングサーボシステムを構成する事を特徴とする光デ
    ィスク装置の制御方式。
  9. 【請求項9】 光ディスクの偏芯や面ぶれに対して、対
    物レンズにより集光されるレーザスポットが常にトラッ
    ク案内溝にトラッキングし合焦点するよう追従させるた
    めのトラッキング及びフォーカスアクチュエータ及び制
    御回路と、上記レーザースポットのトラックずれ及びフ
    ォーカスずれを検出するためのトラックずれ及びフォー
    カスずれ検出センサーと、上記トラッキング及びフォー
    カスアクチュエータの可動部位置を検出するセンサーと
    を有するトラッキング及びフォーカス制御システムにお
    いて、位相進み補償回路により補償された位置制御回路
    あるいは、速度推定器を用いる事で制御システムがレギ
    ュレータ構成となっている位置制御回路を有し、さらに
    上記トラッキング及びフォーカスアクチュエータが弾性
    支持部材を用いない2自由度アクチュエータで構成さ
    れ、上記アクチュエータのフォーカス方向ないしトラッ
    ク方向の位置を検出する位置センサーの出力に基づい
    て、上記アクチュエータに位置制御が構成されている事
    を特徴とし、さらに上記速度推定器からの速度ループ及
    び位置センサーからの位置ループのループゲインが可変
    で、フォーカス引き込み時及びトラックジャンプ時には
    これらループゲインを小さくし、及び外乱入力時,光ヘ
    ッドの高速アクセス時においては上記ループゲインを大
    きく可変させ、上記弾性支持部材のかわりをなす事を特
    徴とする光ディスク装置の制御方式。
  10. 【請求項10】 光ディスクの偏芯に対して対物レンズ
    により集光されるレーザスポットが常にオントラックす
    るよう追従させるためのトラッキングアクチュエータ
    と、上記アクチュエータのトラッキング方向の変位量を
    検出するトラッキング位置センサーと、上記レーザース
    ポットのトラック案内溝に対するトラックずれを検出す
    るためのトラックずれ検出センサーと、上記トラックず
    れ検出センサーから検出されるトラックずれ量に基づい
    て上記アクチュエータを制御し、上記トラッキングアク
    チュエータの駆動信号と上記トラック位置センサーから
    の検出位置信号から、上記トラッキングアクチュエータ
    に加わるトラック方向の外乱力を電気的に推定し、上記
    推定外乱力を打ち消すための駆動電力を上記アクチュエ
    ータの制御信号に加算した後、上記アクチュエータを駆
    動するトラッキング制御コントローラにおいて、上記対
    物レンズの移動量に比して生じる上記トラックずれ検出
    センサーに含まれるオフセット量を上記トラック方向の
    位置センサーの出力で除去する光ディスク装置の制御方
    式。
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