JPH0652542A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0652542A JPH0652542A JP22459092A JP22459092A JPH0652542A JP H0652542 A JPH0652542 A JP H0652542A JP 22459092 A JP22459092 A JP 22459092A JP 22459092 A JP22459092 A JP 22459092A JP H0652542 A JPH0652542 A JP H0652542A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 分子内に長鎖炭化水素基を持つアミノ酸エス
テル、又は分子内にアミド基及び水酸基を持つアミドか
らなる潤滑剤を保有することを特徴とする磁気記録媒
体。 【効果】 各種使用条件下において優れた潤滑性が保た
れるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、走
行性、耐摩耗性、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供で
きる。
テル、又は分子内にアミド基及び水酸基を持つアミドか
らなる潤滑剤を保有することを特徴とする磁気記録媒
体。 【効果】 各種使用条件下において優れた潤滑性が保た
れるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、走
行性、耐摩耗性、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供で
きる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体に関するものであり、特に磁性層
表面に潤滑剤を保有する磁気記録媒体に関するものであ
る。
スク等の磁気記録媒体に関するものであり、特に磁性層
表面に潤滑剤を保有する磁気記録媒体に関するものであ
る。
【０００２】
【発明の概要】本発明は、非磁性支持体上に磁性層を有
する磁気記録媒体において、特に、少なくとも磁性層表
面に、分子内に長鎖炭化水素基を持つアミノ酸エステ
ル、又は分子内に長鎖炭化水素及び水酸基を持つアミド
を潤滑剤として保有することにより、各種使用条件下に
おいて優れた走行性、耐摩耗性、耐久性を発揮する磁気
記録媒体を提供しようとするものである。
する磁気記録媒体において、特に、少なくとも磁性層表
面に、分子内に長鎖炭化水素基を持つアミノ酸エステ
ル、又は分子内に長鎖炭化水素及び水酸基を持つアミド
を潤滑剤として保有することにより、各種使用条件下に
おいて優れた走行性、耐摩耗性、耐久性を発揮する磁気
記録媒体を提供しようとするものである。
【０００３】
【従来の技術】例えば、強磁性金属材料を蒸着等の手法
により非磁性支持体上に被着し、これを磁性層としたい
わゆる金属薄膜型の磁気記録媒体では、磁性層表面の平
滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドロー
ラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きく、
従って摩擦係数が大きくなり、凝着現象（いわゆる貼り
付き）が起き易く、走行性や耐久性に欠ける等、問題点
が多い。
により非磁性支持体上に被着し、これを磁性層としたい
わゆる金属薄膜型の磁気記録媒体では、磁性層表面の平
滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドロー
ラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きく、
従って摩擦係数が大きくなり、凝着現象（いわゆる貼り
付き）が起き易く、走行性や耐久性に欠ける等、問題点
が多い。
【０００４】そこで、これら問題点を改善するために各
種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来よ
り、高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒体の
磁性層にトップコートすることにより摩擦係数を抑えよ
うとする試みがされている。
種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来よ
り、高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒体の
磁性層にトップコートすることにより摩擦係数を抑えよ
うとする試みがされている。
【０００５】ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑
剤には、その性質上、非常に厳しい特性が要求され、従
来用いられている潤滑剤では対応することが難しいのが
現状である。
剤には、その性質上、非常に厳しい特性が要求され、従
来用いられている潤滑剤では対応することが難しいのが
現状である。
【０００６】即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤に
は、(1) 寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確保
されるように低温特性に優れること、(2) 磁気ヘッドと
のスペーシングが問題となるので、極めて薄く塗布でき
ることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮されるこ
と、(3) 長時間、あるいは長時間の使用に耐え、潤滑効
果が持続すること、等が要求される。
は、(1) 寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確保
されるように低温特性に優れること、(2) 磁気ヘッドと
のスペーシングが問題となるので、極めて薄く塗布でき
ることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮されるこ
と、(3) 長時間、あるいは長時間の使用に耐え、潤滑効
果が持続すること、等が要求される。
【０００７】ところが、従来より使用されてきた高級脂
肪酸やそのエステル等は、０℃以下のような低温条件下
では凍結して固化し、潤滑剤としての機能が損なわれた
り、長時間の耐久性に欠ける傾向にある。
肪酸やそのエステル等は、０℃以下のような低温条件下
では凍結して固化し、潤滑剤としての機能が損なわれた
り、長時間の耐久性に欠ける傾向にある。
【０００８】
【発明が解決しようとする問題点】以上のように、磁気
記録媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不
足に起因して、走行性、耐久性等の実用特性に不満を残
している。そこで本発明は、各種使用条件下において優
れた潤滑性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効
果が持続され、走行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁
気記録媒体を提供することを目的とするものである。
記録媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不
足に起因して、走行性、耐久性等の実用特性に不満を残
している。そこで本発明は、各種使用条件下において優
れた潤滑性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効
果が持続され、走行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁
気記録媒体を提供することを目的とするものである。
【０００９】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、下記に示す
アミノ酸エステル又はアミドを保有した磁気記録媒体が
この目的に適合することを見い出し、本発明を完成する
に至ったものである。
的を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、下記に示す
アミノ酸エステル又はアミドを保有した磁気記録媒体が
この目的に適合することを見い出し、本発明を完成する
に至ったものである。
【００１０】即ち、本発明は、非磁性支持体上に設けら
れた磁気記録媒体構成層の少なくとも表面側に、下記一
般式Ｉで表される、分子内に長鎖炭化水素基を持つアミ
ノ酸エステルを保有している磁気記録媒体に係るもので
ある。 一般式Ｉ： R1OCOCHR2NH2 （但し、この一般式中、R1は炭素数10以上の長鎖炭化水
素基、R2は水素原子、又は置換基を有していてもよいア
ルキル基である。）
れた磁気記録媒体構成層の少なくとも表面側に、下記一
般式Ｉで表される、分子内に長鎖炭化水素基を持つアミ
ノ酸エステルを保有している磁気記録媒体に係るもので
ある。 一般式Ｉ： R1OCOCHR2NH2 （但し、この一般式中、R1は炭素数10以上の長鎖炭化水
素基、R2は水素原子、又は置換基を有していてもよいア
ルキル基である。）
【００１１】この磁気記録媒体は、非磁性支持体上に少
なくとも磁性層を有していて前記磁性層の少なくとも表
面側に、上記一般式Ｉのアミノ酸エステルを潤滑剤とし
て保有することを特徴とする磁気記録媒体であることが
望ましい。
なくとも磁性層を有していて前記磁性層の少なくとも表
面側に、上記一般式Ｉのアミノ酸エステルを潤滑剤とし
て保有することを特徴とする磁気記録媒体であることが
望ましい。
【００１２】また、本発明は、非磁性支持体上に設けら
れた磁気記録媒体構成層の少なくとも表面側に、下記一
般式IIで表される、分子内に長鎖炭化水素基、アミド基
及び水酸基を持つアミドを保有している磁気記録媒体も
提供するものである。
れた磁気記録媒体構成層の少なくとも表面側に、下記一
般式IIで表される、分子内に長鎖炭化水素基、アミド基
及び水酸基を持つアミドを保有している磁気記録媒体も
提供するものである。
【００１３】一般式II： R3CONHR4OH （但し、この一般式中、R3は炭素数６以上の炭化水素
基、R4は水酸基で置換されていてもよいアルキレン基で
ある。）
基、R4は水酸基で置換されていてもよいアルキレン基で
ある。）
【００１４】この磁気記録媒体では、非磁性支持体上に
少なくとも磁性層を有し、前記磁性層の少なくとも表面
側に、上記一般式IIのアミドを潤滑剤として保有するこ
とを特徴とするのが望ましい。
少なくとも磁性層を有し、前記磁性層の少なくとも表面
側に、上記一般式IIのアミドを潤滑剤として保有するこ
とを特徴とするのが望ましい。
【００１５】上記の各磁気記録媒体において磁性層が金
属薄膜型である場合に、本発明は効果的である。
属薄膜型である場合に、本発明は効果的である。
【００１６】すなわち、本発明は特に、蒸着テープのよ
うな薄膜磁気記録媒体の表面上に上記一般式Ｉ又はIIの
潤滑剤を塗布することにより、高温高湿あるいは低温低
湿等の、過酷な条件下で使用した場合にでも良好な耐久
性が得られ、しかもその特性が劣化しないものである。
うな薄膜磁気記録媒体の表面上に上記一般式Ｉ又はIIの
潤滑剤を塗布することにより、高温高湿あるいは低温低
湿等の、過酷な条件下で使用した場合にでも良好な耐久
性が得られ、しかもその特性が劣化しないものである。
【００１７】本発明に使用する上記した一般式Ｉのアミ
ノ酸エステルにおいて、長鎖アルキル基（R1）は、分子
量、分岐構造、不飽和結合、異性体構造、脂環構造によ
らず選択することができる。そして、その炭素数が10以
上であることによって、媒体の耐久性が向上する。但
し、溶解性のためには、R1の炭素数は30以下がよい。
ノ酸エステルにおいて、長鎖アルキル基（R1）は、分子
量、分岐構造、不飽和結合、異性体構造、脂環構造によ
らず選択することができる。そして、その炭素数が10以
上であることによって、媒体の耐久性が向上する。但
し、溶解性のためには、R1の炭素数は30以下がよい。
【００１８】また、上記したR2については、R2がアルキ
ル基であるときは特にその炭素数に制限はない。このR2
は水酸基、ハロゲン、シアノ基等の置換基を有していて
よい。こうした置換基の数についても特にその制限はな
いが、２以下が好ましい。
ル基であるときは特にその炭素数に制限はない。このR2
は水酸基、ハロゲン、シアノ基等の置換基を有していて
よい。こうした置換基の数についても特にその制限はな
いが、２以下が好ましい。
【００１９】本発明に使用する一般式Ｉのアミノ酸エス
テルについて、具体的には、後記の表１にその構造を示
す。
テルについて、具体的には、後記の表１にその構造を示
す。
【００２０】次に、本発明に使用する上記一般式IIのア
ミドにおいて、R3は分子量、分岐構造、不飽和結合、異
性体構造、脂環構造によらず選択することができる。そ
の炭素数が６以上でなければ媒体の耐久性が不良とな
る。但し、溶解性を考えると、R3の炭素数は30以下であ
るのがよい。
ミドにおいて、R3は分子量、分岐構造、不飽和結合、異
性体構造、脂環構造によらず選択することができる。そ
の炭素数が６以上でなければ媒体の耐久性が不良とな
る。但し、溶解性を考えると、R3の炭素数は30以下であ
るのがよい。
【００２１】また、R4についても特にその長さについて
の制限はないが、炭素数は３以上が好ましい。水酸基の
数についても、特に制限はないが、１以上とすべきであ
り、５以下が好ましい。この数が多くなると、溶解性が
悪くなり、実用的ではなくなる。
の制限はないが、炭素数は３以上が好ましい。水酸基の
数についても、特に制限はないが、１以上とすべきであ
り、５以下が好ましい。この数が多くなると、溶解性が
悪くなり、実用的ではなくなる。
【００２２】本発明に使用する上記一般式IIのアミドの
具体的構造は、後記の表２に示す。
具体的構造は、後記の表２に示す。
【００２３】ここで、本発明が適用される磁気記録媒体
としては、例えば図１に示すように、非磁性支持体１の
表面に蒸着等の手法により磁性膜が磁性層２として形成
される、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用する
ことが可能である。この金属薄膜型の磁気記録媒体にお
いて、磁性層２上に上記した潤滑剤層３を設けている。
非磁性支持体１と磁性層２との間に下地層（図示せず）
を介した構成の磁気記録媒体に適用することができる。
としては、例えば図１に示すように、非磁性支持体１の
表面に蒸着等の手法により磁性膜が磁性層２として形成
される、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用する
ことが可能である。この金属薄膜型の磁気記録媒体にお
いて、磁性層２上に上記した潤滑剤層３を設けている。
非磁性支持体１と磁性層２との間に下地層（図示せず）
を介した構成の磁気記録媒体に適用することができる。
【００２４】この場合には、適用可能な金属薄膜型の磁
気記録媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定さ
れるものではなく、従来より知られるものが何でも使用
できる。
気記録媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定さ
れるものではなく、従来より知られるものが何でも使用
できる。
【００２５】例示するならば、非磁性支持体としては、
塗布型の磁気記録媒体と同様のものが使用可能である。
この場合、非磁性支持体にＡｌ合金板やガラス板等の剛
性を有する基板を使用した場合には、基板表面にアルマ
イト処理等の酸化皮膜やＮｉ−Ｐ皮膜等を形成してその
表面を硬くするようにしてもよい。
塗布型の磁気記録媒体と同様のものが使用可能である。
この場合、非磁性支持体にＡｌ合金板やガラス板等の剛
性を有する基板を使用した場合には、基板表面にアルマ
イト処理等の酸化皮膜やＮｉ−Ｐ皮膜等を形成してその
表面を硬くするようにしてもよい。
【００２６】金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリン
グ、真空蒸着等のＰＶＤの手法により連続膜として形成
されるもので、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co
−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−Ｂ系合金、Fe−Co
−Ｂ系合金、Fe−Co−Ni−Ｂ系合金等からなる面内磁化
記録金属磁性膜やCo−Cr系合金薄膜が例示される。金属
磁性薄膜表面に、カーボン膜、ダイヤモンド状あるいは
アモルファス状カーボン膜、酸化クロム膜、SiO2膜等の
硬質保護膜を形成するようにしてもよい。
グ、真空蒸着等のＰＶＤの手法により連続膜として形成
されるもので、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co
−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−Ｂ系合金、Fe−Co
−Ｂ系合金、Fe−Co−Ni−Ｂ系合金等からなる面内磁化
記録金属磁性膜やCo−Cr系合金薄膜が例示される。金属
磁性薄膜表面に、カーボン膜、ダイヤモンド状あるいは
アモルファス状カーボン膜、酸化クロム膜、SiO2膜等の
硬質保護膜を形成するようにしてもよい。
【００２７】特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、
予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、S
i、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成しておき、
金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、
金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性材料を拡散せし
め、配向性を解消して面内等方性を確保するとともに、
抗磁性を向上するようにしても良い。
予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、S
i、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成しておき、
金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、
金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性材料を拡散せし
め、配向性を解消して面内等方性を確保するとともに、
抗磁性を向上するようにしても良い。
【００２８】また、その上に、分子内に長鎖炭化水素基
を持つ上記一般式Ｉのアミノ酸エステル又は分子内にア
ミド基及び水酸基を持つ上記一般式IIのアミドを保有せ
しめる方法としては、金属磁性薄膜表面や前記保護膜表
面に潤滑剤層をトップコートする方法が挙げられる。こ
の場合、上記アミノ酸エステル又はアミドの塗布量とし
ては、 0.5〜 100mg／m2であることが望ましく、１〜20
mg／m2であることがより好ましい。これらのアミノ酸エ
ステルとアミドは同一層内で併用してもよい。
を持つ上記一般式Ｉのアミノ酸エステル又は分子内にア
ミド基及び水酸基を持つ上記一般式IIのアミドを保有せ
しめる方法としては、金属磁性薄膜表面や前記保護膜表
面に潤滑剤層をトップコートする方法が挙げられる。こ
の場合、上記アミノ酸エステル又はアミドの塗布量とし
ては、 0.5〜 100mg／m2であることが望ましく、１〜20
mg／m2であることがより好ましい。これらのアミノ酸エ
ステルとアミドは同一層内で併用してもよい。
【００２９】上記アミノ酸エステル又はアミドは、単独
で磁気記録媒体の潤滑剤として用いてもよいが、従来公
知の潤滑剤と組み合わせて用いてもよい。
で磁気記録媒体の潤滑剤として用いてもよいが、従来公
知の潤滑剤と組み合わせて用いてもよい。
【００３０】さらに、より厳しい条件に対処し、潤滑効
果を持続させるために、重量比30：70〜70：30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。
果を持続させるために、重量比30：70〜70：30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。
【００３１】極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に
金属接触を生じたときに、これに伴う摩擦熱によって金
属面と反応し、反応生成物皮膜を形成することにより摩
擦、摩耗防止作用を行うものであって、リン系極圧剤、
硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、
複合系極圧剤等のいずれも使用できる。
金属接触を生じたときに、これに伴う摩擦熱によって金
属面と反応し、反応生成物皮膜を形成することにより摩
擦、摩耗防止作用を行うものであって、リン系極圧剤、
硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、
複合系極圧剤等のいずれも使用できる。
【００３２】また、上述の潤滑剤、極圧剤の他、必要に
応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通
常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるもの
であればいずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフ
トール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸
素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合
物等である。
応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通
常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるもの
であればいずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフ
トール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸
素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合
物等である。
【００３３】ところで、上述の金属薄膜型の磁気記録媒
体において、磁性層である金属磁性薄膜の他に、バック
コート層や下塗層等が必要に応じて形成されていてもよ
い。
体において、磁性層である金属磁性薄膜の他に、バック
コート層や下塗層等が必要に応じて形成されていてもよ
い。
【００３４】例えば、バックコート層は、磁性塗膜と同
様の樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボン系微
粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔料を添
加し、塗布形成されるものである。
様の樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボン系微
粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔料を添
加し、塗布形成されるものである。
【００３５】本発明においては、このバックコート層に
上記アミノ酸エステル又は／及びアミドを潤滑剤として
内添、あるいはトップコートにより含有せしめてもよ
い。あるいは、磁性塗膜、金属磁性薄膜とバックコート
層とのいずれにも、上記アミノ酸エステル又はアミドか
らなる潤滑剤を内添、トップコートする等、種々の組み
合わせも可能である。なお、本発明は、金属薄膜型のみ
ならず、塗布型の磁気記録媒体や、酸化物磁性粉を用い
る磁気記録媒体にも適用可能である。
上記アミノ酸エステル又は／及びアミドを潤滑剤として
内添、あるいはトップコートにより含有せしめてもよ
い。あるいは、磁性塗膜、金属磁性薄膜とバックコート
層とのいずれにも、上記アミノ酸エステル又はアミドか
らなる潤滑剤を内添、トップコートする等、種々の組み
合わせも可能である。なお、本発明は、金属薄膜型のみ
ならず、塗布型の磁気記録媒体や、酸化物磁性粉を用い
る磁気記録媒体にも適用可能である。
【００３６】
【発明の作用】磁性層等の媒体構成層の少なくとも表面
側に、分子内に長鎖炭化水素基を持つアミノ酸エステ
ル、又は分子内にアミド基及び水酸基を持つアミドを塗
布した磁気記録媒体は、良好な潤滑作用を発揮して摩擦
係数を低減するばかりか、スチル耐久性、シャトル耐久
性を改善する。また、この潤滑作用は低温下等の厳しい
条件下においても損なわれることはない。従って、上記
のアミノ酸エステル又はアミドを潤滑剤とする磁気記録
媒体は、前記潤滑効果により、走行性の改善が図られ、
耐久性が向上する。
側に、分子内に長鎖炭化水素基を持つアミノ酸エステ
ル、又は分子内にアミド基及び水酸基を持つアミドを塗
布した磁気記録媒体は、良好な潤滑作用を発揮して摩擦
係数を低減するばかりか、スチル耐久性、シャトル耐久
性を改善する。また、この潤滑作用は低温下等の厳しい
条件下においても損なわれることはない。従って、上記
のアミノ酸エステル又はアミドを潤滑剤とする磁気記録
媒体は、前記潤滑効果により、走行性の改善が図られ、
耐久性が向上する。
【００３７】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
ことはいうまでもない。
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
ことはいうまでもない。
【００３８】表１、表２に示す潤滑剤を使用して、以下
に示す磁気記録媒体を作成した。金属薄膜型磁気記録媒
体（蒸着テープ）に適用した実施例について説明する。
に示す磁気記録媒体を作成した。金属薄膜型磁気記録媒
体（蒸着テープ）に適用した実施例について説明する。
【００３９】実施例１ 14μ厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに斜方蒸
着法によりCoを被着させ、膜厚 200nmの強磁性金属薄膜
を形成した。次に、この金属磁性薄膜表面にカーボン膜
を20nmスパッタリングによって形成させ、表１中の潤滑
剤をフレオンとエタノールの混合溶媒に溶解したもの
を、塗布量が５mg／m2となるように塗布し、８ミリ幅に
裁断してサンプルテープを作製した。
着法によりCoを被着させ、膜厚 200nmの強磁性金属薄膜
を形成した。次に、この金属磁性薄膜表面にカーボン膜
を20nmスパッタリングによって形成させ、表１中の潤滑
剤をフレオンとエタノールの混合溶媒に溶解したもの
を、塗布量が５mg／m2となるように塗布し、８ミリ幅に
裁断してサンプルテープを作製した。
【００４０】実施例２〜実施例11、比較例１〜３ 実施例１において、潤滑剤を表１に示すように変え、他
は実施例１と同様の方法によりサンプルテープを作製し
た。
は実施例１と同様の方法によりサンプルテープを作製し
た。
【００４１】実施例12〜22 実施例１において、潤滑剤を表２に示すように変え、他
は実施例１と同様の方法によりサンプルテープを作製し
た。
は実施例１と同様の方法によりサンプルテープを作製し
た。
【００４２】上述のようにして作製された各サンプルテ
ープについて、温度25℃、湿度60％のとき、温度−５℃
のとき、温度40℃、湿度80％の条件下での摩擦係数、ス
チル耐久性、シャトル耐久性について測定を行った。ス
チル耐久性は、ポーズ状態での出力の−３dBまでの減衰
時間を評価した。シャトル耐久性は、１回につき２分間
のシャトル走行を行い、出力が３dB低下するまでのシャ
トル回数で評価した。
ープについて、温度25℃、湿度60％のとき、温度−５℃
のとき、温度40℃、湿度80％の条件下での摩擦係数、ス
チル耐久性、シャトル耐久性について測定を行った。ス
チル耐久性は、ポーズ状態での出力の−３dBまでの減衰
時間を評価した。シャトル耐久性は、１回につき２分間
のシャトル走行を行い、出力が３dB低下するまでのシャ
トル回数で評価した。
【００４３】なお、比較例として、全く潤滑剤を保有し
ていないブランクテープ（比較例１）、末端にカルボキ
シル基又は水酸基を持つ種々のパーフルオロポリエーテ
ル（比較例２及び３）を単独で潤滑剤として使用した場
合についても測定した。その耐久性測定結果を併せて表
３及び表４に示す。
ていないブランクテープ（比較例１）、末端にカルボキ
シル基又は水酸基を持つ種々のパーフルオロポリエーテ
ル（比較例２及び３）を単独で潤滑剤として使用した場
合についても測定した。その耐久性測定結果を併せて表
３及び表４に示す。
【００４４】表３、表４の結果から明らかなように、本
発明に基づいて、潤滑剤として分子内に長鎖炭化水素を
持つアミノ酸エステル、分子内にアミド基及び水酸基を
持つアミドを使用することにより、摩擦係数、スチル耐
久性、シャトル耐久性等の耐久性は、各種条件でも劣化
することなく、非常に良好な結果が得られた。
発明に基づいて、潤滑剤として分子内に長鎖炭化水素を
持つアミノ酸エステル、分子内にアミド基及び水酸基を
持つアミドを使用することにより、摩擦係数、スチル耐
久性、シャトル耐久性等の耐久性は、各種条件でも劣化
することなく、非常に良好な結果が得られた。
【００４５】
【００４６】
【００４７】
【００４８】
【００４９】
【００５０】
【００５１】
【００５２】
【００５３】
【００５４】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体は、非常に優れた潤滑性を有する、分
子内に長鎖炭化水素基を持つアミノ酸エステル、又は分
子内にアミド基及び水酸基を持つアミドを潤滑剤として
保有しているので、如何なる使用条件下でも潤滑性を保
つことができ、また長期にわたりその潤滑性を保つこと
ができる。したがって、本発明の磁気記録媒体は走行
性、耐摩耗性、耐久性に優れたものである。
明の磁気記録媒体は、非常に優れた潤滑性を有する、分
子内に長鎖炭化水素基を持つアミノ酸エステル、又は分
子内にアミド基及び水酸基を持つアミドを潤滑剤として
保有しているので、如何なる使用条件下でも潤滑性を保
つことができ、また長期にわたりその潤滑性を保つこと
ができる。したがって、本発明の磁気記録媒体は走行
性、耐摩耗性、耐久性に優れたものである。
【図１】本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
る。
１・・・非磁性支持体 ２・・・金属磁性薄膜 ３・・・潤滑剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 達哉 神奈川県横浜市神奈川区千若町１丁目３番 地 日清ファインケミカル株式会社内 (72)発明者 檜垣 勇三 神奈川県横浜市神奈川区千若町１丁目３番 地 日清ファインケミカル株式会社内
Claims (5)
- 【請求項１】 非磁性支持体上に設けられた磁気記録媒
体構成層の少なくとも表面側に、下記一般式Ｉで表され
るアミノ酸エステルを保有している磁気記録媒体。 一般式Ｉ： R1OCOCHR2NH2 （但し、この一般式中、 R1は炭素数10以上の長鎖炭化水素基、 R2は水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル
基である。） - 【請求項２】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有
する磁気記録媒体において、前記磁性層の少なくとも表
面側に、請求項１に記載したアミノ酸エステルを潤滑剤
として保有することを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項３】 非磁性支持体上に設けられた磁気記録媒
体構成層の少なくとも表面側に、下記一般式IIで表され
るアミドを保有している磁気記録媒体。 一般式II： R3CONHR4OH （但し、この一般式中、 R3は炭素数６以上の炭化水素基、 R4は水酸基で置換されていてもよいアルキレン基であ
る。） - 【請求項４】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有
する磁気記録媒体において、前記磁性層の少なくとも表
面側に、請求項３に記載したアミドを潤滑剤として保有
することを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項５】 磁性層が金属薄膜型である、請求項１〜
４のいずれかに記載した磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22459092A JP3211987B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22459092A JP3211987B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0652542A true JPH0652542A (ja) | 1994-02-25 |
| JP3211987B2 JP3211987B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=16816117
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22459092A Expired - Fee Related JP3211987B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3211987B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006502213A (ja) * | 2002-10-10 | 2006-01-19 | イエダ リサーチ アンド デベロップメント カンパニー リミテッド | 脂肪族アルコール類の塩基性エステルおよび抗炎症薬または免疫調整薬としての使用 |
| US8746519B2 (en) | 2010-01-15 | 2014-06-10 | West Coast Chain Mfg. Co. | Releasable attachment apparatus |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP22459092A patent/JP3211987B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006502213A (ja) * | 2002-10-10 | 2006-01-19 | イエダ リサーチ アンド デベロップメント カンパニー リミテッド | 脂肪族アルコール類の塩基性エステルおよび抗炎症薬または免疫調整薬としての使用 |
| US8746519B2 (en) | 2010-01-15 | 2014-06-10 | West Coast Chain Mfg. Co. | Releasable attachment apparatus |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3211987B2 (ja) | 2001-09-25 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
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