JPH0652391A - 紙葉搬送区分機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は搬送される紙葉類の区分装置の高速
化を目的とする。 【構成】 本発明ではゲートが所定の回転角の静止位置
を有し区分動作においてその先端はほぼ円孤状の軌跡を
描いて運動し、上下２方向の間で搬送路を切換える区分
動作の中間地点に中立点を設け前記中立点においては紙
葉の搬送経路が前記２方向のどちらにも解放されている
ように構成し、所定のタイミングで前記ゲートが区分動
作の回転角のほぼ１／２の位置に停止するように構成し
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は紙幣、切符等の紙葉状媒
体を搬入する搬送手段と前記紙葉の種類、数、真偽、正
損等を搬送しながら検知するための検知手段を有する紙
葉搬送検知装置における紙葉区分装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来紙葉類を搬送する方式として、一枚
ずつ取り出された紙葉類を一対に接触して走行するベル
ト間に挟持して搬送するベルト搬送方式がある。この様
なベルト搬送により搬送される紙葉の搬送方向を切換え
るには図７及び図８に示すような方法が一般的である。
すなわち、搬送路上の切換え部分において接触して走行
している搬送ベルト２１，２２が第１のプーリ２３ａ，
２３ｂでガイドされた後接触が離れて、スカート上の拡
がりをもって走行される。このスカート上に拡がった搬
送ベルトの内側に第２のプーリ２４ａ，２４ｂを設け、
このプーリにおのおののベルトと接触してそれぞれ独立
した第１の搬送路と第２の搬送路を形成するベルトを巻
き掛けている。そして前記スカート上の拡がりを形成す
る前記搬送ベルトと前記２個のプーリで形成されるほぼ
三角状の空間に側面が三角形状のゲート２５を設けてい
る。このゲート２５は基部がモータ、またはロータリソ
レノイド２６に直結されており回動可能である。ゲート
２５への切換えの信号が入るとゲートは回動し、ゲート
上の一辺とスカート状に拡がった搬送ベルトの一方との
間に間隙が形成されこの間隙の中を紙葉類２６が搬送さ
れる。そしてゲート２５の後方に位置するガイドプーリ
２４ａ，２４ｂと搬送ベルトが接触する部分で挟持され
所定の方向に搬送されてゆく。前記したモータ、ロータ
リソレノイド等のアクチュエータを駆動してゲートを回
動させると、今度は他方のゲート上の一辺と他方のスカ
ート状に拡がった搬送ベルトの間に間隙を生じ回動前の
他方の間隙は閉じられる。この動作により紙葉の搬送方
向の区分を行っている。また、前記ゲート２５は側面を
ほぼアルファベットの“Ａ”の形状をとることにより軽
量化されており高速で応答することが可能である。

【０００３】区分動作は以下の手順で行われる。初期の
状態に於いて、ゲート２５が例えば上方向の搬送路を開
いていたとする。搬入されていくる紙葉２６が検知部を
通過し正誤、正損を判定されゲートに入ってくる。この
時検知部の判定により紙葉２６はゲート部において上方
向に区分されるべきであると判定されたとする。この判
定は紙葉２６が区分部分に搬入される前に終了してお
り、図７に示すように区分部分に紙葉２６が搬入されて
くるとゲートは駆動されずそのまま上方向に間隙を開い
ているため、紙葉２６は上方向に搬送されて行く。紙葉
２６に続いて搬入されてきた紙葉２７が同様の判定によ
り今度は区分部分で下方向に搬送されるべきであると判
定されているとする。ゲートは図８のように下方向に切
り替わり紙葉２７は下方向に搬送されて行く。この切換
えの判定は紙葉２７が区分部分に搬入される前に終了し
ている。しかしながらゲートは即座に次の区分方向であ
る下方向に搬送路を切換えることは出来ない。なぜな
ら、紙葉２７の前の紙葉２６は上方向に搬送しなければ
ならず、紙葉２６が区分部分を通過する前もしくは通過
中にゲート切換え動作を開始してしまうとゲートと上方
向の搬送ベルトで紙葉２６の後端部を挟み込んでしまう
からである。そこでゲートの切換え動作は、紙葉２６が
区分部分を通過した直後から紙葉２７が区分部分に搬入
されるまでの間の極めて短い時間の間に行うことにな
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の装置
では短時間に処理する紙葉の量を増やすために区分間隔
を短かくしたり、搬送ベルトのスピードを上げるのに合
わせ、ゲートの駆動スピードも上げて行く必要があっ
た。しかしながらゲートの駆動源は一般にはモータやロ
ータリソレノイドでありその回動スピードには限界があ
り、その限界がそのまま紙葉処理速度の限界となってい
た。本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり
より高速度の紙葉搬送処理にも対応できる区分ゲートを
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は紙葉状媒体を連続して搬送する搬送手段と、
前記紙葉状媒体を搬送しながら識別検知するための検知
手段を備え、この検知手段に於いて識別された情報をも
とに個々の搬送先を決定した後、連続して搬送路に搬入
される紙葉が通過する第一及び第二の経路をゲート手段
により開放、遮断し個々の紙葉の区分方向を切り換える
紙葉搬送区分機に於いて、前記ゲート手段を紙葉が第一
あるいは第二の経路を通過中に一経路開放状態から前記
第一及び第二の両経路を開放するように配置している。

【０００６】

【作用】第１の紙葉の搬入方向先端部がゲートに接触し
第１の方向に先端を突入させた後に速やかに駆動装置を
動作させ区分動作のほぼ１／２の回転角の位置までゲー
トを第２の方向に回動する。ゲートは第１の紙葉の後端
部が区分部分を通過した後再び速かに第２の方向の係止
位置まで回動される。

【０００７】この様な駆動方式をとることによりゲート
が搬送路を第１の方向から第２の方向へ切換るために円
孤状に回動するのに要する時間のうち約半分は、第１の
紙葉がゲート上を通過中に費やすことになる。すなわち
第１の紙葉が通過した後第２の紙葉が搬入されてくるま
で回動しなければならない角度はゲート切換えの約半分
となり、第１の紙葉と第２の紙葉の間隔がその分減少し
ても紙葉の区分は保証されることになる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。本発明の関わる搬送路切換え部を有するシステムは
大きく紙葉取り出し部、搬送および区分部、集積部に分
けることができる。図１に示すように取りだし部で一枚
ずつ一定のピッチで取り出された紙葉は、上面をベルト
１に、下面をベルト２に接触挟持され搬送されている。
搬送路途上には数種類の検知部が設けてある。この検知
部においては、搬送されている紙葉の表面を検査し、紙
葉の真贋、破損状況等の情報を得る。システム側では各
々の紙葉に対して前記の情報の結果を総合し紙葉を用意
されている２種類の集積部のどちらに搬送するかを決定
する。接触して走行している搬送ベルトが第１のガイド
プーリ３ａ，３ｂでガイドされた後接触が離れてスカー
ト上の拡がりをもって走行される。このスカート上に拡
がった搬送ベルトの内側に第２のガイドプーリ４ａ，４
ｂを設け、このプーリにおのおののベルトと接触してそ
れぞれ独立した第１の搬送路と第２の搬送路を形成する
ベルトを巻き掛けている。そして前記スカート上の拡が
りを形成する前記搬送ベルトと前記２個の第２ガイドプ
ーリ４ａ，４ｂで形成されるほぼ三角状の空間に側面が
“Ａ”状のゲート５を設け、このゲートは基部をモー
タ、またはステップモータ６に直結されており回動可能
である。ゲートへの切換えの信号が入るとゲートは回動
し、ゲート上の一辺とスカート状に拡がった搬送ベルト
の一方との間に間隙が形成され、この間隙の中を紙葉類
が搬送される。そしてゲートの後方に位置する前記第２
のガイドプーリ４ａ，４ｂと搬送ベルト１、２が接触す
る部分で挟持され所定の方向に搬送されてゆく。前記し
たステップモータ６を駆動してゲートを回動してやる
と、今度は他方のゲート上の一辺と他方のスカート状に
拡がった搬送ベルトの間に間隙を生じ、回動前の他方の
間隙は閉じられる。本構成において、“Ａ”形状のゲー
ト５の回動中心１５（ステップモータ６の軸心）から
“Ａ”形状のゲート５の紙葉搬入方向先端１６までの距
離は、“Ａ”状のゲート５の回動中心１５（ステップモ
ータ６の軸心）から搬送ベルト１、２の分岐ポイント１
７までの距離よりも短くとってある。そのためにゲート
切り換えの中間ポイント近傍で第１の搬送路と第２の搬
送路両方に間隙を生じる領域がある。すなわち第１の搬
送路にゲートを開いた状態から第２の搬送路に切り替え
る動作において切り替え開始から切り替え動作が半分程
度進んだ位置までは第１の搬送路は開いていることにな
る。第２の搬送路から第１の搬送路に切り換える場合も
同様である。

【０００９】ゲート５の紙葉搬送方向前方には紙葉の通
過を検知する検知センサ７が配置されている。センサ７
は一対の発光素子と受光素子により構成されている。通
常は発光素子が放射する光を受光素子が受けているが、
２つの素子の間に紙葉が搬送されてくると紙葉の先端が
光路を遮り始めてから後端が排出されて光路が回復する
までの間は受光素子の出力が変化し、この信号をコント
ローラに入力することで紙葉の搬送位置を知ることがで
きる。

【００１０】上記の構成による紙葉の区分動作を図２〜
図５に示す。図２で搬送されてくる第１の紙葉１０は区
分ゲートにおいて第１の搬送路へ、第２の紙葉１１は第
２の搬送路へ搬送される事がコントローラ（図示せず）
により決定されているとする。ゲート５は当初第１の搬
送路を開いており紙葉１０と紙葉１１との間で切り替え
動作をする必要があるとする。検知センサ７により搬送
される紙葉１０の先端の検知、続いて後端の検知が成さ
れる。コントローラはこの検知信号をもとにゲート５の
切り替えタイミングを決定する。この際に紙葉１０の後
端の位置を参照して切り替えタイミングを決定すると後
端の挟み込みを防止することができる。切り替えは紙葉
１０の先端が第１の搬送路の方向に入った後に行い、図
３に示すように当初は約半分の角度を回転する。次いで
図４に示すように紙葉１０はその間も搬送され紙葉１０
の後端がゲート５に挟みこまれないことが確実な位置で
ゲート５は残りの半分を回転され、第２の搬送路のみを
開いた状態に保持されて紙葉１１の搬入に備える。最後
に、図５に示すように紙葉１１が搬入されると第２の搬
送路に搬送されて行き切り替えは正常に終了する。

【００１１】図６にゲート５の駆動ロジックを示す。セ
ンサ７は搬送路を跨ぐように配置された一対の発光およ
び受光素子で構成され紙葉が光路を遮ると受光素子出力
がＨレベルからＬレベルに落ちる。即ち紙葉がセンサ７
の光路上にあるときは紙葉先端と後端で出力変化を生じ
紙葉の位置を知ることができる。この位置情報と紙葉の
搬送スピードを合わせればその後の紙葉の位置を正確に
推定できる。図６は紙葉の先端位置、後端位置を基準に
第１の紙葉と第２の紙葉の間のゲート切り替えタイミン
グを決定する方式である。まず紙葉先端情報より、紙葉
先端ゲートに入った後ゲートを中立点に回転するタイミ
ングを決定し、微小時間dT1(s)後にステッピングモータ
を Td(s)の間駆動する。次に後端位置情報より紙葉後端
がゲート部を離脱した後ゲートを中立点から切り替え点
まで回転するタイミングを決定し、微小時間dT2(s)後に
ステッピングモータ Td(s)の間駆動している。従来の駆
動でゲートを切り替えるのに要する時間をＴとすると Ｔ＝2Td となる。従来の切り替え方式では紙葉の間隔が時間Ｔよ
り小なる場合は区分が不可能であるが本実施例では原理
上間隔を最小Tdまで取ることが可能である。すなわち本
実施例においては従来のゲート区分の方法に比べゲート
の回転の約半分は紙葉の区分中に行うために紙葉間の間
隔が半分になっても紙葉の区分が可能である。

【００１２】

【発明の効果】以上述べたように本発明によればゲート
駆動のアクチュエータの能力は同等でも区分する紙葉の
間隔を短かくできるために紙葉の区分能力が２倍近くに
向上する事になり、より高速の紙葉搬送、および処理に
対応し得るゲートを提供することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る紙葉区分装置を示す平面図及び
側面図。

【図２】 本発明に係る紙葉区分動作を示す側面図。

【図３】 本発明に係る紙葉区分動作を示す側面図。

【図４】 本発明に係る紙葉区分動作を示す側面図。

【図５】 本発明に係る紙葉区分動作を示す側面図。

【図６】 本発明に係る紙葉区分動作を説明するための
タイミング図。

【図７】 従来の区分装置を示す平面図及び側面図。

【図８】 従来の紙葉区分装置の区分動作を示す側面
図。

【符号の説明】

１、２…搬送ベルト ３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ…プーリ ５…ゲート ６…ステップモータ ７…検知センサ １０、１１…紙葉

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙葉を連続して搬送する搬送手段と、前
   記紙葉を搬送しながら識別検知するための検知手段を備
   え、この検知手段に於いて識別された情報をもとに個々
   の搬送先を決定した後、連続して搬送路に搬入される紙
   葉が通過する第一及び第二の経路をゲート手段により開
   放，遮断し個々の紙葉の区分方向を切り換える紙葉搬送
   区分機に於いて、前記ゲート手段は紙葉が第一あるいは
   第二の経路を通過中に一経路開放状態から前記第一及び
   第二の両経路を開放するように配置してなる紙葉搬送区
   分機。
2. 【請求項２】 前記ゲート手段は、搬入されてくる個々
   の紙葉の搬入方向先端、または搬入方向後端の位置検知
   信号により紙葉の位置を判別した結果をもとに駆動され
   ることを特徴とする請求項１に記載の紙葉搬送区分機。
3. 【請求項３】 前記ゲート手段は回転軸を中心に回転可
   能な部材で構成され、回転軸方向の断面がアルファベッ
   トの“Ａ”形状をなしていることを特徴とする請求項１
   に記載の紙葉搬送区分機。
4. 【請求項４】 前記ゲート手段は、所定のタイミングで
   区分動作の回転角のほぼ１／２の位置に停止するように
   制御されることを特徴とする請求項３に記載の紙葉搬送
   区分機。