JPH065234A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JPH065234A
JPH065234A JP4181629A JP18162992A JPH065234A JP H065234 A JPH065234 A JP H065234A JP 4181629 A JP4181629 A JP 4181629A JP 18162992 A JP18162992 A JP 18162992A JP H065234 A JPH065234 A JP H065234A
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哲也 金子
Shinya Mishina
伸也 三品
Haruto Ono
治人 小野
Hidetoshi Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色ムラや輝度ムラの無い高精細かつ高コント
ラストな表示が可能な画像表示装置を提供する。 【構成】 リアプレート1上に電子放出素子4と、電子
放出素子4から放出された電子ビームの照射を受ける蛍
光体5を設け、さらに画像表示面と反対側(リアプレー
ト1の裏面全面)に光吸収層を設ける。 【効果】 電子放出素子と蛍光体との位置合わせが容易
であり、かつ光吸収層によってカットオフ時の輝度を低
く押え、コントラストの向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は信号に応じて画像を表示
する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、面状に展開した複数の電子放
出素子と、この電子放出素子からの電子ビームの照射を
各々受ける蛍光体ターゲットとを、各々相対向させた薄
形の画像表示装置が、存在している。
【0003】これら電子線ディスプレイ装置は基本的に
次のような構造からなる。
【0004】図10は従来ディスプレイ装置の概要を示
すものである。101はリアプレート、102は支持
体、103は配線電極、104は電子放出部、105は
電子通過孔、106は変調電極、107はガラス板、1
08は透明電極、109は画像形成部材で、例えば蛍光
体、レジスト材等電子が衝突することにより発光,変
色,帯電,変質等する部材から成る。110はフェース
プレート、111は蛍光体の輝点である。電子放出部1
04は薄膜技術により形成され、リアプレート101と
は接触することがない中空構造を成すものである。配線
電極103は電子放出部材と同一の材料を用いて形成し
ても、別材料を用いても良く、一般に融点が高く電気抵
抗の小さいものが用いられる。支持体102は絶縁体材
料もしくは導電体材料で形成されている。
【0005】これら電子線ディスプレイ装置は、配線電
極103に電圧を印加せしめ中空構造をなす電子放出部
より電子を放出させ、これら電子流を情報信号に応じて
変調する変調電極106に電圧を印加することにより電
子を取り出し、取り出した電子を加速させ蛍光体109
に衝突させるものである。また、配線電極103と変調
電極106でXYマトリックスを形成せしめ、画像形成
部材たる蛍光体109上に画像表示を行うものである。
【0006】また、一般に上記のような画像表示装置の
コントラストCはC=BON/BOFF(BONはビームオン
時の輝度,BOFF はカットオフ時の輝度)で表わされ
る。従ってコントラストを高めようとした場合、ビーム
オン時の輝度を高めるのが一方法であり、このために
は、電子ビーム量を増やす、蛍光体への印加電圧を高く
する等の方法があるが、素子の効率や装置の構造等から
技術的に難しいことが多い。一方、ビームオフ時の輝度
のみ低くできれば、やはりコントラストは向上する。
【0007】このため従来より、カラーCRT等では、
ブラックマトリックスあるいはブラックストライプと呼
ばれる光吸収性の黒色膜を、蛍光体が設けられたフェー
スプレート内面の蛍光体以外の面に形成し、光が放出さ
れていないフェースプレート部での外光反射輝度を低く
することにより、コントラストを向上させる技術が通常
用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電子線ディスプレイでは、蛍光体が塗布されている
フェースプレート110は、別基板上に形成されている
電子放出素子の電子放出方向上部に、距離を置いて配置
されるため、光吸収膜以外の蛍光体109と電子放出部
104との位置合わせが非常に難しく、表示画像の色ム
ラや輝度ムラが発生しやすいため、大画面で高精細,高
コントラストな画像表示装置が作製しがたいという問題
を有していた。
【0009】従って、本発明の目的は、色ムラや輝度ム
ラのない高精細かつ高コントラストな表示が可能な画像
表示装置を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、薄形化かつ低
電圧での駆動が可能な画像表示装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
従来の画像表示装置における先述した作製上の問題点で
ある蛍光体と電子放出素子の電子放出部とのアライメン
トの困難性と、大画面で高精細な画像表示装置を作製し
た際の該装置の表示ムラの発生との関連性に着目し、鋭
意研究の結果、蛍光体と電子放出素子の電子放出部との
若干の位置ズレ、更には、個々の変調電極と電子放出素
子の電子放出部間の距離の相違が、蛍光体に達する電子
ビームの飛翔に大きな影響を与え、結果として蛍光面で
の色ムラ,輝度ムラを生ずる事を知見し、かかる表示ム
ラ(色ムラ,輝度ムラ)の欠点を解決し、さらにコント
ラストを改善した画像表示装置として、以下の構成を有
する本発明に至った。
【0012】即ち、本発明は、少なくとも、電子放出素
子と該電子放出素子から放出された電子ビームの照射を
受ける画像形成部材と光吸収層とを具備する画像表示装
置において、前記電子放出素子と前記画像形成部材が同
一の基板上に形成されていることを特徴とする画像表示
装置である。
【0013】以下、図面を用いて本発明を詳述する。
【0014】図1は本発明の一実施態様を示す図であ
る。図中、1はリアプレート、2は素子配線電極、3は
素子電極、4は電子放出部、5は画像形成部材であると
ころの蛍光体、6は光吸収層、7と8はそれぞれ外囲器
の一部を成す支持枠とフェースプレートである。
【0015】図2(a)は図1の素子部の拡大図であ
り、図2(b)は図2(a)中のA−A’断面図であ
る。図2において20は蛍光体5の配線電極、21は絶
縁層、Gは電子放出部幅、W1 は素子電極幅、W2 は蛍
光体5の幅、Sは素子電極3と蛍光体5との距離であ
る。
【0016】図1及び図2に示した構成において、相対
向する素子電極3間に素子配線電極2a,2bを通じ電
圧Vf が印加されることにより電子放出部4から電子が
放出される。放出された電子は、蛍光体配線電極20を
通じ蛍光体5に印加される電圧Va により該蛍光体5に
集束・照射される。
【0017】従来の画像表示装置が、蛍光体が設けられ
た基板であるフェースプレートの、蛍光体層と反対側に
画像を表示するのに対し、本発明の画像表示装置におい
ては電子放出素子が設けられた基板と同一の基板に蛍光
体が設けられているため、蛍光体が設けられた基板であ
るリアプレートの蛍光体層側から画像を見ることが可能
である。このことにより、図1に示した実施態様の様
に、蛍光体が設けられている基板であるリアプレートの
蛍光体面と反対面側、即ち、蛍光体に対して画像表示面
と反対側に光吸収層を設けることが可能であり、しかも
全面に渡って設けることが可能である。
【0018】実際、現行ほとんど全てのカラーCRTに
用いられているブラックマトリックスやブラックストラ
イプでは、これらの光透過部と蛍光体との位置をフェー
スプレート全面においてR,G,B全色完全に合わせる
ことは難しく、輝度低下の原因となることが多かった
が、上記本発明の画像表示装置では、画像表示に必要な
光の透過を妨げることなく、ブラックマトリックスやブ
ラックストライプと同様なコントラスト向上の効果が得
られ、しかも、蛍光体と光吸収層の位置合わせが必要な
い為、光吸収層の作製が非常に簡単である。
【0019】上記本発明の画像表示装置の様に、蛍光体
が設けられた基板の蛍光体側に画像を表示することは、
図10に示した従来ディスプレイでは、図からわかる通
り、変調電極,電子放出部,配線電極を全て透明部材で
作製しなければならず、実質上不可能である。また、C
RTも容易にわかる通り不可能である。
【0020】図1に示した実施態様において、前記光吸
収層は、蛍光体が設けられた基板の裏面を黒色に塗装す
ることで作製しているが、本発明において、前記光吸収
層は他に、前記基板に光透過率が5%以下の低い部材を
用いても良い。また、前記基板の蛍光体面と反対面側
に、光吸収性プレートを置いても良い。
【0021】また、素子電極及び配線電極の面で反射が
あると、光吸収層の効果がその部分では失われるため、
本発明においては素子電極及び素子と蛍光体の配線電極
はITO等の透明導電材料で形成するのが望ましいがこ
れに限ったものではない。
【0022】図4に本発明の他の実施態様を示す。先の
実施態様と異なる点は、電子放出素子と蛍光体が設けら
れた基板と相対向して配置されるフェースプレートに、
前記基板上の蛍光体の位置に対応した光透過部41を有
する光吸収層を設けたことである。
【0023】光吸収層6の材料として、図4に示した実
施態様においては、通常ダグと呼ばれる黒鉛を主成分と
する懸濁液を用いた。この材料は安価であり、膜の作製
も塗布技術で作製できるため好ましい。また、膜が不要
な光透過部には、あらかじめレジスト層を形成してお
き、その上からダグを塗布,乾燥後レジストと共にダグ
を除去すれば良いので、光透過部の形成も容易で、本発
明に特に好適だが材料と膜の作製技術はこれに限ったも
のではない。また、光吸収層をフェースプレートと別に
作製しておき、あとから接着しても良い。
【0024】本発明の画像表示装置では、電子放出素子
と画像形成部材(蛍光体)とが同一の基板に形成されて
いるため、素子電極や素子配線電極がフェースプレート
側から見て、むき出しとなっている。
【0025】このため、フェースプレート全面が透明な
場合には、素子電極や素子配線電極が金属光沢が有るN
i材等で作製されていると光の反射率が高く、画像を表
示しない時のフェースプレート面の輝度が高くなってし
まう。つまりBOFF が大きい。このため、図4に示す本
発明の実施例のフェースプレートのように、蛍光体の光
透過部以外に光吸収層が形成されていれば、BOFF が小
さくなるため、コントラストが向上する。コントラスト
の改善の値は、光透過部と光吸収層との面積比に関係し
てくるが、フェースプレート面積の約半分の面積に完全
光吸収層を形成したとするとBOFF は50%減少するか
らコントラストは2倍向上する。
【0026】また、図4の本発明の実施例では、フェー
スプレート部に光吸収層は形成されるが、フェースプレ
ートと蛍光体が設けられる基板とが、空間的に距離を置
いて配置されるため、蛍光体と、光吸収層との位置合わ
せが必要である。コントラストの向上に最も効果がある
のは図5(a)に示すように、フェースプレート側から
見て蛍光体が有る面積以外と光吸収層面が完全に一致す
る時である。しかし、位置ずれにより、光吸収層が蛍光
体面に重なりBONが低くなるおそれがある場合、図5
(b)のように、位置ずれが起きても光吸収層が蛍光体
面に重ならないように小さくすれば良い。この場合で
も、BOFF が低下しコントラストが向上するという効果
に変わりはない。
【0027】従って、位置合わせの技術精度に応じて、
光吸収層の大きさを設計し、作製しても、コントラスト
が向上するという効果が大きく減少することはない。
【0028】次に、図6に示す如く、フェースプレート
の内面に導電体材料で光吸収層を作製した場合に更に生
じる効果を説明する。
【0029】蛍光体に電子ビームを照射しない状態、す
なわちカットオフ状態の時、蛍光体には負電位を印加す
れば良いが、その時、蛍光体と相対向するフェースプレ
ート内面に設けられた光吸収導電体層61を正電位とす
ることで、図7(a)に示すように放出された電子は光
吸収導電体層61に捕捉されるため、蛍光体に与える負
電位が低い電位でカットオフできる。
【0030】また、蛍光体に正電位を印加し、電子ビー
ムを蛍光体に集束させる(ビームオン)時も光吸収導電
体層61がない場合(図7(b)参照)は、フェースプ
レート8への電子の衝突によるフェースプレートのチャ
ージアップを防ぐため、フェースプレートと電子放出部
との距離(図7(b)中のT)をあまり小さくすること
ができない。また、蛍光体に印加する電圧Vaに応じ
て、フェースプレート内面に誘起される電位により、蛍
光体の電位が実効的に低くなるため、電子ビームが蛍光
体へ入射する角度θが大きくなる。よって、素子電極と
蛍光体との距離Sも小さくならない。
【0031】一方、図7(c)のように、フェースプレ
ート内面に光吸収導電体層を設けた場合は、フェースプ
レート内面のチャージアップが防げるので、T,Sとも
小さくすることが可能である。
【0032】以上述べたように、電子放出素子と蛍光体
とが設けられた基板と相対向して配置されるフェースプ
レートに、蛍光体の光透過部を有する光吸収層を設ける
ことはコントラストの向上に利点があり、更に該光吸収
層が導電体材料で作製することで、装置の薄形化,高精
細化,低電圧化が可能となる。
【0033】尚、本発明における電子放出素子は、従来
より画像表示装置の電子源として用いられているもので
あれば、熱陰極,冷陰極のいずれであっても良いが、熱
陰極の場合は、基体への熱拡散により電子放出効率が低
下する。よって、好ましくは冷陰極である方が望まし
い。
【0034】さらには、冷陰極の中でも表面伝導形放出
素子と呼ばれる電子放出素子を用いた方が、本発明の画
像表示装置において 1)高い電子放出効率が得られる。 2)構造が簡単であるため、本発明の素子構造が可能で
ありかつ製造が容易である。 3)同一基板上に多数の素子を配列形成できる。 4)応答速度が速い。 等の利点を有するので特に好ましい。
【0035】ここで表面伝導形放出素子とは例えば、エ
ム・アイ・エリンソン(M.I.Elinson)等に
よって発表された冷陰極素子[ラジオ・エンジニアリン
グ・エレクトロン・フィジィッス(Radio En
g.Electron.Phys.)第10巻,129
0〜1296頁,1965年]であり、これは、基板面
上に設けられた電極(素子電極)間に形成された小面積
の薄膜(電子放出部)に、該電極(素子電極)間に電圧
を印加して、該膜面に平行に電流を流すことによって、
電子放出が生じる素子であり、前記エリンソン等により
開発されたSnO2 (Sb)薄膜を用いたものの他、A
u薄膜によるもの[ジー・ディトマー:“スイン・ソリ
ッド・フィルムス”(G.Dittmer:“Thin
Solid Films”),9巻,317頁,(1
972年)]、ITO薄膜によるもの[エム・ハートウ
ェル・アンド・シー・ジー・フォンスタッド:“アイ・
イー・イー・イー・トランス・イー・ディー・コンフ”
(M.Hartwell and C.G.Fonst
ad:“IEEE Trans.ED Conf.”)
519頁,(1975年)]、カーボン薄膜によるもの
[荒木久他:“真空”,第26巻,第1号,22頁,
(1983年)]等が報告されている。
【0036】また、本発明の電子源として表面伝導形放
出素子のもう一つの利点として電極間に形成された電子
放出部から電子が正極側向きの速度成分を得て飛び出し
てくることが挙げられる。本発明においては、電子放出
部と同一基板上にある蛍光体に電圧Vaを印加すること
により、電子ビームが該蛍光体に集束・照射される。
【0037】従って、正極側素子電極と並んで設けられ
た蛍光体に向かって電子が飛翔してくるような素子であ
る表面伝導形放出素子を用いれば、蛍光体に印加する電
圧Vaが小さくても放出電子を捕捉できる。またVaが
小さくても良いから素子電極と蛍光体との絶縁距離も小
さくて良いので、素子と画像形成部材(蛍光体)とを高
密度に配列できる。本発明で使用できる表面伝導形放出
素子は上記以外にも、その電子放出部が金属微粒子分散
によって形成されているものであっても良い。
【0038】また、本発明における画像形成部材は、前
記実施態様で示した蛍光体の他に、レジスト材等、電子
が衝突することにより発光,変色,帯電,変質等する部
材を用いることができる。
【0039】また、本発明における光吸収層とは、光の
吸収率が極めて高い部材から成れば何でも良く、黒色あ
るいは黒色に近い濃色の部材を膜状に形成したもの、板
状に形成したもの等である。
【0040】また、本発明における光透過部とは例えば
前記光吸収層が基板上に形成されていない部分である。
【0041】更に、本発明において好ましくは、複数の
電子放出素子を並べた線状電子放出素子と、複数の蛍光
体から成る蛍光体群とがXYマトリックスを構成して配
置(行列配置)されて成り、前記線状電子放出素子と前
記蛍光体群とが各々独立に電圧印加手段を備えた構成を
有している。
【0042】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。
【0043】実施例1 本実施例では、図1,図2に示した画像表示装置を製造
した。製造方法を以下で説明する。 まずガラス板からなるリアプレート1を十分洗浄し、
通常良く用いられる蒸着技術とホトリソグラフィー技術
により素子電極3と蛍光体配線電極20をNi及びCr
材料で作製した。かかる蛍光体配線電極20は、電気抵
抗が十分低くなるように作製しさえすればどのような材
料でもかまわない。 次に蒸着技術によりSiO2 で絶縁層21を形成し
た。その厚さは本実施例では3μmとした。
【0044】絶縁層21の材料としては、SiO2 ,ガ
ラス,その他のセラミックス材料が好適である。 次に蒸着技術とエッチング技術により素子配線電極2
をNi及びCr材料で作製した。素子電極3は、素子配
線電極2a及び2bと接続され、素子電極3が相対向す
る電子放出部4を形成する。その電極ギャップ(G)
は、0.1μm〜10μmが好適で本実施例は2μmに
形成した。電子放出部4に対応する長さ(L:図2
(a)参照)を300μmに形成した。素子電極3の幅
は狭い方が望ましいが実際には1μm〜100μmが好
適で、さらには1μm〜10μmが最適である。また、
電子放出部4は蛍光体配線電極20の間の中心近傍に作
製する。素子配線電極2群(a,bで一組)のピッチは
2mm、電子放出部4のピッチは2mmに形成した。 次に、ガスデポジション法を用いて相対向する電極間
に超微粒子膜を設けることにより電子放出部4を形成し
た。超微粒子の材質はPdを用いたが、その他の材料と
してAg,Au等の金属材料やSnO2 ,In23
酸化物材料が好適であるがこれに限定されるものではな
い。本実施例ではPd粒子の直径を約100Åに設定し
たが、これに限定されるものではない。また、ガスデポ
ジション法以外にも、例えば有機金属を分散塗布し、そ
の後熱処理することにより電極間に超微粒子膜を形成し
ても所望の特性が得られる。 次に印刷法により、蛍光体5をほぼ10μmの厚さで
作製した。他にも、スラリー法,沈澱法により蛍光体5
を形成しても良い。 以上説明したプロセスで作製されたリアプレートの蛍
光体の設けられた面と反対面(裏面とする)に黒色塗料
をスプレー法にて、全面に塗布する。尚、この時、蛍光
体面には塗料がまわり込まないように覆っておくことは
言うまでもない。 以上説明したプロセスで形成された画像表示装置のリ
アプレートから5mm離してフェースプレート8を設け
画像表示装置を作製した。
【0045】この様にして作製された画像表示装置をフ
ェースプレート側から見ると、リアプレートが透明なガ
ラス板から成るためリアプレート裏面が見え、蛍光体の
周囲は黒色塗料で覆われているように見え、その部分で
外部からの光が吸収されるため、コントラストが向上す
る。
【0046】また、素子電極と素子配線電極はNiの上
にCrを蒸着して作製したが、電極表面のCrは、酸化
により黒化するため、この部分でも不要な外光の反射を
抑えることができたため、特に電極材料に透明な電極材
料を用いなかった。
【0047】尚、リアプレートのガラス板は光透過率が
30%以上の透明度であれば良い。
【0048】次に本実施例の駆動方法を説明する。
【0049】図1において、一対の素子配線電極2aと
2bに14Vの電圧パルスを印加し、線状に並べた複数
の電子放出素子から電子を放出させる。放出された電子
は、情報信号に対応して素子電極正極側の画像形成部材
群に10V〜1000Vの電圧を印加することにより電
子ビームをON/OFF制御する。この電圧は、使用す
る蛍光体の種類や、必要な輝度により決まる値で、特に
上記値に限定されない。放出された電子は、加速し蛍光
体に衝突する。蛍光体は情報信号に応じて一ラインの表
示を行う。次にこの隣りの素子配線電極2a,2bに1
4Vの電圧パルスを印加し上述した一ラインの表示を行
う。これを順次行うことにより一画面の画像を形成し
た。つまり、素子配線電極群を走査電極として、走査電
極と蛍光体配線電極でXYマトリックスを形成し画像を
表示した。
【0050】本実施例の表面伝導形電子放出素子は、1
00ピコ秒以下の電圧パルスに応答して駆動できるの
で、1画面を30分の1秒で画像を表示すると1万本以
上の走査線数が形成可能である。
【0051】以上説明したように本実施例では、リアプ
レートの裏面全面に黒色塗料を塗布するという、蛍光体
との位置合わせが全く必要ない簡便な作製法にて、画像
のコントラストを高めるのに極めて効果があった。ま
た、電子放出素子と蛍光体とが同一の基板上に作製され
ていることにより、アライメントが容易で、かつ、薄膜
製造技術で作製している為、大画面で高精細なディスプ
レイを安価に得ることができた。さらに、電子放出部4
と蛍光体5の間隔を極めて精度良く作製することができ
たので輝度ムラのない極めて一様な画像表示装置を得る
ことができた。
【0052】実施例2 本実施例の画像表示装置の構成は、実施例1の図1の装
置とほぼ同様なので図示しない。
【0053】本実施例では、実施例1においてリアプレ
ート裏面に黒色塗料塗布にて作製した光吸収層の代わり
に、リアプレート自体に黒色材料を用い、光吸収層とし
た。
【0054】具体的には、リアプレートに光吸収率の高
いガラス板を用いた。
【0055】他の作製プロセス及び駆動法は実施例1と
同様である。本実施例ではリアプレート自体が光吸収層
となっているため、より一層作製が容易なプロセスにて
コントラストの向上が図れる。
【0056】実施例3 本実施例の画像表示装置の構成は、実施例1の図1の装
置と同様なので図示しない。
【0057】本実施例では、透明なガラス材から成るリ
アプレートの裏面(画像表示面と反対面)をフッ酸等に
よる化学処理あるいはサンドブラスト法等による機械的
処理で粗くしておき、その後、その粗くした面に黒色塗
料を塗布し光吸収層を形成する。それ以外は実施例1と
同様にして画像表示装置を製造した。
【0058】上記の処理により、リアプレート裏面から
の反射光は散乱され、正反射が減少するためコントラス
トはさらに向上した。さらに、黒色塗料の付着性も良か
った。
【0059】駆動法は実施例1と全く同様である。
【0060】実施例4 図3に本実施例の画像表示装置の概略構成を示す。
【0061】本実施例でも、リアプレート上の電子放出
素子と蛍光体の作製から、フェースプレートとの組み合
わせまでの作製プロセスは実施例1と同様である。但
し、本実施例では、リアプレートには、光反射率のみ低
い材料が用いられれば良く、裏面に光吸収材料が塗布さ
れている必要はない。
【0062】その代わり、図3に示されるような、内側
が黒色か黒色に近い濃色に塗装されており、光吸収層6
を形成しているキャビネット31がリアプレートの背後
に設置されている。上記キャビネットは図3の箱型の
他、光吸収性であれば、板状の形状でも本発明の目的が
達成でき、本実施例の構成にすることにより光吸収層形
状の設計・作製の自由度が高くなる。
【0063】駆動法は実施例1と同じである。
【0064】実施例5 本実施例では図4に示した画像表示装置を製造した。こ
の製造方法は、実施例1における製造方法〜と同様
にして形成された。
【0065】リアプレート1から5mm離してフェース
プレート8を設け画像表示装置を作製した。また、フェ
ースプレート面の光吸収層6は、まずフェースプレート
面全面に光硬化性レジストを塗布し光透過部41に当た
る部分のみ露光・硬化させ現像した後、全面に黒鉛懸濁
液を塗布,乾燥し固着させる。最後にレジストを除去す
ることにより、光透過部41の光吸収層も共に除去され
所望のパターンが得られる。この光吸収層の厚さは5μ
mで一様に形成した。
【0066】駆動法は実施例1と同様である。本実施例
では、フェースプレートに蛍光体からの光透過部を有す
る光吸収層を設けることにより、極めてコントラストの
高い画像表示装置を得ることができた。
【0067】また、実施例1と同様、電子放出素子と蛍
光体とが同一の基板上に作製されていることにより、ア
ライメントが容易で、かつ、薄膜製造技術で作製してい
る為、大画面で高精細なディスプレイを安価に得ること
ができた。さらに、電子放出部4と蛍光体5の間隔を極
めて精度良く作製することができたので輝度ムラのない
極めて一様な画像表示装置を得ることができた。
【0068】実施例6 図6に本実施例の画像表示装置の概略構成を示す。
【0069】本実施例では光吸収層が導電体材料より成
る。電子放出素子と蛍光体とを設けた基板の作製プロセ
スは実施例1と全く同じなので省略する。また、黒鉛膜
は導電体材料であるため、フェースプレート内面の光吸
収導電体層61も実施例5と同様に、塗布法により作製
し、光透過部のパターンは光硬化性レジストの露光から
現像にて作製した。
【0070】駆動に関しては、電子放出素子及び蛍光体
に印加する方法は基本的に実施例1と同様である。本実
施例における光吸収導電体層61がない場合、素子電極
3間に14Vの電圧を印加して電子を放出させた状態
で、蛍光体5に電子ビームが照射されない様カットオフ
するには、蛍光体への印加電圧は−30V必要であった
のが、光吸収導電体層61を設けた本実施例の場合は、
蛍光体を接地電位とし、光吸収導電体層に+15V印加
することで完全にカットオフでき、低電圧駆動が可能で
あった。また、ビームオン時、フェースプレート内面の
チャージアップがないため、蛍光体に電圧を印加して
後、時間と共に輝度が低下する現象が見られなかった。
【0071】さらに、ビームオン時、光吸収導電体層に
−10V印加して実験した場合、素子基板面とフェース
プレートとの距離を5mmから3mmに減少させても、
光吸収導電体層面での電子の反発により電子がフェース
プレートに流れることがなく、蛍光体へ流れる電流が減
少しないため、薄形化に効果があることがわかった。
【0072】以上述べたように本実施例では画像表示の
コントラストを高める他、装置の低電圧駆動と薄形化が
可能となる。
【0073】実施例7 図8に本実施例の画像表示装置の概略構成を示す。ま
た、図9(a)は本実施例の電子放出素子の一つの拡大
斜視図、図9(b)は図9(a)中のA−A’断面図で
ある。本実施例の作製プロセスは実施例1とほぼ同様だ
が、本実施例においては、リアプレートの洗浄後、蒸着
技術及びホトリソグラフィー技術及びエッチング技術に
より、素子電極3と素子配線電極2をNi材にて300
0Åの厚さにて一度に作製した。
【0074】次に電子放出素子の配列と直交して、スト
ライプ状にSiO2 3μmから成る絶縁層21を蒸着
し、その上にNi材の蒸着にて蛍光体配線電極20を作
製した。尚、Niの厚さは1μmとした。
【0075】さらに、その上に蛍光体を10μm程度の
厚さに塗布し、ストライプ状の蛍光体5を形成した。
【0076】電子放出部を形成する超微粒子の分散プロ
セス及び駆動方法は実施例1と同様である。また、フェ
ースプレート内面の光吸収導電体層の作製法は実施例6
と同様である。本実施例では、実施例5,6と同様な効
果が得られる他、蛍光体5が、一電子放出素子毎にパタ
ーニングされたものでなく、ストライプ状であること
と、素子電極3と素子配線電極2を一括して蒸着するた
め作製プロセスの簡略化に利点がある。
【0077】また、蛍光体5がストライプ状で面積が大
きいことから、実施例5,6と比較して輝度を高められ
る利点がある。このため、本実施例では光吸収導電体層
の形状も蛍光体パターンと同様、ストライプ状に形成し
ている。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像表示
装置では、同一基板上に電子放出素子と画像形成部材
(蛍光体)を設けることにより、電子放出素子と蛍光体
との位置合わせが容易となる。
【0079】また、上記構成に更に光吸収層を設けるこ
とにより、実用上次の効果を有する。 (1)コントラストの高い表示が得られる。 (2)色ムラや輝度ムラのない表示が得られる。 (3)高密度化,高精細化が容易なため、大容量表示が
可能である。
【0080】また、光吸収層が導電体材料から成る本発
明の画像表示装置では、更に以下の効果を有する。 (4)低電圧での駆動が可能なため、装置の低価格化,
信頼性の向上が計れる。 (5)装置の薄形化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示装置の一例を示す概略斜視図
である。
【図2】図1の素子部分拡大斜視図及び断面図である。
【図3】本発明の画像表示装置の他の例を示す概略構成
図である。
【図4】本発明の画像表示装置の他の例を示す概略斜視
図である。
【図5】本発明に係る光吸収層と画像形成部材(蛍光
体)との位置関係を説明するための図である。
【図6】本発明の画像表示装置の他の例を示す概略斜視
図である。
【図7】本発明に係る光吸収導電体層の効果を説明する
ための図である。
【図8】本発明の画像表示装置の他の例を示す概略斜視
図である。
【図9】図8の素子部分拡大斜視図及び断面図である。
【図10】従来例の電子線ディスプレイ装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 リアプレート 2,2a,2b 素子配線電極 3 素子電極 4 電子放出部 5 蛍光体(画像形成部材) 6 光吸収層 7 支持枠 8 フェースプレート 20 蛍光体配線電極 21 絶縁層 31 キャビネット 41 光透過部 61 光吸収導電体層 101 リアプレート 102 支持体 103 配線電極 104 電子放出部 105 電子通過孔 106 変調電極 107 ガラス板 108 透明電極 109 蛍光体 110 フェースプレート 111 蛍光体の輝点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三品 伸也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小野 治人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鱸 英俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、電子放出素子と該電子放出
    素子から放出された電子ビームの照射を受ける画像形成
    部材と光吸収層とを具備する画像表示装置において、前
    記電子放出素子と前記画像形成部材が同一の基板上に形
    成されていることを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 光吸収層が画像形成部材に対して画像表
    示面と反対側に配置されていることを特徴とする請求項
    1記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の画像表示装置において、
    前記光吸収層は光透過部を有し、かつ、該光吸収層は前
    記電子放出素子と前記画像形成部材とが形成されている
    基板と相対向して配置されるフェースプレート上に形成
    されていることを特徴とする画像表示装置。
  4. 【請求項4】 光吸収層が導電体材料から成ることを特
    徴とする請求項3記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 光吸収層に電圧を印加する独立した電圧
    印加手段を有することを特徴とする請求項4記載の画像
    表示装置。
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