JP3518865B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3518865B2
JP3518865B2 JP2003003895A JP2003003895A JP3518865B2 JP 3518865 B2 JP3518865 B2 JP 3518865B2 JP 2003003895 A JP2003003895 A JP 2003003895A JP 2003003895 A JP2003003895 A JP 2003003895A JP 3518865 B2 JP3518865 B2 JP 3518865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子を用
いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、面状に展開した複数の電子放
出素子と、この電子放出素子から放出された電子線の照
射により画像を形成する画像形成部材(例えば、蛍光
体、レジスト材等、電子が衝突することで発光、変色、
帯電、変質等する部材)とを各々相対向させた薄型の画
像形成装置がある。この画像形成装置の一例として、図
35、図36に、従来の電子線ディスプレー装置の該略
構成図を示す。ここで、図36は、図35におけるA−
A’断面図である。
【0003】図35、図36に示される従来の電子線デ
ィスプレー装置の構成について詳述すると、図中、10
1はリアプレート、111は外枠、109はフェースプ
レートであり、これらにより外囲器を形成し、外囲器内
を真空に保持する。103aおよび103bは電極、1
04は電子放出部であり、これらにより電子放出素子1
05が形成されている。102a(走査電極)および1
02b(情報信号電極)は配線電極であり、それぞれ電
極103a、103bに接続されている。106はガラ
ス基板、107は透明電極、108は蛍光体(画像形成
部材)であり、これらによりフェースプレート109が
形成されている。また、112は蛍光体の輝点であり、
110は大気圧を支持するための支持部材である。以上
の電子線ディスプレー装置は、XYマトリックス状に配
置された走査電極102aと情報信号電極102bに所
定の信号電圧を印加することにより、情報信号に応じた
電子線を画像形成部材である所望の蛍光体108に衝突
させ、画像表示が行われる。また、上記電子放出素子1
05としては、電子放出部104を加熱することで電子
放出させる熱電子放出素子や、USP3,755,70
4号およびUSP4,904,895号で技術開示され
た電界放出素子、または、USP5,066,883号
で技術開示された表面伝導形放出素子が利用できる。
【0004】ここで、上記の平面型の電子線ディスプレ
ー装置において、外囲器内は真空に保持されているの
で、リアプレート101およびフェースプレート109
には、大気圧がかかり、この大気圧を支持するために、
図36に示される様に、リアプレート101とフェース
プレート109との間に支持部材110が配置されてい
る。また、該支持部材110は蛍光体108(あるいは
透明電極107)と電子放出素子105との間に印加さ
れている高電圧の耐圧性を持たせるために、通常、絶縁
性材料にて形成されている。係る支持部材は、電子線デ
ィスプレー装置が大画面になる程、大気圧が大きくなる
ので、装置全体の構成の簡素化、小型化および軽量化の
上で、必要不可欠の構成部材となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の電子線ディスプレー装置においては、図35、図
36に示される様に、支持部材110は絶縁性材料にて
形成されているため、該装置の駆動により、係る支持部
材に不測の電子線やイオンが衝突し、該支持部材表面が
帯電してしまう為に、以下の様な問題点を生じていた。
即ち、(1)電子線の軌道が曲げられ、画素内の所望の
蛍光体への電子線照射量が変化し、輝度ムラおよび色ム
ラを生じる。更に、上記帯電量が大きい場合には、電子
線が所望の蛍光体に衝突せず、これと隣接する蛍光体へ
の不測の照射を招きクロストークを生じる。(2)支持
部材の帯電量が時間とともに変化する為、電子線の軌道
が時間とともに変化し、輝度の経時的揺らぎを生じる。
(3)帯電した支持部材から放電が発生し、係る放電に
より、電子放出素子がダメージを受けたり、該支持部材
の電気絶縁性を低下させる。
【0006】上記、支持部材の電子線による帯電を防止
する方法として、例えば、図37(断面図)に示す様
に、支持部材110の絶縁性材料部分の周囲を金属カバ
ー113で覆う等の方法が採られていた(特開昭64−
41150号公報)。図37において、114は金属カ
バー113を支持部材110に保持する為の部材であ
る。該金属カバー113は、電気的に透明電極107に
接続されており、よって、該金属カバー113には、透
明電極107(蛍光体108)に印加される電圧と同じ
電圧が印加されることとなり、透明電極107と同電位
に保たれる。ここで、透明電極107には一般に、電子
線を捕捉し得る高電位が印加される為、かような高電位
の金属カバーが電子放出素子105近傍に配置される
と、電子放出素子105から放出される電子線の軌道が
金属カバー113側に曲げられ、以下の様な新たな問題
点を生じてしまう。即ち、(4)電子線の一部が金属カ
バーに捕捉されて、蛍光体に照射される電子線の量が低
減し、係る支持部材近傍に設けられた蛍光体は暗くな
り、輝度ムラを生じる。(5)透明電極(蛍光体)に印
加する電圧を一定値以上に上げられない為、輝度が暗
く、赤および青色発光の蛍光体を使用できないので、フ
ルカラー画像の表示ができない。
【0007】従って、本発明の目的は、大気圧に対して
十分な支持構造を有し、クロストークを防止し、且つ、
画像コントラストまたは輝度の均一性の向上した画像形
成装置を提供することにある。更に、本発明の目的は、
輝度の経時的揺らぎを防止した安定な画像形成装置を提
供することにある。更に、本発明の目的は、高コントラ
ストまたは高輝度のカラー画像の得られる画像形成装置
を提供することにある。更に、本発明の目的は、支持部
材の放電を防止し、長寿命の画像形成装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明に係る第1の画像
形成装置は、外囲器内に、電極間に電圧を印加すること
により電子放出する電子放出素子と、該電子放出素子か
ら放出される電子線の照射により画像形成する画像形成
部材と、該外囲器を支持し、端部及び側部に導電性
有する支持部材とを備える画像形成装置であって、該支
持部材は該端部導電性膜を介して該電極の一つに電気
的に接続されていることを特徴とする。さらに、本発明
に係る第2の画像形成装置は、外囲器内に、電極間に電
圧を印加することにより電子放出する複数の電子放出素
子と、該複数の電子放出素子を接続する複数の配線と、
該電子放出素子から放出される電子線の照射により画像
形成する画像形成部材と、該外囲器を支持し、端部及び
側部に導電性膜を有する支持部材とを備える画像形成装
置であって、該支持部材は該端部の導電性膜を介して該
配線の一つに電気的に接続されていることを特徴とす
る。
【0009】
【作用】以下、本発明について詳述する。本発明の主た
る特徴は、上述の如く、支持部材として、特定の電位に
制御された支持部材を配置することにある。即ち、本発
明に係る支持部材は、外囲器の耐大気圧性の向上、およ
び、支持部材表面の帯電を防止することのみならず、電
子放出素子から放出される電子線の画像形成部材までの
飛翔軌道および飛翔量の経時的揺らぎを抑制し、電子線
の、所定の画像形成部材への効率的な照射を補足する機
能をも兼ね備えるものである。
【0010】本発明者等はまず、画像形成装置に上記機
能を付与するにあたって、係る機能の付与は、装置の画
像形成面が大型(大画面)になればなる程必要不可欠と
なること、更には、装置が大画面になればなる程支持部
材が必要不可欠の構成部材となることに鑑み、支持部材
に上記機能を兼備せしめることが、装置全体の構成の簡
素化、小型化、軽量化の上で最適であることを知見し
た。更に、本発明者等は、支持部材に上記機能を兼備せ
しめる際、支持部材にどの程度の電位を印加せしめるこ
とが最適であるかについて、以下に示す検討を行った。
【0011】上記検討を図3に示す評価装置を用いて行
った。図3において、25aおよび25bは蛍光体、2
4aおよび24bは該蛍光体25a、25bへの電子線
の捕捉を促す為の透明電極、28は該各透明電極に電圧
1 を印加する為の電源、22はフェースプレート、2
9aと29bは各蛍光体に流れる電流(蛍光体25aに
流れる電流を画素電流I1 、蛍光体25bに流れる電流
をクロストーク電流I2 と以後言う)を測定する為の電
流計、20は電子放出素子で、蛍光体25a側と相対向
してリヤプレート23上に配置されている。また、21
は電子放出素子20に電圧V2 を印加する為の電源、2
6は支持部材で、電子放出素子20の近傍に適当に配置
され、後述する様に、絶縁性材料で形成されているか、
導電性材料で形成されているかいずれかである。27は
支持部材が導電性材料で形成されている場合に、該支持
部材に電位V3 を印加する為の電源である。
【0012】上記図3の評価装置を用いて、以下の評価
を行った。まず電子放出素子として、(イ)実施例にて
後述する表面伝導形放出素子、(ロ)USP3,75
5,704号に記載の縦型電界放出素子、(ハ)USP
4,904,895号に記載の横型電界放出素子を用い
た。ここで、上記電子放出素子(ロ)、(ハ)の概略構
成図をそれぞれ図4、図5に示す。図4(断面図)に示
す縦型電界放出素子は、基板30上に、絶縁層32を介
して積層された一対の低電位側電極31aおよび高電位
側電極31bと、該高電位側電極31bおよび絶縁層3
2の開口部34に、該低電位側電極31aに電気的に接
続して配置された電子放出部33より形成され、該電極
31aおよび31b間に、所定の電圧を印加することに
より、該電子放出部33から電子線を放出する素子であ
る。また、図5に示す横型電界放出素子は、基板40上
に並設された一対の低電位側電極41aおよび高電位側
電極41bと、該低電位側電極41aに電気的に接続さ
れ、基板40に平行且つ非接触に配置された電子放出部
43より形成され、該電極41aおよび41b間に、所
定電圧を印加することにより、該電子放出部から電子線
を放出する素子である。また、電子放出素子(ロ)、
(ハ)は、上記一対の電極間に、一般に50V〜200
Vもの高電圧を印加することで、電子放出部の先鋭端よ
り電子放出するもので、印加電圧が高い為に、高電位側
電極31bおよび41b方向に速度成分を得て電子線は
飛翔する。
【0013】(評価I−1) 上記(イ)の電子放出素子20、および、絶縁性材料か
らなる支持部材26を用い、V1 を1kV〜4kV、V
2 を5V〜30V、装置内の真空度を2×10-5〜3×
10-7torrのそれぞれ範囲内から任意に設定し、そ
のときの上記画素電流I1 、および、上記クロストーク
電流I2 の経時変化について評価した。評価結果を図6
に示す。
【0014】図6から明らかな様に、絶縁性支持部材を
用いた場合には、一定時間(T1 )以上の駆動により、
画素電流I1 は急激な減少を生じ、更に、一定時間(T
2 )経過後は、クロストーク電流I2 の急激な増加を生
じた。ここで、T1 およびT2 は、装置内の真空度、V
1 、およびV2 の上記各設定値に依存するが、上記範囲
内のこれら設定値において、T1 は1秒〜60分、T2
は数分〜120分の範囲で、図6に示すごときほぼ同様
の傾向を示した。このような、画素電流I1 の減少およ
びクロストーク電流I2 の発生は、上記(ロ)、(ハ)
の電子放出素子においても、同様に確認された。
【0015】(評価I−2) 支持部材26として、導電性支持部材を用い、V3 を−
30V〜30Vの範囲内から任意に設定した以外は、評
価I−1と同様にして、上記画素電流I1 および、上記
クロストーク電流I2 の経時変化について評価した。評
価結果を図6に示す。
【0016】図6から明らかな様に、導電性支持部材を
用いた場合には、装置内の真空度、V1 、V2 、および
3 の上記各設定値にかかわらず、画素電流I1 および
クロストーク電流I2 の経時的変化は認められなかっ
た。これは、画像形成装置においては、画像を形成する
各画素への電子線の照射量の経時的変化、および、不測
の画素への電子線照射を生せず、よって、画像コントラ
ストまたは画像輝度の均一性に優れ、更にはクロストー
クを生じないことを意味する。
【0017】(評価II−1) 上記(イ)の電子放出素子20、および、導電性材料か
らなる支持部材26を用い、装置内の真空度、V1 およ
びV2 をそれぞれ評価I−1と同様の範囲内から任意に
設定し、V3 を−30Vから30Vまで変化させたとき
の上記画素電流I1 を測定した。結果を図7に示す。
【0018】(評価II−2) 電子放出素子20として、上記(ロ)の電子放出素子を
用い、V2 を50V〜200Vの範囲内から任意に設定
し、V3 を−50Vから200Vまで変化させた以外は
評価II−1と同様に上記画素電流I1 を測定した。結
果を図7に示す。
【0019】(評価II−3) 電子放出素子20として、上記(ハ)の電子放出素子を
用いた以外は評価II−2と同様に上記画素電流I1
測定した。結果を図7に示す。
【0020】以上の評価II−1〜3の結果を図7に示
す。但し、同図において、Ieは、上記それぞれの各条
件において得られた最大の画素電流値、Vdは、上記そ
れぞれの各条件において設定されたV3 値(即ち、本発
明においては、電子放出素子の低電位側電極を0Vに設
定してあるから、この値は、用いた電子放出素子に印加
された最大電位値に等しい)をそれぞれ意味する。
【0021】図7から明らかな様に、グラフの各曲線
は、電子放出素子の種類、および、装置内の真空度、V
1 、V2 の上記各範囲内における設定値にかかわりな
く、V3=0V、とV3 =Vdに2つの変曲点を有す
る。即ち、V3 が0V以下では、画素電流I1 はほぼI
eで変化せず、V3 が0V〜Vdの範囲では画素電流I
1のわずかな減少を呈するにとどまるが、V3 がVdを
越えると、画素電流I1の著しい減少を呈するようにな
る。
【0022】本発明者等は、上述の如く、電子線の画像
形成部材への照射効率および、隣接画像形成部材への予
期せぬ電子線照射(クロストーク)の問題は、用いる電
子放出素子に印加される電子放出電圧(V2 )と支持部
材に印加される電位(V3 )との関係に大きく起因する
ことを知見し、上述のごとく、支持部材を、少なくとも
電子放出素子に印加される最大電位(Vd)以下の電位
に制御することが、上記照射効率およびクロストークの
問題を飛躍的に改善し得ることを見出し本発明に至っ
た。
【0023】上記支持部材の電位を制御するための手段
は、(a)電子放出素子に電子放出電圧を印加する為の
電圧印加手段、(b)電子放出素子に電子放出電圧を印
加する為の電圧印加手段とは独立して設けられた別の電
圧印加手段に大別される。
【0024】上記(a)においては、該支持部材を電子
放出素子電極(電子放出部に電圧を印加する一対の電
極)の一つに電気的に接続させておくことで、該支持部
材の電位は、上記所望の電位に制御される。更にこの場
合、上述の検討結果から明らかなように、電子放出素子
電極のうちの低電位側電極に接続させておく方が好まし
い。
【0025】上記(b)においては、該支持部材を上記
所望の電位に制御し得る、装置内の別の電圧印加手段を
兼用して良いが、専用の電圧印加手段を独立に配置し、
これと支持部材とを電気的に接続させておいても良い。
更にこれらの場合、上述の検討結果から明らかなよう
に、0V以下(電子放出素子の低電位側電極の電位以
下)の電圧を印加する手段であることが好ましい。
【0026】本発明の画像形成装置のその他の構成部材
について以下に詳述する。本発明の画像形成装置におい
て、まず、電子放出素子は従来より画像形成装置の電子
源として用いられているものであれば、熱陰極、冷陰極
のいずれであっても良いが、熱陰極の場合には、それが
配置される基体への熱拡散により電子放出効率および応
答速度が低下する。また、熱による画像形成部材の変質
が考えられるため熱陰極と画像形成部材を高密度に配置
するには限界がある。以上の点を考慮するならば、本発
明においては、電子放出素子として好ましくは、後述す
る表面伝導形放出素子、半導体電子放出素子、電界電子
放出素子等の冷陰極であるほうが望ましく、特に、これ
ら冷陰極の中でも、表面伝導形放出素子と呼ばれる電子
放出素子を用いた方が、本発明の画像形成装置におい
て、(1)高い電子放出効率が得られる、(2)素子構
造が簡単であるため、製造が容易で、同一基板上に多数
の素子を配列形成できる、(3)応答速度が速い、
(4)輝度コントラストが一層優れている、等の利点を
有するので特に好ましい。
【0027】ここで、表面伝導形放出素子とは、例え
ば、エム アイ エリンソン(M.I.Elinso
n)等によって発表された冷陰極素子が知られている
[ラジオエンジニアリング エレクトロン フィジック
ス(Radio Eng.Electron Phy
s.)第10巻、1290〜1296頁、1965
年]。これは、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜
内に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現
象を利用するもので、一般には表面伝導形電子放出素子
と呼ばれている。この表面伝導形電子放出素子として
は、前記エリンソン等により開発された、SnO2 (S
b)薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[ジー・デ
ィトマー“スイン ソリド フィルムス”(G.Dit
tmer:“ThinSolid Films”)第9
巻、317頁、1972年]、ITO薄膜によるもの
[エム ハートウエル アンド シージーフォンスタッ
ド“アイイーイーイートランスイーディーコンファレ
ン”(M.Hartwell and C.G.Fon
stad;“IEEE Trans.ED Con
f.”)519頁、1983年]等が報告されている。
【0028】これらの表面伝導形電子放出素子の典型的
な素子構成を図8に示す。同図において51aおよび5
1bは電気的接続を得るための電極、52は電子放出材
料で形成される薄膜、54は基板、53は電子放出部を
示す。従来、これらの表面伝導形電子放出素子において
は、電子放出を行なう前に予めフォーミング処理と呼ば
れる通電加熱処理によって電子放出部を形成する。即
ち、前記電極51aと電極51bの間に電圧を印加する
事により、薄膜52に通電し、これにより発生するジュ
ール熱で薄膜52を局所的に破壊、変形もしくは変質せ
しめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部53を形
成することにより電子放出機能を得ている。尚、電気的
に高抵抗な状態とは、薄膜52の一部に、0.5μm〜
5μmの長さの亀裂を有し、かつ亀裂内がいわゆる島構
造を有する不連続状態膜を言う。島構造とは一般に数十
オングストロームから数ミクロンメーター径の微粒子が
基板にあり、各微粒子は空間的に不連続で電気的には連
続な膜をいう。従来、表面伝導形電子放出素子は上述の
高抵抗不連続膜に電極51a、51bにより電圧を印加
し、素子表面に電流を流すことにより、上述微粒子より
電子を放出せしめるものである。
【0029】また、本発明者らは、USP5,066,
883において、電極間に電子を放出せしめる微粒子を
分散配置した新規な表面伝導形電子放出素子を技術開示
した。この電子放出素子は、上記従来の表面伝導形放出
素子に対し、より高い電子放出効率が得られる等の利点
を有するものである。この表面伝導形電子放出素子の典
型的な素子構成を図9に示す。図9において、51aお
よび51bは電気的接続を得るための電極、55は電子
放出せしめる、その粒子径が10Å〜10μmの範囲内
にある微粒子56が分散配置した薄膜(電子放出部)、
54は絶縁性の平面基板である。特に、図9において、
薄膜55は、103 Ω/□〜109 Ω/□のシート抵抗
を有し、電極間隔は、0.01μm〜100μmである
ことが望ましい。
【0030】上述のように、種々の形態の電子放出素子
が本発明において使用し得るが、特に、上記冷陰極、中
でもとりわけ、表面伝導形放出素子や電界放出素子等の
ように、その放出電子の初速度の大きな電子放出素子、
特に、4.0eV〜200eVの放出電子の初速度を有
する電子放出素子、或いは、表面伝導形放出素子や電界
放出素子等のように、電極間に形成された電子放出部か
ら放出される電子線が電圧印加時の高電位側電極方向に
速度成分を得て飛翔してくる為、電子線の軌道が、鉛直
方向に対して、高電位側電極方向に偏向される電子放出
素子においては、上記電子放出効率の低下およびクロス
トークはより顕著な問題として生じ、よって、とりわけ
係る電子放出素子を用いる画像形成装置において、本発
明の支持部材の電位制御技術は、極めて有効である。
【0031】また、本発明において画像形成部材は、電
子放出素子から放出された電子線の照射により、発光、
変色、帯電、変質、或いは変形等を起こす材料より形成
されたものであればいかなるものであっても良いが、例
えば、蛍光体、レジスト材料等が挙げられる。とりわ
け、画像形成部材として蛍光体が用いられる場合には、
形成される画像は発光(蛍光)画像であるが、フルカラ
ーの発光画像形成にあたっては、該画像形成部材は、レ
ッド、グリーン、ブルーの三原色発光体により形成され
る。
【0032】次に、上述の電子放出素子と画像形成部材
との配置関係は、例えば、(A)図1に示すように、電
子放出素子5と画像形成部材8とが、外囲器内の相対向
する基体面6、1に各々配置される。或いは、(B)図
17に示すように、電子放出素子75と画像形成部材7
8とが、外囲器内の同一基体71面上に並設される。こ
こで、特に、(B)の場合には、放出電子が外囲器内の
残留ガスに衝突することにより発生する正イオンの電子
放出素子への衝突が少なく、よって、電子放出素子の劣
化をかなり防止することができる為、上記(A)よりも
大きな電子放出素子寿命が得られる。また、(B)の場
合には、電子放出素子として特に、表面伝導形放出素子
や電界放出素子等のように、電子線の軌道が、鉛直方向
に対して、高電位側電極方向に偏向される電子放出素子
においては好ましい態様である。
【0033】また、本発明において支持部材は、導電性
材料から構成された部材或いはガラス等の絶縁性部材の
表面を導電性材料にて被覆したものであっても良い。更
には、支持部材は、その一部に導電性を付与したもので
あっても良く、この場合は、該導電性付与領域が少なく
とも電子放出素子の電子放出部近傍に位置するよう配置
される。
【0034】また、本発明において該支持部材は、大気
圧に対して外囲器を支持し得る様配置されれば、いかな
る配置のしかたでも良く、各電子放出部ごとに必ずしも
配置される必要はない。
【0035】また、本発明の画像形成装置において、電
子放出素子から放出される電子線を情報信号に応じて変
調(放出電子のON/OFFを含む放出電子量の制御)
を行う場合、更に、変調手段が設けられる。かかる変調
手段は、(I)図11に示されるように、電子放出素子
5と同一基体1面上に配置された変調電極18a或い
は、図15に示されるように、電子放出素子5に絶縁層
62を介して積層された変調電極60に、画像情報信号
に応じて電圧を印加し、電子放出部近傍に所望の電位面
を形成することで放出電子量を制御する手段、(II)
図1に示されるように、基体1面上にXYマトリックス
状に配置された複数の電子放出部4に対し、同様にXY
マトリックス状に配置され、該電子放出部の各々に接続
された走査電極2aと情報信号電極2bとに、画像情報
信号に応じた所望電圧を印加することで、所望の電子放
出部より選択的に電子放出させる手段、等が挙げられ
る。
【0036】以上の構成部材が外囲器内に配置される
が、該外囲器内は電子放出素子の電子放出特性の点から
10-5〜10-9torrの真空度とされ、上記支持部材
は、該真空外囲器にかかる大気圧に対して、十分な支持
構造をとるよう配置され、その形状および配置位置等は
適宜決定される。
【0037】また、本発明の画像形成装置は、以下の光
プリンターをも包含する。本発明に係る光プリンター
は、図31〜33に示すように、上述の画像形成装置の
画像形成部材を発光体で構成した装置を発光源83とし
て用い、上述の通り、情報信号に応じた発光パターンを
形成し、係る発光パターンに従い発光体から放出される
光線を被記録体(86,88,89)に照射することに
より、該被記録体が感光材である場合には感光パターン
が、また該被記録体が感熱材である場合には感熱パター
ンがそれぞれ該被記録体表面に形成される。該光プリン
ターは、被記録体を支持或いは搬送するための支持体
(例えば図31、32のドラム87、搬送ローラ85)
を有し、また、該被記録体は図33に示すように、感光
ドラム89であっても良い。
【0038】更に、本発明について、以下に具体的な実
施例を挙げて詳述する。
【0039】
【実施例】参考例1 図1、図2に本発明の第1の参考例に係る画像形成装置
を示す。図1は該画像形成装置の概略斜視図、図2は図
1のA−A’断面図である。図中、1はリアプレート、
11は外枠、9はフェースプレートであり、これらによ
り外囲器を形成している。4は電子放出部、3aおよび
3bは該電子放出部に電圧を印加する為の電極であり、
これらにより電子放出素子5を形成している。2aおよ
び2bは配線電極であり、特に、2aは走査電極、2b
は情報信号電極として用いられ、これらはそれぞれ前記
電極3aおよび3bに電気的に接続されている。6はガ
ラス基板、8は蛍光体(画像形成部材)、7は該蛍光体
に電圧を印加する為の透明電極であり、これらにより前
記フェースプレート9を形成している。12は蛍光体の
輝点、10は外囲器にかかる大気圧を支持する導電性の
支持部材、13は該導電性支持部材に所定の電位を与え
るための電源である。
【0040】同図に示す様に、電子放出素子5と画像形
成部材としての蛍光体8は、外囲器内の相対向する基体
(リアプレート1とガラス基板6)上に配置されてお
り、また、導電性支持部材10は、リアプレート1とフ
ェースプレート9にかかる大気圧を支持し得る様に、該
基体間に配置されている。ただし、図2に示す様に、該
支持部材10は、リアプレート側においては、電子放出
素子5間に配置されており、フェースプレート側におい
ては、蛍光体8および透明電極7とは電気的に非接触な
状態で配置される。つまり、該支持部材10の電位は、
まさに、電源13より印加される電位によって規定され
る。
【0041】電子放出素子5は、前述の表面伝導形放出
素子であり、これら複数の電子放出素子がXYマトリッ
クス状に配置され、すべての電子放出素子の電極3aは
走査電極2aに接続され、電極3bは情報信号電極2b
に接続されており、情報信号に応じて、該電極2aおよ
び2b間に電圧を印加することにより電子放出させる、
所謂、単純マトリックス構造を有している。
【0042】フェースプレート9を形成する透明電極7
は、不図示であるが外部の電源と接続されており、該透
明電極7を通じて、該透明電極7に隣接配置された蛍光
体8に所定電圧が印加される。この電圧は、通常、80
0V〜6kVであるが、かかる範囲に限定されるもので
はない。また、カラー画像を表示する場合には、蛍光体
8は、レッド、グリーン、ブルーの三原色蛍光体に置換
される。
【0043】次に本参考例の画像形成装置の製造方法に
ついて簡単に説明する。本参考例の画像形成装置は、
.まず、リヤプレート1としての絶縁性基板を十分洗
浄し、通常良く用いられる蒸着技術とホトリソグラフィ
ー技術により、電極3a、3bを作成し、続いて、情報
信号電極2bを同様に作成する。.次に、情報信号電
極2bと走査電極2aとの電気的絶縁を得る為に、これ
らの交点となる位置に、絶縁層を形成し(不図示)、続
いて、蒸着技術とパターニング技術(ホトリソグラフィ
ー技術、エッチング技術など)で走査電極2aを作成す
る。ここで、以上の工程、において、電極材は、電
気抵抗が十分小さくなる様な、Ni、金、またはアルミ
ニウム等を主成分とする材料で作成され、絶縁層には主
としてSiO2 などが用いられる。また、表面伝導形放
出素子においては、とりわけ、その電子放出効率の点か
ら、電極3aおよび3b間の幅G(電極ギャップ)は
0.01μm〜100μm、特に、0.1μm〜10μ
mとされるのが好ましく、本参考例においては2μmと
した。また、電子放出部4の長さLは300μm、各電
子放出素子5の配列ピッチは1.2mmとした。次に、
.ガスデポジション法を用いて、相対向する電極3a
および3b間に粒径が約100ÅのPd超微粒子膜を形
成する。超微粒子の材料としては、Pdの他にAg、A
u等の金属材料やSnO2 、In23 などの酸化物材
料が好適であり、また、表面伝導形放出素子において
は、とりわけ、その電子放出効率の点から粒径は10Å
〜10μmの範囲内に設定されることが好ましく、超微
粒子膜は、103 Ω/□〜109 Ω/□のシート抵抗と
なる様に調整されることが好ましい。また、上記ガスデ
ポジション法以外にも、例えば、有機金属を分散塗布
し、その後熱処理することにより該電極間に超微粒子膜
を形成するようにしても所望の特性が得られる。.次
に、フェースプレート9を、ガラス基板6上に、通常良
く用いられる真空蒸着技術とパターニング技術でITO
材にて透明電極7を作成し、更に、該透明電極7上に蛍
光体8を積層することで作成する。.次に、導電性支
持部材10を図2に示す様に配置する。ここで、該導電
性支持部材は感光性ガラス10aを加工し、その表面に
導電性皮膜10bを設けたものを用いた。また、該導電
性支持部材の厚さT2 は150μm、高さT1 は150
0μmとなる様に形成された。.以上のように電子放
出素子が配列されたリヤプレート1とフェースプレート
9との間に厚さが1.5mmの外枠11を配置し、フェ
ースプレート9と外枠11との間、リヤプレート1と外
枠11との間にフリットガラスを塗布し、410℃で1
0分以上焼成してそれらの間を接着する。このとき、導
電性支持部材10は、リヤプレート1に対して鉛直方向
となるように配置し、リヤプレート1とフェースプレー
ト9との間の大気圧支持柱となる様にする。.次に、
以上の様に作成された外囲器内の雰囲気を真空ポンプに
よって排気し、10-6〜10-7torrの真空度にした
後、フォーミング処理を行い、そして該外囲器の封止を
行う。
【0044】次に、以上述べた本参考例の画像形成装置
の駆動方法について説明する。まず、複数の電子放出素
子が接続された複数の走査電極2aの内、所望の1ライ
ンに対して14Vの電子放出電圧を、他のラインに対し
て電子放出電圧の1/2(7V)の電圧をそれぞれ印加
するとともに、画像の上記1ライン分の情報信号に応じ
て、電子放出させる素子が接続された情報信号電極2b
には0Vの電圧を、他の電子放出素子が接続された情報
信号電極2bには電子放出電圧の1/2(7V)の電圧
を、それぞれ印加する。かかる動作を隣接走査電極2a
に対して順次行うことにより1画像分の電子放出を行
い、蛍光体8による発光画像が得られる。ここで、装置
内の導電性支持部材10は、電源13によって、電子放
出素子に印加される最大電位である14V以下の電位に
あらかじめ設定される。
【0045】以上述べた本参考例の画像形成装置によれ
ば、輝度ムラがなく、経時的な輝度の変化もない、極め
て安定した発光画像が形成された。しかも、装置の駆動
中に、電子放出素子に致命的ダメージを与えるような放
電も発生せず、長寿命の画像表示が可能であった。ま
た、蛍光体電圧も1kV以上に設定することができ、装
置内の蛍光体8を三原色蛍光体に置き換えることで、カ
ラー画像表示も可能であった。
【0046】参考例2参考例の画像形成装置は、参考例1の導電性支持部材
10の構成を、図10(断面図)に示す様に変更した以
外は、参考例1と同様に作成された。即ち、本参考例の
導電性支持部材15は、導電性付与領域(導電性皮膜1
5b)が電子放出素子5近傍にのみ位置するように形成
されたもので、蛍光体8近傍には導電性皮膜15bは被
覆されていない。
【0047】本参考例においても、参考例1と同様な効
果が確認された。更には、導電性支持部材15の蛍光体
8近傍が絶縁性領域(感光性ガラス15a)であるた
め、透明電極7による蛍光体電圧を参考例1よりもより
高く設定することが可能であり、よって、より一層高輝
度の画像表示が可能となり、カラー画像もまた、より一
層容易に得ることができた。
【0048】実施例1 図11に、本実施例の画像形成装置の概略的斜視図、図
12に、図11のA−A’断面図を示す。
【0049】図11、図12において、17aと17b
は電子放出素子5の配線電極であり、それぞれ電極3
a、3bに接続されている。また、該配線電極17a、
17b間には、複数の電子放出素子(表面伝導形放出素
子)5が配置され、リヤプレート1上に、ライン状の電
子源が複数ライン形成されている。18aは情報信号に
応じて、電子放出素子から放出される電子線のON/O
FFを制御する為の変調電極であり、該ライン状の電子
源に対して、XYマトリックス状に配置されている。こ
こで、不図示であるが、該配線電極17a、17bと変
調電極18aとは、絶縁性材料によって、電気的に絶縁
されている。また、16は導電性支持部材であり、電極
3b上に配置され、該導電性支持部材16の表面が該電
極3bと同電位になる様に電気的に接続されている。
尚、以上の本実施例の画像形成装置は、参考例1とほぼ
同様の方法で作成された。
【0050】次に、本実施例の画像形成装置の駆動方法
について説明する。蛍光体8に透明電極7を通じて0.
8〜6.0kVの電圧を印加する。また、所望の上記ラ
イン状電子源に、配線電極17aを0Vに、配線電極1
7bを14Vとすることで電圧を印加するとともに、表
示画像の1ライン分の情報信号に応じて、複数の変調電
極18aに所定の電圧を印加して、情報信号に応じた所
望の電子放出素子より電子線を放出させる。ここで、導
電性支持部材16の電位は、配線電極17bおよび電極
3bを通じ、電子放出素子5に印加される最大電位14
Vに制御される。また、該変調電極に印加する電圧に関
しては、−50V以下で電子線をオフ制御でき、20V
以上でオン制御が可能であった。また、−60V〜40
Vの間で電子線の放出電子量を連続的に変化させること
ができ、諧調表示も可能であった。
【0051】かかる動作を隣接するライン状の電子源に
対して順次行うことにより1画像分の電子放出を行い、
蛍光体による発光画像が得られた。
【0052】以上述べた本実施例の画像形成装置によれ
ば、参考例1とほぼ同様に、輝度ムラがなく、経時的な
輝度の変化もない、極めて安定した発光画像が形成され
た。しかも、装置の駆動中に、電子放出素子に致命的ダ
メージを与えるような放電も発生せず、長寿命の画像表
示が可能であった。また、蛍光体電圧も1kV以上に設
定することができ、装置内の蛍光体を三原色蛍光体に置
き換えることで、カラー画像表示も可能であった。更に
は、本実施例の画像形成装置は、参考例1と比較し、導
電性支持部材16の電位を規定するための電源を別個必
要としない為、装置の簡易化がより計られ、安価に作成
できる。
【0053】実施例2 本実施例においては、実施例における配線電極への印
加電圧を、配線電極17bを0Vに、配線電極17aを
14Vにした以外は全く同様に、実施例の画像形成装
置を駆動した。即ち、本実施例においては、導電性支持
部材16の電位は、配線電極17bおよび電極3b(低
電位側電極)を通じ、0Vに制御される。
【0054】本実施例の画像形成装置によれば、実施例
とほぼ同様の効果が確認できた他、実施例に比較し
て、変調電極18aに印加する電圧を全体的により低く
設定しても、ほぼ同質の表示画像を得ることができた。
【0055】実施例3 図13に、本実施例の画像形成装置の概略的斜視図、図
14に、図13のA−A’の断面図を示す。図中、18
bが変調電極、19が導電性支持部材である。本実施例
の画像形成装置は、実施例における変調電極18a
を、図13の18bで示す様に、電子放出素子の両側を
囲む様に配置し、更には、実施例における導電性支持
部材を、図13の19で示す様に、配線電極17a上に
該導電性支持部材の表面が該配線電極17aと同電位と
なる様に電気的に接続されている点を除いて、実施例
と同様の構成を有している。
【0056】また、本実施例の画像形成装置も実施例
と同様の方法にて駆動される。ここで、導電性支持部材
19の電位は、配線電極17aを通じ、電子放出素子5
に印加される最大電位14Vに制御される。
【0057】以上述べた本実施例の画像形成装置によれ
ば、実施例とほぼ同様に、輝度ムラがなく、経時的な
輝度の変化もない、極めて安定した発光画像が形成され
た。しかも、装置の駆動中に、電子放出素子に致命的ダ
メージを与えるような放電も発生せず、長寿命の画像表
示が可能であった。また、蛍光体電圧も1kV以上に設
定することができ、装置内の蛍光体8を三原色蛍光体に
置き換えることで、カラー画像表示も可能であった。更
には、実施例に比較して、変調電極18bに印加する
電圧を全体的により低く設定しても、ほぼ同質の表示画
像を得ることができた。
【0058】実施例4 本実施例においては、実施例における配線電極への印
加電圧を、配線電極17bを14Vに、配線電極17a
を0Vにした以外は全く同様に、実施例の画像形成装
置を駆動した。即ち、本実施例においては、導電性支持
部材19の電位は、配線電極17a(低電位側電極)を
通じ、0Vに制御される。本実施例の画像形成装置によ
れば、実施例とほぼ同様の効果が確認できた他、実施
に比較して、より、均一な表示画像を得ることがで
きた。
【0059】実施例5 図15に、本実施例の画像形成装置の概略的斜視図、図
16に、図15のA−A’の断面図を示す。図中、60
が変調電極、62は絶縁層、61が導電性支持部材であ
る。本実施例の画像形成装置は、変調電極60を絶縁層
62を介して、電子放出素子5の下部に設けた点を除い
て、実施例と同様の構成を有し、また、実施例と同
様の方法にて駆動される。ここで、導電性支持部材61
の電位は、配線電極17aを通じ、電子放出素子5に印
加される最大電位14Vに制御される。
【0060】以上述べた本実施例の画像形成装置によれ
ば、実施例とほぼ同様に、輝度ムラがなく、経時的な
輝度の変化もない、極めて安定した発光画像が形成され
た。しかも、装置の駆動中に、電子放出素子に致命的ダ
メージを与えるような放電も発生せず、長寿命の画像表
示が可能であった。また、蛍光体電圧も1kV以上に設
定することができ、装置内の蛍光体8を三原色蛍光体に
置き換えることで、カラー画像表示も可能であった。
【0061】実施例6 本実施例においては、実施例における配線電極への印
加電圧を、配線電極17bを14Vに、配線電極17a
を0Vにした以外は全く同様に、実施例の画像形成装
置を駆動した。即ち、本実施例においては、導電性支持
部材61の電位は、配線電極17a(低電位側電極)を
通じ、0Vに制御される。本実施例の画像形成装置によ
れば、実施例とほぼ同様の効果が確認できた他、実施
に比較して、より、均一な表示画像を得ることがで
きた。
【0062】実施例7 図17は本発明の第の実施例に係る画像形成装置の斜
視図、図18は図17の断面図、そして図19は図17
の1つの電子放出素子部分の断面図である。これらの図
に示すように、この装置は、相対向する正側(高電位
側)および負側(低電位側)の電極73aおよび73b
を有しこれら電極間に電圧が印加されることにより電子
を放出する電子放出素子75と、電子放出素子75から
放出される電子線の照射により画像形成する画像形成部
材78とを備え、電子放出素子75および画像形成部材
78は絶縁性基板71上に並設されるとともに、絶縁性
基板71、支持枠80、およびフェースプレート79を
含んで構成される真空容器(外面器)に加えられる大気
圧のほぼ基板71に垂直な成分を支持する導電性部材壁
(大気圧支持部材)76を少なくともその端部の一部が
負側電極73bの一部の上に位置するように具備する。
導電性部材壁76は負側電極73bと電気的に接続して
いるため、負側電極73bと等電位(0V)に設定され
る。
【0063】電子放出素子75は複数が行列状に配置さ
れ、各列ごとに正側および負側の電極73aおよび73
bがそれぞれ素子配線電極72aおよび72bによって
接続されている。そして、1つの素子配線電極72aお
よび72bによって接続された各電子放出素子75によ
って、同時に駆動される1つの電子放出素子列を形成し
ている。
【0064】画像形成部材78は、蛍光体で構成され、
各電子放出素子に対応して形成される。そして前記電子
放出素子列に直交する方向に、列ごとに接続された画像
形成部材列をなしている。この列ごとの接続は、各画像
形成部材78の下部に配置された画像形成部材配線電極
77によって行われ、画像形成部材配線電極77を介し
て各画像形成部材78に電圧が印加されるようになって
いる。画像形成部材配線電極77と素子配線電極72
a、72bとの間にはこれらの間の電気的な絶縁を保持
するための絶縁体膜が配置される。なお、カラー画像を
形成する場合は、R(レッド)、G(グリーン)、B
(ブルー)の蛍光体による画像形成部材78が順次配置
される。
【0065】電子放出素子75は、正側および負側の電
極73aおよび73b間に電子放出部74を有し、これ
ら電極間に電圧を印加することにより電子放出部74よ
り電子を放出するものであり、冷陰極型の表面伝導形の
ものである。フェースプレート79は透明であり、絶縁
性基板71に対し、外枠80によって支持される。これ
らフェースプレート79、絶縁性基板71および外枠8
0によってパネル容器(外囲器)が構成され、容器内
は、電子放出素子の電子放出特性の点から10-5〜10
-7torrの真空度とされる。
【0066】次に、装置の製造方法を説明する。まず絶
縁性基板71を十分洗浄し、通常良く用いられる蒸着技
術とホトリソグラフィー技術により、素子電極73aお
よび73b、ならびに画像形成部材配線電極77を、N
iを主成分とする材料で作製する。これら電極は、電気
抵抗が十分小さくなるように作製しさえすれば、いかな
る材料を用いてもかまわない。
【0067】次に、画像形成部材配線電極77と素子配
線電極72aおよび72bとの間の電気的絶縁をとるた
めの絶縁層を画像形成部材配線電極77上の素子配線電
極72aおよび72bに対応する位置に、薄膜および厚
膜製膜技術によりSiO2 を用いて形成する。絶縁層の
厚さは、ここでは5μmとする。
【0068】次に、蒸着技術とエッチング技術により素
子配線電極72aおよび72bをNiを主成分とする材
料で作製する。このとき、素子電極73aおよび73b
を、素子配線電極72aおよび72bで接続し、素子電
極73aおよび73bが相対向する電子放出部74を形
成するようにする。素子電極73aおよび73b間の電
極ギャップG(図19参照)は表面伝導形放出素子にお
いては、その電子放出効率の点から、0.01μm〜1
00μm、特に0.1〜10μmが好適であり、ここで
は2μmに形成する。電子放出部74に対応する対向部
分の長さL(図17参照)は300μmとなるように形
成する。素子電極73aおよび73bの幅S2(図19
参照)は狭い方が望ましいが、実際には、1〜100μ
mがより好ましく、さらに1〜50μmが最も好まし
い。ここでは、図19に示す、素子電極73aとそれに
隣接する画像形成部材78までの距離S1を80μm、
素子電極73aおよび73bの幅S2を50μm、そし
て素子電極73bとそれに隣接する画像形成部材78と
の距離S3を200μmとする。また、各素子配線電極
72aおよび72bの配列ピッチは1mm、電子放出部
74の配列ピッチは1mmとする。
【0069】次に、ガスデポジション法を用いて相対向
する電極間に超微粒子膜を設けることにより電子放出部
74を形成する。超微粒子の材料にはPdを用いる。そ
の他の材料としてAg、Au等の金属材料やSnO2
In23 等の酸化物材料が好適であるが、これに限定
されるものではない。また、表面伝導形放出素子におい
ては、とりわけその電子放出効率の点から粒径は、10
Å〜1.0μmの範囲内に設定されるのが好ましく、超
微粒子膜は、103 Ω/□〜109 Ω/□のシート抵抗
となる様調整される。本実施例ではPd粒子の直径を約
100Åに設定した。また、ガスデポジション法以外に
も、例えば有機金属を分散塗布し、その後熱処理するこ
とにより電極間に超微粒子膜を形成するようにしても所
望の特性が得られる。
【0070】次に、印刷法により、蛍光体から成る画像
形成部材78を、ほぼ10μmの厚さで作製する。スラ
リー法、沈殿法等他の方法により、蛍光体から成る画像
形成部材78を形成しても良い。
【0071】次に、導電性部材壁76を負極側の素子電
極73b上に配置する。大気圧支持部材76は導電性の
材料で構成されるが、ここでは、通常良く用いられる感
光性ガラスを加工し、その表面全体に電極を設けたもの
を用いる。しかし、これに限るものではなく金属部材を
所定の大きさに加工したもの等でもよい。導電性部材壁
76の厚さT2 は150μm、高さT1 は1200μm
となるように形成する(図18参照)。
【0072】そして、このようにして電子放出素子等が
形成された絶縁性基板71と、フェースプレート79と
の間に厚さ約1.2mmの外枠80を配置し、フェース
プレート79と外枠80との間、および絶縁性基板71
と外枠80との間にフリットガラスを塗布し、そして4
30℃で10分以上焼成してそれらの間を接着する。こ
のとき、導電性支持部材76は図18に示すように、絶
縁性基板71に対して鉛直方向となるように配置し、絶
縁性基板71とフェースプレート79間の大気圧支持柱
となるようにする。
【0073】このようにしてガラス容器が完成すると、
容器内の雰囲気を真空ポンプによって排気し、十分な真
空度にした後、フォーミング処理を行い、そしてガラス
容器の封止を行う。このときの真空度は、一層安定な動
作を得るために十分な10-6〜10-7torrとする。
【0074】次に、装置の動作について説明する。上記
構成において、ある電子放出素子列の素子配線電極72
bに0V、対応する素子配線電極72aに14Vの電圧
パルスが印加されるとそれらに接続された電子放出素子
75から電子が放出される。このとき、導電性支持部材
76には負側素子電極73bを介して0Vの電圧が印加
される。また、各画像形成部材78には、その電子放出
素子列の情報信号に対応する電圧が画像形成部材配線電
極77を介して印加される。
【0075】各電子放出素子75から放出された電子ビ
ームは、その正側の電極73a方向に偏向されて飛翔
し、さらに、その正側の電極73aに隣接する画像形成
部材78に印加される電圧によりON/OFF制御され
る。すなわち、対応する画像形成部材78に正の高電圧
が印加されているとすれば、画像形成部材78側に引き
付けられて画像形成部材78に衝突してその発光体を発
光させ、ON状態を生じさせる。また、画像形成部材7
8に正の比較的低い電圧が印加されているとすれば、画
像形成部材78は発光せず、OFF状態を示す。この画
像形成部材78に印加される電圧は、ここでは、10〜
1000Vの範囲の値を有するものであるが、使用する
蛍光体の種類や、必要な輝度によって決まる値であり、
特に上記値の範囲に限定されない。これにより、その電
子放出素子列に対応する画像形成部材78によって、情
報信号に応じた1ライン分の表示が行われる。
【0076】次に、隣の電子放出素子列の素子配線電極
72b、72aに14Vの電圧パルスが印加され、同様
にして次の1ライン分の表示が行われる。さらにこれが
順次行われ、一画面分の画像が形成される。すなわち、
素子配線電極群を走査電極とし、これと画像形成部材列
とでXYマトリックスが形成され、画像表示が行われ
る。
【0077】ここで、本実施例の場合のように高精細化
し、あるいは画像形成部材78への印加電圧を高くする
と、導電性部材壁76を有しない場合、その他は上記構
成と同一であるとしても、同様にして駆動すると、図2
0に示すように、電子放出素子75から放出された電子
ビームeが2画素分の画像形成部材78に衝突するとい
う、いわゆるクロストークの問題が生じる。しかし、本
実施例においては、図18に示すように、導電性支持部
材76が各画素間に配置されているため、クロストーク
が発生しない。しかも、導電性支持部材76が負極側の
素子電極73bに接続されているため、電子放出素子7
5から放出された電子ビームeが有効に画像形成部材7
8に衝突させられる。したがって、より精細度の高い画
像を得ることができる。
【0078】これによれば、表面伝導形放出素子75
は、100ピコ秒以下の電圧パルスに応答して駆動でき
るので、30分の1秒で1画面分の画像表示を行うとす
れば、1万本以上の走査線が形成可能である。
【0079】また、電子放出素子75と画像形成部材7
8とが同一の基板71上に形成されかつ電子ビームが画
像形成部材78に印加される電圧によって画像形成部材
に衝突するため、電子放出素子75がイオン衝撃により
破壊されて輝度むらが発生することがなく長期にわたっ
て均一な画像表示が行われる。すなわち、表面伝導形電
子放出素子においては数エレクトロンボルトの初速度を
持った電子が真空中に放出されるが、このような素子を
用いた場合の変調が極めて有効に行われる。
【0080】また、装置の製造においては、電子放出素
子75と画像形成部材78とのアライメントが容易で、
かつ、薄膜製造技術を用いることができるため、大画面
で高精細なディスプレイが安価に得られる。また、電子
放出部74と画像形成部材78の間隔を極めて精度良く
作製することができるため、輝度むらのない極めて一様
な画像表示装置が得られる。
【0081】また、容器内を真空排気すると、フェース
プレート79および絶縁性基板71は大気圧で押圧され
るが、この押圧力が加えられたフェースプレート79お
よび絶縁性基板71間は導電性支持部材76によって押
圧力に対抗して支持される。したがって、フェースプレ
ート79および絶縁性基板71はより薄い部材を用いて
構成することができ、これにより、装置をより軽量に作
製し、また容易に大画面化することができる。
【0082】実施例8 図21は、本発明の第の実施例に係る画像表示装置の
斜視図、そして図22はその断面図である。この装置
は、実施例の装置に対し、さらにフェースプレート7
9の基板71に対向する面上に、透明電極81を設け、
かつ導電性支持部材76と透明電極81との間に絶縁体
82を設けたものである。また、不図示ではあるが、透
明電極81に電圧を印加するための電源を備える。透明
電極81にはITO(Indium Tin Oxid
e)膜を用いるが、これに限るものではない。また、絶
縁体82は、透明電極81と導電性部材壁76との間の
電気的絶縁をとるもので、導電性部材壁76の幅T2と
同程度の大きさであることが望ましい。その他は、実施
の装置と同様の構成を有し、同様にして作製され
る。
【0083】透明電極81に印加する電圧は、電子放出
素子75から放出された電子ビームが均一に画像形成部
材78上に衝突するような値に設定するのが望ましく、
電子放出素子75と画像形成部材78に印加する電圧や
電子放出素子75の構造によって異なるが、一般に0V
から画像形成部材78に印加する電圧までの値で設定さ
れる。
【0084】この装置を、実施例の場合と同様に駆動
して評価したところ、実施例の場合と同様な効果が得
られるばかりでなく、画像形成部材78により均一な電
子が衝突するため、より高精細で、高画質の画像表示が
行われた。
【0085】参考例3 図23は本発明の第参考例に係る画像表示装置の斜
視図、図24は図23の断面図、そして図25は図24
の1つの電子放出素子部分の断面図である。この装置
は、導電性部材壁76を、その下端部が、負側電極73
b上でなく、負側電極73bとそれに隣接する画像形成
部材78との間の絶縁性基板71上に位置するように配
置するとともに、上端を、絶縁体82を介さずに直接、
透明電極(電位規定電極)81に接するようにした以外
は、実施例の装置と同様の構成を有し、同様にして作
製される。したがって、導電支持部材76は、透明電極
81と等電位になる。
【0086】駆動時には、不図示の外部電源によって透
明電極81は、あらかじめ実施例の場合と同様の範囲
であって、実用的には画像形成部材78の蛍光体の輝度
や輝点の均一性が良好となるような電圧値に設定され
る。そして、実施例の場合と同様にして駆動すること
ができる。その際、実施例の場合と同様に電子ビーム
eの軌跡は図24のようになり、導電性部材壁76のな
い図26の場合と比較してクロストークがなく、さらに
透明電極81の作用も加わって、実施例の場合と同様
の効果が得られる。
【0087】実施例9 図27は本発明の第の実施例に係る画像表示装置の断
面図である。本実施例は、実施例の画像表示装置にお
いて絶縁体82と導電性支持部材の電圧印加手段を取除
き(透明電極81と導電性支持部材76が接続し)導電
性支持部材76と透明電極81を、素子電極73bと同
電位0Vとしたものである。本実施例において実施例
と同様な駆動を行ったところ同等の効果が確認できた。
【0088】参考例4 図28は本発明の第参考例に係る画像表示装置の斜
視図、そして図29はその断面図である。この装置は、
導電性支持部材76の位置を実施例の場合と同様に負
側電極73b上とし、導電性支持部材76と負側電極7
3bとの間に絶縁体82を配置した以外は、参考
装置と同様の構成を有し、同様にして作製される。
【0089】絶縁体82は、導電性支持部材76と負側
素子電極73bとの間の電気的絶縁を維持するためのも
ので、SiO2 、ガラスその他のどのような絶縁体を用
いて構成してもよいが、ここでは、SiO2 を用いる。
また、絶縁体82の大きさは、電気的絶縁が維持しうる
限り、できるだけ小さいほうが望ましい。導電性支持部
材76と比べ著しく大きくなると、絶縁体82がイオ
ン、電子などの荷電ビームによりチャージアップし、画
像の不安定性を生じるからである。そのため、絶縁体8
2は、導電性支持部材76の厚さT2より小さくする方
が望ましい。
【0090】この装置を、実施例の場合と同様に駆動
して評価したところ、実施例の場合と同様な効果が得
られるばかりでなく、画像形成部材78および電子放出
素子75の配列ピッチをより小さくしても、クロストー
クを生じず、明るい画像表示が行われた。
【0091】実施例10 図30は、本発明の第1の実施例に係る光プリンタの
概略的な構成図である。同図において、図17と同一符
号を付した部分は、その符号を付した図17の部分と同
様の部分であることを示す。この装置は、発光源83、
レンズアレイ84および被記録体86を備える。レンズ
アレイ84は、一般的にはセルフォックレンズによって
形成され、発光源83と被記録体86との間に配置され
て、発光源83の画像形成部材78が発する光のパター
ンを被記録体86上に結像するものである。発光源83
は、電子放出素子列を1列のみ有する、一次元的な発光
源でありほぼ実施例の場合と同様にして作製される。
導電性支持部材76は、図30に示すように、櫛の歯状
の形状を有する。図中、99はガラス製の真空容器(外
囲器)、97はリアプレート、121は電子放出素子7
5の負極側の素子配線電極72に電圧を印加するための
電極、120は正極側の素子電極73aに電圧を印加す
るための電極、98は蛍光体で構成された各画像形成部
材78に接続された画像形成部材配線電極、123は画
像形成部材配線電極98へ電圧を印加するための電極で
ある。
【0092】被記録体86は、感光性組成物をポリエチ
レンテレフタレート膜上に2μmの厚さで均一に塗布す
ることにより作製される。この感光性組成物は、a.バ
インダー:ポリエチレンメタクリレート(商品名;ダイ
ヤナールBR、三菱レーヨン)10重量部、b.モノマ
ー:トリメチロールプロパントリアクリレート(商品
名;TMPTA、新中村化学)10重量部、c.重合開
始剤:2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフ
ェニル)プロパン−1−オン(商品名;イルガキュア9
07、チバガイギー)2.2重量部、の混合組成物であ
り、溶媒としてメチルエチルケトン70重量部を用いて
作製される。画像形成部材78を構成する蛍光体はけい
酸塩蛍光体(Ba,Mg,Zn)3 Si27 :Pb2+
を主たる材料とするものである。
【0093】この構成において、画像形成部材78に
は、あらかじめ10〜500Vの電圧が電極123を介
して印加される。また、電子放出素子75の負側素子電
極73bには0Vが印加され、したがって導電性支持部
材76にも0Vが印加される。
【0094】この状態で、形成すべき画像の情報信号に
応じた画像1ライン分の変調電圧が各電子放出素子75
の正側素子電極73aに対し、電極120を介して印加
されると、画像1ライン分の発光パターンが形成され
る。この発光パターンの光線は、レンズアレイ84を介
して被記録体86上で結像し、被記録体86を照射す
る。これにより被記録体86は発光パターンに応じて光
重合により硬化し、1ライン分の画像が形成される。次
に、発光源83と被記録体86とが1ライン分相対移動
され、次の1ライン分の画像形成が同様にして行われ
る。そしてこのような画像形成と相対移動が繰り返さ
れ、画像が形成される。
【0095】この1ライン分の画像形成タイミングに同
期した発光源83と被記録体86間の相対移動は、図3
1に示すように、被記録体86を支持体87で支持しつ
つ、搬送ローラ85を駆動させることにより行うことが
できる。あるいは、図32に示すように、発光源83を
移動させるようにしてもよい。いずれにしても、この同
期した駆動を行うことにより、情報信号に応じた光重合
パターンが被記録体上に形成される。そして、この光重
合パターンをメチルエチルケトンで現像することによ
り、情報信号に応じた光記録パターンがポリエチレンテ
レフタレート上に形成される。
【0096】これによれば、均一で高速かつ高コントラ
ストな、鮮明な光記録パターンが得られる。また、導電
性支持部76が設けられているため、クロストークのな
い高精細な画像が形成される。また、本実施例の光プリ
ンターの発光源として参考例1、2および実施例1、2
のいずれかの構成を用いても同様な効果を有する光プリ
ンターが形成される。
【0097】実施例11 図33は本発明の第1の実施例に係る光プリンタの概
略的構成図である。この装置は、実施例1におけるの
と同様の構成で同様に動作する発光源83とレンズアレ
イ84、被記録体であるところのドラム状の電子写真用
感光体89、帯電器94、現像器90、除電器91、お
よびクリーナ93を備え、紙95上に最終的に画像を形
成するものである。発光源83に用いられる蛍光体とし
ては、Zn2 SiO4 :Mn(P1蛍光体)の黄緑発光
蛍光体を用いている。また、電子写真用感光体89とし
ては、アモルファスシリコン感光体を用いている。
【0098】この構成において、被記録体89は、発光
源83に対し上述のように同期して矢印92b方向に回
転されるとともに、紙95も同期して矢印92a方向に
移動される。この間、被記録体89は、帯電器94によ
りプラス電圧に帯電され、そしてレンズアレイ84を介
した発光源83からの発光パターンの結像照射により光
照射部が除電されて静電潜像パターンが形成される。帯
電する電圧は100〜500Vが適当であるが、これに
限るものではない。この潜像パターンは、現像機90に
よりトナー粒子で現像される。吸着されたトナーは被記
録体89の回転と共に移動し、除電器91によって帯電
が解除されると、被記録体89と除電器91との間に位
置する紙95上に落下する。そして、トナーを受け止め
た紙95は、不図示の定着装置において定着処理が行わ
れ、これにより紙95上に発光源83で表わされた画像
が再現記録される。このとき感光体89上に残留するト
ナーはクリーナ93下へ移動し、そのクリーナによって
払い落とされ、その部分は再び帯電器94によって帯電
される。
【0099】これによれば、発光源83が有する上述し
た利点により、高コントラストで鮮明かつ高解像度の画
像が露光むらもなく高速度で形成される。また、導電性
支持部材76による上述の作用により、画像にじみのな
い高画質のトナー画像を記録することができる。また、
本実施例の光プリンター発光源として参考例1、2およ
実施例1、2のいずれかの構成を用いても同様な効果
を有するプリンターが形成できる。
【0100】参考例5 図34は、本発明の第参考例に係る光プリンタの概
略的な構成図である。この装置は、実施例10の装置に
対し、さらにフェースプレート79面上に、透明電極8
1を設け、これに導電性支持部材76が接触するように
し、かつ、導電性支持部材76と負側電極73bとの間
に絶縁体96を配置した以外は、実施例10の装置と同
様の構成を有し、同様にして作製される。ただし、不図
示ではあるが、透明電極81に対し、電極122を介し
て電圧を印加するための電源を備える。
【0101】あらかじめ電極122を介して透明電極8
1に適当な電圧が印加される以外は、実施例1の場合
と同様にして駆動されるが、導電性支持部材76は、こ
こでは透明電極81と同電位(0V)になる。
【0102】この場合も、実施例1の場合と同様な効
果が得られるばかりでなく、画像形成部材78により均
一な電子が衝突するため、より高精細で、高画質の画像
表示が行われる。また、この装置131を実施例1
おける発光源83として用いて、より高精細かつ高画質
化を図ることができる。
【0103】
【発明の効果】以上詳述した本発明の画像形成装置はク
ロストークや経時変化のない均一かつ安定な画像が得ら
れ、真空容器の形成部材を薄くして、装置をより軽量か
つ大画面のものとすることができる。とりわけ、画像形
成部材として蛍光体を有する表示装置にあっては、輝度
のバラツキ・輝度の変化・色調ムラの極めて少ない情報
信号に忠実な画像が得られる装置である。
【0104】特に電子放出素子および画像形成部材を基
板上に並設する装置にあっては、正イオンの電子放出素
子への衝突がなく、電子放出素子の損傷を防止すること
ができる。また、電子放出素子と画像形成部材との厳密
な位置合わせは不要であり、画像形成部材を極めて容易
に配置することができる。またしたがって、装置作成後
は、電子放出素子と画像形成部材との位置関係の変動も
生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向させ
て配置したタイプの本発明および参考例に係る画像形成
装置の概略図である。
【図2】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向させ
て配置したタイプの本発明および参考例に係る画像形成
装置の概略図である。
【図3】 導電性支持部材に印加される電位値に関する
評価装置の概略図である。
【図4】 従来の縦型電界放出素子の概略図である。
【図5】 従来の横型電界放出素子の概略図である。
【図6】 図3の装置を用いた導電性支持部材に印加さ
れる電位値に関する評価結果を示すグラフである。
【図7】 図3の装置を用いた導電性支持部材に印加さ
れる電位値に関する評価結果を示すグラフである。
【図8】 従来の表面伝導形放出素子の概略図である。
【図9】 従来の表面伝導形放出素子の概略図である。
【図10】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向さ
せて配置したタイプの本発明および参考例に係る画像形
成装置の概略図である。
【図11】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向さ
せて配置したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図12】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向さ
せて配置したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図13】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向さ
せて配置したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図14】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向さ
せて配置したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図15】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向さ
せて配置したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図16】 電子放出素子と画像形成部材とを相対向さ
せて配置したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図17】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図18】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図19】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図20】 放出電子軌道を説明する為の図である。
【図21】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図22】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図23】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの参考例に係る画像形成装置の概略
図である。
【図24】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの参考例に係る画像形成装置の概略
図である。
【図25】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの参考例に係る画像形成装置の概略
図である。
【図26】 放出電子軌道を説明する為の図である。
【図27】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの本発明に係る画像形成装置の概略
図である。
【図28】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの参考例に係る画像形成装置の概略
図である。
【図29】 電子放出素子と画像形成部材とを同一基体
面に並設したタイプの参考例に係る画像形成装置の概略
図である。
【図30】 本発明に係る画像形成装置の中でも特に、
光プリンターの概略図である。
【図31】 本発明に係る画像形成装置の中でも特に、
光プリンターの概略図である。
【図32】 本発明に係る画像形成装置の中でも特に、
光プリンターの概略図である。
【図33】 本発明に係る画像形成装置の中でも特に、
光プリンターの概略図である。
【図34】 本発明に係る画像形成装置の中でも特に、
光プリンターの概略図である。
【図35】 従来の画像形成装置の概略図である。
【図36】 従来の画像形成装置の概略図である。
【図37】 従来の画像形成装置の概略図である。
【符号の説明】
1,97:リヤプレート、2a:走査電極、2b:情報
信号電極、3a,3b,73a,73b:電極、74,
4:電子放出部、5,75:電子放出素子、6:ガラス
基板、7:透明電極、8:蛍光体、9,79:フェース
プレート、10,15,16,19,61,76:導電
性支持部材、11:外枠、17a,17b:配線電極、
18a,60:変調電極、71:絶縁性基板、72a,
72b:素子配線電極、77:画像形成部材配線電極、
78:画像形成部材、81:透明電極、82:絶縁体、
99:真空容器、89,125:被記録体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三品 伸也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−118355(JP,A) 特開 昭61−124033(JP,A) 欧州特許出願公開405262(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/12 H01J 29/87

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外囲器内に、電極間に電圧を印加するこ
    とにより電子放出する電子放出素子と、該電子放出素子
    から放出される電子線の照射により画像形成する画像形
    成部材と、該外囲器を支持し、端部及び側部に導電性
    を有する支持部材とを備える画像形成装置であって、 該支持部材は該端部導電性膜を介して該電極の一つに
    電気的に接続されている画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材が、前記電極面上に配置さ
    れている請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部材が、前記電極のうち0v以
    下の電圧が印加される電極に電気的に接続されている請
    求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子と前記画像形成部材と
    が、前記外囲器内の相対向する基体面上に各々配置され
    ている請求項1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 外囲器内に、電極間に電圧を印加するこ
    とにより電子放出する複数の電子放出素子と、該複数の
    電子放出素子を接続する複数の配線と、該電子放出素子
    から放出される電子線の照射により画像形成する画像形
    成部材と、該外囲器を支持し、端部及び側部に導電性膜
    を有する支持部材とを備える画像形成装置であって、 該支持部材は該端部の導電性膜を介して該配線の一つに
    電気的に接続されている画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記支持部材が、前記配線上に配置され
    ている請求項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記支持部材が、前記配線のうち0v以
    下の電圧が印加される配線に電気的に接続されている請
    求項5記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記画像形成部材が、電子線の照射によ
    り発光する発光体であり、更に、該発光体からの光の照
    射により画像記録される被記録体を有する請求項1記載
    の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記画像形成部材が、電子線の照射によ
    り発光する発光体であり、更に、該発光体からの光の照
    射により画像記録される被記録体の支持手段を有する請
    求項1記載の画像形成装置。
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