JPH0651454U - 扉用蝶番取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】蝶番と扉の蝶番取付面との間に対するスペーサ
の挿脱作業を容易化する。 【構成】蝶番４と扉２の蝶番取付面２ａとの間に挿入す
るスペーサ１に、蝶番４の取付用丸孔６に対向する位置
から一方の開放端面１ａに連通する長孔５を互いに平行
にして穿設し、この長孔５に蝶番取付用の皿ネジ７を貫
通させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、蝶番と扉の蝶番取付面との間にスペーサを挿入して扉を堅枠に蝶 番を介して取り付ける扉用蝶番取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

建築物の壁面に固定された堅枠に蝶番を介して扉を取り付ける場合、堅枠、蝶 番及び扉の相対的な位置関係を適正にしないと、いわゆる建付不良を生じて扉の 開閉に支障をきたす。この建付不良は一般に、建築中における堅枠の捩じれ等に 起因する寸法誤差によって生じる場合が多い。そこで、蝶番と扉の蝶番取付面と の間に平板状のスペーサを挿入することとし、このスペーサの板厚を複数種類準 備し、複数種類の板厚の中から挿入すべきスペーサを適宜選択するようにしてい る。これによって、堅枠と扉との寸法誤差を矯正し、扉の開閉状態を適正に維持 するようにされている。このスペーサには蝶番取付用ネジが貫通する。このよう に、蝶番と扉の蝶番取付面との間に挿入されるスペーサは、堅枠と扉との寸法誤 差を矯正するのもであるため、個々の建築物によって異なる寸法誤差を解消する ために、挿入するスペーサを入れ換えて適当な板厚のスペーサを見い出すように している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の扉用蝶番取付構造に用いられるスペーサは、蝶番に穿設 された複数の取付用孔に対向する位置に取付用ネジが貫通する丸孔を穿設したも のであったため、蝶番と扉の蝶番取付面との間に挿入するスペーサを交換する際 には、取付用ネジを扉の蝶番取付面のネジ孔から完全に離脱させなければならず 、適当な板厚のスペーサを見い出すまでのスペーサの交換作業時に取付用ネジの 螺合及び離脱作業が煩雑で、扉の取付時における作業性が劣悪になる問題があっ た。

【０００４】 この考案の目的は、スペーサに穿設する取付用ネジの貫通孔を、スペーサの一 方の側面に開放する長孔とすることにより、取付用ネジを扉の蝶番取付面のネジ 孔から完全に離脱しなくてもスペーサを蝶番と扉の取付面との間から容易に取り 出すことができるようにし、最適な板厚のスペーサを見つけ出すまでのスペーサ の交換作業を容易にすることができる扉用蝶番取付構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案の扉用蝶番取付構造は、蝶番と扉の蝶番取付面との間に挿入され、蝶 番取付用ネジが貫通する平板状のスペーサに、蝶番に穿設された複数の取付用孔 のそれぞれに対向する位置から一方の側端面に開放する位置まで連続する複数の 長孔を、互いに平行に穿設したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

この考案においては、蝶番に穿設された複数の取付用孔のそれぞれに対向する 位置から一方の側端面に開放する位置まで連続する複数の長孔が互いに平行に穿 設される。したがって、一旦蝶番と扉の蝶番取付面との間に挿入したスペーサを 取り出すにあたっては、蝶番取付用ネジを少し緩めるだけでスペーサに穿設され た長孔の長手向部に取付用ネジを相対的に移動させることができ、蝶番と扉の蝶 番取付面との間に挿入したスペーサが挿脱方向に移動自在になる。また、蝶番と 扉の蝶番取付面とが平行でない状態から扉を蝶番方向に移動させると、スペーサ の角部が蝶番及び扉の蝶番取付面のそれぞれに当接し、スペーサが蝶番と扉の蝶 番取付面との間から突出する。

【０００７】

【実施例】

図１は、この考案の実施例である扉用蝶番取付構造を示す図である。扉２は蝶 番４を介して堅枠３に取り付けられる。この蝶番４と扉２の蝶番取付面２ａとの 間にスペーサ１が挿入される。扉２を蝶番４に取り付けるにあたっては、蝶番４ の４箇所に穿設された取付用丸孔６に皿ネジ７を貫通させ、この皿ネジ７を蝶番 取付面２ａに穿設されたネジ孔に螺合する。スペーサ１には、取付用丸孔６に対 向する位置からスペーサ１の開放端面である一方の側端面１ａに開放する位置ま で連続する長孔５が、それぞれを互いに平行にして穿設されている。

【０００８】 以上の構成により、蝶番４と蝶番取付面２ａとの間にスペーサ１を挿入し、皿 ネジ７を蝶番取付面２ａのネジ孔に螺合させて扉２に蝶番４を取り付けた際に、 スペーサ１の板厚が適当でなく建付不良を解消できない場合には、皿ネジ７を蝶 番取付面２ａのネジ孔から完全に離脱しない程度に緩めることにより、スペーサ １を矢印Ａ方向に引き出すことができる。また、この状態から板厚の異なる別の スペーサを矢印Ｂ方向に挿入することができる。

【０００９】 図２は、上記スペーサの交換時における動作状態を示す平面図である。皿ネジ ７の一部が蝶番取付面２ａのネジ孔に螺合した状態で蝶番４に対して扉２を回転 移動させると、扉２によりスペーサ１の開放端部１ａ側が扉２により押圧されて 蝶番４と蝶番取付面２ａとの間に位置するスペーサ１は矢印Ａ方向に突出し、ス ペーサの交換時における抜脱作業を極めて容易に行うことができる。

【００１０】 これは、図３に示すように、扉２をスペーサ１の開放端部１ａの反対側におい て蝶番４と分離するように回転移動させていくと、スペーサ１の開放端面１ａ側 の二つの角部のそれぞれが扉２の蝶番取付面２ａ及び蝶番４により押圧され、ス ペーサ１には扉２からその蝶番取付面２ａに直行する方向の力Ｆが作用し、一方 、蝶番４からは蝶番４の当接面に垂直な方向の反力Ｒが作用する。この力Ｆ及び 反力Ｒの合力Ｆａがスペーサ１に作用し、この合力Ｆａがスペーサ１の角部と蝶 番４及び蝶番取付面２ａとの間の摩擦抵抗を上回った時、スペーサ１が矢印Ａ方 向に移動する。この時、図２に示すように蝶番取付面２ａのネジ孔に一部が螺合 した皿ネジ７は、スペーサ１の長孔５内を開放端面１ａ方向に相対的に移動し、 合力Ｆａが充分に大きい場合には皿ネジ７が長孔５から外れる状態までスペーサ １が矢印Ａ方向に移動する。

【００１１】 なお、図４に示すように、スペーサ１が図２に示す状態と反対向きに蝶番４及 び蝶番取付面２ａの間に挿入されている場合でも、扉２をその蝶番取付面２ａが スペーサ１の開放端面１ａ側の角部を押圧するように回転移動させることにより 、皿ネジ７を完全にネジ孔から離脱することなくスペーサ１を蝶番４と扉２との 間から突出させることができる。

【００１２】

【考案の効果】

この考案によれば、蝶番取付用ネジを扉の蝶番取付面から完全に離脱すること なく、蝶番と蝶番取付面との間にスペーサを挿入、抜脱することができるととも に、扉を蝶番に対して回転させて分離することによりスペーサが外部に突出し、 扉の建付状態の調整時におけるスペーサの交換作業を極めて容易に行うことかで きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例である扉用蝶番取付構造を示
す外観図である。

【図２】同スペーサの交換時における移動状態を示す平
面図である。

【図３】同スペーサの移動時に作用する力を示す図であ
る。

【図４】同スペーサの別の使用状態を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１−スペーサ １ａ−開放端面 ２−扉 ２ａ−蝶番取付面 ４−蝶番 ５−長孔 ６−取付用丸孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蝶番と扉の蝶番取付面との間に挿入され、
   蝶番取付用ネジが貫通する平板状のスペーサに、蝶番に
   穿設された複数の取付用孔のそれぞれに対向する位置か
   ら一方の側端面に開放する位置まで連続する複数の長孔
   を、互いに平行に穿設したことを特徴とする扉用蝶番取
   付構造。