JPH065139Y2 - 金型搬送台車の位置決め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、金型を用いて成形品を成形する成形機搬出入
部の近くの停止位置に金型を搬送する金型搬送台車を位
置決めする位置決め装置に関するものである。

〔従来技術〕

従来、射出成形機に金型を搬出入するのに一般に手押し
式或いは電動走行式の金型搬送台車であって、その上面
に遊転ローラコンベアを備えたものが用いられている。

上記成形機に金型を搬入する場合，上記金型搬送台車上
に金型を載置して成形機の金型搬出入部の近くの停止位
置に搬送し、上記台車のコンベア上から成形機側の搬送
ローラ上へ金型を移載し、成形機の固定盤と可動盤とに
金型を固定する。成形機から金型を搬出する場合には空
の台車を停止位置に待機させ、成形機側の金型を台車上
へ移載する。

上記金型搬出入時、金型を第４図の平面図のように固定
盤１０１と可動盤１０２の搬送ローラ１０７上を搬送す
るが、一対の金型１０４を組合わせた状態で搬出入する
関係上、金型１０４と固定盤１０１間に数mmの隙間を空
けまた金型１０４と可動盤１０２に約１０mmの隙間を空
けた状態で搬出入する。

従って、金型１０４の搬出入の際、金型搬送台車を成形
機の金型搬出部１０３の近くの停止位置にかなり正確に
位置決めして停止する必要があるが、従来では成形機に
対して台車を位置決めする簡単な構成で性格に位置決め
できる規制手段が何ら提案されておらず、一般に、規制
手段を何ら設けることなく、台車の位置を適当に調整す
ることにより位置決めしていた。

但し、レール上を走行する金型搬送台車を適用する場合
には、レール側に適当なガイド部材を固定し、台車側に
ガイド部材の係合部に係合する係合部材と、係合部材を
駆動する油圧シリンダと、検出用のリミットスイッチ等
を設けてなる位置決め装置も実用化されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来技術のように、成形機に台車を位置決めするときに
成形機に対して台車の位置を規制ないし拘束する手段を
設けない場合には、成形機に対して台車を正確に位置決
めすることが難しく、金型の搬出入を能率的に行なうこ
とが出来ないこと、金型を成形機や台車に衝突させて損
傷しやすいこと、などの問題がある。

上記ガイド部材、係合部材、油圧シリンダ、リミットス
イッチ等からなる位置決め装置では、部材数も多く、構
成が複雑であること、ガイド部材がレールの付近に突出
するため通行の邪魔になること等の問題がある。

本考案の目的は、成形機に対して金型搬送台車を正確に
位置決めし得るような簡単な構造の位置決め装置を提供
することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る金型搬送台車の位置決め装置は、金型を用
いて成形品を成形する成形機の金型搬出入部の近くの停
止位置に、金型搬送用の金型搬送台車を位置決めする装
置であって、上記成形機の基枠の前面の下部のうちの停
止位置の付近に、成形機の型締め方向に延びる水平な前
壁部とこの前壁部の一端部に固着された規制壁部とを有
するとともに、前壁部の一部分と規制壁部とからなる位
置決め用係合部を有するガイド部材を設け、上記金型搬
送台車に上記ガイド部材の位置決め用係合部に、ガイド
部材の規制壁部とは反対側から係脱可能に係合して金型
搬送台車の停止位置を規制する係合部材を設けたもので
ある。

〔作用〕

本考案に係る金型搬送台車の位置決め装置においては、
成形機のガイド部材の位置決め係合部に金型搬送台車の
係合部材を係脱可能に係合させることにより、成形機の
金型搬出入部の近くの停止位置に金型搬送台車を正確に
位置決めすることが出来、金型搬送台車の位置決めを容
易かつ確実に行って金型の搬出入作業の能率を高めるこ
とが出来る。

〔考案の効果〕

本考案に係る金型搬送台車の位置決め装置においては、
前壁部と規制壁部とを有するガイド部材も、係合部材簡
単な構成であり、簡単且つ安価に実施できること、ガイ
ド部材と係合部材とで、金型搬送台車を停止位置に正確
に確実に位置決めできること、ガイド部材を、上記成形
機の基枠の前面の下部のうちの停止位置の付近に設ける
ため、通行の邪魔にならないこと、等の効果を奏する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基いて詳細に説明する。

第１図乃至第３図に示すように、横型射出成形機Ｍに
は、左右１対の固定盤１及び可動盤２が備えられてお
り、これら固定盤１と可動盤２の間の金型搬出入部３と
その前方の停止位置に停止した金型搬送台車５とに亙っ
て金型４を搬出入する。

上記固定盤１及び可動盤２の盤面１ａ・２ａの下部に
は、ガイドロッド６の間において夫々複数個の遊転ロー
ラ７が付設されるとともにガイドロッド６の前側におい
て遊転ローラ搬送具８が夫々設けられている。

上記金型搬送台車５は、４組の前後方向の支軸で支持さ
れた４組の遊輪９を備えた基台１０と基台１０の上方に
配設され周知のパンタグラフ式の昇降枠１２で支持され
油圧シリンダ１３で高さ調節可能な台板１１と、台板１
１上に金型４を載置支持可能に設けられ金型４を搬送方
向に搬送可能なローラコンベア１４とを備えている。

上記金型搬送台車５を成形機Ｍの金型搬出入部３の前方
近くの停止位置の位置決めする位置決め装置として、金
型搬出入部３の前面側で成形機Ｍの基枠１５の前面の下
部にはガイド部材１６が設けられ、金型搬送台車５の基
台１０の後面には係合部材１７が設けられている。

上記ガイド部材１６は、金型搬出入部３の前方部分とそ
の右側部分とに亙って左右方向（成形機Ｍの型締め方
向）に水平に延びるもので、このガイド部材１６は水平
な左右に細長い底壁部１６ａと、底壁部１６ａの前端よ
り上方へ立上がる前壁部１６ｂと、底壁部１６ａと前壁
部１６ｂの左端側を塞ぐ規制壁部１６ｃとからなり、底
壁部１６ａと前壁部１６ｂの右端側は開放されて導入開
口部１６ｄをなし、前壁部１６ｂの右端部には前方へテ
ーパー状のガイド部１６ｅが形成され、上記規制壁部１
６ｃと前壁部１６ｂのうち金型搬出入部３の前方に対応
する部分とで位置決め係合部が形成されている。

上記係合部材１７は、金型搬送台車５上の所定位置に載
置された金型４のうちの固定側金型４の左側の固定面が
固定盤１の盤面１ａに略一致したときに、規制壁部１６
ｃに左端部が当接するように基台１０の後面に突設さ
れ、この係合部材１７は基台１０から水平に延びる所定
幅の水平板部１７ａと水平板部１７ａの後方から下方へ
所定長さ延びる係合板部１７ｂとからなる。

上記金型搬送台車５の位置決め装置において、金型搬出
入部３から金型４を搬出する場合、台車５を成形機Ｍの
前面近くに沿って右方より左方へ移動させると、係合部
材１７の係合板部１７ｂがガイド部１６ｅで案内されて
前壁部１６ｂに係合し、係合部材１７の左端部が規制壁
部１６ｃで係止され、成形機Ｍに対する台車５の左右方
向位置が正確に位置決めされる。従って、この状態で成
形機Ｍ側の金型４を遊転ローラ７とローラ搬送具８とロ
ーラコンベア１４を介して台車５上へ移載し、台車５を
右方へ移動させてガイド部材１６と係合部材１７との係
合を解き、その後は台車５で自由に搬送することが出来
る。

一方、金型４を成形機Ｍに搬入する場合も上記と略同様
で、金型４を載置した台車５を上記同様に移動させてい
ってガイド部材１６と係合部材１７との係合により台車
５を成形機Ｍに対して位置決めし、金型４を金型搬出入
部３へ移動させればよい。

尚、ガイド部材１６は左端側を開放し、右端側に規制壁
部１６ｃを設けてもよく、ガイド部材１６と係合部材１
７との構造・形状は図示のものにかぎるものではない。
本考案は、射出成形機Ｍとその金型搬送台車５に限らず
プレス機械、鋳造機あるいは鍛造機とそれらの金型を搬
送する金型搬送台車にも同様に適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例を示すもので、第１図
は射出成形機と金型搬送台車を位置決め装置の平面図、
第２図は射出成形機と位置決め装置の正面図、第３図は
射出成形機と金型搬送台車と位置決め装置の側面図、第
４図は従来技術に係る射出成形機の固定盤と可動盤の平
面図である。Ｍ…射出成形機、３…金型搬出入部、 ４…金型、１６…ガイド部材、１６ｂ…前壁部、１６ｃ
…規制壁部、１７…係合部材、１７ａ…水平板部、１７
ｂ…係合板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金型を用いて成形品を成形する成形機の金
   型搬出入部の近くの停止位置に、金型搬送用の金型搬送
   台車を位置決めする装置であって、 上記成形機の基枠の前面の下部のうちの停止位置の付近
   に、成形機の型締め方向に延びる水平な前壁部とこの前
   壁部の一端部に固着された規制壁部とを有するととも
   に、前壁部の一部分と規制壁部とからなる位置決め用係
   合部を有するガイド部材を設け、上記金型搬送台車に上
   記ガイド部材の位置決め用係合部に、ガイド部材の規制
   壁部とは反対側から係脱可能に係合して金型搬送台車の
   停止位置を規制する係合部材を設けたことを特徴とする
   金型搬送台車の位置決め装置。