JPH0651027U - センターピラートリム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 センターピラートリムに内装されるシートベ
ルトのウエビングの振れ防止対策を簡単かつ廉価に講じ
ることを目的とする。 【構成】 センターピラーアッパーメンバー２０とセン
ターピラーロアメンバー３０とのラップ部において、セ
ンターピラーアッパーメンバー２０の下端にウエビング
５１をガイドするガイド用開口２１を設置するか、ある
いはセンターピラーロアメンバー３０のウエビング挿通
孔３１下方にピラーパネル側に突出する玉縁３２を形成
することにより、シートベルト作動時、シートベルトの
ウエビング５１の前後，左右方向の振れを確実に防止す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、センターピラーパネルに装着されるセンターピラートリムに関す るもので、特に、シートベルトのウエビングの前後，左右方向の振れを防止する ウエビング振れ規制手段を設けたセンターピラートリムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

通常、図５に示すように、センターピラーパネルの室内側には、内装部品とし てセンターピラーアッパーメンバー１とセンターピラーロアメンバー２とが装着 されており、センターピラーパネルに設置されているリトラクター３，およびリ トラクター３から引き出すシートベルトのウエビング４をセンターピラーロアメ ンバー２により収容している。

【０００３】 そして、ロアメンバー２の上縁に設けたウエビング挿通孔５を通じてウエビン グ４を室内側に引き出して、スルーリング６を介してフロントシート側に引き出 すようになっている。

【０００４】 ところで、シートベルトのウエビング４の引き出し操作の際、ウエビング４と 挿通孔５縁部との間に擦れが生じ、ウエビング４の損傷を防ぐために、ガイド部 材７が付設されている。通常、このガイド部材７は図６に示すように、センター ピラーパネル８の所定箇所に溶接等により固定されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、センターピラーパネル８の室内側を覆うセンターピラートリム１ ，２には、シートベルトのウエビング４の前後，左右方向の振れを防止するガイ ド部材７が設置され、このガイド部材７はセンターピラーパネル８のフラットな 取付面を必要とするため、センターピラーパネル８にフラットな取付部を設定す るパネル加工が必要となり、またガイド部材７の取付位置確保するため、パネル 造形上に大きな制約を受けているのが実状である。

【０００６】 この考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、本考案の目的とすると ころは、センターピラーパネルを覆うセンターピラートリムにおいて、シートベ ルトのウエビングの振れ規制手段をパネル側ではなく、トリム側に簡単に設置す ることにより、造形上，コスト的にも優れたセンターピラートリムを提供するこ とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、樹脂成形体からなるアッパーメンバー とロアメンバーとから構成され、アッパーメンバーの下端とロアメンバーの上端 とを一部ラップさせてピラーパネルに装着され、ロアメンバーの上端にウエビン グ挿通孔を設けてなるセンターピラートリムにおいて、前記両メンバーのラップ 部内にウエビングの振れを規制するガイド用開口あるいは玉縁等のウエビング振 れ規制手段を設置したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

以上の構成から明らかなように、アッパーメンバー下端に設けた開口内にウエ ビングを挿通させれば、ウエビングは前後，左右方向の振れがこの開口により規 制され、シートベルトのウエビング作動時、ウエビングとトリム縁部との間で摩 擦することがない。

【０００９】 また、ラップ部におけるロアメンバー下端内面に玉縁を突設すれば、この玉縁 によりシートベルトのウエビング作動時、ウエビングの前後，左右方向の振れが 確実に防止できる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案によるセンターピラートリムの実施例について、添付図面を参照 しながら詳細に説明する。

【００１１】 図１，図２は本考案によるセンターピラートリムの第１実施例を示すもので、 図１は要部を示す外観図、図２は同センターピラートリムの構成を示す断面図、 図３，図４は本考案によるセンターピラートリムの第２実施例を示すもので、図 ３はセンターピラートリムの外観図、図４は同センターピラートリムの断面図で ある。

【００１２】 図１，図２において、本考案によるセンターピラートリム１０は、合成樹脂の 射出成形体からなるセンターピラーアッパーメンバー２０と、同様に射出成形体 からなるセンターピラーロアメンバー３０とから大略構成されている。

【００１３】 そして、両メンバー２０，３０の接合部は、センターピラーアッパーメンバー ２０の下端よりもセンターピラーロアメンバー３０の上端が上方位置に来るよう に両者をラップさせた状態で、かつセンターピラーロアメンバー３０が外方に位 置するように、両メンバー２０，３０はセンターピラーパネル４０に図示しない クリップ手段を介して装着されている。

【００１４】 更に、通常、センターピラーパネル４０には、その下部にシートベルトのリト ラクター５０が設置されているため、リトラクター５０およびリトラクター５０ から引き出されるシートベルトのウエビング５１を目隠しするように、ロアメン バー３０がセンターピラーパネル４０の下方部に装着されている。

【００１５】 したがって、シートベルトのウエビング５１は、センターピラーロアメンバー ３０の上端縁に設定したウエビング挿通孔３１を通じて車室内に引き出され、セ ンターピラーアッパーメンバー２０に取付けたスルーリング５２を通じてフロン トシート側に引き寄せられて、フロア側に固定されている下側のシートベルトの ウエビングとバックルを介して接続されるように構成されている。

【００１６】 ところで、本考案の特徴は、シートベルトの作動時、ウエビング５１の前後， 左右方向の振れを確実に防止して、ウエビング５１がセンターピラーアッパーメ ンバー２０の下端およびセンターピラーロアメンバー３０の上端に摺接して損傷 するのを可及的に防止する点にある。

【００１７】 すなわち、本考案の第１実施例では、センターピラーアッパーメンバー２０の 下端にウエビング５１をガイドするガイド用開口２１が開設されており、この開 口２１は、コーナー部に丸みをもたせた長円状の形状に設定されている。

【００１８】 したがって、シートベルトのウエビング５１作動時、ウエビング５１はこのガ イド用開口２１にガイドされるため、ウエビング５１の前後，左右方向の振れが 確実に防止でき、ウエビング５１の耐久性が著しく向上する。

【００１９】 また、この実施例ではセンターピラーアッパーメンバー２０の下端にガイド用 開口２１を開設するという簡単な構成であり、センターピラーアッパーメンバー ２０の射出成形時、金型に若干の変更を加えるだけで簡単に製作できる。

【００２０】 次いで、図３，図４は本考案によるセンターピラートリム１０の第２実施例を 示すもので、第１実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略 する。

【００２１】 この実施例においては、ウエビングの振れ防止手段としては、センターピラー ロアメンバー３０に開設されているウエビング挿通孔３１のすぐ下方に、内方に 突出する玉縁３２が形成されている。

【００２２】 したがって、図４に示すように、シートベルトのウエビング５１作動時、ウエ ビング５１はこの玉縁３２と当接するため、センターピラーロアメンバー３０の ウエビング挿通孔３１周縁に摺接しないため、ウエビング５１の損傷が可及的に 防止できるとともに、センターピラーロアメンバー３０の射出成形時、ロアメン バー３０と一体に玉縁３２を容易に形成できるため、製作上も何等支障がない。

【００２３】 このように、本考案によるセンターピラートリム１０は、センターピラーアッ パーメンバー２０とセンターピラーロアメンバー３０とのラップ部において、ウ エビング５１を挿通させるガイド用開口２１を、センターピラーアッパーメンバ ー２０の下端側に設けるか、あるいはセンターピラーロアメンバー３０のウエビ ング挿通孔３１の下方に玉縁３２を突設形成することにより、従来のように、ウ エビングのガイド部材を取付けるためセンターピラーパネル４０にフラットな取 付面を設定する必要がなく、センターピラートリム１０を構成するセンターピラ ーアッパーメンバー２０あるいはセンターピラーロアメンバー３０のいずれかに 、簡単にウエビング振れ規制手段を講じることができるという極めて実用的な考 案である。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案によるセンターピラートリムは、以下に記載する格 別の作用効果を有する。

【００２５】 （１）センターピラートリムを構成するセンターピラーアッパーメンバー，セン ターピラーロアメンバーのラップ部において、センターピラーアッパーメンバー にウエビングを挿通させるガイド用開口を開設するか、あるいはセンターピラー ロアメンバーの内面に玉縁を形成するかのいずれかにより、シートベルト作動時 、ウエビングの前後，左右方向の振れを確実に防止するというものであるから、 センターピラーパネルにフラットな取付面を設定する必要がなく、センターピラ ーパネルの造形自由度に制約を与えることなく、また、従来のようにガイド部材 の設定位置に制約を受けることがないなど、任意の箇所に簡単にウエビング振れ 規制手段を設置でき、実用的価値が高い。

【００２６】 （２）センターピラートリムを構成するセンターピラーアッパーメンバー，セン ターピラーロアメンバーのラップ部内にガイド用開口か玉縁を形成するというも のであるから、従来のように別途ガイド部材を必要とせず、ガイド部材をセンタ ーピラーパネルに取付ける工数も省けることから、廉価な構成でウエビングの耐 久性を向上させることができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるセンターピラートリムの第１実施
例を示す要部斜視図。

【図２】図１に示すセンターピラートリムの構成を示す
断面図。

【図３】本考案によるセンターピラートリムの第２実施
例を示す要部斜視図。

【図４】図３に示すセンターピラートリムの構成を示す
断面図。

【図５】従来のセンターピラートリムを示す全体斜視
図。

【図６】従来のセンターピラートリムの構成を示す断面
図。

【符号の説明】

１０ センターピラートリム ２０ センターピラーアッパーメンバー ２１ ガイド用開口 ３０ センターピラーロアメンバー ３１ ウエビング挿通孔 ３２ 玉縁 ４０ センターピラーパネル ５０ リトラクター ５１ ウエビング ５２ スルーリング

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂成形体からなるアッパーメンバー
   （２０）とロアメンバー（３０）とから構成され、アッ
   パーメンバー（２０）の下端とロアメンバー（３０）の
   上端とを一部ラップさせてピラーパネル（４０）に装着
   され、ロアメンバー（３０）の上端にウエビング挿通孔
   （３１）を設けてなるセンターピラートリムにおいて、 前記両メンバー（２０，３０）のラップ部内にウエビン
   グ（５１）の振れを規制するウエビング振れ規制手段を
   設置したことを特徴とするセンターピラートリム。
2. 【請求項２】 ウエビング振れ規制手段は、アッパーメ
   ンバー（２０）下端に設けたウエビング（５１）をガイ
   ドするガイド用開口（２１）であることを特徴とする請
   求項１記載のセンターピラートリム。
3. 【請求項３】 ウエビング振れ規制手段は、ウエビング
   挿通孔（３１）下方のロアメンバー（３０）内面に突設
   した玉縁（３２）であることを特徴とする請求項１記載
   のセンターピラートリム。