JPH06509789A - 立方晶窒化ホウ素又は多結晶質立方晶窒化ホウ素からなる耐摩耗性の刃を有する工具、その製法並びにその使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 立方晶窒化ホウ素又は多結晶質立方晶窒化ホウ素からなる耐摩耗性の刃を有する 工具、その製法並びにその使用 本発明は、立方晶窒化ホウ素又は多結重賞立方晶窒化ホウ素からなる耐摩耗性の 刃を有する工具（その際、少なくとも工具の表面は、完全又は部分的に立体窒化 ホウ素又は多結晶質立体窒化ホウ素からなる）、その製法並びにその使用に関す る。

殊に硬質材料、例えば硬質鉄−及び鋼材料、熱間圧延及び冷間圧延用材料、射出 材料等を切削加工するために、多結晶質立方晶窒化ホウ素（ＰＣＢＮ）からなる 工具を使用することは以前から知られている。

しばしば使用される、種々異なる形で提供され、かつ一般的に工具ホルダー中に 挟まれている塊状ＰＣＢＮからなるモノブロックの他に、鑞接可能なＰＣ：ＢＮ −植刃（Ｓｃｈｎｅｉｄｅｉｎｓａｅｔｚｅ）　（Ｉｎｌａｙｓ）も使用できる 。

このＰＣＢＮ−植刃は、工具ホルダー中への鑞接、多くは６６０　℃〜８４０℃ での硬鑞接を可能にする、片側に金属被覆された面を有する。

立方晶窒化ホウ素（ＣＢＮ）を、ＣＶＤ−（化学蒸着）、ＰＶＤ−（物理蒸着） 又はプラズマ活性ＣＶＤ法により、気相から直接、基板体上に析出させる試みも 既に行なわれている。

例えば、欧州特許（ＥＰ）第０２０９１３７号明細書中には、アルミニウム、ガ リウム、インジウム及びテルルの金属の窒化物及び／又はオキシ窒化物少なくと も１種からなる中間層を備える基板上に、配向成長の立方晶窒化ホウ素（ＣＢＮ ）からなる層を、気相から析出させることが提案されている。

ＣＢＨの物理学的特性、殊に高い熱安定性は、切削するのが困難な材料も、旋削 （Ｄｒｅｈｅｎ）、穿孔（Ｂｏｈｒｅｎ）及びフライス削り（Ｆｒａｅｓｅｎ） により、高い切削率（Ｚｅ　ｉ　ｔｓｐａｎｖｏ　ｌｕｍｅｎ）及び著しい耐久 時間（Ｓｔａｎｄｚ６ｉｔ）で加工できることを保証している。

しかしながら、Ｋ、スタインメッツ（Ｓｔｅｉｎｍｅｔｚ）　（ＶＤＴ−Ｚ、、 第１９２巻（１９８７）、　Ｎｏ、２．６４〜６９頁）によれば、ＰＣＢＮから なる工具の欠点は、殊に、硬質鉄材料からなる工作物の仕上げの際に、すなわち 、より小さな切削断面（Ｓｐａｎｕｎｇｓｑｕｅｒｓｃｈｎｉｔｔｅｎ）におり ）で、著しいナイフェツジ摩耗が生じ、従って、寸法−１形−及び表面特性が守 られないことである。

この作用は、とりわけ、ＰＣＢＮもしくはＣＢＮからなる工具の高い熱伝導率に 起因している。

従って、スタインメッツは、このような切削工程のために、セラミック結合層を 有するＰＣＢＨの使用を提案した。変化した組成によって減少した熱伝導性故に 、切削熱の大部分が切削軟化のために使用され、従って、硬質鋼部材の精密旋削 （Ｆｅｉｎｄｒｅｈｅｎ）の際に、良好な結果が得られる。

パテント・アブストラクッ・オブ・ジャパン（Ｐａｔｅｎｔｓ　Ａｂｓｔｒａｃ ｔｓ　ｏｆ　Ｊａｐａｎ、Ｇ−３５９，Ｊｕｌｙ　１１，１９８６．Ｖｏｌ、Ｉ Ｏ。

Ｎｏ、　１９９）中の特開昭６１−４１７６８公報からは、閉じた層（ｇｅｓｃ ｈｌｏｓｓｅｎｅｎ　５ｃｈｉｃｈｔ）の回避下に、個々の立方晶ＢＮ−結晶を 、硬質金属合金−、サーメット−又はセラミックー基板上に、０．１−１０μｍ の高さで析出させ、かつ窒化ホウ素不含の中間空間に、ＩＶａ−〜Ｖｌａ−元素 の炭化物、窒化物、炭窒化物、ホウ化物、ホウ窒化物、酸化物及び酸炭化物、六 方晶ＢＮ、無定形ＢＮ及びＡ１□０３を充填することが知られている。しかしな がら、単独の窒化ホウ素粒子は、良好な切削作用を生じるのに不都合にも不十分 である。更に、冷却の際に、窒化ホウ素とＡＩ、Ｏ，のお異なる熱膨張係数故に 熱応力が生じ、これは、亀裂形成を持たらしうる。最後に、ＢＮ粒子は、負荷下 で吹き出す（Ａｕｓｂｒｅｃｈｅｎ）傾向がある。

耐摩耗性の被覆を、ＣＶＤ工程により、高温での気相反応により、直接、基板上 に析出させることは、公知である。それと共に、より低い気相温度で操作するプ ラズマ活性ＣＶＤ法が公知である。

例えば、ドイツ国特許（ＤＥ）第３８４１７３０号明細書及びドイツ国特許（Ｄ Ｅ）第３８４１７３１号明細書中には、カソードとして連結した基体に、５０μ Ｓのパルス持続時間を有する２００〜９００■のパルス化直流電圧を印加し、そ の際、８０μｓのパルス休止時間（Ｐｕｌｓｐａｕｓｅｎ）中、ＣＶＤ工程に関 与した分子の最低イオン化ポテンシャルより大きいが、最大電圧の５０％より大 きくない残留パルスが得られ続け、かつ被覆を４００℃〜８００℃の気相温度で 実施する、絶縁被覆材料、殊にＡＩ、Ｏ，で金属基体を被覆するためのパルス− プラズマ−ＣＶＤ法（Ｐｕｔｓ−ＰＩａｓ＋ｎａ−（：ＶＤ−Ｖｅｒｆａｈｒｅ ｎ）が記載されている。

本発明は、そのナイフェツジ安定性が前記の欠点の回避下に著しく改良されてい る耐摩耗性の刃を有する工具を、ＣＢＮ又はＰＣＢＮから製造することを課題と する。

本発明のもう１つの課題は、本発明による工具の製法を提示することである。

ｊｌｌ＆に、本発明の課題は、本発明による工具の使用を提示することである。

本発明の基礎となる課題は、完全又は部分的に工具りに広がっている閉じたＣＢ Ｎ−又はＰ　ＣＢ　Ｎ　−、！Ｉが、１ｍ以上の金属酸化物からなる薄層で被覆 されている、請求項１記載の工具により解決される。

酸化物層の厚さは０．５〜６μｍ、特に１〜３μｍであり、かつ／又はＣＢＮ− 又はＰＣＢＮ一層は１０ｍｍである。

酸化物層のために、金属　ジルコニウム及び／又はイツトリウム及び／又はマグ ネシウム及び／又はチタン及び／又はアルミニウムの酸化物が使用される。特に 、酸化アルミニウムからなる層が塗布される。

意外にも、このようにして形成された工具は、優れた摩耗特性を有するだけでな く、高いナイフェツジ安定性に基づき、更に、硬質工具、殊に硬質鉄−及び鋼材 料の切削精密加工のために好適である。

ＰＣＢＨの個々の結晶は、硬質物質の成分（例えばＴｉＣ）を含有していてもよ い金属結合剤（例えば、鉄、ニッケル、コバルト）によって、高圧下で、結合し て塊状体になる。ＰＣＢＮは十分に不活性であるので、切削の際に、熱い刃体表 面に近づいてくる大気酸素は、特に、結合剤の金属成分と反応し、かつ酸化物、 例えば（酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト）を形成するが、これは、ＣＢＮ 粒子間の結合剤の機能を、不十分なＩＩ械的特性（例えば延性、湿潤力）故に、 もはや満たすことができない。従って、切削における使用の間に、個々のＣＢＮ 粒子が溶出し、これにより、ナイフェツジの安定性が妨げられ、かつその機械的 刃摩耗性が著しく高まる。

この作用は、刃物体中に、より多くの切削熱が誘導されればされる程、強（現わ れる。低い切削断面を有すると、切削軟化のために使用されうる切削熱の割合は 減少するので、強められた刃摩耗性もしくは妨げられた刃室定性が、殊に１密加 工の際に生じる。硬質鉄−及び鋼玉具の切削加工の際に生じる高い切削温度によ り、この作用は、付加的に強まる。

ＰＣＢＮを酸化物からなる薄層で被覆する際に、結合剤への大気酸素の侵入が十 分に妨げられるので、結合剤中に含有される金属は、もはやほとんど酸化物を形 成しない。

本発明の殊に有利な１態様によれば、本発明の酸化物層を、片側が金属被覆され たＰＣＢＮからなる植刃を有する工具上に塗布する。

本発明の更なる１態様によれば、本発明による酸化物層をＰＣＢＮからなる塊状 体（モノブロック）上に析出させる。

最後に、ＣＢＮで被覆されている複合体も（その際、ＣＢＮ層と基板との間に、 ＣＢＮ不含中間層が存在していてよい）、本発明による酸化物層で被覆すること ができる。

中間層は、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びテルルの金属の窒化物及び ／又はオキシ窒化物少なくとも１ｆｆｌからなる中間層、特に窒化アルミニウム が使用される。

基板体としては、硬質金属又は切断用セラミック又は窒化ケイ素又はケイ素−ア ルミニウム−オキシ窒化物又はサーメット又は工具鋼が使用される。

本発明の種々の実施態様中で使用されるＰＣＢＮは、結合剤を０〜５０重量％、 特に１０〜２５重量％含有している。結合剤としては、コバルト、ニッケル、タ ングステン及び他の金属、特にコバルトが使用されるもう１つの殊に有利な本発 明の実施態様によれば、酸化物層を、ＣＢＮ又はＰＣＢＮで被覆した全面上に析 出させるのではなく、ＣＢＮ−又はＰＣＢＮ−刃が実際に摩耗にさらされている ところのみに析出させ、従って、ＰＣＢＮもしくはＣＢＮ層は、部分的にのみ、 酸化物層で被覆されている。

本発明の基礎となる課題は、更に、１種以上の金属酸化物からなる摩耗減少層を 、ＣＢＮ又はＰＣＢＮ上に、８００℃までの気相温度で塗布することによる、耐 摩耗性のＣＢＮ−又はＰＣＢＮ−刃を有する工具の製法によって解決される。

更に、本発明方法を用いて、基板への非常に良好な結合を有し、かつ全く亀裂の ない酸化物層を製造することができる。

本発明方法の利点は、鑞接された又は接着されたインレー（Ｉｎｌａｙｓ）を有 する、すなわち既に固定されたＰＣＢＮを有する完成工具としての工具を被覆す ることができることよりなり、それというのも、本発明の被覆法において、鑞又 は接着剤の保護温度を超えない気相温度を選択できるからである。

この処置により、殊に、塗布した酸化物層が、そうでなければ必要な後からの取 り付けの際に、損傷されることを避けられる。

従って、本発明により、酸化物層の製造のために、プラズマ活性ＣＶＤ法、殊に パルス−プラズマ−ＣＶＤ法を使用することは、殊に有利である。

パルス−プラズマ−ＣＶＤ法の使用において、次の実験パラメータの調節の際に 、酸化物層を製造する際、殊に良好な結果が得られる。

気相の温度　４００℃〜６００℃ 直流電圧　−３００Ｖ〜−６００Ｖ 残留電圧ニー２０Ｖ〜−６０Ｖ パルス持続時間　３０μｓ〜６０μｓ パルス休止時間、４０μ５−１００μＳ０被覆すべき物体を、カソードとして連 結させる。

最後に、本発明の基礎となる課題は、硬質材料、殊に硬質鉄−及び鋼材料の切削 加工のために本発明による工具を使用することにより解決される。

本発明によれば、本発明による工具を、前記材料の精密加工のために使用するこ とは、殊に有利である。

引き続き、本発明の対象を、次の実施例により詳述する。

例１ ＳＮｔＪＮ１２０４０４　（ＤＩＮ４９８７による呼称）型の、炭化タングステ ン９４重量％及びコバルト６重量％からなる裏返し可能な硬質金属刃物板（Ｈａ ｒｔｍｅｔａｌｌｗｅｎｄｅｓｃｈｅｉｄｐｌａｔｔｅ）の凹み中に、ＰＣＢＮ からなる約４Ｘ３ｍｍの大きさのインレーを、８００℃で溶融する鑞を用いて固 定した。

裏返し可能な板を、ドイツ国特許（ＤＥ）第３８４１７３０号明細書及び同（Ｄ Ｅ）第３８４１７３１号明細書によるパルス−プラズマ−ＣＶＤ法により、次の 実験パラメータ下に、Ａ　Ｉ　ｘ　Ｏｚで被覆した：ガス圧＋２５０Ｐａ 直流電圧ニー５５０Ｖ 残留電圧　−４０Ｖ パルス持続時間・５０μｓ パルス休止時間・８０μｓ 被覆時間、２ｈ。

引き続く、ＡＩ、０．で被覆した裏返し可能な板の実験は、ＰＣＢＮ−インレー を包含する裏返し可能な板の全表面を、α−変態の微細に分割されたの多結晶質 ＡＩ！０１からなる２μｍの厚さのしっかりと固着した層で被覆されていること を明らかにした。鑞接されたインレーは、被覆工程により、変わらない状態で、 硬質金属ホルダーと結合した。

ロックウェル硬度５６ＨＲＣを有する鋼５　ＱＣｒＭ０４で、ＰＣＢＮ−インレ ーを存する本発明による裏返し可能な板を用いて、連続切断における回転実験を 、同様であるがＡ　Ｉ　：　Ｏｓで被覆されていないＰＣＢＮ−インレーを有す る裏返し可能な刃物板と比較して、次の実験条件下で実施した。

切断速度　１３０ｍ／ｍｉｎ 切断深さ　０．５ｍｍ 送り　０．０８ｍｍ／Ｕ。

０．３ｍｍの摩耗マーク幅（Ｖｅｒｓｃｈｌｅｉｓｓｍａｒｋｅｎｂｒｅｉｔｅ ）に達した際に、回転実験を終了した。

ＡＩ、０．で被覆されていないＰＣＢＮ−インレーを有する裏返し可能な刃物板 においては、この摩耗マーク幅に、１９分後に既に達する一方、ＰＣＢＮ−イン レーを備え、かつＡ　Ｉ　１０　ｓで被覆された裏返し可能な刃物板は、４８分 の使用時間後に、初めて０．３ｍｍの摩耗マークを提示した。

例２ 炭化タングステン９４％及びコバルト６％からなる５ＮＵＮ１２０４０８　（Ｄ ＩＮ４９８７による呼称）型の裏返し可能な刃物板を、ＰＶＤ法により、ＣＢＮ からなる８μｍの厚さの層で被覆し、かつ引き続き、例１に記載した方法条件下 で、ドイツ国（ＤＥ）第３８４１７３０号及び同（ＤＥ）第３８４１７３１号明 細書によるパルス−プラズマ−ＣＶＤ法により、酸化アルミニウムで被覆した。

こうして被覆された裏返し可能な刃物板の引き続く実験は、ＣＢＮ上にしっかり と接着したＡ１．Ｏ，からなる２μｍの厚さの層が堆積したことを示した。Ｘ線 回折分析により、これが非常に微細に分割したα−変態の多結晶質酸化アルミニ ウムであることが確認された。

本発明による裏返し可能な刃物板を、引き続き、例１による切削実験で、同様で あるがＡＩ　！　Ｏｓで被覆されていないＰＣＢＮ−インレーを有する裏返し可 能な刃物板と比較させた。

０．３ｍｍの摩耗マーク幅は、ＡＩ！Ｏ，で被覆されていない、すなわちＣＢＮ でのみ被覆された裏返し可能な刃物板においては、２０分後に生じたが、その一 方、本発明により付加的にＡ１．Ｏ，で被覆された裏返し可能な刃物板は、３４ 分後に初めて、相当する摩耗マークを提示した。

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. １．立方晶窒化ホウ素（ＣＢＮ）又は多結晶質立方晶窒化ホウ素（ＰＣＢＮ）か らなる耐摩耗性の刃を有する工具（その際、工具の表面はＣＢＮ又はＰＣＢＮを 有する）において、工具上に完全又は部分的に広がる閉じたＣＢＮ−又はＰＣＢ Ｎ−層が、１種以上の金属酸化物からなる薄層で被覆されていることを特徴とす る、立方晶窒化ホウ素又は多結晶質立方晶窒化ホウ素からなる耐摩耗性の刃を有 する工具。
2. ２．酸化物層は０．５〜６μｍ、特に１〜３μｍであり、かつ／又はＣＢＮ−又 はＰＣＢＮ−層は１０ｍｍ厚である、請求項１記載のＣＢＮ又はＰＣＢＮからな る耐摩耗性の刃を有する工具。
3. ３．酸化物層はマグネシウム及び／又はイットリウム及び／又はチタン及び／又 はジルコニウム及び／又はアルミニウムの金属の酸化物少なくとも１種からなる 、請求項１又は２記載のＣＢＮ又はＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具 。
4. ４．酸化物層は特に酸化アルミニウムからなる、請求項１又は２記載のＣＢＮ又 はＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
5. ５．酸化物層は微細結晶である、請求項１から４までのいずれか１項記載のＣＢ Ｎ又はＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
6. ６．酸化物層は亀裂がない、請求項１から５までのいずれか１項記載のＣＢＮ又 はＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
7. ７．ＣＢＮ又はＰＣＢＮからなる表面は、摩耗により負荷された箇所にのみ、酸 化物層で被覆されている、請求項１から６までのいずれか１項記載のＣＢＮ又は ＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
8. ８．酸化物層は、少なくともナイフエッジのところにＣＢＮで被覆された基板体 上に塗布されている、請求項１から７までのいずれか１項記載のＣＢＮ又はＰＣ ＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
9. ９．基板体は中間層を有しない、請求項１から８までのいずれか１項記載のＣＢ Ｎからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
10. １０．基板体は少なくとも１種のＣＢＮ不含中間層を有する、請求項１から８ま でのいずれか１項記載のＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
11. １１．酸化物層はＰＣＢＮ−植刃（インレー）上に塗布されている、請求項１か ら１０までのいずれか１項記載のＣＢＮ又はＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有 する工具。
12. １２．酸化物層は、ＰＣＢＮからなる塊状体（モノブロック）上に塗布されてい る、請求項１から１０までのいずれか１項記載のＣＢＮ又はＰＣＢＮからなる耐 摩耗性の刃を有する工具。
13. １３．酸化物層は、マグネシウム及び／又はイットリウム及び／又はチタン及び ／又はジルコニウム及び／又はアルミニウムの金属の酸化物少なくとも１種の複 数の重なり合った層からなる、請求項１から１２までのいずれか１項記載のＣＢ Ｎ又はＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具。
14. １４．酸化物層は、気相から、低い気相温度で析出する、請求項１から１３まで のいずれか１項記載のＣＢＮ又はＰＣＢＮからなる耐摩耗性の刃を有する工具の 製法。
15. １５．気相温度は、８００℃まで、特に４００℃〜６００℃である、請求項１４ 記載の方法。
16. １６．酸化物層の析出のために、技術水準で公知のパルスープラズマーＣＶＤ法 を使用する、請求項１４又は１５記載の方法。
17. １７．硬質材料、殊に硬質鉄−及び鋼材料を切削加工するための刃物体としての 、請求項１から１６までのいずれか１項記載のＣＢＮ又はＰＣＢＮからなる耐摩 耗性の刃を有する工具の使用。
18. １８．硬質材料、殊に硬質鉄−及び鋼材料を切削精密加工するための刃物体とし ての、請求項１から１７までのいずれか１項記載のＣＢＮ又はＰＣＢＮからなる 耐摩耗性の刃を有する工具の使用。