JPH0650860Y2 - ディスクプレーヤのディスクローディング機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はディスクプレーヤに係り、詳しくはトレイの収
納排出及びディスククランプを行うディスクローディン
グ機構に関する。なお、該機構が組み込まれるディスク
プレーヤには再生専用のものと記録・再生両用のものが
あり、また該ディスクプレーヤに使用されるディスクに
は光学式、静電式等種々の方式がある。

ディスクに記録される内容も音響映像等の家庭用のもの
から、コンピュータのデジタル信号の外部記録等の産業
用まであり、ディスクの径も8cm、12cm、20cm、30cm等
種々のものがある。

［従来の技術］ 従来、例えば直径が12cm及び8cmの光学式ディスク用等
のディスクプレーヤにおいて、トレイの収納排出及びデ
ィスククランプを行うディスクローディング機構には第
５図の様な技術がある。箱型の本体ケースに対して進退
するスライドトレイとこのスライドトレイ側面に形成さ
れたラックに噛合う駆動ギヤと、上記スライドトレイ上
のディスク中心開口へはまり込むディスクドライブ機構
と上記駆動ギヤに内設するロータリーカム溝との係合に
より昇降するクランプシャーシとからなり、スライドト
レイの進退とクランプシャーシの昇降を同一の駆動源で
駆動する様に構成されている。なお、ディスクドライブ
機構にはレーザーピックアップとディスクをのせて回転
するターンテーブルが搭載してある。

ディスク再生時には、駆動ギヤを時計回りに回転させる
とスライドトレイ側面のラックとの噛合せによりスライ
ドトレイが収納されていくと、ディスクトレイが完全に
収納されると駆動ギヤとラックの噛合いが外れる様に、
欠切成型されているのでスライドトレイは静止し、その
後ディスククランプ動作を次の様に行う。

上記ロータリーカム溝は略だ円状に形成されており、ク
ランプシャーシの下面に突設したガイドが係合してい
る。クランプシャーシは略台形状で、長辺側が本体シャ
ーシ上に立設した２本のボス上に軸支され、短辺側には
ターンテーブル上面との間にディスクを挟持するディス
ククランプを回転自在に取り付けてある。

すなわち、ディスクトレイが静止した後さらに駆動ギヤ
を回転させるとガイドが上記カム溝に従って駆動ギヤ軸
芯側に傾動し、クランプシャーシが降下する。

よって、ディスククランプがターンテーブルとの間でデ
ィスクを挟持し、ディスククランプ動作を完了する。

しかしながら、前記従来のディスクローディング機構で
は駆動ギヤとラックの係合を外さなければディスククラ
ンプが行えなく、上記係合を外すタイミングの調整が困
難であり、ディスクの中心とディスククランプ及びター
ンテーブルの中心が合致せずディスクを損傷する等の欠
点があった。

［本考案が解決しようとする課題］ 本考案はこのような欠点を解消するためになされたもの
であって、その目的はディスクプレーヤのディスクトレ
イの収納排出及びディスククランプのタイミング調整を
容易にし、かつ確実にディスククランプを行うディスク
ローディング機構を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係るディスクプレーヤのディスクローディング
機構はクランプ面と平行に移動してトレイの収納排出を
行うディスプレーヤのディスクローディング機構におい
て、トレイの収納排出動作をピニオンギヤとの噛合いに
より実現するラック板を、トレイに対し一定ストローク
内で前後動自在に連結すると共に、前記トレイに、トレ
イとラック板との相対移動を不能とし、または相対移動
を可能とする切替えレバーを設け、前記ラック板には、
基端をベースへ軸支されて、先端側が上下方向へ揺動自
在となったドライブ機構の先端側カムローラをガイドす
るカム溝を設け、該カム溝はトレイが収納された後にラ
ック板がトレイに対して相対移動する間にドライブ機構
が上動するよう一端側に傾斜部を形成し、かつ前記切替
えレバーは一方がラック板に係合離脱する係合片、他方
がドライブ機構上のガイド片に係合する切替片となった
２又状のレバーと成し、該係合片のラック板からの離脱
は、トレイとラック板の収納方向への移動に伴い、ドラ
イブ機構の上動に先立って実行されるよう構成し、かつ
ドライブ機構は少なくともターンテーブルを含むディス
クの回転駆動源と成したことを特徴とする。

［実施例］ 以下本考案の一実施例を第１図〜第４図に基づいて説明
する。

まず、第１図は本考案を適用したディスクプレーヤのデ
ィスクローディング機構の一実施例を示す概略平面図で
ある。

（１）は直径が12cmまたは8cmの光学式ディスク等を載
置し本体ケースと平行に移動するディスクトレイであ
る。

（２）はディスクトレイ（１）の長手側面に内設するラ
ック板であり、ディスクトレイ（１）内側面に突設した
２本のガイド（19）（19）により支持されている。

ディスクトレイ（１）とラック板（２）との間で交互に
遊びが生じるように前記ガイド（19）（19）と係合する
長穴（20）（20）が横長に前記ラック板（２）に設けら
れている。

また、上記ラック板（２）には下方にラック（16）側方
に傾斜カム溝（18）が各々形成されている。

（３）は略Ｌ字状の切替えレバーであり、ディスクトレ
イ（１）とラック板（２）を連結するようにディスクト
レイ（１）の裏側で軸支されている。（６）はレーザー
ピックアップ（12）とターンテーブル（９）を搭載した
ドライブ機構である。該ターンテーブル（９）は図示し
ないモーターにより光学式ディスク等を回転させる。前
記ドライブ機構（６）の側面には上記カム溝（18）に係
合するカムローラ（10）が設けてあり該カム溝（18）の
傾斜に沿ってドライブ機構（６）の昇降を行うようにな
っている。

また、ベース（４）の上部にはチャックシャーシ（７）
が固定されており、該シャーシ（７）中央に設けられた
円形の穴（7a）から第２図に示す山高帽形状のチャック
板（８）の頭部を下方に突設させ、縁部もシャーシ
（７）上面で支え、上から板バネ（11）でチャック板軸
（8a）を押えることによりチャック板（８）を前記チャ
ックシャーシ（７）に回転自在に付勢させている。この
付勢力により該チャック板（８）の下面（頭部）と前記
ターンテーブル（９）上面とでディスク（５）（図示せ
ず）を挟持することができる。

次に動作を第３図及び第４図にもとづいて説明する。

まず、第3a図において排出された状態のディスクトレイ
（１）にディスク（５）をのせ、再生ボタン（図示せ
ず）を押すとピニオンギヤ（17）が反時計回りに回転
し、ラック（16）との噛合いによりラック板（２）が矢
印Ａ方向に移動を始める。

この時切替えレバー（３）の係合片（3a）とラック板の
欠切部（2a）は係合しており、ディスクトレイ（１）は
ラック板（２）と同時に矢印Ａ方向へ移動を始める。さ
らにピニオンギヤ（17）を回転させディスクトレイが完
全に収納されると第3b図になる。

この時に切替えレバー（３）の切替片（3b）がドライブ
機構（６）上面に突設するガイド片（13）に当接し、前
記切替片（3b）がＢ方向に押される。これを第４図で見
ると切替えレバー（３）は矢印Ｃ方向に回動し、該レバ
ー（３）の係合片（3a）とラック板（２）の切欠部（2
a）の係合を外す。すなわちディスクトレイ（１）とラ
ック板（２）は各々単独で動作自在状態となる。再び第
3b図にもどり、ピニオンギヤ（17）をさらに反時計回り
に回転させると、ディスクトレイ（１）は収納された位
置で静止ままラック板（２）のみが矢印Ａ方向に移動を
続ける。

すると、カムローラ（10）がカム溝（18）の傾斜部（18
a）に沿って上り、それに従ってドライブ機構（６）が
軸（14）（14）を支点として上昇し第３図ｃ図となる。
この時ターンテーブル（９）の上面はディスク（５）を
持ち上げ前記チャック板（８）の下面とで既述した通
り、ディスク（５）を挟持する。以上でディスクのロー
ディング及びクランプ動作は完了する。

この状態においてディスク（５）を回転させ、ディスク
に記録された情報の再生等を行うものである。

次にディスク（５）の排出について説明する。

まず、第3c図においてピニオンギヤ（17）を時計回りに
回転させるとラック板（２）のみが矢印Ｂ方向に移動し
カムローラ（10）がカム溝（18）の傾斜部（18a）を下
りドライブ機構（６）が下降し、ディスクのクランプが
外れる。

ドライブ機構（６）が完全に下降し、さらにピニオンギ
ヤ（17）を回転させるとラック板（２）の切欠部（2a）
が切替えレバー（３）の係合片（3a）に達し第3b図とな
る。

次に第４図において切替えレバー（３）は該レバー
（３）内に付設されたつる巻きバネにより矢印Ｄ方向に
付勢されているので係合片（3a）はラック板（２）の切
欠部（2a）に係合する。

これによってディスクトレイ（１）を排出後次にローデ
ィングする時にガイド片（13）が切替片（3b）に当接す
ることを可能にする。一方第3b図に戻り、ディスクトレ
イ（１）に設けられたガイド（19）は長穴（20）の一方
の端（第3c図の時と反対側）に係合する位置に達してい
る。

さらにピニオンギヤ（17）を回転させるとディスクトレ
イ（１）がラック板（２）に供なって矢印Ｂ方向に移動
し第3a図の状態となりディスク（５）が排出される。

［考案の効果］ 以上のように、この考案に係るディスクローディング機
構ではディスクトレイが収納された後、ラック板との係
合を外す切替えレバーを設け、ラック板のカム溝に沿っ
てドライブ機構を昇降させるよう構成したので、ディス
クトレイとドライブ機構の２つの移動体を単一の駆動ギ
ヤ（駆動源）で駆動させる構造となり、ディスクトレイ
の収納排出とディスククランプの切替えタイミングの調
整が容易になり、ディスクの中心とチャック板及びター
ンテーブルの中心が合致せずにディスクを損傷する等の
支障が生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るディスクプレーヤのディスクロ
ーディング機構部の平面図、第２図は第１図のII-II線
矢視断面図、第3a図〜第3c図は動作説明図、第４図は第
１図要部の平面図、第５図は従来装置におけるディスク
ローディング機構の平面図である。 （１）……ディスクトレイ、（２）……ラック板、 （３）……切替えレバー、（４）……ベース、 （５）……ディスク、（６）……ドライブ機構 （７）、……チャックシャーシ、（８）……チャック
板、 （９）……ターンテーブル、（10）……カムローラ、 （11）……板バネ、 （12）……レーザーピックアップ、 （13）……ガイド片、（14）……軸、 （17）……ピニオンギヤ、（18）……カム溝、 （19）……ガイド、（20）……長穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】クランプ面と平行に移動してトレイの収納
   排出を行うディスクプレーヤのディスクローディング機
   構において、トレイの収納排出動作をピニオンギヤとの
   噛合いにより実現するラック板を、トレイに対し一定ス
   トローク内で前後動自在に連結すると共に、前記トレイ
   に、トレイとラック板との相対移動を不能とし、または
   相対移動を可能とする切替えレバーを設け、前記ラック
   板には、基端をベースへ軸支されて、先端側が上下方向
   へ揺動自在となったドライブ機構の先端側カムローラを
   ガイドするカム溝を設け、該カム溝はトレイが収納され
   た後にラック板がトレイに対して相対移動する間にドラ
   イブ機構が上動するよう一端側に傾斜部を形成し、かつ
   前記切替えレバーは一方がラック板に係合離脱する係合
   片、他方がドライブ機構上のガイド片に係合する切替片
   となった２又状のレバーと成し、該係合片のラック板か
   らの離脱は、トレイとラック板の収納方向への移動に伴
   い、ドライブ機構の上動に先立って実行されるよう構成
   し、かつドライブ機構は少なくともターンテーブルを含
   むディスクの回転駆動源と成したことを特徴とするディ
   スクプレーヤのディスクローディング機構。