JPH0650707A - 走査型トンネル顕微鏡 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡

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JPH0650707A
JPH0650707A JP4223204A JP22320492A JPH0650707A JP H0650707 A JPH0650707 A JP H0650707A JP 4223204 A JP4223204 A JP 4223204A JP 22320492 A JP22320492 A JP 22320492A JP H0650707 A JPH0650707 A JP H0650707A
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JP
Japan
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scanning
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JP4223204A
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Hikari Yamamoto
光 山本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 走査型トンネル顕微鏡における測定のための
走査において、各測定箇所での探針のZ軸方向の位置制
御を迅速かつ正確に行うことにより、各測定箇所での測
定時間を短くし、測定時間全体を短縮する。 【構成】 探針1と、トンネル電流を流すための電源6
と、探針のZ軸方向の移動を行う圧電素子5等と、探針
を走査させる走査部10と、基準値に基づきトンネル電
流を設定値に保つように探針の位置を調整するサーボ回
路7と、サーボ回路7と走査部10の制御量を格納する
測定データ記憶部12と、測定データ記憶部12のデー
タを処理するデータ処理部13を含み、さらに、測定対
象領域の凹凸状態を測定するとき、前もって走査領域の
凹凸状態を測定し、その測定データに基づき測定対象領
域の予測データを生成する予測データ生成手段13と、
予測データを格納する予測データ記憶部14を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型トンネル顕微鏡に
係り、特に、原子レベルの大きさの微細対象物の観察等
に利用される走査型トンネル顕微鏡であり、探針の試料
への接近・退避動作についての位置制御を改善したもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡(以下STMとい
う)は、例えば、試料表面の原子レベルの凹凸形状を測
定するために利用される。STMでは、探針がその軸方
向が試料表面に垂直となるように配置される。探針の先
端は試料表面に臨む。STMによる試料表面の凹凸形状
の測定では、探針先端と試料表面との間に流れるトンネ
ル電流が利用される。探針と試料の間にトンネル電流を
流すため、探針の位置は、試料表面に対し原子レベルの
微細距離で接近するように調整される。探針の位置調整
は、例えば圧電素子を利用した微動機構によって行われ
る。
【0003】探針の微動機構は、例えば、試料表面の凹
凸形状に応じて探針を、その軸方向(Z軸方向)に移動
させ、試料と探針の間隔を常に一定距離に保持するため
の圧電素子と、探針を試料表面に平行な方向(X軸方向
およびY軸方向)に移動させる走査のための圧電素子を
備える。この微動機構によって、探針を、試料表面との
間隔を一定距離に保ちつつ、試料の測定面を走査させ、
探針の移動制御に要した各軸方向の制御量に基づいて試
料表面の凹凸形状を測定する。
【0004】STMにおいて、探針は、試料測定面に対
し所定値のトンネル電流が流れる程度の距離に接近させ
ながら、試料測定面を走査するように位置制御される。
このような制御による探針の空間的位置座標は、X,
Y,Zの各軸の座標値によって決定される。この空間座
標を用いて、CRTモニタに、試料測定面の鳥瞰図を表
示したり、Z座標に関する輝度変調像を表示する。こう
して作成された画像は、試料測定面の凹凸形状を反映し
たものであり、この画像によって試料表面における微細
形状を解析することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】測定時における探針の
走査では、試料測定面において、探針を、所定間隔で予
め設定された複数の測定箇所に順次に移動させながら、
各測定箇所で、試料・探針間に所定値のトンネル電流が
流れるように探針を試料に接近あるいは遠ざけるため、
Z軸方向の位置制御が実行される。Z軸方向の位置制御
については、試料表面への接近移動に関し、通常、単位
の移動量が設定されるので、目標とする所定のトンネル
電流値が試料・探針間に検出されるまで、予め設定され
た回数の位置制御が繰り返される。しかし、この場合、
目標とするトンネル電流値と最初に検出されるトンネル
電流値の差が大きいほど、より多くの回数の位置制御が
必要となる。従って、試料表面の凹凸形状が激しいほ
ど、Z軸方向の位置制御の回数を増す必要が生じ、全体
の測定時間は長くなるという問題が提起される。
【0006】本発明の目的は、上記問題に鑑み、測定の
ための走査において、各測定箇所での探針のZ軸方向の
位置制御を迅速かつ正確に行うことにより、各測定箇所
での測定時間を短くし、測定時間全体を短縮する走査型
トンネル顕微鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る走査型トン
ネル顕微鏡は、その先端が試料に対向して配置される探
針と、探針・試料間にトンネル電流を流すため探針・試
料間にバイアス電圧を与える電圧印加手段と、探針を試
料に近づけたり(接近)または試料から離したり(退
避)する移動手段と、探針を試料の測定面に沿って走査
移動させる走査手段と、トンネル電流を検出しかつ基準
値に基づきトンネル電流を設定された一定値に保つよう
に移動手段によって探針・試料間の距離を調整する制御
手段と、制御手段と走査手段から探針の位置制御に用い
た制御量を取入れ、格納する測定データ記憶手段と、測
定データ記憶手段に格納されたデータを処理するデータ
処理手段とを含み、さらに、試料表面における特定の測
定対象領域の凹凸形状を測定するとき、前もって前述の
測定システムを用いて当該測定対象領域を含む試料表面
の凹凸形状を測定し、その測定データに基づき測定対象
領域の予測データを生成する予測データ生成手段と、生
成された予測データを格納する予測データ記憶手段とを
備え、前記測定対象領域を測定するとき、予測データ記
憶手段は、前記測定対象領域の各測定箇所における探針
のZ方向位置制御で基準値の初期値として各測定箇所に
対応する予測データを制御手段に与えるように構成され
る。前記の構成において、好ましくは、予測データに基
づいて位置制御を行うとき、探針の軸方向(高さ方向)
の現在位置と次の測定箇所の予測位置の高さの大小関係
を比較し、走査時に探針が次の測定箇所の試料表面に衝
突するのを避ける制御指令を出力する判定手段を備える
ように構成される。
【0008】
【作用】本発明による走査型トンネル顕微鏡では、試料
表面において或る測定対象領域を設定したとき、当該測
定対象領域を測定するにあたって、前もってこの測定対
象領域を含む広い範囲の領域を走査することにより測定
対象領域を測定するための各測定箇所の凹凸の高さに関
する予測データを生成する。そして、測定対象領域の凹
凸形状を測定するとき、設定された各測定箇所での探針
の高さ方向の位置制御を行うにあたり、予測データを用
いて予測された位置に迅速に探針を移動させる。この予
測データに基づく探針の軸方向位置制御によって、各測
定箇所での初期位置は目標とする位置の近傍となり、そ
の後本来の目標位置に到達する位置制御を行い、測定対
象領域の各測定箇所において、より少ない制御回数で位
置制御を終了させる。これによって、各測定箇所での測
定時間を短縮し、測定対象領域の全体の測定時間を短く
することができる。また予測データを用いた探針の軸方
向位置制御において、探針と試料表面との衝突を避ける
判定を行う判定手段を備えることにより、探針と試料表
面との衝突を確実に避けることが可能である。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1はSTMの基本構成を示し、STMの
探針微動機構、探針の移動を制御する制御機構、および
信号処理機構を示す。
【0010】探針1は導電性を有し、その先端部が尖っ
ている。探針1は、その先端部を試料2の測定対象であ
る表面領域に対向させた状態で当該表面に垂直となるよ
うに配置される。探針1は3次元圧電アクチュエータ
(探針微動機構)に取り付けられる。3次元圧電アタチ
ュエータは、図示しないトライポッドヘッドに相互に直
交した位置関係で配置されたX,Y,Zの各軸方向のロ
ッド形状の圧電素子3,4,5によって構成される。
X,Y,Zの各軸は図1中に示される通りである。探針
1は、圧電素子3〜5の垂直交差部に取り付けられる。
圧電素子3,4は、探針1を試料2の表面に沿ってXY
走査(平面走査)させるための駆動装置である。圧電素
子5は、探針1のZ方向の位置を変化させ、探針1と試
料2の間の距離(試料表面に対する探針の高さ位置)を
調整するための駆動装置である。
【0011】探針1と試料2の間には、トンネル電流を
流すための電源6が接続される。電源6により探針1と
試料2の間に所要の電圧が印加された状態で、探針1
が、図示しない粗動機構で試料2に接近させられる。探
針1と試料2の間の距離が或る原子レベルの微細距離に
なると、探針・試料間に印加電圧および離間距離に対応
するトンネル電流が流れる。トンネル電流が流れる現象
は、量子効果に起因するトンネル現象に基づいている。
粗動機構としては、ストロークの大きい粗動用圧電素子
やステッピングモータ等が使用される。探針1と試料2
の間の微細距離の調整は、前述の圧電素子5の伸縮動作
で行われる。圧電素子5の伸縮の動作量は、圧電素子5
に印加される電圧によって決定される。圧電素子5への
印加電圧はサーボ回路7から与えられる。
【0012】STMにおける測定動作では、探針1と試
料2の間隔を、最初に一定の距離に設定する。距離の設
定は、探針・試料間に流れるトンネル電流の値を所定の
一定値に設定することにより行われる。トンネル電流値
を一定値に設定することは、サーボ回路7の中に、検出
電圧と比較するための基準値(電圧値)を設定すること
により行われる。探針1を走査させる時、探針・試料間
のトンネル電流を検出し、このトンネル電流を、最初に
設定した一定値に保持することにより、探針1と試料2
の間隔を最初の一定距離に保持する。この制御は、サー
ボ回路7によって圧電素子5の動作をサーボ制御するこ
とで行われる。探針1は、試料2の測定面の原子レベル
の微細凹凸形状をなぞって移動するので、探針1を移動
させるための制御データに基づいて、測定面の凹凸形状
を測定することができる。図1において、8はトンネル
電流を検出し増幅する機能を有するトンネル電流検出部
であり、9は検出した電流値を距離(電圧値)に換算す
る機能を有する電流・距離換算部である。電流・距離換
算部9から出力される信号は、サーボ回路7に与えられ
る。サーボ回路7は、基準値との比較に基づき、電流・
距離換算部9の出力信号(上記の検出電圧)が最終的に
基準値に一致するように、探針1のZ軸方向の位置を決
定する電圧を設定し、圧電素子5に対し供給する。
【0013】10は、探針1に試料表面を走査させるた
めの圧電素子3,4の動作を制御するXY走査部であ
る。XY走査部10は、試料2の測定面の上で探針1に
平面走査させるとき、圧電素子3,4のそれぞれの伸縮
動作を所定のタイミングで制御する。X軸方向の圧電素
子3およびY軸方向の圧電素子4の各伸縮動作による平
面走査は、XY走査部10から与えられる走査のための
制御信号に基づいて行われる。
【0014】STMの測定において、探針1に測定動作
を行わせるため、圧電素子3〜5の伸縮動作が制御され
る。圧電素子3〜5の伸縮動作に伴い、サーボ回路7で
生成されるZ軸方向の制御データおよびXY走査部10
で使用されるXおよびYの各軸方向の制御データは、測
定データ記憶部12に供給され、格納される。換言すれ
ば、圧電素子3〜5の負荷電圧、すなわち各圧電素子の
伸縮量を空間座標として測定データ記憶部12に記憶す
る。測定データ記憶部12に格納された探針1の測定動
作に関する制御データ(空間座標値)は、そのまま試料
表面の凹凸形状を表す測定データとなる。この測定デー
タは、データ処理部13によって適宜なタイミングで処
理され、これによって作成された画像データをモニタ部
17に供給し、その画面に試料測定面の画像が表示され
る。上記の測定データ記憶部12とデータ処理部13
は、演算部11の内部に設けられる。演算部11は、例
えばCPUおよびメモリで構成される。
【0015】演算部11には、さらに、予測データ記憶
部14が内蔵される。後述するごとく、上記測定データ
記憶部12は、本来の測定前の予備的測定で予測データ
を取り込み、データ処理部13は、得られた予測データ
に例えば補間法を適用して予測データを作成する機能を
有する。予測データ記憶部14は、データ処理部13で
作成された予測データを格納する。予測データ記憶部1
4に格納された予測データは、適宜なタイミングでサー
ボ回路7に初期の基準値として与えられる。
【0016】上記の構成において、探針1と試料2の間
にトンネル電流が流れる場合、探針1と試料2の間の距
離は、原子レベルの微細距離、例えば1nm程度であ
る。試料表面の凹凸形状を検出するためには、設定され
た微細距離を一定に保つように圧電素子5の伸縮動作を
制御することが必要である。探針・試料間に流れるトン
ネル電流は、探針1と試料2との間の距離の変化に敏感
であり、この特性によって高い分解能を得ることができ
る。
【0017】STMの測定における探針の走査では、探
針1を、試料測定面において予め設定された複数の測定
箇所に順次に移動し、各測定箇所で、走査のための移動
を停止し、上記所定値のトンネル電流を検出して所定距
離を保つためのサーボ制御が、サーボ回路7によって複
数回繰り返される。サーボ制御の繰り返し回数は、従来
では、予め一定回数に設定されているので、各測定箇所
でのZ軸方向の探針位置制御に要する時間、ひいては全
体の測定時間を左右する大きな要素であった。
【0018】図2において、本実施例によるSTMの測
定における走査領域の概念を説明する。領域16は、本
来、正確に凹凸形状(試料表面の高さ)を測定したい試
料の測定面である。15は前もって凹凸形状が測定され
る試料表面上の走査領域で、領域16を部分領域として
含む領域である。領域16の凹凸形状を正確に測定する
ために、その前に領域16を部分として含む走査領域1
5を設定し測定する。この場合、領域16を測定する観
点で見ると、走査領域15を測定するために設定される
測定箇所は、比較的に大きな間隔である。従って走査領
域15による測定によれば、領域16について大まかな
高さデータを得ることができる。走査領域15の測定で
得られたデータは測定データ記憶部12に格納され、こ
の測定データに基づいてデータ処理部13で領域16の
凹凸形状に関する予測データが作成され、この予測デー
タは演算部11の予測データ記憶部14に記憶される。
このようにデータ処理部13の内部には予測データ生成
手段が含まれる。また図2中16′は領域16を拡大し
て示したものである。
【0019】走査領域15の測定で得られた高さデータ
を用いて領域16の測定での予測データを作成する場
合、領域16の測定で設定される複数の測定箇所のすべ
てが、走査領域15の測定での測定箇所と一致するわけ
ではないので、例えば次のようにする。領域16の測定
における測定箇所が走査領域15の測定における測定箇
所と一致するときには、走査領域15の測定で得られた
高さデータをそのまま予測データとして用いる。領域1
6の測定で新たに設定される測定箇所の予測データにつ
いては、補間演算で予測データが求められる。このよう
にしてデータ処理部13で、領域16を測定するための
走査ルートを決定する各測定箇所での予測データが生成
される。予測データ記憶部に記憶された予測データは、
基準値としてサーボ回路8に与えられる。こうして、領
域16の凹凸形状の測定では、予め設定された複数の測
定箇所に関し、各測定箇所で測定動作のためのZ軸方向
の探針位置制御を行うとき、初期状態では予測データを
用いて予測された高さ位置に探針を移動させる。このよ
うにすることにより、領域16の凹凸形状の測定動作に
おいて、領域16で設定された複数の測定箇所のそれぞ
れでの測定動作に関し、最初に目標とする位置に近い位
置に移動させることができ、各測定箇所での測定動作が
迅速化され、全体の測定時間が短縮される。
【0020】次に、図3のフローチャートを参照して、
領域16の各測定箇所における位置制御の処理の流れを
詳細に説明する。最初に、領域16の走査原点におい
て、粗動用圧電素子(図示せず)を用いてトンネル電流
を検出するまで探針1を試料2に接近させる(ステップ
S1)。次いで走査原点の予測データに基づき微動用圧
電素子5の伸縮動作をサーボ回路7で制御し、探針1を
Z軸方向(以下Z方向という)の予測位置に移動させる
(ステップS2)。探針1がZ方向予測位置に移動した
後には、本来予め設定された一定のトンネル電流値を検
出するまでZ方向位置制御を行い(ステップS3)、こ
れによって探針1の移動は目標とする所定のトンネル電
流値が検出されるZ方向位置に収束する。このときのZ
方向位置の座標は、測定データ記憶部12に記憶され
る。
【0021】走査原点(最初の測定箇所)における測定
が終了した後には、走査移動を行って探針1を次の測定
箇所に移動させる必要がある。次の測定箇所に走査移動
を行うにあたって、当該測定箇所の予測データが使用さ
れる。予測データを用いて走査移動する前にステップS
4が実行される。ステップS4では、現在のZ方向位置
と、次の測定箇所におけるZ方向予測位置との大小関係
を判定する。現在のZ方向位置が次の測定箇所のZ方向
予測位置よりも大きい場合には、XY方向位置制御を行
い、そのまま次の測定箇所に移動する(ステップS
5)。そして、次の測定箇所にてZ方向予測位置に移動
する。反対に、現在のZ方向位置が次の測定箇所のZ方
向予測位置よりも小さい場合には、そのまま次の測定箇
所へ移動すると探針1が試料2に接触する可能性がある
ので、先に次のZ方向予測位置への移動を行って(ステ
ップS7)、その後に次の測定箇所へ走査移動する(ス
テップS8)。
【0022】ステップS6またはステップS8が終了
し、その結果、次の測定箇所において探針1がそのZ方
向予測位置への移動を完了すると、ステップS9におい
て目標とする所定のトンネル電流値を検出するための探
針1のZ方向位置制御が行われる。このZ方向位置制御
によって得られた測定データは、測定データ記憶部12
に記憶される。
【0023】次にステップS10で、領域16における
すべての測定箇所で測定が終了したか否かが判定され
る。終了していない場合には、ステップS4に戻って、
前述した処理を繰り返す。
【0024】上記のごとく、領域16の凹凸形状を測定
するにあたって、前もって広い走査領域15の凹凸形状
を測定して、領域16に関する予測データを作成し、領
域16で設定された各測定箇所のZ方向位置制御におい
て初期状態では予測データを用いて目標とする位置に接
近させて位置制御を行うことができるので、各測定箇所
における目標位置へのZ方向位置制御について制御回数
を減らすことができるため、短時間で行うことができ
る。これによって、領域16の測定時間の全体を短縮す
ることができる。
【0025】また領域16の測定において、或る測定箇
所から次の測定箇所に移動する際、次の測定箇所の高さ
状態を事前に調べることにより、走査移動において探針
が次の測定箇所の試料表面に衝突するのを防止すること
ができる。こうして、迅速かつ正確に、さらに探針1を
破損させることなく、領域16の凹凸形状を精度良く測
定することができる。
【0026】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、試料表面の特定の領域を測定する場合、各測定
箇所におけるZ方向位置制御に関し、前もって広い領域
について凹凸形状を測定し、予測データを作成し、この
予測データを用いて初期のZ方向位置制御を行うように
したため、目標とする位置に迅速に近づくことができ、
各測定箇所におけるZ方向位置制御を迅速かつ正確に行
うことができ、領域全体測定時間を短縮させ、高精度な
凹凸形状の測定を行うことができる。また予測データを
用いて各測定箇所で高さ方向位置制御を行うにあたり、
或る測定箇所から次の測定箇所に移動する際、現在位置
と次の測定箇所の高さを比較し判定するように構成した
ため、走査移動において探針が次の測定箇所の試料表面
に衝突するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型トンネル顕微鏡の要部構成
を示す構成図である。
【図2】予測データによる走査を説明するための概念図
である。
【図3】各測定箇所におけるZ方向位置制御を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 …探針 2 …試料 3〜5 …圧電素子 6 …電源 7 …サーボ回路 8 …トンネル電流検出部 9 …電流・距離変換部 10 …XY走査部 11 …演算部 12 …測定データ記憶部 13 …データ処理部 14 …予測データ記憶部 15 …走査領域 16 …測定対象の領域 17 …モニタ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対して配置される探針と、探針・
    試料間に電圧を与える電圧印加手段と、前記試料に対し
    前記探針を接近または退避させる移動手段と、前記探針
    に前記試料を走査させる走査手段と、トンネル電流を検
    出しかつ基準値に基づき一定値に保つように前記移動手
    段を介し探針・試料間の距離を調整する制御手段と、前
    記制御手段と前記走査手段で発生した探針位置制御のた
    めの制御量を格納する測定データ記憶手段と、前記測定
    データ記憶手段に格納されたデータを処理するデータ処
    理手段を含む走査型トンネル顕微鏡において、 試料表面における特定の測定対象領域の凹凸形状を測定
    するとき、前もって前記測定機構を用いて前記測定対象
    領域を含む試料表面の凹凸形状を測定し、その測定デー
    タに基づき前記測定対象領域の予測データを生成する予
    測データ生成手段と、生成された前記予測データを格納
    する予測データ記憶手段を備え、前記測定対象領域を測
    定するとき、前記測定対象領域の各測定箇所における探
    針の軸方向位置制御で、前記予測データ記憶手段から、
    前記基準値の初期値として各測定箇所に対応する前記予
    測データが、前記制御手段に与えられる構成を有するこ
    とを特徴とする走査型トンネル顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡に
    おいて、前記予測データに基づいて探針の軸方向位置制
    御を行うとき、探針の現在位置と次の測定箇所の予測位
    置を比較し、走査時に前記探針が次の測定箇所の試料表
    面に衝突するのを避ける制御指令を出力する判定手段を
    備えることを特徴とする走査型トンネル顕微鏡。
JP4223204A 1992-07-30 1992-07-30 走査型トンネル顕微鏡 Pending JPH0650707A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6264698B1 (en) * 1993-10-29 2001-07-24 Howmedica International S. De R.L. Method and apparatus for implanting an acetabular cup

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6264698B1 (en) * 1993-10-29 2001-07-24 Howmedica International S. De R.L. Method and apparatus for implanting an acetabular cup

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