JP3078352B2 - 走査型トンネル顕微鏡の測定方法 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡の測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
の測定方法に係り、特に、高速測定及び広域測定を行え
る走査型トンネル顕微鏡おいて、各測定場所での試料表
面に対する探針の接近・退避動作を高速化した走査型ト
ンネル顕微鏡の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡(以下ではSTM
と記す)の一般的構成については、例えば、特開昭61
−220260号公報、特開昭61−206148号公
報、又はPhysical Review Letter,49(1982) pp57〜61等
の文献に記述されている。
【0003】またSTMによる測定の高速化と広域化を
図るために、試料の表面における探針の走査移動につい
て、探針を、試料表面の凹凸に比較して充分に大きな距
離だけ離して走査移動を行い、試料表面において測定す
るための測定場所を離散的に設定し、これらの測定場所
の間をほぼ直線的に走査移動させ、更に測定時には各測
定場所で、探針を試料表面近傍の測定点に向かって接近
動作させ、所定のトンネル電流になった所の探針の高さ
方向の変位を測定した後に、再び走査移動路の位置まで
退避させるように構成したSTMが存在する(特開平1
−169304号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】探針の走査移動の高速
化による測定の高速化及び測定領域の広域化を企図した
後者の文献(特開平1−169304号公報)に開示さ
れるSTMでは、測定場所間の探針の走査移動を、試料
表面から離れた走査移動路の上で行うようにしたため、
必然的に、走査移動路と試料表面近傍の測定点との間を
移動する動作が含まれる。従って、測定全体の高速化を
達成するためには、各測定場所において探針の試料表面
への接近・退避移動の高速化を図ることが必要である。
【0005】従来の前記文献では、探針と試料の間を高
速に接近させ測定を行うことについて特別に配慮してお
らず、反対に、探針が試料表面にぶつからないようにす
るため、低速接近を行い、接近動作に多大の時間をか
け、接近動作が鈍いという問題が存在した。
【0006】本発明の目的は、試料表面から離れた位置
で探針の走査移動を行い、設定された複数の測定場所で
探針が試料表面に向かって接近動作を行うように構成さ
れたSTMにおいて、各測定場所における試料表面への
探針の高速接近及び高速退避を企図したSTMの測定方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成される。1.本発明に係る
STMの測定方法は、試料表面で離散的に複数の測定場
所を定め、試料表面の凹凸に比較し充分に離れた位置で
測定場所間の探針の走査移動を直線的に行い、測定場所
のそれぞれに対応する走査移動路上の位置で、探針を試
料表面に接近させ、所定のトンネル電流になった所の探
針の高さ方向の変位を測定した後に停止させ、その後走
査移動路上の位置に退避させ、再び走査移動を行い、各
測定場所で測定のための接近動作を行う走査型トンネル
顕微鏡の測定方法であることを前提とし、測定場所にお
ける探針の試料表面への接近は、初期にはトンネル電流
を検出するためのバイアス電圧を高く設定して高速接近
を行い、トンネル電流検出後、バイアス電圧を正規の値
に設定して試料表面を測定するための低速接近を行うこ
とを特徴とする。2.第1又は第2の測定方法におい
て、前記試料表面への初期の接近では、前記バイアス電
圧を高く設定すると共に検出基準電流値を低く設定して
高速接近を行い、トンネル電流検出後、バイアス電圧及
び検出基準電流値を正規の値に設定して試料表面を測定
するための低速接近を行うことを特徴とする。3.第1
又は第2の測定方法において、各測定場所で測定が終了
した後、バイアス電圧を高く、トンネル電流の検出基準
電流値を低くし、各測定場所で測定対象の試料表面から
等しい距離退避することを特徴とする。4.第1又は第
2の測定方法において、各測定場所で測定が終了した
後、探針は同一の高さ位置まで退避することを特徴とす
る。5.第1又は第2の測定方法において、各測定場所
で探針が前記退避動作を行う時、探針は、隣に位置する
次の測定場所の接近開始位置に向かって例えば直線的に
移動することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明による第1又は第2のSTMの測定方法
では、探針にトンネル電流を流すための電圧を測定用の
正規の電圧よりも高く設定し、又は探針にトンネル電流
を流すための電圧を測定用の正規の電圧よりも高く設定
し且つトンネル電流を検出するための検出基準電流値を
低く設定するので、初期状態において高速接近を行える
と共に、本来の測定点よりも上方の位置でトンネル電流
を検出するので、この位置で、正規のバイアス電圧又は
正規のバイアス電圧及び検出電流基準値に設定し、測定
モードに移行する。こうして、全体として各測定場所に
おいて高速接近を行い得る。第3のSTMの測定方法で
は、各測定場所において測定が終了した後に、試料表面
近傍から離反し、一定距離だけ戻るように退避動作の制
御を行う。この制御においては、バイアス電圧を高く、
検出するトンネル電流の基準値を小さくするサーボ制御
が作用し、自動的に探針は一定距離を退避することがで
きる。退避距離を常に測定対象の試料表面から一定距離
としたため、退避距離の短縮化を達成し、高速化に寄与
する。第4のSTMの測定方法では、探針は試料表面の
形状に関係なく常に同じ高さまで退避させられることに
なる。退避動作の制御は、通常、位置制御によって行わ
れる。第5のSTMの測定方法では、第1の測定方法に
おいて、退避の方向を、真上上方ではなく、次の測定場
所の接近開始位置に向かって斜め上方になるので、測定
場所間の水平な走査移動を、退避移動と同時に行うこと
ができ、移動距離の短縮化、ひいては移動時間の短縮化
につながる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は本発明に係るSTMの測定方法の第
1実施例による探針の移動軌跡を示す図、図2は探針の
接近・退避動作を制御する装置構成の要部を示す図、図
3は制御手順を示すフローチャートである。図1におい
て、1は測定対象である試料表面の一部を示し、この試
料表面1は凹凸を有する。この凹凸形状がSTMによる
測定の対象となる。STMでは、探針が試料表面1に所
定の距離接近した時に、探針と試料の間で流れる測定用
に設定された所定値のトンネル電流を検出し、この時の
探針の位置データを利用して試料表面1の凹凸形状を測
定する。2はSTMの探針で、STMに関するその他の
一般的構成の図示は、当業者にとって既知であるので、
省略されている。
【0010】ここで、典型的なSTMの構成及び作用
を、参考のために、概説する。STMは、探針と、この
探針を支持し且つ試料に対する接近・退避方向(Z方
向)及び試料表面に沿う走査方向(X,Y方向)に移動
させる微動用移動機構と、探針が試料に所定距離接近し
た時に探針にトンネル電流を流すためのバイアス電圧を
発生するトンネル電流用電源と、このトンネル電流を検
出するためのトンネル電流検出部と、検出されたトンネ
ル電流を所定の電気信号に変換し、この電気信号と検出
基準電流値に基づき前記移動機構のZ方向用アクチュエ
ータを駆動して探針と試料表面の距離を設定された一定
値に制御するサーボ制御部と、移動機構のXY方向用ア
クチュエータを駆動して探針の走査移動を制御する走査
制御部と、前記サーボ制御部及び走査制御部の制御信号
を取り込み探針の位置に関するデータを処理して試料の
凹凸表面のデータを演算し、画像データを作成する信号
処理部と、信号処理部の画像データに基づき試料表面の
画像を表示する表示部とから構成される。前記トンネル
電流検出部で検出されるトンネル電流に対し一定の基準
値に設定し、探針を試料表面に沿って走査する時に検出
されるトンネル電流が前記基準値に保たれるように、前
記Z方向用アクチュエータを制御する。こうして探針を
試料表面の凹凸に沿って走査移動させると、探針は試料
表面に対して基準値のトンネル電流に対応する一定距離
を保持して移動する。従って、試料表面に沿って連続的
に移動する探針のZ方向の位置データの中から、定期的
に位置データをサンプリングすることによって、試料表
面の原子レベルの凹凸情報を得ることができる。
【0011】上記の典型的なSTM装置構成に対し、本
発明によるSTMも基本的に同じ装置構成を有する。相
違する点は、探針1の移動の仕方である。従って、探針
1をZ方向又はXY方向に移動させる微動用移動機構の
動作制御の仕方が異なる。本発明による探針1の移動の
仕方は、図1に示した探針2の移動軌跡3より明らかで
ある。
【0012】図1に示した探針2の移動軌跡3は、便宜
上、X方向の走査移動軌跡3aとZ方向の接近・退避移
動の軌跡3bとから構成される。探針2の移動軌跡3で
明らかなように、探針2は、試料表面1の凹凸から充分
に離れ且つ試料表面1から一定距離にある走査移動開始
位置でX方向(又はY方向)に走査移動を行うように位
置制御が行われると共に、予め定められた一定距離間隔
で離散的に複数の測定場所S1,S2,・・が設定され
ている。従って、探針2のX方向の走査移動では、試料
表面1から離れた、その凹凸形状に対応して決まる空間
位置で測定場所S1,S2,・・の間を図中水平且つ直
線的に高速に移動する。この移動部分が前記の走査移動
軌跡3aである。また各測定場所S1,S2,・・で、
探針2は試料表面1に向かって、予め定められた検出基
準値のトンネル電流を検出するまで接近する動作を行
い、最終的に設定された基準値のトンネル電流を検出し
た後には、測定点で停止する。停止した後には、更に、
試料表面1の近傍の測定点から離反し、走査移動を行う
試料表面1から離れた場所まで退避する。
【0013】上記の探針2の移動動作において、1つの
測定場所(例えばS1)から他の測定場所(例えばS
2)への走査移動おいて、測定場所における走査移動の
開始位置は、常に、当該場所の試料表面1からの距離が
予め定められた一定距離になるように制御が行われる。
換言すれば、各測定場所S1,S2,・・で探針2は試
料表面1に接近し、所定の検出用基準電流値のトンネル
電流を検出した後には、試料表面1から離れた位置に移
るべく退避動作を行う。この時において、探針2は、各
測定場所の測定対象である試料表面1からの距離が一定
となるように退避動作が行われる。
【0014】上記の如くして探針2の退避動作が行われ
た後には、次の測定場所まで水平且つ直線的に走査移動
が行われる。
【0015】探針2の試料表面1への接近動作は、探針
2と試料表面1との間に流れるトンネル電流が所定の一
定値になるように制御されるため、各測定場所における
探針2の試料表面1への最終的接近位置(測定点)と試
料表面1との距離は予め定められた一定値になる。従っ
て、探針2の試料表面1への最終的接近位置は、図1に
示されるように、試料表面1の凹凸形状に対応して決定
される。従って、各測定場所における探針2の試料表面
1への最終的な位置位置データによって試料表面1の凹
凸データを得ることができる。
【0016】本発明によるSTMの測定方法では、各測
定場所における探針2の試料表面1への接近及び退避の
動作が、次に説明されるように、高速に行われる。
【0017】図2及び図3を参照して探針2の接近・退
避動作について詳述する。図2において、4は探針2の
Z方向の接近・退避の移動に関与する微動用アクチュエ
ータであり、このアクチュエータ4は圧電素子で形成さ
れている。探針2はアクチュエータ4の先端に固定され
る。5は探針2に流れるトンネル電流を検出するための
トンネル電流検出部、6はトンネル電流検出部5で検出
された電流値を所要レベルの電気信号に変換する信号変
換部、7は信号変換部6から与えられるトンネル電流値
の情報と設定された検出基準電流値とに基づき、探針2
のZ方向の移動に関しサーボ制御を行うサーボ制御部で
ある。前記のトンネル電流検出部5は、内部に、トンネ
ル電流を流すためのバイアス電圧を発生する電源を含ん
でいる。8は演算処理部で、コンピュータ等で構成さ
れ、サーボ制御部7による探針2の接近・退避動作のサ
ーボ制御において後述される如き所要のデータ又は指令
を与える。また演算処理部8は信号変換部6の出力を入
力してトンネル電流の値の変化をモニタすると共に、サ
ーボ制御部7から出力されるZ方向の位置情報をモニタ
する。更に演算処理部8は、トンネル電流検出部5内の
電源のバイアス電圧を切換える指令信号を出力する。演
算処理部8は、所要の条件データを入力する入力装置9
と、後述する所要の制御手順を格納するメモリ10を備
えている。
【0018】各測定場所において、探針2が接近動作を
行うとき、最初、探針2は試料表面1から離れた位置に
ある。探針2は、この試料表面1から離れた位置から試
料表面1に向かって接近動作をスタートさせ、トンネル
電流の測定を開始する。この接近動作の開始点におい
て、探針2にバイアスされるトンネル電流を流すための
電圧は高く設定されている。その電圧値としては、正規
のバイアス電圧の数倍〜数十倍程度である。かかる状態
にて、探針2は、高速に設定された速度で接近動作が行
われる。同時に、検出対象であるトンネル電流の検出基
準電流値も、測定用の基準値に比較し、低く設定されて
いる。この検出基準電流値は、演算処理部8からサーボ
制御部7に与えられる。探針2の高速の接近動作で、予
め設定された所定基準値のトンネル電流が検出されると
き、この制御では、予め高めのトンネル電流用電圧を印
加していて、トンネル電流の検出基準電流値も測定用の
基準値より低く設定しているため、低い正規のバイアス
電圧及び測定用のトンネル電流検出基準値で決まる停止
位置よりも高い位置で前記トンネル電流を検出すること
になる。従って、高いバイアス電圧、低いトンネル電流
検出基準の状態では、探針2では、試料表面1より、よ
り離れた位置にて所定基準値のトンネル電流が流れる
が、このトンネル電流が検出された時には、演算処理部
8は信号変換部6の出力からこの状態を検出し、トンネ
ル電流検出部5に内蔵されるトンネル電流を流すための
電源のバイアス電圧を正規の低いバイアス電圧に切換え
る指令を与える。また同時に、検出基準電流値も測定用
の所定値に変更してセットする。この検出基準電流値の
切換えは、演算処理部8からサーボ制御部7に与えられ
る。以上の制御構成により、試料表面1よりある程度離
れた箇所で所定のトンネル電流を流すことができ、試料
表面1への接近状態を検知することができる。またトン
ネル電流を検出した後において、正規の低いバイアス電
圧と測定用のトンネル電流検出基準電流値になるが、探
針2は試料表面1に接近した状態で、探針2には引き続
きトンネル電流が流れるので、新たにセットされた基準
値のトンネル電流を一定に維持するように探針2は試料
表面1に接近し、当該トンネル電流値で決まる試料表面
1からの一定距離で停止する。トンネル電流を流すため
のバイアス電圧とトンネル電流の検出基準電流値の切換
後は、設定された検出基準電流値で探針2の位置が制御
され、探針2の位置制御を簡単に行うことができる。更
に、以上のような制御において、バイアス電圧又はトン
ネル電流の検出基準電流値だけで上記制御を行う場合
も、同様な制御を行うことができる。
【0019】試料表面1の凹凸形状を測定し、測定デー
タを処理した後、測定が継続されるときには、探針2は
試料表面1から退避する。この時、検出電流基準値とな
るトンネル電流を再び小さくして設定し、トンネル電流
検出のためのバイアス電圧を高く設定すると、探針2は
トンネル電流の基準値及びバイアス電圧で決まる一定距
離だけ試料表面1から離れ、上方に退避する。その後、
探針2は次の測定場所に走査移動し、上記と同様にバイ
アス電圧、トンネル電流の検出基準値を切換えることに
よって、接近・退避動作が開始される。更に、表面凹凸
が激しい試料については、バイアス電圧を高く、トンネ
ル電流の検出基準値を低く設定し、探針2を試料表面1
の凹凸に比較して、衝突しない位置まで一定距離だけ試
料表面1から離れ、上方に退避する。次の測定場所にお
いて、上記と同様な高速接近・退避動作が開始される。
【0020】以上の探針2の接近・退避動作をフローチ
ャートで示すと、図3に示す如くなる。このフローチャ
ートでは、探針2の接近・退避動作を含め、測定全体の
動作が示されている。先ず最初のステップ11では、測
定を開始する位置と測定を行う距離をセットする。次に
XY走査を行うアクチュエータとZ方向のアクチュエー
タ4の補正を行う(ステップ12)。最初の測定場所に
おいて、探針2と試料との間に高いバイアス電圧をセッ
トし、更にトンネル電流を検出するための最初の電流基
準値をセットする(ステップ13)。この状態にて、ス
テップ14で高速接近を開始する。この高速接近は、前
記の電流基準値のトンネル電流が検出されるまで行われ
る(ステップ15)。次いで、ステップ16で、バイア
ス電圧とトンネル電流検出基準値を試料表面1を測定す
る測定モードにセットする。この状態で、基準値を満た
すトンネル電流を検出する(ステップ17,18)。ス
テップ19,20では、測定を行い、データを処理す
る。判断ステップ21で測定が継続されることを確認
し、バイアス電圧とトンネル電流を、再度セットし直し
て(ステップ22)、試料表面1のその測定表面から一
定距離だけ離れた位置に探針2を退避させる(ステップ
23、ステップ24)。このようにして、各測定場所
で、ステップ14〜24を繰り返す。測定が終了した後
には、ステップ25で初期位置に探針2を復帰させる。
以上のフローチャートにおいて各測定場所の間の走査移
動については省略されている。実際、走査移動はステッ
プ24とステップ14の間で実行される。
【0021】図4は、本発明に係るSTMの測定方法の
第2実施例による探針の移動軌跡を示す図である。この
実施例では、探針2の軌跡24において走査軌道部分2
4aが、試料表面1の凹凸から充分に離れた一定の高さ
位置であり、探針2は二次元平面内を走査移動するよう
に制御される。各測定場所における探針2の試料表面1
への接近動作は、前記実施例の場合と同じである。相違
する点は、ステップ22における探針2の退避動作にお
いて、常に一定の高さの位置まで退避するように位置制
御が行われる点である。この実施例でも、探針2の接近
動作では、前記第1実施例と同様な効果が生じる。
【0022】図5は、本発明に係るSTMの測定方法の
第3実施例による探針の移動軌跡を示す図である。25
は本実施例による探針2の移動軌跡である。本実施例の
移動軌跡25では、前記第1の実施例による探針2の移
動制御において、各測定場所での測定終了後に探針2が
退避する場合に、真上上方の当該測定場所の接近開始位
置方向に戻るのではなく、次の測定場所の接近開始位置
に向かって移動するように退避している。従って、退避
移動のための軌跡部分24aは傾斜した軌跡となってお
り、その代わりに試料表面にほぼ平行な走査移動の軌跡
部分は存在しない。この実施例においても、退避移動で
は、一定の距離の高さ分を移動する。また退避時に次の
測定場所の接近開始点に向かって移動するため、移動距
離を短縮化でき、測定を高速化できる。探針2のその他
の移動の制御に関しては、前記各実施例の場合と同じで
ある。
【0023】前記の実施例の説明で明らかなように、本
発明による探針2の接近・退避移動の制御では、試料表
面1の測定位置より上方の場所でも常に探針2にトンネ
ル電流が流れる状態にあり、これは常に試料表面との距
離を確認することができることを意味するので、安全な
位置制御を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、試料表面から離れた状態で探針の走査移動を行う
ように構成されたSTMの測定方法において、探針の試
料表面への接近及び試料表面からの退避を高速に行える
ようにし、測定の高速化及び測定領域の広域化を達成で
きる。また探針の試料表面への高速接近が可能となり、
且つかかる高速接近を行っても、探針と試料表面との衝
突を避けることができ、安定した測定を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の探針の移動軌跡を示す説
明図である。
【図2】探針の移動制御を実行する装置構成の要部を示
す構成図である。
【図3】探針の移動制御を実行する制御手順を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の第2実施例の探針の移動軌跡を示す説
明図である。
【図5】本発明の第3実施例の探針の移動軌跡を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 試料表面 2 探針 3 探針の移動軌跡 4 Z方向のアクチュエータ 5 トンネル電流検出部 7 サーボ制御部 8 演算処理部 24,25 探針の移動軌跡
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/34 G01N 13/10 - 13/24 H01J 37/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面で離散的に複数の測定場所を定
    め、試料表面の凹凸に比較し充分に離れた位置で前記測
    定場所間の探針の走査移動を直線的に行い、前記測定場
    所のそれぞれに対応する走査移動路上の位置で、前記探
    針を、前記試料表面に接近させ、所定のトンネル電流に
    なった所の探針の高さ方向の変位を測定した後に停止さ
    せ、その後走査移動路上の位置に退避させ、再び前記走
    査移動を行い、各測定場所で測定のための接近動作を行
    う走査型トンネル顕微鏡の測定方法において、前記測定
    場所における前記探針の前記試料表面への接近は、初期
    にはトンネル電流を検出するためのバイアス電圧を高く
    設定して高速接近を行い、トンネル電流検出後、バイア
    ス電圧を正規の値に設定して試料表面を測定するための
    低速接近を行うことを特徴とする走査型トンネル顕微鏡
    の測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡の
    測定方法において、前記試料表面への初期の接近では、
    前記バイアス電圧を高く設定すると共に検出基準電流値
    を低く設定して高速接近を行い、トンネル電流検出後、
    バイアス電圧及び検出基準電流値を正規の値に設定して
    試料表面を測定するための低速接近を行うことを特徴と
    する走査型トンネル顕微鏡の測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の走査型トンネル顕
    微鏡の測定方法において、前記各測定場所で測定が終了
    した後、バイアス電圧を高く、トンネル電流の検出基準
    電流値を低くし、各測定場所で測定対象の試料表面から
    等しい距離退避することを特徴とする走査型トンネル顕
    微鏡の測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の走査型トンネル顕
    微鏡の測定方法において、前記各測定場所で測定が終了
    した後、前記探針は同一の高さ位置まで退避することを
    特徴とする走査型トンネル顕微鏡の測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の走査型トンネル顕
    微鏡の測定方法において、前記各測定場所で前記探針が
    前記退避動作を行う時、前記探針は、隣に位置する次の
    測定場所の接近開始位置に向かって移動することを特徴
    とする走査型トンネル顕微鏡の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102365344B1 (ko) * 2020-07-23 2022-02-21 주식회사 재우 평영 발차기연습용 패들

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