JP3078354B2 - 走査型トンネル顕微鏡の測定方法 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡の測定方法

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JP3078354B2 JP03146094A JP14609491A JP3078354B2 JP 3078354 B2 JP3078354 B2 JP 3078354B2 JP 03146094 A JP03146094 A JP 03146094A JP 14609491 A JP14609491 A JP 14609491A JP 3078354 B2 JP3078354 B2 JP 3078354B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
の測定方法に係り、特に、高速測定及び広域測定を行え
る走査型トンネル顕微鏡おいて、試料表面の凹凸を予測
し、各測定場所での試料表面に対する探針の接近・退避
動作を高速化した走査型トンネル顕微鏡の測定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡(以下STMと記
す)の一般的構成については、例えば特開昭61−22
0260号公報、特開昭61−206148号公報、又
はPhysical Review Letter,49(1982)pp57〜61等の文献
に記述されている。
【0003】またSTMによる測定の高速化と広域化を
図るために、試料の表面における探針の走査移動につい
て、探針を、試料表面の凹凸に比較して充分に大きな距
離だけ離して走査移動を行い、試料表面において測定す
るための測定場所を離散的に設定し、これらの測定場所
の間をほぼ直線的に走査移動させ、更に測定時には各測
定場所で、探針を試料表面近傍の測定点に向かって接近
動作させ、所定のトンネル電流になった所の探針の高さ
方向の変位を測定した後に、再び走査移動路の位置まで
退避させるように構成したSTMが存在する(特開平1
−169304号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】探針の走査移動の高速
化による測定の高速化及び測定領域の広域化を企図した
後者の文献(特開平1−169304号公報)に開示さ
れるSTMでは、測定場所間の探針の走査移動を、試料
表面から離れた走査移動路上で行うようにしたため、必
然的に、走査移動路と試料表面近傍の測定点との間を移
動する動作が含まれる。従って、測定全体の高速化を達
成するためには、各測定場所において探針の試料表面へ
の接近・退避移動の高速化を図ることが必要である。
【0005】前記文献の従来装置では、探針と試料の間
を高速に接近させ測定を行うことについて特別に配慮し
ておらず、反対に、探針が試料表面にぶつからないよう
にするため、低速接近を行い、接近動作に多大の時間を
かけ、接近動作が鈍いという問題が存在した。
【0006】また試料表面から離れた場所で走査の移動
する場合、走査移動に関しては高速に移動することがで
きるのであるが、各測定場所で、試料表面近傍でトンネ
ル電流検出後に試料表面に離れた位置に退避するための
移動では、必要以上に時間が要する。特に、走査移動の
ための試料表面から離れた場所を、試料表面の凹凸形状
を考慮せず、常に一定の高さ位置に設定すると、不必要
な退避移動を行うことになる。そのため、退避動作のた
めに時間がかかるという問題が存在する。
【0007】本発明の目的は、試料表面から離れた位置
で探針の走査移動を行い、設定された複数の測定場所で
探針が試料表面に向かって接近動作を行うように構成さ
れたSTMにおいて、各測定場所における試料表面への
探針の高速接近及び高速退避を企図したSTMの測定方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るSTMの測
定方法は、上記目的を達成するため、次のように手順か
らなる。 1.試料表面で離散的に複数の測定場所を定め、試料表
面の凹凸に比較し充分に離れた位置で測定場所間の探針
の走査移動を直線的に行い、測定場所のそれぞれに対応
する走査移動路上の位置で、探針を、試料表面に接近さ
せ、所定のトンネル電流になった所の探針の高さ方向の
変位を測定した後に停止させ、その後走査移動路上の位
置に退避させ、再び走査移動を行い、各測定場所で測定
のための接近動作を行うSTMの測定方法であり、予備
測定を行って試料表面の高さ情報を求め、各測定場所に
おける探針の試料表面への接近は、初期にはトンネル電
流を検出するためのバイアス電圧を高く設定して高速接
近を行い、トンネル電流検出後、バイアス電圧を正規の
値に設定して試料表面を測定するための低速接近を行
い、退避動作では、高さ情報に基づき最適な高さ位置に
退避する。 2.前記第1の測定方法において、好ましくは、試料表
面への初期の接近では、バイアス電圧を高く設定すると
共に検出基準電流値を低く設定して高速接近を行い、ト
ンネル電流検出後、バイアス電圧及び検出基準電流値を
正規の値に設定して試料表面を測定するための低速接近
を行う。 3.前記第1の測定方法において、好ましくは、予備測
定は、本来の測定が行われる前に行われ、測定データが
制御装置の記憶手段に記憶される。 4.前記第1の測定方法において、好ましくは、予備測
定は、各測定場所での測定に基づき、次の測定場所での
試料表面の形状を予測することにより行われる。 5.前記第1の測定方法において、好ましくは、各測定
場所で探針が退避動作を行う時、探針は、隣に位置する
次の測定場所の接近開始位置に向かって直線的に移動す
る。
【0009】
【作用】本発明によるSTMの測定方法では、各測定場
所において、探針にトンネル電流を流すための電圧を測
定用の正規の電圧よりも高く設定されるので、初期状態
において高速接近を行え、更に、本来の測定点よりも上
方の位置でトンネル電流を検出するので、この位置で、
正規のバイアス電圧に設定し、測定モードに移行する。
また、各測定場所における接近開始の高さ位置について
は、予備測定を行って試料表面の凹凸形状を求め、ある
程度を予測をつけて設定するようにしたため、退避動作
において各試料表面の形状に応じた最適な位置移動し、
不必要な移動を行う必要がない。こうして、全体として
各測定場所において高速な接近及び退避を行い得る。試
料表面の高さ情報を得るための予備測定としては、試料
表面全体の高さ情報を最初に全体的に求めることもでき
るし、各測定場所ごとで、測定を行った後に予測するよ
うにすることもできる。いずれにせよ、各測定場所での
接近開始位置の情報が事前に得られるので、不要な移動
がなくなり、高速測定を行うことができる。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は本発明に係るSTMの測定方法の第
1実施例による探針の移動軌跡を示す図、図2は探針の
接近・退避動作を制御する装置構成の要部を示す図、図
3は制御手順を示すフローチャートである。図1におい
て、1は測定対象である試料表面の一部を示し、この試
料表面1は凹凸を有する。この凹凸形状がSTMによる
測定の対象となる。STMでは、探針が試料表面1に所
定の距離接近した時に、探針と試料の間で流れる測定用
に設定された所定値のトンネル電流を検出し、この時の
探針の位置データを利用して試料表面1の凹凸形状を測
定する。2はSTMの探針で、STMに関するその他の
一般的構成の図示は、当業者にとって既知であるので、
省略される。
【0011】ここで、典型的なSTMの構成及び作用
を、参考のために、概説する。STMは、探針と、この
探針を支持し且つ試料に対する接近・退避方向(Z方
向)及び試料表面に沿う走査方向(X,Y方向)に移動
させる微動用移動機構と、探針が試料に所定距離接近し
た時に探針にトンネル電流を流すためのバイアス電圧を
発生するトンネル電流用電源と、このトンネル電流を検
出するためのトンネル電流検出部と、検出されたトンネ
ル電流を所定の電気信号に変換し、この電気信号と検出
基準電流値に基づき前記移動機構のZ方向用アクチュエ
ータを駆動して探針と試料表面の距離を設定された一定
値に制御するサーボ制御部と、前記移動機構のXY方向
用アクチュエータを駆動して探針の走査移動を制御する
走査制御部と、前記サーボ制御部及び走査制御部の制御
信号を取り込み探針の位置に関するデータを処理して試
料の凹凸表面のデータを演算し、画像データを作成する
信号処理部と、信号処理部の画像データに基づき試料表
面の画像を表示する表示部とから構成される。前記トン
ネル電流検出部で検出されるトンネル電流に対し一定の
基準値に設定し、探針を試料表面に沿って走査する時に
検出されるトンネル電流が前記基準値に保たれるよう
に、前記Z方向用アクチュエータを制御する。こうして
探針を試料表面の凹凸に沿って走査移動させると、探針
は試料表面に対して基準値のトンネル電流に対応する一
定距離を保持して移動する。従って、試料表面に沿って
連続的に移動する探針のZ方向の位置データの中から、
定期的に位置データをサンプリングすることによって、
試料表面の原子レベルの凹凸情報を得ることができる。
この測定状態を図5に示す。図5におけるS0は測定デ
ータを得るサンプリング位置である。
【0012】上記の典型的なSTMの装置構成に対し、
本発明によるSTMも基本的に同じ装置構成を有する。
相違する点は、探針1の移動の仕方である。従って、探
針1をZ方向又はXY方向に移動させる微動用移動機構
の動作制御の仕方が異なる。本発明による探針1の移動
の仕方は、図1に示した探針2の典型的な移動軌跡3よ
り明らかである。
【0013】図1に示した探針2の移動軌跡3は、便宜
上、X方向の走査移動軌跡3aとZ方向の接近・退避移
動の軌跡3bとから構成される。探針2の移動軌跡3で
明らかなように、探針2は、試料表面1の凹凸から充分
に離れ且つ試料表面1から一定距離にある走査移動開始
位置でX方向(又はY方向)に走査移動を行うように位
置制御が行われると共に、予め定められた一定距離間隔
で離散的に複数の測定場所S1,S2,・・が設定され
ている。従って、探針2のX方向の走査移動では、試料
表面1から離れた、その凹凸形状に対応して決まる空間
位置で測定場所S1,S2,・・の間を図中水平且つ直
線的に高速に移動する。この移動部分が、前記の走査移
動軌跡3aである。また各測定場所S1,S2,・・
で、探針2は試料表面1に向かって、予め定められた検
出基準値のトンネル電流を検出するまで接近する動作を
行い、最終的に設定された基準値のトンネル電流を検出
した後には、測定点で停止する。停止した後には、更
に、試料表面1の近傍の測定点から離反し、走査移動を
行う試料表面1から離れた場所まで退避する。探針2の
退避動作が行われた後には、次の測定場所まで水平且つ
直線的に走査移動が行われる。
【0014】上記の探針2の移動動作では、試料表面1
から離れた高さ位置にて走査移動を行うが、各測定場所
で次の測定場所に移動するために設定されるの高さ位置
は、本来の凹凸形状測定を行う際し、予備的に試料表面
1の形状を測定し、予測を行うことにより得られる。従
って、各測定場所で、トンネル電流検出後に退避を行う
時、退避のための移動距離は、予備測定で得られた凹凸
形状の情報に基づいて、各測定場所の凹凸形状に対応す
る最適に高さ位置、すなわち必要最小限の高さ位置まで
退避するように、探針2のZ方向の位置制御される。こ
こで、必要最小限の高さ位置とは、試料表面が極めて平
坦なときには、探針の逃げ量を最小限に抑えて測定の高
速化を図ることのできる高さ位置である。また試料表面
の凹凸が激しいときには、探針が試料表面に接触しない
ような最大限の逃げ量を設定される高さ位置である。こ
うして退避の移動時間を短縮化して、測定時間の短縮化
を達成する。
【0015】試料表面1の凹凸形状の予測方法として
は、例えば以下の3つの方法がある。第1の方法は、本
来の測定を行う前に、X,Y方向に複数のライン走査を
行い測定データにより試料表面の基礎的な傾斜状況を計
算し、この傾斜量に基づいて各測定場所間の平均傾斜を
求める。この場合、余裕量を考慮して探針の逃げ量がを
設定される。第2の方法は、試料表面の起伏量のうち最
大のものを傾斜量として求め、第1の方法と同様にして
探針の逃げ量を決定する。第3の方法は、本来の測定を
行いながら、各測定場所における測定データに基づい
て、次の測定点の状況を予測し、計算する方法である。
【0016】探針2の試料表面1への接近動作は、探針
2と試料表面1との間に流れるトンネル電流が所定の一
定値になるように制御されるため、各測定場所における
探針2の試料表面1への最終的接近位置(測定点)と試
料表面1との距離は予め定められた一定値になる。従っ
て、探針2の試料表面1への最終的接近位置は、図1に
示されるように、試料表面1の凹凸形状に対応して決定
される。従って、各測定場所における探針2の試料表面
1への最終的な位置位置データによって試料表面1の凹
凸データを得ることができる。
【0017】本発明によるSTMの測定方法では、測定
場所間のの移動、及び各測定場所における探針2の試料
表面1への接近及び退避の動作が、次に説明されるよう
に、高速に行われる。
【0018】図2と図3を参照して探針2の接近・退避
動作について詳述する。第2図は、本発明に係る探針の
接近・退避移動に関与する制御部を部分的に示す構成図
である。他の既知の制御システム部分の図示は省略され
ている。図2において、4は探針2のZ方向の接近・退
避の移動に関与する微動用アクチュエータであり、この
アクチュエータ4は圧電素子で形成されている。探針2
はアクチュエータ4の先端に固定される。5は探針2に
流れるトンネル電流を検出するためのトンネル電流検出
部、6はトンネル電流検出部5で検出された電流値を所
要レベルの電気信号に変換する信号変換部、7は信号変
換部6から与えられるトンネル電流値の情報と設定され
た検出基準電流値とに基づき、探針2のZ方向の移動に
関しサーボ制御を行うサーボ制御部である。前記のトン
ネル電流検出部5は、内部に、トンネル電流を流すため
のバイアス電圧を発生する電源を含んでいる。8は演算
処理部で、コンピュータ等で構成され、サーボ制御部7
による探針2の接近・退避動作のサーボ制御において後
述される如き所要のデータ又は指令を与える。また演算
処理部8は信号変換部6の出力を入力してトンネル電流
の値の変化をモニタすると共にサーボ制御部7から出力
されるZ方向の位置情報をモニタする。更に演算処理部
8は、トンネル電流検出部5内の電源のバイアス電圧を
切換える指令信号を出力する。演算処理部8は、所要の
条件データを入力する入力装置9と、後述する所要の制
御手順を格納するメモリ10を備えている。
【0019】STMの制御システムのその他の構成とし
ては、探針2をX及びY方向に走査移動させるためのア
クチュエータ、これらのアクチュエータを制御する走査
部、得られた測定データを画像表示のためにデータ処理
する処理部、画像表示部等が存在する。本発明に係る測
定方法では、試料表面の凹凸形状を予測するために予備
測定が行われるが、この場合にも前記演算処理部8及び
メモリ10等が利用される。
【0020】各測定場所において、探針2が試料に対し
接近動作を行うとき、最初、探針2は試料表面1から離
れた位置にある。探針2は、この試料表面1から離れた
位置から試料表面1に向かって接近動作をスタートさ
せ、トンネル電流の測定を開始する。この接近動作の開
始点において、探針2にバイアスされるトンネル電流を
流すための電圧は高く設定されている。その電圧値とし
ては、正規のバイアス電圧の数倍〜数十倍程度である。
かかる状態にて、探針2は、高速に設定された速度で接
近動作が行われる。同時に、検出対象であるトンネル電
流の検出基準電流値は、測定用の基準値に比較し、低く
設定されている。この検出基準電流値は、演算処理部8
からサーボ制御部7に与えられる。探針2の高速の接近
動作で、予め設定された所定基準値のトンネル電流が検
出されるとき、この制御では、予め高めのトンネル電流
用電圧を印加していて、トンネル電流の検出基準電流値
も測定用の基準値よりも低く設定しているため、低い正
規のバイアス電圧及び測定用のトンネル電流検出基準値
で決まる停止位置よりも高い位置で前記トンネル電流を
検出することになる。従って、高いバイアス電圧、低い
トンネル電流検出基準値の状態では、探針2では、試料
表面1より、より離れた位置にて所定基準値のトンネル
電流が流れるが、このトンネル電流が検出された時に
は、演算処理部8は信号変換部6の出力からこの状態を
検出し、トンネル電流検出部5に内蔵されるトンネル電
流を流すための電源のバイアス電圧を正規の低いバイア
ス電圧に切換える指令を与える。また同時に、検出基準
電流値も測定用の所定値に変更してセットする。この検
出基準電流値の切換えは、演算処理部8からサーボ制御
部7に与えられる。
【0021】以上の制御構成により、試料表面1よりあ
る程度離れた箇所で所定のトンネル電流を流すことがで
き、試料表面1への接近状態を検知することができる。
またトンネル電流を検出した後において、正規の低いバ
イアス電圧と測定用のトンネル電流検出基準値になる
が、探針2は試料表面2に接近した状態で、探針2には
引き続きトンネル電流が流れるので、新たにセットされ
た基準値のトンネル電流を一定に維持するように探針2
は試料表面1に接近し、当該トンネル電流値で決まる試
料表面1からの一定距離で停止する。トンネル電流を流
すためのバイアス電圧とトンネル電流の検出基準電流値
の切換後は、設定された検出基準電流値で探針2の位置
が制御され、探針2の位置制御を簡単に行うことができ
る。更に、以上のような制御において、バイアス電圧又
はトンネル電流の検出基準値だけで、上記制御を行う場
合も、同様な制御を行うことができる。
【0022】試料表面1の凹凸形状を測定し、測定デー
タを処理した後、測定が継続されるときには、探針2は
試料表面1から退避する。この退避動作では、探針は、
予備測定により決定された高さ位置まで退避するように
制御される。その後、探針2は次の測定場所に走査移動
し、上記と同様な接近・退避動作が開始される。
【0023】以上の探針2の接近・退避動作と走査移動
をフローチャートで示すと、図3に示す如くなる。この
フローチャートでは、探針2の接近・退避動作等を含
め、測定全体の動作が示されている。なお、この測定動
作では、本来の測定動作を開始する前に試料表面の凹凸
を予測するための予備測定が行われる。先ず最初のステ
ップ11では、測定を開始する位置と測定を行う距離を
セットする。次にXY走査を行うアクチュエータとZ方
向のアクチュエータ4の補正を行う(ステップ12)。
その後に予備測定が行われる(ステップ13〜15)。
ステップ13では試料表面の凹凸形状を予測するための
予備測定を行う否かが判定される。ステップ14では、
予測のための走査を行い、演算処理部8で測定データを
演算する。測定で得た結果は、ステップ15で、メモリ
10に記憶されることにより制御システムに予測データ
がセットされる。
【0024】次に、探針2は最初の測定場所に移動し、
この測定場所において、探針2と試料との間に高いバイ
アス電圧をセットし、更にトンネル電流を検出するため
の最初の低い電流基準値をセットする(ステップ1
6)。この状態にて、ステップ17で高速接近を開始す
る。この高速接近は、前記の電流基準値のトンネル電流
が検出されるまで行われる(ステップ18)。次いで、
ステップ19で、バイアス電圧とトンネル電流検出基準
値を試料表面1を測定する測定モードにセットする。こ
の状態で、基準値を満たすトンネル電流を検出する(ス
テップ20,21)。ステップ22,23では、測定を
行い、データを処理する。判断ステップ24で測定が継
続されることを確認し、トンネル電流を再度セットし直
して、試料表面1のその測定表面から一定距離だけ離れ
た位置に探針2を退避させる(ステップ25)。この退
避動作では、前述した予備測定で得られた凹凸形状の予
測データに基づき退避動作が行われ、必要最小限の移動
が行われる。退避動作が終了すると、探針2は、次の測
定点の上方位置、すなわち次の測定箇所に高速移動する
(ステップ26)。次の手順では、既に予備測定は行わ
れているので、ステップ14,15は省略され、ステッ
プ16〜24が実行される。このようにして、各測定場
所で、ステップ16〜26を繰り返す。測定が終了した
後には、ステップ27で初期位置に探針2を復帰させ
る。
【0025】図4は、本発明に係るSTMの測定方法の
第2実施例による探針の移動軌跡を示す図である。28
は本実施例による探針2の移動軌跡である。本実施例の
移動軌跡28では、前記第1の実施例による探針2の移
動制御において、各測定場所での測定終了後に探針2が
退避する場合に、真上上方の当該測定場所の接近開始位
置方向に戻るのではなく、次の測定場所の接近開始位置
に直線的に移動するように退避している。従って、退避
移動のための軌跡部分28aは傾斜した軌跡となってお
り、その代わりに試料表面にほぼ平行な走査移動の軌跡
部分は存在しない。この実施例においても、退避移動で
は、予備測定の予測データに基づく高さ分を移動する。
また退避時に次の測定場所の接近開始点に向かって移動
するため、移動距離を短縮化でき、測定を高速化でき
る。探針2のその他の移動の制御に関しては、前記各実
施例の場合と同じである。
【0026】前記の実施例の説明で明らかなように、本
発明による探針2の接近移動の制御では、試料表面1に
接近した状態では常に探針2にトンネル電流が流れる状
態にあり、これは常に試料表面との距離を確認すること
ができることを意味するので、安全な位置制御を行うこ
とができる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、試料表面から離れた状態で探針の走査移動を行う
ように構成されたSTMの測定方法において、予備測定
を行って試料表面の凹凸状態を大体予測して探針の移動
路を決定すると共に、探針の試料表面への接近及び試料
表面からの退避を高速に行えるようにし、これによって
測定の高速化及び測定領域の広域化を達成できる。また
探針の試料表面への高速接近と、予測測定により試料表
面からの高速退避が可能となり、且つかかる高速接近を
行っても、探針と試料表面との衝突を避けることがで
き、安定した測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の探針の移動軌跡を示す説
明図である。
【図2】探針の移動制御を実行する装置構成の要部を示
す構成図である。
【図3】探針の移動制御を実行する制御手順を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の第2実施例の探針の移動軌跡を示す説
明図である。
【図5】従来の探針の移動軌跡を示す説明図である。
【符号の説明】
1 試料表面 2 探針 3 探針の移動軌跡 4 Z方向のアクチュエータ 5 トンネル電流検出部 7 サーボ制御部 8 演算処理部 28 探針の移動軌跡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/34 G01N 13/10 - 13/24 H01J 37/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面で離散的に複数の測定場所を定
    め、試料表面の凹凸に比較し充分に離れた位置で前記測
    定場所間の探針の走査移動を直線的に行い、前記測定場
    所のそれぞれに対応する走査移動路上の位置で、前記探
    針を、前記試料表面に接近させ、所定のトンネル電流に
    なった所の探針の高さ方向の変位を測定した後に停止さ
    せ、その後走査移動路上の位置に退避させ、再び前記走
    査移動を行い、各測定場所で測定のための接近動作を行
    う走査型トンネル顕微鏡の測定方法において、予備測定
    を行って前記試料表面の高さ情報を求め、前記各測定場
    所における前記探針の前記試料表面への接近は、初期に
    はトンネル電流を検出するためのバイアス電圧を高く設
    定して高速接近を行い、トンネル電流検出後、バイアス
    電圧を正規の値に設定して試料表面を測定するための低
    速接近を行い、退避動作では、前記高さ情報に基づき最
    適な高さ位置に退避することを特徴とする走査型トンネ
    ル顕微鏡の測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡の
    測定方法において、前記試料表面への初期の接近では、
    前記バイアス電圧を高く設定すると共に検出基準電流値
    を低く設定して高速接近を行い、トンネル電流検出後、
    バイアス電圧及び検出基準電流値を正規の値に設定して
    試料表面を測定するための低速接近を行うことを特徴と
    する走査型トンネル顕微鏡の測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡の
    測定方法において、前記予備測定は、本来の測定が行わ
    れる前に行われ、測定データが制御装置の記憶手段に記
    憶されることを特徴とする走査型トンネル顕微鏡の測定
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡の
    測定方法において、前記予備測定は、各測定場所での測
    定に基づき、次の測定場所での試料表面の形状を予測す
    ることにより行われること特徴とする走査型トンネル顕
    微鏡の測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡の
    測定方法において、前記各測定場所で前記探針が前記退
    避動作を行う時、前記探針は、隣に位置する次の測定場
    所の接近開始位置に向かって直線的に移動することを特
    徴とする走査型トンネル顕微鏡の測定方法。
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