JP3065768B2 - 走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置

Info

Publication number
JP3065768B2
JP3065768B2 JP4022871A JP2287192A JP3065768B2 JP 3065768 B2 JP3065768 B2 JP 3065768B2 JP 4022871 A JP4022871 A JP 4022871A JP 2287192 A JP2287192 A JP 2287192A JP 3065768 B2 JP3065768 B2 JP 3065768B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
force microscope
sample
microscope
atomic force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4022871A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05223519A (ja
Inventor
一雄 青木
栄市 羽崎
理 山田
福原  悟
昭 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP4022871A priority Critical patent/JP3065768B2/ja
Publication of JPH05223519A publication Critical patent/JPH05223519A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3065768B2 publication Critical patent/JP3065768B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型トンネル顕微鏡、
走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られる走査型トンネル顕微鏡は、
例えば米国特許第4343993号明細書に示されてい
る。一般的には、走査型トンネル顕微鏡は、探針と試
料、探針を流れるトンネル電流が一定になるようにその
中心線方向(z方向)に移動させるz方向微動部、探針
を試料面で走査するxy微動部、探針を試料に対しトン
ネル電流の流れる領域にまで移動する粗動部、トンネル
電流を一定に保つようにz方向を制御する制御系、xy
平面を走査する走査系、得られた3次元データを表示す
る画像処理系から構成される。
【0003】また走査型原子間力顕微鏡は、探針と試
料、探針と試料との間の原子間力が一定となるように試
料を移動させるz方向微動部、xy平面を走査するxy
微動部、探針により原子間力を感知できるような領域に
まで探針を移動する粗動部、原子間力を一定に保つよう
にz方向を制御する制御系、xy平面を走査する走査
系、得られた3次元データを表示する画像処理系から構
成される。
【0004】上記の制御系、走査系、画像処理系につい
ては、それぞれ専用のハードウェアを用いる方法と、コ
ンピュータを用いる方法とが知られている。
【0005】また、走査型トンネル顕微鏡や走査型原子
間力顕微鏡の類似の測定装置は、走査型トンネル顕微鏡
や走査型原子間顕微鏡と同様の構成で、探針と試料の間
の相互作用を一定になるように試料表面を走査すること
により試料表面の情報が得られる。例えば、磁気力を利
用した走査型磁気力顕微鏡などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のそれぞ
れにおいては、探針の走査速度、探針−試料間のバイア
ス電圧、トンネル電流における目標電流値、目標原子間
力などの測定条件、制御系のサーボパラメータなどの制
御条件を、測定者が経験により設定していた。これらの
条件は、試料の仕事関数、試料の表面形状、特に試料の
局所的な傾斜角の最大値、探針の仕事関数、探針の曲率
半径、制御系の性能などに複雑に依存するものであり、
熟練した測定者以外の者にとっては、条件の選定が容易
ではないという問題があった。また、これらの条件の設
定が適切でない場合、正確な表面情報が得られなかった
り、探針を試料にぶつけて破壊してしまうというおそれ
があった。
【0007】また、熟練者にとってもこれらの諸条件を
最適値に設定するためには、設定した条件に対して、一
度予備的に測定を行い、その結果から判断を行い、条件
を微調節するということを何度か行わなければならない
場合が多く、少なからぬ時間を要するという問題があっ
た。
【0008】本発明の目的は、走査型トンネル顕微鏡、
走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置の諸条件の設
定を自動化することにより、熟練した測定者以外の者で
も迅速かつ精度の高い測定を行えるようにした走査型ト
ンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、以下のように構成される。 (1)原子的なレベルの距離間隔で接近された探針と試
料の間の相互作用を利用して試料の表面の形状や性質を
測定する走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微
鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡において、走査幅に関す
る情報を入力するとともに、試料の材質、試料の表面形
状、試料の面粗さ、試料の最大高さ、及び試料の最大
斜角のうちの少なくとも一つに関する情報を入力するデ
ータ入力部と、データ入力部により入力された走査幅に
関する情報と、試料の材質、試料の表面形状、試料の面
粗さ、試料の最大高さ、及び試料の最大傾斜角のうちの
少なくとも一つに関する情報とに基づいて、走査速度、
短針−試料間のバイアス電圧、トンネル電流の目標電流
値、目標原始間力、及び制御系のサーボパラメータのう
ちの少なくとも一つを設定する条件判定部とを備える。 (2)好ましくは、上記(1)において、条件判定部に
より設定された条件を関連する各部に出力する設定条件
出力部を備える。 (3)また、好ましくは、上記(2)において、データ
入力部は、試料の材質と形状に関連するデータや走査範
囲などを測定者が直接入力するマンマシンインターフェ
イスである。 (4)また、好ましくは、上記(2)において、データ
入力部は、測定試料を走査型トンネル顕微鏡で予備的に
走査することによりデータ入力を行う。 (5)また、好ましくは、上記(2)において、データ
入力部は、測定試料を走査型電子顕微鏡で測定すること
によりデータ入力を行う。 (6)また、好ましくは、上記(2)において、条件判
定部は、入力データを予め用意されたデータテーブルと
参照することにより条件判定を行う。 (7)また、好ましくは、上記(2)において、条件判
定部は、入力データを予め設定された関数に代入するこ
とにより条件判定を行う。
【0010】また条件判定部は、データを判定するため
のアルゴリズムとデータ構造を備える。
【0011】
【作用】本発明による走査型トンネル顕微鏡、走査型原
子間力顕微鏡及び類似の測定装置では、データ入力部
が、測定者の直接入力や探針を予備測定することで、試
料の材質と形状に関連するデータや走査範囲などのデー
タを受けとり、そのデータから条件判定部が、測定条件
や制御条件の最適値を判定し、設定条件出力部が、得ら
れた最適条件を装置の関連する装置各部に出力し、その
条件で装置が測定を行う。これにより、非熟練者でも、
従来では熟練した測定者が長い時間をかけなければ得ら
れないかった最適条件で、測定することが可能となる。
本発明により熟練した測定者以外の者でも、迅速かつ精
度の高い測定を行うことができる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0013】図1は本発明による走査型トンネル顕微鏡
の実施例を示す図である。走査型トンネル顕微鏡の構成
は、観察対象である試料1、試料表面に垂直に臨む導電
性を有する探針2、z方向微動部3、xy微動部4、制
御系5、xy走査系6、画像処理系7からなる。これら
の従来の走査型トンネル顕微鏡と同じ構成である。微動
部3及び4は圧電素子によって形成される。本発明によ
る走査型トンネル顕微鏡は、上記構成に対してデータ入
力部9、条件判定部10、設定条件出力部11から構成
される自動条件設定系8が付加された構成になる。図2
は、この実施例が有する基本的なアリゴリズムをフロー
チャートで表したものである。このアルゴリズムは、デ
ータ入力ステップS1と条件判定ステップS2と設定条
件出力ステップS3から構成される。後述される各実施
例では、それらの各種変形例が示される。したがって、
図1に示される自動条件設定系8のデータ入力部9、条
件判定部10、設定条件出力部11は、基本的にソフト
的に実現される機能部分である。
【0014】従来の走査型トンネル顕微鏡では、所定の
距離関係にある探針2と試料1の間に或る値のバイアス
電圧を印加し、その時に流れるトンネル電流が或る目標
電流値となるように制御系5で制御して、z方向微動部
3で探針2を移動させる。この制御により、探針−試料
間の距離が一定の状態が保たれるようにする。この状態
で、xy走査系6で探針2を試料1の表面にて走査すれ
ば、探針2は試料1の表面形状をなぞるように動くこと
になる。このときの探針2の動きを画像処理系7で画像
化することにより、試料1の表面形状データを得ること
ができる。ここで、探針・試料間のバイアス電圧、トン
ネル電流の目標電流値、探針2の走査速度などの測定条
件や制御系5のサーボパラメータなどの制御条件は、測
定者が経験で得た最適値を予め設定する必要があるた
め、熟練した測定者以外の者では、設定に時間がかか
り、正確な測定ができないことがある。また、特に走査
速度が速すぎる場合には、探針2を試料1に衝突させて
しまい、測定された画像が大きく乱れてしまうという問
題がある。本発明では、自動条件設定系8が最適条件を
自動的に設定することにより、熟練した測定者以外の者
でも、迅速かつ精度の高い測定を行うことを可能とす
る。
【0015】第1の実施例を説明する。この実施例で
は、データ入力部9は、試料1の材質と形状に関連する
データや走査範囲などを測定者が直接入力するマンマシ
ンインターフェイスからなり、条件判定部10は、入力
データを予め用意されたデータテーブルと参照すること
により条件判定を行う。
【0016】図3に第1の実施例のフローチャートを示
す。まず、測定者がキーボードまたはマウスなどのマン
マシンインターフェイスを用いて、探針2の材質T、試
料1の材質Wや最大傾斜角α、測定走査幅aの組からな
る入力データNiを入力する。試料1の最大傾斜角αに
ついては、何らかの手段で測定の前に情報を得ていると
する。条件判定部には、図4のA,Bに示されたよう
に、n組の経験的な最適条件からなるデータテーブルが
用意されている。図4ではn=7である。これは、入力
データNiの組に対して経験的に得られた最適条件の出
力データSiの組からなるテーブルである。図4は、制
御系を、比例動作、積分動作、微分動作の3つのパラメ
ータで制御しているときの例である。出力データSiと
しては試料−探針間のバイアス電圧V、目標電流値I、
走査速度sの3つの測定条件と制御系の比例動作パラメ
ータPP、積分動作パラメータIP、微分動作パラメー
タDPの3つの制御条件からなる。条件判定部は、入力
データNに一番近い入力データNiを選定して、そのデ
ータナンバーiの出力データSiを最適条件として設定
する。例えば、入力データNとデータテーブル内の各入
力データNiとの距離ΔRiをたとえば数式1のように
算定し、その中でもっとも距離が小さいデータナンバー
iを一番近い入力データと判断して、その出力データS
iを最適条件とする。データテーブルは測定者が任意に
追加登録及び削除できるようにすることもでき、追加登
録に伴い、条件判定部のステップは、より適切な条件設
定ができるようになる。入力するデータは、上記のデー
タの代りに、上記のデータに関連する他のデータでもよ
い。たとえば、試料の仕事関数や面粗さを入力データと
することもできる。また、装置に応じて、制御条件のパ
ラメータは、比例動作、積分動作、微分動作の各パラメ
ータ以外のパラメータをとることもできるが、そのとき
も上記と同じに最適制御条件を設定することができる。
【0017】入力データNの探針の材質、試料の材質、
試料の最大傾斜角、走査幅をそれぞれT,W,α,a,
とし、比較するi番めのデータテーブルの入力データN
i(i=1,2,…n)のそれぞれの値をTi,Wi,
αi,ai,とすると、入力データとデータテーブルi
番めとの距離ΔRiは、下式で与えられる。
【0018】
【数1】
【0019】第2の実施例を説明する。この実施例で
は、データ入力部9は、試料1の材質と形状に関連する
データや走査範囲などを測定者が直接入力するマンマシ
ンインターフェイスからなり、条件判定部10は、入力
データを予め定められた関数で計算することにより条件
判定を行う。図5は、第2の実施例のフローチャートを
示す。
【0020】トンネル効果においては、(数2)のよう
にトンネル電流Iは、探針2と試料1の距離z、仕事関
数φ、バイアス電圧Vの関数であることより、測定者が
キーボードまたはマウスなどのマンマシンインターフェ
イスを用いて仕事関数φ、探針と試料の設定距離z、及
びバイアス電圧Vか目標トンネル電流値Iのいずれかを
入力することにより、(数2)の関数を用いてバイアス
電流Vか目標トンネル電流値Iのいずれかの条件を選定
できる。例えば、簡単な近似として(数3)のような関
係が知られているので、この式をもちいて、V,φ,z
を入力すれば、Iを設定することができ、I,φ,zを
入力すれば、Vを設定することができる。次に最適走査
速度sは、トンネル電流の変化分に大きく依存すること
が知られている。また、制御系の条件として、比例動作
パラメータPP、積分動作パラメータIP、微分動作パ
ラメータDPをとるとき、制御系の最適パラメータは、
試料の最大傾斜角αと走査速度sに大きく依存すること
が知られている。
【0021】以上NIより(数4)のような関係が成り
立つ。この関係を具体的に定めた関数が求まれば、φ,
z,αを入力することにより、制御系の最適パラメータ
を選定することができる。以上のことから、入力データ
の組、V,φ,z,αまたはI,φ,z,αを入力すれ
ば、最適パラメータの組、I,s,PP,IP,DPま
たはV,s,PP,IP,DPが計算できる。
【0022】
【数2】I=f1 (V,φ,z) V=f2 (I,φ,z) ただし、I:トンネル電流値 V:試料−探針間のバイアス電圧 φ:仕事関数 z:試料−探針間の距離
【0023】
【数3】
【0024】
【数4】s=g(φ,z) PP=h1 (s,α) IP=h2 (s,α) DP=h3 (s,α) ただし、s:走査速度 PP:比例動作パラメータ IP:積分動作パラメータ DP:微分動作パラメータ 入力するデータは上記のデータの代りに上記のデータに
関連する他のデータを選ぶこともできる。例えば、試料
の最大高さや面粗さを選ぶこともできる。また、他の依
存関係を考慮して、より複雑な関係式を用いて計算する
こともできる。
【0025】第3の実施例を図6を参照して説明する。
この実施例では、データ入力部9はマンマシンインター
フェイスと予備測定を行う走査型トンネル顕微鏡からな
り、条件判定部10は、入力データを予め用意されたデ
ータテーブルと参照することにより条件判定を行う。こ
の場合、入力データにおいて、走査型トンネル顕微鏡の
予備走査を補助的に用いる。
【0026】まず、探針−試料間の距離を十分に離し
(十分大きくバイアス電圧と目標電流値を設定する)、
制御系のパラメータも十分安全なパラメータを選び、十
分遅い速度で試料1を予備走査する。その時は、試料全
体の傾向を調べるためなので、走査幅全域を精密に走査
する必要はなく、必要なサンプリング点数より少ないサ
ンプリング点数で測定することで、測定時間を短くでき
る。つまり通常、512×512点の測定を行うなら
ば、128×128点の予備走査でもよい。この予備走
査で、表面の形状の情報、すなわち試料の最大傾斜角α
が得られる。このデータと測定者が試料1の材質W、探
針1の材質T、走査幅aのデータをマンマシンインター
フェイスより入力することにより、すでに第1の実施例
で説明したように、用意されたデータテーブルを用いて
最適条件を決定することができる。
【0027】第4の実施例を同じく図4を参照して説明
する。この実施例では、従来の走査型トンネル顕微鏡と
前述の自動設定系に加えて、走査型トンネル顕微鏡の走
査領域と同じ領域あるいはその領域を包含する領域を測
定する走査型電子顕微鏡からなる構成を有する。ここ
で、データ入力部9はマンマシンインターフェイスと予
備測定を行う走査型電子顕微鏡からなり、条件判定部1
0は、入力データを予め用意されたデータテーブルと参
照することにより条件判定を行う。この場合、入力デー
タにおいて、走査型電子顕微鏡の測定を補助的に用い
る。
【0028】走査型トンネル顕微鏡の走査領域を予め走
査型電子顕微鏡で測定することにより、試料1の最大傾
斜角αを得ることができる。例えば、走査型電子顕微鏡
の2次電子検出器を複数の箇所に設置して、その複数の
信号量を演算することにより、試料1の形状の情報を得
ることができる。得られた試料1の表面の最大傾斜角α
を入力データの一つとして用いる。このデータと測定者
が試料1の材質W、探針2の材質T、走査幅aのデータ
をマンマシンインターフェイスより入力することによ
り、すでに第1の実施例で説明したように、用意された
データテーブルを用いて最適条件を決定することができ
る。
【0029】前述の第3及び第4の実施例のフローチャ
ートは、両者を混合した状態で図6に示されている。こ
の2つの実施例は、試料の最大傾斜角が未知のものにつ
いて、特に有効な手段となる。また、条件判定部のアル
ゴリズムとして、データテーブルを用いる代りに、第2
の実施例で説明したような関係式を用いることも可能で
ある。
【0030】第5の実施例を図7を参照して説明する。
この実施例では、データ入力部9は、予備測定を行う走
査型トンネル顕微鏡からなり、条件判定部10は、測定
条件や制御条件を変化させながら予備測定を行い、測定
される誤差量を十分小さい量にするような条件を選定す
ることにより条件判定を行う。
【0031】図7に第5の実施例のフローチャートを示
す。まず、探針を走査せずに1点で制御した状態から測
定条件と制御条件の最適値を求める。この状態のとき、
探針−試料間に流れるトンネル電流は、例えば図8のよ
うになっている。この波形のもつ特性を示すある量が最
適状態の波形の特性を示す量に近づくようにバイアス電
圧V、目標電流値I、制御条件PP,IP,DPをゆっ
くり変化させる。その中から、最も最適状態の波形に近
い状態を示す時の条件を最適条件とする。例えば、特性
量として、(数5)のように、電流誤差量ΔEに着目し
て、この値が最小値をとるとき、または予め定めた一定
値以下になるときの測定条件、制御条件を最適条件と判
定する。
【0032】次に、走査時の波形から、すでに述べたよ
うに、波形の特性量に着目して、走査速度を除々に速く
して、最適状態に十分近いものを選ぶ。十分遅い走査速
度から始め、少しづつ速い走査速度で測定を行い、それ
ぞれの状態で電流誤差量ΔEを求める。このΔEをある
一定値以下にする走査速度のうち最も速い走査速度を最
適条件と判定する。以上で各最適条件が求まる。
【0033】以上のV,I,PP,IP,DP,sの各
値について、一番最初にどの値から始め、どのくらいづ
つ変化させるかは、装置の特性を考慮した固定の値を設
定しておくことも、また、第1の実施例のように、入力
されたデータとデータテーブルから初期値や変化値を求
めるようにすることも、第2の実施例のように、関数よ
り求めるようにすることもできる。
【0034】あるいは、最適走査速度を求めるには、
V,I,PP,IP,DPの最適値が求まった時点で、
第3の実施例で説明したように、試料を十分ゆっくり走
査して、試料の最大傾斜角αを求め、この値とすでに決
定した条件から、走査速度を決定することもできる。例
えば、数式4のような関係から求めることができる。
【0035】また、停止時の最適状態と走査時の最適状
態が若干違うときは、走査時の波形の特性量により測定
条件や制御条件(V,I,PP,IP,DP)をもう一
度微調整することより、より適切な条件を設定できる。
【0036】また、探針−試料間に流れるトンネル電流
の波形のもつ特性を示す量については、電流誤差量だけ
ではなく、他の特性も考慮することもできる。例えば、
図8における電流波形の卓越周波数を特性量に加えるこ
ともできる。
【0037】
【数5】
【0038】また、以上の5つの実施例は、本発明の走
査型トンネル顕微鏡の実施例について述べたが、測定条
件である目標電流値を目標原子間力の値あるいはその他
の相互作用の値と置き換えることによって、走査型原子
間力顕微鏡あるいはその他の類似の測定装置についても
同様に適用できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、入力データに従って、
測定条件や制御条件などの諸条件を自動的に設定するこ
とができ、熟練した測定者以外の者でも迅速かつ精度の
高い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査型トンネル顕微鏡の実施例の
構成を示す図である。
【図2】本発明による走査型トンネル顕微鏡の実施例の
基本動作のフローチャートである。
【図3】本発明による走査型トンネル顕微鏡の第1実施
例のフローチャートである。
【図4】本発明による走査型トンネル顕微鏡の第1実施
例に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
【図5】本発明による走査型トンネル顕微鏡の第2実施
例のフローチャートである。
【図6】本発明による走査型トンネル顕微鏡の第3及び
第4の実施例のフローチャートである。
【図7】本発明による走査型トンネル顕微鏡の第5実施
例のフローチャートである。
【図8】走査型トンネル顕微鏡の測定時において電流値
の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1 …試料 2 …探針 3 …z方向微動部 4 …xy微動部 5 …制御系 6 …xy走査系 7 …画像処理系 8 …自動条件設定系 9 …データ入力部 10 …条件判定部 11 …設定条件出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 理 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社 日立製作所 那珂工場内 (72)発明者 福原 悟 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社 日立製作所 那珂工場内 (72)発明者 橋本 昭 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (56)参考文献 特開 平3−18703(JP,A) 特開 平5−172509(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 21/00 - 21/32 G01B 7/00 - 7/34

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子的なレベルの距離間隔で接近された
    探針と試料の間の相互作用を利用して試料の表面の形状
    や性質を測定する走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間
    力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡において、 走査幅に関する情報を入力するとともに、試料の材質、
    試料の表面形状、試料の面粗さ、試料の最大高さ、及び
    試料の最大傾斜角のうちの少なくとも一つに関する情報
    を入力するデータ入力部と、 前記データ入力部により入力された走査幅に関する情報
    と、試料の材質、試料の表面形状、試料の面粗さ、試料
    の最大高さ、及び試料の最大傾斜角のうちの少なくとも
    一つに関する情報とに基づいて、走査速度、短針−試料
    間のバイアス電圧、トンネル電流の目標電流値、目標原
    始間力、及び制御系のサーボパラメータのうちの少なく
    とも一つを設定する条件判定部と、 を備えることを特徴とする走査型トンネル顕微鏡、走査
    型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡、
    走査型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡にお
    いて、前記条件判定部により設定された条件を関連する
    各部に出力する設定条件出力部を備えることを特徴とす
    る走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡、或い
    は走査型磁気力顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の走査型トンネル顕微鏡、
    走査型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡にお
    いて、前記データ入力部は、試料の材質と形状に関連す
    るデータや走査範囲などを測定者が直接入力するマンマ
    シンインターフェイスであることを特徴とする走査型ト
    ンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁
    気力顕微鏡。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の走査型トンネル顕微鏡、
    走査型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡にお
    いて、前記データ入力部は、測定試料を走査型トンネル
    顕微鏡で予備的に走査することによりデータ入力を行う
    ことを特徴とする走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間
    力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の走査型トンネル顕微鏡、
    走査型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡にお
    いて、データ入力部は、測定試料を走査型電子顕微鏡で
    測定することによりデータ入力を行うことを特徴とする
    走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡、或いは
    走査型磁気力顕微鏡。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の走査型トンネル顕微鏡、
    走査型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡にお
    いて、前記条件判定部は、入力データを予め用意された
    データテーブルと参照することにより条件判定を行うこ
    とを特徴とする走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力
    顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の走査型トンネル顕微鏡、
    走査型原子間力顕微鏡、或いは走査型磁気力顕微鏡にお
    いて、前記条件判定部は、入力データを予め設定された
    関数に代入することにより条件判定を行うことを特徴と
    する走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡、或
    いは走査型磁気力顕微鏡。
JP4022871A 1992-02-07 1992-02-07 走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置 Expired - Fee Related JP3065768B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4022871A JP3065768B2 (ja) 1992-02-07 1992-02-07 走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4022871A JP3065768B2 (ja) 1992-02-07 1992-02-07 走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05223519A JPH05223519A (ja) 1993-08-31
JP3065768B2 true JP3065768B2 (ja) 2000-07-17

Family

ID=12094761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4022871A Expired - Fee Related JP3065768B2 (ja) 1992-02-07 1992-02-07 走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3065768B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9408671B2 (en) 2011-12-08 2016-08-09 Parker Laboratories, Inc. Biopsy grid

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1637845A2 (en) 2004-09-15 2006-03-22 Mitutoyo Corporation Control parameter setting method in a measurement system
DE102007004423A1 (de) * 2007-01-23 2008-07-31 Carl Zeiss Industrielle Messtechnik Gmbh Steuerung eines Betriebes eines Koordinatenmessgerätes
JP2018173310A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 国立大学法人京都工芸繊維大学 測定精度の評価方法、弾性率の測定方法、プログラム、および走査型プローブ顕微鏡システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9408671B2 (en) 2011-12-08 2016-08-09 Parker Laboratories, Inc. Biopsy grid

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05223519A (ja) 1993-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04184201A (ja) バリアハイト測定装置
JP3065768B2 (ja) 走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡及び類似の測定装置
JP3515364B2 (ja) サンプル表面の形状的特徴を調べる装置、方法および記録媒体
JP3422617B2 (ja) 素子の自動表面プロファイル解析法
US11668730B2 (en) High speed atomic force profilometry of large areas
JP3118108B2 (ja) 走査型探針顕微鏡およびその測定方法
JPH06147821A (ja) 走査型探針顕微鏡像の傾斜補正方法
JP2888599B2 (ja) 顕微鏡の表示装置
JP3377918B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2610913B2 (ja) ゲインコントロール手段を有する走査トンネル顕微鏡
JPH0996615A (ja) 電子プローブマイクロアナライザーによるx線分析方法及び電子プローブマイクロアナライザー
JPH0666512A (ja) 走査型トンネル顕微鏡
JPH05164511A (ja) 走査型トンネル顕微鏡
JP3219258B2 (ja) 走査型探針顕微鏡の測定準備方法
KR20060002299A (ko) 원자간력 현미경의 자동 이득값 조절방법
JPH05151925A (ja) 表面分析装置
JP4050873B2 (ja) 探針走査制御方法および走査形プローブ顕微鏡
JPS62192609A (ja) 微小凹凸の深さ測定方法
JPH05296712A (ja) 走査型トンネル顕微鏡
JPH07198372A (ja) 走査型プローブ顕微鏡の探針評価方法及びその装置
JPH1114638A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JPH0650708A (ja) 走査型トンネル顕微鏡における画像表示方法
JPH05196408A (ja) 走査型トンネル顕微鏡、及び走査型トンネル顕微鏡を利用したトンネル電子分光方法
JPH04125403A (ja) 走査型トンネル顕微鏡の動作点決定方法
JPH05172509A (ja) 走査型トンネル顕微鏡装置及びそれによる測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees