JPH06241716A - 走査型トンネル顕微鏡のサーボ制御装置 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡のサーボ制御装置

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JPH06241716A
JPH06241716A JP5000093A JP5000093A JPH06241716A JP H06241716 A JPH06241716 A JP H06241716A JP 5000093 A JP5000093 A JP 5000093A JP 5000093 A JP5000093 A JP 5000093A JP H06241716 A JPH06241716 A JP H06241716A
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JP
Japan
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probe
servo
gain
servo control
threshold value
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Application number
JP5000093A
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English (en)
Inventor
Teruo Igarashi
照夫 五十嵐
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走査型トンネル顕微鏡において、測定領域の
凹凸状態が激しく変化する場合であっても、衝突を生じ
ることなく高速の走査速度で短時間に測定を行い良好な
追従性を実現する。 【構成】 探針1と試料2との間で保持すべき一定距離
を規定する基準値が設定され(10,11) 、測定領域で設定
された各測定箇所で探針の高さ位置を制御することに関
し、探針・試料間の距離を表すトンネル電流が前記基準
値と一致するようにサーボ制御を行うように構成され(1
5)、さらにサーボ制御に関与する部分において、しきい
値が設定されかつ当該しきい値に基づき基準値とトンネ
ル電流の間のサーボエラーの大きさを判定する比較手段
(18,19,20)と、この比較手段の出力に基づき、サーボエ
ラーがしきい値を越えたときサーボ制御のゲインを増加
させるサーボゲイン調整手段(12,13) を設けるように構
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型トンネル顕微鏡の
サーボ制御装置に関し、特に、フィードバックゲインを
サーボエラーの大きさに応じて調整し、試料面の凹凸程
度に応じて最適な凹凸追従動作を探針に行わせるように
した走査型トンネル顕微鏡のサーボ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡(以下STMとい
う)では、試料表面に探針を原子レベルの間隔で接近さ
せ、測定領域に関し探針にXY平面にて平面走査を行わ
せながら、探針をその軸方向(Z軸方向)に移動させ
て、探針を試料面に対し前進または後退させ、探針と試
料面との間隔を常に定められた一定の微小距離に維持す
る制御が行われる。探針のZ軸方向の位置の制御では、
測定領域にて予め定められた複数の測定箇所において、
探針・試料間の距離を一定に保持するためのサーボ制御
が行われる。各測定箇所におけるZ軸方向の探針位置制
御は、サーボ制御を適当数繰返すことにより、探針位置
が試料表面から一定距離になるように調整する。探針・
試料間が一定距離になるように探針位置が決定された
ら、サーボ制御状態を保持したまま、隣の次の測定箇所
に探針を移動させる。各測定箇所における探針のZ軸方
向移動に関するサーボ制御繰返し数、すなわち探針走査
の移動速度が全体の測定時間を決定する。
【0003】探針の走査制御および高さ制御を行うた
め、探針のアクチュエータであるX,Y,Zの各軸方向
の圧電素子に対し、伸縮動作のための駆動量が与えられ
る。この駆動信号が、試料表面の凹凸状態を表す測定デ
ータとして記憶され、利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】STMでは、測定しよ
うとする試料面の起伏が大きい場合には、試料表面に探
針が衝突しないように探針を慎重に移動させる必要があ
る。そこで各測定箇所における高さ方向の移動のための
サーボ制御繰返し数は、一般的に多くなるように設定さ
れ、この結果、全体の測定時間が長くなる。
【0005】一方、試料面の凹凸状態を考慮せず、高速
スキャン状態の保持させた状態で、探針走査および探針
の接近・退避の各動作を行わせると、試料面が起伏の大
きい場合には、探針のZ軸方向のサーボ制御が追いつか
ず、探針が試料表面に衝突する。
【0006】従来、測定中に試料表面の凹凸状態に応じ
て走査速度を制御した走査型トンネル顕微鏡が提案され
ている(特開平3−180702号)。この走査型トン
ネル顕微鏡では、測定中に探針軸方向変位量の時間微分
値を検出し、この値を利用して凹凸形状を判定し、凹凸
形状に応じて走査速度を設定するように構成される。し
かし実時間で時間微分値を計算し走査速度の制御を行う
ので、凹凸形状の変化が激しい場合には、その追従性に
遅れが生じる場合がある。また、凹凸が大きい場合は、
走査速度を遅くするため測定時間が長くなる。
【0007】またSTMでは、基本的に、測定時間が長
くなると、探針を移動させるための制御系の設定条件が
微妙に変動するために、できる限り短時間で測定を完了
することが望まれる。
【0008】本発明の目的は、測定領域の凹凸状態が激
しく変化する場合であっても、衝突を生じることなく高
速の走査速度で短時間に測定を行うことができ、良好な
追従性を達成する走査型トンネル顕微鏡のサーボ制御装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る走査型トン
ネル顕微鏡のサーボ制御装置は、探針・試料間で保持す
べき一定距離を規定する基準値が設定され、測定領域で
設定された各測定箇所で探針の高さ位置を制御すること
に関し、探針・試料間の距離を表すトンネル電流が前記
基準値と一致するようにサーボ制御を行うように構成さ
れ、さらに、しきい値が設定されかつ当該しきい値に基
づき基準値とトンネル電流の間のサーボエラーの大きさ
を判定する比較手段と、この比較手段の出力に基づき、
サーボエラーがしきい値を越えたときサーボ制御のゲイ
ンを増加させるサーボゲイン調整手段を設けるように構
成される。
【0010】
【作用】本発明では、STMのサーボ制御装置において
サーボゲインを変化可能な構成とし、検出されたトンネ
ル電流と基準値との差すなわちサーボエラーが、設定さ
れたしきい値よりも大きくなったときに、サーボゲイン
を大きくし、探針の軸方向の移動量を大きくし、すなわ
ち試料表面の凹凸に対する追従性を凹凸程度に応じて高
め、もって高速な走査速度を実現するものである。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は、STMの探針部分の構成と、探針
の位置制御のための構成と、探針により得られる測定デ
ータを検出・処理する部分の構成を示している。図1を
参照してSTMの要部構成および動作を説明する。図1
において、1は導電性を有する探針であり、探針1の先
端は鋭く尖り、試料2の表面に臨んでいる。探針1は図
示しないトライポッドヘッドにおいて相互に直角になる
ように配置された棒状の微動用圧電素子3,4,5の交
差部に取り付けられる。圧電素子3はX軸方向の微動に
関与するアクチュエータ、圧電素子4はY軸方向の微動
に関与するアクチュエータ、圧電素子5はZ軸方向の微
動に関与するアクチュエータである。また探針1は、ト
ライポッドヘッドを取り付けた図示しない手動装置、ス
テッピングモータ、またはストロークの大きな粗動用圧
電素子等によって、所要のトンネル電流が検出される距
離まで試料2の表面に近づけられる。
【0012】探針1と試料2の間に電源6が接続される
ことによって、それらの間に必要なバイアス電圧が印加
される。この状態で探針1を試料2に近づけ、探針1と
試料2の間の距離が所要の微小距離になると、それらの
間にトンネル電流が流れる。導電性の探針1に流れるト
ンネル電流は、トンネル電流検出部7で検出され、その
後トンネル電流・距離変換部8によって、検出されたト
ンネル電流は探針1と試料2の間の距離に変換される。
通常の凹凸形状の測定では、測定領域での探針1の走査
において、設定された複数の測定箇所のそれぞれで、探
針1の軸方向の位置制御においてサーボ制御を実行し、
検出されるトンネル電流が最終的に定められた一定値に
保持されるように探針1の高さ位置を制御する。
【0013】かかる制御を行うため、次段のサーボ制御
装置では、トンネル電流・距離変換部8から出力される
距離データを入力し、この距離データが内部に予め設定
される基準の一定距離と一致するようにサーボ制御を複
数回繰返して行い、これによって、探針・試料間の距離
が、定められた一定距離に保持されるようにZ軸方向の
圧電素子5の伸縮動作量を制御する。
【0014】サーボ制御装置は、図1に示すように、ト
ンネル電流・距離変換部8の出力信号を絶対値化する絶
対値回路9、絶対値回路9の出力信号を入力すると共に
第1の基準電圧設定器10からの基準電圧を入力する第
1の比較器11、比較器11の出力電圧を増幅する第1
のゲイン回路12(ゲインG1)、ゲイン回路12の出
力信号を増幅するもので、通常はゲインが1に設定され
必要な場合にのみ所要の高いゲインが設定される第2の
ゲイン回路13(ゲインG2)、ゲイン回路13の出力
信号をA/D変換するA/D変換器14、A/D変換器
14の出力信号に基づいてサーボ制御信号を生成するサ
ーボ回路15、サーボ回路15の出力信号をD/A変換
するD/A変換器16、D/A変換器16の出力信号を
駆動レベルまで増幅するアンプ17によって構成され
る。アンプ17から出力される駆動信号は圧電素子5に
供給される。上記構成において、ゲイン回路12に設定
されるゲインG1は、外部から与えられる信号S1によ
り任意の値に調整可能である。またゲイン回路13のゲ
インG2は、第2の比較器18の出力信号によって連続
的にまたは段階的に変化するように構成される。比較器
18の2入力のうち、一方には絶対値回路19を通って
絶対値化された比較器11の出力信号が入力され、他方
の入力には第2の基準電圧設定器20で設定されるしき
い値電圧が入力される。また基準電圧設定器10,20
は、それぞれ、設定値を任意に変更することが可能であ
る。
【0015】比較器11では、トンネル電流の検出で得
られた実際の探針・試料間の距離と、基準電圧設定器1
0で電圧信号として設定された基準の一定距離とが比較
され、サーボエラーが出力される。比較器18では、サ
ーボエラーと、基準電圧設定器20で電圧信号として設
定されたしきい値とが比較され、サーボエラーがしきい
値よりも大きくなったときに高レベルの電圧信号が出力
される。試料面の測定領域の凹凸程度が標準的なもので
ある場合には、比較器11から出力されるサーボエラー
も標準的な大きさとなる、すなわちしきい値よりも小さ
くなるので、ゲイン回路13のゲインG2は1に保持さ
れ、サーボエラーはゲイン回路12で決まるゲインG1
のみで増幅されて、サーボ回路15に送られ、サーボ制
御に用いられる。このように、サーボエラーがしきい値
よりも小さいときには、比較器18の出力は低レベルに
あって、ゲイン回路13のゲインG2を前述のごとく1
に保持する。しかし凹凸程度が激しい場合には、サーボ
エラーがしきい値よりも大きくなり、そのため比較器1
8の出力信号が高レベルになって、ゲイン回路13のゲ
インG2を大きい値に設定する。この結果、比較器11
から出力されるサーボエラーは、ゲイン回路12,13
に基づいて決まるゲイン(G1×G2)で増幅され、サ
ーボ回路15に送られる。これによって、凹凸程度が激
しい場合には、よりいっそう高い追従性が発揮される状
態でサーボ制御が行われるようになる。すなわち、サー
ボ制御の応答性が高められ、探針の凹凸変化に対する追
従性が高められる。
【0016】図1に示したサーボ制御装置は、一般的に
は、マイコン等を利用したディジタルサーボとして構成
される。またハード回路で構成することもできる。また
本実施例で、特に追加された構成部分、すなわち、絶対
値回路19と基準電圧設定器20と比較器18とゲイン
回路13からなる部分は、マイコンを利用した構成、ハ
ード構成のいずれを用いても可能である。
【0017】試料2の測定面における探針1のX軸およ
びY軸の各方向の走査のための移動は、走査制御部21
と走査部22によって行われる。走査制御部21は、マ
イコン等を利用して機能手段として構成され、測定対象
領域で探針を走査移動させる制御信号を出力する。走査
部22は、X軸方向用の圧電素子3とY軸方向用の圧電
素子4に対して伸縮用駆動信号を与え、これらの圧電素
子3,4の伸縮動作によって探針1の二次元的走査が行
われる。走査部22は、圧電素子3に駆動信号を与える
D/A変換器23およびアンプ24と、圧電素子4に駆
動信号を与えるD/A変換器25およびアンプ26とを
含んでいる。
【0018】また走査制御部21からサーボ回路15に
は、サンプリング信号S2が提供される。サンプリング
信号S2は、測定領域の各測定箇所(サンプリング箇
所)のタイミングを指定するための信号である。
【0019】27は測定データ記憶部であり、28はデ
ータ処理部、29はモニタ部である。測定データ記憶部
27にもサンプリング信号が提供され、このタイミング
で、サーボ回路15からサーボのための制御信号が入力
され、記憶される。実際に、測定データ記憶部27に
は、その他に探針1を走査移動させるための制御信号も
空間座標データとして記憶される。
【0020】X,Y,Zの各軸方向の圧電素子3,4,
5による探針1の移動に伴い、圧電素子3,4,5の負
荷電圧、すなわち各圧電素子の伸縮量を空間座標として
測定データ記憶部27に記憶する。測定データ記憶部2
7に記憶された探針1の位置データは、適宜に取り出さ
れ、データ処理部28に供給される。データ処理部28
では、試料2の測定面の凹凸形状についての画像処理を
行い、画像処理で得られたデータを用いてモニタ部29
に試料2の表面凹凸情報として表示する。なお出力装置
としてのモニタ部29は一例であり、例えばプリンタを
用いることもできる。上記の測定データ記憶部27とデ
ータ処理部28は、マイコンにおけるCPUとメモリに
よって構成される。
【0021】上記の構成において、探針1と試料2の間
にトンネル電流が流れる場合に、探針1と試料2の間の
距離は原子レベルの1nm程度であり、試料表面の凹凸
状態を検出するためには、この距離を一定に保つように
圧電素子5の動作を制御することが必要である。トンネ
ル電流は、探針・試料間の距離の変化に敏感であり、こ
れによって高い分解能を得ることができる。STMの上
記構成に基づけば、その一連の動作により、試料2の測
定面の原子レベルの微細な凹凸形状に関する情報を得る
ことができる。
【0022】上記STMの動作を詳しく説明する。図2
(B)は試料2の表面2aの凹凸形状の例を示し、図2
(A)は表面2aをなぞって探針1を走査移動させたと
きに発生するサーボエラーの変化を示す。図2の
(A),(B)において、横軸方向は位置を表し、両図
において横軸は一致しているものとする。図2(A)の
縦軸はサーボエラーを示し、一点鎖線31で示すように
前述のしきい値が±Δeとして設定されている。なお図
1では、絶対値回路が入っているため極性が一方向のみ
であるが、図2では判りやすくするため絶対値回路なし
の場合を示す。試料表面2aにおいて凹凸変化の小さい
範囲ではサーボエラーはしきい値で設定された範囲に収
まっているが、凹凸変化が激しい箇所32ではサーボエ
ラーがしきい値を越えてしまう部分33が生じる。
【0023】かかる測定の走査状態において、例えば絶
対値回路19、基準電圧設定器20、比較器18、ゲイ
ン回路13からなる部分を含まず、ゲイン回路12での
みサーボエラーを増幅するように構成された従来の一般
的なサーボ制御装置で制御されるSTMでは、図3に示
すように探針軌跡34が形成される。探針軌跡34は、
複数のデータサンプリングポイント34aを破線で繋い
だものである。探針軌跡34で明らかなように、凹凸変
化の激しい箇所では、サーボエラーが大きくなり過ぎて
いるにも拘らず、ゲイン回路のゲインは一定であるの
で、探針軌跡が凹凸形状に正確に追従できていない。前
述の先行文献(特開平3−180702号)による走査
型トンネル顕微鏡でも同様な追従性の問題が起きると予
想される。このため、その部分で走査速度を遅くする処
理を行っている。
【0024】これに対して、前述した本実施例のサーボ
制御装置では、サーボエラーがしきい値を越えたときに
は、ゲイン回路13のゲインG2がゲイン回路12のゲ
インG1に追加され、全体としてゲインが必要な分だけ
増大する。従って、しきい値を越えたサーボエラーに対
してはより大きなゲインで増幅することとなり、探針1
のZ軸方向の移動の変位量を大きくして凹凸形状への追
従性を高める。その結果、図4に示す探針軌跡35で明
らかなように、精度よく試料表面2aの凹凸形状を追従
した状態で走査を行うことができる。35aは、探針軌
跡35のデータサンプリングポイントである。またサー
ボエラーがしきい値が越えない範囲内での走査では、従
来のサーボ制御装置と同じ動作特性を有する。
【0025】図5は、サーボエラーの大きさ(縦軸)と
サーボ制御による追従時間(横軸)との関係を示すグラ
フである。図5によれば、サーボエラーがしきい値41
よりも小さい範囲では、ゲインG1によって決まる係数
に基づきサーボエラーの大きさに比例してサーボ制御に
よる追従時間が決まる。サーボエラーがしきい値41よ
りも大きくなった範囲では、ゲインが大きくなり(G1
+G2)、サーボ制御による追従時間をより短縮する方
向で、追従特性が決定される。その後、サーボエラーが
しきい値の範囲内に入ったときには、再びゲインG1に
よって決まる係数に基づいてサーボエラーの大きさに比
例してサーボ制御による追従時間が決まる。
【0026】サーボエラーがしきい値よりも大きくなっ
た場合に、サーボエラーを増幅するためのゲイン回路の
ゲインの変え方は、種々の方法を採用することができ
る。例えば、しきい値の下側範囲と上側範囲の2段階で
ゲインを変える方法や、下側範囲では標準的なサーボ制
御として一定の標準的なゲインを設定しておき、一方上
側範囲ではサーボエラーが大きくなればなるほどゲイン
を大きくするように設定する方法等を挙げることができ
る。また、ゲイン回路で設定されるゲインの値は、連続
的な値として設定することができるし、離散値で段階的
に設定することもできる。
【0027】図6は、ゲイン回路の他の構成示す。この
例では、ゲイン回路12に対してゲイン回路42を並列
に接続し、比較器18の出力のレベルに応じて切替器4
3を切替え、接続関係を変更するように構成している。
通常の標準的な凹凸ではゲイン回路12を使用し、凹凸
変化が大きくなり、しきい値を越えたときには、切替器
43の接続を切り替えて大きなゲインG3のゲイン回路
42を使用する。かかる構成でも、前述と同様な効果を
発揮できる。
【0028】ゲイン回路におけるゲインを凹凸変化の程
度に応じて変化・調整する構成については、その他に類
似した任意な構成を用いることができる。
【0029】前記実施例はSTMについて説明したが、
探針を備え、サーボ制御装置によって探針をその軸方向
に位置制御するように構成された走査型探針顕微鏡に対
して一般的に適用できるのはもちろんである。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、サーボエラーを増幅するための、STMのサーボ
制御装置内に設けられたゲイン回路のゲインを、しきい
値を設定することによりサーボエラーとしきい値との大
小関係に基づき変化させるように構成したため、測定領
域の表面に凹凸変化の大きい箇所が含まれていたとして
も、凹凸変化の大きい箇所では前記ゲインを大きくして
探針の凹凸変化に対する追従性を高め、走査速度の高速
性を保ちながら、全体として精度の高い測定を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型トンネル顕微鏡の要部構成
を示す構成図である。
【図2】試料表面の一例とサーボエラーの一例を示す図
である。
【図3】従来の走査型トンネル顕微鏡による探針軌跡を
示す図である。
【図4】本発明の走査型トンネル顕微鏡による探針軌跡
を示す図である。
【図5】サーボエラーとサーボ制御による追従時間との
関係を示す図である。
【図6】ゲイン回路の他の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 …探針 2 …試料 3,4,5 …圧電素子 6 …電源 7 …トンネル電流検出部 8 …トンネル電流・距離変換部 11 …第1の比較器 18 …第2の比較器 20 …基準電圧設定器(しきい値設定
器) 12,13,42 …ゲイン回路 15 …サーボ回路 21 …走査制御部 27 …測定データ記憶部 28 …データ処理部 29 …モニタ部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針・試料間で保持すべき一定距離を規
    定する基準値が設定され、測定領域で設定された各測定
    箇所での探針の高さ位置制御で、探針・試料間の距離を
    表すトンネル電流が前記基準値と一致するようにサーボ
    制御を行う走査型トンネル顕微鏡のサーボ制御装置にお
    いて、 しきい値が設定され、当該しきい値に基づいて前記基準
    値と前記トンネル電流の間のサーボエラーの大きさを判
    定する比較手段と、この比較手段の出力に基づき前記サ
    ーボエラーが前記しきい値を越えたとき前記サーボ制御
    のゲインを増加するサーボゲイン調整手段とを設けたこ
    とを特徴とする走査型トンネル顕微鏡のサーボ制御装
    置。
JP5000093A 1993-02-16 1993-02-16 走査型トンネル顕微鏡のサーボ制御装置 Pending JPH06241716A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008102138A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Veeco Instruments Inc 走査型プローブ顕微鏡を用いたサンプル走査方法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008102138A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Veeco Instruments Inc 走査型プローブ顕微鏡を用いたサンプル走査方法および装置

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