JPH0650419U - 草刈り機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直動刃タイプの草刈り機において、傾斜面の
雑草等の刈り払いを安定して効率良く行えるようにす
る。 【構成】 ハンドル１を有する操作パイプ２が取り付け
られた機械本体３に直動刃６を往復動可能に突設し、機
械本体３を移動させつつ往復動する直動刃６により草を
刈る草刈り機において、機械本体３の下部に、周縁が立
ち上がる皿状の安定盤７を回転自在に、かつ傾斜させて
取り付ける。また、直動刃６の先端部分には車輪８また
はそり状のスライダを設ける。傾斜した安定盤により機
械本体の滑りが阻止され、回転自在の安定盤により、移
動に滑らかに追随し、また移動方向を自由に変えること
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、直動刃を備えた可搬式の草刈り機に関し、特に畦道の傾斜側面の 草を刈り払うのに好適な草刈り機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

伸び過ぎた雑草等を刈り払う可搬式の草刈り機は、ハンドルを備えた操作パイ プの先端に刈り刃を取り付けた構造であり、刈り刃を円板状の回転刃とし、操作 パイプの上部基端に設けた原動機により動力伝達機構を介して回転刃を回転させ る回転刃タイプと、刈り刃を直線状の直動刃とし、操作パイプの下部先端に設け た原動機により直動刃を往復動させる直動刃タイプがある。直動刃タイプは、回 転刃のように刈られた雑草等が遠心力により飛び散ることがなく、また立木等の 障害物の少ない箇所を一定の幅で刈り払う場合に適し、効率良く草刈りを行える 利点がある。

【０００３】 図６に示すものは、従来の直動刃タイプの草刈り機の例であり、ハンドル１を 上部基端側に備えた操作パイプ２の下部先端に機械本体３を取り付け、この機械 本体３のケース４の上部に原動機５を設け、ケース４の内部に直動刃６の基部を 接続している。原動機５と直動刃６の基部とは、ケース４に内蔵された減速ギヤ とカムクランク機構を介して接続され、原動機５の回転駆動力がカムクランク機 構により直動刃６の往復動に変換される。

【０００４】 さらに、ケース４の下部には、安定盤７を固定し、あるいは回転自在に取り付 け、この安定盤７を接地させることにより、刈り払いレベルを一定に保持すると 共に、円滑な移動ができるようにしている。

【０００５】 作業に際しては、ケース４下部の安定盤７を地面に付けて直動刃６が地面に平 行となるようにし、直動刃６の往復動方向とほぼ直交する方向に直動刃６を移動 させつつ雑草等を一定幅で刈り払う。回転刃タイプのように刈り払った雑草等が 飛び散ることがなく、回転刃タイプと比較して広範囲の雑草等を刈り払うことが できる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述のような従来の直動刃タイプの草刈り機においては、畦道 などの傾斜側面に生えている雑草を刈り払う場合、ケース４の下部が滑り、一定 の刈り払いレベルを維持するには多大の労力を必要とし、草刈り作業を安定して 効率良く行えない問題がある。このような滑りを解消する手段として、ケース４ の下部と直動刃６の先端部とに車輪を取り付けることが考えられるが、この場合 、移動方向が一定となり、傾斜方向の位置調整が難しくなる。

【０００７】 この考案は、前述のような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、 比較的簡単な構造で、傾斜面における装置本体の滑りを防止することができ、し かも方向を自由に変えることのできる直動刃タイプの草刈り機を提供することに ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、操作パイプが取り付けられ、原動機や駆動機構を備えた機械本体 に直動刃を往復動可能に突設し、前記機械本体を移動させつつ、往復動する直動 刃により草を刈る草刈り機において、前記機械本体の下部に、周縁が立ち上がる 皿状の安定盤を設け、この安定盤を回転自在に、かつ傾斜面上での機械本体の滑 りを阻止し得るように傾斜させて取り付ける。 また、直動刃の先端部には、車輪等の転動体あるいはそり等の滑動体を設ける のが好ましい。

【０００９】

【作用】

以上のような構成において、畦道等の傾斜面に機械本体を直動刃が地面と平行 となるように設置し、直動刃往復動方向とほぼ直交する方向に機械本体を移動さ せて雑草を刈り払う。機械本体の下部には、傾斜した皿状の安定盤が設けられ、 これにより傾斜方向の抵抗が増して、機械本体の滑りが阻止される。また、安定 盤は回転自在に支持されているため、刈り払い移動にも滑らかに追随する。さら に、安定盤は回転自在な皿状であるため、移動中の機械本体を容易に移動調整す ることができ、機械本体の傾斜方向の位置を調整できる。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案を図示する一実施例に基づいて説明する。 これは、畦道の傾斜側面の雑草を刈り払う草刈り機の例であり、図１(a),(b) は、この考案の草刈り機を示す正面図，平面図、図２は機械本体の直動刃駆動機 構の一例を示す断面図、図３は安定盤を示す断面図、図４は直動刃端部のスライ ダを示す側面図、図５は、この考案の草刈り機の作業状況を示す概略図である。 なお、従来と同一あるいは相当する部分には同一符号を付する。

【００１１】 図１に示すように、草刈り機は、ハンドル１を備えた操作パイプ２と、原動機 ５（エンジン）等を有する機械本体３と、この機械本体３の内部に基部が取り付 けられる直動刃６と、機械本体３の下部に設けられる安定盤７からなり、この考 案においては、安定盤７を機械本体３に回転自在に、かつ傾斜させて取り付け、 さらに直動刃６の先端部に車輪８あるいはスライダ９を設ける。

【００１２】 機械本体３は、図２に示すように、ギヤケース４ａ内に減速ギヤ１０が、カム ケース４ｂ内にカム・クランク機構１１が配置される。減速ギヤ１０の小ギヤ１ ０ａの上部軸に、遠心クラッチ１２を介して原動機５が接続され、大ギヤ１０ｂ の下部軸に、カム・クランク機構１１の二重偏心カム１１ａが固定される。なお 、小ギヤ１０ａと大ギヤ１０ｂは、縦方向（直動刃の往復動方向）に配列してい るが、これに限らず、大ギヤ１０ｂの横に小ギヤ１０ａを配設してもよい。

【００１３】 二重偏心カム１１ａは、位相を１８０°ずらした上下のカム板１１ａ−１，１ １ａ−２を有し、それぞれにクランク板１１ｂ−１，１１ｂ−２の基部が軸受リ ング１３を介して回転自在に取り付けられる。このクランク板１１ｂ−１，１１ ｂ−２の先端部に、それぞれ上下一対の直動刃６−１，６−２の基部がピン６ａ を介して接続される。

【００１４】 直動刃６は、直線状の板に片側あるいは両側に刃を有し、上下の支持板１４に 摺動自在に取り付けられる。二重偏心カム１１ａが回転すると、クランク板１１ ｂ−１，１１ｂ−２が揺動進退し、上下一対の直動刃６−１，６−２が互いに逆 方向に往復動して、草を刈り払う。

【００１５】 安定盤７は、図３に示すように、周縁が滑らかな曲線（Ｒ）で立ち上がる皿状 の円板１５と、この円板１５の上部中央にボルト等を介して固定した軸受け部材 １６と、円板１５の中心に配置された取付軸１７を有し、軸受け部材１６に軸受 １８を介して取付軸１７を取り付けることにより、回転自在とされている。この ような安定盤７を接続片２１に、取付軸１７に設けたおねじ１９とナット２０を 介して、あるいは溶接等により取り付け、接続片２１をケース４のフランジボル ト２２等を利用してケース４の下部に固定する。

【００１６】 さらに、安定盤７は、直動刃６に当たらないように、直動刃６の反対側にずら して配置し、かつ直動刃６側に向かって下り勾配の傾斜とする。このような傾斜 であれば、接地したＲ部の抵抗で装置本体３の滑りを阻止できる。このＲ部は、 曲率が小さいと上縁が地面に突き刺さるため、比較的大きな曲率とし、さらに凹 部や段部を設けて傾斜方向の抵抗を増してもよい。

【００１７】 車輪８は、図１に示すように、直動刃６を直動刃延在方向と直交する方向に案 内する部材であり、直動刃６の上部支持板１４の先端部にＬ字状の取付片２５を 固定し、この取付片２５に回転自在に取り付ける。スライダ９は、図４に示すよ うに、棒材を曲げ加工して円弧状の滑走下部９ａを有する略ハート形とする。ま た、直動刃６を取り囲むように配置し、上部９ｂを固定した取付片２６を上部支 持板１４に固定する。

【００１８】 操作パイプ２は、図１に示すように、二股状の部材であり、その先端部の軸２ ａに平面形状コ字状のハンドル１を回転位置調整自在に取り付ける。操作パイプ ２の基部は回転位置調整部材３０を介して水平位置調整部材３１に取り付ける。 水平位置調整部材３１は固定パイプ３３の上部に水平回転自在に取り付け、ねじ ３２により固定する。固定パイプ３３は、その基部をケース４の直動刃６側の上 面に固定する。

【００１９】 従って、水平位置調整部材３１を水平回転させ、ねじ３２により固定パイプ３ ３に固定することにより、操作パイプ２の水平方向の位置を自由に選べる。さら に、回転位置調整部材３０により操作パイプ２を傾動させて直動刃６の上方に位 置させ（収納状態）、これと反対側に位置させ（作業状態）ることができる。

【００２０】 以上のような構成において、次のように畦道の草刈り作業を行う。 (1) 原動機５をスタートさせ、操作パイプ２に取り付けられたアクセルレバー４ ０で回転数を上げると、遠心クラッチ１２がつながり、上下の直動刃６−１，６ −２が互いに逆方向に往復動する。

【００２１】 (2) 図５に示すように、ハンドル１を持って直動刃６が畦道Ａの傾斜側面Ｂの傾 斜方向に沿うように配置し、機械本体３を畦道方向に移動させて、雑草を刈り払 う。機械本体３は傾斜した安定盤７と車輪８により、傾斜方向の滑りが阻止され る。また、安定盤７は回転自在に支持されているため、畦道方向の移動にも滑ら かに追随する。さらに、安定盤７は回転自在な皿状であるため、移動中の機械本 体３を容易に移動調整することができ、機械本体３の傾斜方向の位置を調整でき る。

【００２２】 なお、以上は畦道の傾斜側面に適用した例を示したが、これに限らず、その他 の傾斜面にも適用できることはいうまでもない。

【００２３】

【考案の効果】

前述の通り、この考案の草刈り機は、機械本体の下部に周縁が立ち上がる皿状 の安定盤を設け、この安定盤を回転自在とすると共に、かつ傾斜配置したため、 比較的簡単な構造で、傾斜面における装置本体の滑りを防止することができ、し かも方向を自由に変えることのでき、傾斜面において労力をそれほど要すること なく刈り払いレベルを一定に維持することができると共に、草刈り作業を安定し て効率良く行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) は、この考案の草刈り機を示す正面図、
(b) はその平面図である。

【図２】図１の草刈り機において機械本体に配設される
直動刃駆動機構の一例を示す断面図である。

【図３】この考案の安定盤を示す断面図である。

【図４】直動刃の端部に取り付けたスライダを示す側面
図である。

【図５】この考案の草刈り機の作業状況を示す概略図で
ある。

【図６】(a),(b) は、従来の直動刃タイプの草刈り機を
示す正面図、平面図である。

【符号の説明】

１ ハンドル ２ 操作パイプ ３ 機械本体 ４ ケース ５ 原動機 ６ 直動刃 ７ 安定盤 ８ 車輪 ９ スライダ １０ 減速ギヤ １１ カム・クランク機構 １２ 遠心クラッチ １４ 支持板 １５ 円板 １６ 軸受け部材 １７ 取付軸 １８ 軸受 １９ おねじ ２０ ナット ２１ 接続片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 操作パイプが取り付けられた機械本体に
   直動刃を往復動可能に突設し、前記機械本体を移動させ
   つつ、往復動する直動刃により草を刈る草刈り機におい
   て、 前記機械本体の下部に、周縁が立ち上がる皿状の安定盤
   を回転自在に、かつ傾斜面上での機械本体の滑りを阻止
   し得るように傾斜させて取り付けたことを特徴とする草
   刈り機。
2. 【請求項２】 請求項１において、直動刃の先端部に転
   動体あるいは滑動体を設けたことを特徴とする草刈り
   機。