JPS6112180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば一輪車のような台車に原動機を
塔載し、これによつて台車を駆動するとともに刈
払刃を駆動するようにした走行式の刈払機に関す
る考案である。

刈払機は従来肩掛け式のものが一般的である
が、このようなものでは非能率的であり、かつ作
業者の疲労が甚大であつた。

そこで、本考案は、比較的簡単な走行式の台車
に平面および側面の刈払刃を設置し、単に台車を
移動させることによつて平地や土手の斜面の刈払
を能率的に行なえるようにしたものである。

以下、本考案走行式刈払機の実施例を添付の図
面に基づいて説明する。

第１図に示すように、台車１上には原動機２を
塔載し、この原動機２によつて車輪３を駆動する
とともに、台車１の前端部は地面Ｇと平行となる
ように刈払刃４を配設する。

この刈払刃４は垂直の伝導軸５の先端に取付け
て地面Ｇに近接せしめるとともに、伝導軸５の基
端部５ａは台車１上の摺動台６より突出せしめて
ある。そして、摺動台６は台車１の前端部におい
て巾方向に固定した台座７とアリ溝嵌合せしめ台
座に沿つて左右に往復運動し得るようにし、しか
して刈払刃４を左右に往復運動させつつ台車を前
方に駆動し、効率的に刈払作業を行ない得るよう
にしてある。

台車１の側面には別の刈払刃８を設ける。この
刈払刃８は支持杆９の先端部に取付け、この支持
杆９は基端部を中心としその先端部を上下に揺動
することによつて刈払刃８を上下に揺動せしめ土
手の垂直面や斜面の刈払に便ならしめる。

上記各動作は１台の原動機によつて駆動させる
ものであるが、その動力伝導機構を第２図につい
て説明する。

原動機２の出力軸に装着したプーリー（図示し
ない）とプーリー１０との間にＶベルトを懸架し
駆動される駆動軸１１にはクラツチ１２を介在さ
せてその先端に駆動プーリー１３を固定してあ
る。一方台車１の前端部には刈払刃４を回転駆動
するための伝導軸１４が配設され、この伝導軸１
４のプーリー１５と前記駆動プーリーとの間にＶ
ベルト１６を張架する。伝導軸１４の回転は軸上
の傘歯車１７および伝導軸５ａ上の傘歯車１７′
から伝導軸５を介して刈払刃４に伝導されるが、
摺動台６が左右に往復運動をする関係上傘歯車１
７と１７′とは所定の関係位置を保ちつつ伝導軸
１４上を溝１８に案内されて左右に移動できるよ
うにしてある。

伝導軸１４にはクラツチ１４ａを介在せしめ、
刈払刃４の回転を自由に停止し得るようにする。

駆動プーリー１３とプーリー１５の間には、減
速機１９の入力軸のプーリー２０を配設し、Ｖベ
ルト１６でこのプーリー２０をも駆動させる。Ｖ
ベルト１６でプーリー２０を確実に駆動し得るよ
うにするには、テンシヨンプーリー２１を配備
し、Ｖベルトの一部を押し下げＶベルトのプーリ
ー２０との接触角度を大きくとれるようにすると
よい。

減速機１９からは２本の出力軸２２と２３を突
出せしめる。

一方の出力軸２２は車輪３を駆動するとともに
前方の刈払刃を左右に往復駆動し、他方の出力軸
２３は側面の刈払刃８を上下に揺動させるために
利用する。

即ち、第２図に示すように、出力軸２２はユニ
バーサルジヨイント２４を介して台車１の前部に
おいて円板２５を回転せしめ、該円板２５と摺動
台６の一部に連結杆２６を枢着することによつて
円板２５の回転運動を摺動台６の往復運動に変換
する。

円板２５を駆動する軸、即ちユニバーサルジヨ
イント２４で出力軸２２と連結された伝導軸２７
には入切のクラツチ２８を介在させめ、刈払刃の
往復運動を止めることもできるようにしてある。

ここにいう円板２５とは軸心から所定の距離で
連結杆２６と枢着し、リンク機構を構成し得るも
のであつて杆状、平板状等その形状は任意に選択
できる。

出力軸２２には３つの傘歯車と爪車を組合せた
正逆切換のクラツチ２９を取付けスプロケツト軸
３０を駆動する。このスプロケツト軸３０の軸上
にはスプロケツト３１を取付け、車輪３の車輪３
２に取付けたスプロケツト３３との間にチエーン
３４を懸架し車輪３を駆動する。即ちクラツチ２
９の切換によつてスプロケツト軸３０を正逆回転
または停止せしめ、台車１を前進、停止、後退と
自由にあやつられるようにする。

減速機１９の他方の出力軸２３にはクラツチ３
５を介在せしめ、入切できるようにして側面の刈
払刃を上下に揺動するための揺動機構に伝達され
る。即ち出力軸２３によつて後述する伝導機構を
介して第３図に示す円板３６を駆動し、該円板３
６の一部と側面の刈払刃８を支持し基端部をピン
止めされている支持杆９の一部とを連結杆３７で
連結することによつて支持杆９を揺動運動せしめ
る。

揺動運動の揺動角度を変更するには、円板３６
に連結杆３７を枢着するに当たり、軸心からの距
離の異なる任意の取付孔３８にピン止めする。

また揺動位置を変えるには、連結杆３７の長さ
を変更するとよい。

この揺動位置および揺動範囲を任意に変更する
技術的手段は先に述べた前方の刈払刃４の往復運
動における往復位置および往復範囲の変更に応用
し得る。

なお、側面の刈払刃８自体を駆動するには、第
２図に示すように原動機により駆動される駆動軸
１１の回転を傘歯車３９，４０より別の回転軸４
１に取出し、該回転軸４１にクラツチ４２を配備
して刈払刃駆動用の軸４３を回転せしめる。この
軸４３と刈払刃８の回転軸とを動力伝達用のフレ
キシブルワイヤー４４で連結する。

回転軸４１自体には、任意の動力伝達用のフレ
キシブルワイヤーを接続して肩掛式の刈払機の動
力源としたり、グラインダーを装着して刈払刃の
刃研に利用し得るようにしておくと便利である。

ところで土手の斜面などの刈払を行なうには第
４図イ、ロで示すように、刈払刃を土手の斜面と
平行に位置せしめ、かつ、その斜面と平行に下動
させる必要がある。そして土手の斜面は第４図ロ
に示す垂直面からイに示すなだらかな斜面までそ
の角度は千差万別である。従つて側面の刈払刃は
全ゆる傾斜角の斜面に適応し得るようにしなけれ
ばならない。

そこで、側面の刈払刃の傾斜角度の変更機構を
図面の第３図ないし第５図について説明する。

まず、台車１の側部にはベアリング４５と４６
とが固定してあり、前方のベアリング４５には扇
形のアジヤスト板４７を定着してある。そしてベ
アリング４５と４６とに軸４８を回動自在に支持
せしめ該軸４８の前方部分には前記アジヤスト板
７と摺接するべきアーム４９を突出させ、アジヤ
スト板４７とアーム４９とはボルト５０を用い任
意回動位置で係着し得るようにする。

軸４８の前端部にはボス５１を定着し、これに
揺動の際のガイド杆５２が係合し得るピン５３を
設けてある。また軸４８の後端部においては、軸
４８に刈払刃８の支持杆９の基端部を枢着５４す
るとともに、軸４８の中間位置においては円板３
６および該円板３６と駆動機構（回転軸および歯
車）が一体的にセツトされている。

しかして、軸４８を軸回転させて、任意回動位
置においてボルト５０を締め付けアジヤスト板４
７とアーム４９を固定すると、刈払刃８の支持杆
９は第５図実線で示す位置から二点鎖線で示す状
態にセツトされる。この際、単に刈払刃の支持杆
９が回転されるだけではなく、揺動機構の一切が
同じように回転されるため、刈払刃８は第４図
イ、ロに示すように回動しセツトされた角度にお
いてその傾斜角度の方向に上下に揺動させること
ができる。

なお、円板３６を駆動する回転軸５６や、その
駆動のための傘歯車５６，５７はともに第４図に
示すように軸４８につれて回動するため、クラツ
チ３５の操作によつて駆動される回転軸５８と回
転軸５５との間には回転軸５５の移動を許容する
べく動力伝達用のフレキシブルワイヤー５９を介
在させてある。

ところで、前方の刈払刃４は地面Ｇと平行とな
るように設定するが、第６図に示すように、その
伝導軸、詳しくは伝導軸を含むケーシンゲ軸の取
付手段をフランジ式とし、フランジ６０のボルト
孔６１を長孔としておくことによつて水平状態を
正しく調整できるようにする。また、フランジの
取付位置を90度回転させることによつて第６図２
点鎖線で示すように刈払刃４を垂直にセツトする
ことも可能である。

刈払刃４を垂直にセツトすれば、刈払刃の刃研
作業などに便利である。

なお、台車１は移動したり、がた付いたりしな
いように定位置に固定できるようにすると、刈払
作業以外の刈払刃の刃研作業やその他動力源とし
て利用する場合に便利である。

この台車１を定置させる手段としては、例えば
台車１の四隅に着脱式の適当な脚を設け、脚を取
付た状態で車輪３を引き上げ四隅の脚で台車を支
持するようにしたり、車輪３を台車１の上方にま
で完全に引く上げてしまい、台車１が直接地上に
載置されるようにするとよい。

車輪３を上方に引き上げる手段としては、第７
図に示すように基端部を支点６２で支持させたア
ーム６３の中間位置に車軸３２を支承し、該アー
ム６３の先端にナツト６４を定着しておき、これ
にネジ６５を螺着し、ハンドル６６の回転操作に
よつてアーム６３を点線位置に示すように上方に
移動せしめ、車輪３を引き上げるようにすること
ができる。

その他図面の第１図において、６７は台車１の
後端部に設ける補助脚であつて、その下端には小
車輪６８を取付けておき一輪車である台車を三輪
車のように支持させることができるようにしたも
のである。この補助脚６７は着脱式とし小車輪の
反対側、つまり図面上の上端部は尖つた杭の状態
とし、台車１を停止させておくときは補助脚を天
地逆として地面に打込んでおくようにすると台車
が固定されて安全である。６９は台車１の操従ハ
ンドルであつて、上記した種々の運転のための操
作レバーを集中させておく。

本考案走行式刈払機を用いた刈払作業に付いて
説明する。

まず、平面刈のみを行なう場合、原動機２を駆
動し、クラツチ１２およびクラツチ１４ａを入れ
ると前方の刈払刃４が回転する。そしてクラツチ
２９を入れると車輪３駆動され、本機を走行させ
ながら刈払作業を行なう。この際クラツチ２８を
入れておくと刈払刃４は左右に往復運動しながら
なるべく広い範囲の刈払作業を行なうことができ
る。

単に本機を移動させる場合は、クラツチ２８を
切つて刈払刃４の左右往復を止めるとともに、ク
ラツチ１４ａを切ると刈払刃４は停止させること
ができる。

次に側面の刈払作業を行うには、あらかじめ土
手などの傾斜面の角度に合わせて刈払刃８の角度
を第４図に示すようにセツトしておく。しかる
後、クラツチ４２を入れると刈払刃８が回転す
る。更に、クラツチ３５を入れると刈払刃８の支
持杆９は枢軸５４を中心として揺動運動を行な
う。そして、この状態で土手の斜面にそつて走行
させると土手の斜面の刈払作業を行なうことがで
きる。

即ち、前方の刈払刃４と側方の刈払刃８の双方
を駆動しつつ、台車１を土手の斜面などに沿つて
走行させると、土手の斜面とそのきわの平面の刈
払作業を一度に行なわせることができる。またク
ラツチ１４ａ，４２を入切操作することよつてい
ずれか一方のみの刈払刃を駆動させたりあるいは
クラツチ２８および３５を入切することによつて
いずれか一方の刈払刃のみを往復運動または揺動
運動させることができる。

従つて、これらクラツチ操作によつて専ぱら平
面刈、または斜面刈のみを行なわせることができ
るのはいうまでもない。

本機は本機本来の刈払作業以外の動力源として
利用する場合は、クラツチ１２を切離し、かつク
ラツチ４２を切つておく。

このようにすれば、原動機の回転力は回転軸４
１のみで伝達され、これを任意の動力機械の動力
源として有効に利用することができる。

もつとも、軸４３とフレキシブルワイヤー４４
の結合を外し、軸４３の回転力を任意の動力機械
の動力源として利用することも可能である。

この場合、クラツチ４２の操作によつて正逆切
換の可能な動力源として利用することができる。

本考案走行式刈払機によれば、自走式の台車を
運転し、移動させるだけで平面や土手の側面（傾
斜面）の刈払作業を自動的に行なうことができ、
従来極めて厄介であつた刈払作業を能率的にしか
も手軽に行なうことができる。

また本機は他の動力機械の動力源としても利用
することができ、多機能の機械として有効に活用
することができる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案走行式刈払機の実施例を示す
もので、第１図は全体の側面図、第２図は動力伝
導機構を示す平面図、第３図は側面の刈払刃の揺
動機構を示す側面図、第４図は側面の刈払刃を傾
斜角度を変えてセツトする状態を略示的に示す正
面図、第５図は第３図の−線断面図、第６図
は第２図の−線断面図、第７図は車輪の昇降
機構の一例を示す側面図である。 １……台車、２……原動機、３……車輪、４，
８……刈払刃、５，１４，２７……伝導軸、６…
…摺動台、７……台座、９……支持杆、１０，１
５，２０……プーリー、１１……クラツチ、１
２，１４ａ，２８，２９，３５，４２……クラツ
チ、１３……駆動プーリー、１６……Ｖベルト、
１７，１７′，３９，４０，５６，５７……傘歯
車、１８……溝、１９……減速機、２１……テン
シヨンプーリー、２２，２３……出力軸、２４…
…ユニバーサルジヨイント、２５，３６……円
板、２６，３７……連結杆、３０……スプロケツ
ト軸、３１，３３……スプロケツト、３２……車
軸、３４……チエーン、３８……取付孔、４１，
５５，５８……回転軸、４３，４８……軸、４
４，５９……フレキシブルワイヤー、４５，４６
……ベアリング、４７……アジヤスト板、４９，
６３……アーム、５０……ボルト、５１……ボ
ス、５２……ガイド杆、５３……ピン、５４……
枢軸、６０……フランジ、６１……ボルト孔、６
２……支点、６４……ナツト、６５……ネバ、６
６……ハンドル、６７……補助脚、６８……小車
輪、６９……操従ハンドル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 台車１の前方には垂直方向の伝導軸５の先端
   に刈払刃４を装着し、該刈払刃４を地面と近接
   し、かつこれと平行に位置せしめ、水平方向で
   ある伝導軸５の基端部５ａは台車１の前端部の
   横方向に設置した台座７に沿つて移動し得るよ
   うにした摺動台６より突出せしめ該摺動台６を
   貫通する伝導軸１４によつて刈払刃４を回転せ
   しめ、この伝導軸１４は台車１上に載置した原
   動機２によつて駆動するとともに、原動機２に
   よつて減速機１９を介して車輪３を駆動し、か
   つ減速機１９を介して円板２５を駆動し、この
   円板２５と摺動台６とを連結杆２６で連結する
   ことによつて摺動台６を往復運動せしめ、また
   台車１の側方には基端部を枢着５４された支持
   杆９の先端部に刈払刃８を設け、該刈払刃８は
   原動機２の回転をフレキシブルワイヤー４４に
   よつて伝導し駆動するとともに減速機１９を介
   して円板３６を回転せしめ該円板３６と支持杆
   ９とを連結杆３７で連結し支持杆９が揺動運動
   し得るようにし、かつ支持杆９自体は軸受４
   ５，４６によつて支承される軸４８に枢着５４
   し、支持杆９および円板３６は軸４８の回動よ
   つて同じ位置関係を保ちつつ回動し刈払刃８の
   傾斜角度を任意に設定し得るようにしたことを
   特徴とする走行式刈払機。 ２ 台車１の車輪３を昇降式とし、台車１を地上
   に定置し得るようにしてなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の走行式刈払機。