JPH0650370Y2 - キヤツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、液体化粧品を収容する容器のキヤツプに関
するものである。

〔従来の技術〕

一般に、液体フアンデーシヨン等の液体化粧品は、容器
本体と、この容器本体の口頸部にねじのら合により着脱
自在になつた蓋体とからなる容器に収容されており、使
用時には、上記蓋体を容器本体の口頸部から取り外し、
その口頸部が開放状態になつた容器本体を傾けたり、さ
かさまにしたりして取り出し使用することが行われてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記のような容器は、一方の手で容器本
体を持ち、他方の手で蓋体を回転させながら容器本体か
ら取り外すというような、面倒な操作をしなければなら
ず使い勝手が悪いという問題を有している。また、使用
時に、容器本体から取り外した蓋体を紛失しやすいとい
う問題も有している。このため、使い勝手がよく、蓋体
の紛失のないキヤツプとして、実開昭53-33546号に開示
されているようなものがあり、一部で使用されている。
すなわち、このキヤツプは第３図および第４図に示すよ
うになつており、容器本体１の口頸部２の内周面にパイ
プ状の内栓３を内嵌し、この内栓３の内周面から複数の
支持体４を穴の中心に向けて延設し、この支持体４の先
端部から上方に向けて栓棒５を植立させている。そし
て、上記口頸部２の外周面に、外蓋６をねじ同志のら合
により取り付け、この外蓋６の天井部を、弾性を有する
ドーム体７で構成するとともに、このドーム体７の中心
部から、上端部が上記栓棒５の先端部5aに嵌合する穴部
８に形成された筒状体９を植立して構成されている。こ
のため、不使用時には、第３図のように、筒状体９を下
方に押し付けた状態にして、穴部８と栓棒５の先端部5a
とを嵌合させ容器10を閉成することができる。また、使
用時には、筒状体９を上方に引き上げる。その結果、ド
ーム体７が、不使用時の下方に落ち込んだ状態から、反
転して第４図のような上方に盛り上がつた状態になり、
筒状体９を上方に押し上げる。そのため、筒状体９の穴
部８と栓棒５の先端部5aとの嵌合が解除され、穴部８が
開成した状態になる。その状態で容器10を傾けることに
より、容器本体１に収容されている液体化粧品を取り出
して化粧を行うことができる。

しかしながら、このキヤツプは、不使用時に、ドーム体
７が下方に落ち込んだ状態になるため、落ち込みにより
形成される凹部に筒状体９の外側面に伝わつて流れてく
る液体化粧品が溜まつたり、ほこり等が溜まつたりして
汚れやすいという問題がある。また、キヤツプの閉成を
筒状体９の穴部８と栓棒５の先端部5aとの嵌合だけで行
うため、液体化粧品が漏れやすいという問題も有してい
る。さらに、筒状体９が小さいため、手で持ち難く操作
しにくいという問題も有している。

そこで、キヤツプの開閉操作をしやすくした液体容器の
キヤツプ着脱機構が、実公昭50-8125号公報に開示され
ている。このものは、液体容器の本体口部に嵌合する注
出栓と、頂壁の中央部に流出孔が開口するキヤツプとを
備え、上記注出栓の中央水平段部の中央部から栓部を上
方に突出させるとともに、この栓部の周囲に液体通過孔
を穿設し、上記キヤツプの頂壁の周壁から垂設する周壁
の下端部を本体肩部に嵌合させるとともに、周壁の左右
両側部の一部を切り欠いて屈伸脚部を形成し、不使用時
には、上記屈伸脚部を外方向に屈折させることで、キヤ
ツプを引き下げてその頂壁の流出孔を注出栓の水平段部
の栓部で閉塞し、使用時には、上記屈伸脚部を横側から
内方向に向かつて押圧して真つ直ぐにすることで、キヤ
ツプを起立させてその頂壁の流出孔を開孔するようにし
ている。

しかしながら、このものでは、キヤツプの頂壁の流出孔
を注出栓の水平段部の栓部で閉塞するだけである。すな
わち、１個所の閉塞だけで栓をする構造であるため、収
納液の漏れ防止効果に劣る。しかも、このものでは、不
使用時には屈伸脚部が外方向に屈折しているため、誤つ
て液体容器を倒したりすると、倒れた際に屈伸脚部が周
囲の他物に当たつて内方向に押圧されることが多く、こ
の場合には、キヤツプの頂壁の流出孔が開孔し、収納液
が外部に流出したり、塵芥が液体容器内に侵入したりす
る。また、不使用時には屈伸脚部が外方向に屈折してい
るため、この外方向に屈折している屈伸脚部と、この屈
伸脚部の周囲に形成された周壁の切り欠き部との間に隙
間ができ、この隙間から塵芥や収納液（使用時にキヤツ
プの頂壁や周壁に付着した収納液）がキヤツプ内に侵入
して溜まり、キヤツプが汚れる。さらに、このもので
は、屈伸脚部がキヤツプの外部に露呈しているため、他
物に当たりやすく、早期に破損する。

この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、開
閉操作がしやすく、しかも液体化粧品やほこりがキヤツ
プの内部，表面に溜まつて汚れることがなく、かつ液体
化粧品の漏れを確実に防止することができ、耐久性に優
れたキヤツプの提供をその目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案のキヤツプは、容
器本体の口頸部に嵌着するキヤツプ状体の天井部に穴部
を穿設し、この穴部の縁部に筒状体を上下方向に延びる
ように取り付け、この筒状体の下部側内周面から棒状の
支持部を筒状体の穴部の中心軸に向けて配設し、この支
持部の先端部から中心栓棒を植立させ、この中心栓棒と
上記筒状体との間隙で下部側が幅狭になつた吐出口を形
成することにより内蓋を構成し、上記内蓋を被覆するよ
うにして内蓋に対し上下移動自在に配設されたキヤツプ
状体の天井部に上記中心栓棒の上端部に嵌合しうる穴部
を穿設し、その穴部の縁部から、上記内蓋の吐出口に沿
つて上下移動自在に設けられこの吐出口の下部側を開閉
できる筒状栓を垂設することにより外蓋を構成し、上記
内蓋の筒状体の上端部に、それ自身の内周部を中心に上
下に反転動作するとともにこの反転状態を維持しうる弾
性体を一体的に設け、この弾性体の外周部を上記外蓋の
キヤツプ状体の内側面に連結し、上記外蓋が下方に位置
したときに上記外蓋の穴部に内蓋の中心栓棒の上端部を
嵌合させるとともに上記外蓋の筒状栓で内蓋の吐出口を
閉じるように構成したという構成をとる。

〔作用〕

すなわち、このキヤツプは、内蓋の筒状体の上端部に、
それ自身の内周部を中心に上下に反転動作するとともに
この反転状態を維持しうる弾性体を一体的に設け、この
弾性体の外周部を（内蓋を被覆する）外蓋のキヤツプ状
体の内側面に連結しているため、弾性体が外蓋の外部に
露呈せず、液体化粧品やほこりが弾性体や外蓋の内部，
表面に溜まつてキヤツプを汚すということがなく、弾性
体が外蓋で保護されていることから、周囲の他物に当た
つて破損することがなく、耐久性に優れる。また、この
ように弾性体が外蓋で保護されていることから、誤つて
容器を倒したりしても、弾性体が反転して開蓋すること
がなく、液体化粧料の流出を防止することができる。し
かも、キヤツプの閉成は、外蓋の穴部と内蓋の中心栓棒
および内蓋の吐出口下部側と外蓋の筒状栓の２箇所の嵌
合により行われるため、確実になり、液体化粧品の漏れ
を生じ難くなる。さらに、本願考案では、内蓋に設けた
筒状体と、この筒状体の下部側の（内周面から延びる）
棒状の支持部の先端部から植立させた中心栓棒との間隙
で、下部側が幅狭になつた吐出口を形成し、外蓋のキヤ
ツプ状体の天井部に穿設した（上記中心栓棒の端部に嵌
合しうる）穴部の縁部から、内蓋の吐出口に沿つて上下
移動自在に設けられこの吐出口の下部側を開閉できる筒
状栓を垂設したため、この筒状栓が、吐出口の下部側を
閉塞する栓の役目と、外蓋が上下移動するときに外蓋が
大きく側方に揺れないようにするためのガイドの役目と
の２つの役目を兼用しており、その分構造を簡素化する
ことができる。さらに、外蓋の大きさが内蓋を被覆でき
るほど大きく設定されているため、手で持ちやすく開閉
操作を行いやすい。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明す
る。

〔実施例〕

第１図および第２図はこの考案の一実施例を示してい
る。すなわち、図において、11は内蓋であり、容器本体
12の口頸部13に外嵌するキヤツプ状体14の天井部14aに
穴部を穿設し、この穴部の縁部に上下に延びる筒状体15
を設けて構成されている。16はこの筒状体15の穴部15a
内に同軸的に配設された栓棒であり、上端部16aが小径
に形成されているとともに、下端側16bが大径に形成さ
れ、この下端部が筒状体15の穴部15aの下端部から延設
されている複数個の支持片17に連結され支持されてい
る。そして、上記筒状体15の穴部15aと栓棒16との間隙
部が容器本体12内に収容されている液体化粧品を取り出
すための吐出口18になつている。19は上記キヤツプ状体
14の天井部14aから垂下しているリング状垂れ片であ
り、容器本体12の口頸部13に内嵌してキヤツプ状体14の
筒部とで口頸部13を挟持し、内蓋11の口頸部13への嵌着
固定をより確実にしている。20は内蓋11に嵌着できる大
きさに設定された外蓋である。この外蓋20は、キヤツプ
状体21を備え、上記キヤツプ状体21の天井部21aの中心
部に穴部22が穿設されている。この穴部22の縁部からは
筒状の栓23が同軸的に垂設されている。上記穴部22は、
内蓋11の栓棒16の上端部16aに嵌合し、上記筒状の栓23
の下端部23aは吐出口18の下端側と嵌合するようになつ
ている。24は内蓋11の筒状体15の上端縁部と外蓋20の内
面における側面と天井面との境界部とを連結している弾
性ドーム体であつてヒンジの機能を有し、中心側を中心
に端部が上と下の２つの位置間を反転動作することによ
り外蓋20を、内蓋11に対して上下移動（上と下の２つの
位置間の移動）させるようになつている。

この構成において、不使用時には、第１図のように、外
蓋20を下方に押し付け、弾性ドーム体24を上方に向かつ
て盛り上がつた状態にしておく。この状態では、外蓋20
の穴部22に内蓋11の栓棒16の上端部16aが密着嵌合し、
内蓋11の吐出口18の下端側に外蓋20の筒状の栓23の下端
部23aが密着嵌合しており、それによつて吐出口18がそ
の上端および下端の２箇所で閉成されている。このた
め、この容器25は、液体化粧品の漏れを生じ難い閉成状
態に保持されている。また、使用に際しては、外蓋20を
上方に向けて引き上げる。その結果、弾性ドーム体24
が、第１図の状態から、反転して第２図のように略起立
状態になり、その状態が弾性ドーム体24の弾性により保
持される。この状態では、外蓋20の穴部22と内蓋11の栓
棒16の上端部16aとの嵌合および内蓋11の吐出口18の下
端側と外蓋20の筒状の栓23の下端部23aとの嵌合が解除
され、吐出口18が開成された状態になつている。このた
め、その状態で、この容器25を傾けることにより、容器
本体12の内部に収容されている液体化粧品を取り出し、
この液体化粧品を手で受け顔に塗布することにより化粧
を行うことができる。また、使用後は、外蓋20を下方に
押圧し、第１図の閉成状態にしておく。

このように、このキヤツプは、それ自体の反転により外
蓋20を上下移動させる弾性ドーム体24を、外蓋20の内部
に配設しているため、従来例のように、弾性ドーム体24
の凹部やキヤツプの内部に液体化粧品やほこり等が溜ま
つて汚れるという問題がなくなる。また、キヤツプの閉
成を、外蓋20の穴部22と内蓋11の栓棒16の上端部16a、
および内蓋11の吐出口18の下部側と外蓋20の筒状の栓23
の下端部23aの２箇所の嵌合により行なうため確実な閉
成ができ、漏れを生じ難くなる。さらに、外蓋20が大き
な形状に形成されているため、手で持ちやすく操作がし
やすくなる。また、外蓋20の天井部21aの中心部が盛り
上がつた形状になつているため、外蓋20の穴部22に残つ
た液体化粧品が外部に流れてきても、外蓋20の下方に向
かつて流れてしまう。そのため、外蓋20の表面に液体化
粧品が溜まり外蓋20を汚すということがない。

〔考案の効果〕

この考案のキヤツプは、以上のように構成されているた
め、弾性体が外蓋の外部に露呈せず、液体化粧品やほこ
りが弾性体や外蓋の内部，表面に溜まつてキヤツプを汚
すとうことがなく、弾性体が外蓋で保護されていること
から、周囲の他物に当たつて破損することがなく、耐久
性に優れる。また、このように弾性体が外蓋で保護され
ていることから、誤つて容器を倒したりしても、弾性体
が反転して開蓋することがなく、液体化粧料の流出を防
止することができる。しかも、キヤツプの閉成は、外蓋
の穴部と内蓋の中心栓棒および内蓋の吐出口下部側と外
蓋の筒状栓の２箇所の嵌合により行われるため、確実に
なり、液体化粧品の漏れを生じ難くなる。さらに、本願
考案では、内蓋に設けた筒状体と、この筒状体の下部側
の（内周面から延びる）棒状の支持部の先端部から植立
させた中心栓棒との間隙で、下部側が幅狭になつた吐出
口を形成し、外蓋のキヤツプ状体の天井部に穿設した
（上記中心栓棒の端部に嵌合しうる）穴部の縁部から、
内蓋の吐出口に沿つて上下移動自在に設けられこの吐出
口の下部側を開閉できる筒状栓を垂設したため、この筒
状栓が、吐出口の下部側を閉塞する栓の役目と、外蓋が
上下移動するときに外蓋が大きく側方に揺れないように
するためのガイドの役目との２つの役目を兼用してお
り、その分構造を簡素化することができる。さらに、外
蓋の大きさが内蓋を被覆できるほど大きく設定されてい
るため、手で持ちやすく開閉操作を行いやすい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の不使用時の状態を示す縦
断面図、第２図はその使用時の状態を示す縦断面図、第
３図は従来例の不使用時の状態を示す縦断面図、第４図
はその使用時の状態を示す縦断面図である。 11……内蓋、12……容器本体、13……口頸部、14……キ
ヤツプ状体、14a……天井部、15……筒状体、16……栓
棒、17……支持片、18……吐出口、20……外蓋、21……
キヤツプ状体、21a……天井部、22……穴部、23……
栓、24……弾性ドーム体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体12の口頸部13に嵌着するキヤツプ
   状体14の天井部14aに穴部を穿設し、この穴部の縁部に
   筒状体15を上下方向に延びるように取り付け、この筒状
   体15の下部側内周面から棒状の支持部17を筒状体15の穴
   部の中心軸に向けて配設し、この支持部17の先端部から
   中心栓棒16を植立させ、この中心栓棒16と上記筒状体15
   との間隙で下部側が幅狭になつた吐出口18を形成するこ
   とにより内蓋11を構成し、上記内蓋11を被覆するように
   して内蓋11に対し上下移動自在に配設されたキヤツプ状
   体21の天井部21aに上記中心栓棒16の上端部に嵌合しう
   る穴部22を穿設し、その穴部22の縁部から、上記内蓋11
   の吐出口18に沿つて上下移動自在に設けられこの吐出口
   18の下部側を開閉できる筒状栓23を垂設することにより
   外蓋20を構成し、上記内蓋11の筒状体15の上端部に、そ
   れ自身の内周部を中心に上下に反転動作するとともにこ
   の反転状態を維持しうる弾性体24を一体的に設け、この
   弾性体24の外周部を上記外蓋20のキヤツプ状体21の内側
   面に連結し、上記外蓋20が下方に位置したときに上記外
   蓋20の穴部22に内蓋11の中心栓棒16の上端部を嵌合させ
   るとともに上記外蓋20の筒状栓23で内蓋11の吐出口18を
   閉じるように構成したことを特徴とするキヤツプ。